特許第5977400号(P5977400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977400センサ素子の取り付け構造及びセンサケース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977400
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】センサ素子の取り付け構造及びセンサケース
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20160817BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   G07F9/02 104
   G07F9/02 Z
   F21V23/04
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-118082(P2015-118082)
(22)【出願日】2015年6月11日
(62)【分割の表示】特願2012-145044(P2012-145044)の分割
【原出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-232881(P2015-232881A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2015年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 大樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 紀章
(72)【発明者】
【氏名】中臺 太朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 博章
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−150030(JP,A)
【文献】 特開2005−140750(JP,A)
【文献】 特開平10−27657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/02
F21V 23/00−23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に取り付けられ、固定された接続プラグを有するジョイント部と、前記ジョイント部に回転可能に取り付けられたセンサケースと、前記センサケースに収容されるセンサ素子と、前記センサケースに配置される該センサ素子からセンシングを行う検出窓部と、当該センサケースに対し固定され、前記接続プラグに電気接触して支持されるセンサ接続ピンと、を有するセンサ素子の取り付け構造。
【請求項2】
前記ジョイント部の端部には、前記センサケースを支持する端部支持面を有し、 前記センサケースには、円環状の空間を形成する筒部内周面を有し、前記端部支持面及び前記筒部内周面には、センサ素子の方向を位置決めする位置決め手段を備えている請求項1記載のセンサ素子の取り付け構造。
【請求項3】
該端部支持面には、センサケースと係合する係合凹凸部が形成されており、 該筒部内周面には、前記係合凹凸部にセンサケースを回転可能に弾性支持する弾性支持部が形成されている請求項2記載のセンサ素子の取り付け構造。
【請求項4】
前記弾性支持部には、複数の鉤部が回転線軸線に沿って一列に形成され、該複数の鉤部の少なくとも1つには、弾性舌部からなる弾性片が形成され、該弾性片は、係合凹凸部にセンサケースを弾性支持している請求項3記載のセンサ素子の取り付け構造。
【請求項5】
回路基板に取り付けられ、固定された接続プラグを有するジョイント部に対し回転可能に取り付けられたセンサケースであって、前記センサケースには、センサ素子と、該センサ素子からセンシングを行う検出窓部と、当該センサケースに対し固定され、前記接続プラグの内部に回転可能に電気接触して支持されるセンサ接続ピンと、を有するセンサケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば人感機能などのセンサ素子の取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動販売機は、消費電力を削減する省エネモードを備えており、待機状態にあるときに照明装置等を省エネモードにすることで消費電力の削減が行われている。この種の従来の自動販売機の一例としては、例えば商品サンプルを照明する複数のLED照明装置と、利用者の存在の有無を検知した結果を示す検知信号を出力する人感センサとのそれぞれを販売機本体の商品展示室に組み込む構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記特許文献1記載の従来の自動販売機は、人感センサの検知結果などに基づき、販売機本体全体の動作を制御する制御装置により、LED照明装置を動作させるようになっている。人感センサにより商品展示室の前方の感知領域内に進入する利用者を感知すると、複数のLED照明装置を点灯させ、人感センサにより利用者を感知しないときは、複数のLED照明装置を減光又は消灯させることで、自動販売機の省エネルギー化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−108128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の自動販売機は、販売機本体全体の動作を制御する制御装置により複数のLED照明装置の動作を管理する構成であり、販売機本体に動作不良、誤動作や故障等が発生した場合は、システム全体として、省電力の効果が低下してしまうという問題点があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、センサ素子の組み付け性と取り外し性とを向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、回路基板に取り付けられ、固定された接続プラグを有するジョイント部と、前記ジョイント部に回転可能に取り付けられたセンサケースと、前記センサケースに収容されるセンサ素子と、前記センサケースに配置される該センサ素子からセンシングを行う検出窓部と、当該センサケースに対し固定され、前記接続プラグの内部に回転可能に電気接触して支持されるセンサ接続ピンと、を有するセンサ素子の取り付け構造である。
【0008】
[2]本発明は、さらに、前記ジョイント部の端部には、前記センサケースを支持する端部支持面を有し、前記センサケースには、円環状の空間を形成する筒部内周面を有し、前記端部支持面及び前記筒部内周面には、センサ素子の方向を位置決めする位置決め手段を備えている[1]のセンサ素子の取り付け構造である。
【0009】
[3]本発明は、さらに、該端部支持面には、センサケースと係合する係合凹凸部が形成されており、該筒部内周面には、前記係合凹凸部にセンサケースを回転可能に弾性支持する弾性支持部が形成されている[2]のセンサ素子の取り付け構造である。
【0010】
[4]本発明はさらに、前記弾性支持部には、複数の鉤部が回転線軸線に沿って一列に形成され、該複数の鉤部の少なくとも1つには、弾性舌部からなる弾性片が形成され、該弾性片は、係合凹凸部にセンサケースを弾性支持している[3]のセンサ素子の取り付け構造である。
【0011】
[5]本発明は、回路基板に取り付けられ、固定された接続プラグを有するジョイント部に対し回転可能に取り付けられたセンサケースであって、前記センサケースには、センサ素子と、該センサ素子からセンシングを行う検出窓部と、当該センサケースに対し固定され、前記接続プラグの内部に回転可能に電気接触して支持されるセンサ接続ピンと、を有するセンサケースである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、センサ素子の組み付け性と取り外し性とを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の代表的な照明装置を説明するため図であり、(a)は側面透視図、(b)は正面透視図である(第1の実施の形態)。
図2】照明装置の内部構造を説明するための図である(第1の実施の形態)。
図3】照明装置の電力供給部の構造を説明するための部分分解斜視図である(第1の実施の形態)。
図4】照明装置の内部構成要素を説明するための機能ブロック図である(第1の実施の形態)。
図5】照明装置のセンサ部の構造を説明するための分解斜視図である(第1の実施の形態)。
図6図1(b)のVI−VI線の矢視断面拡大図である(第1の実施の形態)。
図7】照明装置のセンサ部の構造を説明するための斜視図である(第1の実施の形態)。
図8】蛍光灯型LEDランプを備えた自動販売機の全体を示す正面図である(第2の実施の形態)。
図9】自動販売機の展示スペースを右側面からみた断面概略図である(第2の実施の形態)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0015】
[第1の実施の形態](照明装置の構成) 図1(a)及び図1(b)において、全体を示す符号1は、各種の飲料を販売する自動販売機に好適に用いられる蛍光灯型のLED照明灯の一構成例を模式的に示している。このLED照明灯1の外形構成は、円筒パイプからなるパイプ部材2と、パイプ部材2の両端を閉蓋するキャップ状の第1及び第2のカバー部材21,31とにより形成されている。
【0016】
このLED照明灯1のパイプ部材2は、例えばアクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂などの光透過性を有する管状の保持部材からなる。このカバー部材21,31の材質としては、例えばアクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂などの材料が用いられる。ここで、「管状の保持部材」とは、管又は筒からなる部材、並びに少なくとも2つの部材を組み合わせることで管又は筒となる部材などを含むものである。その断面は、例えば円形、楕円形、三角形、又は四角形等の矩形などの断面形状をなしていてもよい。
【0017】
このパイプ部材2は、図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、内周面から径方向に突出し、内周面の長手方向に沿って平行に延びる一対の係合受部である凹部2aが形成されている。この凹部2aは、パイプ部材の中心軸線から偏った部位に形成されている。この凹部2aには回路基板3の端縁が着脱可能に挿入固定されている。
【0018】
この回路基板3は、パイプ部材2とカバー部材21,31との内部に保持される骨格部材として構成されている。回路基板3の材質としては、ガラス基材(例えば、FR−4等)又はエポキシ系・ポリエステル系コンポジット基材(例えば、CEM−3等)などの材料が挙げられる。
【0019】
図示例によれば、パイプ部材2の凹部2aは、内周面の長手方向に沿って延びるレール状の凹凸部となっているが、これに限定されるものではなく、例えばパイプ部材2の内周面から径方向に窪んでおり、内周面の長手方向に沿って延びる溝状に形成してもよい。
【0020】
この第1のカバー部材21は、図1(a)、図1(b)及び図3に示すように、パイプ部材2と回路基板3とに着脱可能に固定支持されている。第1のカバー部材21には、パイプ部材2の第1の取付孔2bに挿入固定する一対の矩形板状の弾性支持突起21a,21aが形成されるとともに、回路基板3の端部から幅方向に突出形成された突片3aに嵌め込み固定する図示しない一対の凹部が形成されている。
【0021】
この第1のカバー部材21は更に、図3に示すように、外周面から凹状に形成された複数の回転凹部21e,…,21eを有している。この回転凹部21eにより、例えば相手方の取付対象物に設けられた凹凸状の取付部位に対して、LED照明灯1が回転可能に固定支持されるようになっており、その取付対象物の正面に向けてLED照明灯1の照射面の角度が所要の角度となるように角度調整することができるように構成されている。
【0022】
一方の第2のカバー部材31は、図1(a)、図1(b)及び図5に示すように、円筒状のケース部材32と、ケース部材32に着脱可能なキャップ部材33とにより二分割構成とされている。このケース部材32は、ジョイント部材34を介してパイプ部材2に着脱可能に固定支持されている。このジョイント部材34には、パイプ部材2の第2の取付孔2cに着脱可能に挿入固定する一対の矩形板状の弾性支持突起34a,34aが形成されている。
【0023】
(照明装置の内部構成) 以上のように構成されたLED照明灯1の構成は、図示例に限定されるものではない。この第1の実施の形態に係るLED照明灯1は、人感機能、充放電機能や照明機能などの各種の機能を集約一体化した構成に主要な構成を有している。
【0024】
図示例におけるLED照明灯1は、図1(a)〜図3及び図5に示すように、充放電機能を有する電力供給部20と、人感機能を有するセンサ部30とを回路基板3に備えている。このLED照明灯1は、商用電源や太陽電池等の外部電力源を使用しないスタンドアローン型の照明装置である。従って、このLED照明灯1は、一般的な蛍光灯ソケット部に接続させるための電源端子を備えた口金を有していない。
【0025】
この回路基板3の第1の面には、図1(a)及び(b)に示すように、照明機能を有する複数の発光素子であるLED4,…,4を図示しない配線により直列接続したLEDモジュール5が搭載されている。このLED4は、回路基板3の対向する長辺の一辺寄りに所定の間隔をもって一列に配列されている。
【0026】
この回路基板3のLED搭載側とは反対側の第2の面には、図1(a)及び図2に示すように、電気的に直列に接続された複数の二次電池を電池収納箱内に収納した2つの電池パック22,22がパイプ部材2の長手方向に沿って搭載されている。この電池パック22から供給される電力により、外部電力源から電力が供給されなくても、LEDモジュール5が点灯する。
【0027】
二次電池としては、例えばニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池などの充電可能な各種の電池が用いられる。この電池パック22は、外部電力源からの電力を蓄えるものであり、1個であっても、2個以上であっても構わない。
【0028】
この電池パック22には、図1(a)及び図2に示すように、ステンレス材の板金を折り曲げ加工して形成された固定部材6が設けられている。この固定部材6は、電池パック22の端部及び側部に配置されており、回路基板3の取付孔3bに嵌め込み固定支持されている。
【0029】
(電力供給部の構成) 充電部となる電池パック22に電力を供給する電力供給部20は、図3及び図4に示すように、パイプ部材2の第1のカバー部材21を備えている。この電力供給部20は、二次電池を制御する充電制御部23を備えている。この二次電池と充電制御部23とにより、二次電池の充電のための回路部24が構成される。この回路部24には、LED照明灯1の全体動作を制御する統括制御部25が電気的に接続されている。
【0030】
この充電制御部23は、図3及び図4に示すように、販売機本体側の電源を接続するDCジャック26を備えており、太陽電池等の外部電力源で動作可能になっている。この充電制御部23とDCジャック26とは、回路基板3の第2の面に搭載されており、図示しない配線を介して接続されている。
【0031】
このDCジャック26には、図3及び図4に示すように、直方体形状の本体の一面にプラグ挿入孔26aが形成されている。第1のカバー部材21には、DCジャック26のプラグ挿入孔26aと対応して挿入開口21bが貫通して形成されている。このカバー部材21の挿入開口21bとDCジャック26のプラグ挿入孔26aとを介して、DCジャック26が、外部電力源に接続された図示しないDCプラグと接続される。
【0032】
このDCプラグが電源としてDCジャック26に接続されると、電力供給部20の動作が開始される。外部電力源の電力は、充電制御部23へ供給される。この充電制御部23には、電力供給部20の制御
に必要な制御パラメータ等が記憶されており、充電制御部23の指令に基づき、二次電池に対する充電動作が行われるようになっている。
【0033】
この充電制御部23には、図4に示すように、二次電池の状態を表す状態表示部27が備えられている。この状態表示部27は、例えば二次電池における充電状態に応じて、充電中を表すLEDを点灯、点滅又は消灯させたり、電池切れを表すLEDを点灯、点滅又は消灯させたりするようになっている。
【0034】
この充電制御部23に接続された統括制御部25は、図4に示すように、演算部や記憶部などの各種の構成要素からなるマイクロコンピュータからなり、外部電力源あるいは二次電池からの電力供給により動作し、記憶部内の各種のプログラムに応じてLED照明灯1の全体動作を制御する。
【0035】
この電力供給部20は更に、図3及び図4に示すように、二次電池を電源として照明部であるLEDモジュール5を点灯又は消灯させるための操作スイッチ28を備えている。第1のカバー部材21には、操作スイッチ28を挿入する挿入開口21cが貫通して形成されている。
【0036】
この操作スイッチ28は、使用者によって操作されるプッシュスイッチである。DCプラグが電源としてDCジャック26に接続されていない状態であっても、操作スイッチ28は、二次電池を電源として統括制御部25を介してLEDモジュール5の発光を操作することに使用される。従って、例えば停電時あるいは災害時において、LED照明灯1を携帯可能な非常灯として利用することができる。
【0037】
この回路基板3のLED搭載側の第1の面には、図3及び図4に示すように、外部通信用ジャック29が搭載されている。第1のカバー部材21には、外部通信用ジャック29を挿入する挿入開口21dが貫通して形成されている。この外部通信用ジャック29は、統括制御部25とソーラーパネル200のインジケータ部201との通信に利用される。
【0038】
(センサ部の構成) このセンサ部30は、図5図7に示すように、人体の存在を感知するセンサ素子を備えた赤外線等の人感センサ35(以下、「センサ素子35」ともいう。)を備えている。このセンサ素子35は、板状の支持台35aに取付けられている。この支持台35aには、図示しないセンサ制御回路が設けられている。このセンサ制御回路は、LEDモジュール5が搭載される回路基板3に設けてもよい。
【0039】
このセンサ部30は、図5図7に示すように、ケース部材32及びキャップ部材33からなる第2のカバー部材31とキャップ状のジョイント部材34とを備えている。このケース部材32とキャップ部材33とは、センサケースとして構成されている。この第2のカバー部材31のケース部材32側は、ジョイント部材34の端部支持面に回転可能に取り付けられている。
【0040】
一方のキャップ部材33の側板部には、図5図7に示すように、センサ素子35の検出窓部33aが形成されている。キャップ部材33の開口端縁には、先端部分に取付孔を有する複数の矩形板状の弾性脚部33b,…,33bが延設されている。その弾性脚部33bは、ケース部材32の隔壁32aに形成された2つの係止部32g,32gに取付孔を介して取り付けられている。
【0041】
このジョイント部材34は、図5図7に示すように、回路基板3の端部に取り付けられており、ジョイント部材34の中心に形成された貫通孔34bを介して筒状の接続プラグ36が回転不能に挿入固定されている。この接続プラグ36は、図示しない配線を介して回路基板3の統括制御部25に接続されている。このジョイント部材34の端部支持面には、ケース部材32と相対回転可能な回転支持部となる係合凹凸部34cが形成されている。
【0042】
このケース部材32の内部は、図5図7に示すように、円盤状の隔壁32aによりキャップ部側筒部32bとジョイント部側筒部32cとに区画されている。このキャップ部側筒部32bは、センサ収容部とされており、ジョイント部側筒部32cは、回転部とされている。
【0043】
このケース部材32の隔壁32aの接続プラグ36と対応する部位には、図5図7に示すように、貫通孔32dが貫通して形成されている。この貫通孔32dを介して軸状のセンサ接続ピン37が接続プラグ36の内部に回転可能に電気接触して支持されている。このセンサ接続ピン37と同軸上に接続端子37aが一体に形成されている。この接続端子37aは、配線37bを介して支持台35aのセンサ制御回路に接続されている。
【0044】
このセンサ接続ピン37の接続端子37aは、図5図7に示すように、ケース部材32の隔壁32aに形成された2つのクリップ32h,32hにより回転不能に挟み込まれて保持されている。センサ接続ピン37のキャップ部側の端部は、センサ素子35の支持台35aに回転不能に固定支持されている。
【0045】
この接続プラグ36がジョイント部材34に回転不能に挿入固定されるとともに、センサ接続ピン37が接続プラグ36の内部に回転可能に電気接触して支持されていることから、センサ接続ピン37を回転中心として、第2のカバー部材31は、ジョイント部材34に対して回転するようになっている。このジョイント部材34に対する取付角度に応じてジョイント部材34と第2のカバー部材31との相対的角度を位置決めすることで、センサ素子35の監視範囲の方向が設定される。
【0046】
このケース部材32のジョイント部側の筒部内周面は、図5図7に示すように、ジョイント部材34の端部支持面に挿入支持される円環状の空間を形成している。このジョイント部側筒部内周面には、半径方向内側に突出する3個の鉤部32f,32f,32fが回転線軸線に沿って一列に形成されている。
【0047】
3個の鉤部32fのうちの中央の鉤部32fは、図5図7に示すように、鉤部32fを支持する弾性舌部からなる弾性片32eに一体形成されている。この弾性片32eは、ジョイント部材34の係合凹凸部34cにケース部材32を回転可能に弾性支持する機能を有する。このケース部材32の回転停止位置は、弾性片32eにより調整可能に位置決めされる。
【0048】
このセンサ部30は、図5図7に示すように、センサ素子35の方向を位置決めする位置決め手段を備えている。ジョイント部材34の係合凹凸部34cとケース部材32の弾性片32eとがセンサ素子35の位置決め手段として構成されている。この係合凹凸部34cは、弾性片32eが有する弾性力を利用して、センサ素子35の方向を安定して位置決めする所定の間隔及び高さをもって形成されている。
【0049】
これにより、ジョイント部材34に第2のカバー部材31を組み付けるとき、あるいは第2のカバー部材31をジョイント部材34から取り外すときに、第2のカバー部材31の組み付け又は取り外しをジョイント部材34の係合凹凸部34cの接離方向に沿って行うことができる。そのため、センサ素子35の組み付け性と取り外し性とを向上させることができる。
【0050】
このLED照明灯1には更に、図4に示すように、LED照明灯1を設置した箇所における周囲の明るさを監視する照度センサ38が設けられている。この照度センサ38から出力された明るさ(照度)を示す信号を統括制御部25が取得するように構成されている。
【0051】
この統括制御部25では、照度センサ38から出力された照度に応じて、外部電力源から二次電池に充電する充電モード、外部電力源の電力によりLEDモジュール5を点灯させる点灯モード、あるいは二次電池に蓄電された電力によりLEDモジュール5を点灯させる点灯モードなどの各種のモードが選択的に実行される。
【0052】
(第1の実施の形態の効果) 以上のように構成されたLED照明灯1を採用することで、上記効果に加えて以下の効果が得られる。
【0053】
(1)外観意匠性を損なわずに、LED照明灯1に人感機能、充放電機能や照明機能などの様々な機能を集約化及び一体化することが可能となる。(2)他の機器に依存することなく、他の機器の動作とは独立してLED照明灯1を動作させることが可能となる。(3)商用電力を使用しないスタンドアローン型のLED照明灯1をコンパクトに得ることができる。(4)展示用物品を展示するための内部空間を有する販売機本体の内部空間に着脱自在に装着され、前記展示用物品を照明するLED照明灯1であって、そのLED照明灯1は、外部電力源からの電力を蓄える二次電池と、その二次電池から供給される電力により点灯する複数の光源と、二次電池を制御する制御部と、二次電池、光源、及び制御部を搭載する回路基板と、内部が回路基板に保持される管状の保持部材とを有する自動販売機用のLED照明灯1が効果的に得られる。
【0054】
[第2の実施の形態] 図8を参照すると、同図には、上記第1の実施の形態であるLED照明灯1を備えた自動販売機の一構成例が模式的に例示されている。なお、同図において、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
【0055】
(自動販売機の全体構成) 図8において、全体を示す符号100は、各種の飲料を販売する自動販売機の一例を示している。図示例による自動販売機100は、上下方向に長い直方型の筐体からなる販売機本体101を備えている。この販売機本体101は、前方に開口する箱体102と、その箱体102の前方開口部を開閉する扉体103とにより構成されている。この扉体103の前面上部は、前面パネル104を備えている。前面パネル104の材質は、例えば透明なアクリル板等の樹脂材からなる。
【0056】
この扉体103の前面下部には、図8に示すように、紙幣を挿入・排出する紙幣入出口105、硬貨を投入する硬貨投入口106と、紙幣又は硬貨を返却する返却レバー107とが配設されている。この扉体103の前面下部には更に、釣銭切れ表示や挿入された紙幣又は投入された硬貨の金額の表示を行う金額表示器108と、釣銭を返却する釣銭返却口109と、商品を取り出す商品取出口110と、扉体103の開閉をロックするドアロック111とが配設されている。なお、符号112は、広告スペースである。
【0057】
この前面パネル104の背面部には、図9に示すように、金属板材からなる背面パネル113が所定の間隔をもって平行に配置されている。前面パネル104の背面部及び背面パネル113の間に形成された空間114は、商品見本展示室とされている(以下、「商品見本展示室114」という。)。
【0058】
この商品見本展示室114には、図8及び図9に示すように、下方及び前方に開口した展示筐体を有する商品見本展示台115が上段、中断、及び下段の三段一列に設置されている。その商品見本展示台115には、展示用物品である複数個の商品見本116,…,116が一列に陳列されている。商品見本展示台115の材質は、例えば透明なアクリル板等の樹脂材からなる。
【0059】
この前面パネル104の前面部には、図8及び図9に示すように、押釦スイッチ117が複数個の商品見本116に対応して配設されている。商品見本展示台115の前面部には、商品見本116に関する情報、例えば価格や温冷等を表示する表示部118が備えられている。
【0060】
この三段一列の商品見本展示台115のそれぞれには、図3図6図8及び図9に示すように、上記第1の実施の形態に係るLED照明灯1が第1のカバー部材21の回転凹部21eと第2のカバー部材31のケース部材32とを介して回転可能に配置されている。LED照明灯1は、商品見本展示台115の正面に向けて照射面の角度が所要の角度となるように角度調整することで、商品見本116に対応した押釦スイッチ117及び表示部118を照明する。LED照明灯1の第2のカバー部材31に搭載されたセンサ部30は、例えば人体から放射される赤外線を感知するセンサ素子35として用いられる。
【0061】
このセンサ素子35を所望の方向に傾斜配置することで、前面パネル104を介して所定の領域内に購買者が存在するか否かということが感知される。図示例では、このセンサ素子35は、押釦スイッチ117の裏面に配置されているが、特に規定されるものではない。センサ素子35としては、例えば価格や温冷等を表示する表示部118の裏面あるいは商品見本116の裏面に配置することが好適である。外観の見栄えを向上させることができる。
【0062】
なお、図9において、センサ素子35は、背面パネル113寄りに配置されているが、特に限定されるものではなく、例えば前面パネル104寄りに配置された構成であっても構わない。センサ素子35の配置位置としては、センサ素子35の特性に応じて適宜選択することが有効である。
【0063】
この販売機本体101の上面部には、図4及び図8に示すように、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネル200が設置されている。このソーラーパネル200は、LED照明灯1のDCジャック26を接続する図示しないDCプラグを備えている。このDCプラグが、LED照明灯1の電力供給部20に接続される。複数のLED照明灯1は、ソーラーパネル200に対してディジーチェーンあるいは分岐などの様々な配線形態で接続することが可能である。
【0064】
このソーラーパネル200は、図4及び図8に示すように、インジケータ部201を備えている。このインジケータ部201は、LED照明灯1の外部通信用ジャック29を接続する図示しない外部通信用プラグを備えている。このプラグが、LED照明灯1の統括制御部25に電気的に接続される。このインジケータ部201には、二次電池の充電量を表示するためのLED202と、LED輝度の高い全灯モード又は全灯モードよりもLED輝度の低い微灯モードのいずれかに切り替えるためのモード切替スイッチ203などの各種の報知手段が設けられている。
【0065】
このLED照明灯1に設けられた照度センサ38により、LED照明灯1を設置した箇所における周囲の明るさが監視される。LED照明灯1の統括制御部25では、照度センサ38から出力された照度に基づき、昼間状態から夜間状態へ移行することで販売機本体101の周囲の照度が下降したときは、LED照明灯1を点灯させる。一方、夜から朝へ移行することで販売機本体101の周囲の照度が上昇したときに、LED照明灯1が消灯される。
【0066】
三段一列の商品見本展示台115のそれぞれに配置されたLED照明灯1に照度センサ38を備えているため、例えば上段のLED照明灯1の発光を下段のLED照明灯1に設けられた照度センサ38が受光することで、上下段のLED照明灯1を同期して点灯させることができる。
【0067】
複数のLED照明灯1のそれぞれの統括制御部25は、図4に示すように、センサ素子35からの信号に基づき他のLED照明灯1の点灯制御を同期して行う機能を有している。複数のLED照明灯1のうちのいずれかの統括制御部25からの同期信号が接続された他の統括制御部25に同期信号が入力されると、他の統括制御部25に接続された照明部であるLEDモジュール5が点灯又は消灯するようになっている。
【0068】
ここで、同期信号は、例えばHi(ハイ)及びLo(ロー)の2値を有するものとする。この点灯制御の一例としては、信号値がHiの場合には、複数のLED照明灯1のうちのいずれかの統括制御部25は、他の統括制御部25への送信指示を判断する。一方、信号値がLoの場合は、複数のLED照明灯1のうちのいずれかの統括制御部25は、他の統括制御部25への送信停止指示を判断する。これにより、複数の統括制御部25のそれぞれに接続された照明部であるLEDモジュール5の全てを同期して点灯又は消灯させるという点灯制御が可能となる。
【0069】
この点灯制御の他の一例としては、複数のLED照明灯1のうちのいずれかの統括制御部25に同期して点灯制御されているとき、統括制御部25において、センサ素子35からの信号値がLoであると判断した場合は、他のLED照明灯1は、LED照明灯1のそれぞれに設けられた照度センサ38から出力される照度を示す信号に基づいて同期せずに消灯させることも可能である。
【0070】
なお、上記のように構成された自動販売機100は、LED照明灯1及びソーラーパネル200の構成を除いて、従来の販売機本体101と同様の仕様を有する一例を示している。従って、販売機本体101の形状や構造などは、図示例に限定されるものではない。
【0071】
(第2の実施の形態の効果) 以上のように構成された自動販売機100を採用することで、上記効果に加えて、以下の効果が得られる。
【0072】
(1)LED照明灯1に二次電池及び各種のセンサを搭載した構成となっているので、販売機本体101に依存することなく、販売機本体101の動作態様とは独立してLED照明灯1の発光態様を操作することが可能となる。(2)複数のLED照明灯1を個別に管理することが可能である。(3)省エネルギー化を図ることができる自動販売機100が効果的に得られる。(4)販売機本体101に供給される商用電源を使用することなく、無電力によりLED照明灯1の照明を確保することができる。(5)販売機本体101の大きさやLED照明灯1の配置位置に応じてLED照明灯1のセンサ部30の角度調整を行うことが可能であり、販売機本体101の多様なレイアウトに対応することが可能となり、デザイン上の自由度を高めることができる。それに加えて、自動販売機1の照明効果を高めることが可能となる。(6)人感機能や充放電機能等の各種の機能を有するLED照明灯1として構成したので、販売機本体101に対して配線作業を簡素化することができる。(7)商品見本展示台115にLED照明灯1を脱着可能に保持しているため、LED照明灯1の組立性を向上させることができるとともに、そのLED照明灯1の点検、修理、交換や清掃等のメンテナンスが容易となる。(8)LED照明灯1の消灯によって省エネルギー化を図りつつ、LED照明灯1の消灯状態でも、LED照明灯1のセンサ部30の出力に基づき販売許容状態にあることを利用者に明示できる自動販売機100が得られる。(9)LED照明灯1のセンサ部30の出力に基づき照明コントロールができるので、物品視認者の視覚に訴えるイルミネーション効果を持たせることが可能となる。
【0073】
[変形例] 上記各実施の形態及び変形例にあっては、例えば次に示すような他の変形例も可能である。
【0074】
(1)図示例にあっては、1枚の回路基板3に複数個のLED4を直列接続した構成を例示したが、これに限定されるものではない。回路基板3としては、例えば2枚の回路基板、あるいは3枚以上の回路基板を直列接続した構成であってもよく、複数個のLED4を並列接続した構成であってもよい。(2)LED照明灯1が上段、中断、及び下段の三段一列に設置された構成を例示したが、特に規定されるものではない。一段一列の商品見本展示台115を複数の商品見本展示台に区分することで、複数の商品見本展示台の複数の商品見本116に対応して複数のLED照明灯1を配置する構成としてもよいことは勿論である。この場合は、複数の商品見本群に対応して背面パネル113を複数に区分して配置しても構わない。(3)上記実施の形態に係る制御部は、CPUなどの各種の構成要素を実現する制御プログラム、制御プログラムを格納する記憶ユニット、外部接続用インターフェースを中心にハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せにより実現される。その方法や装置としては、従来周知の各種の方法や装置を用いることができることは当業者には理解されるところであり、特に規定されるものではない。(4)自動販売機100としては、食券販売機、チケット販売機、たばこ等のパッケージ商品、缶又はペットボトル等に充填した飲料商品などの各種の自動販売機に効果的に使用することができる。
【0075】
以上の説明からも明らかなように、上記各実施の形態、変形例及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが本発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0076】
1…LED照明灯、2…パイプ部材、2a…凹部、2b,2c,3b…取付孔、3…回路基板、3a…突片、4,202…LED、5…LEDモジュール、6…固定部材、20…電力供給部、21,31…カバー部材、21a,34a…弾性支持突起、21b〜21d…挿入開口、21e…回転凹部、22…電池パック、23…充電制御部、24…回路部、25…統括制御部、26…DCジャック、26a…プラグ挿入孔、27…状態表示部、28…操作スイッチ、29…外部通信用ジャック、30…センサ部、32…ケース部材、32a…隔壁、32b…キャップ部側筒部、32c…ジョイント部側筒部、32d,34b…貫通孔、32e…弾性片、32f…鉤部、32g…係止部、32h…クリップ、33…キャップ部材、33a…検出窓部、33b…弾性脚部、34…ジョイント部材、34c…係合凹凸部、35…センサ素子(人感センサ)、35a…支持台、36…接続プラグ、37…センサ接続ピン、37a…接続端子、37b…配線、38…照度センサ、100…自動販売機、101…販売機本体、102…箱体、103…扉体、104…前面パネル、105…紙幣入出口、106…硬貨投入口、107…返却レバー、108…金額表示器、109…釣銭返却口、110…商品取出口、111…ドアロック、112…広告スペース、113…背面パネル、114…空間(商品見本展示室)、115…商品見本展示台、116…商品見本、117…押釦スイッチ、118…表示部、200…ソーラーパネル、201…インジケータ部、203…モード選択スイッチ
図1
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