(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、上述した両出願を組み合わせた装置を検討したところ、
図13に示すように、空気清浄機ユニット20のフィルターセット23の前面にセンサー91を配置すると、以下のような問題点があると考えた。
すなわち、センサー91と本体(例えばモータケース部30)とは、コネクタによって接続する必要があるが、空気清浄機ユニット20と扇風機ユニットとを交換する際に、ユーザがコネクタを接続/切断しなければならず、取り扱いの手間がかかるとともにコネクタのコストが生ずると考えられる。また、センサー91がフィルターセット23の有効面積を一部減殺し、空気清浄効率が低下すると考えられる。
【0005】
それゆえ、本発明は、上述した問題点を解消し、空気清浄機ユニットと扇風機ユニットとを相互に交換可能に有し、空気清浄機および扇風機として機能する装置であって、空気清浄機として機能する際には空気中の塵埃濃度等に応じて空気清浄機の運転を制御する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
なお、請求項2は、本発明の第1実施形態に係る装置(
図1(d)等)であり、請求項3は、本発明の第2実施形態に係る装置(
図6)であり、請求項4は、本発明の第3実施形態に係る装置(
図12)である。
【0007】
本発明は、空気清浄機ユニット(20)と扇風機ユニット(10)とを相互に交換可能に有する装置(100)であって、
前記空気清浄機ユニット(20)がモータケース部(30)に取り付けられた際には空気清浄機として機能し、
前記扇風機ユニット(10)が前記モータケース部(30)に取り付けられた際には扇風機として機能し、
前記空気清浄機ユニット(20)は、羽根(22)と、前記羽根(22)の前方のフィルターセット(23)と、前記羽根(22)および前記フィルターセット(23)を覆うカバー(21a、21b)と、を有し、
前記扇風機ユニット(10)は、羽根(12)と、前記羽根(12)を覆うカバー(11a、11b)と、を有し、
前記モータケース部(30)には、前記空気清浄機ユニット(20)の前記羽根(22)および前記扇風機ユニット(10)の前記羽根(12)を回転させるための羽根用モータ(32)が収容され、
前記装置(100)は、
ホコリセンサーとしての機能およびニオイセンサーとしての機能の少なくとも一方を有するセンサー(91)と、
前記センサー(91)に風を送る、または、前記センサー(91)から風を受けるためのセンサー用ファン(92)と、
を有し、
前記装置(100)が空気清浄機として機能する際には、前記センサー(91)により検出した塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方に応じて空気清浄機の運転が制御される、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明では、前記センサー(91)および前記センサー用ファン(92)は、前記モータケース部(30)の内部に配置され、
前記モータケース部(30)には吸気口(30q)および排気口(30h)が設けられている、
ことが好ましい。
【0009】
本発明では、前記装置(100)は、
前記空気清浄機ユニット(20)または前記扇風機ユニット(10)を上下首振りさせるための上下首振りモータと、
前記空気清浄機ユニット(20)または前記扇風機ユニット(10)を左右首振りさせるための左右首振りモータと、
前記吸気口(30q)に接続された吸気ダクト(93)と、
を有し、
前記吸気ダクト(93)は、前記モータケース部(30)および前記空気清浄機ユニット(20)に着脱可能に取り付けられている、
ことが好ましい。
【0010】
本発明では、前記装置(100)は、
前記空気清浄機ユニット(20)または前記扇風機ユニット(10)を上下首振りさせるための上下首振りモータと、
前記空気清浄機ユニット(20)または前記扇風機ユニット(10)を左右首振りさせるための左右首振りモータと、
前記モータケース部(30)の外部に配置され、前記センサー(91)および前記センサー用ファン(92)を収容し、吸気口(94q)および排気口(94h)が設けられているセンサーケース部(94)と、
前記吸気口(94q)に接続された吸気ダクト(93)と、
を有し、
前記吸気ダクト(93)は、前記センサーケース部(94)および前記空気清浄機ユニット(20)に着脱可能に取り付けられている、
ことが好ましい。
【0011】
本発明は、上述した装置(100)の空気清浄機としての運転を制御する方法であって、
前記上下首振りモータおよび前記左右首振りモータの両方が同時に運転する3D首振り運転がユーザによって選択されると、
前記上下首振りモータおよび前記左右首振りモータの運転を開始し、
前記センサーにより空気中の塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方を検出し、
前記検出した塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方が所定値以上の場合、前記塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方を検出した首振り角度で、前記上下首振りモータおよび前記左右首振りモータの運転を停止し、
再度、前記センサーにより空気中の塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方を検出し、
前記塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方が所定値未満になったら、前記上下首振りモータおよび前記左右首振りモータの運転を再開する、
ことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の装置を詳細に説明する。
本発明の装置は、空気清浄機ユニットと扇風機ユニットとを相互に交換可能に有し、
図1および
図2を用いて、本発明の装置が空気清浄機として機能する場合を説明し、
図3および
図4を用いて、本発明の装置が扇風機として機能する場合を説明する。
【0014】
図1(a)は空気清浄機として機能する本発明の第1実施形態に係る装置の正面図であり、
図1(b)はこの装置の側面図であり、
図1(c)はこの装置の背面図であり、
図1(d)はこの装置の要部断面図である。
本発明の装置100は、空気清浄機ユニット20と、空気清浄機ユニット20が取り付けられたモータケース部30と、モータケース部30を支持する支持部40と、支持部40を上下にスライドするスライドパイプ50と、スライドパイプ50に接続された支柱51と、支柱51に接続されたベース60と、ベース60に設けられ、装置100の動作を制御するための表示・操作パネル70と、空気清浄機ユニット20とモータケース部30との間に設けられた切り換えスイッチ部80と、センサー91と、センサー91に風を送る、または、センサー91から風を受けるためのセンサー用ファン92と、を有する。
【0015】
センサー91は、空気中の塵埃濃度(ホコリレベル)を検出するホコリセンサーとしての機能と、臭気濃度(ニオイレベル)を検出するニオイセンサー、例えば、空気中のニオイ分子の酸化還元反応を利用して、還元性のニオイを検出する金属酸化物半導体センサーとしての機能と、の少なくとも一方を有する。以下では、センサー91をホコリセンサーとして説明するが、ニオイセンサーとしても同様に、空気清浄機の運転を制御することができる。
【0016】
空気清浄機ユニット20は、前カバー21aと、後カバー21bと、羽根22(例えば、シロッコファン)と、フィルターセット23と、を有する。フィルターセット23は、例えば、集塵フィルター23a(JISZ8122に規定するHEPAフィルターなど)と、脱臭フィルター23b(活性炭など)と、フィルター23a、23bを固定するフィルターカバー23cと、から構成される。
空気清浄機ユニット20の前面側、すなわち、前カバー21aの外周部の、前カバー21aと後カバー21bとの間には、吸気口qが形成され、空気清浄機ユニット20の側面側、すなわち、後カバー21bの水平より上方部(略45°)には、排気口hが形成されている。空気は、矢印で示すように吸気口qを介して空気清浄機ユニット20内に吸気され、排気口hを介して排気される。なお、吸気口qおよび排気口hは、図示の実施形態に限定されるものではないが、排気口hは、図示例のように、水平より上方部(略45°)に向けられていることが好ましい。排気口hが真上に向いていると、左右首振りをしても排気位置、方向が殆ど変化しないので、部屋の空気の循環作用が一定位置に留まる。一方、排気口hの向きを左右どちらかに設定することで、空気清浄機ユニット20の首振り動作により排気方向も左右に変化し、部屋の空気の循環が広範囲に行われることになり効率的な空気清浄運転が可能となる。また、上下首振り、あるいは上下、左右同時に首振り運転した場合には排気方向も上下、左右広範に変化するので部屋の空気が効率的に循環し効率的に空気清浄運転が行えることになる。
【0017】
モータケース部30には、回転軸31を中心に羽根22を回転させるための羽根用モータ32が収容されている。モータケース部30は、支持部40によって挟持され、支持部40の両側に配置された回動軸41によって回動自在に支持され、上下首振り運転を行う。支持部40は、スライドパイプ50によって回動自在に支持され、左右首振り運転を行う。
【0018】
第1実施形態に係る装置100では、センサー91およびセンサー用ファン92は、モータケース部30の内部に配置され、モータケース部30の背面に吸気口30qが設けられ、モータケース部30の側面前方下部に排気口30hが設けられている。羽根用モータ32の回転軸31に取り付けられたセンサー用ファン92の回転により、矢印で示すように、外部の空気は、吸気口30qを介してモータケース部30内に吸気され、センサー91を通過し、排気口30hを介して排気される。吸気口30qには、センサー91の機能を阻害する綿ぼこりのような粗大なゴミの侵入を防止するためにフィルタ(図示せず)を設けることもできる。
センサー91により空気中の塵埃濃度を検出し、検出した塵埃濃度に応じて空気清浄機の運転、例えば、羽根用モータ32のON/OFFおよび羽根用モータ32の回転数を制御することができる。
また、第1実施形態に係る装置100では、センサー91はモータケース部30の内部に配置されているため、後述するように空気清浄機ユニット20と扇風機ユニットとを交換する際に、ユーザがコネクタを接続/切断する必要はない。また、センサー91は、従来のようにフィルターセット23の前面に配置されているわけではないため、フィルターセット23の有効面積を一部減殺することもない。
【0019】
図示例では、センサー用ファン92は、羽根用モータ32の左側の回転軸31に取り付けられているが、羽根用モータ32の右側に回転軸31を突出させて、当該突出部にセンサー用ファン92を取り付けることもできる。図示例では、モータケース部30の内壁に仕切り板30sを取り付け、仕切り板30sの中央にセンサー91を配置することにより、吸気口30qからモータケース部30の内部に取り込まれた空気が確実にセンサー91を通過する構成にしているが、センサー91の配置位置は図示例に限定されるものではない。吸気口30qおよび排気口30hの配置位置も図示例に限定されるものではなく、排気口30hをモータケース部30の側面前方上部に設けることもできるし、吸気口30qおよび排気口30hの配置位置を反対にすることもできる。
【0020】
図2は、空気清浄機ユニット20の取り付け方法を説明するための図である。
図2(a)に示すように、モータケース部30と固定リング25とにより後カバー21bを挟むことによって、後カバー21bをモータケース部30に固定する。
次に、
図2(b)に示すように、回転軸31に設けられたストッパー33と固定リング26とにより羽根22を挟むことによって、羽根22を回転軸31に固定する。
次に、
図2(c)に示すように、羽根22の前方にフィルターセット23を配置する。
最後に、
図2(d)に示すように、前カバー21aを後カバー21bに固定する。
このように、ユーザは空気清浄機ユニット20をモータケース部30に容易に取り付けることができる。
【0021】
図3(a)は扇風機として機能する本発明の装置の正面図であり、
図3(b)はこの装置の側面図であり、
図3(c)はこの装置の背面図であり、
図3(d)はこの装置の要部断面図である。
本発明の装置100は、空気清浄機ユニット20を扇風機ユニット10に交換すると、扇風機として機能する。
扇風機ユニット10は、前カバー11aと、後カバー11bと、羽根12(例えば、プロペラファン)と、を有する。
装置100において、扇風機ユニット10以外の構成要素や首振り運転は、装置100が空気清浄機として機能する場合と同様であるので説明を省略する。
上述したとおり、センサー91はモータケース部30の内部に配置されているため、空気清浄機ユニット20と扇風機ユニットとを交換する際に取り扱いの手間がかからない。
なお、本発明の装置100が扇風機として機能する際には、センサー91を動作させない。また、図示を省略するが、吸気口30qおよび排気口30h用にそれぞれカバーを設けることもできる。
【0022】
図4は、扇風機ユニット10の取り付け方法を説明するための図である。
図4(a)に示すように、モータケース部30と固定リング15とにより後カバー11bを挟むことによって、後カバー11bをモータケース部30に固定する。
次に、
図4(b)に示すように、回転軸31に設けられたストッパー33と固定リング16とにより羽根12を挟むことによって、羽根12を回転軸31に固定する。
最後に、
図4(c)に示すように、前カバー11aを後カバー11bに固定する。
このように、ユーザは扇風機ユニット10をモータケース部30に容易に取り付けることができる。
本発明の装置100は、扇風機のシーズンオフ時には、扇風機ユニット10を空気清浄機ユニット20に交換するだけで空気清浄機として使用することができる。また、装置全体を収納する必要がなく、扇風機ユニット10または空気清浄機ユニット20のみを収納すればよいので、省スペース化が図られる。
【0023】
図5を用いて、切り換えスイッチ部80について説明する。
切り換えスイッチ部80は、スイッチ81と、スイッチ81を動作させるアクチュエータ82a、82bと、アクチュエータ82a、82bに作用する連動棒83と、連動棒83を付勢するコイルバネ84と、連動棒83に固定され、コイルバネ84の一端を支持するストッパー85と、コイルバネ84の他端を支持するケーシング86と、を有する。
図5(a)は、空気清浄機ユニット20がモータケース部30に取り付けられている状態である。空気清浄機ユニット20の後カバー21bは、連動棒83の左端83aに接触し、連動棒83を右方向に押す。すると、連動棒83の右端83bは、アクチュエータ82a、82bに作用し、スイッチ81が、空気清浄機モードをONにする。
図5(b)は、扇風機ユニット10がモータケース部30に取り付けられている状態である。扇風機ユニット10の後カバー11bには、連動棒83に対応する位置に開口部kが設けられ、連動棒83は、この開口部kを介してモータケース部30の外部に延在する。これにより、扇風機ユニット10の後カバー11bは、連動棒83を押さないので、連動棒83はアクチュエータ82a、82bに作用せず、スイッチ22が、扇風機モードをONにする。
このような切り換えスイッチ部80を設けることにより、空気清浄機ユニット20および扇風機ユニット10のいずれが取り付けられているのかを装置100が識別し、空気清浄機モードおよび扇風機モードの切り換えが自動で行われ、誤動作の心配がない。
なお、空気清浄機モードおよび扇風機モードの切り換え機構は、図示の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
図6は、空気清浄機として機能する本発明の第2実施形態に係る装置の要部断面図である。
第2実施形態に係る装置100では、モータケース部30の背面に排気口30hが設けられ、モータケース部30の側面前方下部に吸気口30qが設けられている。この吸気口30qには吸気ダクト93の一端が接続され、吸気ダクト93は空気清浄機ユニット20の外側に沿って延在し、吸気ダクト93の他端は、前カバー21a付近において吸気口93qを形成している。吸気ダクト93は、モータケース部30および空気清浄機ユニット20に着脱可能に取り付けられている。第2実施形態に係る装置100を扇風機として使用する場合、吸気ダクト93を取り外すことができる。
吸気ダクト93を設けることにより、空気清浄機ユニット20の首振り運転に連動して、外部の空気を吸気ダクト93内に取り込むことができるので、煙や臭いの発生源に対して速やかに空気清浄機能を発揮し、空気清浄機の運転を効率的に制御することができる。
以下、空気清浄機ユニット20の首振り運転について説明する。なお、説明を省略するが、扇風機ユニット10の首振り運転についても同様である。
【0025】
図7に示すように、装置100は、水平方向に対して上方向に約60°(仰角約60°)と、下方向に約10°(俯角約10°)と、の間で上下首振りモータmにより空気清浄機ユニット20を上下首振り運転させることができる。また、図示を省略するが、左右に約70°(−70°から+70°の間)で左右首振りモータにより空気清浄機ユニット20を左右首振り運転させることができる。
なお、上下方向および左右方向の首振り運転の角度は、この角度に限定されるものではなく、仰角約90°も可能である。しかしながら、空気清浄機として機能する装置100が壁際に設置された場合は、仰角を約60°とすることが好ましい。なぜなら、仰角を約90°とすると、排気口hが壁面に対向し、排気が壁面に当たり跳ね返って装置100に吸気されるので、空気清浄効率が低下するおそれがあるためである。
ただし、扇風機ユニット10が取り付けられた場合と、空気清浄機ユニット20が取り付けられた場合とで、首振り運転の角度を変更することもできる。
図7(a)に示すように、空気清浄機ユニット20が上方を向いた状態(仰角を60°に設定)では、主に部屋の上方の空気を吸気するので、空気中に浮遊する比較的軽い微粒子を捕集することができる。
また、
図7(b)に示すように、空気清浄機ユニット20が床面方向を向いた状態(俯角を10°に設定)では、床面に堆積した花粉などの比較的重い微粒子を捕集することができる。特に絨毯などの床面は人が歩いた時に塵埃が舞い上がりやすいので、俯角を10°に設定することが集塵効果を高めるために有効である。
【0026】
スライドパイプ50を上下にスライドすることにより、空気清浄機ユニット20を昇降し、空気清浄機ユニット20の高さを変えることができる。例えば、テーブル上で焼肉をしたり、椅子に座って煙草を吸う場合には、空気清浄機ユニット20を上げて高い位置で装置100を運転させ、座卓に座る場合には、空気清浄機ユニット20を下げて低い位置で装置100を運転させる、といったように、空気清浄機ユニット20を煙や臭いの発生源に近づけることができ、空気清浄機を効率的に運転させることができる。
なお、スライドパイプ50は、手動で上下にスライドし、ラチェット機構により任意の位置に固定することができる。
【0027】
図8は、上下首振りおよび左右首振りを同時に行う際の空気清浄機ユニット20の軌跡の一例を示す。
空気清浄機ユニット20は、
図8(a)に示すように、左右に70°で左右首振り運転を行い、
図8(b)に示すように、仰角60°および俯角10°で上下首振り運転を行う。
図8(c)は、
図8(a)および
図8(b)を組み合わせたものであり、最初、空気清浄機ユニット20が左右方向正面かつ俯角10°の位置p0にあるとする。位置p0から矢印に沿って、空気清浄機ユニット20が左に70°かつ仰角1/4×(10+60)°の位置p1まで移動する。次に、位置p1から矢印に沿って、空気清浄機ユニット20が右に70°かつ仰角3/4×(10+60)°の位置p2まで移動する。次に、位置p2から矢印に沿って、空気清浄機ユニット20が左右方向正面かつ仰角60°の位置p3まで移動する。同様に、位置p4、p5と移動し、位置p1に戻る。
【0028】
図9に、本発明の装置100の制御回路のブロック図を示す。
コントローラは、空気清浄機モードおよび扇風機モードを切り換えるための空気清浄機・扇風機切換スイッチと、装置100が空気清浄機として機能する際に制御を担当する空気清浄機制御部と、装置100が扇風機として機能する際に制御を担当する扇風機制御部と、タイマー制御部と、タイマーセット時間や風量設定などの使用状態を記憶するための記憶部と、を有する。
コントローラは、空気清浄機・扇風機切換スイッチによって、空気清浄機制御部または扇風機制御部を選択し、選択された制御部が、羽根用モータ、上下首振りモータおよび左右首振りモータを制御する。
空気清浄機制御部のセンサー制御部は、センサー91からの信号に基づき、空気中の塵埃濃度を判定し、羽根用モータ、上下首振りモータおよび左右首振りモータの運転を制御する。
また、コントローラには、各制御部および各モータにDC電源を供給するための電源供給部と、表示・操作部と、が接続されている。表示・操作部には、操作パネル70のボタンが配置されている。
羽根用モータにはDCブラシレスモータ等を採用し、空気清浄機および扇風機のそれぞれにおいて、羽根用モータの回転数を変更することができる。例えば、空気清浄機では、高速回転で制御し、扇風機では低速回転で制御し、それぞれ、強、中、弱等の複数段階の回転数を選択して羽根用モータを動作させることができる。
【0029】
図10に、本発明の装置100の操作パネル70の一例を示す。なお、図示例では、ベース60に設けられた操作パネル70について説明するが、操作パネルは、リモコンに設けることもできる。
操作パネル70には、電源の入/切ボタンB1、風量調節ボタンB2、上下首振り運転ボタンB3、左右首振り運転ボタンB4、上下首振りおよび左右首振りを同時に行う3D首振り運転ボタンB5、各ボタンB1〜B5による運転状態を表すランプ、空気中の塵埃濃度を表すランプが配置されている。空気中の塵埃濃度は、低、中、高の3段階で表されているが、低、高の2段階で表すこともできる。
電源の入/切ボタンB1を押すたびに、扇風機モードON→空気清浄機モードON→電源OFFが切り替わる。
風量調節ボタンB2を押すたびに、風量が弱→中→強→リズム(弱、中、強をランダムに変更する)→弱・・・に切り替わる。上下首振り運転ボタンB3を押すたびに、上下首振り運転がON/OFFする。左右首振り運転ボタンB4を押すたびに、左右首振り角度が45°→70°→140°→OFF・・・に切り替わる。3D首振り運転ボタンB5を押すたびに、マニュアルとオートとが切り替わり、マニュアルONの場合、上下首振りモータおよび左右首振りモータが同時にONになり、3D首振り運転を開始し、オートONの場合、
図11を用いて後述するように、3D首振り運転を開始する前に塵埃濃度を検出する。
【0030】
図11は、本発明の装置100が空気清浄機として機能している場合に、3D首振り運転ボタンB5がユーザによって押された場合のフローチャートである。
最初、装置100は、首振り運転をせず、風量が弱の状態で運転していたとする。
ステップS1において、3D首振り運転ボタンB5が押され、オートONになる場合、ステップS2において、上下首振りモータおよび左右首振りモータの運転を開始し、3D首振り運転をONにする。
ステップS3において、センサー91により空気中の塵埃濃度を検出する。センサー91による検出は、3D首振り運転中に一定時間ごと(例えば10秒ごと)に行うこともできるし、所定の首振り角度ごと(例えば10°ごと)に行うこともできる。
ステップS4において、検出した塵埃濃度が所定値以上か否かを判定する。塵埃濃度の判定は、低、中、高の3段階で判定することもできるし、低、高の2段階で判定することもできる。3段階で判定した際、例えば、塵埃濃度が中以上の場合、ステップS5において、この塵埃濃度が検出された首振り角度で、上下首振りモータおよび左右首振りモータの運転を停止し、3D首振り運転をOFFにする。ここでは、羽根用モータ32のみが運転を継続している。
ステップS6において、羽根用モータ32の回転数を増加し、風量を強に設定し、所定時間(例えば3分)運転する。なお、この例では、最初に風量が弱の状態で運転していたため、風量を強に切り換えたが、最初から風量が強の状態で運転していた場合は、そのままの風量で所定時間(例えば3分)運転する。
ステップS7において、再度、センサー91により空気中の塵埃濃度を検出し、ステップS8において、塵埃濃度を判定する。塵埃濃度が中未満になるまで(ステップS8においてNOになるまで)ステップS7、S8を繰り返す。
ステップS8において、塵埃濃度が中未満になったら、ステップS9において、風量を弱に切り換える、すなわち、風量を当初の状態に戻す。
ステップS10において、上下首振りモータおよび左右首振りモータの運転を再開し、3D首振り運転をONにして、終了する。
ステップS1において、3D首振り運転ボタンB5が押され、マニュアルONになる場合、ステップS2〜S9を行わず、ステップS10において、上下首振りモータおよび左右首振りモータの運転を開始して、3D首振り運転をONにする。
なお、
図11のフローチャートでは、3D首振り運転ボタンB5が押され、オートONになった場合に塵埃濃度の検出を行ったが、3D首振り運転をオートONで継続している間に一定時間ごとに塵埃濃度の検出を行い、上述したステップS3〜S10を行うこともできる。
【0031】
オートONでの3D首振り運転中に、他のボタンが押された場合には、押されたボタンに従って運転を行う。例えば、上下首振り運転ボタンB3が押された場合は、上下首振り運転に移行し、左右首振り運転ボタンB4が押された場合は、左右首振り運転に移行する。なお、風量が、弱、中、強をランダムに変更するリズムに設定されていた場合、ボタンB3、B4が押された時点での風量で運転する。
オートONでの3D首振り運転中に、3D首振り運転ボタンB5が押された場合は、マニュアルONとなり、ボタンB5が押された時点での風量で運転する。
オートONでの3D首振り運転中に、風量調節ボタンB2が押された場合は、マニュアルONとなり、選択された風量で運転する。
【0032】
上述したとおり、センサー91は、ホコリセンサーとしての機能の代わりにニオイセンサーとしての機能を有することもできるし、ホコリセンサーとしての機能およびニオイセンサーとしての機能の両方を有することもできる。
以上より、本発明の第2実施形態に係る装置では、吸気ダクト93を設けることにより、空気清浄機ユニット20の首振り運転に連動して、外部の空気を吸気ダクト93内に取り込むことができるので、上下首振りおよび左右首振りを同時に行いながらホコリセンサーにより検出した塵埃濃度およびニオイセンサーにより検出した臭気濃度の少なくとも一方に応じて、首振り運転のON/OFFおよび風量を制御する。これにより、煙や臭いの発生源に対して速やかに空気清浄機能を発揮し、空気清浄機の運転を効率的に制御することができる。
【0033】
図12は、空気清浄機として機能する本発明の第3実施形態に係る装置の要部断面図である。
第3実施形態に係る装置100では、モータケース部30の外部にセンサーケース部94が配置され、センサーケース部94にはセンサー91およびセンサー用ファン92が収容されている。センサーケース部94の背面に排気口94hが設けられ、センサーケース部94の前方下部に吸気口94qが設けられている。この吸気口94qには吸気ダクト93の一端が接続され、吸気ダクト93は空気清浄機ユニット20外側に沿って延在し、吸気ダクト93の他端は、前カバー21a付近において吸気口93qを形成している。吸気ダクト93は、センサーケース部94および空気清浄機ユニット20に着脱可能に取り付けられている。第3実施形態に係る装置100を扇風機として使用する場合、吸気ダクト93およびセンサーケース部94を取り外すことができる。
なお、センサー用ファン92は、いわゆる軸流ファンであるが、センサー用ファン92のためのモータを別個に設けることもできる。
【解決手段】本発明の装置は、ホコリセンサーとしての機能およびニオイセンサーとしての機能の少なくとも一方を有するセンサーと、センサーに風を送る、または、センサーから風を受けるためのセンサー用ファンと、を有し、装置が空気清浄機として機能する際には、センサーにより検出した塵埃濃度および臭気濃度の少なくとも一方に応じて空気清浄機の運転が制御される。