特許第5977411号(P5977411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーピーエル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5977411-点灯制御装置 図000002
  • 特許5977411-点灯制御装置 図000003
  • 特許5977411-点灯制御装置 図000004
  • 特許5977411-点灯制御装置 図000005
  • 特許5977411-点灯制御装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5977411
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】点灯制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20160817BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20160817BHJP
   H02J 9/02 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H02J9/06 150
   H02J9/02
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-180614(P2015-180614)
(22)【出願日】2015年9月14日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】712001841
【氏名又は名称】ピーピーエル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】古田 鉄弥
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−92451(JP,A)
【文献】 特開2015−99664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H02J 9/02
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の照明器具を点灯制御する点灯制御装置であって、
商用交流電圧を第1の直流電圧に変換する第1の変換回路と、
前記商用交流電圧を第2の直流電圧に変換する第2の変換回路と、
前記第2の直流電圧により充電される蓄電池と、
前記第1の照明器具を点灯制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記第1の直流電圧に基づいて前記商用交流電圧が停電しているか否かを判定し、判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していないと判定したときに前記第1の直流電圧に基づいて前記第1の照明器具に供給する駆動電圧を生成し前記第1の照明器具と異なる第2の照明器具を点灯及び消灯する外部スイッチの操作に基づいて前記第1の照明器具を点灯及び消灯し、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していると判定したときに前記蓄電池の出力電圧に基づいて前記駆動電圧を生成し前記第1の照明器具を点灯制御すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の点灯制御装置において、
前記制御部は、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧の停電時に、前記第1の照明器具を徐々に明るく点灯するように前記駆動電圧を生成すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の点灯制御装置において、
前記蓄電池は、前記第2の直流電圧により充電される第1のバッテリ及び第2のバッテリを含み、
前記制御部は、
前記第1のバッテリから出力される第1のバッテリ電圧をしきい値電圧と比較し、前記第1のバッテリ電圧が前記しきい値電圧以上のときには前記第1のバッテリ電圧に基づいて前記第1の照明器具に供給する前記駆動電圧を生成して第1の明るさにて前記第1の照明器具を点灯し、
前記第1のバッテリ電圧が前記しきい値電圧より低いときには前記第2のバッテリから出力される第2のバッテリ電圧に基づいて前記駆動電圧を生成して前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさにて前記第1の照明器具を点灯すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の点灯制御装置において、
前記制御部に接続されたスイッチ部を有し、
前記制御部は、前記スイッチ部の短押しに基づいて前記第1の照明器具を点灯・消灯し、前記スイッチ部の長押しに基づいて前記だい1照明の明るさを変更すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の点灯制御装置において、
前記制御部に接続された表示部を有し、
前記制御部は、前記第1の照明器具の点灯制御に応じて前記表示部を所定の周期にて点灯制御するものであり、
前記所定の周期は、第1の期間と、前記第1の期間より短い第2の期間とを含み、
前記制御部は、前記第1の照明器具を前記第1の明るさにて点灯しているときに、前記第2の期間の明るさを前記第1の期間の明るさよりも暗くし、前記第1の照明器具を前記第2の明るさにて点灯しているときに、前記第1の期間の明るさを前記第2の期間の明るさよりも暗くすること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の点灯制御装置において、
前記制御部は、前記蓄電池の出力電圧に基づいて前記蓄電池が異常か否かを判定し、前記蓄電池を異常と判定したときに前記表示部の点灯状態を変更すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の点灯制御装置において、
内部スイッチを有し、
前記制御部は、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していると判定したときに前記内部スイッチの操作に基づいて、前記第1の照明器具を点灯・消灯すること、
を特徴とする点灯制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリを備え、商用電力の停電時に電力を供給する電源装置が各種提案されている(たとえば、特許文献1参照)。電源装置の出力電力は、たとえば光源を点灯するために利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−172508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、停電時に点灯する照明器具を容易に点灯制御することが望まれている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、停電時に点灯する照明器具を容易に点灯制御することを可能とする点灯制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する点灯制御装置は、第1の照明器具を点灯制御する点灯制御装置であって、商用交流電圧を第1の直流電圧に変換する第1の変換回路と、前記商用交流電圧を第2の直流電圧に変換する第2の変換回路と、前記第2の直流電圧により充電される蓄電池と、前記第1の照明器具を点灯制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1の直流電圧に基づいて前記商用交流電圧が停電しているか否かを判定し、判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していないと判定したときに前記第1の直流電圧に基づいて前記第1の照明器具に供給する駆動電圧を生成し前記第1の照明器具と異なる第2の照明器具を点灯及び消灯する外部スイッチの操作に基づいて前記第1の照明器具を点灯及び消灯し、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していると判定したときに前記蓄電池の出力電圧に基づいて前記駆動電圧を生成し前記第1の照明器具を点灯制御する。
【0006】
この構成によれば、第1の照明器具は、商用交流電圧の停電時に蓄電池の出力電圧に基づいて生成した駆動電圧により点灯制御される。そして、第1の照明器具は、商用交流電圧が停電していないときに、第2の照明器具を点灯・消灯する外部スイッチの操作に基づいて点灯制御される。このように、第1の照明器具を容易に点灯制御することが可能となる。
【0007】
上記の点灯制御装置において、前記制御部は、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧の停電時に、前記第1の照明器具を徐々に明るく点灯するように前記駆動電圧を生成することが好ましい。
【0008】
この構成によれば、商用交流電圧の停電時に第1の照明器具が徐々に明るくなるため、第1の照明器具をまぶしく感じることが低減される。
上記の点灯制御装置において、前記蓄電池は、前記第2の直流電圧により充電される第1のバッテリ及び第2のバッテリを含み、前記制御部は、前記第1のバッテリから出力される第1のバッテリ電圧をしきい値電圧と比較し、前記第1のバッテリ電圧が前記しきい値電圧以上のときには前記第1のバッテリ電圧に基づいて前記第1の照明器具に供給する前記駆動電圧を生成して第1の明るさにて前記第1の照明器具を点灯し、前記第1のバッテリ電圧が前記しきい値電圧より低いときには前記第2のバッテリから出力される第2のバッテリ電圧に基づいて前記駆動電圧を生成して前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさにて前記第1の照明器具を点灯することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、第1のバッテリと第2のバッテリにより第1の照明器具が点灯される。そして、第1のバッテリにより第1の照明器具を点灯するときの明るさよりも第2のバッテリにより第1の照明器具を点灯するときの明るさを暗くすることで、第1のバッテリと第2のバッテリとで同じ明るさにて第1の照明器具を点灯する場合と比べ、第1の照明器具を点灯する時間が長くなる。
【0010】
上記の点灯制御装置において、前記制御部に接続されたスイッチ部を有し、前記制御部は、前記スイッチ部の短押しに基づいて前記第1の照明器具を点灯・消灯し、前記スイッチ部の長押しに基づいて前記第1の照明器具の明るさを変更することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、スイッチ部の操作により、第1の照明器具の明るさを容易に変更することができる。たとえば、第1の明るさにて第1の照明器具を点灯することにより、快適な明るさが得られる。また、第2の明るさにて第1の照明器具を点灯することにより、長期間にわたって第1の照明器具を点灯することが可能となる。
【0012】
上記の点灯制御装置において、前記制御部に接続された表示部を有し、前記制御部は、前記第1の照明器具の点灯制御に応じて前記表示部を所定の周期にて点灯制御するものであり、前記所定の周期は、第1の期間と、前記第1の期間より短い第2の期間とを含み、前記制御部は、前記第1の照明器具を前記第1の明るさにて点灯しているときに、前記第2の期間の明るさを前記第1の期間の明るさよりも暗くし、前記第1の照明器具を前記第2の明るさにて点灯しているときに、前記第1の期間の明るさを前記第2の期間の明るさよりも暗くすることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、表示部の明るさは、第1の照明器具の点灯状態に応じて変化する。このため、第1の照明器具の明るさの変更が可能であることを容易に把握される。また、表示部の明るさにより、設定を変更した場合に明るさが変化する方向が容易に把握される。
【0014】
上記の点灯制御装置において、前記制御部は、前記蓄電池の出力電圧に基づいて前記蓄電池が異常か否かを判定し、前記蓄電池を異常と判定したときに前記表示部の点灯状態を変更することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、制御部により蓄電池が異常か否かが判定される。そして、表示部の表示形態により蓄電池の異常が容易に把握される。
上記の点灯制御装置において、内部スイッチを有し、前記制御部は、前記判定結果に基づいて前記商用交流電圧が停電していると判定したときに前記内部スイッチの操作に基づいて、前記第1の照明器具を点灯・消灯することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、内部スイッチにより、商用交流電圧の停電中に第1の照明器具を容易に点灯・消灯することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の点灯制御装置によれば、停電時に点灯する照明器具を容易に点灯制御することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】照明システムの概略ブロック図。
図2】制御部のブロック回路図。
図3】点灯制御装置の概略正面図。
図4】(a)〜(c)は表示部の制御形態を示す説明図。
図5】(a)〜(c)は照明器具の制御形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、一実施形態を説明する。
図1に示すように、商用交流電源(系統電源)11は、外部スイッチ12を介して照明器具13a,13b(図中、「L」と表記)に接続されている。外部スイッチ12はたとえば室内の壁面に設置されている。照明器具13a,13bは、たとえば室内の天井に設置されたランプである。照明器具13a,13bには、外部スイッチ12のオンオフにより駆動電圧VLAが供給される。外部スイッチ12がオンされているとき、照明器具13a,13bには、商用交流電圧VACが駆動電圧VLAとして供給される。外部スイッチ12がオフされているとき、照明器具13a,13bには商用交流電圧VACに基づく駆動電圧VLAが供給されない。照明器具13a,13bは外部スイッチ12のオン操作に基づいて供給される商用交流電圧VACにより点灯し、外部スイッチ12のオフ操作に基づいて消灯する。
【0020】
また、商用交流電源11は、点灯制御装置14に接続されている。点灯制御装置14には、照明器具15a,15b(図中、「L」と表記)が接続されている。点灯制御装置14は、たとえば室内の壁面に設置されている。照明器具15a,15bは、上記の照明器具13a,13bと同様に、たとえば室内の天井に設置されている。照明器具15a,15bは、たとえばLED(Light Emitting Diode)ランプである。照明器具15a,15bは、点灯制御装置14から供給される直流の駆動電圧VLDに基づいて点灯する。
【0021】
点灯制御装置14は、後述するバッテリ23a,23bを有している。点灯制御装置14は、商用交流電源11から供給される商用交流電圧に基づいてバッテリ23a,23bを充電する。そして、点灯制御装置14は、商用交流電圧またはバッテリ23a,23bの出力電圧に基づいて動作する。
【0022】
点灯制御装置14は、外部スイッチ12に接続されている。点灯制御装置14は、外部スイッチ12の操作に応じて照明器具13a,13bに商用交流電圧VAC(駆動電圧VLA)が供給されているか否かを検出する。そして、点灯制御装置14は、検出結果に基づいて、照明器具15a,15bを点灯・消灯する。たとえば、外部スイッチ12がオンされて照明器具13a,13bに商用交流電圧VAC(駆動電圧VLA)が供給されている、つまり照明器具13a,13bが点灯されると、点灯制御装置14は照明器具15a,15bを点灯する。一方、外部スイッチ12がオフされて照明器具13a,13bに商用交流電圧VAC(駆動電圧VLA)が供給されていない、つまり照明器具13a,13bが消灯されると、点灯制御装置14は照明器具15a,15bを消灯する。すなわち、外部スイッチ12のオンオフにより、照明器具13a,13b,15a,15bが点灯・消灯する。
【0023】
点灯制御装置14は、商用交流電圧VACの停電を検知する機能を有している。商用交流電圧VACが停電した場合、点灯制御装置14は、バッテリ23a,23bの出力電圧に基づいて動作する。商用交流電圧VACが停電した場合、照明器具13a,13bは消灯する。点灯制御装置14は、商用交流電圧VACの停電を検知すると、照明器具15a,15bを点灯する。したがって、停電時、室内は、点灯制御装置14が点灯する照明器具15a,15bにより照明される。
【0024】
点灯制御装置14について詳述する。
点灯制御装置14は、メインスイッチ21、コンバータ22a,22b、バッテリ23a,23b、制御部24、操作スイッチ27を有している。制御部24は、制御回路25、スイッチ回路26を有している。操作スイッチ27は、スイッチ部28、表示部29を有している。
【0025】
図3に示すように、点灯制御装置14の筐体20は直方体状に形成され、室内の壁面に設置されている。筐体20の前面パネル20Fには、メインスイッチ21と操作スイッチ27とが配設されている。筐体20には、図1に示すコンバータ22a,22b等が収容されている。
【0026】
図1に示すように、メインスイッチ21の入力側端子は商用交流電源11に接続され、メインスイッチ21の出力側端子はコンバータ22a,22bに接続されている。
メインスイッチ21は、たとえばサーキットプロテクタであり、スイッチ機能と保護機能を有している。メインスイッチ21のオン操作により、商用交流電圧がコンバータ22a,22bに供給される。また、メインスイッチ21のオフ操作により、コンバータ22a,22bに対して商用交流電圧の供給が停止される。メインスイッチ21は、過電流保護機能によってオフし、商用交流電圧の供給を停止する。
【0027】
コンバータ22aは、商用交流電圧を所定の直流電圧に変換する、所謂交流−直流変換器(AC/DCコンバータ)である。コンバータ22aの出力電圧VA1は、制御部24に供給される。つまり、コンバータ22aの出力電圧VA1は、制御部24の駆動電圧である。以下の説明において、駆動電圧VA1とする場合がある。
【0028】
コンバータ22bは、商用交流電圧を所定の直流電圧に変換する、所謂交流−直流変換器(AC/DCコンバータ)である。コンバータ22bの出力電圧VA2は、バッテリ23a,23bに供給される。バッテリ23a,23bは、たとえばリチウムイオン蓄電池などの二次電池である。バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2を蓄電する。つまり、コンバータ22bの出力電圧VA2は、バッテリ23a,23bの充電電圧である。以下の説明において、充電電圧VA2とする場合がある。
【0029】
バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2を充電する。なお、バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2が所定の電圧以上のときには、充電動作を行わない。そして、バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2が所定の電圧以下となった後、出力電圧VA2が所定の電圧以上になると、その出力電圧VA2を充電する。
【0030】
本実施形態において、バッテリ23a,23bは互いに同じ特性を有している。つまり、満充電において、バッテリ23a,23bの出力電圧VB1,VB2は互いに等しい。バッテリ23a,23bの出力電圧VB1,VB2は、制御部24に供給される。これらの出力電圧VB1,VB2を以下の説明においてバッテリ電圧VB1,VB2とする場合がある。つまり、制御部24には、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2が供給される。
【0031】
制御部24は、駆動電圧VA1、バッテリ電圧VB1,VB2に基づいて動作する。たとえば、制御部24は、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2のうち、最も高い電圧に基づいて動作する。そして、コンバータ22aは、バッテリ23a,23bの出力電圧VB1,VB2より高い駆動電圧VA1を生成する。たとえば、駆動電圧VA1は24ボルト(V)であり、バッテリ23a,23bの出力電圧VB1,VB2は21Vである。
【0032】
制御部24は、制御回路25とスイッチ回路26とを含む。
制御回路25には、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2が供給される。制御回路25は、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2のいずれか1つの電圧に基づいて動作する。
【0033】
スイッチ回路26には、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2が供給される。スイッチ回路26は、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2に対応するスイッチ部を含む。各スイッチ部は、制御回路25から供給される制御信号に応答してオンオフする。オンしたスイッチ部に供給される電圧に基づく駆動電圧VLDが照明器具15a,15bに供給される。照明器具15a,15bは、供給される駆動電圧VLDに基づいて点灯する。
【0034】
制御回路25には操作スイッチ27が接続されている。操作スイッチ27は、スイッチ部28と表示部29とを有している。スイッチ部28は、たとえばプッシュスイッチである。表示部29は、スイッチ部28の操作面を照明するように配設されている。
【0035】
制御回路25は、スイッチ部28のオンオフ操作に基づいて、作動情報を変更する。制御回路25の作動情報は、停電時における照明器具15a,15bの動作を設定するための情報である。制御回路は、作動情報と、自装置(点灯制御装置14)の構成や状態に応じて、スイッチ回路26を制御する。自装置の構成はたとえば、搭載したバッテリの数、接続された照明器具の数、である。自装置の状態はたとえば、バッテリの残量(残電圧)である。
【0036】
制御回路25は、作動情報に応じて、表示部29を点灯・消灯制御する。たとえば、制御回路25は、作動情報に応じて、点灯間隔、点灯輝度を制御する。したがって、表示部29の状態に応じて、作動情報を把握することができる。また、作動情報を変更した場合、表示部29の状態により、作動情報の変更を確認することができる。
【0037】
図2は、制御部24の構成の一例を示すブロック回路図である。
制御部24は、制御回路25とスイッチ回路26を含む。
制御回路25は、中央演算処理装置(CPU)31、レギュレータ32、分圧回路33a〜33c、検出電圧生成回路34、スイッチ接続回路35を有している。制御部24は、たとえば、単一または複数枚のプリント基板に実装された電子部品により構成される。また、プリント基板には、図1に示すコンバータ22aやバッテリ23a,23b等に接続されるコネクタが実装されている。
【0038】
制御部24のコネクタCN11の第1端子には、駆動電圧VA1が供給され、コネクタCN11の第2端子はグランドGNDに接続されている。制御部24のコネクタCN12の第1端子には、バッテリ電圧VB1が供給され、コネクタCN12の第2端子はグランドGNDに接続されている。制御部24のコネクタCN13の第1端子には、バッテリ電圧VB2が供給され、コネクタCN13の第2端子はグランドGNDに接続されている。
【0039】
また、コネクタCN11の第1端子はダイオードD11のアノードに接続されている。コネクタCN12の第1端子はダイオードD12のアノードに接続されている。また、コネクタCN13の第1端子はダイオードD13のアノードに接続されている。ダイオードD11〜D13のカソードは互いに接続され、その接続点はレギュレータ32の入力端子に接続されている。したがって、レギュレータ32には、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2のうち、最も高い電圧が直流電圧VS1として供給される。
【0040】
レギュレータ32は、定電圧回路であり、直流電圧VS1に基づいて、一定の電源電圧Vccを生成する。電源電圧Vccは、中央演算処理装置(CPU)31に供給される。つまり、レギュレータ32は、CPU31に対応する電圧値の電源電圧Vccを生成する。電源電圧Vccの電圧値は、たとえば5Vである。CPU31は、この電源電圧Vccにより動作する。
【0041】
また、コネクタCN11,CN12,CN13の第1端子はそれぞれ分圧回路33a,33b,33cに接続されている。
分圧回路33aは、コネクタCN11の第1端子とグランドGNDとの間に直列に接続された複数の抵抗素子を含む。分圧回路33aは、抵抗素子の抵抗値に応じた所定の比率にて駆動電圧VA1を分圧して分圧電圧Vdaを生成する。同様に、分圧回路33b,33cはそれぞれ、コネクタCN12,CN13の第1端子とグランドGNDの間に直列に接続された複数の抵抗素子を含む。分圧回路33b,33cは、抵抗素子の抵抗値に応じた比率にてバッテリ電圧VB1,VB2を分圧して分圧電圧Vd1,Vd2を生成する。たとえば、分圧回路33a〜33cの分圧比は、互いに等しい値に設定されている。
【0042】
分圧電圧Vda,Vd1,Vd2はCPU31に供給される。CPU31は、分圧電圧Vda,Vd1,Vd2に基づいて、駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2の電圧値を検出する。たとえば、CPU31は、アナログ−デジタル変換回路(ADC)を有し、変換によりデジタル値を得る。CPU31は、検出した駆動電圧VA1の電圧値に基づいて、商用交流電圧VACの停電を検知する。
【0043】
CPU31は、検出したバッテリ電圧VB1の電圧値に基づいて、図1に示すバッテリ23aの残量を検知する。同様に、CPU31は、検出したバッテリ電圧VB2の電圧値に基づいて、図1に示すバッテリ23bの残量を検知する。また、CPU31は、検出したバッテリ電圧VB1,VB2の電圧値に基づいて、バッテリ23a,23bの異常を判定する。
【0044】
スイッチ回路26は、3つのスイッチ回路SW21,SW22,SW23と、3つのダイオードD21,D22,D23と、保護素子F21を含む。
スイッチ回路SW21,SW22,SW23には駆動電圧VA1とバッテリ電圧VB1,VB2がそれぞれ供給される。スイッチ回路SW21〜SW23の出力端子はダイオードD21〜D23のアノードにそれぞれ接続されている。ダイオードD21〜D23のカソードは互いに接続され、その接続点は保護素子F21の第1端子に接続され、保護素子F21の第2端子はコネクタCN2の第1端子に接続されている。保護素子F21はたとえば自己復帰型のヒューズである。コネクタCN2の第2端子はグランドGNDに接続されている。コネクタCN2には、図1に示す照明器具15a,15bが接続される。
【0045】
スイッチ回路SW21にはCPU31から制御信号SCaが供給される。スイッチ回路SW21は、トランジスタ(バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタ)と抵抗を含む。スイッチ回路SW21は、制御信号SCaに基づいてオンオフする。オンしたスイッチ回路SW21を介して、駆動電圧VA1に応じた電圧がダイオードD21に供給される。
【0046】
スイッチ回路SW22,SW23にはCPU31から制御信号SC1,SC2が供給される。スイッチ回路SW22,SW23はスイッチ回路SW21と同様に、制御信号SC1,SC2に基づいてオンオフする。オンしたスイッチ回路SW22,SW23を介して、バッテリ電圧VB1,VB2に応じた電圧がダイオードD22,D23に供給される。ダイオードD21〜D23を通過した電圧は、駆動電圧VLDとして保護素子F21を介してコネクタCN2に出力される。そして、その駆動電圧VLDは、コネクタCN2に接続された照明器具15a,15b(図1参照)に供給される。
【0047】
CPU31は、分圧電圧Vda,Vd1,Vd2に基づいて、照明器具15a,15b(図1参照)に供給する電圧を制御する。たとえば、CPU31は、分圧電圧Vdaに基づいて、商用交流電圧VACが供給されている、つまり商用交流電圧VACが停電していないとき、制御信号SCaによりスイッチ回路26のスイッチ回路SW21を制御する。
【0048】
CPU31は、検出電圧生成回路34を介してコネクタCN3に接続されている。コネクタCN3は、図1に示す外部スイッチ12に接続されている。コネクタCN3には、外部スイッチ12の操作に応じて商用交流電圧VAC(駆動電圧VLA)が供給される。検出電圧生成回路34は、商用交流電圧VACに応じた検出電圧Vkを生成する。
【0049】
コネクタCN3の第1端子は、抵抗R31の第1端子に接続され、抵抗R31の第2端子はダイオードD31のアノードに接続されている。ダイオードD31のカソードはフォトカプラPC31の入力端子に接続されている。フォトカプラPC31は発光素子(発光ダイオード)と受光素子(フォトトランジスタ)を含む。フォトカプラPC31の第1出力端子は抵抗R32を介して電源電圧Vccにプルアップされ、フォトカプラPC31の第2出力端子はグランドGNDに接続されている。また、フォトカプラPC31の第1出力端子はトランジスタT31のベースに接続されている。
【0050】
トランジスタT31はたとえばnpnトランジスタである。トランジスタT31のコレクタは抵抗R33を介して電源電圧Vccにプルアップされ、トランジスタT31のエミッタはグランドGNDに接続されている。また、トランジスタT31のコレクタは、ダイオードD32のアノードに接続されている。ダイオードD32のカソードはコンデンサC31の第1電極に接続され、コンデンサC31の第2電極はグランドGNDに接続されている。コンデンサC31はたとえば電解コンデンサである。また、ダイオードD32のカソードは、抵抗R34の第1端子に接続され、抵抗R34の第2端子はグランドGNDに接続されている。さらに、ダイオードD32のカソードはCPU31に接続されている。
【0051】
CPU31は、ダイオードD32により整流されコンデンサC31により平滑化された検出電圧Vkを入力する。この検出電圧Vkの電圧値は、図1に示す外部スイッチ12の状態に応じて変化する。たとえば、外部スイッチ12がオンされているとき、検出電圧Vkの電圧値はたとえば3Vである。一方外部スイッチ12がオフされているとき、検出電圧Vkの電圧値は0Vである。
【0052】
CPU31は、分圧電圧Vda等と同様に、検出電圧Vkを変換したデジタル値を得る。CPU31は、検出電圧Vkの電圧値に基づいて、外部スイッチ12の状態(オン状態・オフ状態)を判定する。CPU31は、外部スイッチ12がオン状態のとき、図1に示す照明器具15a,15bを点灯する。また、CPU31は、商用交流電圧VACが供給され、かつ外部スイッチ12がオフ状態のとき、図1に示す照明器具15a,15bを消灯する。
【0053】
CPU31は、スイッチ接続回路35を介してコネクタCN4に接続されている。CPU31は、コネクタCN4の第1端子に接続され、検出信号S28を入力する。このコネクタCN4の第1端子は抵抗R41により電源電圧Vccにプルアップされている。コネクタCN4の第2端子はグランドGNDに接続されている。コネクタCN4の第1端子と第2端子との間に、図1に示すスイッチ部28が接続されている。スイッチ部28がオフ状態のとき、検出信号S28は電源電圧Vccレベル(Hレベル)になる。スイッチ部28のオン操作により検出信号S28はグランドGNDレベル(Lレベル)になる。CPU31は、検出信号S28のレベルに基づいて、図1に示すスイッチ部28の状態(オン状態・オフ状態)を判定する。
【0054】
CPU31は、トランジスタT41のベースに接続され、そのベースに対して駆動信号SC41を出力する。トランジスタT41はたとえばNPNトランジスタである。トランジスタT41のコレクタは抵抗R42を介してコネクタCN4の第3端子に接続されている。
【0055】
また、CPU31は、トランジスタT42のベースに接続され、そのベースに対して駆動信号SC42を出力する。トランジスタT42はたとえばNPNトランジスタである。トランジスタT42のコレクタは直接コネクタCN4の第3端子に接続されている。コネクタCN4の第4端子には直流電圧VS1が供給される。コネクタCN4の第3端子と第4端子の間に、図1に示す表示部29が接続されている。
【0056】
CPU31は、駆動信号SC41によりトランジスタT41をオンする。すると、図1に示す表示部29からコネクタCN4、抵抗R42、トランジスタT41を介して電流が流れ、表示部29が点灯する。また、CPU31は、駆動信号SC42によりトランジスタT42をオンする。すると、図1に示す表示部29からコネクタCN4、トランジスタT42を介して電流が流れ、表示部29が点灯する。
【0057】
トランジスタT41をオンしたときに図1の表示部29に流れる電流量は、トランジスタT42がオンしたときのそれよりも少ない。したがって、トランジスタT41,T42を選択的にオンすることにより、図1に示す表示部29の点灯時の明るさ(輝度)を変更することができる。
【0058】
図4(a)〜図4(c)は、表示部29の状態を示す。
たとえば、トランジスタT41,T42をオフしたとき、図4(a)に示すように、表示部29は消灯する。また、トランジスタT41をオンし、トランジスタT42をオフしたとき、図4(b)に示すように、表示部29は点灯する。そして、トランジスタT41をオフし、トランジスタT42をオンしたとき、図4(c)に示すように、表示部29は図4(b)に示す状態よりも明るく点灯する。
【0059】
次に、CPU31が実行する処理を説明する。
CPU31は、メモリ41、タイマ42を有している。
メモリ41は、プログラムメモリとデータメモリを含む。プログラムメモリには、CPU31の動作プログラムが記憶されている。データメモリは、書き換えが可能な揮発性メモリと、電気的な書き換えが可能な不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリには、CPU31の実行における一時的なデータが記憶される。不揮発性メモリには、上記の作業情報が記憶される。CPU31は、プログラムメモリに記憶された動作プログラムを実行する。そして、CPU31は、メモリ41に記憶された作業情報に基づいて、図1に示す照明器具15a,15bや表示部29を制御する。また、CPU31は、図1に示すスイッチ部28の操作に基づいて作業情報を変更する。
【0060】
CPU31は、駆動電圧VA1が供給されるスイッチ回路SW21を介して照明器具15a,15bに供給する駆動電圧VLDを制御する。CPU31は、たとえば、パルス状の制御信号SCaをスイッチ回路SW21に供給する。CPU31のメモリ41には、作動情報が格納されている。作動情報は、図1に示す照明器具15a,15bを所定の明るさにて点灯する第1の照度情報と、第1の照度情報よりも低い明るさ(暗い)にて照明器具15a,15bを点灯する第2の照度情報を含む。CPU31は、第1の照度情報または第2の照度情報に応じたパルス幅の制御信号SCaを出力する。スイッチ回路SW21は、制御信号SCaに応答してオンオフする。これにより、パルス状の駆動電圧VLDが図1に示す照明器具15a,15bに供給され、駆動電圧VLDにより照明器具15a,15bが点灯する。
【0061】
同様に、CPU31は、バッテリ電圧VB1,VB2が供給されるスイッチ回路SW22,SW23を介して照明器具15a,15bに供給する駆動電圧VLDを制御する。CPU31は、第1の照度情報または第2の照度情報に応じたパルス幅(デューティ)の制御信号SC1,SC2を出力する。スイッチ回路SW22,SW23は、制御信号SC1,SC2に応答してオンオフする。これにより、パルス状の駆動電圧VLDが図1に示す照明器具15a,15bに供給され、照明器具15a,15bが点灯する。
【0062】
つまり、CPU31は、商用交流電圧VACが供給されているとき、駆動電圧VA1が供給されるスイッチ回路SW21を制御信号SCaによりオンオフ制御し、駆動電圧VLDを生成する。この駆動電圧VLDにより図1に示す照明器具15a,15bが点灯する。
【0063】
そして、商用交流電圧VACが供給されていないつまり停電のとき、バッテリ電圧VB1,VB2が供給されるスイッチ回路SW22,SW23を制御信号SC1,SC2によりオンオフ制御し、駆動電圧VLDを生成する。この駆動電圧VLDにより、図1に示す照明器具15a,15bは、第1の照度情報または第2の照度情報に応じた明るさにて点灯する。
【0064】
図5(a)は、照明器具15aの消灯状態を示す。
図5(c)は、第1の照度情報に基づいて点灯した照明器具15aを示し、図5(b)は第2の照明情報に基づいて点灯した照明器具15aを示す。なお、図1に示す照明器具15bについても同様である。
【0065】
図5(c)に示す状態(「フル点灯」と呼ぶ)にて照明器具15aを点灯することにより、室内が明るく照明される。これにより、室内にて快適に過ごすことを可能とする。図5(b)に示す状態(「エコ点灯」と呼ぶ)にて照明器具15aを点灯した場合、図5(c)に示す状態(フル点灯)と比べ、消費電力が少なくなる。このため、図5(c)に示す状態と比べ、図5(b)に示す状態(エコ点灯)にて照明器具15bの点灯時間が長くなる。
【0066】
CPU31は、スイッチ部28の操作に基づいて、照明器具15a,15bを点灯制御する。たとえば、CPU31は、スイッチ部28がオン操作された時間を監視する。そして、CPU31は、オンされている時間が所定のしきい値より短い場合を短押しと判定し、しきい値より長い場合を長押しと判定する。そして、CPU31は、短押しと判定したときに照明器具15a,15bの点灯と消灯とを切り替える。つまり、CPU31は、スイッチ部28が操作される毎に、照明器具15a,15bの点灯と消灯とを交互に切り替える。これにより、照明器具15a,15bを任意のタイミングで点灯または消灯することができる。
【0067】
また、CPU31は、スイッチ部28の操作に基づいて、照明器具15a,15bの明るさを切り替える。つまり、CPU31は、スイッチ部28が操作される毎に、照明器具15a,15bの制御に用いるパラメータ(照度情報)を、第1の照度情報と第2の照度情報とを交互に切り替える。
【0068】
たとえば、照明器具15aが消灯しているとき(図5(a)参照)、スイッチ部28の短押しにより、図5(c)に示す状態(フル点灯)に変更する。そして、図5(c)に示す状態(フル点灯)にて照明器具15aを点灯しているとき、スイッチ部28の短押しにより、図5(a)に示す状態、つまり照明器具15aを消灯する。
【0069】
また、図5(c)に示す状態にて照明器具15aを点灯しているとき、スイッチ部28の長押しにより、図5(b)に示す状態(エコ点灯)に変更する。そして、図5(b)に示す状態(エコ点灯)にて照明器具15aを点灯しているとき、スイッチ部28の短押しにより、図5(a)に示す状態、つまり照明器具15aを消灯する。照明器具15bについても同様である。
【0070】
このように、スイッチ部28の操作により、照明器具15a,15bの点灯状態を容易に変更することができる。
そして、CPU31は、照明器具15a,15bの制御に用いるパラメータ(照度情報)に基づいて、表示部29の明るさを変更する。たとえば、第1の照度情報に応じて照明器具15a,15bを点灯する。このとき、CPU31は、表示部29を所定間隔(たとえば15秒毎)毎に所定時間(たとえば、1秒間)、表示部29を暗くする。図2に示すように、CPU31には、トランジスタT41,T42が接続されている。CPU31は、トランジスタT42をオンし、トランジスタT41をオフする。これにより、図4(c)に示す状態にて表示部29が点灯する。次に、CPU31は、トランジスタT42をオフし、トランジスタT41をオンする。これにより、図4(b)に示す状態にて表示部29が点灯する。
【0071】
また、第2の照度情報に応じて照明器具15a,15bを点灯する。このとき、CPU31は、表示部29を所定間隔(たとえば15秒)毎に所定時間(たとえば、1秒間)、表示部29を明るくする。
【0072】
つまり、照明器具15a,15bを明るく点灯している場合、表示部29が周期的に暗くなる。このとき、スイッチ部28を長押しすると、照明器具15a,15bが暗く点灯する。照明器具15a,15bを暗く点灯している場合、表示部29が周期的に明るくなる。このとき、スイッチ部28を短押しすると、照明器具15a,15bが明るく点灯する。したがって、CPU31は、表示部29の明るさを周期的に変更することにより、照明器具15a,15bの明るさの変更が可能であることを示す。
【0073】
このように、表示部29の明るさが変化することにより、照明器具15a,15bの明るさの調整が可能であることを把握することができる。また、表示部29の明るさにより、照明器具15a,15bの明るさが変化する方向(暗くなるか明るくなるか)を容易に把握することができる。
【0074】
停電を検出したとき、CPU31は、2つのバッテリ23a,23bを順次使用し、照明器具15a,15bを点灯する。
詳述すると、CPU31は、分圧電圧Vdaに基づいて商用交流電圧VACの停電を検知すると、先ずバッテリ23aのバッテリ電圧VB1に基づいて、照明器具15a,15bを点灯する。このとき、CPU31は、制御信号SCaのパルス幅を、所定値(たとえば0)から第1の照度情報に応じた値まで変更する。たとえば、CPU31は、制御信号SCaのパルス幅を段階的に変更する。本実施形態では、照明器具15a,15bの明るさを2段階にて変更する。これにより、照明器具15a,15bは、段階的に明るくなる。たとえば夜間に停電した場合、照明器具15a,15bが明るく点灯すると、まぶしく感じる場合がある。これに対し、本実施形態では、照明器具15a,15bが徐々に明るくなるため、まぶしく感じることが少なくなる。
【0075】
そして、CPU31は、分圧電圧Vd1に基づいてバッテリ23aの残量を検知する。バッテリ23aの残量が所定値より低くなると、CPU31は、所定レベル(たとえばグランドGNDレベル)の制御信号SC1を出力し、スイッチ回路SW22をオフする。所定値は、バッテリ23aの出力電圧VB1により照明器具15a,15bを点灯することが可能な電圧値の最低値に応じて設定されている。そして、CPU31は、第2の照度情報に応じたパルス幅にて制御信号SC2を出力する。これにより、CPU31は、バッテリ23bの出力電圧VB2により、照明器具15a,15bを第2の照度情報に応じた明るさにて点灯する。
【0076】
そして、CPU31は、表示部29の点灯形態を変更する。たとえば、CPU31は、表示部29を周期的に消灯する。詳しくは、CPU31は、表示部29を図4(b)に示す状態にて暗く点灯する。そして、CPU31は、所定間隔(たとえば15秒)毎に所定時間(たとえば1秒間)、表示部29を消灯する。このように表示部29が周期的に消灯することにより、2つ目のバッテリ23bにて照明器具15a,15bを点灯していることを容易に把握することができる。
【0077】
また、CPU31は、分圧電圧Vd2に基づいてバッテリ23bの残量を検知する。バッテリ23bの残量が所定値より低くなると、CPU31は、所定レベル(たとえばグランドGNDレベル)の制御信号SC2を出力し、スイッチ回路SW23をオフする。所定値は、バッテリ23bの出力電圧VB2により照明器具15a,15bを点灯することが可能な電圧値の最低値に応じて設定されている。そして、CPU31は、表示部29の点灯形態を変更する。
【0078】
たとえば、CPU31は、表示部29を周期的に複数回消灯する。詳しくは、CPU31は、表示部29を図4(b)に示す状態にて暗く点灯する。そして、CPU31は、所定間隔(たとえば15秒)毎に所定回数(たとえば2回)、表示部29を消灯する。消灯する時間は、たとえば0.5秒であり、消灯間隔はたとえば0.5秒である。このように表示部29が周期的に複数回消灯することにより、バッテリ23bの残量が少なくなり、照明器具15a,15bを点灯することができないことを容易に把握することができる。
【0079】
上記したように、CPU31は、バッテリ23aが異常か否かを判定する。バッテリ23aは、商用交流電圧VACの供給に基づいて図1に示すコンバータ22bから出力される出力電圧VA2により充電する。バッテリ23aの出力電圧VB1は、バッテリ23aの充電量に応じて変化する。バッテリ23aの出力電圧VB1は、充電開始から所定時間経過すると、所定のしきい値電圧より高くなる。したがって、CPU31は、所定時間経過後にバッテリ23aの出力電圧VB1がしきい値電圧を超えていない場合、バッテリ23aを異常と判定する。
【0080】
そして、CPU31は、バッテリ23aを異常と判定した場合に、表示部29の点灯形態を変更する。たとえば、CPU31は、表示部29を図4(c)に示す状態にて明るく点灯する。そして、CPU31は、所定間隔(たとえば15秒)毎に1回、表示部29を消灯する。このように、表示部29が明るく点灯する状態と消灯する状態とが周期的に繰り返されることで、バッテリ23aの異常を容易に把握することができる。
【0081】
同様に、CPU31は、バッテリ23bが異常か否かを判定する。そして、CPU31は、バッテリ23bを異常と判定した場合に、表示部29の点灯形態を変更する。たとえば、CPU31は、表示部29を図4(c)に示す状態にて明るく点灯する。そして、CPU31は、所定間隔(たとえば15秒)毎に複数回(たとえば2回)、表示部29を消灯する。消灯する時間は、たとえば0.5秒であり、消灯間隔はたとえば0.5秒である。このように、表示部29が明るく点灯する状態と複数回消灯する状態とが周期的に繰り返されることで、バッテリ23bの異常を容易に把握することができる。
【0082】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)点灯制御装置14は、コンバータ22a,22b、バッテリ23a,23b、制御部24、操作スイッチ27を有している。操作スイッチ27は、スイッチ部28と表示部29を有している。コンバータ22aは、商用交流電圧VACを駆動電圧VA1に変換する。コンバータ22bは、商用交流電圧VACを出力電圧VA2に変換する。バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2により充電される。制御部24は、駆動電圧VA1に基づいて商用交流電圧VACが停電しているか否かを判定し、判定結果に基づいて商用交流電圧VACが停電していないと判定したときに駆動電圧VA1に基づいて照明器具15a,15bに供給する駆動電圧VLDを生成する。そして、照明器具13a,13bを点灯及び消灯する外部スイッチ12の操作に基づいて照明器具15a,15bを点灯及び消灯する。また、制御部24は、判定結果に基づいて商用交流電圧VACが停電していると判定したときにバッテリ23a,23bの出力電圧に基づいて駆動電圧VLDを生成し照明器具15a,15bを点灯制御する。
【0083】
したがって、照明器具15a,15bは、商用交流電圧VACの停電時にバッテリ23a,23bの出力電圧に基づいて生成した駆動電圧VLDにより点灯制御される。そして、照明器具15a,15bは、商用交流電圧VACが停電していないときに、照明器具13a,13bを点灯・消灯する外部スイッチ12の操作に基づいて点灯制御される。このように、照明器具15a,15bを容易に点灯制御することが可能となる。
【0084】
(2)制御部24は、判定結果に基づいて商用交流電圧VACの停電時に、照明器具15a,15bを徐々に明るく点灯するように駆動電圧VLDを生成する。したがって、商用交流電圧VACの停電時に照明器具15a,15bが徐々に明るくなるため、照明器具15a,15bをまぶしく感じることを低減することができる。
【0085】
(3)バッテリ23a,23bは、出力電圧VA2により充電されるバッテリ23a及びバッテリ23bを含む。制御部24は、バッテリ23aから出力されるバッテリ電圧VB1をしきい値電圧と比較し、バッテリ電圧VB1がしきい値電圧以上のときにはバッテリ電圧VB1に基づいて照明器具15a,15bに供給する駆動電圧VLDを生成して第1の明るさにて照明器具15a,15bを点灯する。また、制御部24は、バッテリ電圧VB1がしきい値電圧より低いときにはバッテリ23bから出力されるバッテリ電圧VB2に基づいて駆動電圧VLDを生成して第1の明るさよりも暗い第2の明るさにて照明器具15a,15bを点灯する。したがって、バッテリ23aとバッテリ23bにより照明器具15a,15bを点灯することができる。そして、バッテリ23aにより照明器具15a,15bを点灯するときの明るさよりもバッテリ23bにより照明器具15a,15bを点灯するときの明るさを暗くすることで、バッテリ23aとバッテリ23bとで同じ明るさにて照明器具15a,15bを点灯する場合と比べ、照明器具15a,15bを点灯する時間を長くすることができる。
【0086】
(4)制御部24は、スイッチ部28の操作に基づいて、照明器具15a,15bを点灯・消灯し、点灯した照明器具15a,15bの明るさを、スイッチ部28が長押しされる毎に第1の明るさと第2の明るさとを交互に切り替える。したがって、スイッチ部28の操作により、照明器具15a,15bの明るさを容易に変更することができる。そして、第1の明るさにて照明器具15a,15bを点灯することにより、快適な明るさを得ることができる。また、第2の明るさにて照明器具15a,15bを点灯することにより、長期間にわたって照明器具15a,15bを点灯することができる。
【0087】
(5)制御部24は、照明器具15a,15bの点灯制御に応じて表示部29を所定の周期にて点灯制御するものである。所定の周期は、第1の期間と、第1の期間より短い第2の期間とを含む。制御部24は、照明器具15a,15bを第1の明るさにて点灯しているときに、第2の期間の明るさを第1の期間の明るさよりも暗くする。また、制御部24は、照明器具15a,15bを第2の明るさにて点灯しているときに、第1の期間の明るさを第2の期間の明るさよりも暗くする。したがって、表示部29の明るさは、照明器具15a,15bの点灯状態に応じて変化する。このため、照明器具15a,15bの明るさの変更が可能であることを容易に把握することができる。また、表示部29の明るさにより、設定を変更した場合に明るさが変化する方向を容易に把握することができる。
【0088】
(6)制御部24は、商用交流電圧VACの停電中に、スイッチ部28の操作に基づいて照明器具15a,15bを点灯・消灯する。したがって、スイッチ部28により、商用交流電圧VACの停電時に照明器具15a,15bを容易に点灯・消灯することができる。そして、照明器具15a,15bを消灯することによりバッテリ23a,23bの電力消費が少なくなり、照明器具15a,15bを点灯する期間を長くすることが可能となる。
【0089】
(7)CPU31は、第1の照度情報に応じたパルス幅の制御信号SC1,SC2を出力し、スイッチ回路SW22,SW23をオンオフ制御する。図5(c)に示す状態にて照明器具15aを点灯することにより、室内が明るく照明される。これにより、室内にて快適に過ごすことを可能とする。図5(b)に示す状態にて照明器具15aを点灯した場合、図5(c)に示す状態と比べ、消費電力が少なくなる。つまり、図1に示すバッテリ23a,23bの電力を節約することができる。そして、図5(c)に示す状態と比べ、図5(b)に示す状態にて照明器具15bの点灯時間が長くなる、つまり長時間、照明器具15aを点灯することができる。
【0090】
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・バッテリを1つまたは3つ以上としてもよい。また、図1に示すバッテリ23aを、並列接続した2つ以上のバッテリ(バッテリパック)により構成してもよい。同様に、バッテリ23bを並列接続した2つ以上のバッテリ(バッテリパック)により構成してもよい。
【0091】
・点灯制御装置14に接続する照明器具の数を1つまたは3つ以上としてもよい。
図2は、制御部24の一回路例を示すものであり、制御部24を適宜変更してもよい。たとえば、駆動電圧VA1、バッテリ電圧VB1,VB2をダイオードD21,D22,D23のアノードに供給する。それらのダイオードD21〜D23のカソードを互いに接続し、その接続点を1つのスイッチ回路を介して保護素子F21に接続する。そして、1つのスイッチ回路をCPU31によりオンオフ制御し、駆動電圧VLDを生成する。
【0092】
・上記実施形態では、スイッチ部28の短押しにより、照明器具15aの消灯(図5(a))とフル点灯(図5(c))を交互に切り替えた。これに対し、消灯したときの明るさの状態を記憶し、スイッチ部28の短押しにより記憶している明るさの状態にて照明器具15aを点灯するようにしてもよい。
【0093】
・上記実施形態に対し、図5(b)に示す状態(エコ点灯)にて照明器具15aを点灯しているときに、スイッチ部28の操作(たとえば長押し)により図5(c)に示す状態(フル点灯)にて照明器具15aを点灯するようにしてもよい。
【0094】
・上記実施形態では、停電を検知した場合に、照明器具15a,15bを段階的(2段階)にて徐々に明るくした。これに対し、照明器具15a,15bを3段階以上の複数段階にて徐々に明るくするようにしてもよい。また、照明器具15a,15bを連続的に徐々に明るくするようにしてもよい。
【0095】
・上記実施形態に対し、照明器具15a,15bの明るさを3段階以上に変更するようにしてもよい。
・上記実施形態では、室内の天井に配設された照明器具15a,15bを点灯制御する点灯制御装置14としたが、駐車場灯や街路灯などの屋外灯を点灯制御するようにしてもよい。
【0096】
・上記実施形態では、点灯制御装置14を室内の壁面に設置することとしたが、その他の箇所に設置されてもよい。たとえば、駐車場灯や街路灯などの屋外灯の支柱内に設置されてもよい。また、駐車場灯や街路灯などに電力を供給する配電盤等に設置されてもよい。
【0097】
・上記実施形態の点灯制御装置14は、壁面に配設された外部スイッチ12の操作に応じて照明器具15a,15bを点灯制御したが、外部スイッチ12を適宜変更してもよい。たとえば、明るさを検知するセンサ(照度センサ)等を用いてもよい。商用交流電圧VACが供給されているとき、明るさに応じて照明器具13a,13b,15a,15bを自動的に点灯・消灯することができる。そして、商用交流電圧VACが停電したとき、照明器具15a,15bを点灯することができる。
【符号の説明】
【0098】
11…商用交流電源、12…外部スイッチ、13a,13b…照明器具(第2の照明器具)、14…点灯制御装置、15a,15b…照明器具(第1の照明器具)、22a…コンバータ(第1の変換回路)、22b…コンバータ(第2の変換回路)、23a…バッテリ(第1のバッテリ、蓄電池)、23b…バッテリ(第2のバッテリ、蓄電池)、24…制御部、28…スイッチ部(内部スイッチ)、29…表示部、VAC…商用交流電圧、VA1…第1の直流電圧、VA2…第2の直流電圧、VB1,VB2…出力電圧、VLD…駆動電圧。
【要約】
【課題】停電時に点灯する照明器具を容易に点灯制御することを可能とすること。
【解決手段】点灯制御装置14のコンバータ22a,22bは、商用交流電圧VACを直流電圧に変換する。バッテリ23a,23bは、コンバータ22bの出力電圧VA2により充電される。制御部24は、出力電圧VA1に基づいて商用交流電圧VACが停電しているか否かを判定する。制御部24は、商用交流電圧VACが停電していないときに出力電圧VA1に基づいて照明器具15a,15bに供給する駆動電圧VLDを生成し、照明器具13a,13bを点灯及び消灯する外部スイッチ12の操作に基づいて照明器具15a,15bを点灯及び消灯する。制御部24は、商用交流電圧VACが停電しているときにバッテリ23a,23bの出力電圧に基づいて駆動電圧VLDを生成し照明器具15a,15bを点灯制御する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5