特許第5977639号(P5977639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977639
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20160817BHJP
   E06B 9/04 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   E06B9/17 Z
   E06B9/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-224137(P2012-224137)
(22)【出願日】2012年10月9日
(65)【公開番号】特開2014-77243(P2014-77243A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】砂川 雅彦
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−145330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨戸を収納するための戸袋を備えた雨戸枠に対応して建物に取付けられる開閉装置であって、
前記雨戸枠の枠開口を開閉する開閉体を備えた開閉装置本体と、前記雨戸枠を囲むように前記建物の取付枠固定部に固定されて前記開閉装置本体を前記建物に取付けるための取付枠とを備え、
前記取付枠は、前記戸袋の近傍に配置される戸袋側縦枠を備え、
前記戸袋側縦枠は、前記雨戸枠の上枠の上方に位置して前記取付枠固定部に固定される上端側取付部と、前記雨戸枠の下枠の下方に位置して前記取付枠固定部に固定される下端側取付部と、前記上端側取付部と前記下端側取付部とを繋いで前記戸袋の雨戸出入口の前端よりも前側に位置される枠構成部と、を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記枠構成部が、上縁と前縁と下縁とで囲まれた後側開口の凹状開口である切欠凹部を備え、
前記切欠凹部は、前記上縁と前記下縁との間の縦長さ寸法が、前記雨戸枠の高さ寸法よりも長い寸法に形成され、前記前縁と前記後側開口の開口縁との間の前後長さ寸法が、前記建物の取付枠固定部から前記戸袋の雨戸出入口の前端までの長さ寸法よりも長い寸法に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記雨戸出入口が形成された前記戸袋の雨戸出入口縦枠と前記戸袋側縦枠の枠構成部の板面とが密着するように前記雨戸出入口縦枠と前記枠構成部とが固定手段で固定されたことを特徴する請求項1又は請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記戸袋側縦枠の前記上端側取付部又は前記下端側取付部が、前記建物の取付枠固定部の存在する位置まで延長するように前記戸袋側縦枠の上端側又は下端側に取付けられた別個の取付板により形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に取付けられた戸袋付き雨戸枠に対応して建物に取付けられる後付用の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁に形成されて建物の内外に貫通する開口部の開口縁に窓枠が取付けられ、建物の外側に位置された開閉体としてのシャッターカーテンを駆動させて前記窓枠で囲まれた開口を開閉可能とするために、当該窓枠の上方に位置する外壁に、シャッターカーテン及びシャッターカーテンを開閉駆動させる開閉機構などが収納されたシャッターケースを取付けるとともに、前記窓枠の左右にシャッターカーテンをガイドするガイドレールを設けることによって、前記窓枠に対応して設置される開閉装置が知られている(例えば特許文献1;2等参照)。
また、建物の開口部に取付けられた戸袋付きの雨戸枠に対応させて開閉装置を設置しようとする場合、雨戸枠を囲むように開閉装置の取付下地を増設し、当該取付下地の下地面を雨戸枠の前面よりも前側(建物外壁から離れる方向の側)に位置させる(ふかす)ようにして、前記取付下地に開閉装置を取付けるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献2】特開2010−101089号公報
【特許文献1】特開2004−11303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、戸袋を有した雨戸枠に対応させて後付けで開閉装置を設置しようとする場合においては、開閉装置の取付下地を増設していたので、開閉装置の取付工事が煩雑となり施工コストが高くなる懸念がある。
本発明は、施工が容易であり施工コストを低減できる開閉装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る開閉装置は、雨戸を収納するための戸袋を備えた雨戸枠に対応して建物に取付けられる開閉装置であって、前記雨戸枠の枠開口を開閉する開閉体を備えた開閉装置本体と、前記雨戸枠を囲むように前記建物の取付枠固定部に固定されて前記開閉装置本体を前記建物に取付けるための取付枠とを備え、前記取付枠は、前記戸袋の近傍に配置される戸袋側縦枠を備え、前記戸袋側縦枠は、前記雨戸枠の上枠の上方に位置して前記取付枠固定部に固定される上端側取付部と、前記雨戸枠の下枠の下方に位置して前記取付枠固定部に固定される下端側取付部と、前記上端側取付部と前記下端側取付部とを繋いで前記戸袋の雨戸出入口の前端よりも前側に位置される枠構成部と、を備えたことを特徴とする。
前述した「建物の取付枠固定部」は、取付枠を固定できて当該取付枠及び当該取付枠に取付けられる開閉装置本体を保持する強度が確保される建物構成部分であればよい。取付枠固定部として好ましい建物構成部分としては例えば外壁の壁下地が考えられる。また、取付枠固定部は、例えば、壁自体やサッシュ枠でも良く、さらには雨戸枠自体や戸袋自体であってもよい。また、取付枠は、同一種の建物構成部分に固定される必要はなく、例えば一部が雨戸枠に固定され、他の部分は外壁の壁下地に固定される構成であってもよい。
また、前述した「戸袋の近傍」とは、戸袋側縦枠が、戸袋と接触している場合、戸袋と前後方向に全部又は一部が重なっている場合、及び、戸袋から若干離間している場合を意味している。ここで、「戸袋から若干離間している」とは、何らかの理由(例えば戸袋と接触はさせたいが固定できる建物構成部分がその箇所には無くて、図3で示す右方向に若干離間した場所に固定せざるを得ない場合や枠構成部の形状や位置等の関係で接触等ができない場合等の理由)で、戸袋とは関係しているものの戸袋から例えば数十センチメートル程度以内の範囲で離間している場合を言う。
前記枠構成部が、上縁と前縁と下縁とで囲まれた後側開口の凹状開口である切欠凹部を備え、前記切欠凹部は、前記上縁と前記下縁との間の縦長さ寸法が、前記雨戸枠の高さ寸法よりも長い寸法に形成され、前記前縁と前記後側開口の開口縁との間の前後長さ寸法が、前記建物の取付枠固定部から前記戸袋の雨戸出入口の前端までの長さ寸法よりも長い寸法に形成されたことも特徴とする。
前記雨戸出入口が形成された前記戸袋の雨戸出入口縦枠と前記戸袋側縦枠の枠構成部の板面とが密着するように前記雨戸出入口縦枠と前記枠構成部とが固定手段で固定されたことも特徴する。
前記戸袋側縦枠の前記上端側取付部又は前記下端側取付部が、前記建物の取付枠固定部の存在する位置まで延長するように前記戸袋側縦枠の上端側又は下端側に取付けられた別個の取付板により形成されたことも特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る開閉装置によれば、戸袋側縦枠が、雨戸枠の上枠の上方に位置して建物の取付枠固定部に固定される上端側取付部と、雨戸枠の下枠の下方に位置して建物の取付枠固定部に固定される下端側取付部と、上端側取付部と下端側取付部とを繋いで戸袋の雨戸出入口の前端よりも前側に位置される枠構成部と、を備えたので、施工が容易となり施工コストを低減できる。
また、枠構成部が、上縁と前縁と下縁とで囲まれた後側開口の凹状開口である切欠凹部を備え、切欠凹部は、上縁と前記下縁との間の縦長さ寸法が、雨戸枠の高さ寸法よりも長い寸法に形成され、前縁と後側開口の開口縁との間の前後長さ寸法が、建物の取付枠固定部から戸袋の雨戸出入口の前端までの長さ寸法よりも長い寸法に形成されたので、雨戸出入口を介して戸袋に雨戸を出し入れ可能となり、雨戸も使用可能となる。
さらに、雨戸出入口が形成された戸袋の雨戸出入口縦枠と戸袋側縦枠の枠構成部の板面とが密着するように雨戸出入口縦枠と枠構成部とが固定手段で固定されたので、雨戸出入口縦枠の外側面と枠構成部の板面との間を介して雨戸枠の内側に風雨が進入してしまうようなことを防止できる。
また、戸袋側縦枠の上端側取付部又は下端側取付部が、建物の取付枠固定部の存在する位置まで延長するように前記戸袋側縦枠の上端側又は下端側に取付けられた別個の取付板により形成されたので、建物の取付枠固定部に応じて戸袋側縦枠を取付枠固定部に固定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】戸袋付き雨戸枠に対応して建物に取付けられた開閉装置を示す正面図(実施形態1)。
図2】開閉装置の分解斜視図を示す正面図(実施形態1)。
図3】戸袋付き雨戸枠に対応して建物に取付けられた開閉装置を示す斜視図(実施形態1)。
図4】戸袋側縦枠と戸袋の雨戸出入口縦枠との取付構造を示す分解斜視図(実施形態1)。
図5】戸袋側縦枠が戸袋の雨戸出入口縦枠に取付けられた状態を示す斜視図(実施形態1)。
図6】戸袋付き雨戸枠に対応して建物に取付けられた開閉装置を示す断面図(図1のA−A断面相当図)(実施形態1)。
図7】戸袋側縦枠を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図(実施形態1)。
図8】戸袋側縦枠を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図(実施形態2)。
図9】戸袋側縦枠を示す斜視図であり、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図(実施形態2)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1ないし図3に示すように、実施形態1の開閉装置1は、雨戸17を収納するための戸袋18を備えた雨戸枠16に対応して建物3に取付けられる開閉装置であって、雨戸枠16の枠開口10を開閉する開閉体を備えた開閉装置本体2と、雨戸枠16を囲むように建物3の取付枠固定部に固定されて開閉装置本体2を建物3に取付けるための取付装置としての取付枠4と、を備える。実施形態1では、取付枠4を、建物3の取付枠固定部の一例としての外壁5の壁下地57(図6参照)に取付ける場合を例にして説明する。
開閉装置本体2は、開閉体としてのシャッターカーテン91、シャッターカーテン91が巻き取り及び繰り出し可能に取付けられたシャフト92、シャフト92の回転中心線を回転中心として当該シャフト92を回転させる図外の回転駆動機構、シャフト92の両端を回転可能に支持する端部ブラケット93、シャフト92及び回転駆動機構並びに図外の制御装置等を収納するケース94、シャッターカーテン91を開閉方向にガイドするガイドレール95等を備えた、所謂シャッター装置である。
取付枠4は、建物3の外壁5に建物3の内外に貫通するように形成された開口部6を囲むように建物3の外壁5に固定され、雨戸17を収納するための戸袋18を有した雨戸ユニット付窓装置7の前側でシャッターカーテン91が雨戸ユニット付窓装置7の雨戸枠16の枠開口10を開閉可能となるように開閉装置本体2を建物3に取付けるための枠である。
前記取付枠4は止ねじ11等の固定手段により建物3の外壁5に固定されるとともに、当該取付枠4を形成する左右の縦枠33;34のうちの一の縦枠である戸袋側縦枠34が止ねじ12等の固定手段により戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21に固定される。
尚、本明細書において、「前側」とは、建物3の壁5と直交する方向において建物3から建物3の外側に離れる側を言う(図3参照)。
【0009】
雨戸枠16の上枠16cの上方に位置する外壁5の壁下地57(図6参照)に止ねじ11で固定される取付枠4の上枠31とまぐさ35との間の領域にシャフト92及び回転駆動機構等が設置されて、端部ブラケット93;93が後述する端支持部44に固定され、ケース94が上枠31及び端部ブラケット93;93に連結されてシャフト92及び回転駆動機構等の前側を覆うように設置される。
【0010】
また、取付枠4の基本形縦枠33は、雨戸枠16の縦枠16aの外側に位置されて(図6参照)、取付部43が外壁5の壁下地57に止ねじ11で固定され、当該基本形縦枠33の前部に設けられたガイドレール取付部42にガイドレール95が取付けられる(図2参照)。
また、図4;5に示すように、取付枠4の戸袋側縦枠34は、雨戸枠16と戸袋18との境界位置に位置されて、雨戸枠16の上枠16cの上方に位置される上端側取付部43aが外壁5の壁下地57に止ねじ11で固定されるとともに、雨戸枠16の下枠16bの下方に位置される下端側取付部43bが外壁5の壁下地57に止ねじ11で固定され、さらに、上下の中央部分が雨戸枠16と戸袋18との境界位置に位置される雨戸出入口縦枠21に形成された雨戸出入口22の前側を経由して当該戸袋18の雨戸出入口縦枠21に止ねじ12で固定される。当該戸袋側縦枠34の前部に設けられたガイドレール取付部42にガイドレール95が取付けられる(図2参照)。
【0011】
以上のように、取付枠4が雨戸枠16の外側を囲むように配置されて外壁5の壁下地57に止ねじ11で固定されるとともに、戸袋側縦枠34が戸袋18の雨戸出入口縦枠21に形成された雨戸出入口22の前側に止ねじ12で固定され、このように固定された取付枠4に開閉装置本体2が取付けられて実施形態1の開閉装置1が構成される(図2参照)。
【0012】
図2に示すように、雨戸ユニット付窓装置7は、窓部12Aと、雨戸ユニット13とを備える。
窓部12Aは、建物3の壁5に開口された開口部6を囲むように開口部6の開口縁に取付けられた窓枠14と、窓枠14の枠開口9を開閉可能なように窓枠14の内側に取付けられた引違い開閉戸15とを備える。窓枠14は、上枠、下枠、左右の縦枠で囲まれた四角形枠である。
雨戸ユニット13は、雨戸枠16と、雨戸17と、戸袋18とを備える。
雨戸枠16は、窓枠14より前側に延長するように例えば窓枠14と一体に形成されて、左右いずれか一方の縦枠が除去された構成である。即ち、雨戸枠16は左右いずれかの縦枠16aと下枠16bと上枠16cとにより構成された三方枠により構成される。
雨戸17は、雨戸枠16の下枠16bと上枠16cとの間に装着されて上下の枠の互いに対向する面に形成された図外のレール上を左右に往復移動可能なように設けられる。
戸袋18は、戸袋枠19と、戸袋枠19の前方開口19aを覆う鏡板20とを備えた構成である。戸袋枠19の上枠、下枠、左右の縦枠で囲まれた四角形枠であり、左右いずれか一方の縦枠、即ち、雨戸出入口縦枠21には、当該雨戸出入口縦枠21を貫通する貫通孔により形成された雨戸出入口22が設けられる(図4参照。尚、図4;5においては、戸袋18の鏡板20を省略して図示している。)。
即ち、図4に示すように、雨戸枠16の縦枠が除去された左右いずれかの側部23と戸袋枠19の雨戸出入口22が設けられた左右いずれか一方の縦枠である雨戸出入口縦枠21とが互いに隣り合うように位置され、雨戸枠16のレール上を移動可能な雨戸17が戸袋枠19の雨戸出入口22を経由して戸袋18内に移動可能なように構成されている。
【0013】
雨戸出入口22は、雨戸出入口縦枠21の上下方向に延長する縦長の四角形状の貫通孔により形成され、雨戸出入口22の縦寸法(高さ寸法)は雨戸17の縦寸法よりも大きい寸法に形成され、雨戸出入口22の幅寸法(前後幅寸法)は雨戸17の厚さ寸法よりも大きい寸法に形成される。そして、戸袋18の内部空間である雨戸収納部18aの左右幅寸法は、雨戸17の左右幅寸法よりも大きい寸法に形成される。
つまり、雨戸17は、雨戸出入口22を経由して、雨戸枠16のレール上を移動して窓枠14の前側に位置されて窓枠14の枠開口9の前方を覆う使用状態と、戸袋18の雨戸収納部18aに収納された収納状態とに設定可能とされる。
【0014】
図2に示すように、取付枠4は、上枠31、下枠32、左右の縦枠33;34、まぐさ35を備えた構成である。
上枠31は、左右方向に長い長尺板部31aと長尺板部31aの一方の長辺縁である後側縁より立ち上がって止ねじ11により外壁5の壁下地57に固定される取付部31bとを備える。
下枠32は、左右方向に長い長尺板部32aと長尺板部32aの一方の長辺縁である後側縁より立ち上がって止ねじ11により外壁5の壁下地57に固定される取付部32bとを備える。
まぐさ35は、左右方向に長い長尺板部35aと長尺板部35aの一方の長辺縁である後側縁より立ち上がって止ねじ11により外壁5の壁下地57に固定される取付部35bとを備える。
左右の縦枠33;34のうちの一方の縦枠は雨戸枠16の縦枠16aに沿って上下に延長するように設けられる基本形縦枠33であり、左右の縦枠33;34のうちの他方の縦枠は戸袋18の雨戸出入口22に沿って上下に延長するように設けられる戸袋側縦枠34である。
【0015】
基本形縦枠33は、枠構成部41と、ガイドレール95が取付けられるガイドレール取付部42と、外壁の壁下地に取付けられる取付部43と、端部ブラケット93が取付けられる端支持部44とを備える。
枠構成部41は、雨戸枠16の縦枠16aの外側に位置されて当該縦枠16aの外側面16f(図6参照)と対向する上下方向に長い帯状の長尺な板部により構成される。
ガイドレール取付部42は、枠構成部41の長尺な板部の一方の長辺縁側において当該板部より延長するように設けられて雨戸枠16の前側において上下方向に延長するよう形成される(図2参照)。尚、ガイドレール95は、断面凹形状の長尺材により形成される。そして、例えば、ガイドレール取付部42に形成された係合部とガイドレール95に形成された係合部とが互いに係合し合う係合構造96によってガイドレール95がガイドレール取付部42に取付けられている。
取付部43は、枠構成部41の長尺な板部の他方の長辺縁に設けられて建物3の外壁5と対向する板部により構成される。
端支持部44は、枠構成部41の上端側に図外のねじ等により取付けられた板材により形成される。当該端支持部44に端部ブラケット93が固定され、当該端部ブラケット93が当該端支持部44を介して基本形縦枠33で支持される。
枠構成部41の板部の板面が雨戸枠16の縦枠16aの外側に位置されて当該縦枠16aの外側面16fと平行に対向するように位置され、ガイドレール取付部43が雨戸枠16の前側に位置され、端支持部44が雨戸枠16の上枠16cの上方に位置されるように、当該基本形縦枠33が位置決めされた後に、基本形縦枠33の取付部43を外壁5の壁下地57に止ねじ11で固定することによって、基本形縦枠33が外壁5に固定される。
【0016】
図4図7に示すように、戸袋側縦枠34は、基本形縦枠33と比較して、雨戸枠16を避けるための切欠凹部50を有した枠構成部41を備えていることが異なる。即ち、基本形縦枠33の枠構成部41から枠構成部41の長尺な板部の他方の長辺縁側の部分が除去されて切欠凹部50が形成された構成の戸袋側縦枠34を用いる。従って、枠構成部41の長尺な板部の長手方向の一端側に建物3の外壁5と対向する上端側取付部43aが設けられ、かつ、枠構成部41の長尺な板部の長手方向の他端側に建物3の外壁5と対向する下端側取付部43bが設けられた構成である。
【0017】
切欠凹部50は、上縁51と前縁52と下縁53とで囲まれた後側開口の凹状開口である。
切欠凹部50は、上縁51と下縁53との間の縦長さ寸法が、雨戸枠16の高さ寸法よりも長い寸法に形成され、前縁52と後側開口の開口縁54との間の前後長さ寸法が、外壁5から戸袋18の雨戸出入口22の前端22fまでの長さ寸法よりも長くて、かつ、外壁5から戸袋18の雨戸出入口縦枠21の前端21fまでの長さ寸法よりも短い寸法に形成される(図4図7参照)。
【0018】
そして、図4図5に示すように、切欠凹部50の上縁51が雨戸枠16の上枠16cよりも上方に位置され、下縁53が雨戸枠16の下枠16bよりも下方に位置され、前縁52が戸袋18の雨戸出入口22よりも前側に位置され、枠構成部41の板面と戸袋18の雨戸出入口22が形成された戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21の外側面21aとが接触するように、戸袋側縦枠34が位置決めされた後に、上側取付部43a及び下側取付部43bを外壁5の壁下地57に止ねじ11等の固定手段で固定するとともに、戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21の外側面21aと枠構成部41の板面とが密着するように戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21と枠構成部41とを止ねじ12等の固定手段で固定することによって、戸袋側縦枠34が外壁5及び戸袋18に固定される。
【0019】
基本形縦枠33及び戸袋側縦枠34は、例えば、枠構成部41、ガイドレール取付部42、取付部43、端支持部44のうちの1つ以上の部品が個別に形成されてこれら部品が組み合わされて形成された構成であってもよいし、枠構成部41、ガイドレール取付部42、取付部43、端支持部44が一体形成された構成であってもよい。
【0020】
取付枠4の取付手順の一例を説明する。
まず、上枠31、下枠32、基本形縦枠33、戸袋側縦枠34、まぐさ35を、図外のねじ等の連結手段により組み立てて取付枠4を形成する。
次に、戸袋側縦枠34の切欠凹部50内に雨戸枠16及び戸袋18が嵌り込むように戸袋側縦枠34を設置し、戸袋側縦枠34の取付部43a;43b、及び、下枠32の取付部32bをそれぞれ止ねじ11等の固定手段で外壁5の壁下地57に固定することで、戸袋側縦枠34及び下枠32を壁下地57に固定するとともに、戸袋18の雨戸出入口22が形成された雨戸出入口縦枠21の外側面21aと戸袋側縦枠34の枠構成部41の板面とを面接触させた状態で当該雨戸出入口縦枠21の外側面21aと枠構成部41の板面とを止ねじ12等の固定手段で固定することによって戸袋側縦枠34を戸袋18に固定する。そして、雨戸出入口縦枠21の外側面21aを基準面として、基本形縦枠33、上枠31、まぐさ35の倒れなどの状態をチェックした後に、当該基本形縦枠33、上枠31、まぐさ35の、それぞれ取付部43、取付部31b、取付部35bを止ねじ11等の固定手段で外壁5の壁下地57に固定することで、当該基本形縦枠33、上枠31、まぐさ35を外壁5の壁下地57に固定する。
取付枠4の取付作業においては、戸袋18や雨戸枠16との関連性が大きい戸袋側縦枠34を最初に設置及び壁下地57に固定し、当該固定された戸袋側縦枠34を基準として取付枠4のその他の上枠31、下枠32、基本形縦枠33、まぐさ35を固定することが、戸袋側縦枠34と戸袋18との位置が確定することや意匠性(例えば雨戸枠16とのずれを少なくする等)の観点からも好ましい。
尚、取付枠4を組み立ててから固定するのではなく、上枠31、下枠32、基本形縦枠33、戸袋側縦枠34、まぐさ35を、それぞれ個別に設置、固定するようにしても良く、この場合においても最初に戸袋側縦枠34を設置、固定していくことが、上述したような、戸袋側縦枠34と戸袋18との位置の確定や意匠性の観点から好ましい。
【0021】
以上により、取付枠4が、雨戸枠16を囲むように外壁5の壁下地57に取付けられる。そして、取付枠4に開閉装置本体2が取付けられて開閉装置1が構成される。
【0022】
実施形態1によれば、外壁5への取付部である上端側取付部43a及び下端側取付部43bとを備えた戸袋側縦枠34を用いるので、従来のように、取付下地の下地面を雨戸枠16の前面よりも前側に位置させる(ふかす)ようにする必要がなくなることから、施工が容易となり施工コストを低減できる。
また、雨戸枠16を収納可能でかつ雨戸出入口22を塞がない切欠凹部50を備えた戸袋側縦枠34を用いるので、雨戸出入口22を介して戸袋18に雨戸17を出し入れ可能となり、雨戸17も使用可能となる。
さらに、戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21の外側面21aと戸袋側縦枠34の枠構成部41の板面とが密着するように戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21と戸袋側縦枠34の枠構成部41とが止ねじ12等の固定手段で固定され、雨戸出入口縦枠21の外側面21aと枠構成部41の板面とが密着するので、雨戸出入口縦枠21の外側面21aと枠構成部41の板面との間を介して窓部12A側に風雨が進入してしまうようなことを防止できる。
【0023】
実施形態2
戸袋側縦枠34の上端側取付部43aを壁下地57に固定しようとする場合において、上端側取付部43aと対応する位置は、雨戸枠16の上枠16cより上方に離れた位置になるため、上端側取付部43aと対応する位置に壁下地57が存在しない場合がある。このような場合においては、取付部を壁下地57の存在する位置まで延長させるために戸袋側縦枠34の上端側に別個の取付板を設けるようにする。
例えば、上端側取付部43aと対応する位置よりも左側(例えば図1の戸袋18側)に壁下地57が存在する場合には、図8に示すように、上端側から左側に延長するような取付板71を設けて上端側取付部が形成された戸袋側縦枠34Aを用いればよい。また、上端側取付部43aと対応する位置よりも右側(例えば図1の基本形縦枠33側)に壁下地57が存在する場合には、図9に示すように、上端側から右側に延長するような取付板72を設けて上端側取付部が形成された戸袋側縦枠34Bを用いればよい。
取付板71や取付板72は、例えば、外壁5と直交する方向に延長する基板部74と取付部75とを備えた断面L字状のアングル板材により形成される。例えば、枠構成部41の板面の上端部と端支持部44との間に基板部74を挟み込んでこれら三者を図外の止ねじ等の固定手段で固定することによって、上端側に取付板71により形成された上端側取付部を備えた戸袋側縦枠34Aや、上端側に取付板72により形成された上端側取付部を備えた戸袋側縦枠34Bを構成すればよい。
【0024】
実施形態2によれば、壁下地57の配置状態に応じて戸袋側縦枠34を壁下地57に確実に固定することができるようになる。
尚、戸袋側縦枠34の下他端側取付部や、基本形縦枠33の取付部43も同様に構成すれば、同様の効果が得られる。
【0025】
尚、上記では、戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21の外側面21aと戸袋側縦枠34の枠構成部41の板面とが密着するように戸袋枠19の雨戸出入口縦枠21と枠構成部41とが止ねじ12等の固定手段で固定される戸袋側縦枠34を用いた例を示したが、戸袋18の上枠、戸袋の前面、戸袋18の下枠を取り囲むことが可能な切欠凹部を備え、当該切欠凹部の前縁が戸袋18の前側に位置されて戸袋18の前面と対向するように設置される戸袋側縦枠を用いてもよい。
【0026】
即ち、戸袋側縦枠34は、戸袋18の近傍に配置されて、雨戸枠16の上枠16cの上方に位置して建物の取付枠固定部(取付枠4を固定できて当該取付枠4及び当該取付枠4に取付けられる開閉装置本体2を保持する強度が確保される建物構成部分であって、例えば外壁5の壁下地57、壁自体、サッシュ枠、雨戸枠自体、戸袋自体等)に固定される上端側取付部と、雨戸枠16の下枠16bの下方に位置して建物の取付枠固定部に固定される下端側取付部と、上端側取付部と下端側取付部とを繋いで戸袋18の雨戸出入口22の前端22fよりも前側に位置される枠構成部とを備えた構成であればよい。
【0027】
本発明は、鏡板の無い戸袋、欄間付戸袋にも適用可能である。
【0028】
本発明は、電動式シャッター装置、手動式シャッター装置のいずれにも適用できる。
【0029】
本発明の適用対象となる開閉装置の開閉体をシャッターカーテンとした場合、その構成態様としては、所謂スラットを上下方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様のシャッターカーテン、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組み合せたシャッターカーテンでもよい。所謂、オーバヘッドタイプのシャッターカーテンにも適用できる。
【0030】
本発明は、ガイドレールを備え、このガイドレールに開閉体が案内されるようなブラインド、ロールスクリーン装置、防煙垂れ幕などの開閉装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 開閉装置、2 開閉装置本体、3 建物、4 取付枠、5 外壁、10 枠開口、12 止ねじ(固定手段)、16 雨戸枠、16b 下枠、16c 上枠、17 雨戸、18 戸袋、21 雨戸出入口縦枠、22 雨戸出入口、22f 雨戸出入口の前端、
34 戸袋側縦枠、41 枠構成部、43a 上端側取付部、43b 下端側取付部、
50 切欠凹部、51 上縁、52 前縁、53 下縁、54 開口縁、57 壁下地、
71;72 取付板、91 シャッターカーテン(開閉体)。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9