特許第5977810号(P5977810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977810内視鏡で使用するための外科手術アダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977810
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】内視鏡で使用するための外科手術アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20160817BHJP
   A61B 1/00 20060101ALN20160817BHJP
【FI】
   A61B17/32
   !A61B1/00 334Z
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-254085(P2014-254085)
(22)【出願日】2014年12月16日
(62)【分割の表示】特願2012-537243(P2012-537243)の分割
【原出願日】2010年11月8日
(65)【公開番号】特開2015-83163(P2015-83163A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2014年12月16日
(31)【優先権主張番号】61/258,922
(32)【優先日】2009年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510067898
【氏名又は名称】ニコ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】マーク,ジョゼフ・エル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥハティ,ブライアン・シー
(72)【発明者】
【氏名】ラマー,チャド
【審査官】 小川 恭司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/138674(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0228346(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0105536(US,A1)
【文献】 特表2008−536608(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0241343(US,A1)
【文献】 特開2002−17665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00
1/04
1/06
1/12−1/24
1/267−1/31
1/32
13/00−18/18
A61F2/01
A61N7/00−7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置を内視鏡に連結するのに使用するための選択的に取り外し可能なコネクタアダプタであって、前記コネクタアダプタは、
位端及び遠位端によって画定され、そこを貫通する通路を有するシャフト部材と、
前記医療装置の一部分が通過する貫通孔を有し、前記シャフト部材の前記遠位端に固定的に取り付けられた支持部材と、
前記シャフト部材を通って延びる軸に垂直な平面内の前記支持部材に枢動的に連結された少なくとも二つの連結部材と、を備え、
前記連結部材は、前記コネクタアダプタを前記内視鏡に選択的に固定するために当該連結部材が相互に固定されるとき当該内視鏡の近位部分を収容するためにキャビティを画定するように協働する、コネクタアダプタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタアダプタにおいて、
前記連結部材は、それぞれ、前記支持部材の外側縁部に沿って配置された一体ヒンジによって当該支持部材に枢動的に取り付けられる、コネクタアダプタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタアダプタにおいて、
前記連結部材の一つは、少なくとも一つのロックタブを含み、他の前記連結部材は対応する保持溝を含み、
前記ロックタブは、コネクタアダプタを内視鏡の近位端の一部分に固定するために対応する収容溝内に選択的に収容され保持されるように構成される、コネクタアダプタ。
【請求項4】
請求項2又は3記載のコネクタアダプタにおいて、
各連結部材は、前記連結部材が互いの方へ枢動されるときに、前記支持部材の遠位側に隣接して配置される取付面を更に含む、コネクタアダプタ。
【請求項5】
請求項2乃至4のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
各連結部材は、前記一体ヒンジに隣接して前記支持部材の縁部に配置された対応する接触面と係合する接触面を更に備える、コネクタアダプタ。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
前記支持部材の遠位側に隣接して配置されるシール部材を更に備える、コネクタアダプタ。
【請求項7】
請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
内部分と一対の脚部材とを有する漏斗アタッチメントを更に備え、
前記案内部分は、そこに形成された案内溝の方に先細りになるアーチ状に曲がった表面を更に備え、
前記一対の脚部材は、前記内視鏡上に嵌合するように構成された、コネクタアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2010年11月6日付けで提出された米国仮特許出願第61/258922号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、概ね、患者の体内に外科手術デバイスを導入するための外科手術アダプタに関し、特に、内視鏡を介して外科手術デバイスを供給するのに使用するための外科手術アダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡手術は、開外科手術処理と比較して周りの組織へのダメージを軽減しながら実施される外科手術を可能にする。内視鏡は、通常、手術部位に対する様々な医療デバイスの挿入及び展開を許容する少なくとも一つの作業チャンネルを含む。また、内視鏡は、処理中、外科手術部位の可視化を提供する。
【0004】
ひとたび、外科手術部位の所望の位置に達すると、外科手術装置は、作業チャンネルを介して挿入されることができ、可視化された外科手術部位での作業チャンネルの遠位端から突出する。例えば、一例示的な構成では、外科手術切断デバイスは、外科手術部位から組織サンプルを切除するために導入される。そのような外科手術切断装置は、一般的に、装置の切断部分に回転運動又は往復(又は双方)運動を提供するハンドピースに対して接続を必要とする。切断作業が可能とされる場合、組織は、一般的に、切断装置の口を通じて引き込まれ、切断され、そして、外科手術部位から取り除かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残念なことに、処理中、ハンドピースは、内視鏡の作業チャンネルを超えた装置の拡張部を制御するために外科医によって常に制御されなければならない。このように、外科手術切断デバイスは、内視鏡から独立して移動することができる。確かに、外科手術切断デバイスの配置を制御するために、一般的には、外科医が外科医の手と目の調整に依存して内視鏡及び外科手術切断デバイスの双方を継続的に操作して、外科手術切断装置の適当な配置を確保し、選択された関連の領域から離れる方向への不注意な動きあるいは領域における深すぎる動きを防止しなければならず、それによって、周囲の組織及び構造に意図しない損傷を与える。この装置の一定の制御は、外科医を疲労させ、処理中外科手術切断装置を正確に制御しながら内視鏡を保持することを困難にする。
【0006】
さらに、内視鏡処理中、時々、除去するための病変を正確に目標とするために外科手術部位内に医療機器の深さを調整する必要がある。この目的のために、切断要素は、病変に隣接して正確に配置されなければならない。従来の内視鏡は、作業チャンネルを通じた外科手術切断デバイスの挿入を許容するが、それらは、内視鏡で外科手術切断デバイスの位置を独立して維持することを提供しない。
【0007】
従って、外科手術アダプタが、微細な手と目の調整に一定の注意を必要とせずに、内視鏡に作動的に接続される外科手術切断デバイスを可能にすることが必要とされる。さらに、必要性は、患者内のデバイスの調整可能な固定された位置、作業チャンネルからのデバイスの除去、及び、作業チャンネルを通じて所望の位置へのデバイスの再挿入を容易にする外科手術アダプタに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の代表的な実施形態を、添付図面を参照して一例としてより詳細に以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、代表的な内視鏡の実施形態の側面図である。
図2A図2Aは、図1の内視鏡で使用するためのトロカールの実施形態の側面図である。
図2B図2Bは、図2Aのトロカール遠位チップの詳細図である。
図3図3は、代表的な外科手術切断デバイスの斜視図である。
図4図4は、内視鏡、トロカール及び外科手術切断デバイスを含む外科手術システムの実施形態の側面図である。
図5図5は、外科手術システムで使用するための代表的な外科手術アダプタの斜視図である。
図6図6は、図5の外科手術アダプタの分解図である。
図7図7は、外科手術切断デバイスがそれに作動的に接続されているときの図5の外科手術アダプタの部分側面図である。
図8図8は、外科手術サブアッセンブリを形成するために、外科手術切断デバイスがそれに作動的に接続されている状態の図5の外科手術アダプタの部分側面図である。
図9図9は、サブアッセンブリが第1のタイプの内視鏡に作動的に接続されているときの図8の外科手術サブアッセンブリの側面図である。
図10図10は、図9に示された内視鏡に作動的に接続された図8の接続されたサブアッセンブリの側面図である。
図11図11は、図10からとられた囲まれた領域11の拡大図である。
図12図12は、外科手術システムで使用するための外科手術アダプタの代替的な実施形態の斜視図である。
図13図13は、図12の外科手術アダプタの分解図である。
図14図14は、外科手術切断デバイスがそれに作動的に接続されているときの図12の外科手術アダプタの側面図である。
図15図15は、外科手術サブアッセンブリを形成するために、外科手術切断デバイスがそれに作動的に接続されている状態の図12の外科手術アダプタの側面図である。
図16図16は、互いに接続された図1及び図2の内視鏡及びトロカールに作動的に接続されている図15の接続された外科手術サブアッセンブリの側面図である。
図17図17は、互いに接続された図1及び図2の内視鏡及びトロカールに作動的に接続された図15の接続された外科手術サブアッセンブリの側面図である。
図18図18は、図17からとられた囲まれた領域17の拡大図である。
図19図19は、図5の外科手術アダプタ、内視鏡、及び外科手術切断デバイスで使用するためのコネクタアダプタを含む外科手術システムの他の実施形態の側面図である。
図20図20は、図19からとられた囲まれた領域20の拡大図である。
図21図21は、図19に示された外科手術システムに示されたコネクタアダプタの斜視図である。
図22図22は、コネクタアダプタが図19に図示された内視鏡に固定されているときの上面斜視図である。
図23図23は、内視鏡で使用するための漏斗アタッチメントの斜視図である。
図24図24は、内視鏡に作動的に取り付けられた図23の漏斗アタッチメントの部分斜視図である。
図25図25は、外科手術切断デバイスの作業チャンネルがそれに挿入されているときの内視鏡に取り付けられた図23の漏斗アタッチメントの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の議論及び図面を参照して、本開示のシステムおよび方法に対する例示的な取組みが以下に詳細に示される。面はいくつかの可能な取組みを表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、本開示をより良く例示し説明するため、特定の特徴が誇張、除去、または部分的に断面で示されることがある。さらに、本明細書に記載される説明は、包括的であるか、または別の形で請求項を、図面に示され以下の詳細な説明で開示される正確な形態および構成に限定することを意図しない。
【0011】
脊椎および脳組織の除去を含むがこれに限定されない神経外科用途に適している外科手術デバイスで使用するための外科手術アダプタを含む外科手術システムが本明細書中に記載される。本開示の外科手術システムは、組織切断の程度および組織切断処理中の周囲の組織への影響を効果的に制御するように、外科手術部位内の外科手術デバイスの配置を制御するための強化された機能を外科医に提供する。
【0012】
内視鏡は、患者内の様々な関連領域を視覚化するために使用される。図1を参照すると、第1の例示的なタイプの内視鏡300が示される。内視鏡300は、ハウジング301、アイピース302、光ファイバ光ケーブルコネクタ304及びシャフト306を備える。シャフト306は、ハウジング301に配置されかつ接続された近位端308と遠位端310とによって画定される。見られることができるように、遠位端310は、近位端308から離間配置される。内視鏡300は、遠位端310が外科手術部位に挿入されるときに使用者がアイピース302を通じて関連隣接した遠位端310の外科手術領域を見ることができるように形状づけられる。従来技術と同様に、シャフト306は、光ファイバ光コネクタ304を介して提供された光を外科手術領域に伝達するための導管(別途図示せず)を含む。また、シャフト306は、外科手術領域を拡大して表示するためのレンズ(別途図示せず)を含む。
【0013】
アイピース302は、ハウジング301に接続される。また、アイピース302は、カメラコネクタ(図示せず)を有するカメラに接続されることができ、内視鏡300によって生成された画像は、ディスプレイモニタ上で遠隔的に表示される。
【0014】
外科手術処理での内視鏡300の使用を容易にするために、トロカール307が、図2A及び図2Bに最もよく見られるように提供されることができる。トロカール307は、閉鎖手術のために特に便利である。トロカール307は、トロカール本体314とトロカールシャフト312とを備える。トロカール307は、トロカール本体314に形成された近位開口を有する近位端316と、シャフト312の遠位端318とによって画定される。シャフト312は、その内部に一つ以上のチャンネルを画定する。図2Bに示されるように、シャフト312は、チップ遠位面322で終端する複数のチャンネル324、326、328及び330を有する。一実施形態では、作業チャンネル324は、(以下に更に詳細に説明される)外科手術切断デバイス440の外側カニューレ444に対応するように寸法づけられる。チャンネル326は、内視鏡シャフト306に対応するように寸法づけられる。チャンネル328は、灌注導管320から外科手術部位まで灌注流体を導くために使用される灌注チャンネルとして形状づけられる。チャンネル330は、外科手術部位での流体の圧力を緩和するために使用される軽減チャンネルとして形状づけられる。閉鎖処理中、灌注流体が外科手術部位に流れるときにその部位を加圧することができる。
【0015】
図3を参照すると、同時継続され、本出願の譲受人と共同所有された米国特許出願番号12/389447に開示されたような例示的な外科手術切断デバイス440が示され、米国特許出願番号12/389447の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。外科手術切断デバイス440は、ハンドピース442と、外側カニューレ444及び内側カニューレ(図示せず)を含む切断要素とを含む。切断要素の遠位端447は、患者の中に挿入するために形状づけられる。
【0016】
一例示的な構成では、ハンドピース442は、全体的に円筒形状で構成される。ハンドピース442は、片手で把持されるように寸法づけられおよび形状づけられる。また、ハンドピース442は、近位区分446および遠位区分448を備える下部ハウジング450を含む。前ハウジング区分455は、遠位区分448に配置されたカムハウジングに接続される。上ハウジング452もまた提供される。切断要素は、上ハウジング452に取り付けられ、組織回収器458に流動的に接続される。1つの例示的形態では、組織回収器458は、上ハウジング452に直接的に作動的に接続される。代替的に、組織回収器458は、適当なチューブによって切断要素に遠隔的に接続される。真空ライン(図示せず)は、組織回収器458の近位端に接続され、組織を切断要素の中に導くと共に切断された組織を組織回収器458に供給する。ハンドピース442に関して外側カニューレ444を選択的に回転させるための回転ダイヤル460が上ハウジング452に取り付けられる。
【0017】
特定の例では、組織切断デバイス440は、画像デバイスと組み合わされて、患者の神経系に関連付けられた組織などの標的組織を同時にイメージング及び切断をすることができる外科手術システム303を画定する。アッセンブリ303は、単一の一体型デバイスにイメージング及び切断動作の両方を効果的に兼ね備えるため、外科手術アクセス通路が経皮的に作成された閉鎖処置を行う際に特に有利である。
【0018】
図4を参照すると、例示的な外科手術システム303が示される。外科手術システム303は、外科手術切断デバイス440などの外科手術切断デバイス、トロカール307及び内視鏡300などの内視鏡を備える。図4に示されるように、内視鏡300は、内視鏡チャンネル326(図2Bに最もよく見られる)を介してトロカール307に挿入され、内視鏡の遠位端310は、トロカールシャフトの遠位チップ面322でトロカール307を出る、トロカール307で排出する、又はトロカール307から突出する。外科手術切断デバイス440は、トロカール307に接続され、切断要素の外側カニューレ444は、トロカール本体314及びトロカールシャフト312の作業チャンネル324を通じて開口近位端316に挿入される。外科手術切断デバイス440の切断要素の遠位端447は、トロカールシャフトの遠位チップ面322においてトロカール307のシャフト遠位端318を通じてシャフト遠位端318から離れる方向に突出する。
【0019】
様々な構成が可能であるが、図4の外科手術システム303では、組織切断デバイス440は、内視鏡ハウジング301に隣接して外側カニューレ444の近位部分に配置される。内視鏡のハウジング301の近位端319は、外科手術切断デバイスのハンドピースの前ハウジング455の遠位側に配置されかつ前ハウジング455に隣接される。
【0020】
外科手術アッセンブリ303を使用するために、外科手術アクセス通路が最初に形成され、及び/又は標的組織が開処置又は閉鎖処置を使用してアクセスされる。しかしながら、外科手術アッセンブリ303は、特に閉鎖処置に適される。例示的な一例では、外科医は、片目をアイピース302に配置し、遠位トロカールチップ318を標的組織近傍に配置するためにトロカールシャフト312を操作する。例示的な他の例では、カメラは、アイピース302に取り付けられ、外科医は、カメラに接続されたモニター上の画像を見る。次に、デバイス440に適用される真空レベルが、取り付けられた外科手術コンソール上のパネルコントロールを使用して設定される。一方法では、デバイス440は、内視鏡300、トロカール307及び外科手術切断デバイス440の同時操作を可能とするように片手で把持されるように形状づけられる。様々な異なるグリップが使用されることができる。一例では、組織切断デバイス440は、遠位ハウジング区分448が片手の親指と人差し指との間に配置され、近位ハウジング区分446が人差し指の基部と親指の基部との間に配置されて筆記具のように保持される。他の例では、親指が遠位ハウジング区分448の一方側に配置され、人差し指が親指の基部と人差し指との間の近位ハウジング区分446で上ハウジング452の上部に配置される。更に他の例では、近位ハウジング区分446は、ハウジング部分442に最も隣接して配置された親指で把持される。
【0021】
選択された手及び標的組織の位置に関する外科医の位置に依存して、ダイヤル460は、その自身の長手方向軸線を中心にして外側カニューレ444を選択的に回転させると共に、外側カニューレ開口部449を標的組織に直に隣接して配向するために回転される。外科手術切断デバイス440は、好ましくは、外側カニューレ444が回転されるときに内側カニューレが外側カニューレ444と内側カニューレとの間の固定された角度配向を維持するために回転されるように構成される。ひとたび外側カニューレ開口部449が所望の位置にあると、外科手術切断デバイス440のモータが起動される。一例では、外科医は、アイピース302を通じて標的組織を見て、様々な真空レベルに対する組織の反応(例えば、牽引)を可視化し、所望のレベルに選択する。
【0022】
真空の適用のために、トロカール遠位端318に隣接した標的組織は、外側カニューレ開口部449の中に引き込まれる。所望であれば、食塩水などの灌注流体は、(図2Bに示された)灌注導管320を介して標的組織領域に供給されることができる。
【0023】
内視鏡300は、外科医がアイピース302を通じて標的組織を見ることができるように構成付けられている。しかしながら、上述のように、カメラは、アイピース302に取り付けられたカメラコネクタ(図示せず)に接続されることができ、内視鏡300によって形成された画像がディスプレイモニタ上で見られるのを可能にする。一例によれば、外科医は、外科手術システム303を操作しかつ組織を切断しながら、ディスプレイモニタ上の標的組織を見る。
【0024】
特定の例では、外科手術デバイス440は、その外側カニューレ444が周知の業界標準サイズのトロカールの作業チャンネルによって適合されるように構成されている。例えば、特定の実施形態では、作業チャンネル324は、8mm未満、好ましくは6mm未満、さらに好ましくは4mm未満、最も好ましいくは約2mmの内径を有する。しかしながら、2mmよりも小さい内径を有する作業チャンネル324を含む他のデバイスにすることができることを理解されるべきである。また、他のカニューレ444は、外側カニューレ444が作業チャンネル324に摺動的に収容されるのを可能にする外径で形状づけられる。他の例では、外側カニューレ444は、少なくとも知られた作業チャンネルである。特定の実施形態では、外側カニューレ444は、少なくとも約15.24cm(6インチ)、好ましくは少なくとも約20.32cm(8インチ)、より好ましくは少なくとも約25.4cm(10インチ)及びさらにより好ましくは少なくとも約30.48(12インチ)の長さである。
【0025】
外科手術アッセンブリ303は、多数の処置に便利であるが、特に、閉鎖処置に有益である。一例示的方法では、外科手術アッセンブリ303は、脳の第三脳室の閉鎖経皮的組織切断処置を実行するのに使用される。このような処置は、第三脳室の腫瘍及び膜を除去することを含む。さらに、脳脊髄液は、第三脳室を通って脊柱に循環する。特定の患者では、閉塞は、第三脳室に形成され、流体循環を遮断する。外科手術アッセンブリ303は、そのような閉塞を除去し、循環を復元するために使用される。外科手術アッセンブリが特に適している他の閉鎖処置は、視床下部からの腫瘍の除去を含む。
【0026】
図4の外科手術システム303は、外科手術デバイス及び処置の進歩を示すが、外科手術切断デバイス440を内視鏡300に適当に固定する機構はない。このように、外科手術切断デバイス440の遠位端447は、トロカール307のシャフト312から独立して移動できる。従って、外科医は、外科手術切断デバイス440の遠位端447の適切な配置を保証するためにトロカール307及び外科手術切断デバイス440の双方を操作することを確信し、遠位端447が、関連領域から離れた不注意に動くこと、あるいは、周囲の組織及び構造に予期せぬ損傷を引き起こす関連領域の中に深く移動しすぎることを防止する。
【0027】
具体的には図5乃至図12を参照すると、外科手術切断デバイス440を別の内視鏡300に作動的に接続するために、外科手術アダプタ500の第1例の実施形態が提供される。外科手術アダプタ500は、接続部分502、ハウジング部分504及びアタッチメント構造506を備える。一例示的実施形態では、ハウジング部分504は、スナップフィット組み合わせなどで互いに嵌合する第1部分504a及び第2部分504bから構成される。ハウジング504は、前進機構508、ギア部材509及びスラストワッシャー又はスプリング部材510を収容する。ダイヤル部材512は、ハウジング部分504に部分的に収容され、それに回転的に取り付けられる。シャフト部材514は、ハウジング部分504の遠位端516内に部分的に収容される。
【0028】
ギヤ部材514は、ハウジング部分504内に回転的に取り付けられ、ダイヤル部材512に取り付けられたギヤ歯520と噛み合うギヤ歯518を含む。チャンネル522は、ギヤ部材509を通って形成される。前進機構508の近位端524は、チャンネル522内に固定的に収容される。前進機構508は、さらに、それらの外面に形成されたねじ山526と、収容チャンネル528とを含み、その両方は、以下に詳細に説明される。
アタッチメント機構506の近位端530は、シャフト部材514の遠位端532に固定される。シャフト部材514は、さらに、その中にハウジング部分504からの(例えば第1部分504aに取り付けられた)タブ部材536が摺動的に収容される少なくとも一つのスロット部材534を備える。他の例示的構成では、シャフト部材514は、複数の対応するタブ部材536と係合する多くのスロット部材534備える。一例示的構成では、タブ部材536は、ハウジング部分504内で対向するように配置される。ハウジング部分504上のタブ部材536に対する様々な配置が熟考されることを理解されるべきである。また、シャフト部材514をハウジング504に締結するための他の構成が熟考される。
【0029】
ねじ山526は、以下に詳細に説明されるシャフト部材514の内面に形成されたねじ山と作動的に係合する。アタッチメント機構506は、さらに、シャフト部材538及びキャップ部材540を含む。シャフト部材538は、そこを通る通路539を画定する。
【0030】
図7乃至図11を参照すると、外科手術アダプタ500の使用が説明される。まず、外科手術切断デバイス440の遠位端447(図3に最もよく示される)が外科手術アダプタ500の中に挿入される。より具体的には、外科手術切断デバイス440の切断要素の遠位端447は、連結部分502の中に挿入され、前進機構の収容チャンネル528の中に挿入されて、アタッチメント機構506を前進される。上部分542は、さらに、摩擦係合のための上ハウジング452の遠位端462を収容する取付溝を含む。また、連結部分502の底部分444は、図8に示されるように、摩擦係合のための下ハウジング450の遠位端451を収容する取付溝を含む。一例示的実施形態では、外科手術切断デバイス440に対する外科手術アダプタ500の組み付けは、デバイスの梱包及び供給の前に工場で行われる。さらに、外科手術システムに増加した安定性を提供するために、遠位端451は、取付溝に固定的に連結されることができる。
【0031】
ひとたび固定されると、次に、外科手術切断デバイスの切断要素の遠位端447は、内視鏡300’の近位端446’に収容される。一実施形態では、アタッチメント機構506は、内視鏡300’の一部分447と固定的に係合し、それによって、組織切断デバイス440を内視鏡300’に固定する。より具体的には、アタッチメント機構506は、近位端446’が内視鏡収容部分540内に収容されるように近位端446’の周りに配置される。
【0032】
しかしながら、本開示の一態様によれば、遠位端447が内視鏡300’の遠位端から外方に延びる程度は、外科医によって選択的に制御される。より具体的には、ダイヤル部材512は、第1方向に選択的に回転され、内視鏡300’の遠位端に関して外科手術切断デバイス440の切断要素の遠位端447を前進させる。ダイヤル部材512は、第2方向に選択的に回転され、内視鏡300’の近位端446’の方に外科手術切断デバイス440の切断要素の遠位端447を移動させる。
【0033】
ダイヤル部材512のギヤ歯520は、ダイヤル部材512が回転されたときにギヤ歯509も回転するようにギヤ部材509のギヤ歯518と噛み合う。前進機構508の近位端524は、ギヤ部材509にしっかりと固定されるので、ギヤ部材509が回転すると前進機構508も回転する。収容チャンネル528は、外側カニューレ444を収容するように寸法づけられている。従って、前進機構508の回転は、シャフト部材514をタブ部材536に沿って移動させ、切断要素の遠位端447を効果的に移動する。
【0034】
外科手術アダプタ500は、外科手術切断デバイス440を内視鏡300’に固定するので、外科医は、外側カニューレ444の遠位端447の程度の量をよりよく制御し、切断機構のより安全で、よりしっかりとした、より安定した、及びより正確な配置を可能にする。
【0035】
図12乃至図18を参照すると、外科手術アダプタ600の代替的実施形態が示される。外科手術アダプタ600は、接続部分602、ハウジング部分604及びアタッチメント構造606を備える点で外科手術アダプタ500と同じである。一例示的実施形態では、ハウジング部分604は、スナップフィット組み合わせなどで互いに嵌合する第1部分604a及び第2部分604bから構成される。ハウジング604は、前進機構608、ギア部材609及びスラストワッシャー又はスプリング部材610を収容する。ダイヤル部材612は、ハウジング部分604に部分的に収容され、それに回転的に取り付けられる。シャフト部材614は、外科手術アダプタ500に関連して上述されたものと同様に、ハウジング部分604の遠位端616内に部分的に収容される。
【0036】
ギヤ部材609は、ハウジング部分604内に回転的に取り付けられ、ダイヤル部材612に取り付けられたギヤ歯620と噛み合うギヤ歯618を含む。チャンネル622は、ギヤ部材609を通って形成される。前進機構608の近位端624は、チャンネル622内に固定的に収容される。前進機構608は、さらに、それらの外面に形成されたねじ山626と、収容チャンネル628とを含み、その両方は、以下に詳細に説明される。
アタッチメント機構606は、シャフト部材614の遠位端に固定される。シャフト部材614は、さらに、その中にハウジング部分604からのタブ部材636が摺動的に収容される少なくとも一つのスロット部材634を備える。ねじ山626は、以下に詳細に説明されるシャフト部材614の内面に形成されたねじ山と作動的に係合する。アタッチメント機構606は、さらに、カニューレ収容部分639及び内視鏡収容部分640を有する取付溝部材638を含む。保持部材641は、以下に詳細に説明されるように、アタッチメント606と選択的に係合できる。ロックワッシャー643も含まれることができる。
図14乃至図18を参照すると、外科手術アダプタ600の使用が説明される。まず、外科手術切断デバイス440の遠位端447(図3に最もよく示される)が外科手術アダプタ600の中に挿入される。より具体的には、外科手術切断デバイス440の切断要素の遠位端447は、連結部分602の上部分642の中に挿入され、収容チャンネル628の中に挿入されて、アタッチメント機構606のカニューレ収容部分639を前進される。上部分642は、さらに、摩擦係合のための上ハウジング452の遠位端462を収容する取付溝を含む。また、連結部分602の底部分644は、図15に示されるように、摩擦係合のための下ハウジング450の遠位端451を収容する取付溝を含む。一例示的実施形態では、外科手術切断デバイス440に対する外科手術アダプタ600の組み付けは、デバイスの梱包及び供給の前に工場で行われる。
ひとたび固定されると、次に、外側カニューレ44(及びそこに配置された内側カニューレ)の遠位端447は、トロカール307の近位端316に収容される。一実施形態では、アタッチメント機構606は、内視鏡300の一部分と固定的に係合し、それによって、組織切断デバイス440を内視鏡300に固定する。より具体的には、内視鏡収容部分640は、内視鏡300の外面と係合するように寸法づけられ、作業チャンネル324と概ね整合してカニューレ収容部分639を開く。ひとたび適切に配置されると、締結機構641は、アタッチメント機構606を内視鏡300に摩擦的に取り付けるために作動される。また、内視鏡300は、上述のようにトロカール307に取り付けられる。従って、組織切断デバイス40は、トロカール307に関して固定される。
しかしながら、本開示の一態様によれば、遠位端447がトロカール307の遠位端面322から外方に延びる程度は、外科医によって選択的に制御される。より具体的には、ダイヤル部材612は、第1方向に選択的に回転され、トロカール307の遠位端面322に関して外科手術切断デバイス440の外側カニューレ444の遠位端447を前進させる。ダイヤル部材612は、第2方向に選択的に回転され、トロカール307の方に外側カニューレ444の遠位端447を移動させる。
ダイヤル部材612のギヤ歯620は、ダイヤル部材612が回転されたときにギヤ歯609も回転するようにギヤ歯618と噛み合う。前進機構608の近位端624は、ギヤ部材609にしっかりと固定されるので、ギヤ部材609が回転すると前進機構608も回転する。収容チャンネル628は、外側カニューレ444を収容するように寸法づけられている。従って、前進機構608の回転は、シャフト部材614をタブ部材636に沿って移動させ、外側カニューレ444の遠位端447を効果的に移動する。
外科手術アダプタ600は、外科手術切断デバイス440を内視鏡300に固定するので、外科医は、外側カニューレ444の遠位端447の程度の量をよりよく制御し、切断機構のより安全で、よりしっかりとした、より安定した、及びより正確な配置を可能にする。
図19乃至図22を参照すると、外科手術システム800が示される。外科手術システム800は、内視鏡300”、外科手術アダプタ500及び連結アダプタ700を備える。一例示的実施形態では、内視鏡300”は、カリフォルニア州のthe Karl Storz Endoscopy-America, Inc., El Segundoによって販売されたLOTTA(商標登録)スタイル内視鏡であり、近位端446”を含む。
連結アダプタ700は、シャフト部材702、近位取付部材704、支持部材706及び選択的に係合可能な連結部材708を備える。シール部材709(図22に最もよく示される)は、支持部材706に固定される。各連結部材708は、一体ヒンジ710によって支持部材706に作動的に固定される。
連結アダプタ700は、使用者に、内視鏡300”又は現場の使用者によるあるいは内視鏡300”の製造者による装置に対するあらゆる永続的な変更を必要とせずに、内視鏡300”で様々な装置を利用する能力を提供する。さらに、連結アダプタ700は、内視鏡300”の作業チャンネルと、例えば、インディアナ州のインディアナポリスのNico Corporationによって製造され販売されたNICO MYRIAD(登録商標)などの装置との間に
選択的に取り付け可能な密閉されたインターフェースを提供するように構成付けられる。
【0037】
より具体的には、シャフト部材702は、支持部材706に固定的に取り付けられる。作業チャンネル712は、支持部材706及びシャフト部材702を通って延びる。取付部材704は、シャフト部材702の近位端に固定される。一例示的構成では、取付部材704は、フランジ部材として構成される。しかしながら、ねじ係合を含むがこれに限定されない他の取り付け要素が提供されることを理解されるべきである。
【0038】
上述のように、連結アダプタ700は、さらに、連結部材708を含む。一例示的配置では、連結部材708は、図21に示されるように対向するように配置される。一例示的配置では、連結アダプタ700は、少なくとも二つの連結部材708a及び708bを含む。第1連結部材708aは、少なくとも一つの選択的に押し下げ可能なロックタブ714を有するように構成される。第2連結部材708bは、対応する数の収容溝716を有するように構成される。ロックタブ714は、以下に詳細に説明されるように連結アダプタ700が外科手術システムに取り付けられるときに対応する収容溝716内に選択的に収容され保持されるように構成される。
【0039】
動作においては、外科手術アダプタ500は、図3と関連して上述されたような外科手術切断装置に取り付けられる。連結アダプタ700の取付部材704は、シャフト部材538(図6に最もよく見られる)が作業チャンネル712内に収容されるように外科手術アダプタ500のキャップ部材540に連結される。取付部材704は、キャップ部材540に形成された対応する取付特徴部と係合するように構成される。例えば、キャップ部材540の内面は、取付部分704をそれに固定する摩擦部材を有するように構成されることができる。代替的に、上述のように、キャップ部材540と取付部分704の双方は、ねじアタッチメントが達成されるように対応するねじ部が提供されることができる。
【0040】
ひとたび取付部分704が外科手術アダプタ500に固定されると、連結アダプタ700は、シール部材709が近位端446”と係合するように内視鏡300”の近位端446”と係合される。また、シール部材709は、シャフト部材702の作業チャンネル712と軸方向に整合されたそこを通る開口部(図示せず)を有するように構成される。液密シールを達成するために適当なシール材料で構成されたシール部材709は、内視鏡300”の近位端446”に対する入り口部分の円周と少なくとも同じ大きさである円周を有するように構成される。
【0041】
シール部材709が最初に内視鏡300”の近位端446”と係合されると、第1及び第2連結部材708a及び708bは支持部材706の方に配向され、連結部材708a及び708bは図21及び図22に示されるように互いから離間される。換言すれば、第1及び第2連結部材708a及び708bは、一体ヒンジ710を中心にして枢動される。
【0042】
一例示的構成では、第1及び第2連結部材708a及び708bは、(図19−20に示されるように)第1及び第2連結部材708a及び708bが連結位置にあるとき、シール部材709と係合する取付面718を有するようにそれぞれ構成される。連結部材708a及び708bは、それぞれ、一体ヒンジ710から各連結部材708a及び708bの外面722まで延びる傾斜連結面720が提供される。傾斜連結面720は、支持部材706の両側に配置された対応する傾斜連結面724と協働を有するように構成される。
【0043】
ひとたびシール部材709が内視鏡300”の近位端446”と係合されると、連結部材708a及び708bは、内視鏡300”の近位端446”を囲んでそれと係合するように互いの方に枢動される。次に、ロックタブ714は、連結部材708a及び708bを素早く容易に互いにロックするように収容溝716と係合され、それによって、内視鏡300”に連結アダプタ700を固定する。ひとたび医療処置が完了すると、ロックタブ714を保持溝716から解放するために連結アダプタ700の外面726(図20に最もよく示される)から外部に配置されるロックタブ714の一部分を単に押し下げることによって、連結アダプタ700は内視鏡300”から選択的に解放される。
【0044】
図23及び図24を参照すると、切断装置440などの外科手術切断装置からの切断要素の遠位端447をトロカール307の作業チャンネル328の中に導くように設計された漏斗アタッチメント900が示される。外科手術処置中、トロカール307の遠位端が患者の体内に配置されると、外科医は、アイピース302を通してあるいはディスプレイモニタのどちらかで外科手術領域を見る。従って、外科医は外科手術領域を見ながら、外科医は、遠位端447を作業チャンネル328の中に盲目的に挿入することを試みることができる。このアプローチは、多くの場合、外側カニューレ又は他の外科手術要素を受け入れるための作業チャンネル328の開口を配置する試みで多数のフラストレーションの試みを生じ、効率性と貴重な手術時間の損失を引き起こす。
【0045】
この問題に対処するために、漏斗アタッチメント900が提供される。漏斗アタッチメント900は、案内部分902及び脚部材904を備える。脚部材904は、内視鏡300のハウジング301上に嵌合するように構成され、トロカール307の近位端に対して接合する。脚部材904から延びる足部材906は、ハウジング301の底面と係合して漏斗アタッチメント900をそれに固定する。
【0046】
漏斗アタッチメント900は、さらに、近位側部908及び遠位側部910によって画定される。案内部分902は、案内溝914の方に先細りになる漏斗状面912によって画定される。漏斗アタッチメント900が内視鏡300に固定されると、案内部分902は、案内溝914がトロカール307の作業チャンネル328と概ね整合するように配置される。従って、外科医が外科手術領域を見るときに、漏斗状面912は外科手術切断装置440の外側カニューレ44の遠位端447を案内溝914に導くのに役立ち、外側カニューレ444が作業チャンネル328内に正確に配置されることを生じる。
【0047】
漏斗アタッチメント900は、外科手術アダプタ500、600または連結アダプタ700での使用は図示されていないが、漏斗アタッチメント900は、これらの要素の全てで使用されることができることが理解される。
【0048】
本明細書に記載されるデバイスおよび方法は広範な用途を有することが理解されるであろう。上述の実施形態は、方法および装置の原理ならびにいくつかの実際の用途を例証するために選択され記載されたものである。上述の説明によって、当業者が、方法および装置を様々な実施形態で、また想到される特定の使用に適するように様々に修正して利用することが可能になる。特許法の規定にしたがって、本発明の動作の原理およびモードを例示的実施形態にて説明し例証してきた。
本発明の方法および装置の範囲が以下の請求項によって定義されるものとする。しかし、本発明は、その趣旨または範囲から逸脱することなく、具体的に説明され例証されるものとは別の形で実施されてもよいことが理解されるはずである。以下の請求項で定義されるような趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態の様々な代替例が請求項を実施する際に採用されてもよいことが、当業者には理解されるべきである。本発明の範囲は、上述の記載を参照して判断されるべきではなく、その代わりに、添付の請求項ならびにかかる請求項によって権利が付与される等価物を参照して判断されるべきである。本明細書にて考察される分野が将来的に発展し、開示のシステムおよび方法がかかる将来的な例に組み入れられることが予測され、意図される。さらに、本明細書においてそれに反する明示的な指示がない限り、請求項で使用されるすべての用語には、それらの最も広範な合理的解釈、および当業者に理解されるようなそれらの通常の意味が与えられるものとする。特に、「a」、「the」、「said」などの単数形の使用は、請求項がそれに反する明示的な限定を列挙しない限り、1つまたは複数の指示された要素を列挙しているものとして読み取られるべきである。以下の請求項は本発明の範囲を定義し、これら請求項およびその等価物の範囲内にある方法および装置を包含するものとする。つまり、本発明は修正および変形が可能であり、以下の請求項によってのみ限定されるものと理解されるべきである。
〔態様1〕
医療装置を内視鏡に連結するための外科手術アダプタであって、
外科手術アダプタは、
遠位のアタッチメント部分を有するように構成されたハウジング部分と、
ハウジング部分内に少なくとも部分的に配置された、選択的に作動可能な作動部材を有する前進アッセンブリと、を備え、
遠位のアタッチメント部分は、内視鏡の近位部分に操作可能に取り付けられるように構成されており、
前進アッセンブリが内視鏡に対して医療装置の遠位端を選択的に軸方向に移動させるために選択的に作動されるように前進アッセンブリと作動的に係合するように、医療装置の一部分がハウジング部分内に収容可能であるように、外科手術アダプタは構成される、外科手術アダプタ。
〔態様2〕
態様1記載の外科手術アダプタにおいて、
遠位のアタッチメント部分は、近位端の部材及び遠位のキャップ部材によって画定され、遠位のキャップ部材は、内視鏡の近位端と選択的に係合される、外科手術アダプタ。
〔態様3〕
態様2記載の外科手術アダプタにおいて、
遠位のキャップ部材は、そこを貫通するシャフト部材を含み、
シャフト部材は、医療デバイスの部分が延びる通路を画定する、外科手術アダプタ。
〔態様4〕
態様1乃至3のうちのいずれか一つに記載の外科手術アダプタにおいて、
外科手術アダプタは、さらに、シャフトコネクタを備え、
遠位のアタッチメント部分の近位端の部材は、一端にシャフトコネクタに動作可能に連結されると共にシャフトコネクタの本体内に形成された少なくとも一つの係合スロットを更に備え、係合スロットは、ハウジング部分に形成された少なくとも一つの対応するタブ部材を収容するために構成される、外科手術アダプタ。
〔態様5〕
態様1乃至4のうちのいずれか一つに記載の外科手術アダプタにおいて、
前進アッセンブリは、ギヤ部材、ダイヤル部材及び前進シャフトを更に備え、
ギヤ部材は、第1方向における回転運動のために取り付けられており、
ダイヤル部材は、ギヤ部材と係合するように取り付けられ、
前進シャフトは、ギヤ部材にしっかりと固定される、外科手術アダプタ。
〔態様6〕
態様5記載の外科手術アダプタにおいて、
前進アッセンブリは、前進アッセンブリを付勢するのに役立つ波状スプリング部材及びスラストワッシャーの一つを更に備える、外科手術アダプタ。
〔態様7〕
態様5又は6記載の外科手術アダプタにおいて、
前進シャフトは、ハウジング部分内に固定的に配置されたシャフトコネクタ内に回転的に収容される、外科手術アダプタ。
〔態様8〕
態様1乃至7のうちのいずれか一つに記載の外科手術アダプタにおいて、
遠位のアタッチメント部分は、内視鏡の近位部分と選択的に係合可能な取付溝部材によって画定される、外科手術アダプタ。
〔態様9〕
態様8記載の外科手術アダプタにおいて、
デバイス収容部分及び内視鏡収容部分によって画定され、
内視鏡収容部分は、デバイス収容部分の下方に配置される、外科手術アダプタ。
〔態様10〕
態様8又は9記載の外科手術アダプタにおいて、
遠位のアタッチメント部分は、シャフトコネクタに固定的に連結され、
シャフトコネクタは、更に、シャフトコネクタの本体内に形成された少なくとも一つの係合スロットを備え、
係合スロットは、ハウジング部分に形成された少なくとも一つの対応するタブ部材を収容するために構成される、外科手術アダプタ。
〔態様11〕
態様8乃至10のうちのいずれか一つに記載の外科手術アダプタにおいて、
前進アッセンブリは、ギヤ部材、ダイヤル部材及び前進シャフトを更に備え、
ギヤ部材は、第1方向における回転運動のために取り付けられており、
ダイヤル部材は、ギヤ部材と係合するように取り付けられ、
前進シャフトは、ギヤ部材にしっかりと固定される、外科手術アダプタ。
〔態様12〕
態様11記載の外科手術アダプタにおいて、
前進アッセンブリは、前進アッセンブリを付勢するのに役立つ波状スプリング部材及びスラストワッシャーの一つを更に備える、外科手術アダプタ。
〔態様13〕
医療装置を内視鏡に連結するのに使用するための選択的に取り外し可能なコネクタアダプタであって、
コネクタアダプタは、近位端及び遠位端によって画定され、そこを貫通する通路を有し、及び、医療デバイスの一部分を収容するために構成されたシャフト部材と、
支持部材と、
支持部材に枢動的に連結された少なくとも二つの連結部材と、を備え、
シャフト部材の遠位端は、支持部材に固定的に取り付けられ、
連結部材は、コネクタアダプタを内視鏡に選択的に固定するために内視鏡の近位部分を収容するためにキャビティを画定するように協働する、コネクタアダプタ。
〔態様14〕
態様13記載のコネクタアダプタにおいて、
連結部材は、それぞれ、支持部材の外側縁部に沿って配置された一体ヒンジによって支持部材に枢動的に取り付けられる、コネクタアダプタ。
〔態様15〕
態様14記載のコネクタアダプタにおいて、
一つの連結部材は、少なくとも一つのロックタブを含み、他の連結部材は対応する保持溝を含み、
ロックタブは、コネクタアダプタを内視鏡の近位端の一部分に固定するために対応する収容溝内に選択的に収容され保持されるように構成される、コネクタアダプタ。
〔態様16〕
態様14又は15記載のコネクタアダプタにおいて、
各連結部材は、連結部材が互いの方へ枢動されるときに、支持部材の遠位側に隣接して配置される取付面を更に含む、コネクタアダプタ。
〔態様17〕
態様14乃至16のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
各連結部材は、一体ヒンジに隣接して支持部材の縁部に配置された対応する接触面と係合する接触面を更に備える、コネクタアダプタ。
〔態様18〕
態様13乃至17のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
コネクタアダプタは、更に、
支持部材の遠位側に隣接して配置されるシール部材を備える、コネクタアダプタ。
〔態様19〕
医療装置の一部分を内視鏡システムの中に案内するように構成された漏斗アタッチメントであって、
漏斗アタッチメントは、
案内部分と一対の脚部材とを備え、
案内部分は、そこに形成された案内溝の方に先細りになるアーチ状に曲がった表面を更に備える、漏斗アタッチメント。
〔態様20〕
態様19記載の漏斗アタッチメントにおいて、
漏斗アタッチメントは、更に、
脚部材にしっかりと固定された足部材を備え、
足部材は、内視鏡の一部分に脚部材を摩擦的に保持するように構成される、漏斗アタッチメント。
〔態様21〕
態様1乃至12のうちのいずれか一つに記載の外科手術アダプタにおいて、
外科手術アダプタは、案内部分と一対の脚部材とを有する漏斗アタッチメントを更に備え、
案内部分は、そこに形成された案内溝の方に先細りになるアーチ状に曲がった表面を更に備える、外科手術アダプタ。
〔態様22〕
態様13乃至17のうちのいずれか一つに記載のコネクタアダプタにおいて、
コネクタアダプタは、案内部分と一対の脚部材とを有する漏斗アタッチメントを更に備え、
案内部分は、そこに形成された案内溝の方に先細りになるアーチ状に曲がった表面を更に備える、コネクタアダプタ。
〔態様23〕
外科手術処置を実施するために構成されたシステムであって、
システムは、
内視鏡と、
外科手術切断デバイスと、
外科手術切断デバイスを内視鏡に作動的に連結するために構成された態様1記載のアダプタと、を備える、システム。
〔態様24〕
態様23記載のシステムにおいて、
システムは、更に、
外科手術アダプタの連結を容易にするために内視鏡に作動的に連結された連結アダプタを備える、システム。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25