(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該の地理的エリアにワイヤレス・サービスを提供する複数のワイヤレス通信要素であって、それぞれが少なくともアンテナ・ポートまたは少なくとも1つのアンテナを備える複数のワイヤレス通信要素と、
前記ワイヤレス通信要素を制御するコントローラであって、活動化すべき、または活動化すべきでない前記ワイヤレス通信要素のそれぞれを決定するように構成されるコントローラと
を備え、
前記複数のワイヤレス通信要素のうちの1つまたは複数の前記少なくとも1つのアンテナ・ポートが、少なくとも1つのアンテナ素子を含み、
前記コントローラが、活動化すべき、または活動化すべきでないそれぞれのワイヤレス通信要素の前記少なくとも1つのアンテナ素子のそれぞれを決定するように構成され、
前記複数のワイヤレス通信要素のうちの1つまたは複数が、複数のアンテナを含み、
前記複数のワイヤレス通信要素のうちの少なくとも1つの前記複数のアンテナが水平方向に配列され、前記当該の地理的エリアの外周の周囲のワイヤレス通信要素のティアの接線方向に位置合せされ、前記ワイヤレス通信要素のうちの1つまたは複数の主ビームが、前記複数のワイヤレス通信要素によって画定されるスペースの内部の半径方向を指すように構成されるシステム。
前記コントローラが、前記当該の地理的エリアのトラフィック密度に基づいて、活動化すべき、または活動化すべきでない前記ワイヤレス通信要素のそれぞれを決定するように構成される請求項1に記載のシステム。
前記コントローラが前記当該の地理的エリアのトラフィック密度の変化を判定したとき、いくつかのワイヤレス通信要素、いくつかのアンテナ・ポート、いくつかのアンテナ素子、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つの活動化状態を変更するように前記コントローラが構成される請求項1に記載のシステム。
前記コントローラが前記ワイヤレス通信要素の放射パターンを調整することができるように、それぞれのワイヤレス通信要素の前記少なくとも1つのアンテナ素子の振幅および位相の少なくとも1つを制御するように前記コントローラが構成される請求項1に記載のシステム。
前記コントローラが、ワイヤレス通信要素のサブセット、それぞれのワイヤレス通信要素の前記少なくとも1つのアンテナ・ポートのサブセット、それぞれのワイヤレス通信要素の前記アンテナ素子のサブセット、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つに関する将来の構成情報を、前記サブセット内の前記ワイヤレス通信要素に関する構成情報に基づいて調整するように構成される請求項1に記載のシステム。
前記構成情報が、ワイヤレス通信要素活動化ステータス、アンテナ・ポート活動化ステータス、アンテナ素子活動化ステータス、設計要素情報、電力レベル設定情報、アンテナパターン設定情報、アンテナ方位設定情報、および第1のワイヤレス通信要素によって使用中のリソースに関する情報のうちの1つまたは複数を含む請求項6に記載のシステム。
前記複数のワイヤレス通信要素が、前記当該の地理的エリアの外周の周囲の1つまたは複数のティアで構成され、各ティアが、前記複数のワイヤレス通信要素のサブセットを含み、隣接するティアの前記ワイヤレス通信要素が、垂直距離だけ分離される請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
理解を容易にするために、各図に共通の同一の要素を示すために、可能な場合は同一の参照番号を使用した。
【0023】
本発明が関係する当業者には明らかな、本発明の記載の実施形態の様々な修正ならびに他の実施形態は、以下の特許請求の範囲で表現される本発明の原理および範囲内にあるとみなされる。
【0024】
別段に明記されていない限り、それぞれの数値および範囲は、「およそ」または「約」という語が値または範囲の値の前に置かれる場合と同様に、おおよそのものであると解釈されたい。
【0025】
以下の特許請求の範囲で表現される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の性質を説明するために説明および図示される各部分の細部、材料、および配置の様々な変更を当業者は行えることをさらに理解されよう。
【0026】
特許請求の範囲での図番号および/または図参照符号の使用は、特許請求の範囲の解釈を容易にするために、特許請求される主題の1つまたは複数の可能な実施形態を特定することを意図する。そのような使用は、そうした特許請求の範囲を、対応する図に示される実施形態に必然的に限定するものと解釈されるべきではない。
【0027】
以下の方法請求項で要素がある場合、それは、請求項列挙がそうした要素の一部またはすべてを実装する特定のシーケンスを示唆するのでない限り、それぞれの理解のための対応する符号と共に特定のシーケンスで列挙されるが、そうした要素が、その特定のシーケンスで実装されることに限定されることを必ずしも意図するわけではない。
【0028】
本明細書での「一実施形態」への参照は、実施形態と共に説明される特定の機能、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべて同一の実施形態を指すわけではなく、別々の実施形態または代替実施形態が必ずしも他の実施形態と相互排他的であるわけでもない。同じことが「実装」という用語にも当てはまる。
【0029】
さらに、この説明では、「結合」または「接続」という用語は、2つ以上の要素間でエネルギーを伝達することが許され、必須ではないが1つまたは複数の追加の要素の介在が企図される、当技術分野で周知の、または後に開発される任意の方式を指す。逆に、「直接的に結合」、「直接的に接続」などの用語は、そのような追加の要素の欠如を示唆する。
【0030】
当該の地理的エリア内のユーザ装置にワイヤレス通信サービスを提供する方法、装置システムの実施形態が本明細書で提供される。提供される実施形態は、スポーツ・アリーナ、スタジアム、ショッピング・モール、十分な密度のユーザ装置を有する他のエリアなどの、トラフィック要求が大きくなる可能性のあるエリア内の高容量の制御されたプロビジョニングを可能にする。本明細書では、「ワイヤレス装置」または「ユーザ装置」という用語は、クライアント、ユーザ機器、移動局、モバイル・ユーザ、モバイル、加入者、ユーザ、リモート・ステーション、アクセス端末、受信機、モバイル・ユニットなどと同義語であるとみなすことができ、以下では時折そのように呼ぶことがあり、ワイヤレス通信ネットワーク内のワイヤレス・リソースのリモート・ユーザを記述することができる。
【0031】
例えばホットスポットにワイヤレス・サービスを提供する現況技術の解決策は、容量が変化しない。マクロ・ネットワークは経済的には魅力的ではない。分散アンテナ・システム(DAS)は、カバレッジを著しく改善する、単に「より長いアンテナ」を導入するが、それでもマクロ・セクタによって提供される容量に制限される。WiFiは、トラフィック輻輳条件では不十分であることが知られている。対照的に、本明細書で提供される原理および教示による実施形態は、スケーラブルな容量を提供し、各ワイヤレス通信要素(例えば、メトロセル、LightRadio(商標)メトロセル、LightRadio(商標) Stadium Cubeなど)が、その直接の地理的近傍に高い「ローカル」容量を配信することができる。例えばスタジアムでの配置では、メトロセルは、DASマクロ・セクタと比べて数桁大きい容量を配信することができる。本発明の原理によれば、メトロセルなどのワイヤレス通信要素の容量は、アンテナ利得を単に向上することによって制御可能に増大することができる。本明細書では、「ワイヤレス通信要素」という用語は、トランシーバ、メトロセル、およびLightRadio(商標) Cubeと同義語とみなすことができ、以下では時折そのように呼ぶことがあり、複数の技術世代に及ぶことのあるワイヤレス通信ネットワーク内のモバイルと通信し、それにワイヤレス・リソースを提供するトランシーバを記述することができる。別の実施形態では、ワイヤレス通信要素は、送信機または受信機機能を備えることができる。
【0032】
本発明の原理を実装するシステムは、複数のトランシーバ(N個のトランシーバ)を含み、各トランシーバは少なくともアンテナを装備し、当該の地理的エリアにワイヤレス・サービス提供する。アンテナは、少なくとも1つのアンテナ素子で実現することができ、振幅および位相の点で電子的に制御することのできる放射パターンが得られる。カバレッジ・メトリック、容量メトリックなど、またはそれらの何らかの組合せ、当該の地理的エリアにわたる品質メトリックなどの少なくとも1つの品質メトリックを満たすようにシステムを配置することができ、品質メトリックは、当該の地理的エリアにわたるものである。
【0033】
システムはまた、トランシーバ間のローカルまたはグローバル調整を含み、ローカル調整は、複数のトランシーバの少なくともサブセットが調整された方式で配置されることを示唆し、グローバル調整は、複数のトランシーバが調整された方式で配置されることを示唆する。トランシーバのサブセット(またはグループ)間の調整は、トランシーバのサブセットの各トランシーバが、トランシーバの同一の前記サブセットに関する他のトランシーバの構成についてある程度の認識を有することを意味する。一実施形態では、トランシーバの構成は、電力レベル、アンテナパターン、アンテナ方位(例えば、方位角および/または傾き)、トランシーバによって使用中のリソースなどの設計要素を指す。トランシーバ間の調整は、共通のコントローラから集中式に行われ、または利用可能なインターフェースを介して(例えば、LTEでのX2インターフェースを介して)トランシーバのセットに関するトランシーバにわたって情報交換を通じて分散式に行われる。
【0034】
トランシーバ内干渉およびトランシーバ間干渉を緩和するための異なる後続の機構もサポートすることができる。本発明の原理による様々な実施形態では、様々な形態の無線周波数(RF)搬送波再利用を実装することができる。一例としてLTEを挙げると、10MHzスペクトル帯域幅をRF搬送波再利用1(ただ1つの10MHz RF搬送波がシステムにわたって再利用1で配置される)、またはRF搬送波再利用2(2つの5MHz RF搬送波がシステムにわたって再利用2で配置される)、またはRF搬送波再利用3(3つの3MHz RF搬送波がシステムにわたって再利用3で配置される)、またはRF搬送波再利用6(6つの1.4MHz RF搬送波がシステムにわたって再利用6で配置される)のいずれかで運用することができる。
【0035】
システム配置の初期のステージでは、少数のアンテナ素子(例えば、より少数のLightRadio cube)を有するより単純なアンテナを利用して、より低い密度のトランシーバを使用することができる。システム配置のより進んだステージでは、より多数のアンテナ素子(例えば、より多数のLightRadio cube)を有するアンテナを利用して、より高い密度のトランシーバを使用することができる。
【0036】
一実施形態によれば、いくつかのトランシーバを配置することができ、ネットワーク内の所与のトラフィック活動について、トランシーバの少なくともサブセットが同時に活動化される。より低い容量の必要に対して、より少数のアンテナ素子(例えば、より少数のLightRadio cube)に給電することにより、より広いアンテナパターンを有する、より少数のトランシーバを活動化することができる。より高い容量の必要に対して、より多数のアンテナ素子(例えば、より多数のLightRadio cube)に給電することにより、より狭いアンテナパターンを有する、より多数のトランシーバを活動化することができる。したがって、システムは、所与の時刻の必要な品質メトリックを満たすようにトランシーバ数およびアンテナパターンを動的かつインテリジェントに活動化することができ、容量スケーリングの実現を可能にする。
【0037】
別の実施形態では、所与の時刻に活動化されるトランシーバの密度が、地理的エリアのトラフィック密度に依存する。すなわち、より高いトラフィックを有するエリア内に追加のトランシーバを活動化することができる。さらに、ゾーンにわたってアンテナパターンを動的に適合させることができる。例えば、本発明の原理による一実施形態では、高密度のトランシーバを有するエリアでは、より多くのアンテナ素子に同時に給電することにより、より指向性の高いアンテナを実現することができ、低密度のトランシーバを有するエリアでは、より少ないアンテナ素子に同時に給電することにより、より指向性の低いアンテナを実現することができる。トランシーバ間の調整が必要である場合、そのような調整をトランシーバのサブセット(例えば、ローカル近隣)に限定することができ、または当該の地理的エリア全体に適用することができる。
【0038】
そのような調整の実装が、以下の実施形態で説明される。
− 集中型コントローラが、その監視下で複数のトランシーバ全体と継続的に、または時々通信する。集中型コントローラは、その監視下で少なくともトランシーバからシステム情報を受信する。システム情報は、トランシーバの近傍の測定されるトラフィック活動および/または測定される無線条件などのデータを含むことができる。このデータに基づいて、集中型コントローラは、指定される品質目標を満たすように、望ましいシステム構成を監視、決定、および調整する。本発明の可能な実装では、所与の時刻T1で、コントローラが、MがN以下であるとして(M≦N)、いくつかのM個のトランシーバだけがT1で活動化されると決定すると仮定する。「i番目」トランシーバを「TRX i」と呼ぶと、Mトランシーバのセットが{TRX_1、TRX_2、TRX_3、...、TRX_M−1、TRX_M}と表される。さらに、コントローラは、時刻T1でのそれぞれのアクティブなトランシーバによって使用されるパラメータを決定する。これらのパラメータは、アクティブなトランシーバによって使用される放射電力、そのアンテナパターン、ならびに特定の方位角および傾き設定によって記述されるそのアンテナパターンの3次元方位を含むことができる。アンテナパターンは、トランシーバのAAA(アクティブ・アンテナ・アレイ)アンテナの特定の数のアンテナ要素に給電することによって形成することができる。このことは、活動化される各アンテナ素子について適切な振幅および位相値を使用することによって行うことができる。したがって、I≦k≦number_antenna_elements_iとして、TRX_iに関する構成を、パラメータの特定のセット{power_i、azimuth_i、tilt_i、numbewr_antenna_elements_i、amplitude_element_k、phase_element_k}によって表すことができる。コントローラによって指定されるパラメータに従って、それぞれのアクティブなトランシーバの構成がさらに実装される。このことは、トランシーバがそれ自体で再構成することができると仮定して、各トランシーバにその特定の構成について通知することによって達成することができ、そのようなシステム変更を実装する能力を有する運用および保守(O&M)ユニットなどの制御ユニットからシステム全体を単に再構成することによって達成することもできる。
− 分散型集中型アーキテクチャ(以下のセクションで説明する)
− 完全に非集中型のアーキテクチャ(以下のセクションで説明する)
【0039】
図2は、本発明による実施形態を表す様々な可能なシステム・アーキテクチャを示す高レベルブロック図である。トランシーバ101および102(図示される表現では、4Gトランシーバ)がアグリゲーテッド・スイッチ601に接続され、アグリゲーテッド・スイッチ601が、ゲートウェイ、例えばThird Generation Partnership Project(3GPP)Long Term Evolution(LTE)用語によるサービスゲートウェイ(SGW)に接続される。トランシーバ101および102は、インターフェース、例えばLTEではX2インターフェースを介して情報を交換することができる。
【0040】
トランシーバ201および202(図示される表現では、4Gトランシーバ)がSGWに直接的に接続される。トランシーバ201および202は、インターフェース、例えばLTEではX2インターフェースを介して情報を交換することができる。
【0041】
トランシーバ301および302(図示される表現では、4Gトランシーバ)が、コントローラおよびプロセッサユニット701に接続され、コントローラおよびプロセッサユニット701がSGWに接続される。コントローラおよびプロセッサユニット701は、それに接続されるトランシーバ301および302間のリソースの割振りを調整する。
【0042】
トランシーバ401はマルチスタンダード・トランシーバであり(例えば、図示される表現では、3Gと4Gのどちらにも互換である)、したがって4Gトラフィックについて4G SGWに接続され、3Gトラフィックについて3Gセキュア・ゲートウェイ(SeGW)に接続される。
【0043】
トランシーバ501(図示される表現では、3Gトランシーバ)が、3Gセキュア・ゲートウェイ(SeGW)に接続され、3G SeGWが、サービングGPRSサポートノード(SGSN)に接続される。SGSNがゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)に接続され、GGSNは、GPRSネットワークと、インターネット、X.25ネットワークなどの外部パケット交換ネットワークとの間のインターネットワーキングの役目を果たす。特定のネットワーキング標準に関するネットワーク通信機能を有するトランシーバの点から説明するが、トランシーバは、本明細書ではコール・ワイヤレス通信要素でもよく、送信機、受信機、または送信機機能と受信機機能の両方を有することができる。トランシーバ101、102、201、202、301、302、401、および501は、適切な装備のユーザ装置(図示せず)にワイヤレス・サービスを提供する。
【0044】
図3は、その監視下でトランシーバ301から306の動作を調整する単一のコントローラおよびプロセッサ701に依拠する集中型アーキテクチャを利用する本発明の原理による代表的実施形態を示す高レベルブロック図である。
【0045】
図4は、いくつかのコントローラおよびプロセッサに依拠する分散型集中型アーキテクチャを利用する本発明の原理による代表的実施形態を示す高レベル・ブロック図である。コントローラおよびプロセッサ701は、トランシーバの第1のサブセット、すなわちトランシーバ301、302、および303の動作を調整し、コントローラおよびプロセッサ702は、トランシーバの第2のサブセット、すなわちトランシーバ304、305、306の動作を調整する。コントローラを接続するインターフェースを介してコントローラ701および702の間にさらに調整があることがある。
【0046】
集中型アーキテクチャ実施形態での実施形態の動作を
図8に関する説明でさらに詳述する。
【0047】
図5は、完全に非集中型のアーキテクチャを利用する本発明による一実施形態を示す高レベル・ブロック図である。この場合、集中型コントローラはない。トランシーバを(トランシーバ201、202、203の例のように)ゲートウェイ(SGW)に直接的に接続することができ、または(トランシーバ101、102、103の例のように)アグリゲーション・スイッチ601にまず接続することができ、次いでアグリゲーション・スイッチ601がゲートウェイ(SGW)に接続される。各トランシーバは、カバレッジエリアからトラフィック・ボリュームおよび無線条件を測定し、利用可能なインターフェースを介して(例えば、トランシーバ間のメッシュされた接続性を介して)その近傍の他のトランシーバと情報を交換する役目を果たす。非集中型アーキテクチャ実施形態の動作を
図9に関する説明でさらに詳述する。
【0048】
図6は、本発明の原理によるトランシーバ構造の例示的実施形態を示す高レベルブロック図である。一実施形態では、トランシーバ101は、送信および受信用の同一の物理的アンテナ800を使用し、任意のトランシーバ「j」は、送信用に使用される合計N
TAj個のアンテナ・ポートと、受信用に使用される合計N
RAj個のアンテナ・ポートとを有する。送信ポートと受信ポートは同一でよく、または異なるものでよい。別の実施形態では、トランシーバ102は、送信801および受信802用の異なる物理的アンテナを使用し、任意のトランシーバ「j」は、送信用に使用される合計N
TAj個のアンテナ・ポートと、受信用に使用される合計N
RAj個のアンテナ・ポートとを有する。送信ポートと受信ポートは同一でよく、または異なるものでよい。
【0049】
図7は、本発明の原理によるアクティブ・アンテナ・アレイ(AAA)構造を使用するアンテナの例示的実施形態の高レベル・ブロック図である。任意のトランシーバ「j」のアンテナ800は、送信用の放射パターンを形成するのに使用されるいくつかの能動素子N
TEjと、受信用の放射パターンを形成するのに使用されるいくつかの能動素子N
REjとを有する。これらのアンテナ素子は、送信と受信の両方について共通でよく(対角ハッシング)、または送信のみのために使用することができ(水平ハッシング)、または受信のみのために使用することができる(垂直ハッシング)。
【0050】
図8は、
図3の集中型アーキテクチャ実施形態のコントローラに関連するワイヤレス通信要素を制御する例示的方法を示すフローチャートである。システムを初期化した後、ステップ1で、コントローラは、その監視下のN個のトランシーバからシステム情報(例えば、測定されたトラフィック活動、リソース使用量、測定された無線条件など)を受信し、解析する。それぞれの任意のトランシーバ「j」は、N
TAj個の送信アンテナ・ポートおよびN
TEj個の送信アンテナ素子と、N
RAj個の受信アンテナ・ポートおよびN
REj個の受信アンテナ素子とを有する。
【0051】
ステップ2で、Tがシステムパラメータ(時間増分T)であるとして、それぞれの時間ステップTで、トラフィック条件および/または無線条件に基づいて、コントローラは、望ましいシステム構成を求め、システムで以下の処置を行うように命令を生成する。
【0052】
「t」が現システム時刻であると仮定して、
1)N(t)≦Nとして、活動化すべきN(t)個のトランシーバを求める。
【0053】
測定されるトラフィック・ボリュームと、そのトラフィックに対処するのに必要な適切なトランシーバ数との間には直接的な依存関係がある。したがって、一実施形態では、一定のボリューム範囲内のトラフィックに対処するのに適したいくつかのトランシーバが、アクティブ状態に置かれる。このことは、トランシーバをアクティブ状態から非アクティブ状態に、およびその逆に移動すること、または任意の特定のトランシーバの現状態を維持することを含むことができる。例えば、トラフィック・ボリュームしきい値のセット{TV
1、TV
2、TV
3、...、TV
N}を仮定して、トラフィックに対処するためにトランシーバ{NT
1、NT
2、NT
3、...、NT
N−1}を使用することができる。ただしNT
jは、TV
jとTV
j+1との間の任意のトラフィック量に対する適切なトランシーバ数である。そのようなマッピングを予め決定することができ、予測される性能レベルに基づくことができ、かつ/または(以前の)フィールド測定値(利用可能な場合)からの学習に基づくことができる。例えば、同一のタイプのアンテナを参照として有する場合、62個のトランシーバが1,800個の128kbpsビデオ接続を同時に実施することができ、124個のトランシーバが3,840個の128kbpsビデオ接続を同時に実施することができると仮定する(単一素子アンテナの場合の
図15に関連して与えられる例の図および説明を参照)。
2)それぞれのアクティブな「j」個のトランシーバについて、
− 2.a:トランシーバのアンテナの放射される電力レベルp(j)ならびに方位角(j)および傾き(j)を求める。
【0054】
この状態では、コントローラは、現トラフィック量および現無線条件と、いくつのトランシーバがアクティブであるかを知っている。
図12に表されるスタジアムを参照として取ると、ユーザに対してワイヤレス・サービスを提供するのにわずか10mWの電力レベルで十分であることがある。建物の存在に一般に関連付けられる、より損失の多い環境では、ワイヤレス・サービスを提供するのに数百mWもの電力レベルが必要となることがある。各トランシーバは、少なくとも1つのモバイル装置から受信したフィードバック(例えば、チャネル品質情報(CQI)フィードバック)に基づいて、所与の状態に対するその基準電力レベルを徐々に適合させることができる。あるいは、各トランシーバは、予測される性能レベルに基づいて、かつ/または(以前の)フィールド測定値からの学習に基づいて、所与の状態に対するその基準電力レベルを設定することができる。
【0055】
さらに、
図12で表されるスタジアムを基準として取ると、一実施形態では、
図13に示されるようにトランシーバを配置することができる(例えば、各トランシーバのアンテナに関する傾きおよび方位角が、それに応じて設定される)。
− 典型的なマルチコンコース・スタジアムでは、トランシーバのいくつかのティア(すなわち、スタジアムの外周に平行なリング)を使用することができる。
− 干渉を最小限に抑えるために、アンテナが、各リングに沿って真下を向く(すなわち90°下方傾斜)ように配置される。
− アンテナ素子アレイが水平方向に配置され、各リングの接線方向に位置合せされ、トランシーバの主ビームが半径方向を指す。
− トランシーバの主ビームが自転車のホイールのスポークのように配置されるように、複数のトランシーバがスタジアムの各リングにまとめられる。
【0056】
他のタイプの配置では、予測される性能レベルに基づいて、かつ/または経験則が利用可能であるときはいつでも、そのような規則に基づいて、各トランシーバのアンテナ方位(すなわち、傾斜および方位角)を決定することができる。
− 2.b:「j番目の」トランシーバによって使用されるリソース(例えば、帯域幅、通信チャネルなど)を求める。
【0057】
送信機当たり使用可能な帯域幅は、搬送する必要のあるトラフィック量に応じて求められる。様々な実施形態では、利用可能な全帯域幅(全搬送波再利用)または利用可能な全帯域幅(部分的搬送波再利用)の一部のみを「i番目の」トランシーバに割り振ることができる。このことは、測定されるトラフィック量をしきい値のセットと比較することによって達成することができる。
【0058】
例えば、一実施形態では、124個の(124)トランシーバに伴う2つの可能な配置があることがある。周波数再利用1配置は、3,840個の128kbpsビデオ・セッションを同時に実施することができ、周波数再利用2配置は、4,800個の128kbpsビデオ・セッションを同時に実施することができる。
【0059】
この例では、必要な128kbpsビデオ接続が4,000未満であるような(例えば、3,840個の128kbps接続が必要である)トラフィック要求である場合、搬送波再利用1配置が可能となる。しかし、トラフィック要求がより高く、要求が4,000を越える128kbpsビデオ接続である(例えば、4,800個の128kbpsビデオ接続が必要である)場合、トラフィック要件をサポートするために搬送波再利用2配置を使用することができる。
− 2.c:送信アンテナ・ポートのセットN
TAj(t)および送信アンテナ素子のセットN
TEj(t)を活動化する。
− 2.d:受信アンテナ・ポートのセットN
RAj(t)および受信アンテナ素子のセットN
REj(t)を活動化する。
− 2.eそれぞれの能動アンテナ素子「k」について、振幅α(k,t)および位相φ(k,t)を求める。
【0060】
一実施形態では、現在の測定されるトラフィック・ボリュームをトラフィック・ボリュームしきい値のセット(TH
1、TH
2、TH
3、...、TH
M)と比較することにより、各アンテナ素子についてのN
TAj(t)、N
TEj(t)、N
RAj(t)、N
REj(t)、ならびにα(k,t)およびφ(k,t)を求めることができる。TH
iとTH
i+1の間の任意のトラフィック・ボリュームについて、N
TAj(t)=N
TAj(t,i)、N
TEj(t)=N
TEj(t,i)、N
RAj(t)=N
RAj(t,i)、N
REj(t)=N
REj(t,i)であり、各アンテナ素子「k」について、α(k,t)=α(k,t,i)およびφ(k,t)=φ(k,t,i)である。
【0061】
予測される性能レベルに基づいて、かつ/または(以前の)フィールド測定値からの学習に基づいて(利用可能な場合)、アンテナ構成を求めることができる。例えば、62個のアクティブなトランシーバのそれぞれについて、2つの送信アンテナ・ポート(N
TAj(t)=2)、および2つの受信アンテナ・ポート(N
RAj(t)=2)を活動化することができる。アンテナ当たり単一の能動素子(N
TEj(t)=1およびN
REj(t)=1)の場合、1,800個の128kbps同時ビデオ接続を実施することができ、アンテナ当たり4つの能動素子の場合(N
TEj(t)=4およびN
REj(t)=4)、2,400個の128kbps同時ビデオ接続を実施することができる。
【0062】
同様に、124個のアクティブなトランシーバのそれぞれについて、2つの送信アンテナ・ポート(N
TAj(t)=2)、および2つの受信アンテナ・ポート(N
RAj(t)=2)を活動化することができる。アンテナ当たり単一の能動素子の場合(N
TEj(t)=1およびN
REj(t)=1)、3,840個の128kbps同時ビデオ接続を実施することができ、アンテナ当たり4つの能動素子の場合(N
TEj(t)=4およびN
REj(t)=4)、4,800個の128kbps同時ビデオ接続を実施することができる。
【0063】
この例では、必要な128kbpsビデオ接続が2,000未満であるような(例えば、1,800個の128kbps接続が必要である)トラフィック要求である場合、各トランシーバが2つの送信/受信アンテナ・ポートを装備し、各アンテナが単一の能動素子を有する62個のトランシーバを有する配置で十分である。しかし、トラフィック要求がより高く、要求が2,000を越える128kbpsビデオ接続である(例えば、最大2,400個の128kbpsビデオ接続が必要である)場合、各トランシーバが2つの送信/受信アンテナ・ポートを装備し、各アンテナが4つの能動素子を有する62個のトランシーバを有する配置が必要となる。したがって、トラフィックが2,400 128kbpsビデオ接続と3,840 128kbpsビデオ接続との間である場合、各トランシーバが2つの送信/受信アンテナ・ポートを装備し、各アンテナが単一の能動素子を有する124個のトランシーバを有する配置が必要となる。トラフィックが3,840個の128kbpsビデオ接続と、4,800個の128kbpsビデオ接続との間である場合、各トランシーバが2つの送信/受信アンテナ・ポートを装備し、各アンテナが4つの能動素子を有する124個のトランシーバを有する配置が必要となる。
【0064】
電子的にビームを操縦し、望ましいビーム形状を生成するように各アンテナ素子の振幅および位相をさらに求めることができる。
【0065】
システムは、ステップ1に戻る前に、次の時間ウィンドウ「T」の間、この構成にとどまる。
【0066】
図9は、
図4および5の非集中型アーキテクチャに関連するワイヤレス通信要素を制御する例示的方法を示すフローチャートである。システムを初期化した後、ステップ1で、各トランシーバが、そのローカルカバレッジエリアからシステム情報(例えば、測定されるトラフィック活動、リソース使用量、測定される無線条件など)を受信し、解析する。トランシーバは、利用可能なインターフェースを介してシステム情報を交換する。それぞれの任意のトランシーバ「j」は、N
TAj個の送信アンテナ・ポートおよびN
TEj個の送信アンテナ素子と、N
RAj個の受信アンテナ・ポートおよびN
REj個の受信アンテナ素子とを有する。
【0067】
ステップ2で、Tがシステムパラメータ(時間増分T)であるとして、各時間ステップTで、トラフィック条件および/または無線条件に基づいて、各トランシーバは、アクティブ/非アクティブ・ステータスおよびそれ自体の構成を求める。
【0068】
「t」が現システム時刻であると仮定して、
1)それぞれのアクティブな「j」トランシーバについて、
− 放射される電力レベルp(j)、方位角(j)、および傾斜(j)を求める。
− 「j番目の」トランシーバによって使用されるリソース(例えば、帯域幅、通信チャネルなど)を求める。
− 送信アンテナ・ポートのセットNTAj(t)および送信アンテナ素子のセットNTEj(t)を活動化する。
− 受信アンテナ・ポートのセットNRA
j(t)および受信アンテナ素子のセットNREj(t)を活動化する。
− それぞれのアクティブなアンテナ素子「k」について、振幅α(k,t)およびφ(k,t)を求める。
【0069】
システムは、ステップ1に戻る前に、次の時間ウィンドウ「T」の間、この構成にとどまる。
【0070】
コントローラによって求められる構成情報は、ワイヤレス通信要素活動化ステータス、アンテナ・ポート活動化ステータス、アンテナ素子活動化ステータス、設計要素情報、電力レベル設定情報、アンテナパターン設定情報、アンテナ方位設定情報、および第1のワイヤレス通信要素によって使用中のリソースに関する情報のうちの1つまたは複数を含むことができる。本発明の原理に従ってシステムがその構成をどのように適応するかを示す別の例が、以下の資料で説明される。
【0071】
図10に、本発明の原理による配置シナリオに関連する可能なワイヤレス・システム状態を示す。システムは、6つのトランシーバ301、302、303、304、305、306を含む。トランシーバは、当該の地理的エリア(例えば、トランシーバが外接するスペース)にワイヤレス・サービスを提供する。3つのトランシーバ301、303および305が活動化され、他の3つの送信機302、304および306は非アクティブのままにされる。各トランシーバについてビームパターンが送信(垂直の破線で示される)および受信について示されているが、ビームパターンは異なる構成および形状でよい。トランシーバについての送信に関するビームパターンが垂直破線で示されており、トランシーバについての受信に関するビームパターンがれんが状のパターンで示されている。
【0072】
図10はまた、本発明の原理による可能なアンテナ実現を示す。トランシーバ301は、送信用のアンテナ・ポートと、受信用の2つのアンテナ・ポートとを有し、送信用の能動アンテナ素子(
図10では水平ハッシングで示される)と、受信用の2つの能動アンテナ素子(
図10では垂直ハッシングで示される)とを使用する。トランシーバ303は、送信用の2つのアンテナ・ポートと、受信用の2つのアンテナ・ポートとを有し、送信用の2つの能動アンテナ素子(水平ハッシング)と、受信用の2つの能動アンテナ素子(垂直ハッシング)とを使用する。トランシーバ305は、送信用の4つのアンテナ・ポートと、受信用の2つのアンテナ・ポートとを有し、送信および受信に共通の4つの能動アンテナ素子(
図10では対角ハッシングで示される)と、送信専用の4つの能動アンテナ素子(水平ハッシング)とを使用する。
【0073】
図11a、
図11bおよび
図11cは、本発明の原理に従って設計されたワイヤレス通信システムが当該の地理的エリアにわたる変化するトラフィック条件にどのように適応するかを一例を通じて示す。
【0074】
図11aは、
図11bおよび
図11cでさらに説明されるシステム配置で使用されるトランシーバ構造の一例を表す。各トランシーバは、4つのアンテナ(4つの送信機アンテナ・ポートおよび4つの受信機アンテナ・ポートを提供する)と、送信と受信のどちらにも使用される16個の能動アンテナ素子(対角ハッシングで示されるボックス)とを有する。
【0075】
図11bに、当該の地理的エリアにワイヤレス・サービスを提供するために、アクティブな各トランシーバがサービスエリア全体にわたるトラフィック密度Dにサービスするように適合されるアンテナパターンを有するシステム構成を示す。さらに、当該の地理的エリアにサービスすることのできる9個のトランシーバ(301から309)のうち、6個のトランシーバ(301から306)がアクティブ状態にある。当該の地理的エリアにサービスすることのできる残りのトランシーバは非アクティブ状態にある。さらに、所望のレベルのワイヤレス・サービスを提供するために、アクティブなトランシーバについて、2つのアンテナだけがアクティブであり、2つのアンテナ素子だけが給電される。
【0076】
図11cに、
図11bから変化したシステム条件に対応するトラフィック密度に適合されたシステム構成を示す。考慮中のこのシナリオでは、トラフィック密度が、地理的エリアのいくつかの部分で、Dから2D(すなわち、
図11bの2倍のトラフィック)に、およびDから4D(すなわち、
図11bの4倍のトラフィック)に急上昇している。その結果、すべての9つのトランシーバ(301から309)がアクティブ状態に設定される。トランシーバ301、302、303、および305は、トラフィック密度がDである当該の地理的エリアの各部分に依然としてサービスし、2つのアンテナおよび2つのアンテナ素子に依然として利用して、そのレベルのサービスを提供する。トランシーバ304、307、および308は、トラフィック密度が2Dである当該の地理的エリアの別の部分にサービスする。これは、トラフィック密度が
図11bでDであったときにトランシーバ304だけによってサービスされた当該の地理的エリアの部分である。このとき、3つのアクティブなトランシーバ(308、304、および307)のそれぞれは、2つのアンテナおよび8つのアンテナ素子を利用し、それらは、例えばより狭いビームパターンを生成することにより、より良好な干渉管理のためにインテリジェントに給電される。
【0077】
同様に、トランシーバ306は、トラフィック密度が
図11bでDであったエリアに以前はサービスしたが、トラフィック密度が4Dに急上昇した
図11cのトラフィック仮定下では、同一エリアを単独でサービスするのに十分な容量を有さない。トランシーバ306および309のどちらもこのときアクティブであり、トラフィック要求の増大に対処するために、それぞれは、4つのアンテナおよび16個のアンテナ素子を利用する。この構成では、それらは、例えばより狭いビームパターンを生成することにより、干渉をインテリジェントに管理することができ、多入力多出力(MIMO)技法により、データの多重ストリームを並列にサポートすることができる。
【0078】
いくつかのケースでは、アクティブである通信要素数を増加させることができ、いくつかのケースでは、アンテナ素子数が増加すると予想され(その結果、それぞれのアンテナについてより狭いアンテナパターンが得られる)、いくつかのケースでは、アンテナ素子数は一定のまま、または減少することができる(その結果、それぞれのアンテナについてより広いアンテナパターンが得られる)。通信要素数が減少したとき、類似の効果が生じることがある(アンテナ素子数の対応する減少はないことがあり、いくつかのワイヤレス通信要素はそのアンテナ素子数を減少させることがあるが、いくつかの他のワイヤレス通信要素は、そのアンテナ素子数を一定に保つことがあり、さらにはそのアンテナ素子を増加させることがある)。
【0079】
本発明の原理に従って設計されたワイヤレス通信システムは、上述のように異なる状態間を移行することができる。
【0080】
図12に、スタジアムに対応する地理的エリア内のトランシーバ配置の2つの例を示す。図の左側の配置は、より低密度のトランシーバに対応し(この例では、62個のトランシーバ)、図の右側の配置は、より高密度のトランシーバに対応する(この例では、124個のトランシーバ)。
図10では、トランシーバがドットで表される。図示されるどちらの配置の場合も、複数のトランシーバがマルチティアで配置され(この例では、3つのティア)、ティアは、スタジアムの外周に平行なリングであり、各ティアは、スタジアムの異なるコンコースにローカルワイヤレスサービスを提供する。ティア数およびトランシーバ数は、異なる配置シナリオでは異なることがある。
【0081】
図13は、本発明の原理によるスタジアムに関する例示的配置シナリオの図である。典型的なマルチコンコース・スタジアムに対して、トランシーバのいくつかのティア(スタジアムの外周に平行なリング)を配置することができる。一実施形態では、干渉を最小限に抑えるために、1つまたは複数のトランシーバのアンテナが、各リングに沿って真下を向く(すなわち90°下方傾斜)ように配置される。素子アレイが水平方向に配置され、各リングの接線方向に位置合せされ、アンテナ放射パターンポインティングによって生成される主ビームの方向が、スタジアムの中心に(すなわち半径方向に)アンテナの位置をリンクするセグメント沿いに向く。トランシーバが、ホイールのスポークのようにスタジアムの各リングにまとめられる。
【0082】
このようにして配置された外周の接線方向に素子アレイ(そのようなアレイを矩形として想像することができるが、他の形状でもよい)を配置することができる(
図11を参照)。素子のアレイからいくつかのビームを生成することができる。ビーム数およびその形状は、アレイを給電する方式によって決定されるが、常に主ビームが存在する。アレイの素子が水平方向に配置され、前面が真下に配置されるが、それでも、得られるビームを任意の方向に向けて放射するように制御することができる。一構成では、アレイの主ビームが半径と位置合せされる。すなわち、主ビームの主軸の面が、アレイの中心を地理的エリア(例えば、スタジアム)の中心にリンクする半径の面と交差する。「例示的アンテナ配置」を示す
図11、さらには「カバレッジ例」を示す
図14では、得られる「地上」のフットプリントは、得られる放射パターンのカバレッジフットプリントを表す。
【0083】
図14に、本発明の原理による一配置実施形態を使用するスタジアムに関するカバレッジ例を示す。図は、トランシーバ位置1410およびトランシーバアンテナの放射パターンから得られるフットプリント1420の例を示す。図示されるように、アンテナ放射パターンによって生成される主ビームの方向は半径沿いに向く。
【0084】
図15に、例示的スタジアム配置に関する容量例を示す。ヒストグラムは、アンテナが1つまたは4つの要素を使用する、
図14のように配置された64個および124個のメトロセルの同時128kbpsビデオ接続数を示す。
【0085】
図16aおよび
図16bに、例示的スタジアム配置に関する周波数再利用例を示す。この図は、周波数再利用1および周波数再利用2を用いて
図14のように配置された62個のメトロセルで達成可能容量を表す。メトロセルによって提供されるビームに関するSINRの向上を示す
図16の2つのカバレッジ・マップを対照させることにより、この場合の周波数再利用2の配置を支持する無線条件の改善は明らかである。これは、この場合に周波数再利用2の配置でより高い容量を達成することに基づく。
【0086】
RF搬送波再利用はRF搬送波再利用Nでよく、Nは論理的には任意の整数でよい。実際のオプションは現在、10MHzスペクトルのLTEでは、可用性をN=1(1×10MHz)、2(2×5MHz)、3(3×3MHz)、6(6×1.4MHz)に限定する。LTE 5MHzスペクトルでは、N=1(1×5MHz)およびN=3(3×1.4MHz)だけが現在可能である。LTE 20MHzスペクトルでは、現在利用可能なオプションはN=1(1×20MHz)、N=2(2×10MHz)、N=4(4×5MHz)、N=6(6×3MHz)、および12(12×1.4MHz)だけである。
【0087】
図17に、本明細書に記載の機能を実施する際の使用に適したコンピュータの高レベル・ブロック図を示す。
図17に示されるように、コンピュータ700は、プロセッサ要素702(例えば、中央演算処理装置(CPU)および/または他の適切なプロセッサ)およびメモリ704(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)など)を含む。コンピュータ700はまた、協働モジュール/プロセス705および/または様々な入力/出力装着706(例えば、ユーザ入力装置(キーボード、キーパッド、マウスなど)、ユーザ出力装置(ディスプレイ、スピーカなど)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、および記憶装置(例えば、テープ・ドライブ、フロッピィ・ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク・ドライブなど)のうちの1つまたは複数)をも含むことができる。
【0088】
図示され、本明細書で説明される機能をソフトウェアで(例えば、1つまたは複数のプロセッサ上のソフトウェアの実装を介して)実装することができ、かつ/またはハードウェアで(例えば、汎用コンピュータ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または任意の他のハードウェア均等物を使用して)実装できることを理解されよう。
【0089】
図示され、本明細書で説明される機能をソフトウェアで(例えば、専用コンピュータを実装するように汎用コンピュータ上で実行される(例えば、1つまたは複数のプロセッサによる実行を介して))実装することができ、かつ/またはハードウェアで(例えば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つまたは複数の他のハードウェア均等物を使用して)実装できることを理解されよう。
【0090】
一実施形態では、協働プロセス705をメモリ704にロードし、プロセッサ702で実行して、本明細書で論じられる機能を実装することができる。したがって、協働プロセス705(関連するデータ構造を含む)をコンピュータ可読記憶媒体、例えばRAMメモリ、磁気または光学ドライブまたはディスケットなどの上に格納することができる。
【0091】
図17に示されるコンピュータ700が本明細書に記載の機能要素および/または本明細書に記載の機能要素の部分を実装するのに適した一般的アーキテクチャおよび機能を提供することを理解されよう。例えば、コンピュータ700は、ワイヤレス通信要素の一部、トランシーバ、送信機、受信機、コントローラ、ユーザ装置、セルラネットワーク要素のいずれか、SGW、PGW、アグリゲーション・スイッチ、SeGW、SGSN、GGSN、ワイヤレス通信要素、またはそれらの部分、送信機、受信機、トランシーバコントローラなどのうちの1つまたは複数を実装する一般的アーキテクチャおよび機能を提供する。
【0092】
本明細書でソフトウェア方法として論じたステップの一部を、ハードウェア、例えばプロセッサと協働して様々な方法ステップを実施する回路内で実装できることが企図される。本明細書に記載の機能要素の部分をコンピュータ・プログラム製品として実装することができ、コンピュータ命令は、コンピュータによって処理されるとき、本明細書に記載の方法および/または技法が起動され、あるいは提供されるようにコンピュータの動作を適合させる。本発明の方法を起動する命令を固定または取外し可能媒体に格納することができ、ブロードキャスト中のデータ・ストリームまたは他の信号担持媒体を介して送信することができ、および/または命令に従って動作するコンピューティング装置内のメモリ内に格納することができる。
【0093】
本発明の教示を組み込む様々な実施形態を本明細書で詳細に図示し、説明したが、こうした教示を依然として組み込む多くの他の変形実施形態を当業者は容易に考案することができる。
【0094】
他の特有の装置および/または方法で本発明を実施することができる。記載の実施形態は、すべての点で例示的なものに過ぎず、限定的なものではないとみなされるべきである。具体的には、本発明の範囲は、本明細書の説明および図ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味および範囲内に包含されるすべての変更は、その範囲内に含まれるべきである。
【0095】
プログラムされたコンピュータによって様々な上述の方法のステップを実施できることを当業者なら容易に理解されよう。本明細書では、いくつかの実施形態は、機械可読またはコンピュータ可読であり、命令の機械実行可能またはコンピュータ実行可能プログラムを符号化するプログラム記憶装置、例えばデジタルデータ記憶媒体を包含するものとし、前記命令は本明細書に記載の方法のステップの一部を実施する。プログラム記憶装置は、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクまたはテープなどの磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、光学的に読取り可能なデジタルデータ記憶媒体でよい。実施形態はまた、本明細書に記載の方法の前記ステップを実施するようにプログラムされたコンピュータを包含するものとする。
【0096】
説明および図面は本発明の原理を示すに過ぎない。したがって、本明細書では明示的に説明または図示していないが、本発明の原理を実施し、本発明の趣旨および範囲内に含まれる様々な構成を当業者は考案できることを理解されよう。さらに、本明細書で列挙されるすべての例は、本発明の原理および当技術分野を推進するために本発明(等)によって与えられる概念を読者が理解するのを助ける教育目的のものに過ぎず、そのような具体的に列挙される例および条件に限定されないものとして解釈すべきことが原理的に明白に意図される。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべての陳述は、その均等物を包含するものとする。
【0097】
「プロセッサ」と符号が付けられた任意の機能ブロックを含む、図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することのできるハードウェアの使用によって実現することができる。プロセッサによって実現されるとき、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、または一部を共用することのできる複数の個々のプロセッサによって実現することができる。さらに、プロセッサは、ソフトウェアを実行することのハードウェアをもっぱら指すと解釈されるべきではなく、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納する読取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗黙的に含むことができる。他のハードウェア、従来型および/またはカスタム型の他のハードウェアも含めることができる。同様に、図に示す任意のスイッチは概念的なものに過ぎない。その機能は、プログラムロジックの動作、専用ロジック、プログラム制御と専用ロジックの対話、さらには手動によって実施することができ、文脈からより具体的に理解できるように、実装者によって特定の技法が選択可能である。
【0098】
本明細書の任意のブロック図は本発明の原理を実施する例示的回路の概念図を表すことを当業者は理解されたい。同様に、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、実質上はコンピュータ可読媒体で表すことができ、コンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、そのようなコンピュータまたはプロセッサで実行することのできる様々なプロセスを表すことを理解されよう。