(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。また、以下の説明においては、図の紙面に向かって見た上下方向を構成要素の上部および下部として説明している場合がある。
【0016】
先ず、本発明の一態様の撮像ユニットおよび電子内視鏡について、図面に基づいて、以下に説明する。
【0017】
なお、
図1は、内視鏡の構成を示す図、
図2は撮像ユニットの構成を示す平面図、
図3は撮像ユニットの構成を示す側面図、
図4は金属部材の構成を示す斜視図、
図5は撮像ユニットの構成を示す分解斜視図、
図6は撮像ユニットの構成を示し、一方向から見た斜視図、
図7は撮像ユニットの構成を示し、他方向から見た斜視図である。
【0018】
先ず、
図1を参照して、本発明に係る撮像ユニット1を具備する内視鏡101の構成の一例を説明する。
【0019】
本実施形態の内視鏡101は、人体などの被検体内に導入可能であって被検体内の所定の観察部位を光学的に撮像する構成を有している。
【0020】
なお、内視鏡101が導入される被検体は、人体に限らず、他の生体であっても良いし、機械、建造物などの人工物であっても良い。
【0021】
内視鏡101は、被検体の内部に導入される挿入部102と、この挿入部102の基端に位置する操作部103と、この操作部103の側部から延出するユニバーサルコード104とで主に構成されている。
【0022】
挿入部102は、先端に配設される先端部110、この先端部110の基端側に配設される湾曲自在な湾曲部109およびこの湾曲部109の基端側に配設され操作部103の先端側に接続される可撓性を有する可撓管部108が連設されて構成されている。
【0023】
なお、内視鏡101は、挿入部102に可撓性を有する部位を具備しない、所謂硬性鏡と称される形態のものであってもよい。
【0024】
詳しくは後述するが、先端部110には、撮像ユニット1が設けられている。また、操作部103には、湾曲部109の湾曲を操作するためのアングル操作ノブ106が設けられている。
【0025】
ユニバーサルコード104の基端部には、外部装置120に接続される内視鏡コネクタ105が設けられている。内視鏡コネクタ105が接続される外部装置120は、モニタなどの画像表示部121にケーブルを介して接続されている。
【0026】
また、内視鏡101は、ユニバーサルコード104、操作部103および挿入部102内に挿通された複合ケーブル115および外部装置120に設けられた光源部からの照明光を伝送する光ファイバ束(不図示)を有している。
【0027】
複合ケーブル115は、内視鏡コネクタ105と撮像ユニット1とを電気的に接続するように構成されている。内視鏡コネクタ105が外部装置120に接続されることによって、撮像ユニット1は、複合ケーブル115を介して外部装置120に電気的に接続される。
【0028】
この複合ケーブル115を介して、外部装置120から撮像ユニット1への電力の供給および外部装置120と撮像ユニット1との間の通信が行われる。
【0029】
外部装置120には、画像処理部が設けられている。この画像処理部は、撮像ユニット1から出力された撮像素子出力信号に基づいて映像信号を生成し、画像表示部121に出力する。即ち、本実施形態では、撮像ユニット1により撮像された光学像(内視鏡像)が、映像として画像表示部121に表示される。
【0030】
なお、内視鏡101は、外部装置120または画像表示部121に接続する構成に限定されず、例えば、画像処理部またはモニタの一部または全部を有する構成であっても良い。
【0031】
また、光ファイバ束は、外部装置120の光源部から発せられた光を、先端部110の照明光出射部としての照明窓まで伝送するように構成されている。さらに、光源部は、内視鏡101の操作部103または先端部110に配設される構成であってもよい。
【0032】
次に、先端部110に設けられる撮像ユニット1の構成を説明する。なお、以下の説明においては、撮像ユニット1から被写体へ向かう方向(各図において左方)を先端、前方または物体側と称し、その反対の方向を基端、後方または像側と称する場合がある。
【0033】
本実施の形態の撮像ユニット1は、
図2および
図3に示すように、前方となる物体側から順に、レンズホルダ2、撮像素子保持枠3、撮像素子4および回路基板5を有して主に構成されている。
【0034】
レンズホルダ2内には、ここでは図示しない対物光学系としての複数の対物レンズ群が配設されている。なお、レンズホルダ2は、撮像素子保持枠3と嵌合されている。
【0035】
撮像素子保持枠3は、透明なガラス板などの図示しない光学部材を像側で保持し、この光学部材の像側に撮像素子4の受光部を保護する透明な図示しないカバーガラスなどが光学接着剤を介して接続されることで、撮像素子4を接合保持している。
【0036】
撮像素子4は、ここでは一辺が2.0mm程度の非常に小型な矩形状の電子部品である。この撮像素子4は、入射される撮影光軸Oで示す光に応じた電気信号を所定のタイミングで出力する複数の素子が面状の受光部に配列されたものであり、例えば一般にCCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサなどと称される形式、あるいはその他の各種の形式が適用されている。この撮像素子4は、基端側となる背面が回路基板5と接合されている。
【0037】
回路基板5は、断面T字状をしており、基材がガラスエポキシ樹脂またはセラミックの積層基板から構成された多層基板である。この回路基板5は、撮像素子4の背面に面接合され、撮像素子4の背面と略同一面積を有する接合基板部5aと、この接合基板部5aの略中央から後方に延設され、複数の電子部品6が実装された板状ブロックの積層基板部5bと、を有している。即ち、回路基板5は、撮像素子4の外枠の投影面積内に収まっている。
【0038】
積層基板部5bの表裏面には、複数の信号線7の芯線が半田などのろう材によって接続される複数の信号線用ランド9aと、後述するシールド接続部材としての金属部材10(
図4参照)が半田などのろう材によって電気的に接続される2つのグランド用ランド9bとが配設されている。
【0039】
即ち、回路基板5は、複合ケーブル115から延設された撮像信号、駆動信号などを授受する複数の信号線7が複数の信号線用ランド9aに半田などのろう材によって電気的に接続されている。なお、ここでの信号線7は、同軸ケーブルが用いられている。
【0040】
そして、回路基板5は、複合ケーブル115および複数の信号線7の網組シールドおよびグランド線が束ねられたグランド用シールド配線としてのシールド束8が金属部材10を介してグランド用ランド9bと電気的に接続されている。このシールド束8は、網組シールドおよびグランド線が束ねられているため、複数の信号線7よりも太径である。
【0041】
なお、回路基板5における、接合基板部5aの表裏面から積層基板部5bの表裏面の段差dは、シールド束8の外径(直径)Dよりも小さく(d<D)に設定されている。また、積層基板部5bの高さ(厚さ)hは、シールド束8の外径(直径)D以上(h≧D)に設定されている(
図5参照)。
【0042】
金属部材10は、
図4に示すように、ステンレスにニッケルメッキなどした略T字状の1枚の板金部材を断面コの字状に折り曲げて、基板接続部としての第1、第2の端子部10a,10bが形成され、これら第1、第2の端子部10a,10bに対して略直交する方向に延設され、シールド束8の先端が半田などによって電気的に接続される板状の配線接続部10cが形成されている。
【0043】
即ち、金属部材10は、第1、第2の端子部10a,10bが配線接続部10cの一端部側において、板面に対して略直交する同一方向に折り曲げられている。
【0044】
この金属部材10は、長手方向の幅W(配線接続部10cの長さ)が積層基板部5bの幅wよりも小さく(W<w)、且つ、短手方向の高さH(配線接続部10cの幅)が積層基板部5bの高さ(厚さ)hよりも小さく(H<h)設定されている。即ち、金属部材10も、撮像素子4の外枠の投影面積内に収まっている。
【0045】
このように構成された金属部材10は、
図5から
図7(なお、
図6および
図7では複数の信号線7を図示せず省略している)に示すように、回路基板5の積層基板部5bの基端面側から、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bの表裏面を挟み込むように固定される。
【0046】
即ち、金属部材10は、第1、第2の端子部10a,10bが対向する離間距離が積層基板部5bの厚みに対して若干小さく設定されており、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bを挟み込んだときのばね力によって積層基板部5bに固定される。
【0047】
そのため、金属部材10は、配線接続部10cが積層基板部5bの表裏面に対して、所定の角度、ここでは略直角(≒90°)となって固定される。
【0048】
なお、金属部材10は、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bの表裏面に配設されたグランド用ランド9bの一部を覆うように接触して電気的に接続する位置に積層基板部5bに固定される。
【0049】
そして、第1、第2の端子部10a,10bが覆うように電気的に接続された各グランド用ランド9bは、露出する部分に半田などのろう材が流されて、第1、第2の端子部10a,10bと強固に接続される。
【0050】
また、金属部材10の配線接続部10cには、シールド束8の先端が半田などのろう材を用いて電気的に接続される。なお、シールド束8は、複合ケーブル115および複数の信号線7の網組シールドおよびグランド線を束ねた後、それらがバラけないように半田などのろう材が予め染み込まされている。
【0051】
なお、金属部材10は、回路基板5へ固定する手順として、第1、第2の端子部10a,10bが各グランド用ランド9bと電気的に接続させて積層基板部5bに固定した後、シールド束8を配線接続部10cに接続してもよいし、予めシールド束8を配線接続部10cに接続してから、第1、第2の端子部10a,10bが各グランド用ランド9bと電気的に接続するように積層基板部5bに固定してもよい。
【0052】
そして、撮像ユニット1は、回路基板5の積層基板部5bに設けられた複数の信号線用ランド9aに複数の信号線7の芯線が半田などのろう材によって接続される。
【0053】
以上に説明したように構成された本実施の形態の撮像ユニット1は、シールド束8が複合ケーブル115および複数の信号線7の網組シールドおよびグランド線を束ねることで太径となってしまっても、金属部材10を介して、回路基板5の積層基板部5bに設けられたグランド用ランド9bと電気的に接続することができる。
【0054】
これにより、回路基板5は、積層基板部5bに配設するグランド用ランド9bをシールド束8の外径に合わせて大きくする必要がなくなり、制約された積層基板部5bのスペースに有効的に配置することができる。
【0055】
即ち、回路基板5は、積層基板部5bに大きなグランド用ランド9bを設けるスペースが必要無くなると共に、複数の信号線7の芯線が接続される複数の信号線用ランド9aおよび金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bが接続されるグランド用ランド9bが回路基板5の積層基板部5bの表裏面に効率よく配置できるため小型化することができる。
【0056】
特に、回路基板5の積層基板部5bに大きなグランド用ランド9bを設けなくて良くなるため、長さを短くすることができる。その結果、撮像ユニット1が小型化できる。
【0057】
さらに、シールド束8は、半田などのろう材を染み込ませて硬くなった状態でも、複合ケーブル115の先端から略直線状に延出して、金属部材10の配線接続部10cに接続されるため、従来のようにグランド用ランド9bに接続するために回路基板5の周囲で引き回す必要がなく、撮像ユニット1の全体の外形を小さくすることができる。
【0058】
同様に、複数の信号線7も、シールド束8が回路基板5の周囲で引き回されないため、複数の信号線用ランド9aに接続するために回路基板5の周囲で引き回すスペースに余裕ができ、撮像ユニット1の全体の外形が小さくなる。
【0059】
これにより、撮像ユニット1は、撮像素子4の外枠の投影面積内に複数の信号線7およびシールド束8が収まるようになる(
図2および
図3参照)。その結果、撮像ユニット1が小型化できる。
【0060】
特に、撮像ユニット1は、
図5を用いて説明した、回路基板5、シールド束8および金属部材10の各種寸法関係を満たすことで、撮像素子4の外枠の投影面積内に複数の信号線7およびシールド束8が収まるようになり、小型化の効果がある。
【0061】
さらに、撮像ユニット1は、太いシールド束8を引き回すために曲げる必要がないため、回路基板5の積層基板部5bの基端面から複数の信号線7およびシールド束8が延出する複合ケーブル115の端面の距離を短くすることができる。その結果、撮像ユニット1が小型化できる。
【0062】
また、シールド束8は、太径としても回路基板5の周囲で引き回す必要が無いため、組み付け易く、積層基板部5bのグランド用ランド9bとの接続に負荷をかけることも防止される。
【0063】
以上により、本実施の形態の撮像ユニット1は、小型化できるため、内視鏡101の挿入部102の先端部110に内蔵される構成において、先端部110も小型となり、挿入部102の細径化にも寄与する構成とすることができる。
【0064】
なお、金属部材10は、2つの第1、第2の端子部10a,10bに限定されることなく、複数であればグランド用ランド9bに接触して接続される端子部が2つ以上であってもよい。
【0065】
(変形例)
撮像ユニット1は、以下に説明する種々の変形例の構成としてもよい。なお、以下に説明する各種変形例において、それぞれの構成を組み合わせることもできることは勿論である。
【0066】
(第1の変形例)
図8は、第1の変形例の撮像ユニットの構成を示す斜視図である。なお、
図8では、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0067】
本変形例の撮像ユニット1では、
図8に示すように、回路基板5の積層基板部5bの基端面にポリイミドテープなどの絶縁テープ11が貼着されている。このように積層基板部5bの基端面に絶縁テープ11を設けることで、金属部材10の配線接続部10cが覆うように、配線接続部10cと積層基板部5bとの間に介装され、金属部材10と積層基板部5bとの絶縁性を確保することができる。
【0068】
(第2の変形例)
図9は、第2の変形例の撮像ユニットの構成を示す分解斜視図、
図10は撮像ユニットの構成を示す斜視図である。なお、
図10でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0069】
本変形例の撮像ユニット1では、
図9に示すように、回路基板5の積層基板部5bの基端面にもグランド用ランド9cが設けられている。このグランド用ランド9cには、
図10に示すように、金属部材10の配線接続部10cが覆うように配設され、半田などのろう材によって配線接続部10cが固定されて電気的に接続される。
【0070】
このように積層基板部5bの基端面にも金属部材10と電気的に接続されるグランド用ランド9cを設けることで、積層基板部5bのランド形成面としての表裏面に設けられたグランド用ランド9bのみと電気的に接続される金属部材10に比して、回路基板5と金属部材10のグランドライン接続の抵抗が低減され導通性が向上すると共に、積層基板部5bへの金属部材10への固定強度も向上させることができる。
【0071】
(第3の変形例)
図11は、第3の変形例の金属部材の構成を示す斜視図、
図12は撮像ユニットの構成を示す斜視図である。なお、
図12でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0072】
本変形例の撮像ユニット1では、
図11に示すように、金属部材10の配線接続部10cに複数、ここでは3つの孔部10dを穿孔した構成となっている。そして、金属部材10は、
図12に示すように、回路基板5の積層基板部5bの基端面に装着される。
【0073】
このように金属部材10の配線接続部10cに複数の孔部10dを形成することで、シールド束8と配線接続部10cとの接続時に半田などのろう材が複数の孔部10dに流れ込みシールド束8と配線接続部10cとの接続作業性が向上する。
【0074】
(第4の変形例)
図13は、第4の変形例の金属部材の構成を示す斜視図、
図14は撮像ユニットの構成を示し、一方向から見た斜視図、
図15は撮像ユニットの構成を示し、他方向から見た斜視図である。なお、
図14および
図15でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0075】
本変形例の撮像ユニット1では、
図13に示すように、金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bが配線接続部10cの板面における対角方向の端部位置に設けられ、これら第1、第2の端子部10a,10bが配線接続部10cの板面に対して略直交する同一方向に折り曲げられている。
【0076】
ここでの、金属部材10は、
図14および
図15に示すように、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bの表裏面に配設されたグランド用ランド9bの一部を覆うように接触して電気的に接続する位置に積層基板部5bに固定される。ここでも、金属部材10は、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bを挟み込んだときのばね力によって積層基板部5bに固定される。
【0077】
そして、ここでも第1、第2の端子部10a,10bが覆うように電気的に接続された各グランド用ランド9bは、露出する部分に半田などのろう材が流されて、第1、第2の端子部10a,10bと強固に接続される。
【0078】
なお、ここでの積層基板部5bの表裏面の2つのグランド用ランド9bは、金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bが接触する積層基板部5bの表裏面に直交する面の対角方向に設けられている。
【0079】
このように金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bを配線接続部10cの対角方向の端部位置に設けた構成により、回路基板5の金属部材10の固定強度を向上させることができる。
【0080】
(第5の変形例)
図16は、第5の変形例の金属部材の構成を示す斜視図、
図17は撮像ユニットの構成を示す斜視図である。なお、
図17でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0081】
本変形例の撮像ユニット1では、
図16に示すように、金属部材10の配線接続部10cを中途部分から第1、第2の端子部10a,10bが折り曲げられた延設方向とは逆方向に略直角(90°)に折り曲げられている。
【0082】
ここでの、金属部材10は、
図17に示すように、配線接続部10cが基端方向に延出するように積層基板部5bに固定されるため、シールド束8を長手軸方向に沿わせて配線接続部10cに半田などのろう材によって接続固定することができる。
【0083】
このように、回路基板5に固定される金属部材10の配線接続部10cを回路基板5の基端方向に延出する構成とすることで、配線接続部10cへのシールド束8の接続作業性および接続強度を向上させることができる。
【0084】
(第6の変形例)
図18は、第6の変形例の金属部材の構成を示す斜視図、
図19は撮像ユニットの構成を示す斜視図である。なお、
図19でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0085】
本変形例の撮像ユニット1では、
図18に示すように、金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bが配線接続部10cの同一の辺の両端部位置に設けられ、これら第1、第2の端子部10a,10bが配線接続部10cの板面に対して略直交する同一方向に折り曲げられている。
【0086】
ここでの、金属部材10は、
図19に示すように、第1、第2の端子部10a,10bが積層基板部5bの1つのランド形成面(一表面)に配設された2つのグランド用ランド9bの一部を覆うように接触して電気的に接続する位置に積層基板部5bに固定される。
【0087】
そして、ここでも第1、第2の端子部10a,10bが覆うように電気的に接続された各グランド用ランド9bは、露出する部分に半田などのろう材が流されて、第1、第2の端子部10a,10bと強固に接続される。
【0088】
なお、ここでの積層基板部5bの2つのグランド用ランド9bは、金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bが接触する積層基板部5bの1つのランド形成面(一表面)に設けられている。
【0089】
このように金属部材10の第1、第2の端子部10a,10bを配線接続部10cの同一の辺の両端部位置に設けて、これら第1、第2の端子部10a,10bが電気的に接続されるグランド用ランド9bを積層基板部5bの1つのランド形成面に設けた構成により、2つのグランド用ランド9bとは別に回路基板5の積層基板部5bの表裏面に設ける電子部品6および信号線用ランド9aのレイアウトの自由度が向上する。
【0090】
(第7の変形例)
図20は、第7の変形例の金属部材の構成を示す斜視図である。なお、
図20でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0091】
本変形例の撮像ユニット1では、
図20に示すように、金属部材10の端子部10eが配線接続部10cの側部の一端部から延設されており、この端子部10eが回路基板5の積層基板部5bに設けられた実装部品である電子部品6のグランド用端子6aに接続されている。
【0092】
なお、端子部10eは、電子部品6のグランド用端子6aに接触して接続できるように折り曲げられる。そして、端子部10eは、グランド用端子6aと半田などのろう材によって接続固定される。
【0093】
このように金属部材10を電子部品6のグランド用端子6aに直接接続することで、積層基板部5bにグランド用ランド9bを設ける必要がなくなるため、積層基板部5bのランド面の面積を小さくすることができる。
【0094】
なお、金属部材10は、端子部10eを2つ以上備え、積層基板部5bの背面側に設けられた電子部品6のグランド用端子6aとも接続する構成としてもよい。
【0095】
(第8の変形例)
図21は、第8の変形例の金属部材の構成を示す斜視図である。なお、
図21でも、複数の信号線7を図示せず省略している。
【0096】
本変形例の撮像ユニット1では、
図21に示すように、回路基板5の積層基板部5bの一部を矩形状に切り欠いた欠損部5cを有し、金属部材10が欠損部5cによって形成された積層基板部5bの側面に配置されている。
【0097】
積層基板部5bの側面に固定される金属部材10の配線接続部10cは、その表面がシールド束8を長手軸方向に沿った状態となる。そのため、シールド束8は、配線接続部10cに沿わせて半田などのろう材によって接続固定することができる。
【0098】
このように、金属部材10の配線接続部10cの表面がシールド束8を長手軸方向に沿って回路基板5に固定されるため、配線接続部10cへのシールド束8の接続作業性および接続強度を向上させることができると共に、の積層基板部5bの基端面から複数の信号線7およびシールド束8が延出する複合ケーブル115の端面の距離を短くすることができる。
【0099】
なお、上述した実施の形態および変形例の撮像ユニット1は、所謂縦置きタイプの撮像素子4を例示したが、例えば、プリズムなどの反射部材を用いて屈折させた撮影光を検出する、所謂横置きタイプの構成にも適用可能である。
【0100】
以上の各実施の形態に記載した発明は、それら実施の形態および変形例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0101】
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【0102】
本出願は、2014年9月18日に日本国に出願された特願2014−190334号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、および図面に引用されたものである。
撮像ユニット1は、被写体像を検出する撮像素子4と電気的接続され、少なくとも表面にランド9bを有する回路基板5と、導電性を有し、回路基板5に固定される接続部材10と、接続部材10に設けられた配線接続部10cと、配線接続部10cの側部から折り曲げられて延設され、ランド9bに電気的に接続される基板接続部10a,10bと、配線接続部10cに接続され、接続部材10を介してランド9bと電気的に接続される配線8と、を具備する。