特許第5977449号(P5977449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977449消費者向け機器類をネットワーク化するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977449
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】消費者向け機器類をネットワーク化するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/10 20090101AFI20160817BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20160817BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20160817BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20160817BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H04W84/10 110
   H04W84/18
   H04W8/00 110
   H04W4/04 170
   H04W4/04 190
   H04M11/00 302
【請求項の数】22
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-523209(P2015-523209)
(86)(22)【出願日】2013年7月17日
(65)【公表番号】特表2015-532027(P2015-532027A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2013050824
(87)【国際公開番号】WO2014014997
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月19日
(31)【優先権主張番号】13/551,539
(32)【優先日】2012年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジ ビー.アプテ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ポールソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジョン ハーゼノエール
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−233619(JP,A)
【文献】 特開2005−112499(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/065028(WO,A1)
【文献】 特開平11−047101(JP,A)
【文献】 特開2005−265274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法であって、それぞれのノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備え、前記方法は、
前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、
前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、
前記アドホックネットワーク内の、前記第1ノード及び前記第2ノードの少なくとも一方から、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、
前記アドホックネットワーク内の前記第2ノードにおいて、周囲条件を計測することを
含み、
前記周囲条件を測定することは、前記第2ノードによって受信される部屋透過型通信情
報によって開始され、前記測定された周囲条件は、周囲の照明レベルである、方法。
【請求項2】
複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法であって、それぞれのノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備え、前記方法は、
前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、
前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、
前記アドホックネットワーク内の、前記第1ノード及び前記第2ノードの少なくとも一方から、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、を含み、
前記第1部屋限定型通信情報は音響信号である、方法
【請求項3】
複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法であって、それぞれのノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備え、前記方法は、
前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、
前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、
前記アドホックネットワーク内の、前記第1ノード及び前記第2ノードの少なくとも一方から、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、を含み、
前記第2ノードはセンサを備え、前記センサにより生成される信号は、前記第1ノードにおける周囲の照明レベルを示す、方法
【請求項4】
複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法であって、それぞれのノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備え、前記方法は、
前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、
前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、
前記アドホックネットワーク内の、前記第1ノード及び前記第2ノードの少なくとも一方から、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、を含み、
前記第1ノードは照明製品を含み、前記第1部屋限定型通信情報を送信することは、前
記照明製品の出力をある周波数で変調することを含む、方法
【請求項5】
前記第1部屋限定型通信情報が前記第2ノードで受信されたかどうかを判定することは、前記周波数での前記照明製品の出力を、前記第2ノードのセンサにより検知することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記アドホックネットワーク内の第3ノードにより、第2部屋限定型通信情報を送信す
ることと、
前記アドホックネットワーク内の前記第1ノードにおいて、前記第2部屋限定型通信情
報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第2部屋限定型通信情報が前記第1ノードにおいて受信された場合には、前記第3
ノードを、前記第1ノードが区分されている部屋リストに区分することと、を含む請求項
乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アドホックネットワーク内の前記第2ノードにおいて、前記第2部屋限定型通信情
報が受信されたかどうかを判定することと、
前記第2部屋限定型通信情報が前記第2ノードにおいて受信された場合には、前記第3
ノードを、前記第2ノードが区分されている部屋リストに区分することと、を含む請求項
に記載の方法。
【請求項8】
前記アドホックネットワークは、前記第1ノード及び前記第2ノードと通信するブリッ
ジノードを含み、前記ブリッジノードは、外部の通信ネットワークと通信する、請求項1
乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ノードデータを、前記第1ノードから前記ブリッジノードに、部屋透過型通信を用いて
送信することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ノードデータは、SKU数、ネットワークアドレス、バーコード、及び推定される
アイデンティティのうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記アドホックネットワーク内の複数のノードの少なくとも2つからSKU数を受信することと、
受信したSKU数に基づいて、少なくとも1つのノードのグループを樹立することと、を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1ノード及び前記第2ノードは、部屋透過型通信信号を介して通信する、請求項
乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1部屋限定型通信情報は光信号である、請求項1、3乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1部屋限定型通信情報は、人間には感知できない信号である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記SKU数は、部屋透過型通信を介して受信される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法であって、前記方法は、
前記アドホックネットワーク内の第1ノードに、第1部屋限定型通信情報を送信するよう、無線通信を介して指示することと、
第2ノードから、前記第1部屋限定型通信情報が、前記第2ノードにより受信されたか
どうかを示す情報を受信することと、
前記第2ノードにより、前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分する
ことと、を含む方法
【請求項17】
前記無線通信を介して、前記アドホックネットワーク内の前記第2ノードに、周囲の照明レベルを計測するように指示をすることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記無線通信は、部屋透過型通信である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記無線通信は、部屋限定型通信情報を含み、前記方法は、
前記部屋限定型通信情報に基づいて、物体の状態を判定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記物体は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に位置するドアであり、前記状態
は、開放状態及び閉鎖状態の一方である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記物体は、移動可能ノードである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ブリッジノード、第1ノード、及び第2ノードを含む複数のノードを含むアドホックネ
ットワークを含むシステムであって、前記第1ノード及び前記第2ノードはそれぞれ、部
屋限定型通信及び部屋透過型通信の少なくとも一方を用いて通信するよう構成されている
通信モジュールを含み、前記ブリッジノードは、コントローラ及びメモリを含み、前記コ
ントローラは、前記メモリに記憶された実行可能命令により請求項16に記載の方法を実施するよう構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、消費者向け機器類をネットワーク化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ZigBee、Z−Wave、Insteon、JenNet−IP、X10等のような、低電力の、パーソナルエリアネットワークが次第に普及してきている。各種電化製品、照明機器、冷暖房機器、保安監視システム、エンターテイメントシステム、通信機器、及び芝生のスプリンクラー等に、今日では、マイクロプロセッサと無線通信デバイスが搭載され、ホームネットワークとの無線接続が可能になっている。これらのデバイスの制御部は、ユーザーにとってわかりやすい制御用インターフェイスのソフトウェアが搭載されることもある、スマートフォン、PDA(携帯情報端末)、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、若しくはその他のデバイスに存在する場合があり、又は制御部は、ネットワークのクラウドに存在する場合もある。
【0003】
こうしたホームネットワークを組織し構成するためのさまざまな異なる方法が存在する。既存の技術は、複数のデバイスを、それぞれのデバイスが有する、可視光線、超音波、赤外線、電波、及びその他の通信技術を用いた通信能力に基づいてグループに結び付ける場合がある。それにより、当該デバイスを、それらのデバイスが存在する閉鎖空間や、それらのデバイスが代表するデバイスの種類に基づいて、クラスタに組織化する。個々のデバイスにマイクロプロセッサを統合することで、当該デバイスが、ユーザーに高度な自由度を与え得るプログラム化を受けることが可能になる。その利用できる各種構成の数が膨大であるため、普通のユーザーは圧倒されてしまうことがある。実際、ホームネットワークのためのネットワーク技術の多くは比較的複雑であり、消費者がそれを使用するのは難しいものである。新たなデバイスを追加し、認証し、構成するには、そのインストール作業を実行するために特別の訓練を受けた技術者に頼まなければならないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マイクロプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、無線送受信器、及び見通し内通信のための費用は下がってきたので、こうした機能を、安価で、時には使い捨ての消費者向け製品に追加することが可能になっている。機能及びネットワーク化された家庭内デバイスの数を増やすことで、消費者及びホームネットワーク技術にとって新たな課題も出てくるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態においては、複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法が提供される。それぞれの前記ノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、前記アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備える。前記方法は、前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、前記アドホックネットワーク内の前記第1ノード及び前記第2ノードの少なくとも一方から、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、を含む。
【0006】
1つの実施形態においては、複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法が提供される。それぞれの前記ノードは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信のうちの少なくとも一方を用いて、前記アドホックネットワークと通信するように構成されている通信モジュールを備える。前記方法は、前記アドホックネットワーク内の第1ノードにより、第1部屋限定型通信情報を送信することと、前記アドホックネットワーク内の第2ノードにおいて、前記第1部屋限定型通信情報が受信されたかどうかを判定することと、前記第1部屋限定型通信情報が受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、前記アドホックネットワーク内の少なくとも2つの前記ノードから、最小在庫管理単位(SKU)数を受信することと、受信した前記SKU数に基づいて、少なくとも1つの回路を定義することと、を含む。
【0007】
1つの実施形態においては、複数の部屋のある構造物に関連付けられているアドホックネットワークにノードを登録するための方法が提供される。それぞれの前記ノードは通信モジュールを備える。前記方法は、前記アドホックネットワーク内の第1ノードに、部屋限定型通信情報を送信するよう、無線通信を介して指示することと、第2ノードから、前記第1部屋限定型通信情報が、前記第2ノードにより受信されたかどうかを示す情報を受信することと、前記第1部屋限定型通信情報が前記第2ノードにより受信された場合には、メモリに格納されている部屋リスト内の一の部屋に前記第1ノード及び前記第2ノードを区分することと、を含む。
【0008】
1つの実施形態においては、ブリッジノード、第1ノード、及び第2ノードを含む複数のノードを含むアドホックネットワークを含むシステムが提供される。該システムにおいては、前記第1ノード及び前記第2ノードはそれぞれ、部屋限定型通信及び部屋透過型通信の少なくとも一方を用いて通信するよう構成されている通信モジュールを含む。前記ブリッジノードは、コントローラ及びメモリを含む。前記コントローラは、前記アドホックネットワーク内の前記第1ノードに、周囲の照明レベルを計測するよう、無線通信を介して指示し、前記アドホックネットワーク内の前記第2ノードに、部屋限定型通信情報を送信するよう、無線通信を介して指示し、前記第1ノードから、前記第1部屋限定型通信情報が前記第1ノードによって受信されたかどうかを示す情報を受信し、前記第1部屋限定型通信情報が前記第1ノードにより受信された場合には、前記第1ノード及び前記第2ノードを前記メモリに格納されている部屋リストの中の一の部屋に区分するよう構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】消費者向け製品のデバイスの1つの実施形態を示す。
図2】ネットワークデバイスの通信部の1つの実施形態のブロック図を示す。
図3】照明デバイスの1つの実施形態を示す。
図4】照明デバイスの代替的実施形態を示す。
図5】アドホック無線ネットワークにおける複数の潜在的ノードを有する構造物の1つの実施形態の図を示す。
図6】部屋リストを構築する方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。
図7】機能を部屋に割り当てる方法のフローチャートの1つの実施形態を示す。
図8】アドホック無線ネットワークの構成に基づいて、アクションを決定し実行する方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。
図9】家を三次元的に表したものを作成する方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。
図10】構造物内のノードを三次元的に表したものの一例を示す。
図11】複数のノードにより形成されたアドホックネットワークを含むネットワークアーキテクチャの1つの例を示す。
図12】複数のノードにより形成されたアドホックネットワークを含むネットワークアーキテクチャの1つの例を示す。
図13】複数のノードにより形成されたアドホックネットワークを含むネットワークアーキテクチャの1つの例を示す。
図14】デュアルチャネル通信が可能な複数のノードを含む、アドホックな、ゼロコンフィギュレーションネットワークを形成するためのメッセージシーケンス図の1つの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示される装置及び方法の構造、機能、並びにシステム及び方法の使用の原理について、総合的な理解を提供するために、本開示の様々な非限定的な実施形態を以後記載する。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例が添付図面に示される。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付図面に示されるシステム及び方法が非限定的な実施形態であることを理解するであろう。1つの非限定的な実施形態に関連して示されるか又は説明される特徴を、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせてもよい。このような修正及び変形は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【0011】
一般的ノード及び非照明デバイス
図1は、ネットワーク機能を有する消費者向け製品のデバイス10の1つの例の略図を示す。消費者向け製品のデバイス10は、消費者向け製品を含む、又は当該製品と関連付けられる、アダプタ12を有する。アダプタ12は、任意の適切な受容器、ソケット、コンセント、容器、又はその他の構造物であって、消費者向け製品を含み、当該製品に取り付けられ、若しくは関連付けられたその他の構造物であり得る。消費者向け製品は、任意の適切なタイプの消費者向け製品であってよい。例えば、消費者向け製品は、シェービングクリーム、消臭剤、練り歯磨き粉、ローション、シャンプー、綿棒、剃刀の刃、及びティッシュ等のような、何らかのタイプの消費財を分配又は給付する消費財用ディスペンサであってよい。消費者向け製品は例えば、剃刀、歯ブラシ、ヘアブラシ、はたき、ほうき、モップ、たわし、及びトイレ用ブラシ等のような、電気を使わない道具類であってよい。消費者向け製品は、コーヒーメーカー、オーブントースター、テレビ、ドライヤー、掃除機、空気清浄機、及び加湿器等のような、電動デバイスであってよい。消費者向け製品は、エネルギー源としてのバッテリを含む、その他のタイプのエネルギー源を用いる、又は複数のエネルギー源を組み合わせて用いる、電動デバイスであってよい。消費者向け製品には、例えばさまざまな動き、温度、太陽光、又は動きに基づいて自ら発電できる、1つ以上の、エネルギー源を用いるものがあってもよい。例として、1つの実施形態においては、分配という動作の際に製品を絞るという動作が、当該製品と関連付けられた、自ら発電するエネルギー源によって発電するための必要なアクションを生成する。他の例においては、スイッチを第1位置から第2位置に動かす動作により、発電するための電流が誘導される。なお、これらの特定の例は、単に例示的な電動及び非電動製品を挙げたものにすぎず、いかなる特定の製品又は構成に限定することを意図したものでもなく、暗示してもいないことは理解できるであろう。本明細書において定義される消費者向け製品は、いかなるネットワーク通信機能をも有しない。これらのデバイス上での通信は、ユーザーインターフェイス、警告灯、及び音声変換器等のような局所的通信の形態をとるのみである。
【0012】
いくつかの実施形態においては、アダプタ12が消費者向けデバイスに上からパチンとはめられるか、又は、消費者向けデバイスが消費者向け製品のデバイス10に機械的に、さらに恐らくは電気的にも、接続されるのを可能にする。電動デバイスに対しては、デバイス10は、電源のコンセントにおいて見られるような、2又の、若しくは3又のコンセント、又は他の任意の適切なタイプの電源コネクタを含んでいてよく、その例が、電源コネクタ16として図示されている。
【0013】
また消費者向け製品のデバイス10は、少なくとも1つの通信モジュール又は通信ハブ14も含んでいる。通信ハブは、1つの通信モジュール、又は、それぞれが異なるタイプの通信技術を用いる、いくつかの通信モジュールからなっていてよい。例えば、通信モジュールは、部屋限定型通信モジュールからなっていてよい。本明細書においては、「部屋限定型」という用語は、通信モジュール14の通信媒体が、壁、床、閉じた扉、及び天井といった障壁を通過できないように構成されている形式の通信信号を用いていることを意味する。信号の例としては、例えば光信号及びあるタイプの音響信号のような、見通し内信号があげられる。通信モジュール14は、代替的又は追加的に、部屋透過型通信モジュールを含んでいてもよい。本明細書においては、「部屋透過型」は、通信モジュール14の通信媒体が、例えば壁、床、又は他のタイプの構造体のような、障壁によって制約を受けないように構成されていることを意味する。これらの障壁は、信号が伝播する際に、信号の相対的強度を弱める場合があるものの、信号を止めることは一般にない。「部屋透過型」信号の例としては、さまざまな高周波(RF)信号、及び人間の可聴域より低い周波数の信号等があげられる。通信ハブ14は、上記2つのタイプのモジュールの一方又は両方を含んでいてよい。また、例えば、2つの部屋限定型モジュールと1つの部屋透過型モジュールとを含む等のように、それぞれのタイプのモジュールを、2つ以上含んでいてもよい。そしてそれぞれのモジュールは、以下により詳細に述べるように、アドホックなメッシュネットワークにおける他のデバイスと通信し、接続するための自前の機能を有している。
【0014】
通信モジュール14によって提供されるネットワーク機能は、他の方法ではそのような能力を持たないであろうデバイスに、広義には、アドホックなメッシュネットワークに参加し、退出することを可能にし、やはり他の方法ではそうした能力を持たないであろう他のデバイスと通信することを可能にする。デバイス及び製品に、他のデバイスと通信し、協調して動作するようにする能力を付与することで、ユーザーは、自分の家庭、又は、オフィスの集合体、商業施設、若しくはその他のタイプのエリアや空間であって、消費者向け製品やその他のタイプの追跡可能な装置を含むエリアや空間といった、その他のタイプの環境の多くの側面を管理することが可能になる。
【0015】
電源コネクタ16は通信モジュールと電気的に結合されている。したがって、いくつかの実施形態においては、電源コネクタが通信モジュールに電力を供給するが、デバイスの消費者向け製品部分にも電力を供給する場合もある。図1には三又のプラグを有する電源コネクタ16が図示されているが、通信モジュール14は、どんな適切な電源から電力を受けることができるようになっていてもよい。すなわち通信モジュール14は、電源コンセントの差込口から、又はバッテリから、電源コネクタ16を介して、電力を受けるようになっていてよい。いくつかの実施形態においては、電源コネクタ16は無線式の電力レシーバを含んでいてよい。ベースデバイスが信号をレシーバに送り、当該レシーバはその信号を自身のための電力に変換できるようになっていてよい。いくつかの実施形態においては、電源コネクタ16は、自ら発電する技術を用いて、通信モジュール14にエネルギーを送達してもよい。例えば、消費者向け製品のデバイス10に関連する製品の物理的な動きによって、電源として用いることのできる電流及び/又は電圧が誘導されて生成するようになっていてもよい。消費者向け製品のデバイス10は多くのタイプの電源コネクタを備えていてもよい。消費者向け製品のデバイス10は、通信モジュール14が、直接電源に接続される際には、拡張されたレンジを有するか、又はその動作を、利用可能な電源のタイプに応じて変化させるように構成されていてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、図1に図示されるように、消費者向け製品のデバイス10はセンサ18を備える。図中、1つのセンサ18が示されているが、任意の適切な数のセンサが用いられていてよい。センサ18により、ユーザーは、レシーバ12内で、消費者向け製品のあるレベルを追跡することができるようになる。例えば、消費者向け製品がある種のディスペンサからなる場合、センサ18は光センサ(すなわちフォトダイオード)であり得る。当該光センサは、ディスペンサ内の消費される製品のレベルが、当該センサ18に対するある閾値を超える場合に、その消費される製品によりセンサへの光がブロックされるような位置に配置される。ディスペンサ内の消費される製品のレベルが、閾値よりも下がると、周囲の光がセンサに到達し、センサは、ディスペンサがほぼ空であることを示す信号を生成する。他のタイプのセンサには、熱センサ、重量センサ、加速度計、温度センサ、診断用センサ、大気質センサ、VOC(揮発性有機化合物)センサ、流量センサ、及び圧力センサ等が含まれていてよい。以下にさらに詳しく説明するが、センサ18が、ある状態(すなわち、製品のレベルが低い状態)を検知すると、1つ以上のアクションが、消費者向け製品のデバイス10のネットワーク機能を用いて引き起こされる。
【0017】
いくつかの実施形態においては、消費者向け製品のデバイス10は、直接接続式の通信ポート17を有していてよい。そのようなポート17には、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)若しくはIEEE 1394(ファイアワイヤ)ポート、RJ45ポート、サンダーボルトポート、又は他のタイプの任意のポートで、他のさまざまな通信プロトコルに関連したもの、がある。ポート17はユーザーに、消費者向け製品のデバイス10を他のコンピューティングデバイスと接続する能力を提供する。この接続を介して、デバイス10は、例えば、初期設定又はプログラム化、及びファームウェア又はソフトウェアのアップデートを受け取ることが可能である。ポート17は当該デバイスを、類似のポートを有する消費者向けデバイスと直接接続することを可能とする。こうした類似のポートを有するデバイスの例には、テレビ、リモコン、又は音楽システム、等がある。ポート17は、ネットワークアクセスポイント又はゲートウェイと接続することを可能とし、インターネットのような外部のネットワークと接続できるようにする。いくつかの実施形態においては、消費者向け製品のデバイス10は、追加的又は代替的に、無線通信ポートを備えていてよい。無線通信ポートは、任意の好適な通信プロトコル、または複数の通信プロトコルの任意の組み合わせを用いてよい。例えばブルートゥース(登録商標)プロトコル、Wi−Fi通信プロトコル等が利用できる。
【0018】
図2は、ネットワーク機能を提供する通信モジュール14の一例の模式図を示す。当該モジュールは部屋透過型モジュール26及び部屋限定型通信モジュール28を含んでいてよい。
【0019】
部屋透過型モジュール26は、多くの異なるタイプのプロトコルの1つによって通信する。そのようなプロトコルには、インターネットプロトコルのようなパケットベースのプロトコルが含まれる。インターネットプロトコルを用いる実施形態について特に言えば、当該プロトコルは、例えば、低電力無線パーソナルエリアネットワーク上のIPv6(6LoWPAN)のようなIPバージョン6(IPv6)の1つであるか、又は近隣交換(Neighborhood Exchange)プロトコルであってよい。いくつかの実施形態においては、部屋透過型モジュール26は、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)802.xxシリーズのプロトコルによる、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)データ通信機能を提供し得る。IEEE 802.xxシリーズのプロトコルの例には、IEEE 802.11a/b/g/nシリーズの標準的プロトコル及びバリアント(「Wi−Fi」とも呼ぶ)、IEEE 802.16シリーズの標準的プロトコル及びバリアント(「WiMAX」とも呼ぶ)、IEEE 802.20シリーズの標準的プロトコル及びバリアント、IEEE 802.15.4シリーズの標準的プロトコル及びバリアント等がある。
【0020】
部屋透過型モジュール26は、データ通信機能を提供するために、無線プロセッサ、1つ以上の送受信機、増幅器、フィルタ、及びスイッチ等を含む、さまざまな無線要素を含んでいるか、そうでなければそれらと通信可能である。部屋透過型モジュール26が、異なる無線要素を、異なる通信技術を実装するために用いる、さまざまに異なるタイプの無線ネットワークシステムにしたがって動作することが好ましい。また、部屋透過型モジュール26は、異なるタイプの接続形式をサポートするさまざまな入出力(I/O)インターフェイスを備えていてもよい。例えば、シリアル接続ポート、赤外線ポート、ブルートゥース(登録商標)のインターフェイス、ネットワークインターフェイス、Wi−Fiインターフェイス、WiMaxインターフェイス、携帯電話ネットワークインターフェイス、無線ネットワークインターフェイスカード(WNIC)、送受信機等がその例としてあげられる。部屋透過型モジュール26は、多くの周波数帯域ないしサブ帯域での動作をサポートするため、1つ以上の内部アンテナ及び/又は外部アンテナを備えていてよい。そうした帯域及びサブ帯域としては、Wi−Fi及びブルートゥース(登録商標)通信用のISM周波数帯である2.4GHz帯と、GSM、CDMA、TDMA、NAMPS、携帯電話、及び/又はPCS通信用の850MHz、900MHZ、1800MHz、及び1900MHz周波数帯の1つ以上と、CDMA2000/EV−DO及び/又はWCDMA/JMTS通信用の2100MHz周波数帯と、全地球測位システム(GPS)用の1575MHz周波数帯等がある。部屋透過型モジュール26を介して、デバイス10は、例えば、初期設定又はプログラム化、及びファームウェア又はソフトウェアのアップデートを受け取ることが可能である。部屋透過型モジュール26は、デバイスが、テレビ、リモコン、又は音楽システム、等の他のデバイスと通信するのを可能にできる。部屋透過型モジュール26からの通信のために、ネットワークアクセスポイント又は他のタイプのゲートウェイへの接続は、インターネットのような外部のネットワークとの接続を容易にすることができる。
【0021】
部屋限定型通信モジュール28は、例えば、赤外線、可視光線、超音波、及び/又は他の音響信号を用いる見通し内通信モジュールであってよい。受信機が送信器の見通し範囲にない場合、受信機は信号を受け取れない。見通し内通信モジュールは、部屋限定型通信情報を流すためのエミッタ24と通信可能であってよい。いくつかの実施形態においては、エミッタ24は、消費者向け製品のデバイス10を構成する要素である。いくつかの実施形態においては、消費者向け製品のデバイス10に関連付けられた消費者向け製品(不図示)は、部屋限定型通信情報用のエミッタとして機能するように動作することができる。この構成の1つの例は、消費者向け製品のデバイス10と関連付けられている、電球のような照明要素を含む。図14を参照しつつ詳しく後述するが、部屋限定型通信モジュール28は、見通し内通信信号を他の光が届く程度の近くにある消費者向け製品のデバイスに提供するために、特定の頻度で、特定の時刻に、電球をつけたり消したりするように構成されていてよい。特定の周波数を有する部屋限定型通信を用いることで、受信機の回路は、具体的にその周波数に対して同調されて、光検知の際の信号対ノイズ比を改善できるようにすることができる。他のいくつかの実施形態においては、部屋限定型信号を送信する他の技術が採用され得る。いくつかの実施形態においては、エミッタ24の流す部屋限定型通信情報は、変調されたフォーマットのデータ、又は、通信信号にデータを埋め込む他の技術を使ったデータのような、各種データを含む場合がある。このように、部屋限定型通信モジュール28は、任意の公的な通信プロトコルを用いるさまざまな信号を送信するように構成されることができる。
【0022】
通信モジュール14は、他の構成要素を備えていてもよい。例えばメモリ20が、(図示のように)通信モジュール14内に、若しくはデバイス内のどこか他の所に設けられてもよく、又は、クラウドコンピュータの技術ではよくあるように、メモリ20が、ネットワーク化されたすなわち遠隔のメモリとして設けられてもよい。コントローラ20は、通信モジュール14の一部として図示されているが、他のいくつかの実施形態においては、コントローラ20が、ネットワーク化されたコントローラのように、通信モジュール14とは別体に設けられる場合もある。いくつかの実施形態においては、中央デバイスコントローラが採用され、多数の通信モジュール14を制御するようになっている場合もある。消費者向け製品のデバイス10に関連付けられた製品の状態を検知するように構成されたセンサに加えて、他のタイプのセンサが、消費者向け製品のデバイス10内に設けられていてよい。あるいは、センサは消費者向け製品と局所的に関連付けられてはいないが、アドホックネットワークの一員ではあるそれ自身のノードに存在していてもよい。そのようなセンサは、次のようなものであってよい:防犯センサ、高周波IDタグ、バーコードリーダー、近距離無線通信(NFC)センサ、環境センサ、動作センサ、サウンドセンサ、臭いセンサ、火災警報器、空中浮遊粒子センサ、花粉及び埃センサ、空気浄化システム、計測用センサ、空中浮遊病原体センサ、バクテリア及びウイルスセンサ、表面の汚染物質を検知するセンサ、衛生設備用センサ、水質センサ、水分センサ等。環境センサは、空気の質、光のレベル、光の質、温度、空気の流れ、又はその他の環境条件を検知することができる。例えば、空気の質を検知するセンサが、部屋が換気を必要としていると判定した場合に、ネットワークを通じて、換気装置と関連付けられている消費者向け製品デバイスに信号を送り、当該装置を作動させることで換気を実行することができる。照明器具に対しては、センサは、1つ以上の照明デバイスをつけたり、消したり、又は暗くしたりする、光のレベルに関する情報を送信することができる。ノードとしての照明デバイスについては、以下に詳述する。
【0023】
照明製品
一例としての実施形態において、デバイス10に関連付けられた消費者向け製品は、照明製品であるという場合がある。本明細書においては、「照明製品」という用語は広く、ソケット又はレセプタクルにねじ込む又は他の形で挿入されて、選択的に、電源から電力を受け取ることができるようになっている、任意の形の電球、または発光素子を指す。その点に関して言えば、照明製品には、とりわけ、伝統的な白熱電球、LED電球、LED、コンパクト型蛍光管(CFL)電球等が含まれ得る。さらに、「照明製品」は、広く、ランプ型器具、安定器、据え付け型照明器具、及び、さまざまなタイプの電球又は、照明素子を受容し、スイッチでつけたり消したりでき、及び/又は暗くすることができるその他のデバイスを指す場合がある。電力を照明製品に送達する電源は、実装次第でさまざまありうる。電源の例には、電源バッテリ、電力系統、電磁誘導に基づく電源、太陽光に基づく電源、音に基づく電源、異なるタイプの電源の組み合わせ等があるがそれらに限られない。
【0024】
図3は、消費者向け製品のデバイスの一実施形態であって、照明製品(不図示)とともに用いられるアダプタ30を示す。図示されている実施形態においては、アダプタ30は、そのハウジングの一部と一体化している通信モジュール14を備える。またハウジングは、発光レセプタクル32を備える。図示された実施形態においては、発光レセプタクル32は、ねじ式の基部を持つ電球を受容するように構成されているが、本開示はそのようなものに限られない。アダプタ30はまた、挿入可能部34を備える。挿入可能部34は、通常は照明製品を受容する照明用ソケット又はレセプタクルに挿入されるように一般に構成されていてよい。図示された実施形態においては、挿入可能部34は、ねじ切りが施されており、構造的には、標準的なソケットに受容され得る標準的な電球のねじ部と類似している。ユーザーは、家庭用の電球のような照明製品を、発光レセプタクル32に挿入し、次に挿入可能部34を標準的ソケットに挿入することが可能である。言うまでもなく、図3に示した特定の構造的配置は、それに限定されない実施形態の一例を示すものに過ぎない。どの特定のアダプタの特定の構造的配置も、本開示の範囲を逸脱することなく変更することが可能である。例えば、ある地理的領域においては、第1の構造的構成を有するアダプタを使用し、他の地理的領域においては、第2の構造的構成を有するアダプタを使用することも可能である。したがって、用語「照明ソケット」は限定することを意図して使われてはおらず、むしろ、1つの例示的タイプの構造的構成物として使われているにすぎない。さらに、いくつかの実施形態においては、アダプタ30の構成要素が、分離不能な構成で照明製品に一体化されている場合もある。
【0025】
図3は発光レセプタクル32の構成の一例を示しているが、さまざまな他の実施形態も可能である。例えば図4は、電源コンセントの差込口と構造的に類似したソケットの形をとっている発光レセプタクル32を有するアダプタ30の一実施形態を示す。本実施形態においては、アダプタ30は、図1に示された消費者向け製品のデバイス10の裏側の電源コネクタ16と類似の三又の形状の挿入可能部16を含んでいてよい。図4のアダプタ30は、既に詳しく述べたように、部屋限定型通信モジュールと部屋透過型通信モジュールの一方又は両方を有する通信モジュール14を備えていてもよい。図3の発光レセプタクル32は、電源コードのプラグを有する任意の好適な電球、照明器具、ランプ、又はその他の発光デバイスのプラグを受け入れることができるようになっている。発光レセプタクル32は、例えば非常用ライトに見られるように、一体型の電源コネクタを有する照明に関連付けられた電源コネクタのような、その他の好適な電源コネクタを受け入れることができるようになっていてよい。さらに、いくつかの実施形態においては、アダプタ30は、標準的な、壁に設けられたコンセント、延長コード、ケーブルタップ、サージ保護装置、又はその他の電気部品と一体化していてもよい。
【0026】
図1に図示されるデバイス10と同様に、図3及び/又は4のアダプタ30は、センサ18のようなデータ収集デバイスも備えていてよい。センサ18は、フォトダイオードのような光センサであってもよい。他のいくつかの実施形態においては、センサは、温度センサ、煙検知センサ、近接センサ、若しくはその他任意の好適なセンサ、データ収集デバイス、又はそれらを集めたものであってよい。センサは、アダプタ30に存在するコントローラ(すなわち、図2のコントローラ20)と通信可能であってよい。あるいは、センサは、関連するアドホックネットワーク内の照明デバイス又は非照明デバイスに位置するコントローラと通信可能であってよい。コントローラは、電源との接続を制御して、センサへの入力が指示するように、光エミッタへの電力供給をオンオフで切り替えるようになっていてもよい。いくつかの実施形態においては、このような切替えは、代替的又は追加的に、ユーザーが1日の特定の時間帯、活動内容、又はその他の要因に対して求める照明のレベルを入力することによって制御されてもよい。
【0027】
照明製品及び関連するアダプタ30は、ネットワーク化されたノードによる、アドホックなメッシュネットワークを形成することが可能であり、そのようなネットワークにおいては、さまざまなデバイス(消費者向け製品、照明デバイス、非照明デバイス等)がネットワークに自由に出入りでき、ネットワーク内のすべてのデバイスが、その範囲の任意かつすべてのデバイスと通信可能になっている。中央コントローラを設けてもよいが、それぞれのデバイスは自身のコントローラを有していてもよい。いくつかの実施形態においては、1つのノードは、他のノードに制御信号を提供する。制御信号は、部屋透過型信号技術、部屋限定型信号技術、又は、部屋透過型信号技術と部屋限定型信号技術との組み合わせで送信されてよい。周知のアドホックなメッシュネットワークのプロトコルによれば、ネットワークの1つのノードは、アドホックなメッシュネットワークとその他のネットワークとの間に橋をかける能力を有するブリッジノードであってよい。
【0028】
この点についての議論は、消費者向け製品に、アドホックな、無線メッシュネットワークを形成する能力を付与することに焦点があてられてきた。消費者向け製品は、インテリジェンスを有していてもよいが、それは、電球や、掃除機、換気装置等のように、比較的「低レベルの」ものから、一般消費者向け電子機器やコンピューティングデバイスに見られるような、高度に洗練されたものまであり得る。こうした機能を有するデバイスのネットワークを得ることにより、ユーザーは、家または構造物のそれぞれの部屋に、その間取図に関してあらかじめ知らなくても、ネットワークのノードを区分することができるようになる。
【0029】
部屋リスト/部屋ID
図5は家の間取図の一例を示している。しかしながら、本明細書で採用される技術は、オフィスビル、病院、ホテル、工場、出荷場、競技場、団地、空港、倉庫等のような、任意のタイプの構造物や環境に適用することができるものである。あくまで例示のために、ここでの議論は、家庭内での消費者向け製品に的を絞るものとする。この選択は、何の限定も意図せず、暗に示してもいない。アドホックネットワーク内の複数のノードが、複数の部屋に存在している。しかし、このシステムのユーザーはシステムに、具体的な間取りや、構造物内でさまざまなタイプの部屋(すなわち、バスルーム、寝室等)があるがそのタイプを示すもの入力する必要がない。そのかわりに、構造物中のノードどうしの間での、部屋透過型通信とそれと協調された部屋限定型通信との組み合わせに基づいて、マスターノード、ブリッジノード、又はその他のコントローラが分析することにより、間取りや構造物内の部屋のタイプを判定することができる。なお、本技術および実施形態のユーザーとして想定されているのは、必ずしも人間の消費者でなくてもよい。「ユーザー」は上記の情報を収集し、人間の消費者がそれをしなくて済むようにする、当該人間の消費者によって用いられるコンピューティングデバイスであってよい。図5に示されるノードは、さまざまな消費者向け製品及びデバイスと関連付けられていてよい。あくまでも例として、ノードAは壁のコンセント差込口と関連付けられていてよい。ノードBはフロアランプと関連付けられていてよい。ノードEは、換気装置と関連付けられていてよい。ノードJは照明スイッチと関連付けられていてよい。ノードLはある電化製品と関連付けられていてよい、等々。
【0030】
図6は、どのノードがどの部屋にあるかを判定する方法の、1つの実施形態のフローチャートを示す。工程40では、アドホックなメッシュネットワークが形成される。これは、ノードを展開し、ノードに、そのエリアにある任意のノードに自らの存在を知らせる信号を送らせることを含む。ノードは、照明製品であっても、先にあげたような消費者向け製品であってもよい。ネットワークを形成することの一部として、ノードは自身の信号を送信し、他のノードの存在を判定するようになっている。
【0031】
工程42においては、アドホックなメッシュネットワークのノード間の信号が分析される。この分析は、1箇所以上の場所で行われてよい。すなわち分析は、当該ネットワークにおいて、1つのノードにおいて、クラウドにおいて、デスクトップコンピュータ、スマートフォンやタブレット型コンピュータのような手持ち型コンピューティングデバイス等のような1つのコンピュータデバイス内で行われてよい。図5の間取図を参照すると、他のノードが「見る」ことのできないノードを「見る」ノードがある。ここで「ノードを『見る』」とは、そのノードの存在を、例えば、部屋限定型信号を検知することを通じて、検知することを意味する。例えば、ノードIは、ノードJ、A、及びHを見ることができる。しかし、ノードJも、ノードL及びノードKを見ることができる。ノードKは、ノードMを見ることができる。信号を分析することにより、ノードJはノードMを見ることができないので、信号のやりとりが行われた時点では、壁又はその他の障害物が、ノードJとMとの間に存在したに違いないと判定することができる。同様に、ノードIはノードHをドアの入口を通して見ることができるが、ノードIはノードGを見ることはできない。それは、たとえノードIがノードHからの情報を通じて、ノードGの存在を知っていたとしても変わらない。
【0032】
この分析を超えて、ノードは相互間の距離を判定することもできる。受信側のノードは他のノードからの送信時刻を判定し、それに基づいてノード間の距離を判定することができる。ただし、その方向までは必ずしも判定できるわけではない。例えば、これらの2つのタイプの分析により、構造物内の部屋について判定を下すことが可能である。見通し内のデータに基づいて、ノードを部屋ごとに区分することが可能である。さらにまた、受信した信号の強度に基づいて、ネットワークは部屋のおおまかな寸法を判定できる場合もある。ノードは、例えば、光学的に、電気的に、センサを用いて等、お互いを検知するための方法を多数有している。いくつかの実施形態においては、ノードは差込口、照明スイッチ、及び、通常構造物の壁に設置されるその他の構成要素に統合されている。そのようなノードは、それらが関連付けられた部屋のおおまかな寸法を判定するのに役立つ場合がある。それは、そうしたノードは部屋間の境界線上(すなわち壁)に位置することが多いからである。
【0033】
上述の分析は、部屋限定型通信モジュールを用いることのみを想定している。いくつかの実施形態においては、1つ以上のノードは、部屋透過型通信モジュールも使う場合がある。この例では、ノードはそれら自身を、部屋限定型通信情報に基づくことなく識別することができる。このデータを見通し内のデータと組み合わせて、ネットワークは、ノード間の壁や開口部を識別し、ノードを部屋に区分することができる(工程44)。例えば図5を参照して、部屋透過型通信モジュールに基づいて、ノードIはノードCの存在を知ることができる場合がある。しかし、部屋限定型信号を見ても、ノードIはノードCの存在を検知できない場合があり、それは壁やその他の障害物が両ノード間に存在することを示す。しかも、ある程度の時間にわたって部屋限定型通信情報の有無を分析すると、構造物について追加的情報を集めることができる場合もある。例えば、所与の構造物内の2つのノード間に、ドアが位置している場合がある。ドアが開いている時には、部屋限定型通信情報が当該2つのノード間でやり取りされることができる。ドアが閉まっている時には、部屋限定型通信情報は、当該2つのノード間でやり取りされることがない。したがって、2つのノード間の部屋限定型通信情報の有無に基づいて、ドアの位置を推定することができる。
【0034】
さらに、さまざまな状態、アクティヴィティ、出来事が、代替的に又は追加的に、部屋透過型通信情報の分析を通じて推定できる場合がある。例えば、両ノード間のドアが、開放位置から閉鎖位置に動くと、2つのノード間の部屋透過型通信情報の信号強度は、減少する場合がある。他の例においては、ノードをペットの首輪に装着し、ペットが家の中を歩き回ると、家の中でペットが今現在どこにいるかを判定するために、首輪のノードと家中の他のノードとの間の通信情報の相対的信号強度を測定することが可能である。さらに他の例においては、人と関連付けられたノードを追跡して、その人が家の中のどこにいるかを確認することができる。そうすることで、その人が家中を動き回ると、さまざまなアクティヴィティが開始される。以下により詳細に説明するように、そのようなアクティヴィティには、照明のオン/オフ、各種電化製品(すなわち、コーヒーメーカ)のオン/オフ、冷暖房換気空調ユニットや保安システムの制御等々が含まれる。いくつかの実施形態においては、ノードは掃除用のツールと関連付けられていてよい。掃除用ツールの動きが検知されると、音楽システムのスイッチが入る。ノードが部屋に区分されると、ノードを特定の部屋に関連付けるためにノード情報が更新される(工程46)。ネットワーク上のノードの1つは、不揮発性のメモリを含んでいてよい。あるいは、不揮発性のメモリは、ネットワークの外部に存在し、ノードの1つと通信できるようになっていてもよい。部屋リストと、部屋に関連付けられたノードとは、このメモリに格納されていてよい。不揮発性のメモリが搭載されている、又はリンクされているノードは、インターネットのような他のネットワークとのブリッジであってよい。アドホックネットワーク内の1つ以上のノードが、ユーザーによって動かされる又は自ら動くことができる消費者向け製品に取り付けられているか含まれていてよいが、上記のプロセスは更新された情報を獲得するために繰り返されてよい。このプロセスは例えば、定期的に(例えば毎時間、毎日、毎週など)繰り返されてよく、開始のきっかけとなるイベント(ノードの追加/削除)に基づいて繰り返されてもよく、あるいはユーザーがそれを求めた時に繰り返されてもよい。
【0035】
なお、上記のプロセスは、ノードを部屋に区分することに集中しているが、デバイスを追加的又は代替的なタイプのセグメントに区分することも可能である。例えば、ノードをユーザー、デバイスのタイプ等によって区分することが可能である。従って、ここでの議論は部屋に区分することに焦点を当てているが、他のタイプのセグメントを用いることも、本明細書に提示されている実施形態の範囲内であると見なすべきである。
【0036】
部屋の用途
ノードが部屋に区分され、これらの部屋と関連付けられたノードが識別されると、それぞれの部屋の用途が判定できる。図7は、部屋に用途を割り当てる方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。工程50〜56は、図6の工程を擬したものである。同じではないものの類似の、ノードを部屋に区分するための信号分析を含む。ノードはネットワークを形成し(工程50)、ノード間の信号が分析される。分析は、例えば、個々のノード、もしそうしたノードが指定された場合には1つのマスターノード、ネットワーク、クラウド、デスクトップコンピュータのようなコンピュータデバイス、スマートフォンやタブレットコンピュータのような手持ちのコンピューティングデバイス、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実行することが可能である。ノードが部屋に区分されると、ネットワークは、1つの部屋にあるノードの1つが何のノード何であるかの情報を獲得する(工程58)。
【0037】
ある部屋内のノードの1つのアイデンティティを得ることは、どのような数の識別のプロセスに基づいてもよい。例えば、ノードそのものが、自身が送信する信号に情報をエンコードしてもよい。そのような情報の例としては、デバイスの識別子、デバイスの最小在庫管理単位数、デバイスの名前等がある。いくつかの実施形態において、この情報は、当該ノードの部屋透過型通信情報で送信される。いくつかの実施形態においては、この情報は、当該ノードの部屋限定型通信で送信される。さらに別の実施形態においては、この情報は、当該ノードの部屋限定型通信と部屋透過型通信の両方で送信される。いくつかの実施形態においては、ユーザーがノードを作動させる際に、この情報をノードに提供する場合がある。この情報を提供するためには、任意の好適な技術を用いてよく、そのような技術の例としては、USBポートの使用や、例えば無線インターフェイスのようなノードに存在するインターフェイスを使用することがあげられる。いくつかの実施形態においては、ユーザーは、コンピュータデバイスによって実行されるアプリケーションを介してノードと対話する場合がある。いずれにせよ、ノードはこの情報を、本明細書で「ノードデータ」と呼ばれるものとともに、格納することができる。ノードデータは、ノードに関するいかなる情報を含んでいてもよい。当該ノードのあるデバイスのタイプ、デバイスの状態(例えば、一杯であるか、ほぼ空であるか等)、その電力の状況、当該ノードが接続されている他のノードなどがそうした情報には含まれ得る。
【0038】
1つの実施形態においては、ノードデータは、少なくとも、ノードに存在する消費者向け製品のデバイスの識別子を含んでいる。そのノード又はネットワーク上の他のノードが識別子のデータベースにアクセスし、その識別子をデータベースのインデックスとして使用する。こうしてできる情報は、ネットワークに対して、ノードについてのさらなる情報を提供する。例えば、消費者向け製品のデバイスは、最小在庫管理単位(SKU)数を、識別子として有していてよい。データベースにアクセスすると、当該SKU数は、歯ブラシであると識別される。他のタイプの識別子もまた存在し得る。識別子は、バーコード、ネットワークアドレス、ICタグ用のコード、周囲のデバイスの分析及びその環境についての情報等に基づいて推定されるアイデンティティであってもよい。この情報に基づいて、当該部屋に1つの部屋の機能(歯ブラシが存在するこの例においては、バスルームとしての機能)が割り当てられる(工程60)。
【0039】
データベースも多くの形がありうる。データベースは、項目が多数ある製品データベースでも、小さな参照表でも、又は任意の他の好適なフォーマットのものでもよい。データベースは、ネットワーク内の1つのノードに搭載された不揮発性メモリにあってもよく、ネットの外部にあって、ブリッジノードのような当該外部ネットワークへのリンクを介してアクセスできるようになっていてもよい。
【0040】
データベースへのアクセスも、レイヤー上になってなされる場合がある。第1のデータベースは、ある特定のデバイスを歯ブラシであると識別する。そして歯ブラシに関するさらなる情報(型番又はブランド名など)を提供する第2のデータベースへのアクセスを開始させる。1つの実施形態においては、アクセスされるデータベースは、類似のネットワークを有し、その機能をその部屋に指定することに対して、より良い洞察力を発揮できるであろう消費者によりデータを追加入力されるデータベースを含み得る。
【0041】
データベースは、多くの異なる方法で組織化され得る。1つの実施形態においては、データベースは、ノードの表、部屋の表、及び、ノードの表と部屋の表の関係づけを含む。他の実施形態においては、データベースは、無線ネットワーク内のノードの表、家の中の部屋の表、部屋の機能のリスト、及び部屋の機能と、部屋と、ノードとを結びつける関連づけを含む。時間の経過とともに、例えば、ノードは部屋間を移動し、ネットワークから去り、ノードと関連付けられた製品が使われ、又は新たなノードがネットワークに追加される等のことが起こり得るので、関連付けについては更新されてよい。
【0042】
1つの実施形態においては、部屋リスト内に含まれる情報は、部屋に機能を割り当てるのに有益な場合がある。部屋に機能を割り当てるのは、過去の又は先行する部屋リスト、現在のノード機能リスト、過去のノード機能リスト、現在のノード位置データ、過去のノード位置データ、現在のセンサデータ、過去のセンサデータ、ユーザーの好みを表すデータ、部屋の機能に関する外部のデータベース、当該構造物の設計図、及び当該構造物に関連する外部のデータに基づいて実行される場合がある。
【0043】
いくつかの実施形態においては、部屋の識別は、部屋内の2つ以上のノードから収集されたノードデータに基づいて実行される場合がある。例えば、ある部屋の第1ノードが、ハンドソープ用ディスペンサと識別された場合、当該ハンドソープ用ディスペンサと関連付けられた部屋は、キッチン又はバスルームである可能性が高いであろう。また、同じ部屋の第2ノードが食洗器(又は通常はキッチンにある他の製品)であると識別されると、システムは、第1ノードがあるのはキッチンであると結論することができるであろう。
【0044】
アクション
用途がある部屋に対して識別されると、当該部屋の用途及び部屋内のノードに基づいて、アクションが起こされる。図8に、このプロセスの1つの実施形態を示す。1つの実施形態においては、工程62で、アドホックネットワークは芳香剤のディスペンサのような消費者向け製品と関連付けられたノードを有する。しかし容易に理解できるように、ノードは、図1に関して論じたように、どんなタイプの消費者向け製品のデバイスと関連付けられていてもよい。また、ネットワークは、内部又は外部のネットワークの一方とリンクし、ブリッジノードとも呼ばれることも時にあるノードAのように、コンピューティングデバイスとともにあって良い。
【0045】
工程62では、消費者向け製品のノードが、コンピューティングデバイスのノードにデータを送信する。このデータは上述のノードデータであってよく、ノードの識別子、消費者向け製品の状態、及び/又は電力の状態等を含んでいてよい。ノードデータは、消費者向け製品のノードにあるセンサから集められた情報を含んでいてよい。次に工程64で、コンピューティングデバイスはデータベースにアクセスし、当該ノードに関するデータをさらに集め、そのデータをノードデータと関連付ける。次に工程66で、コンピューティングデバイスは、ノード66のデバイスに関してとるべきアクションを決定し、そのアクションを実行する(工程68)。当該アクションはネットワーク内部のアクションでも、外部のアクションでもよい。
【0046】
内部のアクションには、当該ノードの機能の変更が含まれ、当該ノードをシャットダウンすること、当該ノードをスイッチオンすること、当該ノードをスローダウンすること、その使用を減らすことなどがある。それはまた、もし当該デバイスの供給が枯渇しそうな場合に他のデバイスを活性化することのように、現在のノードのパートナーとしてのデバイスがその動作を変更することを含んでいてよい。内部アクションはまた、特定のノードで必要な消耗品を識別するためにユーザーに提供される買い物リストのような内部のデータベースの更新、又は、ネットワーク内のユーザーにメッセージを送ることを含む。
【0047】
外部のアクションは、テキストメッセージを携帯電話のネットワークへのリンクを通じてユーザーに送ることや、インターネットのゲートウェイおよびメールクライアントを通じて電子メールを送ること、さらに消耗品を注文するためにイーコマースのゲートウェイにアクセスすること、外部のデータベースから、ノードに存在しているデバイスについての情報にアクセスすること、又は任意の他の好適な外部的アクションを含み得る。
【0048】
例えば当該ノードが芳香剤のディスペンサを有していると想定すると、ノードデータには、当該デバイスが芳香剤であると識別する識別子及び、リザーバに残っている芳香剤の量を示すステータスが含まれ得る。ノードはこのデータをコンピューティングデバイスに送信する。コンピューティングデバイスは内部の又は外部のデータベースにアクセスし、前記量に基づいて、リザーバはほぼ空であると判定する。この例のデータベースは、単に、メモリに格納されるリストであってよい。次にコンピューティングデバイスが、リザーバがほぼ空であることに基づいて、異なるアクションを識別する。デバイスはユーザーにコンタクトして、ユーザーに、(例えば、テキストのメッセージや、電子メールのメッセージ、又はインスタントメッセージを介して)上記のステータスを通知することもできる。デバイスは、イーコマースのゲートウェイにアクセスして、芳香剤を追加注文することもできる。デバイスは、芳香剤をシャットダウンし、芳香剤デバイスが熱で故障するのを防ぐこともできる。デバイスは芳香剤と関連付けられた他のノードに指示を出して、作動を開始させることもできる。
【0049】
複数のノードによって検知されるさまざまな条件で開始されるアクション又はアクティヴィティは、互いに結び付けられていてもよい。例えば、第1ノードで第1の条件が満足されると、他のノードでのある特定のアクティヴィティが開始されてもよい。例えばモップと関連付けられたノードの動きが検知され、ユーザーが家の掃除をしていると判定された場合に、一連のイベントが開始されるようになっていてもよい。そのようなイベントは、例えば、ある特定の状況に対して照明をセットしたり、エンターテイメントシステムをオンにしたり、カーテンを開けたり、芳香剤を噴射したり等々のように、ユーザーによって定義されるものであってよい。他のイベントが検知されることで、さらに他のイベントが開始されるようになっていてもよい。例えば、もし、ある一定の時間(数時間又は数日)にわたり、家が留守になっていると判定された場合に、保安上の手段として、家中の照明がひとまわりついたり消えたりするようになっていてもよい。さらに、ある部屋の占有者が部屋を出て行ったと判定された場合に、その部屋の照明が消される(又は少なくとも暗くされる)ようにすることもできる。
【0050】
実行すべき1つ又は複数のアクションの選択には、センサからの入力、ユーザーによる入力、ユーザーによって設定される先行条件等が関係する。例えば、あるセンサがエアフィルタを通る空気の流量がある特定の閾値よりも減少したと検知すると、それが当該フィルタの清掃または交換が必要であることを示すようになっていてもよい。このような情報は、ネットワーク内でどのようなアクションが取られるべきかを選択するのを助けるであろう。
【0051】
このようにして、ネットワークは、ネットワーク内の各ノードにあるデバイスに関する価値ある情報を得て、ユーザーに対して自動的にサービスを提供することができる。ネットワークがこなせる仕事やサービスが増えると、ユーザーが製品やネットワークを利用するのがより簡単になる。そのようなネットワークが構造物内に存在するということにより、他の利益ももたらされ得るであろう。
【0052】
ホームディスカバリー
構造物のレイアウトを判定することに関して既に述べたように、ユーザーは設計図や間取図を、ネットワークに入力するために、利用できるようにする必要がない。しかしながら、ネットワーク内のノードは、さまざまなノード間の通信信号のやりとりに基づいて、同じ「構造物」を異なる風に「見る」場合があり得る。そこで、このネットワークが、構造物を三次元的に表現したものを作成する能力をもっていれば、それは当該ネットワークの1つの利益となるであろう。図9は、デバイスのネットワークが、家を三次元的に表したものを生成する「ホームディスカバリー」を実行する方法の1つの実施形態を示す。図9は一般の家庭を想定したものを示しているが、このシステム及び方法は、どんなタイプの構造物または環境のレイアウトを判定するにも用いることができるということは、明々白々であろう。工程80において、少なくとも3つのノードを有するネットワークが設けられる。3つのノードを使うことで、1つのノードは自身の位置を、他の2つのノードとの相対位置で三角測量することができる。一般に、これらのノードにおける通信モジュールは、部屋透過型モジュールである。3つのノードを有することにより信号分析に必要な情報が提供されるが、部屋限定型モジュールによって生成される信号は、もし1つのノードが別の階に存在すると、階の違うノードには届かない。工程82で、3つのノード間を行き来する信号の、フライト時間を取得する。工程84で、信号分析により、図10に示すような、構造物を三次元的に表したものが作成される。いくつかの実施形態においては、NXPセミコンダクターネザーランド社が提供する、JenNet−IPネットワークプロトコルスタックを有する無線式マイクロコントローラチップのような、部屋透過型モジュールと関連付けられたチップによって、フライト時間の演算が実行される。
【0053】
信号分析に加えて、家を三次元的に表したものを画定するのを助けるような他の情報も存在し得る。例えば、ノードのタイプに関する情報であり、そのノードが移動可能かどうかを表す情報等である。例えば、ノードの一つは、スイファー(Swiffer(登録商標))埃とりモップのような床掃除道具に装着される場合がある。使用中にこの床掃除道具が動くと、その動きは、カーペットが敷かれていない床がどこにあるのかという情報を提供し、他の2つのノードの位置に関する三角測量用のさらなるデータを提供する。他の例においては、1つのノードが、ルンバ(Roomba(登録商標))のようなロボット型掃除機に装着される場合がある。このような構成においては、カーペットが敷かれた床面が識別され、部屋内の家具の位置と思われる情報も得られる。ユーザーははたきや他のタイプの「棒状」の物体を用いてさえ、ネットワークのために構造物の地図を作成できる。さらに他の代替的実施形態では、ノードをペットに取り付けることを含む。その他の移動可能なノードももちろん利用可能である。
【0054】
情報が多ければ多いほど、家の図面を正確にすることが可能である。上述の議論では、部屋透過型通信モジュールをノードの位置を特定する手段として使うケースに焦点を当てていたが、部屋限定型モジュールと、あらかじめ識別しておいた部屋の区分けと用途とを用いることも可能である。こうした情報は、信号分析とともに用いて、家を三次元的に表したものを生成することができるが、そうした情報には、部屋リスト、それぞれの部屋のノードのリスト、ノードとそれぞれ関連付けられている消費者向け製品の状態等が含まれていてよい。この情報は、ネットワーク内に格納されるとよい。また、ネットワーク外に格納されても良いが、その場合には、少なくとも1つのノードによりアクセス可能になっていることが必要である。
【0055】
ネットワークアーキテクチャ
図11は、複数のノードA〜Eにより形成されるアドホックネットワーク100を含むネットワークアーキテクチャの1つの例を示す。アドホックネットワーク100は、構造物130内に包含されている。上で述べたように、構造物120は、複数の部屋及び/又は複数の階がある構造物であってよく、ノードA〜Eが一時的又は恒久的に構造物中に配置されている。さまざまなノードのグループが、構造物130内の部屋(不図示)ごとに区分されてよい。1つ以上のノードA〜Eが、例えば照明製品のような消費者向け製品と関連付けられていてよい。1つ以上のノードA〜Eは、センサを含んでいてよいが、当該センサはセンサ18(図1〜4参照)と類似のものであってよい。ノードA〜Eは、部屋限定型通信及び部屋透過型通信を容易にするための通信モジュールも備えていてよい。
【0056】
図11には、ノード間のさまざまな通信チャネルが図示されている。ノードA〜Eはさまざまな他のノードと、部屋限定型通信102、104、106、108、110を介して通信可能である。ノードA〜Eは、構造物全体を通じて各部屋に配置されているので、ノードの中には、他のノードと、部屋限定型通信の信号交換を介しては通信できない、というものも存在する。部屋透過型通信の信号交換に注目すると、ノードAは、それぞれのノードA〜Eと部屋透過型通信112、114、116、118を介して通信可能である。部屋透過型通信112、114、116、118を介してノードAは、ノードB〜Eにノードデータを要求したり、ノードB〜Eがその機能を発揮するのを開始させたり等、さまざまな機能を果たすことが可能である。
【0057】
なお、いくつかの実施形態においては、さまざまなノードB〜Eが、部屋透過型通信(不図示)を介して、互いに通信していてよい。そのような通信は、例えばアドホックネットワーク100内のノード間の相対的距離を判定するためのフライト時間の計算に用いてよい。すなわち図11では、例えば、ノードBとノードEとは、部屋限定型通信を介しては通信を行っていないが、ノードEは、それでもなお、ノードBから送られた部屋透過型通信情報を受信し、また返信することもできるようになっていてよい。
【0058】
図11において、ノードAはブリッジノードとして機能しており、ネットワーク通信120を介してアドホックネットワーク100と通信ネットワーク122との間に橋をかける役割を果たしている。なお、通信ネットワーク122は、任意の好適なタイプのネットワークであり得る。また、通信ネットワーク122は、多くのコンピュータ及び/又は、インターネットを含むデータネットワークを含み得るものである。さらに、通信ネットワーク122は、有線及び/又は無線通信リンクを含み得るものである。さらに、ノードAが通信ネットワーク122との間のブリッジとしての役割を果たしているが、本開示はこれに限られない。他のノード又は他のデバイスがブリッジ用デバイスとして機能してもよい。
【0059】
コンピューティングデバイス124も、通信ネットワーク122と通信可能であってよい。コンピュータデバイス124は、任意のタイプのクライアントデバイスで、通信ネットワーク122上の通信に好適なものであってよい。例えば、パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ、又はネットブック型コンピュータであってよい。いくつかの実施形態においては、コンピュータデバイス124は移動可能な通信デバイスである。そうしたデバイスには、スマートフォン、PDA、タブレット、携帯電話等のような、手持ち型又は移動可能なデバイス上で使われるオペレーティングシステムを搭載した任意のコンピュータ又はコンピューティングデバイスが含まれる。例えば、移動可能な通信デバイスには、アップル(Apple)社のアイフォーン(iPhone(商標))、アップル社のアイパッド(iPad(商標))、パームプレ(Palm Pre(商標))が含まれてよい。さらには、任意のデバイスで、アップル社のiOS(商標)、アンドロイド(Android(商標))OS、グーグル(Google)社のクローム(Chrome)OS、シムビアン(Symbian)OS(商標)、ウィンドウズモバイル(Windows Mobile(商標))OS、パーム(Palm)OS(商標))、又はパームウェブ(Palm Web)OS(商標)を搭載したもの、のようなデバイスが含まれてよい。
【0060】
いくつかの実施形態においては、コンピューティングデバイス124と対話するユーザーが、「アプリ」と呼ばれることもある、専用のアプリケーションとも対話することがある。このアプリは、アドホックネットワーク100のさまざまなノードと対話するためにコンピュータによって実行可能な指示群であり、コンピューティングデバイス124のコンピューティングプラットフォーム上で実行することが可能な指示群を含むものである。コンピューティングデバイス124は、追加的又は代替的に、ユーザーがさまざまなタスクをアドホックネットワーク100で達成できるようにし、及び/又はユーザーが、アドホックネットワーク内のノードが生成した通信情報を受信するのを可能にするような1つ以上の他のアプリケーションを提供してもよい。アプリケーションは、以下のようなものを含み得るが、ただしそれらに限られない:ウェブブラウザアプリケーション(例えば、インターネットエクスプローラー、モジラ、ファイアーフォックス、サファリ、オペラ、ネットスケープナビゲータ)、電話アプリケーション(例えば、携帯電話、VoIP、PTT)、ネットワーキングアプリケーション、メッセージングアプリケーション(例えば、電子メール、IM、SMS、MMS、ブラックベリーメッセンジャー)、カレンダーアプリケーション等。
【0061】
図12は、通信ネットワーク122が構造物130内のローカルネットワークである、代替的ネットワークアーキテクチャを示す。図12の通信ネットワーク122は、オフィス、家庭、又は他の屋内外の施設のような特定の局所的地理的エリアに位置する、互いにローカルエリアネットワーク(広く一般に、LANと呼ばれている)で接続されている複数のコンピュータのシステムを含んでいてよい。LANは、追加的に、インターネットのようなパブリックネットワーク(不図示)と接続していてもよい。LANの無線エクステンションをWi−Fiを用いて提供するために、1つ以上のWi−Fiアクセスポイントが、LANに接続されている。ブリッジノードAのような1つ以上のノードA〜Eが、通信ネットワーク122と通信可能であってよい。コンピューティングデバイス124も、通信ネットワーク122と通信可能であってよい。図11と同様に、コンピューティングデバイス124は、通信ネットワーク122との接続を介して、アドホックネットワーク100内のさまざまなノードを制御するか、又はそうでなければ、それらのノードに関する情報を受け取ることができるようになっている。
【0062】
図13は、1つ以上のデータベース(ただし、簡略化のため、1つのデータベース136だけが示されている)を含むネットワークデバイス134を含んだ、ネットワークアーキテクチャの一例を示す。図8を参照しながら既に説明したように、例えばデータベース136は、製品情報、ノードデータ、部屋リスト、部屋の機能のリスト、及びノードと部屋との関連付け等を格納していてよい。ネットワークデバイス134は、アドホックネットワーク100と関連付けられた構造物の近く、又は一般に、アドホックネットワーク100から遠く離れた場所(すなわち、クラウド技術を基礎とする配置)を含む、ネットワークアーキテクチャ内の任意の好適な地点に位置していてよい。いくつかの実施形態においては、データベース136は、ブリッジノードAに位置している場合がある。いくつかの実施形態においては、例えば、図6を参照しながら既に説明したように、データベース136に情報を送信し、アドホックネットワーク100と関連付けられた情報を読み出すために、ブリッジノードAはデータベース136と、データベース通信138を用いて直接通信している場合がある。他のいくつかの実施形態においては、データベース136は通信ネットワーク122を通じた通信を介して、アクセス可能である。いくつかの実施のあり方は、部屋リストを格納するための、構造物内のローカルデータベースである第1データベース、及び、製品情報を格納するための、クラウド技術に基づく配置のデータベースである、第2データベースのような複数のデータベースを用いる場合がある。
【0063】
データベース136、又はシステムと関連付けられた他のデータベースに格納された情報は、分析のような、任意の適切な目的に使用してよい。そのような情報は、例えば、製品の消費、製品の用途、及び他のタイプの消費者の習慣についての消費者に関連する情報を提供するために用いることができる。
【0064】
ユーザーは、アドホックネットワーク100内のさまざまなノードを制御するか、又はそうでなければ、それらのノードに関する情報を受け取るために、コンピューティングデバイス124と対話してもよい。どんなタイプの制御をするかは、ノードのタイプ及び当該ノードと関連付けられた消費者向け製品のタイプに基づいて変化するが、制御のタイプの例としては、照明製品を作動させること、保安システムを作動させること、各種電化製品を作動させること、及び暖房・エアコンを作動させること等をあげることができる。ユーザーは、例えばメッセージングアプリケーションを介して、アドホックネットワーク100と関連付けられた消費される製品の状態に関する製品情報、又は他のタイプの情報を受け取ってもよい。いくつかの実施形態においては、部屋リスト、部屋の機能のリスト、部屋と関連付けられたノードのリスト、製品のリスト、及びアドホックネットワーク100と関連付けられたデータベースに格納されたその他の情報が、コンピューティングデバイス124を介してアクセスできるようになっている。
【0065】
いくつかの実施形態においては、登録のプロセスに関する指示が、コンピューティングデバイス124上で出される。コンピューティングデバイス124は、アドホックネットワーク100と、パブリックネットワークを介して通信可能になっていてよく(図11を参照)、または、アドホックネットワークのブリッジノードを含むローカルネットワークと通信可能になっていてよい(図12を参照)いずれにしても、指示は、ウェブブラウザ又は、コンピューティングデバイス124上で実行される専用のアプリケーションを介して出される。登録プロセスの1つの例においては、ユーザーは、構造物内のある照明製品を点灯するように指示される。照明製品が発光すると、それぞれのノードにあるセンサから集められた情報に基づいて、どのノードが当該照明製品と見通し内通信可能であるかが判定されることができる。いくつかの実施形態においては、以下に図14に関して述べるように、照明製品が発光すると、人間の目には知覚できないある周波数で点滅するように指示される。ユーザーは、壁のスイッチを操作して、複数の照明製品を同時に発光させることがある。
【0066】
ユーザーは、コンピューティングデバイス124に指示されるように、照明製品を繰り返し、つけたり消したりしてよい。いくつかの実施形態においては、ユーザーは、2つの照明製品を、ある時間枠の中で(例えば5秒)点灯させ、これらの照明装置をグループ化する。例えば、登録のプロセスの間に、ユーザーは、リビングルームの2つのフロアランプと、1つのテーブルランプを、ある時間枠内に点灯させてよい。するとシステムは、これらの3つの照明製品(すなわちノード)がすべて互いに関連しており、リビングルームの照明のために、同時に制御することが可能であると理解できるであろう。いくつかの実施形態においては、照明製品又は他のタイプのデバイスが、識別子(例えばSKU数)を送信し、ノードの回路又はその他のグループが樹立されるようにしてもよい。登録のプロセスを通して、ブリッジノードA、又はその他のネットワークデバイスが、アドホックネットワーク100内のノード及び/又はユーザーから、情報を収集してもよい。例えば、ユーザーは、コンピューティングデバイス124上のインターフェイスを通じて、構造物130の特定の部屋の機能を入力してもよい。いくつかの実施形態においては、ノードデータに基づいて判定された部屋の機能のリストが、コンピューティングデバイス124を通じてユーザーに提供され、ユーザーがその部屋の機能を確認し、又は編集する。登録のプロセスが完了すると、ユーザーは、アドホックネットワーク100内のノードを制御したり、又はそれらからデータを受け取ったりするために、コンピューティングデバイス124と対話してもよい。いくつかの実施形態においては、以下に図14に関して述べるように、登録のプロセスは自動化されている場合があり、ユーザーによる入力作業は不要であるか、あるいはほとんど不要である。
【0067】
ゼロコンフィギュレーションネットワーキング
図14は、デュアルチャネル通信が可能な複数のノードを含む、アドホックな、ゼロコンフィギュレーションネットワークを形成するためのメッセージシーケンス図の1つの例を示す。アドホックネットワークは、マスターノード、ノードA、ノードB、ノードC、ノードD、及びデータベースを含む。なお、本開示に係るアドホックネットワークが比較的多くの数のノードを有し、それぞれのノードがネットワークに出入りするようになっていてよいことは、容易に理解できるであろう。図14中のノードA〜Dのそれぞれは、図2の通信モジュール14と類似のものであってよく、かつ部屋限定型通信及び部屋透過型通信を提供するための通信モジュールを備える。図14中のアドホックネットワークのノードA〜Eのそれぞれが、部屋限定型通信の機能と、部屋透過型通信の機能とを有している一方で、他のアドホックネットワークは、いずれの形の通信機能も持たないノードを含んでいてよい。例えば、部屋限定型通信情報を検知こそできるものの送信することができないノードがいくつかあってもよい。部屋透過型通信情報のみを送受信できるノードがいくつかあってもよい。
【0068】
あくまでも例示のため、ノードA〜Dのそれぞれは、対応する照明製品と関連付けられている。なお、さまざまなノードは、各種台所用電化製品、清掃用製品、製品のディスペンサ、消費者向け製品、コンピューティングデバイス、人、ペット、壁のコンセント差込口、照明のスイッチ等、広い範囲の他のタイプの製品及びデバイスと関連付けられていてよいことは容易に理解できるであろう。
【0069】
ゼロコンフィギュレーションのプロセスの一例の間、マスターノードはまず、それぞれのノードに、各ノード近くの照明レベルのサンプルを取得するように指示を出す。この指示は、すべてのネットワーク内のノードA〜Dに同時送信された部屋透過型通信のメッセージを含む、任意の好適な形をとることができる。あるいは、この指示は、特定のノード当てに送られる、ターゲットのある通信情報であってもよい。図示された実施形態においては、マスターノードから、指示212、216、220、224がそれぞれノードA、ノードB、ノードC、及びノードDに送られている。図14においては、マスターノードが図示されているが、指示は任意の好適なネットワーク要素によって送信されてよい。指示を受信すると、それぞれのノードは照明レベルを、当該ノードと関連付けられたセンサ(例えばフォトダイオード)を用いて計測する。いくつかの実施形態においては、計測値が得られたら、ノードA〜Eは照明レベルのデータを、部屋透過型通信情報214、218、222、226、をそれぞれ介してマスターノードに送信し、データベースに格納できるようにする。いくつかの実施形態においては、それぞれのノードでの照明レベルの計測値は、それぞれのノードで局所的に格納され、当該ノードによって後の処理工程で使用される。
【0070】
それぞれのノードで背景の照明レベルが計測されたら、コマンド228がマスターノードにより、ノードのネットワーク全体のサブセットに送信される。図示された実施形態においては、コマンド228は、1つのノード(ノードA)のみに送信される。コマンド228はノードAに部屋限定型通信の信号230を送信するように指示する。部屋限定型通信の信号230は、光信号、音声信号等の任意の好適なタイプの信号であってよい。本実施形態においては、ノードAは、照明製品と関連付けられているので、照明製品は、ある特定の時間にわたり、特定の周波数で閃光を出したり消したりすることができ、変調された光源を生み出す。部屋限定型通信の信号230は、人間の目には感知できないものであってよい。1つの実施形態においては、ノードAと関連付けられた光源は、約1.8kHzで変調され、変調周波数が、受信機のバンドパスフィルタの中央の周波数と一致するように、部屋限定型信号を生み出す。ただし他の周波数を採用してもよい。他の実施形態では、ことなる周波数を用いてよい。いくつかの実施形態においては、その周波数は約600Hz〜約2000Hzの範囲にある。部屋限定型通信信号がノードAにより送信されている間、部屋限定型信号232、234がノードC及びノードDにより受信される。言い換えると、ノードC及びノードDは、ノードAと見通し内通信可能であるということである。図示された例では、ノードBは、ノードAからの部屋限定型信号を受け取っていないが、それは、ノードAとノードBの間の見通し内経路を遮る物理的障害物(例えば、壁、床、又はドア)の存在による。
【0071】
マスターノードがノードAに部屋限定型通信情報を送信するように指示を出したら、マスターノードはそれぞれのノードに、当該ノードに近い場所の照明レベルの第2のサンプルを取得するよう指示を出す。図示された実施形態においては、マスターノードによって、指示234、238、242がそれぞれノードB、ノードC、及びノードDに送信されている。指示を受け取ると、それぞれのノードは照明レベルをセンサを用いて計測することができる。ノードB〜Dは、ある一定の周波数(例えば約1.8kHz)のみが計測されるように、フィルタリング回路を用いてもよい。いくつかの実施形態においては、ひとたび計測がなされると、ノードB〜Dは、照明レベルのデータをマスターノードに、それぞれ部屋透過型通信情報236、240、244、で送信する。そのような実施形態においては、マスターノード、又は他のネットワーク構成要素は、部屋透過型通信情報218、222、226を介して受信した最初の測定値との比較をして、それぞれのノードが部屋限定型通信情報を受信したのか否かを判定する。この場合に、ノードC及びDから受信した計測値は、ノードAから部屋限定型通信情報が成功裏に受信されたことを示している。ノードに照明レベルの計測値が格納される実施形態では、それぞれのノードは個別に部屋限定型通信情報を受信したかどうか判定することができ、その情報を以降の処理のために、マスターノードに供給することができる。
【0072】
図14に示す一般的メッセージのやりとりは、アドホックネットワーク内のそれぞれのノードが、部屋限定型通信情報を送信するように連続して指示を受け、当該通信情報を受信したノードが識別され記録されるように、それぞれのノードについて繰り返し行われてもよい。ノードはマスターノードに部屋の機能を判定するために用いることができるデータを提供してもよい。それぞれのアドホックネットワーク内のそれぞれのノードを一通り回った後で、又は、ゼロコンフィギュレーションプロセスの中の任意の他の好適なタイミングで、ノードのグループ、SKU数、製品情報、部屋の機能等のアドホックネットワークに関する関連情報を提供するために、マスターノードは通信246を介してデータベースと通信することができる。
【0073】
部屋リストとノードの区分が決定されると、ネットワークに新たなノードが現れると、それらを参照できる。例として、ノードA、C、及びDは構造物のバスルームにあると判定される場合がある。ユーザーは、新たなノードをバスルームに配置することがある。新たなノードは、マスターノードに自身がネットワークに存在することを通知するために、部屋透過型通信情報をマスターノードに送信する場合がある。マスターノードは、新たなノードに部屋限定型通信情報を送信するよう指示を出す場合がある。この場合、ノードA、C、及びDが当該部屋限定型通信情報を検知するであろう。部屋限定型通信情報の検知に基づいて、マスターノード、又は他のネットワーク構成要素は、新たなノードは物理的に、ノードA、C、及びDと同じ部屋に位置していると判定し、それにしたがって、部屋リスト及びノード区分を更新することができる。
【0074】
以上の実施形態は、例えば、消費者向け製品のノードのネットワークをある環境の中でというように、製品のノードのネットワークをある環境の中で確立するための便利で、シンプルで、容易に使える方法をユーザーに提供する。ネットワークはユーザーにかわって情報を収集し、又はより自律的に行動することができる。最終的に得られるものは、ユーザーがその環境を維持し享受するのをアシストするデバイスのネットワークである。
【0075】
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しないかぎりにおいて、参照することによってその全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0076】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2
図3
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図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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