特許第5977420号(P5977420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5977420
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】パウダー成形機
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/02 20060101AFI20160817BHJP
   B30B 11/00 20060101ALI20160817BHJP
   B29C 43/36 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   B30B11/02 F
   B30B11/00 M
   B30B11/00 F
   B29C43/36
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-217502(P2015-217502)
(22)【出願日】2015年11月5日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】509302548
【氏名又は名称】濠▲瑩▼機械企業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】蘇錦春
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−141913(JP,A)
【文献】 特開2006−305611(JP,A)
【文献】 特開平09−295194(JP,A)
【文献】 実開昭03−062694(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/02
B29C 43/36
B30B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの圧縮室が設けられ、前記圧縮室の一端には開放端が形成され、他端には密閉端が形成され、前記圧縮室には調整可能な入れ駒が内設され、前記入れ駒は前記圧縮室の開放端と共に前記圧縮室に成形空間を画定させ、それの前記成形空間に対応される箇所には材料投入部が設けられ、且つ前記材料投入部は前記成形空間に連通される機器本体と、
前記機器本体の圧縮室の開放端の一端の箇所に位置され、前記圧縮室の端面に対応される箇所には複数のスルーホールが設けられ、且つ前記スルーホールはそれの中空状キャビティに連通され、それの前記中空状キャビティに対応される箇所には吸引部が連設されると共に前記吸引部は前記中空状キャビティに連通されるシール蓋と、
複数の細孔が成型され、前記機器本体とシール蓋との間に位置され、前記圧縮室の開放端を被覆させ、且つ前記シール蓋はそれにより前記圧縮室の開放端に蓋をする通気材料とを主に備えることを特徴とする、
パウダー成形機。
【請求項2】
前記調整可能な入れ駒には駆動棒の一端がさらに連結され、前記圧縮室の密閉端には孔部が設けられ、前記駆動棒の他端は前記孔部から外に貫通され、且つ前記駆動棒は前記圧縮室の外に貫通される一端が伸縮動力源にさらに連結され、前記機器本体の圧縮室の密閉端は前記調整可能な入れ駒との間で共に前記圧縮室に行程空間を画定させ、且つ前記機器本体は前記行程空間に対応される箇所に吸引部が設けられ、前記吸引部は前記行程空間に連通され、また、前記吸引部には吸引動力源がさらに連結され、且つ前記調整可能な入れ駒には複数のスルーホールがさらに貫設され、前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の材料投入部の箇所にはドライパウダー源が連結され、前記シール蓋はフィード動力源にさらに連結され、巻き取り動力源が設置され、前記通気材料に連結されることを特徴とする、請求項1に記載のパウダー成形機。
【請求項3】
前記調整可能な入れ駒には駆動棒の一端がさらに連結され、前記圧縮室の密閉端には孔部が設けられ、前記駆動棒の他端は前記孔部から外に貫通され、且つ前記駆動棒は前記圧縮室の外に貫通される一端が伸縮動力源にさらに連結され、前記機器本体の圧縮室の密閉端は前記調整可能な入れ駒との間で共に前記圧縮室に行程空間を画定させ、且つ前記機器本体は前記行程空間に対応される箇所に吸引部が設けられ、前記吸引部は前記行程空間に連通され、前記吸引部には吸引動力源がさらに連結され、且つ前記調整可能な入れ駒には複数のスルーホールがさらに貫設され、前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の材料投入部の箇所には材料搬送ユニットが連結され、前記材料搬送ユニットにはウェットパウダー源が連結され、前記シール蓋はフィード動力源にさらに連結され、巻き取り動力源が設置され、前記通気材料に連結されることを特徴とする、請求項1に記載のパウダー成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライパウダー及びウェットパウダーの製造能力を増強させ、パウダーの品質を有効的に高め、多色で多形状なパウダーを製造可能であり、粉塵汚染を減少させる等の効果を有するパウダー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のパウダー製造方法は、ドライ式成型法及びウェット式成型法に大きく分けられる。従来のドライ式成型法は、人力で治具によりパウダー材料をアルミ盤に円盤状にきつく入れる。ウェット式成型法は、パウダー材料に混入させる溶剤が増加され、アルミ盤に充填された後に溶剤を除去する等の工程を行う。
然しながら、ドライ式或いはウェット式の成型法のいずれも、従来の製造方法では多色のパウダーを製造する場合、パウダー入力方式及び機器の性能等の制限を受けるため、パウダーの製造の工程が極めて煩雑であり、製造コストも高く、パウダーの変化性も乏しかった。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている「Pressed powder elements」は、市場でよくあるパウダー成形機である。前記パウダー成形機は主に機器本体に圧縮室が設けられ、圧縮室には調整可能なモジュールが内設され、圧縮室の圧縮空間はモジュールの昇降に従って大きさが改変される。製造を実施する場合、パウダー材料が機器本体の下方の給送管から圧縮空間に入力され、パウダー材料が圧縮空間に充満された後に、パウダー材料の入力が即時停止される。続いて、モジュールが作動されて下に向けて移動し、モールドベースによりパウダー材料が圧縮され、同時に、機器本体の上方の気圧源が駆動されて負圧を発生させ、モールドベースのスルーホールを通して圧縮空間中の空気が抽出され、パウダー材料が緊密に圧縮される。その後、気圧源が正圧に転換され、モールドベースのスルーホールを通して入気され、モールドベースに粘着されるパウダーが吹き払われる。続いて、モールドベースからパウダーが脱落して下方のアルミ盤に落とされて装填され、パウダーの製造が完成する。
【0004】
前記「Pressed powder elements」に記載されているパウダー成形機は、パウダー製造の自動化を提供し、且つパウダーを圧縮させるが、実際の使用においては以下の欠点が発見された。
1.パウダー成形機の気圧源が負圧を発生させ、圧縮空間内の空気がモールドベースに設けられるスルーホールを通して抽出される場合、パウダー材料が一緒に圧縮空間から抽出されるのを避けるため、モールドベースのスルーホールの孔径はパウダー材料より小さくする必要がある。しかし、小さい孔径では空気の吸引に不利である。また、単一の気圧源のみを有して一方向への吸気を行うのでは、吸気作業が緩慢になり、製造に時間が掛かって製造能力が低下するという欠点があり、現代の効率化を求める業界の声には応えられない。
2.前記パウダー成形機の気圧源が圧縮空間内で空気をモールドベースのスルーホールを通して抽出する場合、パウダー材料も同時に吸引されてスルーホールに付着してしまう。パウダー材料は一定の粘性を有するため、一定時間使用した後には、スルーホールが塞がれて空気をスルーホールから抽出するのが困難になった。スルーホールの閉塞問題を解決するためには、頻繁にメンテナンスとクリーニングを行わねばならず、このため、使用上不便であり、メンテナンスコストが増加するほか、メンテナンス時には作業を停止させねばならず、製造量の損失にも繋がった。
3.前記パウダー成形機の気圧源が正圧に転換され、モールドベースのスルーホールを通して入気され、モールドベースに粘着されたパウダーを吹き払ってアルミ盤に装填される場合、前記パウダーがモールドベースの上に向ける一面に粘着されて、前記パウダーの表面にモールドベースのスルーホールの形状が残った。また、モールドベースに付着した異物及び残留するパウダー材料が前記パウダーの表面にも粘着してしまい、パウダーの表面が汚染されて非平坦になる等し、消費者の購買意欲を削いで、販売力が低下した。
【0005】
また、特許文献2に記載されている「多色パウダー成形機」は、順に重合されて装設される給送ユニットと、成型ユニットと、脱水ユニットとで主に構成される。給送ユニットの給送シリンジにより半固体のパウダークリームが成型ユニットの複数の仕切り中に注入される。続いて、脱水ユニットによりパウダークリーム内に含まれる水分が脱水されて乾燥され、多色パウダーが成型される。
しかし、上述した「パウダー成形機」はパウダーの製造の自動化を達成させるが、完璧ではない。そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的かつ効果的に課題を改善する本発明の提案に到った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】アメリカ特許公開第US8636933B2号公報
【特許文献2】台湾実用新案公開第TWM370963U1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、上記課題解決のため、本発明は、パウダー成形機を提供することを主目的とする。
即ち、ドライパウダー及びウェットパウダーの製造能力を増強させ、パウダーの品質を有効的に高め、多色で多形状なパウダーの製造が簡単になり、粉塵汚染を減少させる等の効果を有するパウダー成形機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するための本発明に係るパウダー成形機は、少なくとも1つの圧縮室が設けられ、前記圧縮室の一端には開放端が形成され、他端には密閉端が形成され、前記圧縮室には調整可能な入れ駒が内設され、前記入れ駒は前記圧縮室の開放端と共に前記圧縮室に成形空間を画定させ、それの前記成形空間に対応される箇所には材料投入部が設けられ、且つ前記材料投入部は前記成形空間に連通される機器本体と、前記機器本体の圧縮室の開放端の一端の箇所に位置され、それの前記圧縮室の端面に対応される箇所には複数のスルーホールが設けられ、且つ前記スルーホールはそれの中空状キャビティに連通され、それの前記中空状キャビティに対応される箇所には吸引部が連設されると共に前記吸引部は前記中空状キャビティに連通されるシール蓋と、前記通気材料には複数の細孔が成型され、前記機器本体とシール蓋との間に位置され、前記圧縮室の開放端を被覆させ、且つ前記シール蓋はそれにより前記圧縮室の開放端に蓋をする通気材料とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のパウダー成形機において、前記調整可能な入れ駒には駆動棒の一端がさらに連結され、前記圧縮室の密閉端には孔部が設けられ、前記駆動棒の他端は前記孔部から外に貫通される。また、前記駆動棒は前記圧縮室の外に貫通される一端が伸縮動力源にさらに連結され、前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の材料投入部の箇所にはドライパウダー源が連結される。前記吸引動力源により前記ドライパウダー源のドライパウダー材料が吸引されて成形空間に進入し、前記シール蓋はフィード動力源にさらに連結され、巻き取り動力源がさらに設置され、前記通気材料に連結される。
【0010】
本発明のパウダー成形機において、前記機器本体の圧縮室の密閉端は前記調整可能な入れ駒との間で共に前記圧縮室に行程空間を画定させ、且つ前記機器本体は前記行程空間に対応される箇所に吸引部が設けられ、前記吸引部は前記行程空間に連通される。また、前記吸引部には吸引動力源がさらに連結され、且つ前記調整可能な入れ駒には複数のスルーホールがさらに貫設される。
【0011】
本発明のパウダー成形機において、前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の吸引部が連結される吸引動力源は真空ポンプであるか、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。
【0012】
本発明のパウダー成形機において、前記調整可能な入れ駒には駆動棒の一端がさらに連結され、前記圧縮室の密閉端には孔部が設けられ、前記駆動棒の他端は前記孔部から外に貫通され、且つ前記駆動棒は前記圧縮室の外に貫通される一端が伸縮動力源にさらに連結される。前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の材料投入部の箇所には材料搬送ユニットが連結され、前記材料搬送ユニットにはウェットパウダー源が連結される。前記材料搬送ユニットにより前記ウェットパウダー源のウェットパウダー材料が輸送されて成形空間に進入し、前記シール蓋はフィード動力源にさらに連結され、巻き取り動力源が設置され、前記通気材料に連結される。
【0013】
本発明のパウダー成形機において、前記機器本体の圧縮室の密閉端は前記調整可能な入れ駒との間で共に前記圧縮室に行程空間を画定させ、且つ前記機器本体は前記行程空間に対応される箇所に吸引部が設けられ、前記吸引部は前記行程空間に連通され、前記吸引部には吸引動力源がさらに連結され、且つ前記調整可能な入れ駒には複数のスルーホールがさらに貫設される。
【0014】
本発明のパウダー成形機において、前記シール蓋の吸引部は吸引動力源にさらに連結され、前記機器本体の吸引部が連結される吸引動力源は抽水ポンプであるか、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。
【0015】
本発明のパウダー成形機において、前記パウダー成形機は採取ユニットをさらに備え、前記採取ユニットは前記機器本体と通気材料との間を通過させ、且つ前記採取ユニットは移動動力源に連結される。
【発明の効果】
【0016】
これにより、ドライパウダー或いはウェットパウダーが製造される際に、ドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料が成形空間に入力され、入れ駒が作動されて前記ドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料が圧縮されてパウダーブロックになる。また、シール蓋及び機器本体に連結される吸引動力源は成形空間に対して吸気或いは溶剤の抽出を行い、パウダーブロックがきつく圧縮されてパウダーとなる。これにより、シール蓋及び機器本体に連結される吸引動力源の二方向の吸気或いは溶剤の抽出により、パウダーの製造効率が高まる。また、通気材料の分段を新しいものに交換させて設置させることで、パウダーの製造時に表面が常に清浄な通気材料の分段に接触され、パウダーの成型後の表面を清浄で、汚染がなく平坦な状態に保つ。なお、本発明は異なる色のパウダー材料が入力され、入れ駒等の形状が改変されることで、単色或いは多色な様々な形状のパウダーが簡単に製造可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るパウダー成形機を説明する断面模式図である。
図2】本発明の乾燥粉末が給送される状態図である。
図3】本発明の乾燥粉末がパウダーに成形される状態図である。
図4】本発明のパウダーが押出される状態図である。
図5】本発明のパウダーが採取される状態図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るパウダー成形機を説明する断面模式図である。
図7】本発明のウェット粉末が給送される状態図である。
図8】本発明のウェット粉末がパウダーに成形される状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例】
【0019】
まず、図1を参照しながら、本発明のパウダー成形機を説明する。
本発明のパウダー成形機は、機器本体(1)と、シール蓋(2)と、通気材料(3)と、採取ユニット(4)と、を主に備える。
機器本体(1)は、少なくとも1つの圧縮室(11)が設けられ、本発明では、隣接する2つの圧縮室(11)を主な実施形態とし、前記圧縮室(11)の一端には開放端(12)が形成され、他端には密閉端(13)が形成され、且つ前記密閉端(13)の中心箇所には孔部(131)が設けられ、前記圧縮室(11)には調整可能な入れ駒(14)が内設され、且つ前記入れ駒(14)には複数のスルーホール(141)が貫設され、前記入れ駒(14)には駆動棒(142)の一端が連結され、前記駆動棒(142)の他端は前記密閉端(13)の孔部(131)から外に貫通され、前記入れ駒(14)及び前記圧縮室(11)の開放端(12)は共に前記圧縮室(11)に成形空間(15)を画定させ、前記入れ駒(14)及び前記圧縮室(11)の密閉端(13)は共に前記圧縮室(11)に行程空間(16)を画定させ、また、前記機器本体(1)の側辺の前記成形空間(15)に対応される箇所には材料投入部(17)が連設され、且つ前記材料投入部(17)は前記成形空間(15)に連通され、前記機器本体(1)の側辺の前記行程空間(16)に対応される箇所には吸引部(18)が連設され、前記吸引部(18)は前記行程空間(16)に連通される。
シール蓋(2)は、前記機器本体(1)の圧縮室(11)の開放端(12)の一端の箇所に位置され、圧縮室(11)の端面に対応する箇所には複数のスルーホール(21)が設けられ、且つ前記スルーホール(21)はそれの中空状キャビティ(22)に連通され、それの側辺の前記中空状キャビティ(22)に対応される箇所には吸引部(23)が連設され、且つ前記吸引部(23)は前記中空状キャビティ(22)に連通される。
通気材料(3)は、通気性布であり、前記通気材料(3)には複数の細孔が成型され、前記機器本体(1)とシール蓋(2)との間に位置されると共に前記圧縮室(11)の開放端(12)を被覆させ、且つ通気材料(3)により前記圧縮室(11)の開放端(12)に蓋をする。
採取ユニット(4)は、前記機器本体(1)と通気材料(3)との間を通過させ、吸引動力或いはパウダーをアルミ盤上に転移させる他の機構等を有し、本発明では、その上に複数のスルーホールが成型される通気板に負圧を発生させる吸引動力源が組み合わせられてパウダーの吸い取りを行う。
【0020】
ドライパウダーの製造では、機器本体(1)の材料投入部(17)がドライパウダー源に連結され、機器本体(1)の吸引部(18)が吸引動力源に連結される。前記吸引動力源は真空ポンプであるか、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。また、前記入れ駒(14)の駆動棒(142)の圧縮室(11)の外に貫通される一端は伸縮動力源に連結され、前記伸縮動力源はエアシリンダー等である。
前記通気材料(3)は巻き取り動力源に連結され、前記シール蓋(2)の吸引部(23)は吸引動力源に連結され、前記吸引動力源は真空ポンプであるか、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。なお、前記シール蓋(2)はフィード動力源に連結され、前記フィード動力源はエアシリンダー等である。
前記採取ユニット(4)は移動動力源に連結され、前記移動動力源はエアシリンダー等である。前記採取ユニット(4)には吸引動力源が連結され、前記吸引動力源は真空ポンプであるか、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。前記伸縮動力源、巻き取り動力源、フィード動力源、移動動力源、及び各吸引動力源は制御ユニットに連結され、ドライパウダーの製造の自動化が実施される。
【0021】
このように、使用においては、制御ユニットによりシール蓋(2)に連結されるフィード動力源が起動されて作動し、シール蓋(2)が機器本体(1)の方向にフィードを行う。シール蓋(2)が機器本体(1)に向けてフィードを行うと、機器本体(1)とシール蓋(2)との間に位置される通気材料(3)が一緒に機器本体(1)の方向を圧迫し、通気材料(3)が機器本体(1)に向かう圧縮室(11)の開放端(12)を被覆させ、シール蓋(2)が通気材料(3)により圧縮室(11)の開放端(12)に緊密に蓋をする。
【0022】
図2に示すように、制御ユニットによりシール蓋(2)の吸引部(23)に連結される吸引動力源が駆動されて吸気を行い、シール蓋(2)の吸引部(23)は中空状キャビティ(22)を経てスルーホール(21)から前記通気材料(3)の細孔を経て成形空間(15)内の空気を抽出し、成形空間(15)内に負圧状態を形成させる。このさい、機器本体(1)の材料投入部(17)に連結されるドライパウダー源の箇所のドライパウダー材料は成形空間(15)内の負圧を受けて吸引され、ドライパウダー材料が成形空間(15)に吸入される。
同時に、制御ユニットは機器本体(1)の吸引部(18)に連結される吸引動力源を起動させて吸気を行わせ、圧縮室(11)内の空気が抽出され、且つ入れ駒(14)に設けられる複数のスルーホール(141)を通して圧縮室(11)の成形空間(15)内の空気が抽出され、同調してドライパウダー材料が吸引されて成形空間(15)に進入する。これにより、ドライパウダー材料が成形空間(15)内に進入する効率を高める。
【0023】
続いて、図3に示すように、制御ユニットにより伸縮動力源が駆動され、伸縮動力源に連結される駆動棒(142)により入れ駒(14)が連動されて圧縮室(11)の開放端(12)の方向に作動し、成形空間(15)内のドライパウダー材料が圧縮されてパウダーブロック状になり、ドライパウダー材料と一緒に成形空間(15)内の空気が入れ駒(14)に設けられるスルーホール(141)から吸入されて成形空間(15)の外に排出される。
同時に、シール蓋(2)及び機器本体(1)に連結される吸引動力源は持続的に吸気動作を行い、成形空間(15)内の空気の抽出効率を高め、成形空間(15)内の空気が完全に抽出された後、前記ドライパウダー材料により形成されるパウダーブロックが緊密に圧縮されてパウダー(5)状になる(図3参照)。ちなみに、本発明は、入れ駒(14)のフィード行程の調節を行うことで、成形空間(15)の許容可能なパウダーの容積及びパウダー(5)の成型の厚さが調整される。
【0024】
図4に示すように、続いて、制御ユニットによりシール蓋(2)に連結されるフィード動力源が駆動されて作動し、シール蓋(2)を移動させて元の位置に戻させ、シール蓋(2)に連結される吸引動力源の作動が停止する。また、シール蓋(2)の圧迫から脱離する通気材料(3)は制御ユニットにより連結される巻き取り動力源が駆動されて1行程分巻回し、1回のパウダー(5)の成型に用いられる通気材料(3)の前記分段が圧縮室(11)の位置から離れ、通気材料(3)は次の清浄な分段が圧縮室(11)の箇所まで移動する。これにより、毎回パウダー(5)の成型を行うさいに、パウダー(5)の製造に用いられる前記分段の通気材料(3)は一様に清浄な状態に維持され、パウダーが異物やパウダー材料の残留等により汚染されたり汚れたりするのを回避させ、パウダー(5)の表面の清浄さと平坦さを高める。さらには、前記分段の通気材料(3)にドライパウダー材料が付着して細孔を塞ぐ状況を回避させ、スムーズな吸気性を維持させる。その後、制御ユニットにより機器本体(1)の吸引部(18)に連結される吸引動力源が駆使されて正圧に転換され、入れ駒(14)に設けられるスルーホール(141)により入気され、入れ駒(14)に粘着するパウダー(5)を脱離させる。続いて、制御ユニットにより伸縮動力源が駆動され、駆動棒(142)により入れ駒(14)が連動されてパウダー(5)が成形空間(15)から押し出される。
【0025】
図5に示すように、制御ユニットにより採取ユニット(4)に連結される移動動力源が駆動されて採取ユニット(4)を連動させてパウダー(5)の箇所まで移動させ、続いて、採取ユニット(4)に連結される吸引動力源が駆動されて作動し、パウダー(5)が採取ユニット(4)に吸着される。その後、制御ユニットにより採取ユニット(4)に連結される移動動力源が駆動されて採取ユニット(4)を連動させて復位させ、続いて、採取ユニット(4)の吸引動力源を停止させ、パウダー(5)に対する吸着から解放させ、パウダー(5)が下方に予め設置されるアルミ盤に落ちて装填される。
その後、制御ユニットによりシール蓋(2)が駆動されて機器本体(1)の方向にフィードを行い、通気材料(3)により圧縮室(11)の開放端(12)が緊密に蓋をされる。次回のパウダーの製造では、制御ユニットにより機器本体(1)の吸引部(18)に連結される吸引動力源が駆使されて圧縮室(11)に対して入気を行い、入れ駒(14)のスルーホール(141)に付着するドライパウダー材料が吹き払われ、これにより、シール蓋(2)により蓋をされるさいに、吹き払う工程が行われてドライパウダー材料が空気中に飛散してしまい、粉塵汚染等の問題が発生するのを有効的に防止させる。
【0026】
さらに、本発明がドライパウダーの製造に実施される場合、図6に示すように、機器本体(1)の材料投入部(17)の箇所には材料搬送ユニット(19)がさらに連結され、制御ユニットに接続される。前記材料搬送ユニット(19)はスクリューモーター組等の機構であり、前記材料搬送ユニット(19)にはウェットパウダー源が連結される。前記機器本体(1)の吸引部(18)及びシール蓋(2)の吸引部(23)に連結される吸引動力源は抽水ポンプとして設置され、或いは空間に負圧を発生させるあらゆる機構でもよい。これにより、図7のように、材料搬送ユニット(19)によりウェットパウダー源に溶剤が混合されるウェットパウダー材料が、材料投入部(17)から成形空間(15)に送入され、或いはウェットパウダー材料が圧縮室(11)の開放端(12)から成形空間(15)に直接入れられ、入れ駒(14)によりウェットパウダー材料が圧縮されてパウダーブロック状になる。
図8によると、機器本体(1)の吸引部(18)に連結される吸引動力源により入れ駒(14)の複数のスルーホール(141)を通して、成形空間(15)内の空気及びウェットパウダー材料に含まれる溶剤が一緒に抽出される。同時に、シール蓋(2)の吸引部(23)に連結される吸引動力源が前記通気材料(3)により成形空間(15)内の空気及びウェットパウダー材料の溶剤を抽出させ、成形空間(15)内のウェットパウダー材料に含まれる溶剤が完全に抽出される。その後、前記ウェットパウダー材料のパウダーブロックが緊密なパウダー(5)状に形成され、シール蓋(2)が元の位置に戻され、前記通気材料(3)が巻き取られ、入れ駒(14)により前記パウダー(5)が成形空間(15)に押し出され、採取ユニット(4)により前記パウダー(5)が吸着された後にアルミ盤に装填される。
【0027】
前述の実施形態或いは図式は、本発明に係るパウダー成形機の実施態様を限定するものではなく、本発明の機器本体(1)の圧縮室(11)は1つ或いは2つの設置に限定されず、機器本体(1)に3つ以上の隣接する圧縮室(11)が設けられてもよい。また、異なる色のドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料等が各圧縮室(11)の成形空間(15)に入力されることで、多色のパウダーの製造が可能になる。さらには、本発明は、機器本体(1)の吸引部(18)及び連結される吸引動力源の設置を省いてもよく、シール蓋(2)の吸引部(23)に連結される吸引動力源のみを有して吸気或いは溶剤の抽出等の作業を行うこともできる。このほか、本発明では、異なる色のパウダー材料が入力され、入れ駒等の形状が改変されることで、単色或いは多色の様々な形状のパウダーを簡単に製造できる。本技術分野で通常知識を有する者ならば適切な変化や修飾が可能であり、これらも共に本発明に係るパウダー成形機の特許範囲に含まれる。
【0028】
上述の構造及び実施方式から、本発明が以下の長所を有することが分かる。
1.本発明に係るパウダー成形機は、機器本体及びシール蓋に吸引部が各々設けられ、吸引動力源に連結される。これにより、機器本体及びシール蓋に連結される2つの吸引動力源の同調作動を利用して、パウダー材料の吸引による給送効率を高める。同時に、パウダーの圧縮成型において、機器本体及びシール蓋の吸引動力源による二方向の吸引により、ドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料の間の空気及び溶剤等が抽出され、緊密に結合させたパウダーを形成させる効率を高める。なお、通気材料により遮蔽されることで、シール蓋のスルーホールの孔径が適度に増大され、吸引効率がさらに高まり、パウダーの製造能力等を向上させる効果を有効に達成させる。
2.本発明のパウダー成形機は機器本体とシール蓋との間に通気材料が設けられ、且つ通気材料の分段が巻き取り交換され、毎回パウダーを製造するさいに、パウダーの表面が清浄な通気材料の分段に接触される。これにより、通気材料の分段に前段階のパウダーの製造時の粉末や異物等が残留して、パウダーの表面が汚染されたり非平坦になるのを回避させる。また、本発明では、パウダーがアルミ盤に装填されるさい、入れ駒に接触される一面がアルミ盤内に納置され、通気材料に接触される前記一面は上に向けられる。これにより清浄で、汚染がなく、平坦な高品質のパウダーが形成され、消費者の購買意欲を掻き立て、販売効率を高める等の効果を達成させる。
3.本発明に係るパウダー成形機は、異なる色のパウダー材料が入力され、入れ駒等の形状が改変されることで、単色や多色の様々な形状のパウダーが製造可能になる。特に、本発明では、シール蓋により圧縮室の開放端が蓋をされた後に入れ駒のスルーホールに付着したパウダー材料が吹き払われる設計により、パウダー材料が空気中に飛散するのを防止させ、粉塵汚染を減少させる効果を達成させる。
4.本発明に係るパウダー成形機は、ドライパウダー材料及びウェットパウダー材料の製造に適用される。これにより、パウダーの製造業者はドライ式及びウェット式等の複数のパウダー成形機を別々に購入する必要がなくなり、製造コストの削減等の効果を達成させる。
【0029】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0030】
1 機器本体
11 圧縮室
12 開放端
13 密閉端
131 孔部
14 入れ駒
141 スルーホール
142 駆動棒
15 成形空間
16 行程空間
17 材料投入部
18 吸引部
19 材料搬送ユニット
2 シール蓋
21 スルーホール
22 中空状キャビティ
23 吸引部
3 通気材料
4 採取ユニット
5 パウダー
【要約】      (修正有)
【課題】ドライパウダー及びウェットパウダーの製造能力を増強させ、パウダーの品質を高め、多色で多形状なパウダーの製造を簡単に行えるパウダー成形機を提供する。
【解決手段】主に機器本体の圧縮室11に調整可能な入れ駒14が内設され、且つ圧縮室11と入れ駒14との間には成形空間15が形成され、シール蓋2は通気材料3により成形空間15に蓋をする。これにより、ドライパウダー或いはウェットパウダーを製造するさいに、ドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料が成形空間15に入力され、入れ駒14が作動して前記ドライパウダー材料或いはウェットパウダー材料が圧縮されてパウダーブロックとなる。同時に、シール蓋2及び機器本体に連結される吸引動力源が成形空間15に対して吸気或いは溶剤の抽出を行い、ルースパウダーにプリプレスが行われてきつく圧迫されたパウダーが生成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8