特許第5977558号(P5977558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977558
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 316D
【請求項の数】2
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-80860(P2012-80860)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-208306(P2013-208306A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2014年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】藤原 義弘
(72)【発明者】
【氏名】本木 隆
(72)【発明者】
【氏名】柳田 修平
(72)【発明者】
【氏名】阿賀 亮太
【審査官】 渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4883820(JP,B1)
【文献】 特開2007−082829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞可能な始動入賞口と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が通過可能な特定領域と、
前記遊技盤に設けられ、前記特定領域の遊技球の通過率に影響を与える動作が可能な可動部材を備え、複数の動作の仕方から一つの動作の仕方を選択して前記可動部材を動作させることにより遊技球の前記特定領域の通過率を変更可能な通過率変更手段と、
前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて開始されるゲームの当たりまたははずれを抽選により決定する当たり抽選手段と、
前記当たり抽選手段による抽選結果としての前記ゲームの当たりまたはずれを示す図柄を表示することにより、前記ゲームの当たりまたはずれを報知する図柄表示手段と、
前記当たり抽選手段の抽選により前記ゲームが当たりになる当たり抽選確率を、当該当たり抽選確率が低い低確率状態と、前記低確率状態の当たり抽選確率よりも当たり抽選確率が高い高確率状態とのいずれかの確率状態にする確率状態制御手段と、
所定条件が成立するとともに、前記当たり抽選手段により前記ゲームの当たりが決定した後の第1所定期間に、遊技球が前記特定領域を通過した場合に、前記第1所定期間後の第2所定期間中の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を前記高確率状態にする高確率状態決定手段と、
前記当たり抽選手段により前記ゲームが当たりとなることが決定され、かつ、前記高確率状態決定手段により第2所定期間中は前記高確率状態になることが決定された後から、前記所定条件が成立せずに、前記ゲームが当たりになることが決定される当たり決定回数が設定された限度回数になるまで、各回の当たりが決定された後の前記第2所定期間中の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を前記高確率状態にすることを可能にする高確率状態連続回数制御手段と、
前記当たり抽選手段により前記ゲームの当たりが決定される場合に、前記図柄表示手段に表示される前記ゲームの当たりを示す図柄の種類を抽選により決定する図柄決定手段とを備え、
前記図柄の各種類には、前記高確率状態連続回数制御手段で用いられ、複数の設定された前記限度回数のいずれかが割り付けられるとともに、前記通過率変更手段で実行される前記可動部材の設定された複数の前記動作の仕方のいずれかが割り付けられ、かつ、少なくとも図柄の種類の一部では、前記図柄の種類に割り付けられる前記限度回数が大きいほど、前記通過率が低い前記可動部材の動作の仕方が割り付けられ、
前記図柄決定手段が前記図柄の種類を決定することにより、前記限度回数と前記可動部材の動作の仕方とを決定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技領域には、第1大入賞口および前記特定領域として第2大入賞口が設けられ、
前記遊技領域には、前記始動入賞口として第1始動入賞口および第2始動入賞口とが互いに離間して設けられ、
前記第2始動入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞困難な閉状態とに変動可能な開閉部材を備え、前記開閉部材が前記低確率状態の場合に比較して前記高確率状態の場合に高い確率で開状態になる可変入賞装置が設けられ、
前記第1大入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞できない閉状態とに変動可能な第1開閉部材を備え、通常時に閉状態に保持され、前記第1始動入賞口および第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりとなった場合に設定回数だけ開状態となって閉状態に戻る開閉動作を繰り返す第1特別可変入賞装置が設けられ、
前記第2大入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞できない閉状態とに変動可能な前記可動部材としての第2開閉部材を備え、通常時に閉状態に保持され、前記ゲームが当たりとなり、かつ、第1特別可変入賞装置の前記開閉動作の回数が所定回目になる場合に、第1所定期間になるものとして、第1特別可変入賞装置に代えて開状態となって閉状態に戻る開閉動作を行う前記通過率変更手段としての第2特別可変入賞装置が設けられ、
前記第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりとなる場合に前記所定条件が成立したものとして、前記図柄決定手段が前記図柄の種類を決定し、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりになることが決定された場合に、前記所定条件が成立しなかったものとし、
前記可動部材である前記第2開閉部材の前記動作の仕方として、前記第1所定期間における前記第2特別可変入賞装置の前記第2開閉部材が開状態になっている期間である第2開期間を、第1所定期間中に遊技者が所定の遊技方法で遊技を行う場合にほぼ100%の確率で前記特定領域としての第2大入賞口に遊技球が入賞して通過する時間に設定することにより、前記限度回数の範囲内で、前記ゲームの当たり後の前記第2所定期間の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を高確率状態にすることを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ遊技機として、所謂デジパチと呼ばれるものが知られている。
デジパチと称されるパチンコ遊技機においては、遊技球が打ち込まれて流下する遊技盤面に形成された遊技領域に始動入賞口が設けられ、当該始動入賞口に遊技球が始動入賞することに基づいて、内部の制御装置において、大当たりまたははずれ(小当たりを含む場合がある)の抽選が行われ、抽選で大当たりになると遊技領域に設けられたアタッカが開放して、アタッカに遊技球が入賞可能になる大当たり遊技状態が発生する。
【0003】
この大当たりおよびはずれの抽選結果は、特別図柄(以下、特図と略す)表示装置と演出用の可変表示装置で表示される変動表示ゲームにより遊技者に報知される。
上述の始動入賞口への遊技球の入賞を含む所定の変動表示ゲームの開始条件が成立すると、制御装置における複数種の大当たり、はずれの上述の抽選が行われるとともに、特図表示装置および可変表示装置で複数種の大当たりのいずれかもしくははずれになる同じ抽選結果を報知するための変動表示ゲームが同時進行的に行われる。
【0004】
この変動表示ゲームが終了する直前に各種大当たりもしくははずれを、特図表示装置では識別情報としての1つの特図で表示し、可変表示装置では、複数の装飾図柄(識別情報)の組み合わせで表示する。なお、特図には、はずれに対応する特図と、各当たりの種類に対応する特図とがあり、かつ、同じ当たりの種類に対して複数種の特図が割り当てられている。
【0005】
当たりの種類としては、例えば、大当たり遊技状態後の大当たりまたははずれの抽選の際の大当たりとなる抽選確率の状態を、この抽選確率が低い低確率状態とする通常大当たりと、上述の抽選確率を低確率状態における抽選確率より高い抽選確率とする高確率状態とする確変大当たりがある。
【0006】
また、確変大当たりでは、始動入賞口に設けられた所謂電チュー(普通可変入賞装置)が開放し易くなる電チューサポート状態(電サポ状態)になり、始動入賞口に遊技球が流入し易くなる。なお、電チューの開放は、始動通過口(普図ゲート)を遊技球が通過した際に行われる普通図柄(普図)の変動表示ゲームが当たりになった場合に行われる。電サポ状態では、普図の変動表示ゲームの単位時間当たりの当たり回数が増加するとともに、当たりなった際の電チューの開放時間や開放回数が増加する設定になっている。
【0007】
また、大当たりの種類には、低確率状態になるとともに電サポ状態になる時間短縮(時短)大当たりや、電サポ状態になることなく高確率状態となる潜伏確変(潜確)大当たりなどがある。また、大当たりの種類によって、アタッカの開放時間や開放回数が異なる場合がある。
【0008】
また、変動表示ゲームが開始される際には、大当たり抽選の後に、変動表示ゲームが終了する直前に停止した状態に表示される特別図柄(特図)を選択する図柄抽選が行われる。変動表示ゲームの表示結果が大当たりの場合には、停止した状態に表示される特図が例えば、確変大当たりの特図ならば確変大当たりになり、通常大当たりの特図ならば通常大当たりになる。すなわち、図柄抽選は、大当たりの種類を決める抽選になる。
【0009】
また、変動表示ゲームが開始される際には、抽選で変動表示ゲームの変動表示の仕方としての変動パターンを決める演出抽選が行われる。
例えば、大当たりの場合の変動パターンは、必ずリーチになるので、短いノーマルリーチ演出か、長いスーパーリーチ演出かなどが決定される。また、はずれの場合の変動パターンでは、リーチにならないはずれ演出か、はずれのノーマルリーチ演出か、はずれのスーパーリーチ演出かなどが演出抽選で決定される。
【0010】
このような基本的なデジパチとしてのパチンコ遊技機では、大当たりまたははずれ、大当たりの場合の大当たりの種類、変動表示ゲームの変動パターン等が全て制御装置における乱数を用いた抽選により確率的に決定される。
【0011】
このようなパチンコ遊技機に対して、大当たり遊技状態において、遊技盤に設けられた抽選ゲートを遊技球が通過したか否かを判定し、抽選ゲートを遊技球が通過した場合に、大当たりまたは外れを決める抽選とはべつに、大当たり遊技状態後に確変遊技状態にするか通常遊技状態にするかの抽選を行う遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
また、確変遊技状態にするか否かの抽選を行わずに、通常大当たりにするか、確変大当たりするかの決定を、大当たり状態中に開放されるアタッカへの遊技球の入賞に基づいて決定するパチンコ遊技機が知られている。
【0013】
大当たり状態中は、例えば、アタッカが開閉を設定回数だけ繰り返すようになっており、一回アタッカが開放して閉塞する動作を1ラウンドと称する。上述のパチンコ遊技機では、大当たり遊技状態の最終ラウンドの際に、アタッカに遊技球が入賞すると、大当たり状態が高確率状態かつ電サポ状態になる(いわゆる確変遊技状態になる)。それに対して最終ラウンドの際にアタッカに遊技球が入賞しないと、低確率状態(かつ非電サポ状態)になる(所謂通常遊技状態になる)。
【0014】
また、一般的な通常のラウンドでは、アタッカの開放時間が複数(例えば、10個)の遊技球がアタッカに入賞するのに十分な時間となっているが、上述の最終ラウンドでは、アタッカの開放時間が長いロング状態と、開放時間が短いショート状態とがある設定となっている。
ロング状態の場合には、最終ラウンド中に遊技球がアタッカに入賞する確率が高いが、ショート状態の場合には、最終ラウンド中に遊技球がアタッカに入賞する確率が低いものとなっている。
【0015】
基本的には、最終ラウンドがロング状態になる状態が確変大当たりに対応し、最終ラウンドがショート状態になるのが通常大当たりに対応することになるが、このパチンコ遊技機によれば、確変大当たりに対応する状態であっても、最終ラウンドでアタッカに遊技球が入賞せずに、大当たり遊技状態後が通常遊技状態になってしまう恐れがあるとともに、通常大当たりに対応する状態であっても、最終ラウンドでアタッカに遊技球が入賞して、大当たり遊技状態後が、確変遊技状態になる可能性がある。
【0016】
すなわち、制御部における抽選だけではなく、遊技球がアタッカに入賞するか否かによって、最終的に確変遊技状態が発生するか否かが決定することになり、確変遊技状態になるか否かに遊技者の遊技球の発射操作が影響することになり、遊技者の興趣が高められることになる。
【0017】
また、確変遊技状態とするか否かの決定において、一度確変大当たりが発生した場合に、所定の大当たり回数になるまで、連続的に確変大当たりを発生し、大当たり回数が所定回数になった場合に通常大当たりを発生させる遊技機も知られている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、確変大当たりの連続回数が限度(リミット)になるまで、確変大当たりが連続するリミッタ機能付きのパチンコ遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−132272号公報
【特許文献2】特開2011−234925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところで、上述の最終ラウンドにおいてアタッカに遊技球が入賞するか否かで、大当たり遊技状態後の状態を通常遊技状態にするか確変遊技状態にするかを決定するパチンコ遊技機においては、上述ショート状態におけるアタッカの開放時間を短くし過ぎてしまうと、最終ラウンド中にアタッカに遊技球が入賞する可能性が低くなりすぎてしまい、抽選で確変大当たりと、通常大当たりとが決定する場合と、同様の遊技となってしまう恐れがある。
【0020】
したがって、ショート状態でも最終ラウンド中にアタッカに遊技球が入賞する場合が、何回かに一度の大当たり遊技状態で発生するようにショート状態におけるアタッカの開放時間を設定する必要がある。
【0021】
しかし、アタッカ周囲の釘調整で、アタッカが開放した状態での遊技球の入賞率が低くされてしまうと、ショート状態におけるアタッカの開放時間を少し長くしても、ショート状態の最終ラウンド中にアタッカに遊技球が入賞しない可能性がある。この場合に、抽選で確変大当たりと、通常大当たりとが決定する場合と、同様の遊技となってしまう恐れがある。
【0022】
すなわち、アタッカの最終ラウンドの開放時間がロング状態とショート状態の2種類しかないため、確変大当たりと、通常大当たりとを抽選で決定する遊技機との差異が少なく遊技性に大きな変化がない。
【0023】
上述のリミッタ機能を有するパチンコ遊技機では、確変遊技状態を連続して発生させることができるのに対応して、最終ラウンドの際にアタッカに遊技球が入賞するか否かで、大当たり遊技状態後の状態を確変遊技状態にするか否かを決定するパチンコ遊技機において、確変遊技状態中に大当たりが発生した場合のショート状態の抽選確率を極めて低くすることにより、確変遊技状態中に大当たりとなった場合はほとんどの場合にロング状態になる設定とすると、確変遊技状態中の大当たりによる大当たり遊技状態の最終ラウンドのアタッカの開放時間が長くなり、高い確率で確変遊技状態が発生することになる。
【0024】
この場合には、確変遊技状態中の大当たりが極めて高い確率で確変大当たりとなる設定と同様に、確変遊技状態が長い期間に渡って連続してしまう可能性があり、遊技者に有利に成り過ぎてしまう。
【0025】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたものであり、当たりを決定する抽選の確率を低確率状態とするか高確率状態とするかを、遊技球が特定領域を通過するか否かで決定する場合に、高確率状態の連続回数を抽選で決定可能にするとともに、特定領域を遊技球が通過する通過率を抽選で変更可能にする遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入賞可能な始動入賞口と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が通過可能な特定領域と、
前記遊技盤に設けられ、前記特定領域の遊技球の通過率に影響を与える動作が可能な可動部材を備え、複数の動作の仕方から一つの動作の仕方を選択して前記可動部材を動作させることにより遊技球の前記特定領域の通過率を変更可能な通過率変更手段と、
前記始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて開始されるゲームの当たりまたははずれを抽選により決定する当たり抽選手段と、
前記当たり抽選手段による抽選結果としての前記ゲームの当たりまたはずれを示す図柄を表示することにより、前記ゲームの当たりまたはずれを報知する図柄表示手段と、
前記当たり抽選手段の抽選により前記ゲームが当たりになる当たり抽選確率を、当該当たり抽選確率が低い低確率状態と、前記低確率状態の当たり抽選確率よりも当たり抽選確率が高い高確率状態とのいずれかの確率状態にする確率状態制御手段と、
所定条件が成立するとともに、前記当たり抽選手段により前記ゲームの当たりが決定した後の第1所定期間に、遊技球が前記特定領域を通過した場合に、前記第1所定期間後の第2所定期間中の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を前記高確率状態にする高確率状態決定手段と、
前記当たり抽選手段により前記ゲームが当たりとなることが決定され、かつ、前記高確率状態決定手段により第2所定期間中は前記高確率状態になることが決定された後から、前記所定条件が成立せずに、前記ゲームが当たりになることが決定される当たり決定回数が設定された限度回数になるまで、各回の当たりが決定された後の前記第2所定期間中の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を前記高確率状態にすることを可能にする高確率状態連続回数制御手段と、
前記当たり抽選手段により前記ゲームの当たりが決定される場合に、前記図柄表示手段に表示される前記ゲームの当たりを示す図柄の種類を抽選により決定する図柄決定手段とを備え、
前記図柄の各種類には、前記高確率状態連続回数制御手段で用いられ、複数の設定された前記限度回数のいずれかが割り付けられるとともに、前記通過率変更手段で実行される前記可動部材の設定された複数の前記動作の仕方のいずれかが割り付けられ、かつ、少なくとも図柄の種類の一部では、前記図柄の種類に割り付けられる前記限度回数が大きいほど、前記通過率が低い前記可動部材の動作の仕方が割り付けられ、
前記図柄決定手段が前記図柄の種類を決定することにより、前記限度回数と前記可動部材の動作の仕方とを決定することを特徴とする。
【0027】
また、前記遊技領域には、第1大入賞口および前記特定領域として第2大入賞口が設けられ、
前記遊技領域には、前記始動入賞口として第1始動入賞口および第2始動入賞口とが互いに離間して設けられ、
前記第2始動入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞困難な閉状態とに変動可能な開閉部材を備え、前記開閉部材が前記低確率状態の場合に比較して前記高確率状態の場合に高い確率で開状態になる可変入賞装置が設けられ、
前記第1大入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞できない閉状態とに変動可能な第1開閉部材を備え、通常時に閉状態に保持され、前記第1始動入賞口および第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりとなった場合に設定回数だけ開状態となって閉状態に戻る開閉動作を繰り返す第1特別可変入賞装置が設けられ、
前記第2大入賞口には、遊技球が入賞容易な開状態と、遊技球が入賞できない閉状態とに変動可能な前記可動部材としての第2開閉部材を備え、通常時に閉状態に保持され、前記ゲームが当たりとなり、かつ、第1特別可変入賞装置の前記開閉動作の回数が所定回目になる場合に、第1所定期間になるものとして、第1特別可変入賞装置に代えて開状態となって閉状態に戻る開閉動作を行う前記通過率変更手段としての第2特別可変入賞装置が設けられ、
前記第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりとなる場合に前記所定条件が成立したものとして、前記図柄決定手段が前記図柄の種類を決定し、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて開始される前記ゲームが当たりになることが決定された場合に、前記所定条件が成立しなかったものとして、前記可動部材である前記第2開閉部材の前記動作の仕方として、前記第1所定期間における前記第2特別可変入賞装置の前記第2開閉部材が開状態になっている期間である第2開期間を、第1所定期間中に遊技者が所定の遊技方法で遊技を行う場合にほぼ100%の確率で前記特定領域としての第2大入賞口に遊技球が入賞して通過する時間に設定することにより、前記限度回数の範囲内で、前記ゲームの当たり後の前記第2所定期間の前記確率状態制御手段に制御される前記確率状態を高確率状態にすることを可能にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいてゲームが行われるとともに、ゲームの当たりまたははずれが抽選により決定される。
また、ゲームが当たりとなった場合に、第1所定期間中に遊技球が特定領域を通過すれば、第2所定期間において、ゲームが当たりとなる抽選確率が高められた高確率状態が発生する。
【0029】
また、当たり後に高確率状態となり、かつ、その後の当たりで所定条件が成立しない場合に、当たりとなる回数が限度回数になるまで、当たり後が高確率状態になる。
また、限度回数は、所定条件が成立する当たりの場合に、抽選で決定される。
【0030】
したがって、所定条件が成立する当たりとなった際に、上述の限度回数が抽選で決定され、さらに第1所定期間中に遊技球が特定領域を通過することで、高確率状態となった場合は、それ以後は、当たり回数が抽選で決定された限度回数になるまで、当たり後の第2所定期間が高確率状態になる。
【0031】
また、所定条件が成立する当たりの場合には、通過率変更手段の可動部材の動作の仕方が通過率抽選により決定される。この可動部材の動作の仕方を変えることによって、第1所定期間中に遊技球が特定領域を通過する確率である通過率が変更される。
したがって、特定領域を遊技球が通過するか否かの確率である通過率が抽選により決定されることになる。
【0032】
以上のことから、高確率状態となるか否かが、当たり決定後の第1所定期間中に遊技球が特定領域を通過するか否かで決まる遊技機において、特定領域を通過する通過率を複数段階の通過率から抽選で決めることができるとともに、一度高確率状態となった場合に、それ以後の当たりで高確率状態が連続して発生するようにすることができ、かつ、その連続回数を抽選で決定できる。
【0033】
したがって、特定領域の通過率を例えば多くの段階の通過率から決定できるようにするとともに、高確率状態の連続回数を多くの段階から決定できるようにすることによって、高確率状態の連続回数が異なる複数種の当たりが発生するとともに、高確率状態となる確率が異なる複数種の当たりが発生することになり、当たりの種類が多様になり、遊技を多彩なものとして、遊技者の興趣を高めることができる。
【0034】
また、高確率状態の連続回数は、抽選で決定される限度回数で制限され、かつ、最初の確率状態が発生するか否かは、抽選で決定される可動部材の動作の仕方に基づく、特定領域の通過率により制限されるので、高確率状態が連続するものとしても、遊技者に有利になりすぎるのを防止できる。また、偶発的に高確率状態が極めて多くの回数に渡って連続してしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤上の遊技領域を示す正面図である。
図2】前記パチンコ遊技機の制御係を示すブロック図である。
図3】前記パチンコ遊技機の主制御装置で行われる限度回数およびアタッカ開放時間抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図4】前記パチンコ遊技機の主制御装置で行われるアタッカ開放時間制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、このパチンコ遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域2を備える遊技盤1を有する。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、当たり抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当りおよびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
【0037】
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、後述の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
【0038】
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に特図を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲームと、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲームとがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、同時に行われることがなく、後述の変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが開始可能な場合に、第1変動表示ゲームではなく、第2変動表示ゲームが開始される。言い換えれば、開始可能な第2変動表示ゲームが後述のように保留されている場合に、第1変動表示ゲームの開始条件が成立しない。また、装飾図柄の変動表示ゲームは、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームのうちの実行されている第1または第2変動表示ゲームと略同時に表示されるとともに、実行されている第1または第2変動表示ゲームと同じ結果になる実質的に同一のゲームである。
【0039】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の右上側の第1始動入賞口52から離間した位置に第2始動入賞口54を備えた所謂電チューと呼ばれる普通可変入賞装置(可変入賞装置)5が設けられている。
この普通可変入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し難い可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。なお、閉じた状態の2つの可動片51,51の間には、遊技球が通過可能な遊技球の直径より少し広い間隔が開けられているが、この例では、閉じた可動片51,51の直上に遊技釘81があり、可動片51,51が閉じた状態で遊技球が入賞できないようになっている。
【0040】
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a(図2に図示)が設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b(図2に図示)が設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。これら第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり判定に用いられる乱数は、後述のハード乱数発生回路14eで生成されたハード乱数が用いられる。
【0041】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の保留数の表示が行われる保留数表示領域31a、31bが設定されている。主制御装置14では、第1始動球検知センサ53aから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第1保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第1保留数が保留数表示領域31aにマークの数として表示される。
【0042】
同様に、主制御装置14では、第2始動球検知センサ53bから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第2保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第2保留数が保留数表示領域31bにマークの数として表示される。なお、後述のように保留数は、状態表示装置9でも表示される。
【0043】
第1始動入賞口52の下方に、第1大入賞口(特定領域)61aを有する第1特別可変入賞装置(第1アタッカ:通過率変更手段)6aが設けられている。この第1アタッカ6aには、第1大入賞口61aを開閉する第1可動扉(第1開閉部材)62aが備えられ、通常遊技状態では第1可動扉62aが遊技球を第1大入賞口61aに流入させないように立って閉じた閉状態であり、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり大当たり遊技状態(特別遊技状態)が発生した場合に遊技球が流入し易いように第1可動扉62aが前に略水平に倒れて開いた開状態になる。この場合に、第1可動扉51aは、所定ラウンド数から1だけ減算したラウンド数だけ開閉を繰り返す。また、第1大入賞口61aには、第1大入賞口61aに入賞した遊技球を検知する第1大入賞球検知センサ63a(図2に図示)が設けられている。
【0044】
普通可変入賞装置5の下方に、第2大入賞口(特定領域)61bを有する第2特別可変入賞装置(第2アタッカ:通過率変更手段)6bが設けられている。この第2アタッカ6bには、第2大入賞口61bを開閉する第2可動扉(可動部材:第2開閉部材)62bが備えられている。通常遊技状態では第2可動扉62bが遊技球を第2大入賞口61bに流入させないように立って閉じた閉状態であり、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり大当たり遊技状態(特別遊技状態)が発生した場合に、所定の1ラウンド(例えば、最終ラウンド)だけ遊技球が流入し易いように第2可動扉62bが前に略水平に倒れて開いた開状態になる。また、第2大入賞口61bには、第2大入賞口61bに入賞した遊技球を検知する第2大入賞球検知センサ63b(図2に図示)が設けられている。
【0045】
第1及び第2大当たり遊技状態では、第1特別可変入賞装置6aが閉状態から開状態になって再び閉状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、所定ラウンド数より1ラウンド少ない回数だけ行うようになっている。パチンコ遊技機によって異なる場合があるが、所定ラウンド数が2〜16程度になっている。なお、ラウンド数は、大当りの種類によって異なる場合がある。それに対して、第2特別可変入賞装置6bは、大当たり遊技状態において、一回だけ所定のラウンド(例えば、最終ラウンド等)の際に開閉動作を行う。
【0046】
可変表示装置3の右側方には、普通図柄(普図と略す)ゲート(始動通過口:スルーチャッカ)7が設けられている。また、普図ゲート7には、普図ゲート7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ71(図2図示)が設けられ、通過球検知センサ71は遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通可変入賞装置5を開状態とする当たりと、普通可変入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(開放ゲーム)をLED表示装置である普図表示装置8で表示することにより報知される。
【0047】
普図ゲームが当たりになった場合に、普通可変入賞装置5が開放し、第2始動入賞口54への遊技球の入賞率が高まり、第2変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11(図2図示)がそれぞれ設けられている。
【0048】
また、遊技盤1には、大当たり遊技状態(特別遊技状態)の際の大当たりの種類に基づくラウンド数、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの保留数、また、これら保留数と同様に求められる普図の変動表示ゲームの普図保留数(開放保留数)等を表示するとともに、普図表示装置8を備えた状態表示装置9(図2に図示)が設けられている。
【0049】
なお、普図保留数は、主制御装置14により、普図ゲート7を遊技球が通過して、通過球検知センサ71から主制御装置14に通過球検知信号が入力した際に、上限になる数(例えば、4)の範囲で、1加算され、普図の変動表示ゲームが開始されると1減算される。なお、普図の表示ゲームの開始条件は、普図の変動表示ゲームおよび普通可変入賞装置5の開放が行われていない状態で普図保留数が1になるか、はずれになる普図の変動表示ゲームが終了した際、または、当たりになる普図の変動表示ゲームが終了して普通可変入賞装置5が開放し、その開放が終了した際に普図保留数が1以上の場合である。
【0050】
また、特別可変入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘81(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0051】
次に、パチンコ遊技機の制御系を図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(副基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16の各装置に電力を供給する電源供給装置18とから構成されている。電源供給装置18は、遊技店に設けられた遊技機外のAC24V電源21に接続され、交流を直流に変換して電力を供給する。
【0052】
主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、ROM14bから読み出したプログラムを実行可能に記億するとともに、プログラムの実行に基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや、同期用のクロック(周波数)信号を出力するクロック14dや、変動表示ゲームの大当たり判定に用いる乱数(擬似乱数)を発生するハード乱数発生回路14e等が備えられている。
【0053】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動球検知センサ53a,53b、第1および第2大入賞球検知センサ63a,63b、通過球検知センサ71、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、パチンコ遊技機におけるエラー(例えば、磁気検知、電波検知等)を検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0054】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、外部情報端子基板40が接続されており、この外部情報端子基板40を介して各種データを遊技機外のホールコンピュータ20に出力可能になっている。ホールコンピュータ20は、各遊技機からのデータを集中管理し、各遊技機の稼動状況を出力可能になっている。
【0055】
また、主制御装置14には、副制御部16のサブ制御装置30、主制御部15の払出制御装置22等が接続され、これらに対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
サブ制御装置30は、可変表示装置3における画像表示を制御する図柄制御部、演出用の後述のランプ(LED)の点灯及び消灯を制御するランプ制御装部、各種音声、効果音、音楽等の出力を制御する音声制御部としての機能を有する。
また、払出制御装置22は、賞球としての遊技球の払い出しの制御を行う払出制御部としての機能と、遊技領域2への遊技球の発射を制御する発射制御部としての機能を有する。
【0056】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示装置4a,4bと普図表示装置8と状態表示装置9が接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示装置4a,4bにおける第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの表示制御と、普図表示装置8における普図の変動表示ゲームの表示制御と、状態表示装置9における上述の各種の状態を示すLEDの表示制御とを行う。
【0057】
また、主制御装置14には、普通可変入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55が接続されている。また、主制御装置14には、第1特別可変入賞装置6aの第1可動扉62aを駆動する第1特別可変入賞駆動装置64aが接続されている。また、主制御装置14には、第2特別可変入賞装置6bの第2可動扉62bを駆動する第2特別可変入賞駆動装置64bが接続されている。この主制御装置14が、普通可変入賞装置5、第1特別可変入賞装置6aおよび第2特別可変入賞装置6bの開閉動作を制御する。
【0058】
主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動球検知センサ53a,53b、第1及び第2大入賞球検知センサ63a,63b、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行なう。
【0059】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ71から遊技球の検知信号が入力した場合に、普図保留数が上限未満ならば、上述の普図保留数に1加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、乱数を記憶する。なお、この乱数は、主制御装置14で生成されるソフト乱数である。また、主制御装置14は、上述の所定の開始条件にしたがって普図ゲームを開始し、普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、この決定に基づいて当たりまたははずれになる普図ゲームを普図表示装置8に表示する。
【0060】
また、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、上述の第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行う。また、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶する。
【0061】
なお、当たり判定乱数は、上述のハード乱数を用い、その他は上述のソフト乱数を用いる。なお、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のためにサブ制御装置30にコマンドを出力する。
【0062】
主制御装置14で設定されている第1変動表示ゲームの所定の開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、第1特別可変入賞装置6aまたは第2特別可変入賞装置6bを開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が0で、第1保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第1始動入賞信号が入力して第1保留数が1になった場合(第2保留数は0)である。
【0063】
主制御装置14で設定されている第2変動表示ゲームの開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、第1特別可変入賞装置6aまたは第2特別可変入賞装置6bを開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第2始動入賞信号が入力して第2保留数が1になった場合である。
【0064】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合に、普通可変入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55を制御して普通可変入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになった場合には、第1または第2特別可変入賞装置6bの第1または第2可動扉62a、62bの第1または第2特別可変入賞駆動装置64a,64bを制御して所定の条件に基づいて第1または第2特別可変入賞装置6a,6bを閉状態から開状態に可変させて大当たり遊技状態を発生させる制御を行う。
【0065】
また、当たり抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、確率状態制御手段としての主制御装置14は、大当りとはずれとのいずれかを示す第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを順次表示する際に、確変遊技状態等の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を低確率状態より高い高確率状態へ移行し、通常遊技状態の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を高確率状態より低い低確率状態に移行する移行制御を行う。また、主制御装置14は、高確率状態としての確変遊技状態となった際に、上述の電サポ状態にする。
【0066】
また、副制御部16のサブ制御装置30は、制御装置としてCPU30a、ROM30b、RAM30c等を備える。このサブ制御装置30は、図柄制御部として可変表示装置3を制御するものであり、可変表示装置3がグラフィックプロセッサ38を介して接続されている。
主制御装置14により決定された各大当りおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、サブ制御装置30により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。
【0067】
また、サブ制御装置30は、ランプ制御部として遊技盤1の盤面に設けられた盤面ランプ32と、パチンコ遊技機のガラス扉に設けられたガラス扉ランプ33とが接続され、これら盤面ランプ32、ガラス扉ランプ33としてのLEDの点灯や消灯による演出を制御する。
【0068】
また、サブ制御装置30は、音声制御装部としてサウンドプロセッサ34およびアンプを介してスピーカ35が接続され、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0069】
また、サブ制御装置30には、パチンコ遊技機の上皿の近傍等に設けられた演出ボタン36が接続され、演出ボタン36が有効な状態で演出ボタン36が操作された場合に、演出ボタン36(スイッチ)からのオン信号がサブ制御装置30へ送られ、サブ制御装置30が演出ボタン36が操作された場合のために用意されている演出用の画像表示や音声出力を制御する。
また、遊技盤1に演出可動役物が設けられる場合に、サブ制御装置30は、この演出可動役物を作動させる演出可動役物駆動装置37を制御することにより、演出可動役物による遊技演出を制御する。
【0070】
払出制御装置22は、制御装置としてCPU22a、ROM22b、RAM22c等を備える。この払出制御装置22は、払出制御部として、払出装置29が接続され、上述のように遊技球の入賞に基いて、主制御装置14から出力されるコマンドに対応して払出装置29を制御して、賞球を払い出す制御を行う。
【0071】
また、払出制御装置22には、ガラス扉および遊技盤1を収納する内枠の開放を検知する扉開放スイッチ41、払い出された遊技球を保持する皿(例えば、上皿や下皿)に溜まった遊技球が満タンになったことを検知する皿満タンスイッチ42が接続され、これら扉開放スイッチ41、皿満タンスイッチ42からの信号に基づき、払出装置29からの払出や、発射装置からの遊技球の発射が制限される。
【0072】
また、払出制御装置22は、払出装置29から払い出される遊技球の数を計数する払出計数スイッチ43が接続され、実際に払い出された遊技球の数が計数され、この計数結果に基いて払い出すべき遊技球が払い出されるように払出装置29を制御する。
【0073】
また、払出制御装置22には、中継基板23が接続され、この中継基板23に、遊技機外に設けられて、挿入されたプリペイドカード(記録媒体)のデータを読み込んで遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット28が接続されている。
また、この中継基板23には、遊技機の例えば、上皿の近傍に設けられる球貸スイッチ24、返却スイッチ25、度数表示装置26、球貸表示装置27が接続されている。
【0074】
度数表示装置26には、CRユニット28に読み込まれたプリペイドカードに記億されて遊技球に変換可能な度数が表示される。度数に残りがある状態で、球貸スイッチ24が操作されると払出制御装置22の制御により、度数の範囲内の設定された度数に対応する数の遊技球が払い出される。球貸表示装置27では、遊技球が払い出される際にLEDが点灯する。度数表示装置26に表示される度数に残りがある状態で、返却スイッチ25が操作されると、CRユニット28に挿入されたプリペイドカードが返却される。
【0075】
また、払出制御装置22は、発射制御部として遊技球発射装置を駆動する発射駆動装置39と、遊技球発射装置の遊技球の発射位置に遊技球を送る球送り装置を駆動する球送り駆動装置47が接続されている。これら球送り駆動装置47および発射駆動装置39を作動させることによって、上皿から供給される遊技球を遊技領域2に向けて発射する制御を行う。
【0076】
また、発射制御部としての払出制御装置22には、遊技球の発射を操作するためのハンドル操作に基いて、発射駆動装置39に供給される電力を変更するための発射ボリューム44が接続され、遊技者のハンドル操作により発射ボリューム44が調整されることにより遊技球発射装置から発射される遊技球の発射勢が調整される。
【0077】
また、払出制御装置22には、発射停止スイッチ45、タッチセンサ46が接続され、発射停止スイッチ45が操作された場合と、タッチセンサ46で操作者の手のタッチが検知されない場合に、球送り駆動装置47および発射駆動装置39を停止することにより、遊技球の発射を停止する。
また、払出制御装置22は、外部情報端子基板40を介してホールコンピュータ20にデータを出力可能に接続されている。
【0078】
このような遊技機の制御系において、主制御装置14では、上述のように第1始動入賞信号が入力された場合、または、第2始動入賞信号が入力された場合に、乱数の取得処理が行われる。主制御装置14は、ハード乱数発生回路14eから第1および第2変動表示ゲームの大当たりの抽選用のハード乱数を取得するとともに、その他の抽選用のソフト乱数を生成して取得する。なお、始動入賞信号が入力された際に、上述の対応する保留数が上限未満の場合に乱数を取得するが、対応する保留数が上限の場合には、乱数を取得しない。
【0079】
また、主制御装置14は、上述のように取得した乱数をRAM14cに記憶し、この乱数に対応する変動表示ゲームの開始条件が成立し、記憶された乱数による抽選処理が行われた場合に乱数消去条件が成立したものとして乱数を消去し、第1または第2変動表示ゲームに用いた第1または第2保留数が一つ減算される。
【0080】
主制御装置14は、変動表示ゲーム開始の際に、上述のように取得された乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を用いて第1および第2変動表示ゲームを表示するための抽選処理を行う。抽選処理においては、まず、当否抽選処理として、当たり判定乱数と、設定されている当たり判定テーブル(低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブル)に記憶された当たり判定値(抽選要素)とを比較する。主制御装置14のROM14bには、当たり判定テーブルが記憶されている。
【0081】
当たり判定値は、当たり判定乱数になる所定範囲の数値(整数)のうちから予め決められた数値であり、大当り確率は、(当たり判定値の数)/(当たり判定乱数になる所定範囲の数値の個数)になる。また、当たり判定値には、当たり確率が低確率になる通常時の低確率判定テーブルに記憶された当たり判定値と、確変決定後の高確率時の高確率判定テーブルに記憶された当たり判定値とがあり、通常時(低確率時)の当たり判定値の数に対して、高確率時の当たり判定値の数が例えば約10倍多く設けられている。これにより、低確率時に対して高確率時の大当り確率が例えば約10倍に設定されている。
【0082】
取得された当たり判定乱数の数値と、当たり判定値とが一致した場合に、大当りになり、一致しない場合にはずれになる。
また、低確率判定テーブルを用いるか、高確率判定テーブルを用いるかは、上述のように制御される確率状態が高確率状態か低確率状態かにより、主制御装置14で決定される。
大当りと判定された場合には、主制御装置14により、大当たりになる変動表示ゲーム終了後に大当たり遊技状態が発生する。
【0083】
当否判定処理の次に、停止図柄抽選処理が行われる。図柄乱数は、第1および第2特図表示装置4a,4bに停止表示される停止図柄(特図)の種類を決定するものであるが、変動表示ゲームがはずれの場合には、はずれに対応した例えば一種類の特図が決定される。大当りの場合には、各大当りの種類にそれぞれ対応して複数種類ずつの特図が設定され、これら特図から一つの特図が抽選で選択される。
【0084】
なお、この実施形態では、大当たりの種類として、確変大当たりおよび通常大当たりという設定がない。第1変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)が第1大当たり(第2大当たり)になった場合の第1大当たり状態(第2大当たり状態)後の遊技状態が確変遊技状態(高確率状態+電サポ状態)になるか、通常遊技状態(低確率状態+非電サポ状態)になるかは、大当たり遊技状態における所定回目の第1所定期間としてのラウンド(例えば、初回のラウンド、最終回のラウンド等)中に開閉する第2アタッカ6bに遊技球が入賞して、この遊技球が第2大入賞球検知センサ63bに検知される領域(特定領域)を通過して、第2大入賞球検知センサ63bから第2大入賞信号が高確率状態決定手段としての主制御装置14に出力された場合に、大当たり遊技状態後の第2所定期間の遊技状態を確変遊技状態にすることが決定される。なお、第2所定期間は、大当たり遊技状態終了後から次の大当たり遊技状態開始まである。
【0085】
また、所定回目のラウンド中に遊技球が第2アタッカ6bに入賞しない場合には、大当たり遊技状態後の遊技状態が通常遊技状態になる。なお、所定回目のラウンド以外のラウンドでは、第1アタッカ6aが開閉動作する。
すなわち、確変遊技状態になるか否かの決定は、変動表示ゲーム開始時の大当たり判定の際の図柄抽選で選択される大当たりの種類で決定するのではなく、大当たり遊技状態中の所定ラウンドで第2アタッカ6bに遊技球が入賞するか否かで決定する。
【0086】
なお、一般的なデジパチでは、アタッカの各ラウンドにおける開放時間が30秒近い時間に設定されている。この時間は、遊技者が遊技球を、アタッカを狙える発射勢で発射した場合に、10個以上の遊技球を入賞させられる時間である。なお、アタッカは、所定の開放時間が経過しなくとも、例えば、遊技球が所定数(例えば、10個)入賞すると閉になる。
【0087】
この実施形態では、第1変動表示ゲームの第1大当たりの種類によって、所定ラウンドにおける第2アタッカ6bの開放時間(開期間)が異なるものとなっている。この開放時間によって、特定領域の通過率が異なるようになっている。
【0088】
また、この実施形態では、第1変動表示ゲームで第1大当たりとなった後の第1大当たり遊技状態後の遊技状態が確変遊技状態になると、遊技盤1の遊技領域2の可変表示装置3の右側に配置された普通可変入賞装置5が上述の電サポ状態になる。この状態で、遊技領域2にこの遊技領域2の上部の左側から右に向かって流入する遊技球の発射勢を強めて、遊技球を遊技領域2の右側に流下させる所謂右打ちを行うと、普通可変入賞装置5の第2始動入賞口54に遊技球が頻繁に入賞するようになる。なお、右打ちすると、第1始動入賞口52への入賞率が下がる。
【0089】
また、右打ちしないと、普図ゲームの開始条件になる普図ゲート7を遊技球が通過せず、普図ゲームが行われず、電サポ状態であっても普通可変入賞装置5が頻繁に開放する状態にならない。したがって、確変遊技状態中に最大限の賞球を得るためには、右打ちする必要がある。また、第2アタッカ6bへの入賞率も通常の打ち方より発射勢が強い右打ちを行った方が高くなり、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の所定ラウンドで確実に第2アタッカ6bに遊技球を入賞させて確変を決定するためには、右打ちすることが好ましい。
【0090】
また、上述のように第2始動入賞口54に遊技球が入賞することにより開始される第2変動表示ゲームが、上述のように第1変動表示ゲームより優先されることから、確変遊技状態では、高い確率で第2変動表示ゲームが連続して行われ、第1変動表示ゲームが行われる確率が低くなっている。この第2変動表示ゲームが第2大当たりとなると、第2大当たり遊技状態が発生する。第2大当たり遊技状態では、第1アタッカ6aが所定ラウンド数から1減算した回数だけ開閉を繰り返し、所定回目のラウンドで第2アタッカ6bが1回だけ開閉動作することになる。第2変動表示ゲームの大当たりの種類は1つとなっており、所定回目のラウンドにおける第2アタッカ6bの開放時間(第2開期間)が遊技球を右打ちしていれば略100%の確率で、第2アタッカ6bに入賞する時間、例えば29秒にされている。
【0091】
したがって、確変遊技状態になると、高い確率で第2変動表示ゲームだけが実行されて、第2変動表示ゲームが第2大当たりになり、第1アタッカ6a(所定回目のラウンドだけ第2アタッカ6b)が開閉を繰り返す大当たり遊技状態になる。この大当たり遊技状態の所定回目のラウンドにおいて、高い確率で遊技球が第2アタッカ6bに入賞し、大当たり遊技状態後の遊技状態が再び確変遊技状態になる。
【0092】
したがって、一度確変遊技状態になると、極めて高い確率で大当たり毎に確変遊技状態になることが繰り返されることになる。
この場合に、確変遊技状態の連続し続けるのを防止するために、限度回数が設定されており、確変遊技状態を発生させる当たりの回数が限度回数目になると、所定回目のラウンドで遊技球が第2アタッカ6bに入賞しても、大当たり遊技状態後の遊技状態が確変遊技状態にならずに通常遊技状態になる。例えば、限度回数が5の場合に、第1変動表示ゲームの第1大当たりになった際に、上述のように特定領域を遊技球が通過して開始された確変遊技状態を1番目の確変遊技状態とし、その後第2変動表示ゲームで1回から4回までの大当たりが発生する間、大当たり遊技状態後の遊技状態が確変遊技状態になる。次に、第2変動表示ゲームとして5回目の大当たりが発生した場合には、所定回数目のラウンドで第2アタッカ6bに遊技球が入賞したか否かにかかわらず、この大当たり遊技状態後の遊技状態を通常遊技状態にする。
【0093】
この限度回数は、固定ではなく変化するようになっており、第1変動表示ゲームで大当たりとなった際に停止表示される特図に対応する大当たりの種類によって、限度回数が決定される。すなわち、この実施形態では、第1変動表示ゲームの第1大当たりの種類毎に、限度(リミッタ)回数と、第1大当たり遊技状態における第2特別可変入賞装置6bの所定ラウンド(例えば、最終ラウンド)における可動扉62aの開放時間との組み合わせが設定されている。例えば、表1に示すように、各大当たりの種類毎に、複数の特図(特図群)が割り当てられ、複数の特図からなる各特図群には、それぞれ上述の限度回数と所定ラウンドにおける第2特別可変入賞装置6bの開放時間とが割り付けられることになる。
【0094】
【表1】
【0095】
この実施形態では、一例として、第1変動表示ゲームの大当たりの種類が表1に示すように例えば5つに設定されている。
一番目の大当たりの種類は、第1変動表示ゲームの終了時に、複数の特図(例えば、特図表示装置4aの各セグメントの点灯と消灯の組み合わせからなる図柄)からなる特図群Aのうちの一つの特図が停止表示される大当たりで、限度回数が3とされ、第2アタッカ6bの開放時間が5秒で特定領域(第1大入賞口61a)の通過率が50%とされるものである。
【0096】
同様に、各大当たりの種類に、複数の特図(特図群)が割り当てられるとともに、限度回数および第2アタッカ6bの開放時間(特定領域の通過率)が割り当てられる。これにより、当たりの種類によって、限度回数が3,5,7,10のいずれかになり、所定ラウンドの第2アタッカ6bの開放時間が2,3,4,5、29秒のいずれかになるが、基本的に限度回数が小さいものほど、長い開放時間が割り当てられる。なお、各開放時間に対応する通過率は、例えば、試し打ちなどにより実験的に求められる。また、開放時間の設定においては、出玉の量を考慮して、通過率を予め設定し、当該通過率に近い通過率になりやすい開放時間を実験的に決定する。
【0097】
但し、限度回数が最も多い10の場合には、最短の開放時間が割り当てられる場合と、最長の開放時間が割り当てられる場合がある。また、最大の限度回数で、最長の開放時間が割り当てられる特図群Eに含まれる特図は、その抽選により選択される確率が低くなっている。すなわち、特図群Eに含まれる特図に割り振られる上述の判定値の数が他の特図群の特図に割り当てられる判定値の数より少なくされており、特図群Eの特図で決定される大当たりの種類は、発生する確率が低いが極めて遊技者に有利になる特別な大当たりの特図になる。
【0098】
大当たりになる変動表示ゲームで停止表示される特図の抽選に際しては、図柄抽選用のデータテーブルとしての図柄テーブルが用いられ、図柄テーブルには、各大当りに対応してそれぞれ複数の特図が記憶されるとともに、各特図に関連付けて抽選確率に対応した数の判定値(図柄乱数に成り得る数値)が記憶されている。抽選に際しては、図柄乱数と一致する判定値に対応する図柄が選択される。また、図柄テーブルには、第1変動表示ゲーム用と第2変動表示ゲーム用とがあり、発生する大当たりの種類や、各種類の大当たりの発生率等を異ならせることが可能になっている。
【0099】
第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図が決定すると、上述のように、この第1特図が含まれる特図群に対応する上述の限度回数と第2アタッカ6bの所定ラウンドにおける開放時間が決定される。
第2変動表示ゲームでは、表2に示すように、第2大当たりの種類が一つとされている。したがって、第2大当たりの場合には、いずれの第2特図が抽選で選択されても大当たりの種類は同じになる。
【0100】
【表2】
【0101】
第2変動表示ゲームでは、限定回数が設定されないが、例えば、通常遊技状態で右打ちすると、第1変動表示ゲームで大当たりになって確変遊技状態になることなく、通常遊技状態から第2変動表示ゲームが大当たりになる可能性がある。この場合には、限定回数が設定されていない状態になるが、この場合に限り、限定回数を1として、通常遊技状態から大当たりになった第2変動表示ゲームに基づく大当たり遊技状態後の遊技状態を限定回数1として確変遊技状態とする。この確変遊技状態で第2変動表示ゲームが大当たりとなった場合には、限定回数が0になったものとして、その大当たりに対応する大当たり遊技状態で所定ラウンド中に第2アタッカ6bに遊技球が入賞してもその後の遊技状態を通常遊技状態にするものとしてもよい。
【0102】
以上のように、上述の複数(3以上)の限度回数および複数(3以上)の開放時間から一つずつの限定回数と開放時間を決定する抽選は、第1変動表示ゲームで大当たりになった場合にだけ行われ、第2変動表示ゲームでは大当たりになっても複数の限度回数から一つの限度回数を抽選で選択することがなく、複数の開放時間から一つの開放時間を抽選で選択することもない。すなわち、限度回数と開放時間を抽選で選択するか否かは、所定条件としての第1変動表示ゲームの大当たりが成立するか否かで決定される。したがって、第2変動表示ゲームで大当たりになった場合には所定条件が成立していないことになる。
【0103】
また、第2変動表示ゲームでは、いずれの第2特図で当たりになっても、同じ当たりの種類になり、所定ラウンドにおける第2アタッカ6bの開放時間が29秒にされ、遊技者が右打をすれば、略100%の確率で、第2アタッカ6bに遊技球が入賞して特定領域を通過して、確変が確定するようになっている。
【0104】
図柄抽選処理の次に、主制御装置14では、変動パターン(演出)抽選処理が行われる。
上述の演出乱数は、変動表示ゲームの変動表示時間を含む変動パターンを決定するものであり、はずれの場合にリーチになるか否か、また、リーチの場合に変動表示時間が短いノーマルリーチか、変動表示時間の長いスーパーリーチやプレミアムリーチになるか(リーチ演出の種類)を決定するものである。
【0105】
また、大当りの場合は、ノーマルリーチかスーパーリーチやプレミアムリーチなどのリーチの演出の種類を決定するものになる。なお、主制御装置14は、変動パターンの選択に際して、複数の変動パターンと、複数の変動パターンそれぞれに抽選確率の数に対応して関連付けられている判定値との組み合わせからなる変動パターンテーブルに従って抽選を行い、変動パターンを選択する。
【0106】
変動パターンテーブルは、例えば、大当り用と、はずれ用とがあり、変動パターンテーブル記憶手段としての主制御装置14のROM14bに記憶されている。各変動パターンテーブルでは、各変動パターン毎に判定値が割り当てられており、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数で、抽選確率が決定される。各判定値は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる整数であり、抽選確率は、演出乱数になる数値の範囲に含まれる全ての整数の個数を分母とし、各変動パターンに割り当てられた判定値の個数を分子とした数値である。
【0107】
変動パターンテーブルは、さらに、通常遊技状態用と、確変遊技状態などの電サポ状態用とに分けられる。基本的には、はずれの通常遊技状態用の変動パターンテーブルに比較して、はずれの電サポ状態用の変動パターンテーブルには変動表示時間が短い変動パターンが記憶されている。また、リーチになる変動パターンの場合に、短い変動表示時間のリーチが多くなるとともに、長いリーチ演出の場合には、スーパーリーチやプレミアムリーチになる演出が増加するようになっている。
【0108】
この実施の形態のパチンコ遊技機においては、図柄抽選処理により図柄を抽選で決定することで、表1および表2に示すデータテーブルを用いて、上述の限度回数と、第2アタッカ6bの所定ラウンドにおける開放時間が決定される。
この限度回数と開放時間を決めるための限度回数およびアタッカ開放時間抽選処理を図3のフローチャートを参照して説明する。この処理は、主制御装置14で極めて短い時間間隔で繰り返し行われる処理である。
【0109】
上述のように第1始動入賞口52に遊技球が入賞し(ステップS1)、かつ、第1保留数が上限以下の場合(ステップS2)に、第1変動表示ゲーム用の当たり乱数、図柄乱数、演出乱数を取得する(ステップS3)。
【0110】
また、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し(ステップS4)、かつ、第2保留数が上限以下の場合(ステップS5)に、第2変動表示ゲーム用の当たり乱数、図柄乱数、演出乱数を取得する(ステップS6)。
次に、第1変動表示ゲームが開始のタイミングの場合(ステップS7)に、上述の大当たりか否かを決める当たり抽選、第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図を決める第1図柄抽選、第1変動表示ゲームの変動パターンを決める演出乱数を用いた演出抽選を行う(ステップS8)。
【0111】
次に、上述の当たり抽選で大当たりになるか否を判定し(ステップS9)、大当たりにならない場合に処理を終了する。
大当たりの場合には、図柄抽選により、大当たりを示す第1特図が抽選で決定されているので、表1に示すように、この第1特図が含まれる特図群に関連付けられた限度回数と、第2アタッカ6bの所定ラウンドにおける開放時間を決定する(ステップS10)。
また、決定された限度回数と開放時間をRAM14cに記憶して処理を終了する。
【0112】
ステップS7で第1変動表示ゲームが開始のタイミングでない場合には、第2変動表示ゲームが開始のタイミングか否かを判定する(ステップS12)。第2変動表示ゲームが開始のタイミングでない場合には、処理を終了する。第2変動表示ゲームが開始のタイミングの場合には、上述の当たり抽選、第2図柄抽選、第2変動表示ゲームの変動パターンを決める演出乱数を用いた演出抽選を行う(ステップS13)。
【0113】
上述の当たり抽選で第2変動表示ゲームが大当たりになる場合(ステップS14)には、通過率略100%に対応する第2アタッカ6bの開放時間が設定される(ステップS15)。第2変動表示ゲームが大当たりになる場合には、基本的に、限定回数は設定されず、第1変動表示ゲームが大当たりの場合に設定された限度回数を第2変動表示ゲームで当たりが発生する度に1減算した値が限度回数にされる。なお、上述のように通常遊技状態から第2変動表示ゲームが大当たりになった場合には、限度回数が1とされて、一回だけ確変遊技状態が発生する。
【0114】
以上の処理により、第1変動表示ゲームが大当たりになる場合には、その第1変動表示ゲーム開始時に行われる各種抽選処理のうちの図柄乱数を用いた図柄抽選により、第1変動表示ゲームの最後に停止表示される第1特図が決定され、この第1特図が含まれる第1特図群に対応する限度回数、第2アタッカ6bの所定ラウンドにおける開放時間が設定される。
すなわち、主制御装置14は、限度回数を抽選で決定する限度回数抽選手段として機能するとともに、第2アタッカ6bの第2可動扉62bの開放時間を抽選により決定することで、特定領域としての第2大入賞口61bの遊技球の通過率を変更する通過率抽選手段として機能する。
【0115】
次に、図4に示すフローチャートを参照して、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態における第2アタッカ6bの開放時間の制御と、確変遊技状態の連続回数の制御とを行うための確変・非確変決定処理を説明する。この処理は、主制御装置14で極めて短い時間間隔毎に繰り返し行われる処理である。
【0116】
まず、現状の遊技状態が第1変動表示ゲームで大当たりになった後の第1大当たり遊技状態か否かを判定する(ステップS21)。
第1大当たり遊技状態の場合には、上述の所定ラウンドの開始のタイミングか否かを判定する(ステップS22)。所定ラウンドの開始のタイミングの場合には、上述のように決定された開放時間を開放タイマにセットする(ステップS23)。
【0117】
これにより、第1変動表示ゲームで当たりとなって第1大当たり遊技状態になった際に、所定ラウンドの第2アタッカ6bの開放時間が上述の図柄抽選により決定された開放時間になる。
【0118】
この開放時間がセットされた開放タイマをスタートさせるとともに、第2特別可変入賞駆動装置64bを作動させて第2アタッカ6bの第2可動扉62bを開放して(ステップS24)、第2大入賞口61bに遊技球が入賞可能な状態として処理を終了する。
【0119】
ステップS22に所定ラウンド開始のタイミングでない場合には、所定ラウンド中か否かを判定し(ステップS25)、所定ラウンド中でない場合には処理を終了する。所定ラウンド中の場合には、第2アタッカ6bに遊技球が入賞して第2大入賞球検知センサ63bから第2大入賞球検知信号が入力したか否かを判定する(ステップS26)。第2大入賞球検知信号が入力した場合には、遊技球が特定領域を通過したことになり、この第1当たり遊技状態後の遊技状態を確変遊技状態にすることを確定する(ステップS27)。
【0120】
次に、ステップS26で、第2アタッカ6bに遊技球が入賞したか否かにかかわらず、開放タイマの現在の値からこの一回の処理に係る時間に対応する所定値を減算して、開放タイマを進める(ステップS28)。
次に、開放タイマがタイムアップしたか否か、すなわち、開放タイマの値が0以下となったか否かが判定される(ステップS29)。
【0121】
開放タイマがタイムアップしていない場合には、処理を終了する。
開放タイマがタイムアップしている場合には、開放タイマがタイムアップするまでの間に確変遊技状態が確定しているか否かを判定する(ステップS30)。
確変遊技状態が確定していない場合には、確変遊技状態にならず、確変遊技状態が連続することもないので、上述のように第1変動表示ゲームの大当たりが確定する際に抽選で決定されてメモリにセットされた限度回数をリセットして0にする(ステップS31)。
【0122】
次に、開放タイマがタイムアップしているので、第2アタッカ6bを閉塞し、所定ラウンドを終了にして(ステップS32)、この処理を終了する。
ステップS21で、第1大当たり状態でない場合には、第2変動表示ゲームの大当たりに基づく第2大当たり状態の開始のタイミングか否かを判定する(ステップS33)。
第2大当たり遊技状態が開始されるタイミングの場合には、限度回数から1減算する(ステップS34)。
【0123】
すなわち、第1変動表示ゲームで第1大当たりになり、その第1大当たりに基づく第1大当たり遊技状態の所定ラウンドで第2アタッカ6bに遊技球が入賞することにより確定した限度回数を、確変遊技状態で発生する第2変動表示ゲームで当たりになって、大当たり状態が発生する度に0にまるまでカウントダウン(ディクリメント)していくことになる。
【0124】
ステップS33で第2大当たり遊技状態が開始のタイミングでない場合は、第2大当たり遊技状態中か否かを判定し(ステップS35)、第2大当たり遊技状態でない場合には、処理を終了する。第2大当たり遊技状態の場合には、所定ラウンド開始のタイミングか否かを判定する(ステップS36)。
【0125】
所定ラウンド開始のタイミングの場合には、開放時間に通過率100%に対応する開放時間、例えば、29秒をセットする(ステップS37)。次に、開放タイマをスタートさせるとともに、第2特別可変入賞駆動装置64bを作動させて第2アタッカ6bを開放し(ステップS38)、第2大入賞口61bに遊技球が入賞可能な状態として処理を終了する。
【0126】
ステップS36で所定ラウンドの開始タイミングでない場合には、所定ラウンド中か否かを判定し(ステップS39)、所定ラウンド中でない場合には処理を終了する。
所定ラウンド中の場合には、第2アタッカ6bに遊技球が入賞して第2大入賞球検知センサ63bから第2大入賞球検知信号が入力したか否かを判定する(ステップS40)。
第2大入賞球検知信号が入力した場合に、第2変動表示ゲームで大当たりが発生する度に1減算される限度回数が0より大きいか(1以上か)否かを判定し(ステップS41)、0より大きい場合(1以上の場合)に、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、この第2当たり遊技状態後の遊技状態を確変遊技状態にすることを確定する(ステップS42)。すなわち、限度回数が0になるまでは、略100%の確率で所定ラウンド中に、第2アタッカ6bに遊技球が入賞して確変遊技状態になるが、限度回数が0になった場合には、所定ラウンドで第2アタッカ6bに遊技球が入賞しても確変遊技状態にならない。これにより主制御装置14は、大当たり後の遊技状態が確変遊技状態になる回数が限度回数になるまで、大当たり後を確変遊技状態にする高確率状態連続回数制御手段として機能する。
【0127】
次に、ステップS40で、第2アタッカ6bに遊技球が入賞したか否かにかかわらず、開放タイマの現在の値からこの処理に係る時間に対応する所定値を減算して、開放タイマを進める(ステップS43)。
次に、開放タイマがタイムアップしたか否か、すなわち、開放タイマの値が0以下となったか否かが判定される(ステップS44)。
【0128】
開放タイマがタイムアップしていない場合には、処理を終了する。
開放タイマがタイムアップしている場合には、開放タイマがタイムアップするまでの間に確変遊技状態が確定しているか否かを判定する(ステップS45)。
【0129】
確変遊技状態が確定していない場合には、確変遊技状態にならず、確変遊技状態が連続することもないので、上述のように第2変動表示ゲームの大当たりが確定する際に抽選で決定されてメモリにセットされた限度回数をリセットして0にする(ステップS46)。この処理は、例えば、所定ラウンド中に遊技球が発射されず、限度回数が0になっていないにもかかわらず、確変遊技状態が確定していない場合のためのものである。なお、限度回数が0でないのに、第2当たり遊技状態の所定ラウンドが終了するタイミングで確変遊技状態になることが確定していない場合には、エラーにして、処理を中断するとともに、エラー報知処理を行うものとしてもよい。
次に、開放タイマがタイムアップしているので、第2アタッカ6bを閉塞し、所定ラウンドを終了にして(ステップS47)、この処理を終了する。
【0130】
以上のような処理に基づく、遊技機での基本的な遊技の進行を説明する。一般的に、遊技開始時には、基本的に通常遊技状態になっており、この状態では、遊技者は、常時開放状態の第1始動入賞口52に遊技球が入賞し易いように、右打ちの場合よりも遊技球の発射勢を弱めて、遊技球が主に遊技領域2の左側を流下する通常の打ち方(左打ち)で、遊技球を発射する。
この場合には、遊技球が遊技領域2の右側の普図ゲート7を通過する可能性が低く、普図ゲート7に遊技球が通過することに基づいて行われる普図ゲームが行われず、普図ゲームが当たりになって普通可変入賞装置5が開放することがなく、第2変動表示ゲームが行われ難い状態になっている。
【0131】
この状態で遊技を行うと、略第1変動表示ゲームだけが行われ、第1変動表示ゲームが大当たりになる。この場合には、上述の表1の各第1特図群に対応するいずれかの当たりになって、所定ラウンドの第2アタッカ6bの開放時間が設定されるとともに、確変遊技状態の限度回数が設定される。すなわち、第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図によって、第2アタッカ6bの所定ラウンドにおける開放時間と、確変遊技状態になった場合に確変遊技状態が連続する回数が決定することになる。
【0132】
すなわち、第1変動表示ゲームが大当たりになった段階で、確変遊技状態になった場合に得られる可能性がある遊技球のおおよその数(確変遊技状態の連続回数)と、確変遊技状態になる可能性の大きさが決まることになり、遊技者は、第1変動表示ゲームの結果に大きな興味を持つことになる。
【0133】
なお、第1変動表示ゲームが大当たりになった場合に決定される限度回数と、第2アタッカ6bの所定ラウンドの開放時間を可変表示装置3で報知してもよいし、報知しなくてもよい。報知されない場合には、例えば、一部の遊技者は、表1に示される各第1特図と、限度回数および開放時間の関係を調べ、これをメモしたり、記憶したりして、大当たりになる第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図から限度回数と開放時間を割り出すことに興味を抱くことになる。
【0134】
第1変動表示ゲームの大当たりに基づいて第1大当たり遊技状態が開始され、上述の所定ラウンド以外のラウンドにおいて、第1アタッカ6aが開閉動作するとともに、所定ラウンドになると、第2アタッカ6bが抽選で選択された開放時間だけ開放する。その間に第2アタッカ6bに遊技球を入賞させられれば、確変遊技状態になることが確定するとともに、確変遊技状態が連続して発生する際の限度回数が確定する。
【0135】
第2アタッカ6bに遊技球を入賞させなければ、大当たり遊技状態後が確変遊技状態にならずに、通常遊技状態になる。この際には、遊技者は、第2アタッカ6bに遊技球を入賞させる操作(例えば、右打ちすること)に興趣をいだくことになる。
また、開放時間が3段階以上に設定されていることにより、第2アタッカ6bに遊技球を入賞させられる可能性が第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図により複数段階に変化し、この点でも当たりの第1変動表示ゲームで停止表示される第1特図に遊技者が興味を持つことになる。
【0136】
確変遊技状態になった場合には、右打ちすることにより、電サポ状態において、普図ゲーム開始の契機になる普図ゲート7に遊技球を通過させることが可能になるとともに、電サポ状態で頻繁に開閉する普通可変入賞装置5の第2始動入賞口54に遊技球を入賞させ易くなる。また、第2変動表示ゲームが大当たりになった後の第2大当たり遊技状態において、第2アタッカ6bに高い入賞率で遊技球を入賞させることができる。なお、第2大当たり遊技状態においても、所定ラウンド以外のラウンドにおいては、第1アタッカ6aが開放する。この場合に、遊技盤面の遊技釘の配置等により、右打ちしていても、左打ちと略同様に第1アタッカ6aに遊技球が入賞するものとしてもよいし、右打ちだと第1アタッカ6aへの遊技球の入賞率が低くなるようにして、遊技者に左打ちするように促してもよい。第2大当たり遊技状態においても、所定のラウンドでは、第2アタッカ6bが開放する。
【0137】
確変遊技状態では、上述のように右打ちすることで、高い確率で第2変動表示ゲームが大当たりになり、その後の第2大当たり遊技状態の所定ラウンドで第2アタッカ6bに遊技球を入賞させて、限度回数が0となるまで、確変遊技状態を連続させることができる。
【0138】
なお、確変遊技状態を確定させるために遊技球を通過させる特定領域は、第2大入賞口61bに限られるものではなく、第1大入賞口61aを特定領域としてもよいし、これらとは別に専用の特定領域を設けてもよく、この特定領域に開閉する装置を設け、開となっている間だけ、特定領域を遊技球が通過可能にしてもよい。また、大入賞口や始動入賞口から流入した遊技球を特定領域がある空間に導き、当該空間で、遊技球が特定領域かそれ以外の領域(通常領域)のいずれかの領域を通過するようにしてもよい。この際に、可動部材としての振り分け部材により、遊技球が特定領域側か通常領域側かに振り分けられるものとしてもよい。この際の可動部材の動作により、特定領域における遊技球の通過率を異なるものとすることができる。
【0139】
また、上述の特定領域を有する空間の手前に遊技球を一時的に貯留する空間を設け、貯留された複数の遊技球が特定領域に一度に流入するようにしてもよい。この際に遊技球を貯留するとともに一度に流下させる部材を可動部材として、この可動部材が遊技球を開放するタイミングで、特定領域における遊技球の通過率を異ならせるものとしてもよい。
【0140】
また、上述の実施形態では、第1大当たり遊技状態および第2大当たり遊技状態において、所定ラウンド以外のラウンドでは、第1アタッカ6aを開放し、所定ラウンドの場合に第2アタッカ6bを開放し、第2アタッカ6bの第2大入賞口61bに遊技球が入賞した場合に、確変遊技状態になることが確定するものとした。それに対して、第1大当たり遊技状態では、所定ラウンドも含めて第1アタッカ6aが開放し、所定ラウンドで第1アタッカ6aに遊技球が入賞することにより確変状態になることを確定してもよい。この場合に第2大当たり遊技状態では、所定ラウンド以外のラウンドでも第2アタッカ6bが開放するものとしてもよい。
【0141】
また、上述のように特図の種類で決まる大当たりの種類として、特定領域の通過により確変大当たりになることなく、通常大当たり(単発大当たり)となることが大当たりになる変動表示ゲーム開始時に確定している大当たりを設けてもよい。この場合に、この通常大当たり確定後の大当たり遊技状態において、所定ラウンドにおいても第2アタッカ6bを開放させることなく、全てのラウンドで第1アタッカ6aを開放させ、特定領域としての第2大入賞口61bに遊技球が入賞しないようにしてもよい。
【0142】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0143】
1 遊技盤
14 主制御装置(当たり抽選手段、確率状態制御手段、高確率状態決定手段、高確率状態連続回数制御手段、限度回数抽選手段、通過率抽選手段)
2 遊技領域
5 普通可変入賞装置(可変入賞装置)
51 可動片(開閉部材)
52 第1始動入賞口
54 第2始動入賞口
6a 第1アタッカ(第1特別可変入賞装置:通過率変更手段)
6b 第2アタッカ(第2特別可変入賞装置:通過率変更手段)
61a 第1大入賞口(特定領域)
61b 第2大入賞口(特定領域)
62a 第1可動扉(第1開閉部材:可動部材)
62b 第2可動扉(第2開閉部材:可動部材)
図1
図2
図3
図4