(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977448
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法、装置、およびインテリジェント移動端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/663 20060101AFI20160817BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20160817BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
H04M1/663
H04M1/00 S
H04M11/00 302
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-521952(P2015-521952)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公表番号】特表2015-522233(P2015-522233A)
(43)【公表日】2015年8月3日
(86)【国際出願番号】CN2013076579
(87)【国際公開番号】WO2014012398
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】201210246769.2
(32)【優先日】2012年7月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514319216
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェン スジャオ
(72)【発明者】
【氏名】リ リ
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−153779(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/138500(WO,A1)
【文献】
特開2010−148107(JP,A)
【文献】
特開2007−133488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/663
H04M1/00
H04M11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法であって、
不在着信の電話番号を抽出するステップと、
ユーザより予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索するステップと、
検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるステップと、
予め設定されたキーワードが検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合は、警告を出すステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索するステップの前に、さらに、
前記電話番号が前記移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記警告を出した後に、さらに、
前記警告に対応する電話番号を予め設定されたブラックリストに保存するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置であって、
不在着信の電話番号を抽出するように設置される抽出手段と、
ユーザより予め設定された検索エンジンにおいて前記抽出手段より抽出された電話番号を検索するように設置される検索手段と、
前記検索手段より検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるように設置される表示手段と、
予め設定されたキーワードが前記検索手段によって検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合は、警告を出す警告手段と、を備える装置。
【請求項5】
前記電話番号が前記移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話帳に前記電話番号が記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知する電話帳判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知するブラックリスト判断手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記警告手段によって出す警告と対応した電話番号を予め設定されたブラックリストに保存する保存手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置を含む、ことを特徴とするインテリジェント移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信における情報認識技術に関し、特に、見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法、装置、およびインテリジェント移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、移動端末の普及に伴い、ますます増えてきた違法者はユーザの移動端末に電話を掛けることで電気通信詐欺を行い、例えば、ユーザの移動端末に電話を掛けることで、くじに当たって受け取る必要があるなどをこのユーザに知らせて詐欺を行う。電気通信詐欺の様々な手段は次々と現れ、防ごうにも防ぎきれないものになってしまう。
【0003】
また、保険、製品などのセールス電話などで多くの移動端末ユーザは困っていて、見知らぬ人からの電話を断ることでこのような電話の影響を避けるユーザもいるが、このようにすると、見知らぬ人からかかってきた、出る必要がある電話、例えば宅配業者からの配送電話を取れなくなってしまうこともある。
【0004】
現在、着信番号の帰属地を表示する機能を備えるインテリジェント移動端末もあるが、着信番号の帰属地を表示するだけで見知らぬ人からの電話が詐欺電話またはセールス電話などのイタズラ電話であるか否かをユーザは判断できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを鑑みて、本発明の主要な目的は、イタズラ電話を断るようにユーザに提示することが可能な見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法、装置、およびインテリジェント移動端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達するために、本発明の技術スキームは以下のように実現される。
本発明の実施例は見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法を提供し、前記方法は、
不在着信の電話番号を抽出するステップと、
予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索するステップと、
検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索するステップの前に、前記方法はさらに、
前記電話番号が移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するステップを含む。
【0008】
好ましくは、前記検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるステップの後に、前記方法は、さらに、
予め設定されたキーワードが検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合、警告を出すステップを含む。
【0009】
好ましくは、前記警告を出すステップの後に、前記方法は、さらに、
前記警告に対応する電話番号を予め設定されたブラックリストに保存するステップを含む。
【0010】
本発明の実施例は見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置を提供し、前記装置は抽出手段と、検索手段と、表示手段とを備え、
前記抽出手段は、不在着信の電話番号を抽出するものであり、
前記検索手段は、予め設定された検索エンジンにおいて前記抽出手段より抽出された電話番号を検索するものであり、
前記表示手段は、前記検索手段が検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるものである。
【0011】
好ましくは、前記装置は、前記電話番号が移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知する電話帳判断手段をさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記装置は、前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知するブラックリスト判断手段をさらに含む。
【0013】
好ましくは、前記装置は、予め設定されたキーワードが前記検索手段によって検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合、警告を出す前記警告手段をさらに含む。
【0014】
好ましくは、前記装置は、前記警告手段によって出す警告に対応する電話番号を予め設定されたブラックリストに保存する保存手段をさらに含む。
【0015】
本発明の実施例は上述した見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置を含むインテリジェント移動端末を提供する。
【発明の効果】
【0016】
上記により分かるように、本発明に係る実施例の技術スキームによれば、不在着信の電話番号を抽出し、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索し、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させる。これにより、ユーザは検索された情報に基づいて見知らぬ人からの電話着信がイタズラ電話であるか否かを判断でき、イタズラ電話を断り、イタズラ電話の影響を受けることを避けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置の構成を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法を実現するためのプロセスは、
図1に示すように、以下のステップを含む。
ステップ101について、不在着信の電話番号を抽出し、
ステップ102について、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索し、
前記検索エンジンはユーザより予め設置されることができ、例えば、バイドゥまたはグーグルなどの検索エンジンに設置されることができる。
【0019】
ステップ103について、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させる。
【0020】
選択可能として、ステップ102の前に、前記方法は、さらに、
前記電話番号が移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するステップを含むこともできる。
【0021】
選択可能として、ステップ102の前に、前記方法は、さらに、
前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するステップを含むこともできる。
【0022】
選択可能として、ステップ102の後に、前記方法は、さらに、
予め設定されたキーワードが検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合、警告を出すステップを含むこともできる。
【0023】
選択可能として、前記警告は、文字提示、音声提示、バイブレーション提示、およびベル提示のうちの1つもしくは複数を含む。
【0024】
選択可能として、警告を出した後に、前記方法は、さらに、
前記警告に対応する電話番号を予め設定されたブラックリストに保存するステップを含むこともできる。
【0025】
本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置は、
図2に示すように、抽出手段と、検索手段と、表示手段とを含んで構成され、
前記抽出手段は、不在着信の電話番号を抽出するものであり、
前記検索手段は、予め設定された検索エンジンにおいて前記抽出手段より抽出された電話番号を検索するものであり、
前記表示手段は、前記検索手段より検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させるものである。
【0026】
選択可能として、前記装置は、前記電話番号が移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知する電話帳判断手段をさらに含むこともできる。
【0027】
選択可能として、前記装置は、前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、前記警告手段に対して、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索する操作を実行するよう通知するブラックリスト判断手段をさらに含むこともできる。
【0028】
選択可能として、前記装置は、予め設定されたキーワードが前記検索手段により検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている場合は、警告を出す警告手段をさらに含むこともできる。
【0029】
選択可能として、前記装置は、前記警告手段によって出した警告に対応する電話番号を予め設定されたブラックリストに保存する保存手段をさらに含むこともできる。
【0030】
本発明の実施例によるインテリジェント移動端末は上述した見知らぬ人からの電話着信に対する警告装置を含む。
【0031】
本発明の実施例による見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法を実現するためのプロセスは、
図3に示すように、以下のステップを含む。
ステップ301について、不在着信の電話番号を抽出し、
具体的には、着信があった時に、前記着信の電話番号を抽出する。
ステップ302について、前記電話番号が移動端末の電話帳に記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていなければ、ステップ303に進み、一方、前記電話番号が前記電話帳に記憶されていれば、ステップ309に進む。
【0032】
ステップ303について、前記電話番号が予め設定されたブラックリストに記憶されているか否かを判断し、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていなければ、ステップ304に進み、一方、前記電話番号が前記ブラックリストに記憶されていれば、ステップ307に進む。
ここでは、前記ブラックリストは既知のイタズラ電話の番号を記憶するためのものである。
【0033】
ステップ304について、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索し、
具体的には、ブラウザーを起動し、予め設定された検索エンジンを開き、前記電話番号を前記検索エンジンの入力ボックスに入力して検索し、
前記検索エンジンはユーザによって予め設置されることができ、例えば、バイドゥまたはグーグルなどの検索エンジンに設置されることができる。
【0034】
ステップ305について、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させ、
これによって、ユーザは検索された情報、例えば詐欺に関する苦情情報、番号の帰属地情報などに基づいて、前記電話番号がイタズラ電話であるか否かを判断できる。
ここでは、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に半透明表示させてもよく、これによって、ユーザによる電話に出る操作および電話を切る操作が表示されたページに影響されてしまうことを避ける。具体的には、検索されたページをコールインタフェースの上層に設置し、また、このページにおける文字の色をコールインタフェースの色と異なるように設置し、例えば、コールインタフェースの色より少し薄い色に設置することで、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に半透明表示させる。
【0035】
ステップ306について、予め設定されたキーワードが検索されたページに含まれているか否かを判断し、予め設定されたキーワードが含まれている時には、ステップ307に進み、予め設定されたキーワードが含まれていない時には、ステップ309に進む。
ここでは、検索されたページにおいて予め設定されたキーワードを探索することで、予め設定されたキーワードが検索されたページに含まれているか否かを判断する。
【0036】
前記キーワードは、システムによって初期設定されたいくつかのキーワード、例えば電気通信詐欺、車購入税金還付、電話料金未払いなど、とされてもよく、ユーザによって予め設置されたもの、例えば、ユーザにて追加された保険などのキーワードを追加してもよい。
【0037】
ステップ307について、警告を出し、そして電話を自動的に切る。
ここでは、前記警告は、文字による警告、音声による警告、バイブレーションによる警告、およびベルによる警告のうちの1つもしくは複数を含んでも良い。
【0038】
ステップ308について、前記警告と対応した電話番号を予め設定されたブラックリストに保存して、今回のプロセスを終了する。
【0039】
ステップ309について、警告を出さずに、今回のプロセスを終了する。
【0040】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によって提供した見知らぬ人からの電話着信に対する警告方法、装置、およびインテリジェント移動端末は、不在着信の電話番号を抽出し、予め設定された検索エンジンにおいて前記電話番号を検索し、検索されたページを移動端末のディスプレイ画面に表示させる。これにより、ユーザは検索された情報に基づいて見知らぬ人からの電話着信がイタズラ電話であるか否かを判断でき、イタズラ電話を断り、イタズラ電話の影響を受けることを避けることもできる。