特許第5977750号(P5977750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977750
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】毛髪修復用組成物及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20160817BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61Q5/12
   A61K8/34
   A61Q5/02
【請求項の数】7
【全頁数】165
(21)【出願番号】特願2013-534942(P2013-534942)
(86)(22)【出願日】2011年10月7日
(65)【公表番号】特表2013-540152(P2013-540152A)
(43)【公表日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】US2011055370
(87)【国際公開番号】WO2012054243
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年8月7日
(31)【優先権主張番号】PCT/US10/053360
(32)【優先日】2010年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/394,966
(32)【優先日】2010年10月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313004469
【氏名又は名称】アルバート−カルバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スゼルスゼン,マーガレツト
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ジエイソン
(72)【発明者】
【氏名】ペトロスキー,ダン
(72)【発明者】
【氏名】イーガン,デボラ
(72)【発明者】
【氏名】フエルスキー,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ベルブーン,ジヤイルス・エム
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−139734(JP,A)
【文献】 特開2010−184907(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01779838(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0089494(US,A1)
【文献】 特開昭59−231008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第4級アンモニウム窒素部分をもつ1以上のモノマー単位を含むカチオン性ポリマーと、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーであるアニオン性ポリマーからなる高分子電解質複合体であって、組成物の総重量に対して1%から8%までの前記高分子電解質複合体と;
第四級アンモニウム窒素化合物又はポリマーを含む増粘剤であって、組成物の総重量に対して3%から5%までの前記増粘剤と;
組成物の総重量に対して2%以下の脂肪アルコールであるエモリエント
を含有するヘアケア組成物であって、
前記組成物が3000cps〜100,000cpsの粘度であり;
前記組成物が凍結・解凍安定性試験中に安定性を示す、前記ヘアケア組成物。
【請求項2】
増粘剤が、第四級アンモニウム窒素化合物又はポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第四級アンモニウム窒素ポリマーが、ポリクオタニウム−37である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリクオタニウム−37が、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール及びポリプロピレングリコール−2トリデセス−6との混合物として存在する請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はその組合せである、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
高分子電解質複合体が、組成物の総重量に対して1%から3%までの量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
カチオン性ポリマーが、ポリクオタニウムである、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヘアケア組成物は複数の特性を備えるように製剤化されることが多い。例えば、ヘアコンディショナーは毛髪をコンディショニングするように製剤化すると共に毛髪を修復するように製剤化することができる。複数の特性を備えるヘアケア組成物は所望の効果を得るために毛髪に塗布する組成物が少数で済むという点で消費者にとって魅力的である。しかし、このようなヘアケア組成物を製剤化するためには、多くの場合には複数の原料が必要である。原料数が増すにつれて組成物の複雑さも増す。このような組成物の長期安定性は多数の原料間の不相溶性により悪化する可能性がある。
【0002】
更に、多くのヘアケア組成物では原料数が多いため、製剤は所望の美容的特性を提供するのに適した原料を見出すという課題に直面するのみならず、これらの複雑な組成物を製造するという課題にも直面する。このような課題には、初期試験用の小規模と市販用の大規模の両者で組成物を製造するための製造プロトコールの開発も含まれる。原料数が多いほど多数の製造容器が必要になり、その結果、組成物を製造するために必要な時間と費用が増すことになる。このように、美容用組成物は原料の複雑な混合物であり、このような複雑さにより、製造プロトコールの開発にあたっては慎重な検討が必要になる。
【0003】
ヘアケア組成物原料としてはコンディショニング剤が挙げられ、多くの場合には正電荷をもつ化合物である。毛髪は正味負電荷をもつ。コンディショニング剤の正電荷は毛髪の総体的な負電荷に吸引されるため、正電荷をもつコンディショニング剤は毛髪に付着する。この付着性により、コンディショニング剤はそのコンディショニング効果を発揮するために毛髪と相互作用することができる。コンディショニング効果としては、枝毛修復等の毛髪損傷後の毛髪の復元が挙げられる。
【0004】
当分野で公知のコンディショニング剤としては、第四級アンモニウム窒素化合物(別称「クオタニウム」)と、このような化合物の部分を含むポリマー(別称「ポリクオタニウム」)が挙げられる。ポリクオタニウムとしては、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマーであるポリクオタニウム−28が挙げられる。ポリクオタニウム−28とメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマー(PVMMA)を特定の比で配合すると、枝毛損傷を修復する高分子電解質複合体(PEC)となることが分かっている(いずれもISP Investments Inc.名義の米国特許出願公開第2005/0089494号及び2006/0251603号)。しかし、複雑なヘアケア製剤に鑑みると、他の原料、特にPEC構造を破壊する恐れのある電荷をもつ化合物とポリマーの存在によりPECの安定性は低下する可能性がある。従って、PECの有用性はヘアケア組成物に配合することが望ましいと思われる他の原料とのその相溶性により制限される可能性がある。ヘアケア組成物には複数の特性が所望されることが多いので、他の望ましい特性を提供する他のヘアケア原料とPECの安定した組合せを含むヘアケア組成物を製剤化することが望ましいと思われる。
【0005】
また、PVMMA:ポリクオタニウム−28 PECは2種類の構成原料のみから成るが、これらのPECの製造方法は上記ISP Investmentsの出願では2又は3個の別個の容器を用いると記載されている。このような方法は特に他の原料を添加するために他の容器が必要になるという点で煩瑣である。1種類の複合体を製造するために大規模製造施設で2又は3個の容器を専用に使用するのは非効率的であり、コスト高となる。
【0006】
更に、消費者はヘアケア製品を購入する際に、ヘアケア製品の特性に基づいて購入する。例えば、縮毛の消費者は縮毛矯正用製品を購入すると思われ、枝毛のある消費者は枝毛修復用製品を購入すると思われる。即ち、消費者は特定の毛髪タイプ又は毛髪トラブルに望ましい特性をもつヘアケア製品を購入すると思われる。消費者がどれを購入するかを決定するためにヘアケア製品組成物を比較するためには、組成物の有益な特性を消費者に明確に伝達する必要がある。1つの方法は上記ISP Investmentsの出願に記載されているような静止画写真を使用する方法である。しかし、他の方法も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0089494号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0251603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、他の毛髪有益物質、特に電荷をもつ毛髪有益物質と共に無傷のPECを含有する安定なヘアケア組成物を製剤化することが望ましいと思われる。また、PECとPECを含有するヘアケア組成物のより効率的な製造方法も必要である。更に、ヘアケア組成物の効果を消費者に有効に事後伝達できるように、ヘアケア組成物の枝毛修復結果の改善を示すことができる試験方法の開発も必要である。ヘアケア組成物の効果を消費者に有効に事後伝達できるように、ヘアケア組成物の効果を示すことができる他の方法の開発も必要である。本発明はこれらの利点を提供する。本発明のその他の利点と本発明のその他の特徴は本願に記載する本発明の説明から容易に理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するエマルション形態のヘアケア組成物として、このような高分子電解質複合体を含有する比較組成物に対して凍結・解凍安定性が改善された組成物を提供する。
【0010】
別の側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物として、前記組成物の粘度が3000cpsを上回る組成物を提供する。
【0011】
別の側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物として、前記組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤と、約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有する組成物を提供する。
【0012】
更に別の側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物として、前記組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と約2%以下のエモリエントを含有する組成物を提供する。
【0013】
本発明は更に、毛髪のコンディショニング方法と枝毛の修復方法を含めて、本願に記載する組成物の使用方法も提供する。
【0014】
更に、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の凍結・解凍安定性の改善方法として、前記組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤を前記ヘアケア組成物に添加する工程を含む方法を提供する。
【0015】
更に、本発明は高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の凍結・解凍安定性の改善方法として、前記組成物の総重量に対して約10%以上のプロピレングリコールを前記ヘアケア組成物に添加する工程を含む方法を提供する。
【0016】
本発明は更に本願に記載の組成物を毛髪に塗布することによる毛髪の熱保護方法も提供する。
【0017】
更に、本発明の1側面は高分子電解質複合体の製造方法として、式(式I):
【0018】
【化1】
の繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを容器内で水和させる工程と;その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の塩基と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記容器内で反応させて中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記容器内で加熱する工程と;前記容器内で前記中間体混合物に式(式II):
【0019】
【化2】
のビニルピロリドンと式(式III):
【0020】
【化3】
のメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程を含む方法を提供する。
【0021】
本発明は更に高分子電解質複合体の製造方法として、上記式Iの繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを容器内で水和させる工程と;例えば約6.5から約7.5まで又は約6.9から約7.0までのpHを達成するために十分な量の水酸化ナトリウムを添加し、前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記容器内で例えば20%水酸化ナトリウム溶液と反応させ、中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記容器内で約50℃から約60℃までの温度まで加熱する工程と;前記容器内で前記中間体混合物に上記式IIのビニルピロリドンと上記式IIIのメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを少なくとも約10分間混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程を含む方法を提供する。1態様において、前記方法は更に水性担体、界面活性剤、フレグランス、コンディショニング剤、エモリエント、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の成分と前記高分子電解質複合体を混合し、ヘアケア組成物を形成する工程を含む。1態様において、前記混合は前記1種以上の成分を十分に配合できるようにするために十分な程度に実施する。
【0022】
本発明は更に、高分子電解質複合体を製造する工程を含むヘアケア組成物の製造方法として、上記式Iの繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを容器内で水和させる工程と;例えば約6.5から約7.5まで又は約6.9から約7.0までのpHを達成するために十分な量の水酸化ナトリウムを添加し、その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の塩基(例えば20%水酸化ナトリウム)と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記容器内で反応させ、中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記容器内で例えば約50℃から約60℃までの温度まで加熱する工程と;前記容器内で前記中間体混合物に上記式IIのビニルピロリドンと上記式IIIのメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程と;水性担体、界面活性剤、フレグランス、コンディショニング剤、エモリエント、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の付加成分を前記容器内で前記高分子電解質複合体に添加する工程と;得られた組成物を前記容器内で混合する工程を含む方法を提供する。1態様において、前記方法はシャンプー、コンディショナー、リーブイントリートメント、クリーム、ジェル、ムース、セラム、オイルトリートメント、グレーズ又はスプレーの形態のヘアケア組成物を製造する。
【0023】
本発明は更にメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーと、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーの高分子電解質複合体を製造する工程を含むヘアケア組成物の製造方法として、上記式Iの繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを第1の容器内で水和させる工程と;例えば約6.5から約7.5まで又は約6.9から約7.0までのpHを達成するために十分な量の水酸化ナトリウムを添加し、その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の塩基(例えば20%水酸化ナトリウム)と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記第1の容器内で反応させ、中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記第1の容器内で例えば約50℃から約60℃までの温度まで加熱する工程と;前記第1の容器内で前記中間体混合物に上記式IIのビニルピロリドンと上記式IIIのメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記第1の容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程と;水性担体、界面活性剤、フレグランス、コンディショニング剤、エモリエント、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の成分を第2の容器内で混合する工程と;前記第1又は第2の容器内で前記第1の容器の前記高分子電解質複合体と前記第2の容器の前記混合成分を混合する工程を含む方法を提供する。1態様において、前記方法はシャンプー、コンディショナー、リーブイントリートメント、クリーム、ジェル、ムース又はスプレーの形態のヘアケア組成物を製造する。
【0024】
更に、本発明は枝毛の修復を画像で再現する方法として、枝毛になった毛髪又は表面に固定されている間に損傷して枝毛になる毛髪を表面に固定する工程と;前記表面を拡大装置と連動させ、前記枝毛を前記拡大装置の視野内に配置する工程と;撮像装置を前記拡大装置と連動させ、前記拡大装置の視野の拡大画像を撮像する工程と;前記枝毛を組成物で処理し、前記組成物により前記枝毛を修復し、前記枝毛を結合させる工程と;前記拡大装置と連動させた前記撮像装置により、前記組成物による処理中の前記枝毛の修復の画像を撮像し、前記修復の撮像画像の表示を事後検索に備えて保存する工程を含む方法を提供する。1態様において、前記組成物は前記組成物の総重量に対して例えば約1%から約5%までの増粘剤と、約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有する。別の態様において、前記組成物は前記組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と、約2%以下のエモリエントを含有する。別の態様では、枝毛修復度を消費者に伝達する。
【0025】
本発明は更に枝毛修復度を定量的に評価する方法として、2回脱色した毛髪からなる毛束を採取する工程と;前記毛束をコーミング及びブロー乾燥し、少なくと1本の毛髪に少なくとも1箇所の枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;場合により前記少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程と;前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像し、前記画像の表示、例えば電子表示を保存する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;前記毛束及び前記毛髪を組成物で処理する工程と;処理した前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;処理した前記毛束から抽出した前記毛髪の先端の第2の画像を撮像する工程と;前記毛髪に関して前記枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当て、前記毛髪の枝毛修復度を評価する工程と;2本以上の毛髪を評価する場合には、場合により、評価した前記毛髪に関する平均値を求める工程を含む方法を提供する。1態様において、前記組成物は前記組成物の総重量に対して例えば約1%から約5%までの増粘剤と、約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有する。別の態様において、前記組成物は前記組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と、約2%以下のエモリエントを含有する。別の態様では、前記枝毛修復度を消費者に伝達する。
【0026】
本発明の1態様は枝毛修復度を定量的に評価する方法として、毛束を採取する工程と;前記毛束の少なくとも1本の毛髪に枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;場合により前記少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程と;前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像し、前記画像の表示、例えば電子表示を保存する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体と、組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤と、約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有するヘアケア組成物からなる組成物で前記毛束及び前記毛髪を処理する工程と;処理した前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;処理した前記毛束から抽出した前記毛髪の先端の第2の画像を撮像する工程と;前記毛髪に関して前記枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当て、前記毛髪の枝毛修復度を評価する工程と;2本以上の毛髪を評価する場合には、場合により、評価した前記毛髪に関する平均値を求める工程を含む方法を提供する。
【0027】
本発明の別の態様は枝毛修復度を定量的に評価する方法として、毛束を採取する工程と;前記毛束の少なくとも1本の毛髪に枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;場合により前記少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程と;前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像し、前記画像の表示、例えば電子表示を保存する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体と、組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と、約2%以下のエモリエントを含有するヘアケア組成物からなる組成物で前記毛束及び前記毛髪を処理する工程と;処理した前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;処理した前記毛束から抽出した前記毛髪の先端の第2の画像を撮像する工程と;前記毛髪に関して前記枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当て、前記毛髪の枝毛修復度を評価する工程と;2本以上の毛髪を評価する場合には、場合により、評価した前記毛髪に関する平均値を求める工程を含む方法を提供する。
【0028】
本発明の別の態様は枝毛修復度を定量的に評価する方法として、毛束を採取する工程と;前記毛束の少なくとも1本の毛髪に枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;場合により前記少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程と;前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像し、前記画像の表示、例えば電子表示を保存する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物からなり、粘度が3000cpsを上回る組成物で前記毛束及び前記毛髪を処理する工程と;処理した前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;処理した前記毛束から抽出した前記毛髪の先端の第2の画像を撮像する工程と;前記毛髪に関して前記枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当て、前記毛髪の枝毛修復度を評価する工程と;2本以上の毛髪を評価する場合には、場合により、評価した前記毛髪に関する平均値を求める工程を含む方法を提供する。
【0029】
本発明の別の態様は枝毛修復度を定量的に評価する方法として、毛束を採取する工程と;前記毛束の少なくとも1本の毛髪に枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;場合により前記少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程と;前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像し、前記画像の表示、例えば電子表示を保存する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するエマルション形態のヘアケア組成物からなり、このような高分子電解質複合体を含有する比較組成物に対して凍結・解凍安定性が改善された組成物で前記毛束及び前記毛髪を処理する工程と;処理した前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;処理した前記毛束から抽出した前記毛髪の先端の第2の画像を撮像する工程と;前記毛髪に関して前記枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当て、前記毛髪の枝毛修復度を評価する工程と;2本以上の毛髪を評価する場合には、場合により、評価した前記毛髪に関する平均値を求める工程を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】3サイクルでリンスオフコンディショナーにより本発明の方法を使用して測定した修復度百分率を示す棒グラフである。括弧内の数字は高分子電解質複合体(PEC)の百分率である。各種組成物について試験した毛髪本数は20本、100本、及び/又は50本とした。
図2】1回の処理でリーブイン組成物により本発明の方法を使用して測定した修復度百分率を示す棒グラフである。各組成物について毛髪20本を試験した。
図3】高分子電解質複合体(PEC)を使用した枝毛の修復を示す模式図である。同図はPECによる枝毛修復の考えられるメカニズムを示し、即ち、PECは枝毛の部位に付着し、自己集合すると共に毛髪群と集合して網目構造を形成し、乾燥するにつれて収縮し、枝毛を内側から結合すると考えられる。
図4A】各種枝毛タイプの修復の静止画写真を示す。
図4B】各種枝毛タイプの修復の静止画写真を示す。
図4C】各種枝毛タイプの修復の静止画写真を示す。
図4D】各種枝毛タイプの修復の静止画写真を示す。
図5】修復過程中の枝毛修復のビデオから撮影した静止画写真を示す。
図6】本発明の1態様による画像データ撮像システムの模式図である。
図7】本発明の代表的組成物の高湿度下のカール保持率を比較する折れ線グラフを示す。
図8】本発明の代表的組成物を使用した毛髪の熱保護率つ々に写真撮影し、製品塗布前に透過光を放射させながらWILDを示す。
図9】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図10】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図11】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図12】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図13】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図14】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図15】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図16】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図17】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図18】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図19】本願に記載する組成物の凍結・解凍比較を示す。
図20】本発明の代表的組成物により修復された枝毛を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は高分子電解質複合体(PEC)と他の毛髪有益物質、特に電荷をもつ化合物を含有する安定な組成物という驚くべき予想外の発見に基づき、前記PECは無傷のままで毛髪修復効果を示す。電荷をもつ他の毛髪有益物質、即ちPEC構造を構成する複合体を破壊せずに毛髪に有益な特性をもつ物質又は毛髪に有益な特性を付与する物質(例えばカチオン性コンディショニング剤)とPECを併用できることが意外にも判明した。この予想外の発見により、本発明はPECの毛髪修復効果を備えるのみならず、他の毛髪有益物質の利点も備える組成物を提供する。即ち、本発明は例えば電荷をもつ毛髪有益物質、例えば第四級アンモニウム塩類、カチオン性コンディショニングポリマー等を配合する組成物及び方法を提供する。本発明によりPECと併用することができる適切な毛髪有益物質としては、例えば、ステアラミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルベタイン、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−39、DC5−7113(シリコーンクオタニウム−16及びウンデセス−11及びブチルオクタノール及びウンデセス−5)、Abil(登録商標)T Quat 60(シリコーンクオタニウム−22)、クオタニウム−80、Merquat(登録商標)2001(ポリクオタニウム−47)、及びアクリル酸/VPクロスポリマーが挙げられる。電荷をもつ他の適切な毛髪有益物質も本願に記載する。
【0032】
本発明はPECのワンポット製造方法も提供する。本発明の方法は2個以上の別個の容器を必要とする従来方法を使用して製造されると同一の粒度分布のPECを製造することもできる。従って、本発明はPECとPECを含有するヘアケア組成物のより効率的で費用効果的な製造方法を提供する。
【0033】
本発明は更にPECの濃度を4重量%超、例えば8重量%にすることができる。
【0034】
更に、本発明はヘアケア組成物の効果を消費者に有効に事後伝達できるように、ヘアケア組成物の効果を画像で証明できる方法を提供するという利点もある。消費者はヘアケア製品の特性に基づいてヘアケア製品を購入する。従って、消費者が競合ヘアケア製品と比較して詳しい情報に基づいて購入を決断できるように、ヘアケア製品組成の有益な特性をこれらの消費者に有効に伝達することが非常に重要である。
【0035】
本発明は更に、ヘアケア組成物の効果を消費者に有効に伝達できるように、ヘアケア組成物の枝毛修復結果の改善を示すことができる試験方法を提供するという利点もある。大半の枝毛修復試験方法は無傷の毛髪を使用し、機械的に枝毛を誘導している。枝毛修復用組成物の原料が機械的に誘導した損傷のみに作用するように無傷の毛髪を使用していると考えられる。換言するならば、無傷の毛髪には枝毛以外に他の毛髪損傷は存在しない。従って、修復用組成物はその修復能を枝毛損傷に限定している。その場合、このような組成物の修復原料は毛髪の他の部分で浪費されない。しかし、枝毛修復試験方法で無傷の毛髪の代わりに例えば脱色による他の損傷を含む毛髪を使用できることが意外にも判明した。修復用組成物はその修復原料が枝毛だけでなく、毛髪の他の損傷にも吸引され、枝毛修復量が減ると予想されるので、これは意外である。本出願人は、毛髪の損傷度が大きいほど枝毛修復は良好になることを見出した。更に、損傷度の高い毛髪を使用すると、例えばリーブイン製品で達成可能なレベルである50%を上回る高い修復度百分率をリンスアウト製品で達成できることも判明した。1側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するエマルション形態のヘアケア組成物でありながら、例えば米国特許出願公開第2005/0089494号及び2006/0251603号に記載されているPECを従来のヘアケアベース製剤で製剤化することにより製造される比較組成物に対して凍結・解凍安定性が改善された組成物を提供する。1態様において、前記組成物は例えば前記組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤と約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有する。別の態様において、前記組成物は前記組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と、約2%以下のエモリエントを含有する。
【0036】
本発明の組成物は予想外の凍結・解凍安定性を提供する。凍結・解凍安定性は特に極低温に暴露されることが多い輸送及び保存の目的でヘアケア組成物の重要な特性である。毛髪に止まることにより屋外で両極端の温度に暴露される製品にも凍結・解凍安定性は重要である。PECを含有する組成物は凍結・解凍条件下で本来不安定ではない。しかし、コンディショナー組成物を増粘させるために当分野で例えば約3重量%以上(例えば約5重量%)で使用されている1種以上の脂肪アルコール(例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール等)を加えると、製剤は凍結・解凍中に不安定になる。組成物は粗粒状になり、消費者の要求を満たさず、消費者に拒否され易くなる。
【0037】
凍結・解凍不安定性に加え、約5%の脂肪アルコールを添加した従来のPEC含有組成物は長期高温安定性に欠ける。このような組成物の粘度は経時的に増加し続け(例えば45℃で2〜3カ月後に100,000cpsを上回る)、粘度が高過ぎて毛髪に延ばしにくくなるため、消費者の要求を満たさず、消費者に拒否され易くなる。本発明者らはSalcare(登録商標)を添加すると、粘度制御が改善され、即ち粘度が例えば約20,000〜40,000cpsに止まるように制御されることを見出した。
【0038】
本発明の組成物及び方法は増粘剤を配合することができる。増粘剤は組成物の粘度を増し、所定の増粘剤の添加量が多い組成物ほど粘度は増加する。増粘剤は例えば第四級アンモニウム窒素化合物又はポリマーとすることができ、例えばポリクオタニウム−37が挙げられ、例えばポリクオタニウム−37はジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール及びポリプロピレングリコール−1トリデセス−6との混合物として存在する。Ciba(登録商標)/BASF,Basel,スイスの製品であるSalcare(登録商標)SC96はこのような混合物の1例である。Salcare(登録商標)SC96は65%のポリクオタニウム−37と、25%のジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコールと、10%のPPG−1トリデセス−6からなる。他の適切な増粘剤も本発明の組成物に添加することができ、例えばキサンタンガム、アクリル酸/VPクロスポリマー(例えばUltrathix(商標)P−100;ISP,Wayne,NJ,米国)、PVP、PVP K−90、PEG−90M及びスチレン/VPコポリマーが挙げられる。
【0039】
別の側面において、本発明はカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物として、前記組成物の粘度が3000cpsを上回る組成物を提供する。1態様において、このような組成物は前記組成物の総重量に対して例えば約1%から約5%までの増粘剤と、約10%以上のプロピレングリコールと、約5%以上のエモリエントを含有することができる。別の態様において、このような組成物は前記組成物の総重量に対して例えば約3%から約5%までの増粘剤と、約2%以下のエモリエントを含有することができる。
【0040】
本発明の組成物の粘度は増粘剤及び/又は他の原料の添加量により変動させることができる。本発明の組成物は約1重量%から約10重量%までの濃度の増粘剤を含有することができる。前記増粘剤は例えば下表に示すような重量%の量で存在することができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約1重量%から約2重量%まで」の範囲である。
【0041】
【表1】
【0042】
従って、粘度は任意の上記端点間の範囲をとることができる。
【0043】
本発明の組成物の粘度は50,000cpsを下回る粘度についてはRV T−B,10rpm,1分,25℃で測定し、50,000cpsを上回り且つ100,000cpsを下回る粘度についてはRV T−C,5rpm,1分,25℃で測定した場合に例えば約3000cpsから約100,000cpsまで、又は例えば約20,000cpsから約40,000cpsまでの範囲をとることができる。本発明の組成物の粘度は例えば下表に示すような範囲をとることができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約3000cpsから約10,000cpsまで」の範囲である。
【0044】
【表2】
【0045】
従って、粘度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。
【0046】
本発明の1側面において、前記組成物は増粘剤と、プロピレングリコールと、比較的高濃度、例えば5重量%以上の量のエモリエントを含有する。適切なエモリエントとしては、例えば1種以上の脂肪アルコールが挙げられる。10重量%以上のプロピレングリコールを含有するヘアケア製品は粘稠ないし粘着性に感じられたり、(グリコール類の保湿性により)毛髪の乾燥に時間がかかり過ぎると感じられたり、毛髪に櫛が通りにくく、艶が出ないと感じられるため、許容できないと消費者に判断される場合がある。しかし、驚くべきことに、本発明に従って10%以上のプロピレングリコールを添加すると、許容可能な凍結・解凍安定性が得られるだけでなく、消費者に許容可能であると判断され易い組成物が得られることが判明した。更に、本出願人らはこのような組成物におけるエマルションが高濃度のグリコールに適応でき、悪影響(例えば粘度変化等)がないことを見出した。本出願人らは5重量%のソルビトールやグリセリン等の他の多価アルコールでは許容可能な凍結・解凍安定性が得られないことを見出した。
【0047】
所定態様において、本発明の組成物及び方法は例えば約10重量%以上、約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、又は約50重量%以上の濃度のプロピレングリコールを配合することができる。
【0048】
本発明は更に、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体と;組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤と;約10%以上のプロピレングリコールと;約5%以上のエモリエントを含有するヘアケア組成物を提供する。
【0049】
別の側面において、本発明は組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と約2%以下のエモリエントと共に、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物を提供する。1側面において、本発明の組成物はプロピレングリコールを実質的に含まないことが好ましい。本願で使用する「プロピレングリコールを実質的に含まない」とは、本発明の組成物のプロピレングリコール含有量が約1重量%未満であること、プロピレングリコール含有量が約0.5重量%未満であること、プロピレングリコール含有量が約0.1重量%未満であること、より好ましくは0重量%であること、即ちプロピレングリコールを含有していないことを意味する。
【0050】
本発明の組成物及び方法は1種以上のエモリエントを配合することができる。エモリエントは例えば皮膚を柔軟及び/又は滑らかにすることができる。適切なエモリエントとしては、例えば脂肪アルコールが挙げられる。脂肪アルコールとしては、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール及びその組合せが挙げられる。場合により、組成物を増粘させると共にエモリエント特性を提供するために脂肪アルコールを使用することができる。本出願人らは驚くべきことに、本発明の組成物,例えば5%脂肪アルコール/1%Salcare(登録商標)SC96及び1%脂肪アルコール/5%Salcare(登録商標)SC96がほぼ同一のエマルション特性(例えば粘度、レオロジー、収率値、外観、色)を示すことを見出した。セチルアルコール濃度が僅か約1重量%でもこのような結果が得られたことは予想外であった。更に、2重量%のPECを含有する組成物に約3重量%から約5重量%までの増粘剤を添加すると、エモリエント濃度を約1重量%以下まで低下できることが判明した。PEC濃度が低いと、脂肪アルコールの重量%範囲を広げることができる。エモリエント脂肪アルコール濃度が低くても、PEC組成物は許容可能な満足感を依然として与えることが判明した。大半のヘアケア組成物、特にコンディショナーは消費者に満足感を与えるためにエモリエント脂肪アルコール濃度を高くしているのでこれは予想外である。また、増粘剤と共に、PEC組成物は許容可能な粘度を維持する。更に、低濃度のエモリエント脂肪アルコールとPECに加えて約3重量%から約5重量%までの増粘剤を添加すると、これらの原料単独では認められないコクのある白色不透明を実現できる。
【0051】
本発明の組成物におけるエモリエントの濃度は増粘剤の濃度により調節できることが望ましい。例えば、増粘剤が3〜5重量%の場合、エモリエント濃度は例えば下表に示すような範囲とすることができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約0重量%から約0.1重量%まで」の範囲である。
【0052】
【表3】
【0053】
従って、エモリエントの濃度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。あるいは、例えば増粘剤が1〜5重量%の場合には、エモリエント濃度は例えば約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、又は約50重量%以上とすることができる。
【0054】
米国特許出願公開第2005/0089494号及び2006/0251603号には数種のPECが記載されており、いずれもその開示内容全体を本願に援用する。これらの公開公報に概説されているように、PECの形成は組成物中の逆電荷のポリマーの存在のみに起因するものではない。逆電荷のポリマーの濃度を変動させる(従って、ポリマー相互の比が変化する)ときに存在するポリマー−ポリマー種を示すために相図を作成することができる。相図に基づき、PECが形成されるポリマー比を重量百分率、モル等として決定することができる。PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECでは、好ましい重量比はPVMMA:ポリクオタニウム−28が1:9である。但し、他の重量百分率でPECが存在する場合もある。例えば、1:9よりも若干上下する比で所定量のPECが存在するように、1:9重量百分率比の付近でPVMMA/ポリクオタニウム−28 PECを形成することができる。重量百分率比はPVMMA:ポリクオタニウム−28を約1:8から約1:10までとすることができる。従って、本発明の組成物中に存在し、本発明の方法で使用されるカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーは約1:8から約1:10までの有効分重量比とすることができる。
【0055】
重量百分率比に加え、PECの形成はポリマーの電荷−電荷比により決定することができる。PECは通常ではポリマーの電荷−電荷比が1:1であるときに形成される。従って、PECは例えばポリマーの各負電荷が別のポリマーの正電荷と均衡する場合に形成され易い。但し、PECは他の電荷−電荷比で存在する場合もある。例えば、1:1よりも若干上下する比、例えば0.82〜1.8のカチオン電荷対アニオン電荷等の比でで少なくとも所定量のPECが存在するように、1:1付近の電荷−電荷比でPECを形成することができる。種々の電荷−電荷比でのPECの存在を調べるために相図を作成することができる。
【0056】
カチオン電荷を含むポリマーとアニオン電荷を含むポリマーの間で形成されるPECも本願に含まれる。しかし、ポリマーがイオン結合を介して相互作用する限り、任意ポリマー−ポリマー系に対するPEC形成の適合性を調べるために相図を作成することができる。本発明の組成物及び方法はカチオン性ポリマーが1以上の第4級アンモニウム窒素部分をもつ1以上のモノマー単位を含む高分子電解質複合体、例えばビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ポリクオタニウム−28)を配合することができる。PECを形成するのに使用することができる他のカチオン性ポリマーの非限定的な例としては、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10又はポリクオタニウム−11等の他のポリクオタニウムポリマーが挙げられる。本発明の組成物及び方法はアニオン性ポリマーがイオン性カルボン酸部分をもつモノマー単位を含む高分子電解質複合体、例えばメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを配合することができる。PECを形成するのに使用することができるアニオン性ポリマーの別の例はビニルピロリドン/アクリレート/メタクリル酸ラウリルコポリマーである。
【0057】
カルボン酸基又は第三級アミン基等のイオン性基をもつポリマーは高分子電解質複合体を形成するためにpHの調節を必要とする場合がある。pHの調節はイオン化されるイオン性基の百分率を変化させ、従って、イオン結合を介して相互作用することが可能な基の数を調節する。PEC形成に適したpHを決定するためには各種pHの相図の作成を使用することができる。PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECでは、約6.5から約7.5までのpH範囲をPEC形成に使用することができる。適切なpHは例えば下表に示すような範囲とすることができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約pH6.5から約pH6.6まで」の範囲である。
【0058】
【表4】
【0059】
従って、pHは上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。
【0060】
組成物のpHは中和/緩衝剤を使用して調節することができる。カルボン酸等の酸性基には、水酸化物化合物等の塩基性中和剤を使用することができる。適切な水酸化物化合物としては、水酸化ナトリウム等の強塩基が挙げられる。塩基性基には、クエン酸等の酸性中和剤を使用することができる。任意の適切な濃度の中和剤を使用することができ、例えば下表に示す濃度が挙げられる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約0.1重量%から約1重量%まで」の範囲である。
【0061】
【表5】
【0062】
従って、中和剤の濃度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。PECが所望のpH条件下で形成されている限り、このPECを配合して得られた任意の組成物の最終pHはPECが無傷であるならば、PECを形成したpHと同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECは枝毛を修復することが可能である。毛髪は正味負電荷をもつ。特定理論に結び付けるものではないが、PECは毛髪に付着性であり、接着性により枝毛の先端を相互に接着させると考えられる。ポリクオタニウム−28ポリマーの正電荷は負電荷をもつ毛髪に吸引され、毛髪に付着する。負電荷をもつPVMMAポリマーをポリクオタニウム−28と複合体にするので、PVMMAも毛髪に吸引される。従って、枝毛の先端は(例えば乾燥中に膜が収縮する膜形成で)枝毛の先端との間及び/又は相互間で相互作用する複数のPECの接着作用により相互に接着される。更に、膜形成中の水の相互作用により枝毛の先端に生じる表面張力も先端が相互に接着するのを助長する。
【0064】
PECが損傷した毛髪を修復するためには、PECが枝毛の先端に接近できるようにPECが懸濁又は乳化粒子として存在する程度までPECの粒度を選択する必要がある。PECが枝毛の先端に接近できる限り、粒度分布は任意の適切な平均PEC粒度をとることができる。適切な平均PEC粒度としては、例えば下表に示す粒度が挙げられる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約0.5μmから約1μmまで」の範囲である。
【0065】
【表6】
【0066】
従って、平均PEC粒度分布は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。所定態様において、本発明の組成物及び方法は平均PEC粒度が約5マイクロメーター、例えば約5±3マイクロメーター又は約5±2マイクロメーターのPEC粒度分布を含む。本発明の組成物及び方法はマイクロゲル、例えばインターロッキングマイクロゲル構造の内側に存在するPEC粒子を含むこともできる。
【0067】
本発明の組成物及び方法は当分野で従来達成可能であると認められていたよりも高濃度のPECを配合することができる。例えば、本発明の組成物は8重量%の濃度のPVMMA/ポリクオタニウム−28のPECを含有することができる。ヘアケア組成物中のPECの濃度は変動させることができる。本発明の組成物及び方法は組成物の総重量に対して約1%から約8%までの濃度の高分子電解質複合体を配合することができる。本発明の組成物は組成物の総重量に対して約1%から約3%まで又は約2%から約4%までの濃度の高分子電解質複合体を含有することができる。PECの濃度は例えば下表に示すような濃度とすることができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約0.1%から約0.5%まで」の範囲である。
【0068】
【表7】
【0069】
従って、PECの濃度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。
【0070】
任意の適切な方法を使用してPEC形成を確認することができる。適切な方法の1例としては顕微鏡試験法が挙げられる。光学顕微鏡下でポリマー−ポリマー系の構造を調べ、粒子が存在する場合には粒度測定ソフトウェアを使用してその粒度を測定することができる。他の原料の存在によりPEC構造が隠されないならば、このような方法によりPECの粒度分布を得ることができる。別の方法としては、マルバーン粒度分析計を使用して粒度分布を測定する方法が挙げられる。また、担体溶媒中にPECのみを含有する組成物の物性によりPECの存在を確認することもできる。例えば、PECの存在量が増すにつれてこのような組成物は濁りと不透明性が増す。また、このような組成物の粘度は所定のポリマー−ポリマー系で最大量のPECの存在に対応する最小値まで低下し、その場合にはPEC濃度が最大となる。
【0071】
本発明の組成物は例えばシャンプー、コンディショナー、ジェル、リンス、エマルション(水中油、油中水又は多相)、ローション、クリーム、クレーム、軟膏、ポマード、スプレー(加圧又は非加圧)、シュプリッツェ、ムース、フォーム、シャンプー、溶液及び固形(例えばスティック、半固形等)の形態をとることができ、また、本発明の方法はこれらの形態の組成物を製造又は使用することができる。従って、本発明の組成物は例えばクリーム、ローション、溶液、軟膏又はジェルの形態をとることができ、また、本発明の方法はこれらの形態の組成物を製造又は使用することができる。従って、本発明のヘアケア組成物及び方法はこれらの型の組成物で使用するのに適合し得る他の成分を配合することができる。このような成分はPEC構造を破壊しないという点でPECと相溶性であることが好ましい。
【0072】
組成物はリンスアウト、リーブイン及び/又はオーバーナイトトリートメント用とすることができる。本発明の方法及びヘアケア用組成物は水性担体、界面活性剤、中和剤、フレグランス、コンディショニング剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の成分と高分子電解質複合体を混合し、ヘアケア組成物を形成する工程を含むことができる。従って、本発明の組成物及び方法は例えば防腐剤、中和剤、フレグランス、シリコーン類、又はその組合せを配合することができる。当業者に自明の通り、本願に記載する原料は、特に複数の成分を含有する市販品の場合には複数の特性をもつ場合があり、従って複数の原料分類に該当する場合がある。
【0073】
水性担体としては、任意の適切な量の水、例えば約25重量%から約97重量%までの水(例えば約30%から約95%までの水)が挙げられる。本発明の組成物は約30重量%から約97重量%までの水、約50重量%から約80重量%までの水、又は約60重量%から約70重量%までの水を含有することができる。本発明の組成物で使用される水は脱イオン水とすることができる。
【0074】
適切な乳化剤としては、例えばミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテル(例えばCroda,Inc.,Edison,NJ,米国の製品であるCrodamol STS)、アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドの混合物(例えばSEPPIC,Paris,フランスの製品であるMontanov(登録商標)202)、ポリアクリルアミドとC13−14イソパラフィンとラウレス−7の混合物(例えばSEPPICの製品であるSepigel(登録商標)305)、ステアリン酸グリセリル、イソセテス−20、オレス−2、メトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコン、PEG/PPG−18/18ジメチコン(例えばDow Corningの製品であるDC−190)、PEG−12ジメチコン、PEG−40水添ヒマシ油、PEG−6カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アミノメチルプロパノール(AMP−95)、及びジステアリン酸ポリグリセリル−3が挙げられる。
【0075】
適切な界面活性剤、例えば洗浄性及び/又は洗浄用界面活性剤を使用することができ、例えば、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、コカミドプロピルベタイン及びステアラルコニウムクロリドが挙げられる。このような界面活性剤はシャンプー組成物中に存在することができる。コンディショナーはシャンプーとコンディショナーのツーインワン併用剤でない限り、洗浄性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましい。本願で使用する「洗浄性界面活性剤を実質的に含まない」とは、本発明の組成物の洗浄性界面活性剤含有量が約2重量%未満であること、より好ましくは約1重量%未満であること、例えば0重量%であり、即ち洗浄性界面活性剤を含有していないことを意味する。
【0076】
適切なコンディショニング剤としては、例えば、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ポリクオタニウム−47(例えばNalco,Naperville,IL,米国の製品であるMerquat(登録商標)2001)、シリコーンクオタニウム−22(例えばEvonik,Essen,ドイツの製品であるAbil(登録商標)T Quat60)、コカミドプロピルベタイン、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−4(Akzo Nobel,Amsterdam,オランダの製品であるCelquat(登録商標)H−100)、0.5重量%までのポリクオタニウム−4(Akzo Nobelの製品であるCelquat(登録商標)L−200)、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−10、及びシリコーンクオタニウム−80等の第三級又は第四級アミンが挙げられる。他の適切なコンディショニング剤としては、例えばAqu D4272 N−Hance SP100(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー)、ジステアロイルエチルジモニウムクロリド/セテアリルアルコール(Varisoft EQ65)、Rhodia Guar S、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、及びベヘントリモニウムクロリド/セテアリルアルコールが挙げられる。N−Hance SP100コポリマーは特に有益であることが判明した。従って、本発明の組成物及び方法は例えばアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマーを配合することができる。下記実施例16に示すように、このコポリマーはPECを含有する組成物に更に枝毛修復効果を提供する。
【0077】
必須ではないが、有効量の少なくとも1種の防腐剤を組成物に添加してもよい。例えば、防腐剤はその不在下では組成物中で生息又は増殖する可能性のある細菌類を死滅させるように選択することができる。適切な防腐剤としては、例えば、DMDMヒダントイン、EDTA二ナトリウム、Kathon(商標)CG(有効分:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)等とその組合せが挙げられる。
【0078】
適切なゲル化剤を使用することができる。適切なゲル化剤としては、例えば、アクリル酸/VPクロスポリマー(例えばUltrathix(商標)P−100;ISP)が挙げられる。
【0079】
例えば毛髪のコンディショニングを改善するために適切なシリコーン類を添加することができる。適切なシリコーン類としては、例えばポリシロキサン類が挙げられ、ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン及びシクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらの例としては、例えばフェニルトリメチコン、Abil(登録商標)OSW 5(84%シクロペンタシロキサン、15%ジメチコノール、1%ジメチコン;Evonik,Essen,ドイツ)、DC−200(ジメチコン;Dow Corning,Midland,MI,米国)、Fluid Blend(80%シクロメチコン、20%ジメチコン)、及びDC−1501(D5/ジメチコノール;Dow Corning)が挙げられる。他の適切なシリコーン類としては、例えばDC−556(フェニルトリメチコン;Dow Corning)とアミノ官能性シリコーン類、例えば、DC−949(31%アモジメチコン、1.9%トリデセス−12、2.2%セトリモニウムクロリド、55〜60%水、2.2%シクロテトラシロキサン、1.6%シクロペンタシロキサン、及び<0.5%安息香酸ナトリウム;Dow Corning)、DC−8500(82%ビス(C13−15アルコキシ)PG−アモジメチコン、18%C14−15アルコール類;Dow Corning)、アミノプロピルジメチコン、DC5−7113シリコーンクオタニウムマイクロエマルション(66%水、25%シリコーンクオタニウム−16、7.4%ウンデセス−11、4.5%ブチルオクタノール、3.5%ウンデセス−5;Dow Corning)、DC2−8566(アモジメチコン;Dow Corning)、及びアモジメチコン(ADM1100;Wacker)が挙げられる。
【0080】
適切な毛髪定着剤を使用することができる。適切な例としては、例えばVP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー(例えばLUVISET(登録商標)Clear;BASF)、アクリル酸/ビニルピロリドンクロスポリマー(例えばUltrathix(商標)P−100;ISP)、ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー(Advantage(登録商標)S;ISP)、及びVP/VAコポリマーが挙げられる。
【0081】
他の原料も添加することができ、例えば、Cocos nucifera(ヤシ)油、鉱物油(流動パラフィン)、塩化ナトリウム、加水分解シルク、ケラチンアミノ酸、アスコルビン酸、パンテノール、酢酸トコフェロール、ビオチン、ナイアシンアミド、トリエタノールアミン、triticum vulgare(コムギ)粉脂質、セラミド3、persea gratissima(アボカド)油、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、glycine soja(ダイズ)ステロール、α−グルカンオリゴサッカリド、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及び酢酸トコフェリルが挙げられる。スプレー組成物等では噴射剤を使用することができ、イソブタンとプロパンと152A(78.5%A46;28.5%HFC 152A)が挙げられる。ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸等の脂肪酸も使用することができる。
【0082】
毛髪に有益な特性を付与するために他の成分及び/又は原料を添加することができ、例えば乾燥後毛髪に柔軟性を付与するため、毛髪に保湿を提供するため、組成物の好ましいコンシステンシー/粘度を提供するため、及び毛髪にボリューム/ふくらみを提供するための成分及び/又は原料が挙げられる。
【0083】
本発明の組成物にはフレグランスを添加することができる。フレグランスの非限定的な1例は花エキスである。任意の特定のフレグランスを使用することができ、当業者に自明の通り、フレグランスの特定種は重要ではない。実際に、本発明の組成物はレグランスを添加せずに提供することもできる。
【0084】
本発明の組成物の1態様は例えば1:9比のPVMMAコポリマーとポリクオタニウム−28のPECを1〜2重量%含有することができる。このような複合体はサイドタンクで製造することができ、エマルション相の製造後でエマルション相が45〜65℃まで冷却しているときにメインバッチタンクに添加することができる。約1〜2重量%の第三級又は第四級アミンをエマルション相に添加し、pH約4.0〜6.0まで中和させることができる。モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等の低HLB乳化補助剤と共に約3〜7重量%の脂肪アルコール(例えばセチルアルコール及び/又はステアリルアルコール)を5:1比で添加し、エマルション相に配合することができる。例えば0.1〜10重量%のシリコーン類、あるいはジメチコン類、シクロメチコン類、フェニル及び/又はアミノ官能性シリコーン類のブレンドも添加することができる。艶と毛髪感触の強化に加えて製品展着性を強化するために、例えば1〜4重量%のミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテル(例えばCrodamol STS)等のエモリエントエステルを添加することができる。凍結・解凍安定性を改善するために10%のプロピレングリコールを添加することができる。粘度を増すため、コンディショニング後の毛髪の感触を改善するため、及び長期安定性と粘度制御を改善するために、例えば0.1〜5重量%のSalcare(登録商標)SC−96も添加することができ、エマルション相よりも後でバッチが45〜65℃まで冷却しているときに添加することができる。本発明の組成物の別の態様は例えば、脂肪アルコールを約1%とし、エモリエントエステルを添加せず、Salcare(登録商標)SC96を例えば1〜7重量%とする以外は同一の組成物を含むことができる。約3〜7重量%の脂肪アルコールを含有する組成物の別の態様はPEC複合体を先ずメインタンク内で製造した後に組成物の残余を同一タンク内で製造し、Salcare(登録商標)SC−96を例えば1〜7重量%まで増加させたものとすることができる。約1重量%の脂肪アルコールを含有する組成物の1態様はPEC複合体を先ずメインタンク内で製造した後に組成物の残余を同一タンク内で製造し、Salcare(登録商標)SC−96を例えば3〜10重量%まで増加させたものとすることができる。
【0085】
本発明は本願に記載する適切な原料のいずれかから形成されるヘアケア組成物を含む。1態様において、本発明はポリクオタニウム−28とメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーと;組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤と;約10%以上のプロピレングリコールと;約5%以上のエモリエントから形成されるヘアケア組成物を含む。1態様において、本発明はポリクオタニウム−28とメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーと;組成物の総重量に対して約3%から約5%までの増粘剤と;約2%以下のエモリエントから形成されるヘアケア組成物を含む。1態様において、本発明はポリクオタニウム−28とメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーから形成されるヘアケア組成物を含み、前記組成物の粘度は3000cpsを上回る。1態様において、本発明はポリクオタニウム−28とメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーから形成されるエマルション形態のヘアケア組成物でありながら、このような高分子電解質複合体を含有する比較組成物に対して凍結・解凍安定性が改善された組成物を含む。1態様において、本発明はポリクオタニウム−28と、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーと、ポリビニルピロリドンから形成されるヘアケア組成物を含む。
【0086】
本発明は更に、未処理毛髪に比較して毛髪を梳かすために必要な力を増加しない;未処理毛髪に比較して2本の毛髪の接着を分離するために必要な力を増加しない;未処理毛髪に比較して「3点曲げ」応力を増加しない;未処理毛髪に比較してヤング率を増加しない;未処理毛髪に比較して毛髪の艶/輝きを低下させない;又は他の定量可能な「負の」属性を付与しないヘアケア製剤とその使用方法の各種態様を提供する。
【0087】
本発明の組成物は任意の適切なヘアトリートメント方法で使用することができる。例えば、組成物を毛髪に塗布し、毛髪を水で濯ぐことにより毛髪をコンディショニングするために本願に記載する組成物を使用することができる。濯いだ後、毛髪をブロードライヤーで乾燥、コーミング及び/又はスタイリング製品もしくは組成物を使用してスタイリングすることができる。更に、組成物を枝毛に塗布し、枝毛を水で濯ぐことにより枝毛を修復するために本願に記載する組成物を使用することができる。この方法の後にブロー乾燥、コーミング及び/又はスタイリングすることができる。本願に記載する組成物は更に、本発明の組成物を毛髪に塗布し、毛髪を水で濯ぐことにより毛髪を太くする方法で使用することができる。他の態様において、例えば本発明の組成物がスタイリング用の毛髪有益物質を含有する場合には、前記組成物はヘアスタイリングに使用することができる。例えば、前記組成物はスタイリング用スプレー(エアゾール及び非エアゾール)とすることができる。他の態様において、本発明の組成物はシャンプーとして製剤化した場合には毛髪をシャンプーするために使用することができる。他のスタイリング用製品としては、リーブインコンディショナー、オーバーナイトコンディショニングトリートメント、スタイリングローション/クリーム/バーム、スタイリングジェル、スタイリングムース、セラム、オイルトリートメント、グレーズ及びコンディショニングスプレー(エアゾール及び非エアゾール)が挙げられる。
【0088】
カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の凍結・解凍安定性は、前記組成物の総重量に対して約1%から約5%までの増粘剤を前記ヘアケア組成物に添加することにより改善することができる。前記増粘剤は第四級アンモニウム窒素化合物又はポリマーを含むことができる。前記第四級アンモニウム窒素化合物又はポリマーは例えばポリクオタニウム−37とすることができる。前記ポリクオタニウム−37はジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール及びポリプロピレングリコール−1トリデセス−6との混合物として存在することができる。あるいは、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の凍結・解凍安定性は、前記組成物の総重量に対して約10%以上のプロピレングリコールを前記ヘアケア組成物に添加することにより改善することができる。
【0089】
本発明は毛髪の熱保護を実現する。本願に記載するPECを含有するリーブオン組成物を毛髪に塗布すると、PECは毛幹を熱による損傷(例えば毛髪断片化)から保護する。熱は任意熱源に由来することができ、例えばヘアドライヤー、フラットアイロン、又はホットスタイリング器具が挙げられる。
【0090】
本発明の方法は単一容器内でPECの製造を可能にする。従って、本発明の1側面は高分子電解質複合体の製造方法として、式(式I):
【0091】
【化4】
の繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを容器内で水和させる工程と;その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の塩基(例えば水酸化ナトリウム)と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記容器内で反応させて中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記容器内で加熱する工程と;前記容器内で前記中間体混合物に式(式II):
【0092】
【化5】
のビニルピロリドンと式(式III):
【0093】
【化6】
のメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程を含む方法を提供する。
【0094】
更に、本発明の別の側面は本発明に従って製造したPECに他の毛髪有益物質を配合することによりヘアケア組成物の製造を可能にする。本発明の製法によると、本発明に従って製造したPECを他の毛髪有益物質と単一容器内で配合することによりこのようなヘアケア組成物を製造することができる。従って、本発明は高分子電解質複合体を製造する工程を含むヘアケア組成物の製造方法として、上記式Iの繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを容器内で水和させる工程と;(例えば約6.5から約7.5まで又は約6.9から約7.0までのpHを達成するために十分な塩基を添加することにより)その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の例えば水酸化ナトリウム(例えば20%水酸化ナトリウム溶液、例えば水溶液)等の塩基と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記容器内で反応させ、中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記容器内で例えば約50℃から約60℃までの温度まで加熱する工程と;前記容器内で前記中間体混合物に上記式IIのビニルピロリドンと上記式IIIのメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記容器内で高剪断力下に例えば約50〜60℃の温度で前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程を含む方法を提供する。本発明の方法は場合により更に、水性担体、界面活性剤、フレグランス、コンディショニング剤、エモリエント、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の付加成分を前記容器内で前記高分子電解質複合体に添加する工程と;得られた組成物を前記容器内で混合する工程を含む。
【0095】
本発明は2個の容器内でヘアケア組成物を製造することも可能であり、第1の容器内でPECを製造し、組成物の残余を第2の容器内で製造した後に、PECと他の原料を配合する。この側面において、本発明は更に、メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーと、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーの高分子電解質複合体を製造する工程を含むヘアケア組成物の製造方法として、上記式Iの繰り返し単位を含むメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを第1の容器内で水和させる工程と;その酸性基を少なくとも部分的に中和させるために十分な量の例えば水酸化ナトリウム等の塩基と前記メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーを前記第1の容器内で反応させて中間体混合物を形成する工程と;前記中間体混合物を前記第1の容器内で加熱する工程と;前記第1の容器内で前記中間体混合物に上記式IIのビニルピロリドンと上記式IIIのメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのカチオン性コポリマーを添加する工程と;前記第1の容器内で高剪断力と少なくとも約50〜60℃の温度下に前記ポリマーを混合し、前記高分子電解質複合体を製造する工程と;水性担体、界面活性剤、フレグランス、コンディショニング剤、エモリエント、乳化剤、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、シリコーン類、毛髪定着剤、保湿剤及び湿潤剤から選択される1種以上の成分を第2の容器内で混合する工程と;前記第1又は第2の容器内で前記第1の容器の前記高分子電解質複合体と前記第2の容器の前記混合成分を混合する工程を含む方法を提供する。
【0096】
ポリマー:ポリマー重量比と電荷−電荷比の範囲を含めてPECの形成条件を決定するためには上記のような相図を作成することができる。温度、溶媒系等を含む他の条件も変動させることができる。PEC形成に及ぼすその影響を調べるためにこれらの条件の各々を変動させることができる。従って、PECを製造するために必要な各種条件と、関連する膨大な数の変数により、PECの製造は複雑で困難になる可能性がある。特に枝毛で損傷した毛髪を修復することができるPVMMA/ポリクオタニウム−28 PECを製造する場合のように特定粒度が所望される場合がこれに該当する。ポリマー:ポリマー重量比及び/又は電荷−電荷比等に加え、使用する特定の製造方法もPECの平均粒度分布に影響を与える場合がある。例えば、あるポリマーを別のポリマーに添加する間の混合速度及び/又は混合時間や、この添加後の混合速度及び/又は混合時間はPEC粒度分布に影響を与える可能性がある。PECの形成中の温度、pH及び他の電荷をもつ化合物の存在等の他の工程変数も影響を与える可能性がある。本発明の組成物は枝毛を修復するのに適した粒度分布を達成する大規模なPECの製造を可能にする方法により製造することができる。
【0097】
例えばアニオン性ポリマーを塩基で中和させる場合及び/又はカチオン性ポリマーをアニオン性ポリマーに加えて複合体を製造する場合には、所定段階で加熱することによりPECの形成を助長することができる。ポリマーを混合する前に組成物を予熱してもよいし、ポリマーの1種又はサブセットを添加しながら加熱してもよいし、PEC形成用の全ポリマーを混合する間又は混合後に加熱してもよい。PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECでは、中和させたPVMMAをポリクオタニウム−28の添加前に例えば少なくとも50℃から60℃以上までの範囲の温度で加熱すると有利であることが判明した。温度は例えば下表に示すような範囲とすることができる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約50℃から約51℃まで」の範囲である。
【0098】
【表8】
【0099】
従って、温度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。
【0100】
本発明の組成物は単一の容器内で製造してもよいし、例えばPECを他の成分と混合する前にPECを他の成分と別に製造することにより、別の容器で製造してもよい。本願に記載する方法は従来方法と同一寸法、形態及び安定性のPECを少数の容器で製造する。
【0101】
カチオン性ポリマーを中間体混合物に加える工程としては、カチオン性ポリマーの溶液(例えば水溶液)を中間体混合物に添加する工程が挙げられる。前記カチオン性ポリマーは任意の適切な速度で前記中間体混合物に添加することができ、例えば約0.3kg/分/分〜約1.0kg/分/分が挙げられ(例えば添加時間が10分間ならば、前記速度は約3kg/分から約10kg/分までとなる)、例えば下表に示す速度が挙げられる。同表中、「X」は「[第1行の該当数値]から[第1列の該当数値]まで」の範囲を表す。例えば、最初の「X」は「約0.3kg/分/分から約0.4kg/分/分まで」の範囲である。
【0102】
【表9】
【0103】
従って、添加速度は上記端点の任意の2点を両端とする範囲をとることができる。
【0104】
あるポリマーを別のポリマーに添加する場合には、PECの形成は混合速度と混合時間に依存する。完全に混合するには高剪断力を使用することができる。他方、ポリマー−ポリマー系に応じて、適正なPEC形成が得られるように混合速度を調節することが必要な場合もある。PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECでは、PVMMAの添加前に先ずポリクオタニウム−28を例えば5分間、10分間、20分間、25分間、30分間、40分間、50分間、又は60分間混合することができる。例えば5分間、10分間、20分間、25分間、30分間、40分間、50分間、又は60分間かけてポリクオタニウム−28をPVMMAに添加することができる。30分間かけてポリクオタニウム−28をPVMMAに添加することができる。添加速度はPECが形成される任意の適切な速度とすることができる。前記速度は添加時間に必要な時間に基づいて決定することができる。例えば、前記速度は添加時間1分当たりの毎分添加量に基づいて決定することができる。PVMMA/ポリクオタニウム−28 PECでは、これは約0.4kg/分/分から1.0kg/分/分までとすることができる。従って、添加時間が10分間ならば、前記速度は約4kg/分から約10kg/分までとなる。ポリマーの添加後、例えば5分間、10分間、20分間、25分間、30分間、40分間、50分間又は60分間混合することができる。混合はポリクオタニウム−28の添加前、添加中、及び/又は添加後の混合の組合せとすることができる。従って、カチオン性ポリマーの添加前に少なくとも約10分間、カチオン性ポリマーの添加後に少なくとも約10分間、又はその組合せでPVMMAの中間体混合物を混合することができる。
【0105】
本発明の組成物の態様をいくつか挙げると、表10に示すようなPVMMAとポリクオタニウム−28の処方を含む組成物が挙げられる。
【0106】
【表10】
【0107】
本発明はPEC形成後に他の原料に混合することができ、前記混合は前記1種以上の成分を十分に配合できるようにするために十分な程度に実施する。
【0108】
本発明は非常に効率的で費用効果的なPECのワンポット製造方法を提供し、従来のPEC製造方法のように材料をタンク間で移送するために必要な余分な時間と労力を省く。従って、本発明の方法は例えば約500〜約10,000ガロンといった商業的規模でPECとPECを含有するヘアケア組成物を製造するのに特に適している。
【0109】
本発明の方法は更に、従来製造されていたPEC組成物の濃度を実質的に上回る濃度(例えば8重量%)でPEC組成物を製造することができる。PECが製造される濃度が増すと、いくつかの利点がある。濃度が高くなるにつれて、ヘアケア製品(例えばコンディショナー)を製造するためにPECを他の原料と混合する際に使用するプレミックスタンクを小型にすることができる。また、将来の使用に備えてPECを製造及び保存できるが、ストック濃度が高いほど必要な保存スペースが少なくて済む。更に、低濃度の複数のバッチを製造する場合には必要な試験も多くなるが、1バッチのPECを高濃度で製造及び試験できるので、必要な品質管理工程数が減る。更に、ヘアケア組成物を製造するためにPECストックを使用する場合には、PECストックは処理容器内にさほど容積を必要としないので、より多量の他の原料を添加することができ、他の原料の濃度を高くすることができる。例えば、本出願人らはPVMMA/ポリクオタニウム−28 PECを製造するには、ポリクオタニウム−28(例えば有効分20%の濃度で市販されているConditioneze NT−20)を希釈する必要がないことを確認した。それどころか、本発明によると、Conditioneze NT−20を原液のままPVMMAコポリマーに添加することによりPVMMA/ポリクオタニウム−28 PECを単一容器内で製造することができ、驚くべきことに、高濃度で安定なPECが得られる。更に、本出願人らは、本発明により製造したPEC濃度の高い組成物が従来の低濃度のPEC組成物に比較して、例えばコンディショナー等のヘアケア製品を製造するために使用される他の原料と共に安定なエマルションを実質的に形成し易いことを確認した。
【0110】
本発明は枝毛の修復における修復過程を画像で再現する方法を提供する。1態様において、前記方法は枝毛になった毛髪又は表面に固定されている間に損傷して枝毛になる毛髪を表面に固定する工程と;前記表面を拡大装置と連動させ、前記枝毛を前記拡大装置の視野内に配置する工程と;撮像装置を前記拡大装置と連動させ、前記拡大装置の視野の拡大画像を撮像する工程と;前記枝毛を組成物で処理し、前記組成物により前記枝毛を修復し、前記枝毛を結合させる工程と;前記拡大装置と連動させた前記撮像装置により、前記組成物による処理中の前記枝毛の修復の画像を撮像し、前記修復の撮像画像の表示を事後検索に備えて保存する工程を含む。本発明により毛髪修復を画像で再現する方法はビデオを使用して毛髪修復過程をリアルタイムで記録する工程を含む。修復過程を肉眼で見られるようにするために十分な倍率、例えば20〜50倍の倍率で修復過程をリアルタイムで記録するのに適したビデオ装置を使用して毛髪修復過程を記録することが望ましい。事後検索に備えて当業者に周知の方法を使用してビデオを記録媒体に保存することができる。
【0111】
更に、本発明の方法は枝毛になった毛髪又は表面に固定されている間に損傷して枝毛になる毛髪を表面に固定する工程を含むことができる。即ち、毛髪は表面に固定する前に枝毛になっていてもよいし、毛髪を表面に固定後に(例えば機械的手段により)枝毛を誘導してもよい。前記表面は拡大装置と連動させることが可能な任意表面とすることができる。このような表面としては、例えばテーブルトップ又は顕微鏡スライドが挙げられる。前記表面の特性は使用する拡大装置の種類により決定することができる。例えば、光学顕微鏡を使用してサンプルに光を透過させる場合には、透明表面(例えば顕微鏡スライド)を使用することができる。別の例として、前記表面は毛髪を載置する試料台でもよい。更に別の例として、拡大装置が拡大鏡等の単純なレンズである場合には、前記表面はテーブルトップとすることができる。枝毛の修復を妨害しないようにする必要がある。例えば、顕微鏡スライドのカバースリップにより枝毛の先端を結合できなくなるような場合には、このようなスリップを使用すべきではない。
【0112】
例えば1個以上のクランプの使用を含む任意の適切な手段により毛髪を固定することができる。例えばテーブルトップ又は顕微鏡スライドを使用する場合には粘着テープを使用して毛髪を固定することもできる。枝毛を拡大装置で観察できる限り、任意の適切な手段を使用して毛髪を前記表面に固定(例えば固着)することができる。
【0113】
本発明の方法は前記表面を拡大装置と連動させ、前記枝毛を前記拡大装置の視野内に配置する工程を含むことができる。前記拡大装置は例えば拡大鏡、顕微鏡(例えば光学顕微鏡)とすることができる。各拡大装置は視野をもつ。「視野」とは拡大装置が観察のために拡大する画像領域を意味する。枝毛を観察するために拡大するように枝毛を視野内に配置する。
【0114】
本発明の方法は撮像装置を前記拡大装置と連動させ、前記拡大装置の視野の拡大画像を撮像する工程を含むことができる。前記撮像装置は例えばデジタルレコーダーとすることができる。撮像装置はアナログでもよい。撮像装置の非限定的な例としては、静止画カメラ、ビデオカメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、デジタルカメラ及び/又はカムコーダー、あるいは任意の他の同様の録画装置が挙げられる。
【0115】
本発明の方法は前記枝毛を組成物で処理し、前記組成物により前記枝毛を修復し、前記枝毛を結合させる工程を含むことができる。処理としては、例えばマッサージによる毛髪への前記組成物の導入が挙げられる。処理としては、例えばリンスオフ組成物の場合のように毛髪を濯いで組成物を除去する方法も挙げられる。例えばリーブイン組成物を使用する場合には組成物を毛髪に残留させることができる。前記処理方法は本願に記載する方法を含めた任意の適切な方法とすることができる。前記組成物は本願に記載する組成物を含めた任意の適切な組成物とすることができる。
【0116】
本発明の方法は拡大装置と連動させた前記撮像装置により、前記組成物による処理中の前記枝毛の修復の画像を撮像し、前記修復の撮像画像の表示を事後検索に備えて保存する工程を含むことができる。前記撮像装置は任意の適切な手段を使用して枝毛の修復を撮像することができる。例えば、撮像装置がデジタルレコーダーである場合には、前記デジタルレコーダーは電子ファイルを作成することができる。別の例として、撮像装置がカメラである場合には、前記カメラは写真フィルムを使用して修復を撮像することができる。
【0117】
修復の撮像画像の表示を事後検索に備えて保存する工程は任意の適切な手段により実施することができる。例えば、この工程としては例えばデジタルカメラ及び/又はコンピューターでアクセス可能な電子ファイルを使用して画像の電子表示を保存する工程が挙げられる。写真フィルムを使用してこの工程を実施してもよい。
【0118】
更に、本発明は消費者に伝達する任意の方法に使用することができる。これらの方法としては、例えば実際の人毛又は同等物(例えば羊毛)を使用した静止画写真(例えば処理前後の写真);図解、描画及び/又は素描;コンピューターアニメーション;及び/又はin−vivo/in−vitro/in−situビデオの使用が挙げられる。更に、伝達方法は印刷物、テレビ、インターネット、店舗内、対面(例えばライブデモンストレーション)、及び/又はソーシャルメディアとすることができる。本発明の方法は結合メカニズム(例えばPECが収縮して枝毛の分かれた先端を結合するメカニズム)の説明にも使用することができる。
【0119】
本発明は更に枝毛修復度を定量的に評価する方法として、毛束、好ましくは2回脱色した毛髪からなる毛束を採取する工程と;(例えば枝毛を発生させるために十分に前記毛束をコーミング及び/又はブロー乾燥することにより)前記毛束の毛髪に少なくとも1箇所の枝毛を発生させる工程と;枝毛になった少なくとも1本の毛髪を前記毛束から抽出する工程と;抽出した前記少なくとも1本の毛髪に場合により印を付ける工程と;抽出した前記少なくとも1本の毛髪の前記枝毛の第1の画像を撮像する工程と;前記毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程と;前記毛束及び前記毛髪を組成物で処理する工程と;前記毛束から前記毛髪を抽出する工程と;抽出した前記少なくとも1本の毛髪の枝毛の第1の画像を撮像したと同一の先端で前記毛髪の第2の画像を撮像する工程と;枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当てる工程と;印を付けた全毛髪に割り当てた数値を総計し、印を付けた毛髪の合計本数で前記総和を割る工程を含む。本発明の代表的組成物をこの方法により評価すると、毛髪20本を評価した場合に例えば0.85以上、例えば0.925、0.95、更には0.975の平均値を達成することができる。
【0120】
本発明の方法は枝毛を発生させる工程を含むことができる。この工程としては、前記毛束をコーミング及びブロー乾燥し、前記毛束の少なくとも1本の毛髪に枝毛を発生させる工程が挙げられる。他の方法としては、枝毛を自然選択する方法が挙げられる。例えば、毛髪が既に裂けている生検から毛髪サンプルを取得することができる。しかし、多様性により、この方法ではデータの再現性が劣る場合がある。
【0121】
本発明の方法は前記毛束から抽出した少なくとも1本の毛髪に印を付ける工程を含むことができる。枝毛の裂け目の始点に印を付けることができる。前記組成物による処理後に印が消失する場合には、枝毛が毛髪から脱落したと判断することができる。その場合には、枝毛は枝毛として残留していないし、修復もされていないので、毛髪に数値を割り当てる際にこの毛髪を除外することができる。従って、例えば組成物の修復能を評価する際に疑陽性を避けることができる。
【0122】
本発明の方法は抽出した少なくとも1本の毛髪の枝毛の画像を撮像する工程を含むことができる。このような撮像方法の例については本願に記載する。この工程としては、例えばデジタルカメラ及び/又はコンピューターでアクセス可能な電子ファイルを使用して画像の電子表示を保存する工程が挙げられる。
【0123】
本発明の方法は印を付けた前記少なくとも1本の毛髪を抽出した前記毛束に前記毛髪を戻す工程を含むことができる。抽出した毛髪を毛束に戻すと、組成物の修復能を試験するためのより自然な環境が得られる。枝毛になった前記毛髪は枝毛になっていないかもしれない他の毛髪と一緒になり、より大きな毛髪群内に止まる。この状況は例えば人体頭部における通常の毛束の環境をより良好にシミュレートする。単に枝毛になった毛髪を抽出し、抽出したこれらの毛髪で組成物を試験するだけで人工環境による結果が得られる。従って、消費者用の組成物を試験するために前記方法を使用する場合、本発明はこれらの消費者に有意義な結果、例えば消費者に重要な環境における毛髪の修復に関する結果を報告できる。
【0124】
本発明の方法は前記毛束と印を付けた前記少なくとも1本の毛髪を組成物で処理する工程を含むことができる。処理としては、例えばマッサージによる毛髪への前記組成物の導入が挙げられる。処理としては、例えばリンスオフ組成物の場合のように毛髪を濯いで組成物を除去する方法も挙げられる。例えばリーブイン組成物を使用する場合には組成物を毛髪に残留させることができる。前記処理方法は本願に記載する方法を含めた任意の適切な方法とすることができる。前記組成物は本願に記載する組成物を含めた任意の適切な組成物とすることができる。
【0125】
本発明の方法は毛髪修復パラメーターを測定する工程を含むことができる。例えば、規定条件、例えば本願に記載する条件下で枝毛修復速度を測定することができる。次に、組成物を比較し、どちらが短時間で枝毛修復をもたらすかを判定することができる。例えば本願に記載するビデオ法を使用して、使用及び/又は試験する組成物の枝毛修復効力を判定することもできる。枝毛の修復は1時間以内、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、又は1分未満に行われることが好ましい。修復の到達度又は量は10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は完全(例えば約100%)とすることができる。前記修復度は陰性対照又は無処理に対して測定することができ、処理後の枝毛は枝毛修復の統計的に有意な改善(例えばより短時間の修復及び/又はより多量もしくは到達度の高い修復)を示すことができる。
【0126】
本発明の方法は枝毛が修復されていない場合には0、部分的に修復された場合には1/2、完全に修復された場合には1の各数値を割り当てる工程と、印を付けた全毛髪に割り当てた数値を総計し、印を付けた毛髪の合計本数で前記総和を割る工程を含むことができる。従って、例えば毛束の全枝毛について計算する場合には、得られる数値は組成物が枝毛を修復する能力に相当する。修復能が低い組成物は数値が低い及び/又はゼロに近付き、修復能が良好な組成物は数値が高い及び/又は1に近付く。従って、本発明の方法を使用して組成物を比較し、数値の高い組成物は数値の低い組成物よりも良好な修復をもたらすと判断することができる。
【0127】
任意のタイプの枝毛を本発明の方法により修復することができる。枝毛のタイプの1例としては、例えば初期枝毛が挙げられる。このタイプの枝毛では、毛髪の長軸に沿って裂け目が1本入り、毛髪の先端が二股になる。枝毛の別の例としては、初期裂け目の一端に長軸に沿って更に裂け目が入った二重Y字形枝毛が挙げられる。樹枝状枝毛は1本の毛髪内に数箇所の二重Y字形裂け目が入った枝毛の1例である。枝毛の別の例は毛髪の先端に多数の短い枝分かれが生じて羽毛状になったケースであり、多くの場合には毛幹の太さが不均一になる。枝毛の別の例は長い枝毛であり、初期枝毛の片側が反対側よりも著しく長くなる(例えば片側が脱落する)。枝毛の別の例はテーパー状枝毛であり、毛髪の一部しか先端に残らなくなる。枝毛は例えば毛髪に2本の裂け目ができる三股枝毛等のように先端数により表すこともできる。枝毛の別の例は(必ずしも先端ではなく)毛幹の中間点に発生する途中枝毛である。枝毛の別の例は毛髪が小さく裂けるだけのベビー枝毛である。本願で使用する「枝毛」なる用語は毛髪の先端まで延びてない枝毛も含むものとする。このような枝毛の1例は不完全枝毛である。図4A〜4Dはいくつかのタイプの枝毛を示す。
【0128】
本発明の方法で使用される毛髪は任意哺乳動物毛髪に由来するものとすることができる。1態様において、前記毛髪は人毛である。任意国籍、地域又は人種の人毛を使用することができ、例えばヨーロッパ人、アジア人、アフリカ人又はコーカソイドが挙げられる。1態様において、前記毛髪はヨーロッパ人の毛髪である。前記毛髪は例えば1回脱色、2回脱色、3回以上脱色、染毛又は機械的損傷による任意型の損傷を受けていてもよい。前記毛髪は例えば無傷の毛髪のように損傷を受けていなくてもよい。更に、本発明の方法で使用される毛髪の種類は方法の実施毎に異なっていてもよい。各種組成物の使用と試験は例えばどのような結果を消費者に伝達したいかによって異なるが、毛髪のこの変動はこれに対応することができる。毛髪の種類及び/又は組成物の変動により、任意の毛髪の種類及び任意のヘアケア組成物の結果を伝達することが可能になるであろう。
【0129】
本発明の1側面は枝毛になった毛髪を選択する工程と、(枝毛側から測定して)例えば長さ約1〜1.5インチまで切断する工程を含む。透明粘着テープの小片を使用して前記毛髪を例えばガラススライドに固定する。カメラとコンピューターとのインターフェースを備える例えば50倍の倍率の顕微鏡の下にガラススライドを配置する。照明と焦点を適宜調節する。構成に応じて、コンピューターインターフェースの内部で記録を行ってもよいし、例えばコンピュータースクリーンのトライポッドポインティングでビデオカメラを設定してもよい。カメラで記録する場合には、マイクロピペットを使用して例えば複合体有効分2%を含有する組成物1滴を枝毛に滴下する。照明と焦点を更に適宜調節する。ブロードライヤーを例えば中温でオンにし、枝毛に当てる。枝毛が完全又は部分的に修復されるまで記録する。
【0130】
本発明の1側面は人毛、好ましくは損傷した人毛、最も好ましくは2回脱色したヨーロッパ人の毛髪を採取する工程と、例えばワックスでまとめた例えば幅1〜1.5インチの毛束に束ねる工程を含む。次にブラッシングの方向に対して垂直にブロードライヤーを当てながらこれらの毛束を数千回梳かして適当な数の枝毛を作る。枝毛になった選択数(例えば10〜20本)の毛髪を選択し、毛束から引き抜く。20〜50倍の倍率の顕微鏡を使用して各枝毛の写真を撮影する。毛髪1本毎の枝毛と反対側の末端に真鍮の環状タブを取付ける。次にこれらの真鍮タブにラベルを付け、2枚のマスキングテープで挟む。次にこうして作製した試料を毛束の真ん中に挿入し、ペーパークランプで挟んで試料を固定する。次に例えば3サイクルを1クールとして毛束をリンスアウト型枝毛修復用組成物で処理する。最終サイクル後に、クランプを外し、枝毛の新しい写真を撮影する。処理前後の写真を比較することにより、評価者は修復されていない場合には「0」、部分的に修復された場合には「1/2」、完全に修復された場合には「1」の各数値で採点する。これらの数値を総計し、合計毛髪本数で割ると、枝毛修復度を表すことができる。
【0131】
上記のように、本発明の1態様では撮像システムを使用して修復前後又は修復を試みた前後の枝毛の外観の表示を作成する。本願の教示の範囲内で種々のこのような撮像システムが考えられるが、代表的なこのようなシステムを図6に示す。特に、図6は本願に記載する撮像及び処理工程を実行することができる画像データ撮像システムを示す模式図である。
【0132】
図例のシステム600はサンプル602を支持するのに適したプラットフォーム又は表面等のサンプル支持装置601を含む多数の相互に作用するコンポーネントを含む。サンプル支持装置601は光源603により下方から照明できるように透明にすることができる。反射により照明するように支持装置601の上方に光源603を配置してもよい。
【0133】
被処理サンプル602の拡大画像又はビデオシーケンスを撮像するために電気撮像装置604を配置する。その場合、サンプル支持装置601と撮像装置604の間でサンプル支持装置601に隣接して拡大装置605を配置する。撮像装置604は画像シーケンスを撮像するのに適した静止画カメラ又はビデオカメラとすることができる。拡大装置605は光学顕微鏡等の光学拡大レンズ又はレンズ系でもよいし、電子顕微鏡等の電子拡大装置でもよい。本発明の1態様において、撮像装置604及び/又は拡大装置605はサンプル602の異なる領域ないしセグメントの画像を撮像するように走査可能であり得る。
【0134】
撮像装置604からのデータを制御及び受信する補助計算・データ収集装置606を配置する。補助計算・データ収集装置606は撮像装置604から電子画像データを受信し、制御信号を撮像装置604に送信して撮像させることが可能な計算処理装置である。補助計算・データ収集装置606は照明装置603も制御することができる。
【0135】
本発明の1態様において、補助計算・データ収集装置606は有線又は無線リンクを介して局所又は遠隔で電子データベース607と通信連携している。こうして、補助計算・データ収集装置606は撮像装置604からデータを収集し、事後分析、操作及び/又は例えば印刷もしくは出版機関(図示せず)への再送信に備えて収集したデータを電子データベース607に保存することが可能である。
【0136】
補助計算・データ収集装置606はパーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター、ワークステーション等のコンピューターとすることができ、コンピューター読取可能な媒体に保存されたコンピューター読取可能な命令のコンピューター実行により動作する。コンピューター読取可能な媒体は磁気又は光学ディスクシステム、フラッシュドライブ、PRO等の有形媒体である。従って、データの収集、操作及び/又は送信に関して本願に記載する工程はこのように実行される。ユーザーインターフェース608を介して使用者は補助計算・データ収集装置606から人間が理解可能な形態で情報を受け取り、コンピューターが理解可能な形態で前記装置に入力することができる。本発明の1態様において、ユーザーインターフェース608はスクリーンとキーボード、キーパッド、ペン型入力パッド、マウス、及び/又は他のユーザー入力メカニズムによるグラフィックユーザーインターフェースを含む。
【0137】
本発明の1態様において、撮像装置は1本以上の毛幹、例えば1箇所以上の枝毛を含む毛幹の修復をリアルタイムで記録するのに適したビデオカメラである。毛髪修復過程をリアルタイムで肉眼で見られるようにするために十分な倍率でビデオを記録することが望ましい。適切な倍率としては、例えば20〜50倍が挙げられる。
【0138】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものと解釈すべきできはない。
【実施例】
【0139】
[実施例1]
本実施例は2槽法を使用して高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の製造を実証する。
【0140】
【表11】
【0141】
当業者は以下に記載するプロトコールで使用する特定タンクの種類に基づいて、本実施例及び他の実施例に記載するようなミキサーに適したRPM設定を決定できよう。
【0142】
適切なステンレス鋼プレミックスタンクに、113〜131°F(45〜55℃)に調節した水を充填する。高速タービン混合を開始する(タービンミキサーを高速時計回り方向で駆動し、側面スイープミキサーをオフにする)。バッチ温度が86°F(30℃)以上になったら、PVMMAコポリマー(Gantrez(登録商標)S−97BF;ISP,Wayne,NJ,米国)を強い混合下でプレミックスタンクにゆっくりと添加する。液面に過剰に発泡せずに強い撹拌が得られるように混合を適宜調節する。全粉末を添加し終えたら、113〜131°F(45〜55℃)に調節した水を使用して混合翼と側壁を濯ぐ。濯ぎが完了したら、側面スイープ撹拌機をオンにし、122〜131°F(50〜55℃)までの加熱を開始する。(プレミックスが113〜131°F(45〜55℃)のときに粉末塊はより迅速に分散する)。加熱を続け、混合時間を通してこの温度を維持する。ミキサーを設定する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0143】
最低20分間又は粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0144】
プレミックスが均質になり、塊がなくなったら、タービン混合速度を中速まで減速する。水酸化ナトリウムをプレミックスタンクに添加し、10分間混合する。溶液は低粘度になり、若干濁って見える。(ミキサー設定:タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する。)最低10分間又は完全に均質になるまでバッチを混合する。
【0145】
バッチが均質になったら、サンプルをインプロセスpH試験に供する。6.9〜7.0の安定なpH読み値に達するまでサンプルを繰り返し試験し続ける。pHが低い場合には、仕様範囲に合致するように、更に20%水酸化ナトリウムを添加する。再混合及び再サンプリングする。pHが高い場合には、仕様範囲に合致するように更にアスパラギン酸を添加する。再混合及び再サンプリングする。
【0146】
Gantrezが完全に水和され、pHが仕様範囲内になったら、プレミックス温度が122〜131°F(50〜55℃)であることを確認する。必要に応じて加熱する。プレミックスが122〜131°F(50〜55℃)になったら、側面スイープ撹拌機をオフにし、タービン方向を逆転し、ボルテックスを生じるようにタービン混合速度を上げる(タービンミキサーを高速時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーをオフにする)。
【0147】
ポリクオタニウム28(Conditioneze(登録商標)NT−20(有効分20%);ISP,Wayne,NJ,米国)をプレミックス槽にゆっくりと添加する。適正な高分子電解質複合体粒度となるようにプレミックス槽にゆっくりと添加する。添加流速を調節するために蛇口を使用する。蓋なし容器から全内容物をプレミックス槽に一度に放出してはならない。この材料添加中に、プレミックスは非常に粘性になり、白変し始める。全材料を添加し終わると、溶液は再び粘度が低下し、乳状の外観となる。
【0148】
タービン方向を逆転し、側面スイープ撹拌機をオンにする。20分間又はプレミックスが完全に均質になるまで強く混合する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低20分間又は目に見える粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0149】
混合が完了したら、サンプルを抽出し、プレミックスを目視検査する。完全に白色であり、濁ったり灰色になっていないことを確認する。プレミックス粘度が低く、乳状であり、過度に粘性でないことも確認する。プレミックスが低粘度の乳白色でない場合には、更に20分間強く混合し続け、再サンプリングする。
【0150】
プレミックスが完全に均質になったら、撹拌を弱め、86〜113°F(30〜45℃)までの冷却を開始する。プレミックスをメイン混合タンクに添加する準備が整うまで混合と温度を維持する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0151】
メインステンレス鋼混合タンクに、180〜185°F(82〜85℃)に調節した水を中速混合下で充填する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。EDTA二ナトリウムとアスパラギン酸をメイン混合タンクにゆっくりと添加する。成分を添加し終わったら、必要に応じて180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を開始する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定する)。180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を続ける。最低5分間又は固形分が完全に溶解するまでバッチを混合する。
【0152】
バッチ温度が176°F(80℃)以上になったら、ステアラミドプロピルジメチルアミンをメイン混合タンクに添加し、完全に溶けるまで混合する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を続ける。最低5分間又は固形分が完全に溶けるまでバッチを混合する。
【0153】
バッチ温度が180〜185°F(82〜85℃)になったら、メイン混合タンクに以下の成分、即ち組成物1A(コンディショナー)ではセチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル及びミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテルを添加し、組成物1B(オーバーナイトクリーム)ではセチルアルコール、ステアリン酸グリセリル及びアミノプロピルジメチコンを添加し、組成物1C(リーブインクリーム)ではセチルアルコールとステアリン酸グリセリルを添加する。バッチ温度が再び180〜185°F(82〜85℃)になったら、この温度を維持し、最低30分間混合する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。バッチを180〜185°F(82〜85℃)に維持しながら混合する。
【0154】
メイン混合タンクからサンプルを抽出し、全固形分が溶け、バッチがむらなく均質であることを目視確認する。不溶材料又は粒子が残っている場合には、強い混合を続け、再サンプリングする。
【0155】
104〜113°F(40〜45℃)までのバッチ冷却を開始し、バッチから脱気させ易くするようにタービン撹拌機と側面スイープ撹拌機の速度を中/低速に減速する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを低速時計回り方向に設定する)。冷却中にバッチ温度が167°F(75℃)以下になったら、プロピレングリコールをメイン混合タンクに添加する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。組成物1C(リーブインクリーム)では、グリセリンもこの混合速度で添加する。
【0156】
メインバッチ温度が組成物1A(コンディショナー)では150°F(65℃)以下、クリームでは131°F(55℃)以下になったら、側面スイープ撹拌機をオフにし、タービン撹拌機の方向を逆転し、弱いボルテックスを生じるように混合を強める(タービンミキサーを中速時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーをオフにする)。Salcare(登録商標)SC−96(65%ポリクオタニウム−37、25%ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、10%PPG−1トリデセス−6;Ciba/BASF,Basel,スイス)をメイン混合タンクに添加し、104〜113°F(40〜45℃)までの冷却を続ける。(バッチに添加する前にSalcare(登録商標)SC−96をその容器内で十分に混合する。)
【0157】
全材料をバッチに添加し終わり、表面に残らなくなったら、タービン撹拌機の方向を逆転し、側面スイープ撹拌機をオンにする(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0158】
メインバッチ温度が組成物1A(コンディショナー)では150°F(65℃)以下、組成物1B(オーバーナイトクリーム)では131°F(55℃)以下になり、プレミックスが準備できたら、プレミックスをメイン混合タンクに添加する。プレミックスを添加している間に、液面が最上段のタービン翼を通過したら、タービンミキサーをオフにするか又は減速して曝気を最小限にする。プレミックスを添加し終わったら、77〜95°F(25〜35℃)に調節した水でプレミックスタンクを濯ぎ、これをメイン混合タンクに添加する。プレミックスをバッチに混合するにつれてバッチ粘度は低下する。跳ねを避けるようにミキサー速度を適宜調節する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0159】
組成物1A(コンディショナー)では、最低15分間又はバッチが均質になるまでバッチを混合する。メインバッチ温度が122°F(50℃)以下になったら、Fluid Blendをメイン混合タンクに直接添加する。添加中に十分に混合する。シリコーンに混合する必要に応じて混合速度を上げる(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0160】
クリームでは、プレミックスを添加し終わったら、77〜95°F(25〜35℃)に調節した水をバッチの表面下に充填し、可能であれば、曝気を最小限にする。最低15分間又はバッチが均質になるまでバッチを混合する。104〜113°F(40〜45℃)までの冷却を続ける。適切なステンレス鋼フェーズ槽ないし容器内で、以下のシリコーン成分、即ち組成物1B(オーバーナイトクリーム)ではAbil(登録商標)OSW5(84%シクロペンタシロキサン、15%ジメチコノール、1%ジメチコン)とジメチコン(60,000cst)、組成物1C(リーブインクリーム)ではジメチコン(60,000cst)、フェニルトリメチコン(DC−556;Dow Corning)及びD5ジメチコノール(DC−1501)を強い撹拌下でプレミックスする。シリコーンプレミックスが均質になったら、これをメイン混合タンクに添加し、シリコーンプレミックス容器からできるだけ多量をメインバッチタンク内に放出させる。シリコーン類に混合する必要に応じて混合速度を上げる(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0161】
バッチ温度が113°F(45℃)以下になったら、以下の成分、即ちフレグランス(香料)、DMDMヒダントイン、ヤシ油、ケラチンアミノ酸、花/葉エキスをメイン混合タンクに添加する。組成物1B(オーバーナイトクリーム)では、DC−8500(82%ビス(C13−15アルコキシ)PG−アモジメチコン、18%C14−15アルコール;Dow Corning,Midland,MI,米国)も添加する。混合と95〜104°F(35〜40℃)までの冷却を続ける。
【0162】
最低45分間又は塊が完全になくなり、バッチがむらなく均質になるまで強く混合する。この最終混合の間中、塊を分解し易くするために80メッシュフィルターを通してバッチを再循環させてもよい。塊を分解するためには剪断(強い混合及び/又は再循環)が必要であるが、曝気をできるだけ少なくする(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低45分間混合する。
【0163】
バッチ温度が95〜104°F(35〜40℃)になったら、サンプルを分析する。混合と冷却を停止する。
【0164】
実施可能な調節は以下の通りである。pHが低い場合には、合計バッチ必要量の最大5%の水酸化ナトリウム(20%)を添加する。再混合及び再サンプリングする。pHが高い場合には、合計バッチ必要量の最大7.5%のアスパラギン酸を添加する。再混合及び再サンプリングする。粘度が低い場合には、更に60分間混合し、再サンプリングする。80メッシュフィルターを通してバッチを再循環させてもよい。
【0165】
材料をタンクに供給するために使用するポンプとしては、エアー駆動ダイアフラムポンプと容積型ポンプが挙げられる。使用するフィルターとしては、全移送操作に80メッシュが挙げられる。充填温度は90〜99°F(32〜37℃)とする。生成物温度が90°F(32℃)未満に低下する場合には、バッチを再加熱しない。
【0166】
【表12】
【0167】
メインステンレス鋼混合タンクに、95〜104 °F(30〜35℃)に調節した水を充填し、強い撹拌を開始する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。温度を維持するために水を加熱しない。以下の成分、即ちPVM/MAコポリマー(Gantrez S97BF)、NaOH、ポリクオタニウム28(Conditioneze)を順にメイン混合タンクにゆっくりと添加し、10分間又はバッチが完全に均質になり、塊がなくなるまで強く混合する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低10分間又はバッチが完全に均質になり、塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0168】
以下の成分、即ちPVP、EDTA二ナトリウムを強い混合下でメイン混合タンクに添加する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低15分間又は固形分が完全に溶解し、バッチが均質になるまでバッチを混合する。
【0169】
混合後、メイン混合タンクからサンプルを抽出し、塊又は粒状物がなくなり、バッチがむらなく均質であることを確認する。塊又は粒状物が存在する場合には、混合し続け、バッチがむらなく均質になるまで再サンプリングする。
【0170】
強い撹拌下で170〜175°F(76〜79℃)までのバッチの加熱を開始する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。バッチ温度が150°F(65℃)以上になったら、以下の成分、即ちステアラルコニウムクロリドをメイン混合タンクに添加する。バッチを170〜175°F(76〜79℃)に維持しながら混合する。バッチを最低60分間混合する。
【0171】
メイン混合タンクからサンプルを抽出し、塊又は粒子が存在せず、バッチが均質であることを目視確認する。塊又は粒子が存在する場合には、強く混合し続け、バッチが均質になるまで再サンプリングする。
【0172】
撹拌を中速まで落とし(可能であれば、タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、90〜95°F(32〜35℃)までのバッチの冷却を開始する。
【0173】
冷却中に以下の成分、即ちDC949カチオン性エマルション、グリセリン(USP VEG)、PEG−12ジメチコン、プロピレングリコール、トリエタノールアミン、クエン酸を順にメイン混合タンクに添加する。添加後毎に十分に混合する。
【0174】
バッチ温度が113°F(45℃)以下になったら、以下の成分、即ちDMDMヒダントイン、加水分解シルク、ビタミンブレンド、ジステアリン酸ポリグリセリル−3混合物を順にメイン混合タンクに添加する。
【0175】
電気又はエアミキサーを取付けた別のステンレス鋼槽ないし容器で以下の成分、即ちポリソルベート20、フレグランスをプレミックスする。全フレグランスが溶解し、プレミックスが均質で透明になるまでこのプレミックスを強く混合する。このプレミックスを中速撹拌下でメイン混合タンクに添加する。60〜80°F(15〜27℃)に調節した冷水でプレミックス槽/容器を濯ぎ、メイン混合タンクに添加する。(可能であればタービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)最低20分間又はバッチが完全に均質になるまで混合する。
【0176】
実施可能な調節は以下の通りである。pHが低い場合には、0.20%刻みで溶液の濃度を上げながらトリエタノールアミンを添加する。pHが高い場合には、0.20%刻みで溶液の濃度を上げながらクエン酸を添加する。
【0177】
材料をタンクに供給するために使用するポンプとしては、エアー駆動ダイアフラムポンプと容積型ポンプが挙げられる。使用するフィルターとしては、全移送操作に80メッシュが挙げられる。充填温度は周囲温度とする。充填し易くする必要に応じてバッチを冷却してもよい。
【0178】
【表13】
【0179】
メインステンレス鋼混合タンクに、可能であれば68〜86°F(20〜30℃)に調節した水を充填し、強い撹拌を開始する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0180】
以下の成分、即ちPVM/MAコポリマー(Gantrez S97BF)、水酸化ナトリウム(20%)、ポリクオタニウム28(Conditioneze)を順にメイン混合タンクにゆっくりと添加し、5分間又はバッチが完全に均質になり、塊がなくなるまで強く混合する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低5分間又はバッチが完全に均質になり、塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0181】
バッチが均質になったら、以下の成分、即ちポリクオタニウム−10をメイン混合タンクにゆっくりと投入する。可能であれば、ボルテックスが得られるように強い混合を使用する。タンクの内側とミキサー翼を水で濯ぐ(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0182】
113〜122°F(45〜50℃)までのバッチ加熱を開始する。加熱下に最低20分間、又はポリマーが完全に水和され、溶液が透明で均質になるまで混合する。
【0183】
混合後、メイン混合タンクからサンプルを抽出し、塊又は粒子が存在せず、バッチがむらなく均質であることを確認する。塊又は粒子が存在する場合には、混合し続け、バッチがむらなく均質になるまで再サンプリングする。加熱を続けながら、タービン撹拌を弱め(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、以下の成分、即ちコカミドプロピルベタイン、EDTA二ナトリウム、クエン酸、USPを順にメイン混合タンクに添加する。最低10分間、又はバッチが均質になり、全成分が完全に溶解するまで混合する。
【0184】
バッチ温度が113〜122°F(45〜50℃)であることを確認する。次に、以下の成分、即ちラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、ジステアリン酸グリコールとコカミドプロピルベタインとコカミドMEAと水の混合物、PEG−6カプリル酸/カプリン酸グリセリドを中速撹拌下で順にメイン混合タンクに添加する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。曝気を避けるように注意を要し、必要に応じて添加中に混合を減速する。タンク内の液面が上がり、液面が翼に近付いたらタービンミキサー速度を低速まで減速する。翼がバッチで完全に覆われたら、タービンミキサー速度を再び中速まで上げる。こうして、バッチの曝気を抑制し易くする。バッチを113〜122°F(45〜50℃)に維持しながら混合する。最低20分間又はバッチがむらなく完全に均質になるまで混合する。
【0185】
タービン撹拌とスイープ撹拌の両方を低速まで減速することによりバッチを脱気し(タービンミキサーを低速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを低速時計回り方向に設定する)、95〜104°F(35〜40℃)までのバッチ冷却を開始する。
【0186】
バッチ温度が113°F(45℃)以下になったら、タービン撹拌とスイープ撹拌を中速まで上げ(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、以下の成分、即ちフレグランス、メチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンと水の混合物、ヤシ油、ケラチンアミノ酸、花エキスを順にメイン混合タンクに添加する。
【0187】
別のステンレス鋼槽ないし容器で、塩が完全に分散されるまで塩化ナトリウムと95〜104°F(35〜40℃)に調節した水を混合する。十分な水を利用できないと思われるので、塩は完全に溶解しないと思われる。塩が完全に分散されるまで混合し、更に混合を続ける。
【0188】
塩プレミックスが準備できたら、メイン混合タンクに添加し、バッチが完全に均質になるまで混合する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。冷水でプレミックス槽ないし容器を濯ぎ、移送管路に流出させる。この濯ぎ/流出水をメイン混合タンクに添加する。最低30分間又はバッチが完全に均質になるまで混合する。組成物をサンプリングする。(適用可能な場合には)混合と冷却を停止する。
【0189】
実施可能な調節は以下の通りである。粘度が低い場合には、塩化ナトリウムを添加する。この処方では合計塩化ナトリウム濃度が2.00%を越えないようにする。粘度が高い場合には、プロピレングリコールを添加する。pHが低い場合には、水酸化ナトリウム(20%)を添加する。pHが高い場合には、クエン酸を添加する。
【0190】
バッチが曝気された場合には、バッチを120〜125°F(48〜52℃)まで再加熱し、20分間ゆっくりと混合する。95〜100°F(35〜38℃)まで再冷却し、10%防腐剤を再び添加し、必要に応じてフレグランスも再び添加する。
【0191】
材料をタンクに供給するために使用するポンプとしては、エアー駆動ダイアフラムポンプと容積型ポンプが挙げられる。使用するフィルターとしては、全移送操作に80メッシュが挙げられる。充填温度は90〜100°F(32〜38℃)とする。充填し易くするためにバッチをこの温度範囲まで加温してもよい。
【0192】
【表14】
【0193】
Salcare(登録商標)SC−96をその容器内でよく混合した後、計量し、バッチに添加する。
【0194】
適切なステンレス鋼プレミックスタンクに、113〜131°F(45〜55℃)に調節した水を充填する。高速タービン混合を開始する(タービンミキサーを高速時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーをオフにする)。
【0195】
バッチ温度が86°F(30℃)以上になったら、PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)を強い混合下でプレミックスタンクにゆっくりと添加する。液面に過剰に発泡せずに強い撹拌が得られるように混合を適宜調節する。全粉末を添加し終えたら、113〜131°F(45〜55℃)に調節した水を使用して混合翼と側壁を濯ぐ。濯ぎが完了したら、側面スイープ撹拌機をオンにし(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、122〜131°F(50〜55℃)までの加熱を開始する。プレミックスが113〜131°F(45〜55℃)のときに粉末塊はより迅速に分散する。加熱を続け、混合時間を通してこの温度を維持する。最低20分間又は粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0196】
プレミックスが均質になり、塊がなくなったら、タービン混合を中速まで減速する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。水酸化ナトリウムをプレミックスタンクに添加し、10分間混合する。溶液は低粘度になり、若干濁って見える。最低10分間又は完全に均質になるまでバッチを混合する。
【0197】
バッチが均質になったら、サンプルをインプロセスpH試験に供する。安定なpH読み値に達するまでサンプルを繰り返し試験し続ける。pHが低い場合には、仕様範囲に合致するように更に水酸化ナトリウム(20%)を添加する。再混合及び再サンプリングする。pHが高い場合には、仕様範囲に合致するように更にアスパラギン酸を添加する。再混合及び再サンプリングする。
【0198】
Gantrezが完全に水和され、pHが仕様範囲内になったら、プレミックス温度が122〜131°F(50〜55℃)であることを確認する。必要に応じて加熱する。
【0199】
プレミックスが122〜131°F(50〜55℃)になったら、側面スイープ撹拌機をオフにし、タービン方向を逆転し、ボルテックスを生じるようにタービン混合速度を上げる(タービンミキサーを高速時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーをオフにする)。ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)をプレミックス槽にゆっくりと添加する。適正な複合体粒度となるようにプレミックス槽にゆっくりと添加する。添加流速を調節するために蛇口を使用する。蓋なし容器から全内容物をプレミックス槽に一度に放出してはならない。
【0200】
この材料添加中に、プレミックスは非常に粘性になり、白変し始める。全材料を添加し終わると、溶液は再び低粘性になり、乳状の外観となる。
【0201】
タービン方向を逆転し、側面スイープ撹拌機をオンにする(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。20分間又はプレミックスが完全に均質になるまで強く混合する。最低20分間又は粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。混合が完了したら、サンプルを抽出し、プレミックスを目視検査する。完全に白色であり、濁ったり灰色になっていないことを確認する。プレミックス粘度が低く、乳状であり、過度に粘性でないことも確認する。プレミックスが低粘度の乳白色でない場合には、更に20分間強く混合し続け、再サンプリングする。
【0202】
プレミックスが完全に均質になったら、撹拌を弱め(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、86〜113°F(30〜45℃)までの冷却を開始する。プレミックスをメイン混合タンクに添加する準備が整うまで混合と温度を維持する。
【0203】
メインステンレス鋼混合タンクに、180〜185°F(82〜85℃)に調節した水を中速混合下で充填する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0204】
メイン混合タンクに以下の成分、即ちEDTA二ナトリウム、アスパラギン酸をゆっくりと添加する。前記成分の添加後、必要に応じて180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を開始する。(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を続ける。最低5分間又は固形分が完全に溶解するまでバッチを混合する。
【0205】
バッチ温度が176°F(80℃)以上になったら、ステアラミドプロピルジメチルアミンをメイン混合タンクに添加し、完全に溶けるまで混合する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。180〜185°F(82〜85℃)までのバッチ加熱を続ける。最低5分間又は固形分が完全に溶けるまでバッチを混合する。
【0206】
バッチ温度が180〜185°F(82〜85℃)になったら、以下の成分、即ちセチルアルコール、ステアリン酸グリセリル、アミノプロピルジメチコンをメイン混合タンクに添加する。
【0207】
バッチ温度が再び180〜185°F(82〜85℃)になったら、この温度を維持し、30分間混合する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。バッチを180〜185°F(82〜85℃)に維持しながら混合する。バッチを最低30分間混合する。
【0208】
高温混合後、メイン混合タンクからサンプルを抽出し、全固形分が溶け、バッチがむらなく均質であることを目視確認する。不溶材料又は粒子が残っている場合には、強い混合を続け、全蝋状物及び粒子が溶解し、バッチが均質になるまで周期的に再サンプリングする。
【0209】
高温混合後、104〜113°F(40〜45℃)までのバッチ冷却を開始し、バッチから脱気させ易くするようにタービン撹拌機と側面スイープ撹拌機の速度を中/低速に減速する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを低速時計回り方向に設定する)。
【0210】
冷却中にバッチ温度が167°F(75℃)以下になったら、プロピレングリコールをメイン混合タンクに添加する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0211】
メインバッチ温度が150°F(65℃)以下になったら、側面スイープ撹拌機をオフにし、タービン撹拌機の方向を逆転し、弱いボルテックスを生じるように混合を強める(タービンミキサーを中速時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーをオフにする)。Salcare(登録商標)SC−96をメイン混合タンクに添加し、104〜113°F(40〜45℃)までの冷却を続ける。
【0212】
全材料をバッチに添加し終わり、表面に残らなくなったら、タービン撹拌機の方向を逆転し、側面スイープ撹拌機をオンにする(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0213】
メインバッチ温度が131°F(55℃)以下になり、PEC有効分プレミックスが準備できたら、プレミックスをメイン混合タンクに添加する。プレミックスを添加している間に、液面が最上段のタービン翼を通過したら、タービンミキサーをオフにするか又は減速して曝気を最小限にする。
【0214】
プレミックスを添加し終わったら、77〜95°F(25〜35℃)に調節した冷水でプレミックスタンクを濯ぎ、これをメイン混合タンクに添加する。PEC有効分プレミックスをバッチに混合するにつれてバッチ粘度は低下する。跳ねを避けるようにミキサー速度を適宜調節する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0215】
全PEC有効分プレミックスを添加し終わったら、77〜95°F(25〜35℃)に調節した冷水をバッチの表面下に充填し、可能であれば、曝気を最小限にする。最低15分間又はバッチが均質になるまでバッチを混合する。104〜113°F(40〜45℃)までの冷却を続ける。
【0216】
適切なステンレス鋼フェーズ槽ないし容器内で、以下の成分、即ちシクロペンタシロキサン混合物、ジメチコンを強い撹拌下でプレミックスする。プレミックスが均質になったら、これをメイン混合タンクに添加し、プレミックス容器からできるだけ多量をメインバッチタンク内に放出させる(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。シリコーン類に混合する必要に応じて混合速度を上げる。
【0217】
バッチ温度が113°F(45℃)以下になったら、以下の成分、即ちDC−8500、フレグランス、DMDMヒダントイン、ヤシ油、ケラチンアミノ酸、花エキス混合物をメイン混合タンクに添加する。混合と95〜104°F(35〜40℃)までの冷却を続ける。
【0218】
最低45分間又は塊が完全になくなり、バッチがむらなく均質になるまで強く混合する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。この最終混合の間中、塊を分解し易くするために80メッシュフィルターを通してバッチを再循環させてもよい。塊を分解するためには剪断(強い混合及び/又は再循環)を使用する必要があるが、曝気をできるだけ少なくする。最低45分間混合する。バッチ温度が95〜104°F(35〜40℃)になったら、組成物をサンプリングする。混合と冷却を停止する。
【0219】
実施可能な調節は以下の通りである。pHが低い場合には、合計バッチ必要量の最大5%の水酸化ナトリウム(20%)を添加する。再混合及び再サンプリングする。pHが高い場合には、合計バッチ必要量の最大7.5%のアスパラギン酸を添加する。再混合及び再サンプリングする。粘度が低い場合には、更に60分間混合し、再サンプリングする。80メッシュフィルターを通してバッチを再循環させてもよい。
【0220】
材料をタンクに供給するために使用するポンプとしては、エアー駆動ダイアフラムポンプと容積型ポンプが挙げられる。使用するフィルターとしては、全移送操作に80メッシュが挙げられる。充填温度は90〜99°F(32〜37℃)とする。生成物温度が90°F(32℃)未満に低下する場合には、バッチを再加熱しない。
【0221】
[実施例2]
本実施例は1槽法を使用して高分子電解質複合体を含有するヘアケア組成物の製造を実証する。
【0222】
実施例1の方法は高分子電解質複合体を第1の槽内で製造し、残りの成分を別の槽内で混合し、高分子電解質複合体と残りの成分を混合する2槽法に関する。この方法を1槽に簡略化するために、高分子電解質複合体を先ず槽内で製造し、高分子電解質複合体の形成後に他の成分を同一槽に添加する以外は実施例1に記載したように方法を実施する。組成物の最終粘度は2槽で製造した場合よりも低くなる可能性がある。これを補うために、Salcare(登録商標)SC96を余分に添加する。
【0223】
[実施例3]
本実施例は所定の電荷をもつ化合物とポリマーに対する高分子電解質複合体(PEC)の相溶性を実証する。
【0224】
外観:電荷をもつ粒子を含有する溶液としてのPECの外観を評価した。PVMMAとポリクオタニウム−28を別々に水和させると、組成物は透明になる。水和させたPECとしてPVMMAとポリクオタニウム−28が存在する場合には、組成物は混濁及び/又は乳状外観となる。水和されると透明な組成物となる別の電荷をもつ化合物をPECに添加した後に、乳状/混濁不透明度は低下する(場合によっては透明になる)と予想される。これはPEC複合体化プロセス逆転の視覚的徴候である。1重量%及び2重量%のPVMMA/ポリクオタニウム−28 PECの乳状不透明な外観は0.5重量%を上回るポリクオタニウム−4(Celquat(登録商標)L−200;Akzo Nobel,Amsterdam,オランダ)の存在下では認められなくなる。これはPECの構造が破壊されたことを意味する。Celquat(登録商標)L−200が0.5重量%未満では、PECは破壊されない。0.5重量%のCelquat(登録商標)H−100はPECを破壊しなかった。Celquat(登録商標)L−200及びH−100は類似するが、L−200のほうが低粘度でカチオン活性が高い。
【0225】
増粘:PECを含有する組成物と含有しない組成物におけるTinovis GTC/アクリレート/メタクリル酸ベヘネス−25コポリマー(2.3%)を試験した。PECを含有しない組成物は粘度が40,000〜60,000cpsであった。PECを含有する組成物は水状で低粘性であった。Tinovisは共働的増粘剤であり、PECを含有しない組成物は増粘せず、TinovisはPECにより無効になると考えられた。
【0226】
枝毛修復:表11はPECと併用した電荷をもつ化合物とポリマーを示す。これらの組成物は枝毛修復の悪影響を示さなかった。
【0227】
【表15】
【0228】
[実施例4]
本実施例は高分子電解質複合体と電荷をもつポリマーを含有する製剤を例証する。
【0229】
全組成物4B〜4Eは凍結・解凍安定性を示した。本発明者らは驚くべきことに、Salcare(登録商標)SC96を含有する組成物4Dが組成物4B、4C及び4Eに比較して長期粘度制御に優れる(粘度が長期間安定に維持される)ことも見出した。
【0230】
比較組成物4AはPECを含有せず、組成物4B〜4EはPVMMA:ポリクオタニウム−28 PECと電荷をもつ化合物及び/又はポリマーを含有する。全組成物はリンスアウトコンディショナーである。水酸化ナトリウム/クエン酸/アスパラギン酸は必要に応じて適正なpHとなるように調節する。
【0231】
「MS」は標準に合致することを意味する。
【0232】
【表16】
【0233】
[実施例5]
本実施例は実施例4の組成物の製造方法を実証する。
【0234】
比較組成物4Aでは、80〜85℃までの容器加熱を開始し、以下の成分、即ち脱イオン水、クエン酸及びEDTA二ナトリウムを添加する。温度が80〜85℃であることを確認し、以下の成分、即ちQuat−18/水、ステアラミドプロピルジメチルアミン、セチルアルコール及びステアリルアルコールを添加する。30分間80〜85℃で強く混合する。混合物を冷却する。57〜60℃になったら、L−アスパラギン酸をゆっくりと添加する。45℃以下になったら、以下の成分、即ちイソステアラミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート/PEG−9、シクロペンタシロキサン/シクロヘキサシロキサン/ジメチコン、フレグランス及びDMDMヒダントインを添加する。
【0235】
2相を使用して組成物4B、4C及び4Eを製造する。組成物4Bでは、メインフェーズに(組成物の最終総重量%の)52.05重量%の脱イオン水を添加する。80〜85℃までの加熱を開始する。以下の成分、即ちEDTA二ナトリウムとL−アスパラギン酸を一度に添加し、完全に溶解して溶液が透明になるまで混合する。以下の成分、即ちステアラミドプロピルジメチルアミン(溶液が透明になったことを確認する)、セチルアルコール及びステアリン酸グリセリルを80〜85℃で一度に加え、溶けるまで混合する。30分間80〜85℃で強く混合する。30分後に加熱を停止し、混合速度を減速し、組成物をゆっくりと冷却させる。サイドフェーズには(組成物の最終総重量%の)15.5重量%の脱イオン水を添加し、以下の成分、即ちPVMMAコポリマー(Gantrez(登録商標)S−97BF;ISP Corp.,Wayne,NJ,米国)と水酸化ナトリウム(有効分20%)をゆっくりと添加し、水和するまで混合する。溶液は若干増粘する。インプロセスpHは6.90〜7.00とする。サイドフェーズを50〜55℃まで加熱する。ポリクオタニウム−28(Conditioneze(登録商標)NT−20;ISP Corp.)を非常に強い混合下でゆっくりと添加する。溶液は不透明になり、低粘性になる。サイドフェーズを冷却し、≦45℃になったら、(組成物の最終総重量%の)0.05重量%のDMDMヒダントインを添加する。≦45℃でメインフェーズにサイドフェーズをゆっくりと添加する。次に以下の成分、即ちAbil(登録商標)T Quat 60(シリコーンクオタニウム−22;Evonik,Essen,ドイツ)、プロピレングリコール、フレグランス及び(組成物の最終総重量%の)0.15重量%のDMDMヒダントインを添加する。
【0236】
組成物4Cでは、メインフェーズに(組成物の最終総重量%の)52.45重量%の脱イオン水を添加する。80〜85℃までの加熱を開始する。以下の成分、即ちEDTA二ナトリウムとL−アスパラギン酸を一度に加え、完全に溶解して溶液が透明になるまで混合する。以下の成分、即ちステアラミドプロピルジメチルアミン(溶液が透明になったことを確認する)、セチルアルコール及びステアリン酸グリセリルを80〜85℃で一度に添加し、溶けるまで混合する。30分間80〜85℃で強く混合する。30分後に加熱を停止し、混合速度を減速し、組成物をゆっくりと冷却させる。サイドフェーズには(組成物の最終総重量%の)15.5重量%の脱イオン水を添加し、以下の成分、即ちPVMMAコポリマー(Gantrez(登録商標)S−97BF;ISP Corp.,Wayne,NJ,米国)と水酸化ナトリウム(有効分20%)をゆっくりと添加し、水和するまで混合する。溶液は若干増粘する。インプロセスpHは6.90〜7.00とする。サイドフェーズを50〜55℃まで加熱する。ポリクオタニウム−28(Conditioneze(登録商標)NT−20;ISP Corp.)を非常に強い混合下でゆっくりと添加する。溶液は不透明になり、低粘性になる。サイドフェーズを冷却し、≦45℃になったら、(組成物の最終総重量%の)0.05重量%のDMDMヒダントインを添加する。≦45℃のときにメインフェーズにサイドフェーズをゆっくりと添加する。クオタニウム−80/プロピレングリコールとジメチコンをプレミックスした後、メインフェーズとサイドフェーズの混合物に添加する。次に以下の成分、即ちDC−8500(ビス(C13−15アルコキシ)PGアモジメチコン;Dow Corning,Midland,MI,米国)、プロピレングリコール、フレグランス及び(組成物の最終総重量%の)0.15重量%のDMDMヒダントインを添加する。
【0237】
組成物4Dでは、(組成物の最終総重量%の)40重量%のイオン水を添加する。以下の成分、即ちPVMMAコポリマー(Gantrez(登録商標)S−97BF(ISP))と水酸化ナトリウム(有効分20%)をゆっくりと添加し、水和するまで混合する。溶液は若干増粘する。インプロセスpHは6.90〜7.00とする。50〜55℃まで加熱し、ポリクオタニウム−28(Conditioneze(登録商標)NT−20(ISP))を非常に強い混合下でゆっくりと添加する。溶液は不透明になり、低粘性になる。80〜85℃までの加熱を開始し、以下の成分、即ちEDTA二ナトリウム、L−アスパラギン酸及び(組成物の最終総重量%の)22.95重量%の脱イオン水を一度に添加し、完全に溶解するまで混合する。以下の成分、即ちステアラミドプロピルジメチルアミン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、Crodamol STS(ミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテル;Croda Inc.,Edison,NJ,米国)、Salcare(登録商標)SC96(65%ポリクオタニウム−37,25%ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール,10%PPG−1トリデセス−6;Ciba(登録商標)/BASF,Basel,スイス)を80〜85℃で一度に添加し、溶けるまで混合する。30分間80〜85℃で強く混合する。混合速度を減速し、組成物を冷却させる。温度が<45℃になったら、以下の成分、即ちD5/D6/ジメチコン、プロピレングリコール、フレグランス及びDMDMヒダントインを添加する。
【0238】
組成物4Eでは、メインフェーズに(組成物の最終総重量%の)50.47重量%の脱イオン水を添加する。80〜85℃までの加熱を開始する。以下の成分、即ちEDTA二ナトリウムとL−アスパラギン酸を一度に加え、完全に溶解して溶液が透明になるまで混合する。以下の成分、即ちステアラミドプロピルジメチルアミン(溶液が透明になったことを確認する)、セチルアルコール、ステアリン酸グリセリル、Montanov(登録商標)202(アラキジルアルコールとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドの混合物;SEPPIC,Paris,フランス)、及びアミノプロピルジメチコンを80〜85℃で一度に加え、溶けるまで混合する。30分間80〜85℃で強く混合する。30分後に加熱を停止し、混合速度を減速し、組成物をゆっくりと冷却させる。サイドフェーズには(組成物の最終総重量%の)15.5重量%の脱イオン水を添加し、以下の成分、即ちPVMMAコポリマー(Gantrez(登録商標)S−97BF;ISP Corp.,Wayne,NJ,米国)と水酸化ナトリウム(有効分20%)をゆっくりと添加し、水和するまで混合する。溶液は若干増粘する。インプロセスpHは6.90〜7.00とする。サイドフェーズを50〜55℃まで加熱する。ポリクオタニウム−28(Conditioneze(登録商標)NT−20;ISP Corp.)を非常に強い混合下でゆっくりと添加する。溶液は不透明になり、低粘性になる。サイドフェーズを冷却し、≦45℃になったら、(組成物の最終総重量%の)0.05重量%のDMDMヒダントインを添加する。≦45℃のときにメインフェーズにサイドフェーズをゆっくりと添加する。45℃以下になったら、Merquat(登録商標)2001(ポリクオタニウム−47;Nalco,Naperville,IL,米国)を添加する。D5/ジメチコノールとジメチコンをプレミックスした後、メインフェーズとサイドフェーズの混合物に添加する。次に以下の成分、即ちDC−8500(ビス(C13−15アルコキシ)PGアモジメチコン;Dow Corning,Midland,MI,米国)、プロピレングリコール、フレグランス及び(組成物の最終総重量%の)0.15重量%のDMDMヒダントインを添加する。
【0239】
[実施例6]
本実施例は本発明の試験方法を使用して枝毛の修復を実証する。
【0240】
図1に示す本試験で使用した組成物を以下に比較する。水酸化ナトリウム/アスパラギン酸は必要に応じて適正なpHとなるように調節する。
【0241】
【表17】
【0242】
図2に示す本試験で使用した組成物を以下に比較する。水酸化ナトリウム/クエン酸/アスパラギン酸は必要に応じて適正なpHとなるように調節する。
【0243】
【表18】
【0244】
図1は2回脱色して機械的に枝毛を発生させたヨーロッパ人の毛髪を使用した場合のコンディショナーの修復結果を示す。結果はリンスオフコンディショナーにより3サイクルで約80%の修復率を示す。
【0245】
図2は2回脱色して機械的に枝毛を発生させたヨーロッパ人の毛髪を使用した場合の各種組成物の結果を示す。結果はナイトリペアを含めた全製剤がリーブイン型であるという仮定に基づく。結果は全リーブイン組成物で1回の処理で80%を上回る修復率を示す。
【0246】
[実施例7]
本実施例は本発明の試験方法を使用して枝毛の修復を実証する。
【0247】
本試験で使用した組成物を以下に比較する。水酸化ナトリウム/アスパラギン酸は必要に応じて適正なpHになるように調節する。
【0248】
【表19】
【0249】
枝毛を含む毛髪50本を毛束から抽出した。光学撮像用に両面テープに沿って整列させたガラススライドに毛髪サンプルを載せた。約25倍の倍率のWILD実体顕微鏡を透過光下で使用し、製品塗布前に選択した枝毛になった毛髪を1本ずつ個々に写真撮影し、画像を保存した。また、枝毛が視野内に入るように撮像前に毛髪を回転させた。
【0250】
下記製品塗布プロトコールに従った。各場合に、選択した枝毛になった毛髪50本を夫々別個の5束に挿入した後に製品を塗布した。夫々選択した毛髪の先端の光学画像を再び取得し、枝毛修復度を試験及び評価した。結果を表12に示す。
【0251】
表12は処理前の合計枝毛本数(50本)を処理後に修復された枝毛本数と比較する枝毛データ試験をまとめたものである(反復試験用枝毛である分類6は別の方法により作成した)。
【0252】
【表20】
【0253】
全ての分類が枝毛修復能を示し、そのうちの3種は90%以上の改善を示す。
【0254】
製品塗布プロトコール
表12に示した順にプロトコールを記載する。(以下に記載するように)ブロードライヤーの性質(弱い空気流)により、組成物によっては毛束を80%乾燥させるためにブロー乾燥時間を5分間から20分間に変更した。
【0255】
A.毛髪予洗
1.(2回)脱色したプラチナブロンドの毛髪をワックスストリップでまとめ、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(1M)の5%w/w溶液に浸して洗浄する。溶液と毛髪の比は40:1とする。室温で30分間浸した後に3分間ハンドマッサージした後、泡がなくなるまで40℃水道水で濯ぐ。
2.毛髪をティッシュペーパー又はタオルで拭き、まっすぐに梳かし、毛髪を周囲室温で一晩自然乾燥させる。
【0256】
B.機械的な枝毛発生
1.International Hair Importersで毛髪の密度が線形となるように毛束を作成する。幅1.5”の毛束5束を作り、切断し、各毛束の毛髪が6gとなるように粘着テープで固定する。
2.各毛束を反復コーミング機に配置し、毛束を片側1500回ずつ1束当たり合計3000回コーミングする。
3.コーミング中に、ブロードライヤーを毛束から8インチ離し、高温設定でオンにする。反復コーミング中に毛髪をコームに向かって押出すように、毛束の根元に空気流を当てる。
【0257】
C.毛束からの枝毛の選択と初期写真撮影
1.拡大鏡を使用して毛束の先端を試験し、枝毛になった毛髪をみつける。枝毛になった毛髪50本を選択し、毛束の根元から引き抜く。5束から50本を引き抜くことができるように、各毛束から枝毛になった毛髪10本を選択する。
2.金属クリンプを使用して毛髪の根元を縮れさせた後、粘着テープ1枚当たり10本ずつとなるように縮れ毛を粘着テープ上に並べる。粘着テープをもう1枚使用して縮れ毛を挟み、縮れ毛を取り上げ易くする。
3.50本全てに番号を付け、処理前後写真用として50本のうちの10本の光学画像を撮影する。
4.赤色マジックインキを使用し、選択した50本の各々に枝毛の始点まで印を付ける。
5.枝毛をガラススライドにマウントすることにより枝毛10本の光学画像を撮影する。50倍の倍率の実体顕微鏡を顕微鏡のステージの下からの透過光下で使用し、写真を撮影する。
6.実体顕微鏡を使用して他の枝毛40本を試験するが、写真撮影する必要はない。
7.枝毛を挟んだ粘着テープ片を1.5”の毛束の真ん中に戻す。
8.バインダークリップ等の大型クリップを使用して毛束に枝毛を固定する。
【0258】
D.組成物塗布−分類1
1.35〜40℃の水で1GPMにて30秒間毛束を濡らす。
2.非コンディショニングシャンプー1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、1分間マッサージする。
3.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
4.毛束を指で挟んで滑らせることにより過剰の水を絞り出す。
5.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
6.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
7.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温で約3分間ブロー乾燥する。
8.リーブイントリートメントである組成物7A1.5mlを1.5インチの湿った毛束の両側に均等に塗布する。毛先と枝毛になり易い領域に集中して1分間マッサージする。
9.毛束を各側1回ずつ梳かす。
10.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
11.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
12.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を80%乾燥するまで約20分間中温(弱い空気流)でブロー乾燥する。
13.ブロー乾燥後、毛束を各側1回ずつ梳かす。
【0259】
D.組成物塗布−分類2
1.35〜40℃の水で1GPMにて30秒間毛束を濡らす。
2.組成物7B(シャンプー)1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、1分間マッサージする。
3.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
4.毛束を指で挟んで滑らせることにより過剰の水を絞り出す。
5.組成物7C(コンディショナー)1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、毛束を上から下に向かって9回撫で、1分間放置する。
6.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
7.Kim Wipesを使用して毛束をやさしく拭く。
8.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
9.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
10.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温で約3分間ブロー乾燥する。
11.リーブイントリートメントである組成物7A1.5mlを1.5インチの湿った毛束に塗布する。毛先と枝毛になり易い領域に集中して1分間マッサージする。
12.毛束を各側1回ずつ梳かす。
13.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
14.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
15.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温(弱い空気流)で80%乾燥するまで約20分間ブロー乾燥する。
16.ブロー乾燥後、毛束を各側1回ずつ梳かす。
【0260】
D.組成物塗布−分類3
1.35〜40℃の水で1GPMにて30秒間毛束を濡らす。
2.非コンディショニングシャンプー1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、1分間マッサージする。
3.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
4.毛束を指で挟んで滑らせることにより過剰の水を絞り出す。
5.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
6.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
7.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温で約3分間ブロー乾燥する。
8.オーバーナイトトリートメントである組成物7D1.5mlを1.5インチの湿った毛束の両側に塗布する。毛先と枝毛になり易い領域に集中して1分間マッサージする。
9.毛束を各側1回ずつ梳かす。
10.これはオーバーナイトトリートメントであるため、組成物を毛髪につけたまま8時間放置する。
11.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
【0261】
D.組成物塗布−分類4
1.35〜40℃の水で1GPMにて30秒間毛束を濡らす。
2.非コンディショニングシャンプー1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、1分間マッサージする。
3.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
4.毛束を指で挟んで滑らせることにより過剰の水を絞り出す。
5.組成物7C1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、毛束を上から下に向かって9回撫で、1分間放置する。
6.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
7.Kim Wipesを使用して毛束をやさしく拭く。
8.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
9.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
10.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温で80%乾燥するまで約5分間ブロー乾燥する。
11.毛束を各側2回ずつ梳かす。
12.ブロー乾燥後に毛髪に再び赤色マーキングを付ける。
13.ステップ1〜12を更に2サイクル繰返し、合計3回の処理を行う。
【0262】
D.組成物塗布−分類5
1.35〜40℃の水で1GPMにて30秒間毛束を濡らす。
2.組成物7B(シャンプー)1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、1分間マッサージする。
3.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
4.毛束を指で挟んで滑らせることにより過剰の水を絞り出す。
5.組成物7C(コンディショナー)1.5mlを1.5インチ毛束に塗布し、毛束を上から下に向かって9回撫で、1分間放置する。
6.毛束を35〜40℃の水で1GPMにて30秒間濯ぐ。
7.Kim Wipesを使用して毛束をやさしく拭く。
8.毛束を各側1回ずつ梳かす。
9.毛束の上端をブロー乾燥用スタンドに載せる。
10.毛髪が吹き飛ばされないように毛束の長さの3/4の位置にヘアクリップを留める。
11.毛束から2ft離してドライヤーを当て、毛束を中温(弱い空気流)で80%乾燥するまで約20分間ブロー乾燥する。
12.毛束を各側2回ずつ梳かす。
13.ステップ1〜12を更に2サイクル繰返し、合計3回の処理を行う。
【0263】
E.毛束からの枝毛の選択と最終写真撮影
1.1.5”毛束の真ん中から枝毛を挟んだ粘着テープ片を抜き取る。
2.実体顕微鏡を使用し、枝毛をガラススライドにマウントすることにより枝毛10本の処理後光学画像を撮影する。
3.実体顕微鏡を使用して他の枝毛40本を試験する。
4.修復された本数を数え、修復率%を求める。
【0264】
[実施例8]
本実施例は枝毛修復を消費者に伝達する方法を実証する。
【0265】
図3は高分子電解質複合体(PEC)を使用した枝毛の修復を示す模式図である。PECは枝毛の部位に付着し、自己集合すると共に毛髪群と集合して網目構造を形成し、乾燥するにつれて収縮し、枝毛を内側から結合すると考えられるが、同図はこのような考えられる作用メカニズムにおいてPECを示す。
【0266】
図4A〜4Dは本願に記載の組成物で本願に記載の方法を使用した各種枝毛タイプの修復の静止画写真を示す。
【0267】
図5は本願に記載の修復方法の過程における枝毛修復のビデオからの静止画フレームを示す。
【0268】
[実施例9]
本実施例は本発明の他の組成物を実証する。
【0269】
【表21】
【0270】
【表22】
【0271】
【表23】
【0272】
【表24】
【0273】
【表25】
【0274】
【表26】
【0275】
【表27】
【0276】
【表28】
【0277】
【表29】
【0278】
【表30】
【0279】
【表31】
【0280】
【表32】
【0281】
【表33】
【0282】
【表34】
【0283】
【表35】
【0284】
【表36】
【0285】
【表37】
【0286】
【表38】
【0287】
【表39】
【0288】
【表40】
【0289】
【表41】
【0290】
【表42】
【0291】
【表43】
【0292】
【表44】
【0293】
【表45】
【0294】
[実施例10]
本実施例はPEC製造に用いる典型的な添加速度、添加時間、温度、混合速度及び混合時間を実証する。
−水密度:Perry’s Chemical Engineer’s Handbook。
−20%NaOHの密度=1.2191kg/L及びConditionezeの密度=1.042kg/L。
【0295】
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0296】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.02 L(41.85kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=29℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない。
【0297】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=30分間。
【0298】
20%水酸化ナトリウム=0.55 L(0.675kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
水和混合時間=20分間
インプロセスpH基準=6.90
プレミックスを51℃まで10分間加熱する。
【0299】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=3.33 L/分(3.47kg/分)
合計添加時間=7分間
温度=49℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=40分間。
【0300】
プレミックス冷却
29℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=60分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
11,800kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた5,678リットル/1,500ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けたM01 12,113リットル/3,200ガロン混合槽を使用する。
【0301】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=1840.9 L(1835kg)
添加速度=526 L/分(524kg/分)
合計添加時間=3.5分間
温度=26℃
中央タービン撹拌機=25RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=7RPM時計回り方向。
【0302】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=23.6kg(固形分)
添加速度=7.87kg/分
合計添加時間=3分間
温度=27℃
中央タービン撹拌機=20RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=7RPM時計回り方向
分散混合時間=30分間。
【0303】
20%水酸化ナトリウム=24.2 L(29.5kg)
添加速度=12.1 L/分(14.75kg/分)
合計添加時間=2分間
温度=27℃
中央タービン撹拌機=20RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=7RPM時計回り方向
水和混合時間=10分間
インプロセスpH基準=6.72。更に118グラム(0.001重量%)のNaOHを添加してpH=6.80とする。更に118グラム(0.001重量%)のNaOHを添加してpH=6.90とする。合計29.736kgのNaOHを添加する。
プレミックスを55℃まで18分間加熱する。
【0304】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=1019 L(1062kg)
添加速度=29.1 L/分(30.3kg/分)
合計添加時間=35分間
温度=54℃
中央タービン撹拌機=28RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=7RPM時計回り方向
複合体混合時間=30分間。
【0305】
プレミックス冷却
35℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=18RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=7RPM時計回り方向
冷却混合時間=240分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0306】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.04 L(41.84kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=31℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
プレミックスを52℃まで10分間加熱する。
【0307】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=52℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=25分間。
【0308】
20%水酸化ナトリウム=0.56 L(0.688kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=52℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
水和混合時間=15分間
インプロセスpH基準=6.93。
【0309】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=4.66 L/分(4.86kg/分)
合計添加時間=5分間
温度=53℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=40分間。
【0310】
プレミックス冷却
29℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=100分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0311】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.03 L(41.85kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=30℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない。
【0312】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=30分間。
【0313】
20%水酸化ナトリウム=0.56 L(0.68kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=31℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
水和混合時間=6分間
インプロセスpH基準=初期6.83。更に2.7グラム(0.001重量%)のNaOHを添加してpH=6.95とする。合計682.7gのNaOHを添加する。
プレミックスを57℃まで10分間加熱する。
【0314】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=3.33 L/分(3.47kg/分)
合計添加時間=7分間
温度=56℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=30分間
プレミックス冷却
27℃まで冷却する。
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=120分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
1,250kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた379リットル/100ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた1,893リットル/500ガロン混合槽を使用する。
【0315】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=195.2 L(194.4kg)
添加速度=97.6 L/分(97.2kg/分)
合計添加時間=2分間
温度=29℃
中央タービン撹拌機=60RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向。
【0316】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=2.5kg(固形分)
添加速度=1.3kg/分
合計添加時間=2分間
温度=31℃
中央タービン撹拌機=60RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向
分散混合時間=26分間。
【0317】
20%水酸化ナトリウム=2.56 L(3.125kg)
添加速度=3 L/分(4kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=33℃
中央タービン撹拌機=20RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向
水和混合時間=11分間
インプロセスpH基準=6.90
プレミックスを52℃まで10分間加熱する。
【0318】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=108.0 L(112.5kg)
添加速度=9.0 L/分(9.4kg/分)
合計添加時間=12分間
温度=54℃
中央タービン撹拌機=58RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=15RPM時計回り方向
複合体混合時間=31分間。
【0319】
プレミックス冷却
35℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=18RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=8RPM時計回り方向
冷却混合時間=135分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0320】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.04 L(41.84kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=29℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
プレミックスを52℃まで10分間加熱する。
【0321】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=52℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=25分間。
【0322】
20%水酸化ナトリウム=0.57 L(0.69kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=53℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない。
水和混合時間=5分間
インプロセスpH基準=6.95。
【0323】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=4.66 L/分(4.86kg/分)
合計添加時間=5分間
温度=53℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=35分間。
【0324】
プレミックス冷却
30℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=90分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0325】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.04 L(41.84kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=29℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない。
【0326】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=30分間。
【0327】
20%水酸化ナトリウム=0.56 L(0.68kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
水和混合時間=20分間
インプロセスpH基準=初期6.81。更に3.4グラム(0.00126重量%)のNaOHを添加してpH=6.92とする。合計683.4gのNaOHを添加する。
プレミックスを54℃まで10分間加熱する。
【0328】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=3.33 L/分(3.47kg/分)
合計添加時間=7分間
温度=54℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=35分間。
【0329】
プレミックス冷却
35℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=260分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
3,772kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた1,893リットル/500ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた3,785リットル/1000ガロン混合槽を使用する。
【0330】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=588.93 L(586.546kg)
添加速度=392.6 L/分(391kg/分)
合計添加時間=1.5分間
温度=29℃
中央タービン撹拌機=46RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向。
【0331】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=7.544kg(固形分)
添加速度=3.77kg/分
合計添加時間=2分間
温度=29℃
中央タービン撹拌機=46RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向
分散混合時間=60分間。
【0332】
20%水酸化ナトリウム=7.735 L(9.430kg)
添加速度=3.9 L/分(4.7kg/分)
合計添加時間=2分間
温度=30℃
中央タービン撹拌機=25RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=10RPM時計回り方向
水和混合時間=10分間
インプロセスpH基準=6.91
プレミックスを52℃まで10分間加熱する。
【0333】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=325.80 L(339.48kg)
添加速度=16.3 L/分(17.0kg/分)
合計添加時間=20分間
温度=50℃
中央タービン撹拌機=35RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=6RPM時計回り方向
複合体混合時間=40分間。
【0334】
プレミックス冷却
40℃まで冷却する。
中央タービン撹拌機=14RPM反時計回り方向
側面スイープ撹拌機=6RPM時計回り方向
冷却混合時間=55分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
270kgサイズ1バッチ
PEC複合体には中央タービン撹拌機のみを取付けた113リットル/30ガロンプレミックス槽を使用し、
メインバッチには中央タービン撹拌機と側面スイープ撹拌機を取付けた227リットル/60ガロン混合槽を使用する。
【0335】
PEC複合体の処理パラメーター:
初期水充填量=42.04 L(41.84kg)
添加速度=28 L/分(28kg/分)
合計添加時間=1.5分間
初期水温=29℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
プレミックスを52℃まで10分間加熱する。
【0336】
PVM/MAコポリマー(Gantrez S−97BF)=0.54kg(固形分)
添加速度=0.6kg/分
合計添加時間=1分間
温度=52℃
中央タービン撹拌機=中速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
分散混合時間=20分間。
【0337】
20%水酸化ナトリウム=0.57 L(0.69kg)
添加速度=0.6 L/分(0.7kg/分)
合計添加時間=1分間
温度=53℃
中央タービン撹拌機=低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
水和混合時間=6分間
インプロセスpH基準=6.98。
【0338】
ポリクオタニウム28(Conditioneze NT−20)=23.32 L(24.30kg)
添加速度=4.66 L/分(4.86kg/分)
合計添加時間=5分間
温度=53℃
中央タービン撹拌機=中/高速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
複合体混合時間=35分間。
【0339】
プレミックス冷却
29℃まで冷却する
中央タービン撹拌機=超低速(RPM)時計回り方向
側面スイープ撹拌機=パイロットプレミックスタンクでは使用しない
冷却混合時間=100分間*。
(*注:混合時間はメインバッチがPECプレミックスの添加点に到達するまでに必要な時間を表す。)
【0340】
[実施例11]
本実施例は本発明の代表的組成物(組成物11A〜11G)について記載する。
【0341】
これらの組成物の数種(及び組成物1C)の毛髪修復効力を表13及び14にまとめる。これらの組成物の数種の高湿度下のカール保持率を図7に示す。
【0342】
【表46】
【0343】
【表47】
【0344】
【表48】
【0345】
【表49】
【0346】
【表50】
【0347】
【表51】
【0348】
【表52】
【0349】
【表53】
【0350】
【表54】
【0351】
[実施例12]
本実施例はホットフラットアイロンによる毛髪の弱化を本発明の組成物により緩和できることを実証する。
【0352】
【表55】
【0353】
【表56】
【0354】
メインステンレス鋼混合タンクに、68〜86°F(20〜86℃)に調節した冷水を強い混合下で充填する(タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0355】
先ずアミノメチルプロパノール(AMP−95)をメイン混合タンクに添加し、完全に分散されるまで混合する。
【0356】
次に、アクリル酸/VPクロスポリマー粉末を強い撹拌下でメイン混合タンクにゆっくりと投入する(可能ならばボルテックスし、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。この添加にはエダクター又は任意の他のインライン分散機を使用することができる。粉末はあまり急速に添加すると固まってしまうので添加中に注意を要する。最低45分間又はポリマーが完全に分散され、粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。混合中に、Celquatプレミックスの調製を開始する。
【0357】
メイン混合タンクからサンプルを抽出し、全ポリマーが分散され、粒子又は塊が残っていないことを目視確認する。粒子又は塊が残っている場合には強い混合を続け、バッチが均質になるまで周期的に再サンプリングする。
【0358】
次に、分散を目視確認した後に、脱イオン水を中速撹拌下でメイン混合タンクに充填する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを低速時計回り方向に設定する)。水充填時に注意を要し、曝気を避けるように混合を減速する。この水充填は中和工程中に跳ねと曝気を避けるようにバッチ液面が最上段の翼よりも上にくるように行う。最低15分間又はバッチがむらなく均質になるまでバッチを混合する。
【0359】
脱イオン水充填後にバッチが均質になったら、中速混合を続け(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)、メイン混合タンクに2回目のアミノメチルプロパノール(AMP−95)添加を行い、ポリマーを中和させる。溶液は最終的に透明になり、粘度は激増する。最低20分間又はバッチが均質になるまでバッチを混合する。
【0360】
適切なステンレス鋼プレミックスタンクに、68〜86°F(20〜30℃)に調節した冷水を充填する。強い混合を開始する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0361】
適切なステンレス鋼容器内で、可能な場合には104〜113°F(40〜45℃)に調節した温水に色素をプレミックスする。色素が完全に溶解して均質になるまで混合する。プレミックスが均質になり、不溶粒子がなくなるまで混合する。色素プレミックスが準備できたら、この溶液をフェーズタンクに添加する。
【0362】
次に、ポリクオタニウム−4粉末を強い撹拌下でフェーズタンクにゆっくりと投入する(可能な場合にはボルテックスし、可能な場合にはタービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。この添加にはエダクター又は任意の他のインライン分散機を使用することができる。粉末はあまり急速に添加すると固まってしまうので添加中に注意を要する。最低30分間又は粒子もしくは塊がなくなるまでバッチを混合する。
【0363】
フェーズタンクからサンプルを抽出し、全ポリマーが分散され、粒子又は塊が残っていないことを目視確認する。粒子又は塊が残っている場合には強い混合を続け、バッチが均質になるまで周期的に再サンプリングする。
【0364】
相が透明で均質になったら、以下の成分、即ちEDTA二ナトリウム、PVP K−90(20%溶液)、VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー、ポリクオタニウム−39、プロピレングリコール、ソルビトール、アミノメチルプロパノールをプレミックスタンクに添加する(可能であれば、タービンミキサーを高速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。
【0365】
プレミックスが準備できたら、メイン混合タンクに添加する。68〜86°F(20〜30℃)に調節した冷水でプレミックスタンクを濯ぎ、これをメイン混合タンクに添加する(可能であれば、タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低20分間又はバッチが均質になるまでバッチを混合する。
【0366】
電気又はエアミキサーを取付けた適切な消毒済み容器内で以下のフレグランスプレミックス、即ちオレス−20、フレグランスを調製する。均質で取り扱い易くするためにオレス−20は95〜104°F(35〜40℃)で予め溶解させるべきである。110°f(43℃)を上回る場合、又はフレグランスが引火する場合には、この原料をフレグランスと混合してはならない。透明で不溶材料がなくなるまでこのプレミックスを強く混合する。透明で粒子が残っていないことを目視確認後、これを中速撹拌下でメイン混合タンクに添加する。
【0367】
バッチ温度が104°F(40℃)以下であることを確認(必要に応じてバッチを冷却)した後、DMDMヒダントインを中速撹拌下でメイン混合タンクに添加する(タービンミキサーを中速反時計回り方向に設定し、側面スイープミキサーを中速時計回り方向に設定する)。最低30分間又はバッチが完全に均質になるまで混合する。組成物をサンプリングする。(適用可能な場合には)混合と冷却を停止する。
【0368】
実施可能な調節は以下の通りである。pHが低い場合には、合計バッチ必要量の最大5%のアミノメチルプロパノールを添加する。pHが高い場合には、総バッチサイズの最大0.1%のクエン酸を添加し、先ず水にプレミックスする(20%溶液)。粘度が低い場合には、更に60分間混合し、再サンプリングする。材料をタンクに供給するために使用するポンプとしては、エアー駆動ダイアフラムポンプと容積型ポンプが挙げられる。使用するフィルターとしては、全移送操作に80メッシュが挙げられる。充填温度は68〜95°F(20〜35℃)とする。
【0369】
【表57】
【0370】
比較組成物12D:Rhodia社の製品であるRhodapex ES−2(ラウレス硫酸ナトリウム)を有効分12%まで水で希釈した。
【0371】
毛髪断片化の定量:
毛束をラウリルエーテル硫酸ナトリウムでシャンプーする。
湿った毛髪に指定量の試験材料を塗布し、均一に延ばす。
毛束を梳かさずにブロー乾燥する。
205℃のフラットアイロンを当てる。毛束の上から下に向かって約12秒間フラットアイロンを滑らせ、合計1分間5回繰返す。毛束を冷却する。熱処理を更に3分間繰返す(合計4分間)。
上記全手順を3回繰返す。
毛束をラウリルエーテル硫酸ナトリウムでシャンプーする。
梳かさずにブロー乾燥する。
半透明プラスチックを毛束の下に挿入する。
目の細かい櫛で100回梳かす(実際的な撫でつけ、即ち撫でつけ回数)。
プラスチックの上に粘着テープを当てて断片を固定する。
回収された全毛髪断片を数える。
断毛低下率(保護率)百分率を計算する:
断毛低下率%=[(C-T)/C]×100
C=対照品で回収された毛髪断片数。
T=試験品で回収された毛髪断片数。
【0372】
トリプトファン分解蛍光分光分析に使用した装置は蛍光分光光度計Horiba Jobin Yvon FluoroMax 4である。2インチの毛束の上部ないし根元に配置した幅2.3cm、高さ1.7cmの窓の内側で毛束の結束部の基部から窓の中間点までの5カ所の異なる位置で測定する。測定中の装置の設定は以下の通りとする:
励起:290nm波長;5mmスリット
蛍光:300〜400nm;5mmスリット;1nm刻み。
300〜400nmからの蛍光スペクトルの測定値を1nm刻みで記録する。次に336nm(トリプトファン蛍光の極大点)での5回の測定値を平均する。これを初期読取りとホットアイロン処理後に実施する。分解率百分率を以下のように計算する:
【0373】
【数1】
保護率百分率を以下のように計算する:
【0374】
【数2】
【0375】
湿度条件:毛束を一晩22%RH(乾球76℃;湿球54℃)で保存する。30%RH(乾球75℃;湿球56℃)でコーミング試験を実施する。
【0376】
表15及び16は断毛抑制データを示す。表15は毛髪断片数を示す。表16は組成物12Dに対する断毛低下率百分率を示す。
【0377】
【表58】
【0378】
【表59】
【0379】
図8はトリプトファン測定による熱保護率百分率を示す。組成物12Cはトリプトファン分解を有意に抑制する。更に、トリプトファン減少率百分率の傾向は毛髪断片化の定量と良好に相関する。
【0380】
本実施例から明らかなように、PECを含有するジェルはコーミングによる毛髪断片化とトリプトファン減少率百分率を有意に抑制した。
【0381】
[実施例13]
本実施例は本発明の代表的組成物の凍結・解凍安定性を実証する。
【0382】
【表60】
【0383】
【表61】
【0384】
【表62】
【0385】
【表63】
【0386】
【表64】
【0387】
【表65】
【0388】
【表66】
【0389】
【表67】
【0390】
【表68】
【0391】
【表69】
【0392】
【表70】
【0393】
凍結・解凍安定性試験の手順は以下の通りである。
1.最終製品をガラスジャーに充填する。パッケージ安定性を試験する場合には、製品を適当なパッケージの容器に充填する。
2.ジャー及びパッケージに充填後、各々ラベルを付ける。安定性試験を通してラベルを固定させるようにラベルの周囲に粘着テープを貼り付ける。
フリーザーに入れる前にバッチの初期pH、粘度、外観、色及び臭いを記録する。
3.全ジャー/パッケージをフリーザーに24時間入れる。
4.24時間後にフリーザーからサンプルを取り出し、プラスチックビンに入れるか又はペーパータオルに載せて試料台にセットする。サンプルを24時間解凍する。
5.更に24時間後、サンプルの外観、色及び臭いを調べる。適用可能な場合にはpHと粘度を測定する。結果を記録する。
【0394】
粘度測定には以下のパラメーター、即ちRV、TバーB、10rpm、60秒、25℃を使用する(但し、40,000cpsを上回る場合には、RV、TバーC、5rpm、60秒、25℃とした)。
【0395】
表17〜20は上記組成物の数種の粘度(cps)及びpH測定値を示す。
【0396】
【表71】
【0397】
【表72】
【0398】
【表73】
【0399】
【表74】
【0400】
組成物13O〜13Rに関するSalcare(登録商標)SC−96推奨:13Oには1〜5%、13Pには0.5〜3%、13Qには2〜10%、13Rには2〜12%を使用する。
【0401】
図9は凍結・解凍安定性に及ぼす各種グリコールの有効性を評価するための組成物13H〜13J及び13EEの比較を示す。組成物13Hは凍結・解凍安定性を示さない。5%プロピレングリコール(組成物13I)を添加しても凍結・解凍安定性はさほど改善されない。10%プロピレングリコール(組成物13J)を添加するか又はセチルアルコールを1%まで低下させると共にSalcare(登録商標)SC96を添加する(組成物13EE)と、凍結・解凍安定性を示す。
【0402】
図10は組成物13K〜13Nの比較を示す。グリセリンやソルビトール等の各種グリコールは凍結・解凍安定性の改善においてプロピレングリコールほど有効ではない。
【0403】
図11は組成物13A〜13Cの比較を示す。高分子電解質複合体を1%まで低下させると、凍結・解凍不安定性はさほど悪化しないが、凍結・解凍安定性は最適ではない(13Aと13Hを比較)。5%のプロピレングリコール(13B)は多少の改善を示し、10%(13C)ではプラスの結果を示す。
【0404】
図12は組成物13D〜13Gの比較を示す。高分子電解質複合体を1%まで低下させてもグリセリンとソルビトールは凍結・解凍安定性を示さない。
【0405】
図13は組成物13S〜13Uの比較を示す。高分子電解質複合体をエマルションに添加すると、粘度は「激減」する(13S(PEC不添加)と13T(PEC添加)と13U(PEC添加)を比較)。エマルション相の完了後(13U)に高分子電解質複合体を添加すると、完了前(13T)に添加するよりも若干効果が劣る。
【0406】
図14は組成物13V〜13Xの比較を示す。エマルションの前又は後に高分子電解質複合体を添加する場合には、エマルション相を増粘させるためにエマルション相の前にSalcare(登録商標)SC−96の添加を使用することができる(13W及び13Xと13T及び13Uを比較)。しかし、初期粘度が低く、最終粘度に達するまでに約72時間を要するので、製造環境では好ましくない。また、13Xはバッチがエマルション相の間に粘度が高くなり過ぎて混合しにくくなる(バッチの粘度を下げるために加える水とPECが不足する)ため、製造環境では好ましくない。プロピレングリコール又はCrodamol STSの添加により凍結・解凍安定性と展着性を改善することができる。
【0407】
図15は組成物13FF〜13HHの比較を示す。プロピレングリコールとCrodamol STSを添加してもエマルション粘度にマイナスの影響はない(初期粘度が高い以外は13V、13W、13Xと同様の結果)。13GGは1槽法の考えられる候補であるが、その最終粘度は13DD/13KKよりも低い。13HHはエマルション相の間にバッチの粘度が高くなり過ぎるため、やはり製造に好ましくない。
【0408】
図16は組成物13Y〜13AAの比較を示す。エマルションの前又は後に高分子電解質複合体を添加する場合に、エマルションを増粘させるためにエマルション相の後にSalcare(登録商標)SC−96添加を使用することもできる(13Z及び13AAと13T及び13Uを比較)。13AAはバッチの粘度が高くなり過ぎず、適正に混合することができるので、製造観点から13Xよりも好ましい。高粘度の最終製品にはエマルションの後に高分子電解質複合体を添加することができる(13AAと13Zを比較)。13W及び13Xと同様に、プロピレングリコール又はCrodamol STSの添加により凍結・解凍安定性と展着性を改善することができる。
【0409】
図17は組成物13II〜13KKの比較を示す。プロピレングリコールとCrodamol STSを添加すると、初期及び最終エマルション粘度が改善する(13JJ及び13KKと13Z及び13AAを比較)。エマルションの前に複合体を添加すると、粘度が低くなるので好ましくない(13JJと13KKを比較)。
【0410】
図18は組成物13BB〜13DDの比較を示す。プロピレングリコールとCrodamol STSはいずれも単独でも併用しても粘度を増加する。
【0411】
図19は組成物13EE及び13LLの比較を示す。セチルアルコールを1%まで低下させ、Salcare(登録商標)SC−96を5%まで増加させるならば、Crodamol STSとプロピレングリコールを省略することができる(13EE)。セチルアルコールを添加しないと、基本的な「コンディショナー特性」(不透明性、エマルションのとろみ)を欠く製品となる(13LL)。
【0412】
[実施例14]
本実施例は本発明の典型的組成物の枝毛修復を実証する。
【0413】
【表75】
【0414】
「複合体非含有」組成物は部分Cの代わりに水を添加した以外は上記と同様に調製した。対照はTresemme断毛防止コンディショナーとした。
【0415】
方法:幅1”の脱色した損傷毛束(Int’l Hair Importersから入手)5束を使用し、各枝毛試料からの毛髪10本にタグを付け、適当にラベルを付ける。顕微鏡下で初期写真を撮影する。標準手順を使用してシャンプーする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。コンディショニングする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。濡れた毛髪を櫛の目の粗い側で1回梳かし、目の細かい側でもう1回梳かす。完全に乾くまで高温でブロー乾燥後、再び目の粗い側で1回と、目の細かい側で1回ずつ2回梳かす。3回目と6回目の処理後に修復された毛髪本数を数える。最終写真を撮影する。
【0416】
計算:
修復率%=[(処理前のタグを付けた合計本数−処理後の断毛本数)−処理後の枝毛本数]/(処理前のタグを付けた合計本数−処理後の断毛本数)
断毛率%=100×(断毛本数/処理前のタグを付けた合計本数)。
【0417】
表21は結果を示す。
【0418】
【表76】
【0419】
[実施例15]
本実施例は本発明の典型的組成物の枝毛修復を実証する。
【0420】
【表77】
【0421】
【表78】
【0422】
試験1
幅1”の茶色の毛束から枝毛になった毛髪にタグを付け、初期写真を撮影する。別に毛束を対照シャンプー(Alberto VO5ノーマルシャンプー)でシャンプーした後、対応するコンディショナーで処理する。洗髪を少なくとも2回繰返す。毛束をブロー乾燥し、24時間自然乾燥させる。タグを付けた毛髪1本ずつの最終写真を撮影する。
【0423】
試験1の結果を図20に示し、以下の処理を示す。
毛束1の毛髪1:水で処理。
毛束2の毛髪2:対照シャンプー−対照VO5エクストラボディコンディショナー
毛束3の毛髪3:対照シャンプー−組成物15C
毛束3の毛髪4:対照シャンプー−組成物15C
【0424】
試験2
幅1”の茶色の毛束から枝毛になった毛髪にタグを付け、初期写真を撮影する。毛束を対照シャンプーでシャンプーした後、対応するコンディショナーで処理する(標準洗髪手順に従い、1mL、接触時間1分、濯ぎ20秒、水温35〜40℃とする)。流速2gal/分で一束を組成物15Eに使用し、別の一束を組成物15Cに使用する。洗髪を少なくとも2回繰返す。毛束をブロー乾燥し、24時間自然乾燥させる。タグを付けた毛髪1本ずつの最終写真を撮影する。
【0425】
シリコーンを添加してもさほどのコンディショニング効果は得られないが、枝毛修復はやはり明白である。
【0426】
試験3
幅1”の茶色の毛束3束を使用し、各枝毛試料からの毛髪10本にタグを付け、適当にラベルを付ける。標準手順を使用してシャンプーする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。組成物15Cを使用してコンディショニングする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。濡れた毛髪を櫛の目の粗い側で1回梳かし、目の細かい側でもう1回梳かす。必要に応じて上記ステップを繰返す。各処理後に修復された毛髪本数を数える。
【0427】
結果を表22に示す。
【0428】
【表79】
【0429】
試験4
幅1”の脱色した損傷毛束(Int’l Hair Importersから入手)5束を使用し、各枝毛試料からの毛髪10本にタグを付け、適当にラベルを付ける。顕微鏡下で初期写真を撮影する。標準手順を使用してシャンプーする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。コンディショニングする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。濡れた毛髪を櫛の目の粗い側で1回梳かし、目の細かい側でもう1回梳かす。完全に乾くまで高温でブロー乾燥後、再び目の粗い側で1回と、目の細かい側で一回ずつ2回梳かす。3回目と6回目と10回目の処理後に修復された毛髪本数を数える。最終写真を撮影する。
【0430】
計算
修復率%=100×処理後の枝毛本数/処理前のタグを付けた枝毛本数
断毛率%=100×断毛本数/処理前のタグを付けた初期枝毛本数。
【0431】
結果を表23に示す。
【0432】
【表80】
【0433】
組成物15Cは脱色した毛束に優れたコンディショニングをもたらし、湿潤時の櫛通りがよい。
【0434】
試験5
幅1”の脱色した損傷毛束を1回の処理当たり2束ずつ使用する。各枝毛試料からの毛髪10本にタグを付け、適当にラベルを付ける。顕微鏡下で初期写真を撮影する。別に標準手順を使用して毛束をシャンプーする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。別に組成物15B、15C又は15Dを使用して毛束をコンディショニングする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。濡れた毛髪を櫛の目の粗い側で1回梳かし、目の細かい側でもう1回梳かす。完全に乾くまで高温でブロー乾燥後、再び目の粗い側で1回と、目の細かい側で1回ずつ2回梳かす。適切な回数の処理後に修復された毛髪本数を数える。最終写真を撮影する。
【0435】
結果を表24に示す。
【0436】
【表81】
【0437】
試験6
幅1”の茶色の毛束3束を使用し、各枝毛試料からの毛髪10本にタグを付け、適当にラベルを付ける。別に標準手順を使用して毛束をシャンプーする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。別に対照1(Nexxus市販製剤)、対照2、組成物15A、15B、15C又は15Dを使用して毛束をコンディショニングする(1”毛束に1mLを塗布し、接触時間1分とし、各側を10回ずつ撫で、水温35〜40℃で流速2gal/分にて20秒間濯ぐ)。濡れた毛髪を櫛の目の粗い側で1回梳かし、目の細かい側でもう1回梳かす。ブロー乾燥後、再び目の粗い側で1回と、目の細かい側で1回ずつ2回梳かす。必要に応じて上記ステップを繰返す。各処理後に修復された毛髪本数を数える。各処理後に断毛本数を数える。
【0438】
【表82】
【0439】
結果を表25及び26に示す。
【0440】
【表83】
【0441】
【表84】
【0442】
[実施例16]
本実施例は本発明の代表的組成物の枝毛修復を実証する。
【0443】
【表85】
【0444】
混合手順:
1.プレミックス−成分番号1〜2を添加し、水和するまで混合した。
2.成分番号3を使用してpHを6.9〜7に調整した後、50〜55℃まで加熱した。
3.成分番号4を非常に強い混合下でゆっくりと添加し、約10分間混合した。
4.メイン槽に成分番号5を添加し、80〜85℃までの加熱を開始した。
5.成分番号6〜7を添加した。バッチが80℃に達したら、成分番号8〜10を添加し、30分間混合した。
6.バッチ冷却を開始し、45℃未満になったら、ステップ1〜3からのプレミックスと残りの原料を添加した。
【0445】
目標仕様:
外観−不透明粘性液
臭い−標準合致
pH−4.5〜5.5
粘度−10,000〜15,000cps RVT−B 10rpm,60秒
【0446】
【表86】
【0447】
混合手順:
1.メイン槽に成分番号1〜2を添加し、80〜85℃までの加熱を開始した。
2.塊がなくなったら、成分番号3を添加した。
3.1〜3に塊がなくなったら、80〜85℃までの加熱を続けた。
4.バッチが80〜85℃に達したら、成分番号4〜17を添加し、30分間混合した。
5.バッチ冷却を開始し、45℃未満になったら11〜18を添加した。
【0448】
目標仕様:
外観−不透明粘性液
臭い−標準合致
pH−4.5〜5.5
粘度−10,000〜15,000cps RVT−8 10rpm,60秒
【0449】
組成物16AはpH4.92であり、粘度10,800cpsであった。組成物16BはpH4.95であり、粘度7,200cpsであった。
【0450】
組成物16Aは対照に比較して乾湿いずれも櫛通りが著しく良好であった。
【0451】
2回脱色した毛束をブロー乾燥して損傷させ、枝毛を発生させた。幅1.5インチの毛束4束の各々で10本の枝毛にタグを付けた。次に2束をAlberto VO5ノーマルシャンプーで洗髪し、組成物16Aでコンディショニングした。2束をAlberto VO5ノーマルシャンプーで洗髪し、比較組成物16Bでコンディショニングした。
【0452】
組成物16Aは枝毛修復率が90%であり、比較組成物16Bは枝毛修復率が63%であった。N−Hance SP−100を製剤に添加すると、最終製剤の修復能が改善される。
【0453】
本願に引用する刊行物、特許出願及び特許を含めた全文献は各文献の開示内容全体を本願に援用すると個々に具体的に記載すると同等とみなす。
【0454】
本発明に関する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)単数形の不定冠詞及び定冠詞並びに同様の記載を使用する場合には、特に指定する場合又は文脈からそうでないことが明白である場合を除き、単数と複数の両方に対応するものとする。「含む」、「もつ」、「有する」及び「含有する」なる用語は特に指定しない限り、非限定的な用語として解釈すべきである(即ち、「……を含むが、これに限定されるものではない」という意味である)。本願中に数値範囲を記載する場合には、特に指定しない限り、単にこの範囲内の各数値を個々に表す省略法として使用するものであり、個々の数値を本願中に個々に記載していると同等に本明細書に含むものとする。本願に記載する全方法は本願中で特に指定する場合又は文脈からそうでないことが明白である場合を除き、任意の適切な順序で実施することができる。本願中で使用する全ての例又は例示的表記(例えば「……等の」)は、単に本発明をより明確にすることを目的としており、特に指定しない限り、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書における如何なる表記も請求外の要素が本発明の実施に必須であることを示すと解釈すべきではない。
【0455】
本発明を実施するために最良であると本発明者らに確認された形態を含めて、本願には本発明の好ましい態様を記載する。これらの好ましい態様の変形も以上の記載から当業者に容易に理解されよう。本発明者らは当業者が必要に応じてこのような変形を採用すると予想し、また、本発明者らは本願に具体的に記載する以外の方法で本発明が実施されることも想定する。従って、本発明は以下の特許請求の範囲に記載する保護対象の全変形及び等価物を準拠法により認められるものとして包含する。更に、本願中で特に指定する場合又は文脈からそうでないことが明白である場合を除き、可能なその全変形における上記要素のあらゆる組合せが本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20