特許第5977679号(P5977679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977679
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】原料カプセルを使用する飲料装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20160817BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   A47J31/36 122
   A47J31/36 124
   A47J31/06 320
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-557535(P2012-557535)
(86)(22)【出願日】2011年3月16日
(65)【公表番号】特表2013-521911(P2013-521911A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2011053948
(87)【国際公開番号】WO2011113854
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年3月13日
(31)【優先権主張番号】10290148.5
(32)【優先日】2010年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】モリ, ピーター
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−504183(JP,A)
【文献】 特開平05−130944(JP,A)
【文献】 特表2008−509783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
A47J 31/06
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(32)を備える飲料装置であって、前記ケーシングが、原料カプセルを内側に受けるための第1の部分(34)と、前記第1の部分と対向する穿孔突出部材(90)を備える表面(91)を有する第2の部分(70)と、前記原料カプセルを前記第1の部分と前記第2の部分との間で挿入方向(Z)に挿入できるようにする、前記ケーシングの開口(76)とを囲繞しており、
前記第1および前記第2の部分が、2つの位置、すなわち、前記原料カプセルが前記第1の部分と前記第2の部分との間に挿入されるように前記第1および前記第2の部分が離間される第1の位置と、前記第1の部分に受けられた前記原料カプセルが前記穿孔突出部材と接触するように前記第1および前記第2の部分が互いに近接する第2の位置との間で、前記第2の部分の前記表面に対して垂直な長手方向軸(X)に沿って互いに対して移動でき、前記挿入方向(Z)が前記長手方向軸に対して略垂直である、飲料装置において、
前記穿孔突出部材(90)が、前記第2の部分の前記表面上に前記開口(76)に対して、前記原料カプセルが該原料カプセルの挿入中に前記穿孔突出部材により望ましくない位置で捕捉される危険を恒久的に減らすように、配列を成して設けられ、
前記穿孔突出部材(90)が、前記第2の部分の前記表面と平行な面内にある複数の穿孔縁部(90b〜d)をそれぞれに有し、前記穿孔突出部材のうち前記開口の方へ向けられる前記穿孔縁部が、該穿孔縁部が位置する面内で見たときに前記挿入方向に対して90°未満の角度で配置され、
前記配列が格子の形態を成し、
前記第2の部分(70)が、前記穿孔突出部材(90)を備える前記表面(91)を有するとともに前記表面に対して垂直な軸を中心に回転できるプレート(74)を備え、当該飲料装置が、前記原料カプセルの挿入中に前記穿孔突出部材により前記原料カプセルが捕捉される危険を前記穿孔突出部材の前記配列により恒久的に減らすことができるようにする所定の角度位置に前記表面を位置決めするための位置決め手段(110、112、114、116、120、122)を備えることを特徴とする飲料装置。
【請求項2】
前記角度が75°未満であることを特徴とする、請求項1に記載の飲料装置。
【請求項3】
前記穿孔突出部材(90)が、前記表面に結合される基部(90a)から直線状の4つの穿孔縁部(90b〜d)により画定される正方形面を有する自由端へそれぞれに延びる、頂部を切り取ったピラミッドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の飲料装置。
【請求項4】
前記位置決め手段が、前記所定の角度位置を中心に前記表面を僅かに回転させることができるようにすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料装置。
【請求項5】
前記プレートが支持体に対して取り付けられ、前記位置決め手段が、前記所定の角度位置から前記プレートが大きく回転しないようにするために前記支持体および前記プレート上に雄型および雌型の協働手段を備えることを特徴とする、請求項に記載の飲料装置。
【請求項6】
前記第1および前記第2の部分のうちから選択されて他方の部分に対して移動できる部分が、前記長手方向軸に沿った直線状の経路にしたがって移動されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の飲料装置。
【請求項7】
前記原料カプセルを受ける前記第1の部分が移動できるのに対して、前記第2の部分が固定位置にあることを特徴とする、請求項に記載の飲料装置。
【請求項8】
飲料装置(30)と、原料が充填される容器を画定する側壁および底壁を有するとともに閉塞部材(36d)によって閉じられる原料カプセル(36)とを備えるセットであって、前記原料カプセルが前記側壁から側方に延びるフランジ(36c)を有し、前記飲料装置がケーシング(32)を備え、該ケーシングが、前記原料カプセルを内側に受けるための第1の部分(34)と、前記第1の部分と対向する穿孔突出部材(90)を備える表面(91)を有するとともに、前記原料カプセルを案内するためのガイド部材(77)を有する第2の部分(70)と、前記原料カプセルの前記フランジが前記ガイド部材によって案内される状態で前記原料カプセルを前記第1の部分と前記第2の部分との間で挿入方向(Z)に挿入できるようにする、前記ケーシングの開口(76)とを囲繞しており、
前記第1および前記第2の部分が、2つの位置、すなわち、前記原料カプセルが前記第1の部分と前記第2の部分との間に挿入されるように前記第1および前記第2の部分が離間される第1の位置と、前記第1の部分に受けられた前記原料カプセルが前記穿孔突出部材と接触するように前記第1および前記第2の部分が互いに近接する第2の位置との間で、前記第2の部分の前記表面に対して垂直な長手方向軸に沿って互いに対して移動でき、前記挿入方向が前記長手方向軸に対して略垂直である、セットにおいて、
前記穿孔突出部材(90)が、前記第2の部分の前記表面上に前記開口に対して、前記原料カプセルの挿入中に前記穿孔突出部材により望ましくない位置で前記原料カプセルの前記フランジが捕捉される危険を恒久的に減らすように、配列を成して設けられ、
前記穿孔突出部材(90)が、前記第2の部分の前記表面と平行な面内にある複数の穿孔縁部(90b〜d)をそれぞれに有し、前記穿孔突出部材のうち前記開口の方へ向けられる前記穿孔縁部が、該穿孔縁部が位置する面内で見たときに前記挿入方向に対して90°未満の角度で配置され
前記配列が格子の形態を成し、
前記第2の部分(70)が、前記穿孔突出部材(90)を備える前記表面(91)を有するとともに前記表面に対して垂直な軸を中心に回転できるプレート(74)を備え、前記飲料装置が、前記原料カプセルの挿入中に前記穿孔突出部材により前記原料カプセルが捕捉される危険を前記穿孔突出部材の前記配列により恒久的に減らすことができるようにする所定の角度位置に前記表面を位置決めするための位置決め手段(110、112、114、116、120、122)を備えることを特徴とするセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品原料または食品物質を収容する原料カプセルを使用する、飲料あるいは殆どの場合には食料品を調製するための飲料装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原料カプセルを使用する装置は、例えば、国際公開第2005/004683号パンフレットから既に知られている。
【0003】
図1aは、原料カプセル14をその内側で受けるようになっているカプセルケージ12と、垂直なカプセルホルダ16とを囲繞するケーシング10を備えるこの種の装置を概略的に表わしている。
【0004】
装置内への原料カプセルの垂直な導入を可能にするための通路18がケーシングの上端に設けられる。
【0005】
カプセルケージ12は、2つの位置間で長手方向水平軸Xに沿って移動できる。第1の位置では、カプセルケージがカプセルホルダから離間され、原料カプセルを上側からカプセルホルダとカプセルケージとの間に導入できる。
【0006】
より具体的には、原料カプセルは、通路に挿通されて、図1aに表わされないサイドガイドレールにより挿入方向Zに沿って案内される。カプセルは、2つのレールのそれぞれに配置されるストッパにより、カプセルケージとカプセルホルダとの間の中間位置に維持される。
【0007】
この中間位置において、原料カプセル14は、その重心に起因して僅かに傾けられた状態に維持されるとともに、垂直なカプセルホルダの中心軸よりも僅かに上側に配置される。
【0008】
カプセルケージがカプセルホルダへ向けて水平にさらに移動されると、原料カプセルは、カプセルホルダに対してその中心軸に沿って押圧されるように、2つのストッパの下側に通される(第2の位置)。カプセルケージが後方へ移動すると、原料カプセルが重力によって下側の収集ビン内へ落下する。
【0009】
原料カプセル14には焙煎して挽いたコーヒーなどの原料が充填されてもよく、また、原料カプセル14が引き裂きフェースカバー14aまたは膜および/または濾過壁などの閉塞部材によって閉じられてもよいことに注意すべきである。
【0010】
カプセルの側方延在部14bが、側壁に形成されており、したがって、閉塞部材が固定されるフランジを形成する。
【0011】
コーヒー飲料を調製するため、原料カプセルがカプセルケージおよびカプセルホルダの前述した第2の位置に配置されるときに、引き裂きフェースカバーまたは膜を引き裂かなければならない。
【0012】
カプセルホルダの一例が、より具体的には欧州特許第0512470号明細書に記載されている。
【0013】
欧州特許第0512470号明細書に記載されるように、また、図1aおよび図1bに表わされるように、カプセルホルダ16は、ピラミッド22の形態を成す起伏表面要素突出部材と飲料排出オリフィスとを有するプレート20を備える。プレートは、シート24内に受け入れられて、シート内で自由に回転できる。
【0014】
各ピラミッド22は直線状の4つの引き裂き縁部をその上面22aに有しており、図1bの断面には、これらのうちの2つの引き裂き縁部22b、22cだけが表わされている。カプセルの引き裂きフェースカバーは、カプセル内に存在する圧力によりこれらの縁部を押圧して破れ、それにより、コーヒー飲料が濾過オリフィスを通って流れる。
【0015】
本出願人は、原料カプセル14が上端通路18に垂直に挿通されるときにそのフランジ14bによりピラミッド形状の突出部材22と当接する場合があること、より具体的には水平に配置されるこれらの部材の引き裂き縁部(例えば、図1bの水平引き裂き縁部22b、22cを参照)と当接する場合があることに注目した。
【0016】
これは、図1aおよび図1bに表わされるような不適切な位置において原料カプセルの詰まりを生じさせる。
【0017】
殆どの場合、原料カプセルは、図1aに概略的に表わされるように、プレートの最も下側の部分およびその中間部に配置されるピラミッド形状の突出部材と当接する。
【0018】
そのような詰まりが生じて、装置の閉塞移動中にカプセルケージがカプセルホルダにさらに近接すると、不適切に配置された原料カプセルが押しつぶされ、それにより、装置の完全な閉塞が妨げられる。
【0019】
本出願人は、カプセルケージに不完全な水平移動を与えることによってこの欠点を改善した。カプセルケージの経路上に配置される小さい傾いた傾斜路が、以前よりも高い位置で原料カプセルとカプセルケージとの係合を可能にする。
【0020】
より高いこの係合により、ピラミッド形状の突出部材に対する原料カプセルの当接に起因する詰まりの危険を減らすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、この構成は、カプセルケージの移動ならびに装置の機構をさらに複雑にする。
【0022】
目下のところ、前述した詰まりの問題を克服するために傾斜路を何ら必要としない新規な装置の必要性が存在する。
【0023】
また、前述した詰まり問題を取り除く新規な単純化された装置の必要性もある。
【0024】
さらに、原料カプセルを囲繞する第1の部分または穿孔機能を有する第2の部分のいずれかである可動部分が直線経路を辿る新規な装置の必要性も存在する。
【0025】
本発明は、前述した必要性のうちの少なくとも1つを満たすことを目的としており、請求項1に係る飲料装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、本出願人は、穿孔突出部材を開口に対して適切に配置することによって、装置内への原料カプセルの挿入中に穿孔突出部材により装置内の望ましくない位置で原料カプセルが捕捉される危険を恒久的に減らすことができることを見出した。
【0027】
開口は、該開口のその中央部の断面に対して略垂直な挿入方向を規定することに注意すべきである。
【0028】
表面上の穿孔突出部材の適切な配列は、部材の形状およびサイズと、部材間に存在する何もない空間とに依存する。穿孔突出部材間に存在する何もない空間は、装置における配列の好ましい方向を予め決定することにより、カプセルが捕捉されるのを防止するべく縮小されてもよい。
【0029】
したがって、装置における可動係合部の複雑な移動をもはや想定する必要がないため、詰まりの危険が容易な態様で減少される。また、より容易な装置設計の機会がさらに見込まれる。
【0030】
本発明に係るカプセル飲料装置がカプセル挿入中および閉塞中の詰まりの危険を減らして信頼できるカプセル処理をもたらすことに注意すべきである。
【0031】
これは、原料カプセルの装置への挿入が、従来技術の既存の装置の場合よりも確実だからである。
【0032】
1つの特徴によれば、表面上に穿孔突出部材が存在しない空間は、原料カプセルの挿入中に穿孔突出部材により原料カプセルが捕捉される危険を減らすように寸法付けられ、および/または方向付けられる。
【0033】
この空間が大きすぎて挿入方向に対して垂直に向けられると、原料カプセルの捕捉が生じる場合がある。
【0034】
したがって、この空間が縮小されれば、それが依然として挿入方向に対して垂直に向けられる場合であっても、原料カプセルの捕捉の危険が減少され得る。
【0035】
表面上の穿孔突出部材が存在しない空間が、原料カプセルの挿入方向に対して垂直に向けられるときに原料カプセルの捕捉を可能にするほど十分大きい場合には、それにもかかわらず、この空間を挿入方向に対して90°と異なる角度で方向付けることで、捕捉の危険が減少され得る。
【0036】
1つの特徴によれば、穿孔突出部材は、第2の部分の表面と平行な面内にある複数の穿孔縁部をそれぞれに有し、穿孔突出部材のうち開口の方へ向けられる穿孔縁部は、穿孔縁部が位置する面内で見たときに挿入方向に対して90°未満の角度で配置される。
【0037】
したがって、穿孔縁部は、原料カプセルが装置に挿入されるときにこれらの縁部と当接できないように挿入方向に対して適切に方向付けられる。
【0038】
より具体的には、穿孔縁部の方向角度は75°未満である。
【0039】
そのような値は、原料カプセルの捕捉の危険をさらに減らすことができる。
【0040】
配列が格子の形態であってもよいことに注意すべきである。例えば、格子は、互いに90°を成す横列および縦列の両方を備える。
【0041】
しかしながら、他の形態の配列も想起し得る。
【0042】
1つの特徴によれば、穿孔突出部材は、表面に結合される基部から直線状の4つの穿孔縁部により画定される正方形面を有する自由端へそれぞれに延びる、頂部を切り取ったピラミッドである。
【0043】
したがって、部材間に、液体(例えば、飲料)排出を促すために通常必要なチャネルが形成される。
【0044】
これらの形状は、飲料装置が作動される際に原料カプセルの閉塞部材を引き裂くのに適している。
【0045】
別の特徴によれば、第2の部分は、穿孔突出部材を備える表面を有するとともに表面に対して垂直な軸を中心に回転できるプレートを備え、装置は、原料カプセルの挿入中に穿孔突出部材により原料カプセルが捕捉される危険を穿孔突出部材の配列により恒久的に減らすことができるようにする所定の角度位置に表面を位置決めするための位置決め手段を備える。
【0046】
これらの位置決め手段により、穿孔突出部材を伴う表面を、原料カプセルの捕捉の危険を回避する、あるいは少なくとも減少させる角度方向に向けることができる。
【0047】
これらの手段は、穿孔突出部材が存在しない空間がいかなる方向にも適切に寸法付けられていないときに使用されてもよい。
【0048】
したがって、表面が不適切に方向付けられること、すなわち、非常に大きい空間が原料カプセルの挿入方向に対して垂直に向けられることを防止するために、後者の空間がもはや挿入方向に対して垂直にならないように表面が異なる方向に方向付けされる。
【0049】
さらに、位置決め手段により、所定の角度位置を中心に表面が僅かに回転することができるようにしてもよい。
【0050】
この僅かな回転(小さい回転角の回転)により、穿孔突出部材を有する同じプレート(穿孔プレート)を僅かに異なる飲料装置内に収容することが可能になる。
【0051】
別の特徴によれば、プレートは支持体に対して取り付けられ、また、位置決め手段は、所定の角度位置からプレートが大きく回転しないようにするために支持体およびプレート上に雄型および雌型の協働手段を備える。
【0052】
そのような位置決め手段により、非常に大きな範囲にわたる回転を回避できる。
【0053】
これは、穿孔突出部材が存在しない空間が、挿入方向に対して垂直に向けられるとともに、原料カプセルを捕捉できるようにするのに十分大きい位置へのプレートの戻りが望ましくないからである。
【0054】
別の特徴によれば、第1および第2の部分のうちから選択されて他方の部分に対して移動できる部分は、長手方向軸に沿った直線状の経路にしたがって移動される。
【0055】
したがって、装置の可動部分の移動は、傾斜路が必要であった従来技術の既存の装置の場合よりも容易である。
【0056】
そのため、装置の浸出ユニットは、浸出ユニットが直線動作する従来技術の既存の装置の場合よりも容易に構成される。
【0057】
第1の実施形態によれば、原料カプセルを受ける装置の第1の部分が移動できるのに対して、第2の部分が固定位置にある。
【0058】
しかしながら、別の実施形態では、原料カプセルを受ける装置の第1の部分が固定位置にあるのに対して、第2の部分が第1の部分に対して移動できる。
【0059】
装置のタイプにしたがって、一方の実施形態または他方の実施形態が実施されてもよい。
【0060】
本発明の他の対象は、飲料装置と原料カプセルとを備える請求項13に係るセットである。
【0061】
他の態様および特徴は、添付図面に関連して与えられる非限定的な以下の説明の過程で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1a】従来技術の既存の飲料装置における原料カプセルのその挿入中の捕捉の問題点を概略的にかつ部分的に示している。
図1b】従来技術の既存の飲料装置における原料カプセルのその挿入中の捕捉の問題点を概略的にかつ部分的に示している。
図2】本発明に係る飲料装置の作動時の第1のステップを示す長手方向断面を概略的に表わしている。
図3】本発明に係る飲料装置の作動時の第2のステップを示す長手方向断面を概略的に表わしている。
図4】本発明に係る飲料装置の作動時の第3のステップを示す長手方向断面を概略的に表わしている。
図5図2に表わされるカプセル囲繞部材の概略平面図である。
図6図2図4に表わされるケーシング32の長手方向断面である。
図7】第2の部分70に組み付けられる穿孔プレート74の部分概略斜視図である。
図8】従来技術の既存の飲料装置における穿孔プレートの概略正面図である。
図9】本発明にしたがって方向付けられる穿孔プレートの概略正面図である。
図10】刻み目を備える穿孔プレートを示す背面斜視図である。
図11】重ね合された態様で組み付けられる穿孔プレートおよびその支持部を示す背面図である。
図12】その支持部に対峙して組み付けられて回転が阻止される穿孔プレートの部分背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図2図4に概略的に表わされるように、飲料装置30は、幾つかの構成要素を囲繞するケーシング32を備える。
【0064】
34で示される装置の第1の部分は、原料カプセルをその内部に受けるようになっている。
【0065】
カートリッジとも呼ばれる原料カプセル36は、壁、特に、側壁36aおよび底壁36bを有する容器の形状を成して図面に表わされている。
【0066】
側壁36aは、底壁と反対側のその端部に、容器に原料を充填できるようにする開口部を形成する。
【0067】
そのような原料は、コーヒー、例えば焙煎して挽いたコーヒーであってもよい。
【0068】
しかしながら、水を加えることによって流動食料品を調製するのに適する物質または製品、あるいは原料物質または製品の混合物などの他の原料が容器内に受け入れられてもよい。
【0069】
これらの他の原料としては、茶、可溶性茶または可溶性コーヒー、挽いたコーヒーと可溶性コーヒーとの混合物、ココア、または、ココアもしくはチョコレートに基づく製品、あるいは、コーヒーを含むサプリメント製品、または、スープ、あるいは、例えば煎出物の形態を成す食品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
フランジ36cは、側壁36aから側方外側に延びてカプセル開口部を取り囲む。
【0071】
閉塞部材36dが開口部を閉じる。閉塞部材は、フランジ36cに当接するとともに、フランジに対して緊密にシールされて充填カプセルを密閉する。
【0072】
閉塞部材は、例えば、後述するように抽出プロセス中に引き裂かれるべき引き裂きフェースカバーまたは膜である。
【0073】
あるいは、閉塞部材は濾過壁またはフィルタであってもよい。
【0074】
また、閉塞部材は、先の要素のうちの幾つかの組み合わせであってもよい(例えば、互いに近接して配置される引き裂きフェースカバーおよび濾過壁)。
【0075】
図面に表わされるように、原料カプセルは全体が円錐台形状を成す。しかしながら、円筒形状などの他のあまり好ましくない形状が本発明の範囲内で想起されてもよい。
【0076】
第1の部分34はカプセル囲繞部材40のピストン部分38を含み、カプセル囲繞部材40はその内部にピストン部分38を受け入れるための凹部42を有する。
【0077】
カプセル囲繞部材またはケージ40の機構については、より具体的には、欧州特許第2068684号明細書に詳しく記載されている。
【0078】
装置には、水平軸Xに沿う長手方向の変位を第1の部分34に与えるための機構44が設けられる。
【0079】
つまり、機構44は2対の関節ロッドを含み、そのうちの2つのロッド46、48だけが図面に表わされている。
【0080】
ロッドは、回動シャフト50を介して互いに連結されて関節結合される。
【0081】
ロッド46はシャフト52にも連結され、シャフト52は、該シャフト52に結合されるレバー(図示せず)がユーザにより作動されるときにそれ自体を中心に回転できる。
【0082】
ロッド48は、カプセル囲繞部材40、および、例えばカプセル囲繞部材40の基部54に結合されるシャフト(図示せず)に連結される。
【0083】
シャフト52およびロッド48が連結されるシャフトは、長手方向軸Xに沿って一直線上に配置される。
【0084】
図5に概略的に表わされるように、カプセル囲繞部材40には、上側から見て、その外周面に、例えば2つの突起である2つのガイド部材56、58が設けられる。これらの部材は、本体40の対向する両側に配置されるとともに、ケーシング32に設けられる2つのそれぞれのガイドスロット内に係合される。
【0085】
図6は、ケーシング32の内側を表わしており、シャフト52を除いて図2における全ての構成要素がケーシングから取り除かれている。
【0086】
この図には1つのガイドスロット60だけが表わされており、他のガイドスロット(図示せず)は長手方向軸Xを含む正中面に対して対称である。
【0087】
スロット60(および他の対称なスロットも同様)は長手方向の形状が水平軸Xと合せられ、また、ガイド部材56がガイドスロット60に係合される(ガイド部材58も他のガイドスロットに係合する)。
【0088】
レバーがユーザによって作動されると、支持体40およびカプセルケージ38が長手方向軸Xに沿って移動される一方で、ガイド部材56、58が2つのガイドスロット内でそれぞれスライドする(図3参照)。
【0089】
また、ロッド48が連結されるシャフト(図示せず)も、支持体40をスロットの直線経路上で案内するためのスロット60に係合される。
【0090】
装置のこの部分、特に移動機構に関連する他の態様および詳細については、国際公開第2005/004683号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0091】
装置30は、この実施形態では固定位置にある、カプセルホルダとも呼ばれる第2の部分70をさらに含む。
【0092】
あるいは、図示しない別の実施形態では、原料カプセルを受ける装置の第1の部分が固定位置にあるのに対して、第2の部分が第1の部分に対して移動できる。
【0093】
そのような構成は、例えば国際公開第2009/043630号パンフレットに記載されている。
【0094】
第2の部分70は、穿孔プレート74を受け入れるためのハウジング73(図6参照)を形成するカプセル保持要素72を含み、穿孔プレート74に対峙して原料カプセルが第1の部分34の移動の終端に配置されるようになっている。
【0095】
第2の部分70に近接するケーシングの上端には開口76が設けられる。
【0096】
この開口は、第1の部分34と第2の部分70との間に配置される浸出チャンバ78と呼ばれる装置の部分内への原料カプセルの導入を可能にする。
【0097】
原料カプセル36は、変位軸Xに対して垂直な挿入方向Z(垂直方向)で開口76を通ってケーシング内に挿入される。
【0098】
装置は、ケーシングの2つの対向する内面上にZ方向に沿って配置されて開口76から下方へ延びる2つの対称なガイド部材、例えば2つのガイドレールをさらに含む。
【0099】
図2および図6は、77で示される2つのガイド部材のうちの一方を示しており、第2のガイド部材(図示せず)は長手方向軸Xを含む垂直面に対して対称である。
【0100】
原料カプセルが開口76を通って導入されると、カプセルのフランジが、図2に表わされる位置に至るその下降移動中に浸出チャンバ78内で案内されるようにガイド部材間に挿入される。
【0101】
より具体的には、フランジの径方向で対向する2つの部分が、それぞれ2つの対向するガイドレール内に挿入され、これらのレール内でスライドする。レールおよびカプセルのフランジの寸法は、図2に表わされるように、中間位置でカプセルが方向Zに対して傾けられるような態様で互いに対して設計される。特に、各レールの幅(挿入方向に対して横断する方向の寸法)は、閉塞部材36dで覆われるフランジ36cの厚さあるいは高さよりも大きいことが好ましい。
【0102】
2つのガイド部材は、原料カプセルのフランジの経路上に配置される2つのストッパをそれぞれ含む。
【0103】
2つのストッパ、例えば隆起部はそれぞれ、図2に表わされるように中間位置でカプセルとストッパとが当接できるようにする高さで2つのガイドレールに配置される。2つのストッパは、フランジが通常自由に通過するために浸出チャンバで利用できる幅を減少させ、それにより、カプセルフランジとストッパとの当接がもたらされる。
【0104】
図6は、ガイド部材77に配置される79で示されるストッパを示している。
【0105】
図7は、第2の部分70に組み付けられた穿孔プレート74を概略的にかつ部分的に表わしている。
【0106】
より具体的には、保持要素72は、穿孔プレート74がそれと対峙して配置されるようになっている中心支持部80と、中心部80から装置の第1の部分34へ向けて軸方向に延びる外周部82とを備え、それにより、プレート74を受け入れるための中心ハウジングが形成される。
【0107】
リング部材84が、支持部80から軸方向に距離を隔てて、外周部82から径方向内側に延びる。
【0108】
リング部材84は、プレート74の外径よりも僅かに大きい内径を有するとともに、その内面84aに幾つかの内側要素を備える。図面にはそのうちの2つの内側要素84b、84cだけが表わされているが、例えば、4つの要素がリングの外周に配置されてもよい。
【0109】
そのような内側リング要素は、内面84aから径方向内側に延びて、それぞれが図7の矢印F1により示される方向で穿孔プレートをそのハウジング内に導入するのを容易にするための傾斜路としての役目を果たす。
【0110】
開放された中心部を通ってリング84を挿入することは、リング84と穿孔プレート74との間の相対的な弾性に起因して可能にされる。
【0111】
プレート74が図7に表わされる位置で強制的にリング84を通して係合されると、各内側リング要素は、プレート74が反対方向に引き抜かれるのを防止するための保持手段として作用する。
【0112】
したがって、穿孔プレート74はそのハウジング内またはシート内にスナップ嵌合される。
【0113】
図7図9に表わされるように、プレート74は、表面91から延びる複数の穿孔突出部材90、ならびに、穿孔突出部材間に配置される複数の飲料排出オリフィス92を備える。
【0114】
簡単に言うと、図4に表わされる位置では、原料カプセル36がプレート74の穿孔突出部材90に近接し、例えば部材90と接触するとともに、熱湯が所定の圧力下で既知の態様でカプセル内に注入される。
【0115】
カプセル内の圧力の作用下で、閉塞部材36d(例えば、引き裂きフェースまたは膜)が変形して穿孔突出部材90を押圧し、それにより、閉塞部材が引き裂かれる。
【0116】
カプセル内に収容される流体(例えば、コーヒー)は、カプセルから流出し、受け入れチャンバ94(図4)内へ開放する飲料排出オリフィス92を通過することが可能になる。
【0117】
流体は、チャンバ94から出口ノズル96を通って流れ、図示しない下方のカップ内に注ぎ込まれる。
【0118】
カプセルからの流体の抽出に関連するさらなる詳細および態様は、米国特許第5,402,707号明細書で与えられる。
【0119】
図7に表わされるように、また、米国特許第5,402,707号明細書にさらに十分に記載されるように、各穿孔突出部材90は全体がピラミッドの頂部を切り取った形状を有する。ピラミッドは、表面91に結合される正方形の基部90aから、4つの直線状の穿孔縁部90b、90c、90d、90eにより画定される正方形表面を有する自由端へ向けて軸方向に延びる。
【0120】
穿孔縁部は、表面91と平行な面内にあり、既に前述したように原料カプセルが穿孔部材に押圧されるときに原料カプセルの閉塞部材を引き裂く。
【0121】
本明細書中で例示されない他の実施形態によれば、穿孔突出部材は、角柱、円柱、または、随意的に多角形断面または円形断面の錐台などの他の形状をとってもよい。
【0122】
本出願人は、開口76およびカプセルの挿入方向Zに対して表面91上の穿孔突出部材を適切に配置することによって、図1aおよび図1bに示されるようなカプセルの挿入中における穿孔突出部材による原料カプセルの捕捉の危険を減らすことができることを見出した。
【0123】
特に、本出願人は、穿孔突出部材が互いに離間しすぎる場合および/または方向Zに対して垂直な方向Yで穿孔突出部材が存在しないままにされる空間が大きすぎる態様で穿孔突出部材が方向付けられる場合には、これらの部材に対するカプセルの捕捉/詰まりが生じ得ることに注目した。
【0124】
また、カプセルのフランジ36cは、カプセルプレートが適切に方向付けられるときに穿孔突出部材間に存在する何もない空間内にフランジが導入される可能性を減らすように寸法付けられて形成される拡大端部、例えばカール状端部またはソリッド端部を伴って形成されることも好ましい。
【0125】
図8は、図7のサイズと比べて小さいサイズで突出部材90を示しており、この場合、2つの隣接する部材間に存在する何もない空間は、カプセルの捕捉/詰まりの危険を減らすのに十分小さい。
【0126】
しかしながら、カプセルがZ方向で垂直に挿入されるときには、水平・垂直方向の格子配置(互いに垂直な通路を突出部材間に形成するように突出部材が表面91上に配置される)により、カプセルフランジの一部が部材90間の(方向Yの)、破線により示される水平通路100内に入リ込むことが可能になる。
【0127】
図9は、カプセルがZ方向に挿入されるときに、カプセルのフランジをもはや通路100内で捕捉しえない、穿孔突出部材90の角度方向の配列構成を示している。
【0128】
プレート74と垂直な回転軸を中心にプレート74が水平線に対して少なくとも15°の角度にわたって、例えば45°に等しい角度にわたって回転されてしまっているため、通路100はもはや水平ではない。
【0129】
したがって、挿入方向Zに対して垂直な方向Yで表面91上に穿孔突出部材が存在しない空間は、図8において存在する空間に比べてかなり縮小されている。
【0130】
そのため、この空間は、カプセルの捕捉の危険を減らすように図9の配置で適切に寸法付けられる。
【0131】
他の実施形態において、表面上の穿孔部材の配置は、挿入方向に対する空間の方向がどの方向であっても、原料カプセルの捕捉を防止するためにこれらの穿孔部材が存在しない空間が、常にカプセルのフランジに対して十分に小さくなるように成されてもよい。
【0132】
したがって、従来技術の既存の装置の場合のように穿孔プレートがそのハウジング内で自由に回転できるように取り付けられる場合であっても、捕捉の危険が減少される。
【0133】
開口76の方へ向けられる穿孔突出部材の穿孔縁部(図9の穿孔縁部90b、90c)は、挿入方向Zに対して90°未満、好ましくは75°未満の角度を成して配置されることに注意すべきである。
【0134】
上方に向けられる穿孔縁部のこの配置は、原料カプセルの捕捉の危険が減少されることを保証する。
【0135】
上記は、三角形またはダイヤモンド形状の断面を伴う部材などの他の形状の穿孔突出部材にも当てはまる。
【0136】
また、捕捉の危険をさらに減らすために、原料カプセルのフランジの厚さと穿孔突出部材間に存在する何もない空間との間の相対的な寸法が適切な態様で調整されてもよい。
【0137】
したがって、フランジの厚さは、穿孔突出部材間に存在する何もない空間よりも大きくなるように増大されてもよい。これにより、カプセルフランジは、部材によってさらに捕捉され難くなる。
【0138】
厚さの増大に代えてあるいは厚さの増大と組み合わせて、穿孔突出部材間に存在する空間の寸法が減少されてもよく、それにより、部材によるカプセルフランジの捕捉がさらに困難になる。
【0139】
また、本出願人は、例えば図9に示される場合のように穿孔プレート74を所定の角度位置に恒久的に位置決めする、あるいは方向付けるために、既存の装置に対して特定の手段を付加した。
【0140】
プレート74およびその支持部は、プレート74が不用意な回転によって図8の位置に戻ることができないように設計されてもよい。
【0141】
しかしながら、プレートの回転が完全に防止されなくてもよく、また、所定の角度位置を中心に所定の角度範囲にわたって僅かな回転が想定されてもよい。
【0142】
この僅かな回転により、異なる装置および穿孔プレートを考慮に入れることができるとともに、装置に対する穿孔プレートの取り付けを例えば自動装置またはロボットによって容易にすることができる。
【0143】
例えば、所定の角度位置を中心に±15°の回転の大きさが許容される。
【0144】
図10図12は、前述した所定の角度位置にプレート74を位置決めするための位置決め手段を示している。これらの手段は所定の方向性をプレート74に対して与える。
【0145】
特に、プレート74には雄型ブロッキング部材が設けられ、また、プレート74が取り付けられる装置の支持体には相補的な雌型ブロッキング部材が設けられ、それにより、雄型部材および雌型部材が協働してプレート74を所定の位置に位置決めできる。この位置は、図8の位置とは異なっており、図8の位置から隔てられる。
【0146】
代わりに、雄型協働部材が支持体上に配置されてもよく、一方、雌型協働部材がプレート上に配置されてもよいことに注意すべきである。
【0147】
例えば、雄型ブロッキング部材は、図10に表わされるようにプレート74の径方向で対向する2つの側に配置されてプレート74の外周118から径方向外側に延びる2つの突出部材の形態を成してもよい。
【0148】
図11は、保持要素72の支持部80、および、保持要素のハウジング内に受け入れられて支持部80の背後に配置されるプレート74を示す(図7の左側から見た)背面図である。
【0149】
突出部材110、112および114、116のそれぞれの対における2つの突出部材(例えば2つの刻み目)は、互いに角度がオフセットされ、また、それぞれの対は支持部80に設けられる凹部内に配置される。
【0150】
例えば、2つの凹部120、122のそれぞれは、径方向内側に形成されるとともに、それぞれの対における2つの突出部材間の角度方向の空間よりも大きい角度方向の延在部を有する。
【0151】
各凹部の角度方向の延在部は、凹部120においては120a、120bで示される2つの径方向縁部によって境界付けられ、また、凹部122においては122a、122bで示される2つの径方向縁部によって境界付けられる。
【0152】
支持部80に対峙して配置されるプレート74の部分斜視図である図12に表わされるように、突出部材112は、プレート74のそのハウジング内での僅かな回転後に縁部120bと接触する。縁部120bは、回転方向R1での任意のさらなる回転を防止するストッパとしての機能を果たす。
【0153】
図11に示される縁部120aは、R2で示される反対の回転方向でのプレート74の回転を阻止するために突出部材110に対して同じように作用する。
【0154】
凹部120内の縁部120a、120b(凹部122内の縁部122a、122bのそれぞれ)は、突出部材110、112(114、116のそれぞれ)と機械的に協働する雌型ブロッキング部材である。
【0155】
プレート74の所定の角度位置を中心とする所定の角度範囲(プレート74の回転の大きさ)は、各凹部における2つの対向する縁部間の角度方向の空間と、それぞれの対における2つの突出部材間の角度方向のオフセットとによって規定されてもよい。
【0156】
場合によってはプレートおよび支持部に関して逆の配置を伴って、同じ前述した機能を果たすために他の形態の雄型および雌型の協働部材が想起されてもよい。
【0157】
例えば、支持部80には径方向に対向する2つの突出部材が備えられてもよく、また、プレート74には、所定の角度位置を中心とするプレート74の限られた回転(例えば45°)を可能にする角度方向の延在部をそれぞれが有する径方向に対向する2つの凹部または溝が設けられてもよい。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12