(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977845
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物
(51)【国際特許分類】
A23K 50/48 20160101AFI20160817BHJP
A23K 10/20 20160101ALI20160817BHJP
A23K 40/10 20160101ALI20160817BHJP
【FI】
A23K50/48
A23K10/20
A23K40/10
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-23235(P2015-23235)
(22)【出願日】2015年2月9日
(62)【分割の表示】特願2012-522813(P2012-522813)の分割
【原出願日】2010年7月29日
(65)【公開番号】特開2015-109861(P2015-109861A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年2月24日
(31)【優先権主張番号】61/273,074
(32)【優先日】2009年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン, ダン, ケー.
【審査官】
木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−502372(JP,A)
【文献】
特開2008−148714(JP,A)
【文献】
特開平07−250624(JP,A)
【文献】
特表2006−511209(JP,A)
【文献】
特表2000−515379(JP,A)
【文献】
特表2002−525089(JP,A)
【文献】
特表2003−518374(JP,A)
【文献】
特表2003−527125(JP,A)
【文献】
特表2002−526041(JP,A)
【文献】
特開平10−215805(JP,A)
【文献】
特表2000−500003(JP,A)
【文献】
特開昭59−179041(JP,A)
【文献】
米国特許第06238720(US,B1)
【文献】
米国特許第04791002(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0207006(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤食品組成物を作製する方法であって、
肉エマルジョンを生成するステップと、
前記肉エマルジョンを加工して肉エマルジョンチャンクを形成するステップと、
前記肉エマルジョンチャンクを粉砕して寸法が2次元で10mm未満のチャンクを形成するステップと、
前記粉砕されたチャンクを1〜10%の1種又は複数のバインダーと混合するステップであって、前記バインダーが、デンプン、マルトデキストリン、未変性の水溶性動物タンパク質、未変性の水溶性植物タンパク質、親水コロイドガム、及びその組合せからなる群から選択されるステップと、
粉砕されたチャンクとバインダーとの前記混合物を加圧及び成形して、含水量が45%より高い湿潤食品組成物を形成するステップ
とを含む、方法。
【請求項2】
前記バインダーが、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ペクチン、グアーガム、イナゴマメガム、ローカストビーンガム、卵白、コラーゲン、ゼラチン、乳タンパク質、乳漿、コムギグルテン及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バインダーが、グアーガム、乳漿、コムギグルテン及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バインダーが、グアーガム、乳漿及びコムギグルテンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記肉エマルジョンチャンクを粉砕して得られたチャンクの粒度分布が1〜3.5mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記湿潤食品組成物の含水量が55%より高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記湿潤食品組成物の含水量が65%より高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記湿潤食品組成物の含水量が65〜85%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記湿潤食品組成物が、1種又は複数の湿潤剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1種又は複数の湿潤剤が、0.1〜10%の量で前記組成物に添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記湿潤食品組成物が、1種又は複数の嗜好性増強剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記嗜好性増強剤が、0.01〜6%の量で前記組成物に添加される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記湿潤食品組成物が、1種又は複数の保存料をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記保存料が、0.01〜3%の量で前記組成物に添加される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記湿潤食品組成物が、1種又は複数の栄養成分をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記栄養成分が、1〜20%の量で前記組成物に添加される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記湿潤食品組成物が、ペットフード組成物である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法を用いて作製した湿潤食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年7月30日出願の米国仮出願第61/273074号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、一般に食品組成物、及び特に乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物、及びかかる湿潤食品組成物を作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]市販の食品組成物は、水分及び食感に基づいて3つの主要なタイプに分類することができる。
【0004】
[0004]「乾燥」食品組成物は、約12%未満の水分を含有する。乾燥食品組成物は通常、硬く、弾力がない及び/又は砕けやすい。また、乾燥食品組成物は、指触乾燥(dry to the touch)であり、周囲条件下で保存料を使わずに安定である。
【0005】
[0005]「半湿潤」食品組成物は、約12〜約45%の水分を含有している。半湿潤食品組成物は、乾燥食品組成物よりも柔らかく、指触湿潤(moist to the touch)になるように特別に調製していない限り指触乾燥である。一般に、半湿潤食品組成物を周囲条件下で安定にするために、保存料を加えなければならない。半湿潤食品組成物は、「軟質膨張(soft−expanded)」又は「軟質含水(soft−moist)」にさらに分類することができる。軟質膨張食品組成物は、半含水(semi−moist)とも呼ばれる。軟質膨張食品組成物は、約12〜25%の水分を含有する。軟質膨張食品組成物は、指触乾燥であり、柔らかく、弾力がある。軟質含水食品組成物は、約25〜約45%の水分を含有する。軟質含水食品組成物は、指触非粘着性(non−sticky to the touch)であり、非常に柔らかく、粘性があり、曲げやすい。
【0006】
[0006]「湿潤」食品組成物は、約45%より多く、通常約65〜約82%の水分を含有する。湿潤食品組成物は、特にグレイビー(gravy)を含有する場合、通常柔らかく流れやすい。湿潤食品組成物は、指触湿潤である。湿潤食品組成物は、加工及び取扱いがしばしば厄介である。一般に、湿潤食品組成物は、保存料を含有せず、気密密閉されており、加熱、例えば、レトルト処理によって安定化されている。湿潤食品組成物は、周囲条件に曝される、例えば、室温で湿潤食品組成物の容器を大気中で開けると、数時間のうちに劣化及び腐敗する傾向がある。場合によっては、安定性を高めるために保存料を加える。
【0007】
[0007]上記範囲は、殆どの食品組成物、特にペットフード組成物に一般に適用できる。しかし、特定の食品組成物によっては、範囲が変わっても、重複してもよい。例えば、食品組成物によっては、含水量が15%以下の場合、「乾燥」と見なされ得る。当業者は、組成物及び条件に基づいて食品のタイプを特定することができる。
【0008】
[0008]各食品タイプの利点及び欠点は、当業者に既知であり、議論されている。意見の一致の範囲は、湿潤食品組成物と比較して乾燥及び半湿潤食品組成物の加工及び取扱いがより容易であることである。例えば、湿潤食品容器を開けた後、余剰及び未使用の食品のカバー及び/又は冷蔵によって、駄目になる、例えば、食品が水分を失い、乾燥し、味が落ちるのを防止しなくてはならない。しかし、この不便にもかかわらず、湿潤食品組成物は、一般に乾燥又は半湿潤食品組成物よりも嗜好性が高い(2008 Pet Food Choice、www.pet−food−choice.co.uk/wet_or_drypet_food.htmを参照のこと)。
【0009】
[0009]嗜好性は、消費者の食品選択、特にペットの飼い主に影響する主な要因である。結果として、「乾燥」又は「軟質膨張」食品組成物の便利な特徴と湿潤食品組成物の利点、例えば、乾燥食品組成物の便利な取扱い及び他の特徴と湿潤食品組成物の比較的高い嗜好性及び他の利点を有する食品を形成するのに継続した努力があった。かかる試みは当技術分野で既知である。米国特許第5004624号は、1.2:1の割合で液体グレイビーによって被覆したデンプン質断片の調製について記載している。次いで混合物は、平衡させて自由又は可視の液体を含む半含水生成物が得られる。安定性は、保存料による。生成物は、自由液体を依然として含有しており、したがって、取扱いが依然として厄介となる。米国特許第3852483号は、半含水生成物の保存システムについて記載している。生成物は、既存の半含水配合物と比較した場合、優れた嗜好性を示した。最重要な成分はプロピレングリコールであった。缶詰食品に対しては試験を行わなかった。プロピレングリコールは、もはやキャットフードに許可されておらず、ドッグフードで制限されているので、かかる試験は、現在実施できない。米国特許第6767573号は、熱ゲル化した食品マトリックス断片を、微生物安定性のために油で揚げ、容器に密封し、レトルト処理した食品について記載している。このタイプの生成物も自由液体を有することになるが、代表的な湿潤生成物よりもはるかに少ない。米国特許第6436463号及び米国特許第6440485号は、2つの主要な湿潤生成物形態のハイブリッドについて記載している:「ローフ(loaf)」及び「チャンク(chunk)及びグレイビー」である。生成物は、レトルト処理後にその容器の形をとるが、自由に流れやすいグレイビーを含まない可視の微粒子を有する。これは、外観を改善するが、柔らかい厄介な取扱いは改善されない。
【0010】
[0010]乾燥食品組成物の利便性と湿潤食品組成物の利点を有する食品組成物を形成する試みの成功は限られていた。したがって、湿潤食品組成物の利点と乾燥食品組成物の利点を有する新規な食品組成物、すなわち、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011]したがって、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を提供することが本発明の目的である。
【0012】
[0012]乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物及び1種若しくは複数の他の食用成分又は食用組成物を含有するブレンドした食品組成物を提供することが本発明の別の目的である。
【0013】
[0013]乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を作製するための方法を提供することが本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0014]1つ若しくは複数のこれら又は他の目的は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を用いて達成される。かかる湿潤食品組成物は、約90〜約99%の1種又は複数の肉エマルジョンチャンクと、約1〜約10%の1種又は複数のバインダーとを含み、ここで、組成物の含水量は45%より高く、組成物は乾燥食品組成物の特徴を有する。湿潤食品組成物は、肉エマルジョンを生成し、肉エマルジョンを加工して肉エマルジョンチャンクを形成し、肉エマルジョンチャンクを粉砕(Ccomminute)して寸法が2次元で約100mm未満のチャンクを形成し、粉砕されたチャンクを約1〜約10%の1種又は複数のバインダーと混合し、粉砕されたチャンクとバインダーとの混合物を加圧及び成形して、含水量が45%より高く、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を形成することによって作製される。
【0015】
[0015]本発明の他の及び別の目的、特徴、並びに利点は、当業者に容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】[0016] 乾燥食品組成物の特徴を有する本発明の湿潤食品組成物を例示した図である。
【
図2】[0017] 乾燥食品組成物の特徴を有する本発明の湿潤食品組成物を作製するために使用した一方法に関するプロセスフロー図を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
[0018]「肉」という用語は、動物由来の本物の肉(real meat)、肉類似物(meat analog)、又はその組合せを表す。
【0018】
[0019]「動物」という用語は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物が有用である、又は楽しむことができる、ヒト、トリ、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、オオカミ、ネズミ、ヒツジ、又はブタ類動物を含む任意の動物を表す。
【0019】
[0020]「コンパニオンアニマル」という用語は、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、アレチネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタなどの家畜を表す。
【0020】
[0021]「単一パッケージ」という用語は、キットの構成要素が1つ若しくは複数の容器と物理的に関係又は関連し、製造、配送、販売、又は使用のためのユニットと考えられていることを表す。容器には、袋、箱、紙箱、瓶、任意のタイプ若しくはデザイン若しくは材料のパッケージ、包み紙、収縮包装、添付された構成要素(例えば、ホッチキスで留められた、接着した、など)、又はその組合せがあるが、それだけには限定されない。単一パッケージは、異なる個々の湿潤食品組成物又は個々の湿潤食品組成物及び1種若しくは複数の他の食用成分若しくは物理的に関連する組成物の容器であってもよいので、製造、配送、販売、又は使用のためのユニットと考えられている。
【0021】
[0022]「バーチャルパッケージ(virtual package)」という用語は、例えば、1つの構成要素と、ウェブサイトを訪れ、録音メッセージ又はファックスバックサービスに連絡し、ビジュアルメッセージを見て、或いは世話をする人又は指導者に接触して、どのようにしてキットを使用するかについての取扱説明書又はキットの1つ若しくは複数の構成要素についての安全性若しくは技術情報を得ることを使用者に指示する使用法とを含有する袋又は他の容器に、どうやって他の構成要素を得るかを使用者に指示する1つ若しくは複数の物理的又はバーチャルキット構成要素に関する使用法に、キットの構成要素が関連していることを表す。
【0022】
[0023]本明細書において表されている全てのパーセント値は、特に明示されていない限り組成物の全重量の重量による。
【0023】
[0024]本明細書では、範囲内の値を1つ残らず列挙及び記載するのを防ぐために、範囲は本明細書において略記で使用している。適切な場合には、上限値、下限値、又は範囲の末端として、範囲内の任意の適切な値を選択することができる。
【0024】
[0025]本明細書では、特に文脈から明らかな指示がない限り、単語の単数形には、複数形が含まれ、逆もまた同様である。したがって、表示「a」、「an」、及び「the」は、それぞれの用語の複数形を一般に含む。例えば、「a method(方法)」、又は「a food composition(食品組成物)」への表示には、複数のかかる「methods(方法)」又は「food compostitions(食品組成物)」が含まれる。同様に、単語「comprise(含む)」、「comprises(含む)」、及び「comprising(含む)」は、排他的ではなく包含的に読み取るべきである。同じように、用語「include(含む)」、「including(含む)」及び「or(又は)」は、このような構成が文脈から明らかに妨げられない限り、全て包含的に解釈すべきである。同様に、用語「examples(例)」は、特に用語のリストが続いた場合、単に具体例及び例示に過ぎず、排他的又は包括的に見なされるべきではない。
【0025】
[0026]ここに開示されている方法及び組成物及び他の改良は、当業者には理解されるように、異なっていてもよく、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されない。さらに、本明細書で使用している専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけであり、開示又は特許請求されている範囲を限定するものではなく、限定しない。
【0026】
[0027]特に定義されない限り、本明細書で使用されている全ての技術及び科学用語、専門用語、及び頭文字は、本発明の(1つ又は複数の)分野、又は用語が使用されている(1つ又は複数の)分野の当業者によって一般に理解されている意味を有している。本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料は、本発明の実施に使用できるが、好ましい組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料は、本明細書に記載されている。
【0027】
[0028]本明細書で引用又は参照した全ての特許、特許出願、刊行物、技術及び/又は学術論文、及び他の参考文献は、法律で認められる範囲までその全体を参照により本明細書に組み込む。それら参考文献の議論は、その中で作られた主張を単に要約するものである。任意のかかる特許、特許出願、刊行物若しくは参考文献、又はその任意の部分が、関連性のある、重要な、又は先行の技術であることを認めていない。関連性のある、重要な、又は先行の技術としてのかかる特許、特許出願、刊行物、及び他の参考文献の任意の主張の正確性及び妥当性に異議を申し立てる権利は、特に留保している。
発明
【0028】
[0029]一態様では、本発明は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を提供する。組成物は、約90〜約99%の1種又は複数の肉エマルジョンチャンクと、約1〜約10%の1種又は複数のバインダーとを含み、ここで、組成物の含水量は45%より高く、組成物は乾燥食品組成物の特徴を有する。本発明は、乳化し、適当な大きさに作り、肉エマルジョンチャンクに生成した1種又は複数の肉の組合せと、適切なバインダーとを混合し、加圧し、成形して、水分が45%より高いが、驚くべきことに指触乾燥であり、代表的な湿潤食品組成物と比べると、比較的硬く、弾力がなく、砕けやすい組成物を形成できるという発見に基づいている。一般に、組成物は、保存料なしで周囲条件下で安定でもあり、すなわち、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物である。
【0029】
[0030]湿潤食品組成物は、含水量が45%よりも高い。種々の実施形態では、組成物は、含水量が約50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、又は90%水分であってもよく、好ましくは55%水分よりも高く、より好ましくは約60〜約85%水分、最も好ましくは約65〜約82%水分である。
【0030】
[0031]本発明の湿潤食品組成物は、「乾燥食品組成物の特徴」を有する。かかる湿潤食品組成物は、1つ又は複数の以下の特徴を有する:(1)湿潤食品組成物は、代表的な湿潤食品組成物と比べると比較的指触乾燥である;(2)湿潤食品組成物は、代表的な湿潤食品組成物と比べると比較的硬く、弾力がなく、砕けやすい;並びに(3)組成物がある特定の状況では保存料を含有することがあるものの、湿潤食品組成物は、保存料なしで周囲条件で一般に安定である。
【0031】
[0032]本発明に有用な肉は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を作製するのに適した任意の肉及び肉類似物である。かかる肉及び肉類似物は、当業者に既知である。かかる肉には、トリ、ウシ、ヒツジ、魚、若しくはブタの動物、又はその組合せからの本物の肉が含まれる。好ましい実施形態では、肉は、牛肉、豚肉、魚、七面鳥、鶏肉、又はその組合せである。他の実施形態では、肉は、当業者に既知の方法及び化合物を用いて形成した肉類似物、例えば、野菜タンパク質肉類似物である。かかる肉類似物は、生成プロセス中に組成物を加熱することによって生じる色、食感、及び風味に影響を与えるために種々の微量成分を含有してもよい。種々の類似物の例には、牛肉、鶏肉、豚肉、子羊の肉、白身魚、サケ、大豆、及びコムギグルテンの類似物、又はその組合せが含まれる。他の実施形態では、肉は、本物の肉と肉類似物の組合せであってもよい。
【0032】
[0033]肉エマルジョンチャンクは、特定の消費者を対象とした食品組成物を作製するのに有用な任意の大きさであってよい。一般にチャンクは、2次元で約100mm未満である。いくつかの実施形態では、肉エマルジョンチャンクは、2次元で約90、80、75、79、60、50、40、30、25、20、15、10、8、6、4、2、及び1mm未満である。殆どの実施形態では、肉エマルジョンチャンクは、約25mm未満である。最も一般的には、チャンクは、2次元で約10mm未満である。
【0033】
[0034]本発明に有用なバインダーは、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を作製するのに適した任意のバインダーである。かかるバインダーは、当業者に既知である。かかるバインダーには、デンプン、マルトデキストリン、未変性の水溶性動物若しくは植物タンパク質、親水コロイドガム、又はその組合せが含まれる。例には、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ペクチン、グアー、イナゴマメガム、ローカストビーンガム、卵白、コラーゲン、ゼラチン、乳タンパク質、乳漿、又はその組合せがある。好ましいバインダーには、乳漿、コムギグルテン、及びグアーガムが含まれる。かかるバインダーは、チャンクからの水及び/又は組成物に加えた水によって水和する。水和したバインダーは、特定の形状に加圧された後湿潤食品組成物の形状を維持する粘性の高い組成物を形成する。湿潤食品組成物を加熱する実施形態では、特定のバインダーに適用できるように、(1)デンプンのゲル化、(2)デンプンによる追加の水吸収、(3)タンパク質の変性(例えば卵又は乳漿タンパク質の凝固)、(4)タンパク質の架橋、又は(5)ガムによる水吸収の増大の1種又は複数によってバインダーの粘性がさらに増大する。いくつかのバインダーの場合によっては、バインダーは、組成物に加えるべき任意の水とあらかじめブレンドしてもよい。
【0034】
[0035]バインダーは、約1〜約10%、好ましくは約1.5〜約8.5%、最も好ましくは約2〜約7%の量で粉砕されたチャンクと混合する。
【0035】
[0036]他の実施形態では、湿潤食品組成物は、1種又は複数の湿潤剤をさらに含む。湿潤剤は、組成物中の水分量及び組成物の水活性を変えるために組成物に加える。任意の適当な湿潤剤を使うことができ;かかる湿潤剤は、当業者に既知である。適当な湿潤剤には、多価アルコールが含まれる。好ましい実施形態では、湿潤剤は、1種又は複数のグリセロール(グリセリン)、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリデキストロース、又はその組合せである。種々の実施形態では、湿潤剤は、約0.1〜約10%、好ましくは約1〜約8%、最も好ましくは約2〜約6%の量で組成物に加える。
【0036】
[0037]いくつかの実施形態では、湿潤食品組成物は、1種又は複数の嗜好性増強剤(palatability enhancer)をさらに含む。多くの適当な嗜好性増強剤は、当業者に既知である。嗜好性増強剤は、味覚的アピールを改善するために組成物に加える。かかる嗜好性増強剤には、動物消化物(例えば、魚又は家禽消化物)、天然香味料、人工香味料、イースト、イースト抽出物、ピロホスフェート、有機酸(例えば、クエン酸及びフマル酸)、無機酸(例えば、リン酸及び塩酸)、又はその組合せが含まれる。嗜好性増強剤は、約0.01〜約6%の量で組成物に加える。
【0037】
[0038]他の実施形態では、湿潤食品組成物は、1種又は複数の保存料をさらに含む。組成物の安定性を高めるのに有用な任意の保存料を使用することができる。多くのかかる保存料は、当業者に既知である。かかる保存料には、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、リン酸、フマル酸、重硫酸ナトリウム、又はその組合せが含まれる。保存料は、約0.01〜約3%の量で組成物に加える。
【0038】
[0039]種々の実施形態では、湿潤食品組成物は、果物、野菜、ハーブ、酸化防止剤、必須脂肪酸、アミノ酸などの1種又は複数の栄養成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、栄養成分は、グルコサミン、カロテノイド、L−カルニチン、又はその組合せである。これらの成分は、視覚的アピールを増大させ、組成物の栄養的側面を示すために組成物に加える。例えば、エンドウマメ、トマトチャンク、ホウレンソウ、ニンジン、又はその組合せを、組成物中で目に見えるようにする技術を用いて組成物に加えることができる。かかる「目に見える栄養」は、アピールを増大させ、組成物の栄養的性質を例示する。グルコサミン、カロテノイド、L−カルニチンなどの栄養成分は、関節の健康、目の健康、心臓の健康などを改善するために加える。栄養成分は、約1〜約20%の量で組成物に加える。一般に、肉の量は、組成物に加える栄養成分の量と同等の量を減らす。多くのかかる栄養成分は、当業者に既知である。
【0039】
[0040]水分の量とバインダーの種類及び量は、組成物の食感、粘性、及び嗜好性を変えるために所与の範囲内で変えることができる。一般に、組成物の含水量を制御するために水を組成物に加えることができる。同様に、湿潤剤、嗜好性増強剤、保存料、栄養成分、及び他の材料を組成物に加える場合、配合物若しくは組成物に加える又は除去する水の量を変えることによって水分レベルを調節することができる。例えば、組成物を形成するために乾燥トマトチャンクを使用した場合、水分を調節するために所望のレベルまで水を加えることができる。
【0040】
[0041]湿潤食品組成物は、任意の所望の形状及びサイズに形作ることができる。組成物は、丸いパティに形作ることができ、或いは動物又は物体、例えば、カモ、星、野菜、骨、若しくは車のように見えるように形作ることができる。組成物は、楕円形、三角形、又は多辺形であってもよい。組成物は、任意のサイズであってよいが、一般に約5〜約500グラム、好ましくは約10〜約300、より好ましくは約20〜約200グラムの重さがある。いくつかの実施形態では、組成物は、直径約1インチ及び重さ約30グラムのパティ(1オンスパティ)、例えば、
図1に示す湿潤食品組成物である。成形した組成物は、一緒に包装してもよく、或いは個々に包装してもよい。個々に包装する場合、成形した組成物は、パッケージとして使用でき、或いは複数の個々に包装した組成物を含有するマルチパックにさらに包装することができる。
【0041】
[0042]湿潤食品組成物は、湿潤食品組成物が有用である、又は楽しむことができる、任意の動物に適している。好ましくは、組成物は、コンパニオンアニマル、例えば、イヌ又はネコのためである。最も好ましくは、湿潤食品組成物は、好ましくはイヌ又はネコ、最も好ましくはネコのためのペットフード組成物である。
【0042】
[0043]
図1を参照すると、本発明の湿潤食品組成物は、乾燥食品組成物の外観をしており、すなわち、組成物は、硬く、弾力がなく、砕けやすい食べ物のように見える。さらに、取り扱うとき、組成物は、乾燥食品組成物の感触を有し、摂取した場合、湿潤食品組成物の食感及び嗜好性を有する。その上、組成物は、周囲条件で安定であり、すなわち、大気に曝したままの場合、その特徴が、たとえあったとしてもごくわずかしか変化しない。しかし、摂取した場合、組成物は、おそらく湿潤食品組成物に特有の比較的高い含水量のために、乾燥食品組成物と比べると、湿潤食品組成物の比較的高い嗜好性特徴を有する。
【0043】
[0044]種々の実施形態では、本発明の湿潤食品組成物は、ビタミン、ミネラル、核酸、充填剤、香味料、安定剤、乳化剤、甘味料、着色剤、緩衝液、塩、被覆剤、香辛料、プレバイオティック、プロバイオティック、薬物、医薬品、薬剤、及び当業者に既知の同様のものなどの追加の成分を含む。補足的なミネラルの非限定的な例には、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩化物、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレン、などが含まれる。補足的なビタミンの非限定的な例には、ビタミンA、ビタミンB群のいずれか、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKが含まれ、前記の種々の塩、エステル、又は他の誘導体も含まれる。追加の栄養補助食品、例えば、任意の形のナイアシン、パントテン酸、イヌリン、葉酸、ビオチン、アミノ酸など、並びにその塩及び誘導体も含まれていてもよい。成分の選択及び成分の量は、当業者に既知である。それぞれの追加の成分の具体的な量は、組成物に含まれている成分;動物の種;動物の年齢、体重、全身の健康、性別、及び食餌;動物の摂食速度;どの食品組成物を動物に投与するかの目的;など種々の要因によって決まるだろう。したがって、構成要素及び成分の量は、大幅に異なってもよく、本明細書に記載の好ましい割合から逸脱してもよい。
【0044】
[0045]一実施形態では、湿潤食品組成物は、コンパニオンアニマル、例えば、イヌなどのイヌ科のためのトリート(treat)として配合している。一般に、トリートは、食事時間外に動物が食べるように誘うために動物に与える組成物である。トリートは、栄養であってもよく、ここで組成物は、動物の健康に有益な1種又は複数の栄養素を含む。
【0045】
[0046]別の態様では、本発明は、(1)本発明の湿潤食品組成物及び(2)1種若しくは複数の他の食用成分又は食用組成物を含むブレンドした食品組成物を提供する。食用成分又は食用組成物は、本発明の湿潤食品組成物と適合する任意の食用成分又は食用組成物であってよい。一実施形態では、食用組成物は、コンパニオンアニマル、好ましくはイヌ及びネコによる摂取に適した1種又は複数の乾燥キブル(kibble)の形の乾燥食品組成物である。好ましくは、食用成分又は食用組成物は、押出しキブル、焼きキブル、押出しトリート、及び焼きトリートからなる群から選択される。
【0046】
[0047]好ましい実施形態では、食用成分又は食用組成物は、含水量が約12%以下及び/又は水活性(Aw)が約0.65以下である。他の実施形態では、食用成分又は食用組成物は、含水量が約12〜約45%である。
【0047】
[0048]本発明のブレンドした食品組成物は、任意の適当な量の本発明の湿潤食品組成物を含む。一般に、湿潤食品組成物は、約1〜約99%、好ましくは約5〜約99%、最も好ましくは約5〜約95%のブレンドした食品組成物を含む。一実施形態では、湿潤食品組成物は、約25〜約75%のブレンドした食品組成物を含む。別の実施形態では、湿潤食品組成物は、約40〜約60%、好ましくは約50%のブレンドした食品組成物を含む。通常、ブレンドした食品組成物は、食用食品成分を含む食品組成物又は組成物単独と比べて嗜好性が増強されている。
【0048】
[0049]一実施形態では、湿潤食品組成物は、ブレンドした食品組成物を形成するために使用の直前に食用成分若しくは組成物に混合又は添加する。通常、本発明の湿潤食品組成物は、かかる湿潤食品組成物だけを含有し、長期にわたって湿潤食品組成物の安定性を保証するために設計されたパッケージで販売している。次に、摂取の直前に、湿潤食品組成物を別の食料品、例えば、ドライペットフードキブルに混合又は加えて、ブレンドした食品組成物を形成する。好ましい実施形態では、かかる組成物は、本明細書に記載のようなキットで販売している。
【0049】
[0050]別の実施形態では、湿潤食品組成物を、ブレンドした組成物の製造中に食用成分若しくは組成物に混合又は加える。この実施形態では、湿潤食品組成物は、使用前の貯蔵中に安定性を維持するために保存料が必要となり得る。
【0050】
[0051]一実施形態では、ブレンドした食品組成物は、米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Officials)(AAFCO)によって確立された基準に基づいて、動物、好ましくはコンパニオンアニマルに「完全及びバランスのとれた」栄養を提供するように配合されている。別の実施形態では、ブレンドした食品組成物は、ペットフード組成物、例えば、乾燥キブル及び本発明の湿潤食品組成物である。
【0051】
[0052]別の態様では、本発明は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を作製するための方法を提供する。本方法は、肉エマルジョン生成し、肉エマルジョンを加工して肉エマルジョンチャンクを形成し、肉エマルジョンチャンクを粉砕して寸法が2次元で約100mm未満のチャンクを形成し、粉砕されたチャンクを約1〜約10%の1種又は複数のバインダーと混合し、粉砕されたチャンクとバインダーとの混合物を加圧及び成形して、含水量が45%より高く、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を形成することを含む。
【0052】
[0053]基本的に、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を形成するのに使用する技術は、お決まりの手順であり、当業者によく知られている。肉エマルジョンを作製するための方法、肉エマルジョンチャンクを作製するための方法、及び肉エマルジョンチャンクを粉砕して種々のサイズのチャンクを形成するための方法が知られている。バインダー及び粉砕されたチャンクは、任意の適当な方法、例えば、容器又はドウミキサー中での撹拌を用いて混合する。混合物は任意の適当な手段、例えば、ニューテック(NuTech)(登録商標)又はフォーマックス(Formax)(登録商標)の名前で販売されているような成形機及び機械、当業者に既知であり、しばしば使用される機械を用いて加圧する。本発明は、水分量が比較的高いが水分量が比較的少ない組成物の特徴を有する組成物、すなわち、湿潤食品組成物の嗜好性を有するが乾燥食品組成物の食感、外見、触感、及び他の特徴を有する組成物を形成するために肉エマルジョンチャンクとバインダーとを合わせるこれらの技術を用いることによる。
【0053】
[0054]一実施形態では、湿潤食品組成物は、安定性、特に貯蔵性を保証するためにさらに加工する。安定性は、保存料を加え、pHを下げてから混合物を加圧及び成形することによって達成する。任意の適当な保存料を使用することができる。適当な保存料には、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、リン酸、フマル酸、重硫酸ナトリウムが含まれる。pHは、任意の適当な方法及び化合物を用いて、一般に無機酸又は有機酸、例えば、リン酸、硫酸、又は塩酸を加えることによって、調節する。pHは、約5未満、好ましくは約3〜約5、最も好ましくは約4.2〜約4.8であるべきである。
【0054】
[0055]別の実施形態では、湿潤食品組成物は、安定性、特に貯蔵性、より具体的には保存料なしの貯蔵性を保証するためにさらに加工する。組成物は、容器に密封し、当業者に既知の手段を用いて滅菌する。一般に、容器は、少なくとも121℃で少なくとも3分間加熱する。
【0055】
[0056]一実施形態では、加圧及び成形した組成物は、組成物の表面の外観を改善するために油で揚げる。一般に、組成物は、油で揚げて、視覚的及び感覚的な向上のために表面の食感及び色を変える。好ましい実施形態では、組成物は、薄キツネ色の表面を作り出すためにたっぷりの油で揚げるが、組成物の外観、食感、味、及び口あたりを改善するために内部はより薄い色のままにしておく。
【0056】
[0057]
図2を参照すると、肉を挽き、次いで十分な粘稠度まで乳化する。次いで乾燥微量成分を肉に加え、完全な混合を確実にするためにドウミキサー中で混合する。次いで、他の機能性成分を加え、混合して、さらに加工するためにドウを完了する。次いで混合物は、ドウを乳化すること、例えば、摩擦熱及び/又は蒸気で調理することによってチャンクに形成する。次いで混合物は、ポンプで熱交換器に通すことによって冷却する。これは肉様食感のチャンクをもたらす。次いでチャンクを切断し、所望のサイズにサイズを小さくする。次いでバインダーをチャンクに加え、ブレンドする。このブレンドを、所望の形状、例えば、パティにブレンドを成形する成形機に入れる。成形機は、成形したブレンドをパッケージに入れる。ブレンドを滅菌するさらなる処理、例えば、レトルト処理、放射線照射、無菌処理、高圧処理などのためにパッケージを密封する。
【0057】
[0058]別の態様では、本発明は、本発明の方法を用いて作製した乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を提供する。
【0058】
[0059]別の態様では、本発明は、乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を含有するのに適した材料と、パッケージの内容物に湿潤食品組成物が含有されていることを示す単語若しくは複数の単語、絵、デザイン、頭文字、スローガン、句、又は他の図案、又はその組合せを含有するパッケージに添付したラベルとを含むパッケージを提供する。種々の実施形態では、パッケージは、湿潤食品組成物が乾燥食品組成物の1種又は複数の特徴を有することを示す単語若しくは複数の単語、絵、デザイン、頭文字、スローガン、句、又は他の図案、又はその組合せをさらに含む。乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物を含有するのに適した任意のパッケージ又は包装材料、例えば、紙、プラスチック、金属箔、金属などから作った袋、箱、瓶、缶、小袋などが本発明に有用である。
【0059】
[0060]別の態様では、本発明は、本発明の湿潤食品組成物及び1種若しくは複数の食用成分又は食用組成物を含有するブレンドした食品組成物を調製するのに適したキットを提供する。キットは、単一パッケージ中の個々の容器又はバーチャルパッケージ中の個々の容器に、キット構成要素に対して適宜、本発明の湿潤食品組成物と、(1)1種若しくは複数の食用成分又は食用組成物、(2)湿潤食品組成物と食用成分又は食用組成物とをどのように合わせてブレンドした食品組成物を形成するかの取扱説明書、(3)1種又は複数の栄養補給剤、(4)1種又は複数の健康促進剤、及び(5)ブレンドした食品組成物を調製するのに有用な1種又は複数のデバイス、例えば、ボウルなどの食品容器又はスパチュラ及びスプーンなどの撹拌デバイスの1種又は複数とを含む。
【0060】
[0061]キットがバーチャルパッケージを含む場合、キットは、1種又は複数の実際のキット構成要素と併せてバーチャル環境の取扱説明書に制限される。キットは、ブレンドした食品組成物を形成するのに十分な量の湿潤食品組成物、食用成分又は食用組成物、及び他の成分を含有する。通常、湿潤食品組成物と他の適当なキット構成要素(例えば、乾燥又は半湿潤食品組成物)は、動物による摂取の直前に混合する。キットは、どんな種々の組合せ及び/又は混合物のキット構成要素を含有していてもよい。一実施形態では、キットは、1種又は複数の湿潤食品組成物及び動物による摂取のための食物(例えば、コンパニオンアニマルのためのキブル)用容器を含有する小包を含有する。キットは、組成物と成分を混合するためのデバイス又は混合物を含有するためのデバイス、例えば、フードボウルなどの別の商品を含有していてもよい。
【0061】
[0062]動物の健康を促進する任意の薬剤をキットに含めることができる。一実施形態では、薬剤は、プロバイオティック、プレバイオティック、又はその組合せからなる群から選択される。別のでは、薬剤は、ビタミン、ミネラル、栄養補給剤、魚油、薬物、グルコサミン、コンドロイチン、又はその組合せからなる群から選択される。
【0062】
[0063]他の態様では、本発明は、(1)乾燥食品組成物の特徴を有する湿潤食品組成物の取扱い、(2)湿潤食品組成物の動物への投与、(3)湿潤食品組成物及び種々の食用成分又は食用組成物を用いてブレンドした食品組成物を調製するための方法及び技術、及び(4)代表的な湿潤又は乾燥食品組成物と比べた湿潤食品組成物の利点の1つ又は複数に関する情報又は指示を伝えるための手段を提供する。手段には、情報又は指示を含有する文書、デジタル記録媒体、光記録媒体、オーディオプレゼンテーション、又は画像表示装置が含まれる。いくつかの実施形態では、伝達手段は、かかる情報又は指示を含有する表示ウェブサイト、画像表示、キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、宣伝ビラ、公表、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピューター読み取り可能チップ、コンピューター読み取り可能カード、コンピューター読み取り可能ディスク、内部記憶装置、又はその組合せである。有用な情報には、本発明及びその使用について疑問がある場合に動物又は動物の世話をする人が使用するための1つ又は複数の連絡先が含まれる。有用な指示には、投与量及び頻度、例えば、給餌量及びスケジュールが含まれる。伝達手段は、本発明を使用することの利益を指示すること及び本発明を動物に投与するための承認された方法を伝えることに有用である。
【実施例1】
【0063】
[0064]本発明は、以下の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は、単に例示の目的のために含めているのに過ぎず、特に指示がない限り本発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。以下の実施例は、本発明を例示するために示している。
実施例1
【0064】
[0065]粉砕されたニワトリエマルジョン生成物を形成するために有用な粉砕ニワトリチャンクを、表1に示されている配合を用いて形成した。ニワトリチャンク1000lbsを作るために、冷凍豚肉ミックス/レバー255.94lbs、冷凍ニワトリ胸肉フレーム325.84lbs、及びひき肉された(ground)七面鳥63.84lbsは、プレート開口部が6.35mm直径の押出機/グラインダーを用いてサイズを小さくした。次いでひき肉された肉ブレンドを、機械的加熱によって温度を35℃まで上げた連続的な乳化機にポンプで通した。次いでこの乳化した肉を、パドルドウミキサー(paddle dough mixer)にポンプで注ぎ込んだ。同時に、残りの成分(表1)を加えた。最初に水、続いてビタミン、ミネラル、タウリン、二酸化チタン、及びコムギグルテン、並びに最後に大豆タンパク質単離物であった。これらの成分は、パドルミキサーによって均質なドウが生成するまで5分間混合した。ドウの水分をマイクロ波加熱分析器で決定した。水分は51%であり、目標範囲内であった。次いでドウを連続的な乳化機にポンプで注入した。乳化されることに加えて、チャンクへの圧力及び温度は高くなった。温度は150〜160°、圧力は85〜100psiの範囲で変動した。次いで加圧したエマルジョンを、向流方向に流れる被覆された冷却水(21〜32℃)を備えた熱交換器に供給した。硬化したニワトリエマルジョン生成物は、ナイフグリッドを通って細片になって熱交換器を出て、次いでCommitrol Dicerで粉砕されて、粒度分布が1〜3.5mmの範囲の粒子を得た。
【表1】
実施例2
【0065】
[0066]粉砕されたニワトリエマルジョン生成物を、表2に示されている配合を用いて形成した。生成物100lbsを作るために、バインダー(乳漿0.8lbs、コムギグルテン1.2lbs、及びグアーガム0.5lbs)を水(15.6lbs)と混合して、それらを水和させ、他の成分との混合を改善した。粉砕ニワトリチャンク、続いてバインダー溶液及び香辛料(乾燥エンドウマメ、ニンジン、トマト、及びホウレンソウフレーク)をバッチミキサーに加えた。この混合物を成形機(NuTEC成形機)に供給して、重さがそれぞれ約25〜約30グラムの丸いパティ(
図1)を作製した。生成物の水分は57%であった。生成物を容器内に個々に密封し、レトルト処理によって滅菌した。
【表2】
実施例3
【0066】
[0067]実施例2の手順及び表2の成分を用いて、水分レベルがより高い粉砕されたニワトリエマルジョン生成物100lbsを作製した。使用した水の量は実施例2における15.6lbsと比較してより多く、すなわち、31.6lbsであった。生成物の水分は66%であった。
【表3】
【0067】
[0068]本明細書では、本発明の代表的な好ましい実施形態を開示している。具体的な用語を使用しているが、これらの用語は、一般的及び説明的な意味で使用しているだけであり、限定する目的ではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。言うまでもなく、上記の教示を踏まえると本発明の多くの変更形態及び変形形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内において、本発明は、具体的に記載されているのとは別な方法で実施してもよいことを理解されたい。