(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源と、該光源の光が端面に入射され、一平面から光を出射する導光板と、前記一平面に対向する光学シートと、前記導光板の前記一平面及び光学シートの間に配され、前記光源、及び、前記一平面の前記光源側の周縁部を覆う覆体とを備えるバックライト装置において、
前記光学シートは貫通孔を有し、
前記覆体は、前記周縁部を覆う第1覆部と、前記端面を覆う第2覆部と、前記第1覆部に設けられ、前記貫通孔に連通する第1孔と、前記第2覆部に設けられた第2孔とを有し、
前記貫通孔及び第1孔に挿入される第1挿入部と、前記第2孔に挿入される第2挿入部と、前記第1及び第2挿入部を連結する連結部とを有し、前記光学シートの面方向の移動を規制する規制部材を備えること
を特徴とするバックライト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のバックライト装置では、光学シートが覆体の一側に配置されているだけであるため、光学シートは、従来のバックライト装置を備える表示装置の振動、又は、表示装置に与えられる衝撃によって大きく移動する可能性がある。
光学シートが大きく移動した場合、表示パネルに傷が付き、表示パネルが表示する画像の品位が低下する虞がある。
【0007】
特許文献1に記載の直下型のバックライト装置には、光学シートの周縁部を覆う覆部材と、光源を支持するバックライトシャーシとを螺子によって固定する構成が開示されている。この構成により光学シートの大きな移動を防止することが可能であるため、この構成をエッジライト型の従来のバックライト装置に適用することが考えられる。
【0008】
しかし、従来のバックライト装置に特許文献1に記載の構成を適用したバックライト装置には、覆部材をバックライトシャーシに固定する螺子が必要であり、更に、バックライトシャーシに螺子が螺合する空間を設ける必要がある。このため、特許文献1に記載の構成を適用したバックライト装置には、光学シートの周辺に設けられる空間が広く、高価であるという問題点がある。
【0009】
光学シートの周辺に設けられる空間が広い場合、特許文献1に記載の構成を適用したバックライト装置を備える表示装置では、表示パネルの周縁部を覆う額縁が広い。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光学シートの大きな移動を防止することができる小型で安価なバックライト装置、及び、該バックライト装置を備える表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るバックライト装置は、光源と、該光源の光が端面に入射され、一平面から光を出射する導光板と、前記一平面に対向する光学シートと、前記導光板の前記一平面及び光学シートの間に配され、前記光源、及び、前記一平面の前記光源側の周縁部を覆う覆体とを備えるバックライト装置において、
前記光学シートは貫通孔を有し、前記覆体は、前記周縁部を覆う第1覆部と、前記端面を覆う第2覆部と、前記第1覆部に設けられ、前記貫通孔に連通する第1孔と、前記第2覆部に設けられた第2孔とを有し、前記貫通孔及び第1孔に挿入される第1挿入部と、前記第2孔に挿入される第2挿入部と、前記第1及び第2挿入部を連結する連結部とを有し、前記光学シート
の面方向の移動を規制する規制部材を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、導光板の端面に光源の光が入射され、導光板は、一平面から、該一平面に対向する光学シートを介して光を出射する。導光板の一平面と光学シートとの間には覆体が配されており、覆体は、光源と、導光板の一平面における光源側の周縁部とを覆っている。規制部材は、光学シートと覆体とに係合しており、光学シート
の面方向の移動を規制する。
【0013】
光学シートについては、覆体と規制部材によって面方向の移動を規制されている。このため、光学シートの大きな移動は防止される。更に、規制部材は、光学シートと覆体との係合によって光学シートの面方向の移動を規制しているため、螺子が不要であり、安価である。更に、螺子が螺合する空間を設ける必要がないため、小型である。
【0015】
また、光学シートに貫通孔が設けられている。覆体については、導光板の一平面における光源側の周縁部を覆う第1覆部に、光学シートの貫通孔に連通する第1孔が設けられており、光源からの光が入射される導光板の端面を覆う第2覆部に第2孔が設けられている。規制部材については、第1挿入部と第2挿入部とが連結部によって連結している。規制部材は、第1挿入部が光学シートの貫通孔と第1孔とに挿入され、かつ、第2挿入部が第2孔に挿入されることによって、光学シート及び覆体夫々に係合し、光学シート
の面方向の移動を規制する。
【0016】
本発明に係るバックライト装置は、
光源と、該光源の光が端面に入射され、一平面から光を出射する導光板と、前記一平面に対向する光学シートと、前記導光板の前記一平面及び光学シートの間に配され、前記光源、及び、前記一平面の前記光源側の周縁部を覆う覆体とを備えるバックライト装置において、前記光学シートは貫通孔を有し、前記覆体は、前記周縁部を覆う第1覆部と、前記端面を覆う第2覆部と、前記第1覆部から突出し、前記貫通孔に挿通する突出部と、前記第2覆部に設けられた孔とを有し
、前記貫通孔を挿通した前記突出部と係合する環状部と、前記孔に挿入される挿入部と、前記環状部及び挿入部を連結する連結部とを有
し、前記光学シートの面方向の移動を規制する規制部材を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、
導光板の端面に光源の光が入射され、導光板は、一平面から、該一平面に対向する光学シートを介して光を出射する。導光板の一平面と光学シートとの間には覆体が配されており、覆体は、光源と、導光板の一平面における光源側の周縁部とを覆っている。規制部材は、光学シートと覆体とに係合しており、光学シートの面方向の移動を規制する。
光学シートについては、覆体と規制部材によって面方向の移動を規制されている。このため、光学シートの大きな移動は防止される。更に、規制部材は、光学シートと覆体との係合によって光学シートの面方向の移動を規制しているため、螺子が不要であり、安価である。更に、螺子が螺合する空間を設ける必要がないため、小型である。
また、光学シートに貫通孔が設けられている。覆体については、導光板の一平面における光源側の周縁部を覆う第1覆部に、光学シートの貫通孔に連通する突出部が設けられており、光源からの光が入射される導光板の端面を覆う第2覆部に孔が設けられている。規制部材については、環状部と挿入部とが連結部によって連結している。規制部材は、環状部が光学シートの貫通孔に連通した突出部に係合され、かつ、挿入部が孔に挿入されることによって、光学シート及び覆体夫々に係合し、光学シート
の面方向の移動を規制する。
【0018】
本発明に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルと、該表示パネルに光を照射する前述のバックライト装置とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、前述のバックライト装置が表示パネルに光を照射し、表示パネルは画像を表示する。これにより、前述のバックライト装置が有する光学シートの大きな移動が防止される。更に、前述のバックライト装置を備えるため、小型で安価である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、規制部材は光学シート及び覆体に係合することによって光学シートの面方向の移動を規制するので、光学シートの大きな移動を防止することができ、構成が小型で安価である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における表示装置の外観図である。この表示装置1は、前側に画像を表示する表示面を有する矩形板状の表示パネル10を備え、表示パネル10の前側の周縁部は、中央部に開口11aを有する矩形枠状のフレーム11によって覆われている。表示パネル10において、表示面の中央部に位置する有効表示領域は開口11aから露出している。
【0023】
ここで、開口11aの縦及び横の寸法は、フレーム11が表示パネル10の周辺を覆うことができるように、表示パネル10の縦及び横の寸法よりも若干小さい。
【0024】
図2は
図1におけるA−A線の部分断面図である。フレーム11の断面はL字状をなしており、フレーム11は、表示パネル10の前側の周縁部を覆う前壁部11bと、前壁部11bに連設され、表示パネル10の端面を覆う周壁部11cとを有する。フレーム11の前壁部11bと表示パネル10の周縁部との間には緩衝材12が配置されている。
【0025】
表示装置1は、表示パネル10の後側にバックライト装置5を更に備え、バックライト装置5は、表示パネル10の後側から前側に向けて光を照射する。表示パネル10は、バックライト装置5によって後側から光を照射されて表示面に画像を表示する。表示パネル10は例えば液晶パネルである。
【0026】
バックライト装置5は、矩形状の光学シート50と、矩形板状の導光板51と、矩形状の反射シート52と、複数のLED53とを備える。光学シート50は、視野拡大シート及び反射防止シート等、種々の光学的作用をなす複数枚のシートが積層されることによって構成され、一面が表示パネル10の後面に密着した状態で配置されている。
【0027】
光学シート50の後側には、導光板51が配置されており、一平面をなす導光板51の前面は光学シート50に対向している。導光板51の後面には、反射シート52が密着しており、導光板51の上端面(図の右側)に対向する位置に、複数のLED53が左右方向(
図2の紙面に垂直な方向)、具体的には、導光板51の上端面の長手方向に沿って並置されている。
【0028】
複数のLED53夫々は、光源として機能し、矢印で示す方向に光を出射し、複数のLED53夫々が出射した光は導光板51の上端面に入射される。導光板51は、例えばアクリル樹脂を用いてなり、導光板51の上端面に入射した光は、前面及び後面での反射を繰り返す。導光板51を伝播する光が導光板51の前面で反射する場合、光の一部が光学シート50に向けて出射される。導光板51の後面は反射シート52に密着しているため、後面では、導光板51を伝播する全ての光が反射する。これにより、導光板51は、一平面をなす前面から光学シート50に向けて均一な光を出射する。
【0029】
複数のLED53の上側には、矩形板状のLED基板54が配置され、LED基板54の下面は導光板51の上端面に対向しており、複数のLED53はLED基板54の下面に実装されている。LED基板54の上面は放熱体55に密着しており、複数のLED53の発光によってLED基板54に発生した熱は放熱体55を伝わる。
【0030】
放熱体55の断面はL字状をなしており、放熱体55は、導光板51の上端面を覆い、LED基板54に密着している上壁部55aと、上壁部55aに連設されて、導光板51の後側に配置される後壁部55bとを有している。放熱体55の後壁部55bは外気にさらされており、LED基板54で発生した熱は、上壁部55aを介して後壁部55bに伝わり、後壁部55bから外気中に放出される。
【0031】
放熱体55の後壁部55bと、反射シート52との間には、バックライトシャーシ56が配置されており、バックライトシャーシ56は、導光板51及び反射シート52を支持している。また、導光板51及び反射シート52における後面の上側、即ち、LED53側の周縁部と、後壁部55bとの間にはスペーサ57が配置されている。
【0032】
バックライト装置5は、更に、複数のLED53と、導光板51における前面の周縁部の上側とを覆う覆体58を備えている。覆体58は、導光板51の前面と、光学シート50との間に配され、覆体58の断面はL字状をなしている。覆体58は、導光板51における前面の上側の周縁部を覆う第1覆部58aと、第1覆部58aに連設され、放熱体55の上壁部55aの上側から導光板51の上端面を覆う第2覆部58bとを有する。
覆体58の第1覆部58aと導光板51の前面との間には緩衝材59が配置されている。
【0033】
光学シート50の上辺の一部分は表示パネル10よりも上側に延設されており、光学シート50は、上側の延設部分に、前後方向に貫通する貫通孔50aを有する。覆体58の第1覆部58aには、前後方向に貫通し、貫通孔50aと連通する第1孔58cが設けられており、第2覆部58bには、上下方向に貫通する第2孔58dとが設けられている。
【0034】
バックライト装置5は、更に、光学シート50及び覆体58に係合し、光学シート50による面方向の移動を規制する規制部材6を備えている。規制部材6には、光学シート50に設けられた貫通孔50aと、覆体58の第1覆部58aに設けられた第1孔58cとに挿入される第1挿入部60が設けられている。また、規制部材6には、覆体58の第2覆部58bに設けられた第2孔58dに挿入される第2挿入部61が設けられている。
【0035】
規制部材6は、更に、第1挿入部60に連設され、光学シート50の前側に配置される前壁部62と、第2挿入部61及び前壁部62に連設され、覆体58における第2覆部58bの上側に配置される上壁部63とを有する。前壁部62及び上壁部63は、第1挿入部60と第2挿入部61とを連結し、連結部として機能する。
【0036】
以上のように、規制部材6は、第1挿入部60を貫通孔50a及び第1孔58cに挿入し、かつ、前壁部62及び上壁部63によって第1挿入部60に連設してある第2挿入部61を第2孔に挿入することによって、光学シート50と覆体58とに係合している。なお、フレーム11の周壁部11cにおいて、表示パネル10の上側の端面を覆う部分は、規制部材6の上壁部63の上側に位置している。
【0037】
図3は、一側から見た規制部材6の斜視図であり、
図4は、他側から見た規制部材6の斜視図である。規制部材6の第1挿入部60及び前壁部62夫々は、
図3に示すように、矩形板状をなしており、前壁部62は、第1挿入部60の一方の長辺から第1挿入部60に垂直な方向に突設されており、前壁部62の一方の長辺は、第1挿入部60の一方の長辺と連結している。上壁部63は、矩形板状をなして中央部に矩形状の開口63aが設けられており、前壁部62は、上壁部63における外側の一辺から上壁部63に垂直な方向に突設されている。上壁部63における外側の一辺は、前壁部62の他方の長辺と連結し、上壁部63は第1挿入部60と対向している。
【0038】
そして、上壁部63において、開口63aを構成する内側の一辺には、矩形板状をなす第2挿入部61の一辺が連結されている。第2挿入部61は、板面が上壁部63の板面よりも下側、即ち、第1挿入部60側に位置するように配置されている。なお、規制部材6については、弾性を有してさえいれば、樹脂及び板金のいずれを用いても作成することができる。
【0039】
図5は規制部材6を取外したバックライト装置5の斜視図である。前述したように、覆体58における第1覆部58aの前側に光学シート50が配置されている。覆体58の第2覆部58bは、
図5に示すように、第1覆部58aよりも前側に延設されている部分と、第1覆部58aよりも前側に延設されていない部分とを有し、第2覆部58bの前側には凹部58eが設けられている。
【0040】
更に、前述したように、光学シート50の上辺の一部分は上側に延設されており、
図5に示すように、光学シート50の延設部分は、覆体58の凹部58eに配置され、光学シート50の延設部分には、矩形状の貫通孔50aが設けられている。貫通孔50aの長手方向は、光学シート50の長手方向、即ち、左右方向と略一致している。
【0041】
覆体58の第2覆部58bは、
図5に示すように、長手方向が左右方向と略一致する矩形板状をなしており、第2覆部58bには矩形状の第2孔58dが設けられている。第2孔58dは、第2覆部58bにおいて、凹部58eの左右方向の中央部に対応する位置に設けられている。光学シート50が覆体58の前側に配置された場合において、第2孔58dは、光学シート50の貫通孔50aにおける左右方向の中央部に対応する。なお、前述のA−A線は、貫通孔50a及び第2孔58dの左右方向の中央部を通る上下方向の線である。
【0042】
図6は、規制部材6を取付けたバックライト装置5の斜視図であり、
図7は、バックライト装置5の一部を示す断面斜視図である。規制部材6は、
図6及び
図7に示すように、第1挿入部60を、光学シート50の貫通孔50aと、覆体58の第1覆部58aに設けられた第1孔58cとに挿入し、第2挿入部61を覆体58の第2覆部58bに設けられた第2孔58dに挿入することによって、光学シート50及び覆体58夫々に係合する。このとき、第2挿入部61の下面は放熱体55の上壁部55aに対向している。
【0043】
規制部材6の第2挿入部61が、覆体58の第2覆部58bに設けられた第2孔58dに挿入されることによって、規制部材6が覆体58に対して前後方向及び左右方向、即ち、第2覆部58bの面方向に移動することが防止されている。
【0044】
規制部材6において、第1挿入部60及び上壁部63間の距離は、光学シート50の上端から貫通孔50aの上側までの距離よりも若干大きい。更に、規制部材6における前壁部62の左右方向の距離は、光学シート50における貫通孔50aの左右方向の距離よりも若干小さい。これにより、光学シート50の熱膨張を許容することができる。
【0045】
更に、規制部材6が光学シート50及び覆体58夫々に係合しているため、光学シート50は、覆体58に対して、上下方向及び左右方向に大きく移動することはない。光学シート50において、上端から貫通孔50aの上側までの部分が規制部材6の前壁部62と覆体58の第1覆部58aとによって挟持されているため、光学シート50が上下方向及び左右方向に移動することが抑制され、光学シート50の面方向の移動が規制されている。また、光学シート50は、第1挿入部60及び上壁部63間の距離と、光学シート50の上端から貫通孔50aの上側までの距離との差以上に上下方向に移動することはなく、前壁部62の左右方向の距離と、貫通孔50aの左右方向の距離との差以上に左右方向に移動することはない。
【0046】
光学シート50は、下方向に移動する場合、光学シート50の貫通孔50aの上側と、規制部材6の第1挿入部60とが接触した後、下方向に更に移動することはない。また、光学シート50は、上方向に移動する場合、光学シート50の上端と、規制部材6の上壁部63とが接触した後、上方向に更に移動することはない。
【0047】
光学シート50は、左右方向に移動する場合、光学シート50の貫通孔50aの左側又は右側が、規制部材6の第1挿入部60に接触した後、左方向又は右方向に更に移動することはない。
【0048】
以上のように、規制部材6は、光学シート50の面方向の移動を規制するため、表示装置1の振動、又は、表示装置1に加えられる衝撃等によって光学シート50が大きく移動することを防止することができる。従って、光学シート50が大きく移動して、表示パネル10に傷が付き、表示パネル10が表示する画像の品位が低下することはない。更に、規制部材6は、光学シート50と覆体58との係合によって、螺子を用いずに光学シート50の面方向の移動を規制することができ、バックライト装置5は安価である。また、螺子を螺合する空間を設ける必要がないため、バックライト装置5は小型である。また、小型で安価なバックライト装置5を備える表示装置1も小型で安価である。
【0049】
なお、第1挿入部60及び第2挿入部61夫々は、矩形板状に限定されない。第1挿入部60の形状は、光学シート50の貫通孔50aと、覆体58の第1覆部58aに設けられた第1孔58cとに挿入することが可能な形状であればよい。第2挿入部61の形状も、覆体58の第2覆部58bに設けられた第2孔58dに挿入することが可能な形状であればよい。また、貫通孔50a、第1孔58c及び第2孔58dの形状は矩形状に限定されない。貫通孔50a及び第1孔58c夫々の形状は第1挿入部60が挿入可能な形状であればよく、第2孔58dの形状は第2挿入部61が挿入可能な形状であればよい。
【0050】
更に、規制部材6は、第1挿入部60と、第2挿入部61とを連結していればよく、連結部の一部として機能する規制部材6の上壁部63は、開口63aが設けられた形状でなくてもよい。
【0051】
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2における表示装置の部分断面図である。この表示装置7は、実施の形態1における表示装置1と同様に、表示パネル10、フレーム11及び緩衝材12を備えている。表示装置7は、実施の形態1におけるバックライト装置5の代わりにバックライト装置8を備え、バックライト装置8は、表示パネル10の後側に配置されている。バックライト装置8は、バックライト装置5と同様に、表示パネル10の後側から前側に向けて光を照射し、表示パネル10は、バックライト装置8によって後側から光を照射されて表示面に画像を表示する。
【0052】
バックライト装置8は、実施の形態1におけるバックライト装置5と同様に、光学シート50、導光板51、反射シート52、複数のLED53、LED基板54、放熱体55、バックライトシャーシ56、スペーサ57及び緩衝材59を備える。バックライト装置8は、覆体58の代わりに覆体80を備え、規制部材6の代わりに規制部材9を備える。
【0053】
バックライト装置8は、実施の形態1におけるバックライト装置5と比較して、光学シート50を規制する構成が異なる。以下では、光学シート50を規制する構成を説明し、実施の形態1と共通する実施の形態2の構成には同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
光学シート50、導光板51及び複数のLED53は、実施の形態1と同様に配置されているので、光学シート50は導光板51の前面に対向し、複数のLED53が出射した光は導光板51の上端面に入射され、導光板51は、前面から均一な光を光学シート50に向けて出射する。光学シート50は実施の形態1と同様に貫通孔50aを有している。
【0055】
覆体80は、実施の形態1における覆体58と同様に、導光板51の前面と、光学シート50との間に配置され、複数のLED53と、導光板51における前面の周縁部の上側とを覆っている。覆体80の断面はL字状をなしている。覆体80は、導光板51における前面の上側の周縁部を覆う第1覆部80aと、第1覆部80aに連設され、放熱体55の上壁部55aの上側から導光板51の上端面を覆う第2覆部80bとを有する。覆体80の第1覆部80aと導光板51の前面との間には緩衝材59が配置されている。
【0056】
覆体80の第1覆部80aには突出部80cが設けられおり、突出部80cは第1覆部80aの前面から前側に突出している。バックライト装置8では、突出部80cは光学シート50の貫通孔50aを挿通している。また、第2覆部80bには、上下方向に貫通する孔80dが設けられている。
【0057】
規制部材9は、光学シート50及び覆体80に係合し、光学シート50による面方向の移動を規制する。規制部材9は、光学シート50の前側に配置される環状部90を有し、環状部90は、光学シート50の貫通孔50aを挿通した覆体80の突出部80cと係合する。規制部材9は、更に、覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dに挿入される挿入部91と、放熱体55の上壁部55aの上側に配置され、環状部90及び挿入部91を連結する連結部92とを有している。
【0058】
以上のように、規制部材9は、環状部90が光学シート50の貫通孔50aを挿通した覆体80の突出部80cに係合し、かつ、挿入部91が覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dに挿入されることによって、光学シート50及び覆体80夫々に係合している。 なお、フレーム11の周壁部11cにおいて、表示パネル10の上側の端面を覆う部分は、規制部材9の連結部92の上側に位置している。
【0059】
図9は規制部材9の斜視図である。規制部材9の環状部90は、
図9に示すように、矩形板状をなし、中央部に矩形状の開口90aを有する。開口90aを構成する一辺は、環状部90の外形をなす一辺と略平行をなしている。連結部92は、矩形板状をなして環状部90の外側の一辺から環状部90の板面に垂直な方向に突設されており、中央部に矩形状の開口92aが設けられている。
【0060】
連結部92の開口92aを構成する内側の一辺には、矩形板状をなす挿入部91の一辺が連結されている。挿入部91の板面は、連結部92の板面よりも下側に位置している。具体的には、挿入部91の板面は、連結部92の板面よりも、連結部92において環状部90が突設されている方向に位置している。なお、規制部材9についても、規制部材6と同様に、弾性を有してさえいれば、樹脂及び板金のいずれを用いても作成することができる。
【0061】
図10は規制部材9を取外したバックライト装置8の斜視図である。光学シート50は、覆体80における第1覆部80aの前側に配置されている。覆体80の第2覆部80bは、
図10に示すように、第1覆部80aよりも前側に延設されている部分と、第1覆部80aよりも前側に延設されていない部分とを有し、第2覆部80bには、前側に凹部80eが設けられている。
【0062】
更に、光学シート50の上辺の一部分は実施の形態1と同様に延設されており、光学シート50の延設部分は、覆体80の凹部80eに配置され、光学シート50の延設部分には、矩形状の貫通孔50aが設けられている。貫通孔50aの長手方向は、光学シート50の長手方向、即ち、左右方向と略一致している。覆体80の突出部80cは、矩形板状をなし、突出部80cの板面は光学シート50に略直交しており、突出部80cの板面に垂直な方向は上下方向に略一致している。突出部80cは、光学シート50の貫通孔50aにおける左右方向の中央部を挿通し、光学シート50の前側に突出している。
【0063】
覆体80の第2覆部80bは、
図10に示すように、長手方向が左右方向と略一致する矩形板状をなしており、第2覆部80bには矩形状の孔80dが設けられている。孔80dは、第2覆部80bにおいて、凹部80eの左右方向の中央部に対応する位置に設けられている。光学シート50が覆体80の前側に配置された場合において、孔80dは、光学シート50の貫通孔50aにおける左右方向の中央部と、突出部80cの左右方向の中央部に対応する。なお、
図8には、貫通孔50a、突出部80c及び孔80dの左右方向の中央部を通る上下方向の線における部分断面図が示されている。
【0064】
図11は、規制部材9を取付けたバックライト装置8の斜視図であり、
図12はバックライト装置8の一部を示す断面斜視図である。規制部材9は、
図11及び
図12に示すように、光学シート50の貫通孔50aを挿通した覆体80の突出部80cに開口90aを挿通させて環状部90と突出部80cとを係合し、矩形板状の挿入部91を、覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dに挿入することによって、光学シート50及び覆体80夫々に係合する。このとき、挿入部91の下面は放熱体55の上壁部55aに対向している。
【0065】
規制部材9の挿入部91が、覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dに挿入されることによって、規制部材9が覆体80に対して前後方向及び左右方向、即ち、第2覆部80bの面方向に移動することが防止されている。
【0066】
光学シート50の貫通孔50aにおける縦及び横の寸法は、覆体80における突出部80cの先端面の縦及び横の寸法よりも若干大きい。これにより、光学シート50の熱膨張を許容することができる。
【0067】
更に、規制部材9が光学シート50及び覆体80夫々に係合しているため、光学シート50は、覆体80に対して、上下方向及び左右方向に大きく移動することはない。光学シート50における上側の周縁部の一部分が規制部材9の環状部90と覆体80の第1覆部80aとのによって挟持されているため、光学シート50が上下方向及び左右方向に移動することが抑制され、光学シート50の面方向の移動が規制されている。また、光学シート50は、突出部80cの上下方向の距離と、光学シート50の貫通孔50aの上下方向の距離との差以上に上下方向に移動することはなく、突出部80cの左右方向の距離と、貫通孔50aの左右方向の距離との差以上に左右方向に移動することはない。
【0068】
光学シート50は、下方向に移動する場合、光学シート50の貫通孔50aの上側と、覆体80の突出部80cとが接触した後、下方向に更に移動することはない。また、光学シート50は、上方向に移動する場合、光学シート50の貫通孔50aの下側と、突出部80cとが接触した後、上方向に更に移動することはない。
【0069】
光学シート50は、左右方向に移動する場合、光学シート50の貫通孔50aの右側又は左側が、突出部80cの右側又は左側に接触した後、左方向又は右方向に更に移動することはない。
【0070】
以上のように、規制部材9は、光学シート50及び覆体80夫々を係合することによって光学シート50の面方向の移動を規制するので、表示装置7の振動、又は、表示装置7に加えられる衝撃等によって光学シート50が大きく移動することを防止することができる。従って、光学シート50が大きく移動して、表示パネル10に傷が付き、表示パネル10が表示する画像の品位が低下することはない。更に、規制部材9は、光学シート50と覆体80との係合によって、螺子を用いずに光学シート50の面方向の移動を規制することができ、バックライト装置8は安価である。また、螺子を螺合する空間を設ける必要がないため、バックライト装置8は小型である。また、小型で安価なバックライト装置8を備える表示装置7も小型で安価である。
【0071】
なお、実施の形態2において、規制部材9の環状部90に設けられた開口90aの形状は矩形状に限定されず、覆体80の突出部80cが挿通可能な形状であればよい。同様に、突出部80cの形状は矩形板状に限定されず、開口90aに挿通することが可能な形状であればよい。挿入部91の形状は、矩形板状に限定されず、覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dに挿入可能な形状であればよい。覆体80の第2覆部80bに設けられた孔80dの形状は矩形状に限定されず、挿入部91が挿入可能な形状であればよい。また、規制部材9は、環状部90と、挿入部91とが連結してある形状であればよく、連結部92は、開口92aが設けられた形状でなくてもよい。
【0072】
また、実施の形態1及び2において、導光板51の上端面に光を出射する光源は、LED53に限定されず、例えば冷陰極管であってもよい。