(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、ボタン操作等に加えてワイヤー操作でもロック解除することが可能な折り畳み式のヘッドレストでありながら、ヘッドレストステーを容易に形成することができ、且つ、ヘッドレストステーの強度を維持することもできるヘッドレストを提供するものである。また、ヘッドレストステーの中空パイプの径やピッチ等の仕様に変更があった場合にも容易に対応することができるヘッドレストを提供することも本発明の目的である。さらに、ワイヤー操作によるロック解除を小さな操作力で行うことができるヘッドレストを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、
使用時には起立姿勢とし、不使用時には前方へ回動した格納姿勢として後方視界の妨げを防ぐことができるヘッドレストであって、
第一係止部と第二係止部とが設けられた左右一対の側壁部を有する断面U字状の固定部材と、
ロック解除バー挿入孔が設けられた左右一対の側壁部を有する断面U字状の回動部材と、
固定部材に対して回動部材を回動可能に結合するための第一結合ピンと、
第一係止部に係止されて回動部材の前方回動を規制する第一被係止部と、第二係止部に係止されて回動部材の後方回動を規制する第二被係止部とが、下端縁における左部及び右部に設けられ、下端縁における左部又は右部の少なくとも一方にワイヤー取付部が設けられたロックプレートと、
回動部材に対してロックプレートを回動可能に結合するための第二結合ピンと、
回動部材を前方へ回動するように常時付勢するための回動部材付勢バネと、
第一被係止部及び第二被係止部が第一係止部及び第二係止部に係止される向きにロックプレートを常時付勢するためのロックプレート付勢バネと、
をユニット化したユニット部材と、
上面が開放された断面U字状を為す連結部材と、連結部材の左端部と右端部とに溶接されて下向きに突出する左右一対の中空パイプとで構成されたヘッドレストステーと、
回動部材におけるロック解除手段挿入孔に挿入されるロック解除バーを有し、ロック解除バーを左右方向にスライド操作することによってロックプレートのロック解除を行う第一ロック解除手段(ロック解除ボタン又はロック解除レバー)と、
ヘッドレストステーにおける中空パイプ内に挿通され、その上端部が回動部材におけるワイヤー取付部に連結されたロック解除ワイヤーを有し、ロック解除ワイヤーを引張操作することによってロックプレートのロック解除を行う第二ロック解除手段と、
を備え、
ヘッドレストステーにおける連結部材をユニット部材における固定部材に溶接結合することによって機構部が形成され、
第一ロック解除手段の操作に加えて、第二ロック解除手段の操作によっても、ロックプレートのロックを解除してヘッドレストを格納姿勢とすることができるようにしたことを特徴とするヘッドレスト
を提供することによって解決される。
【0008】
本発明のヘッドレストは、第一ロック解除手段(ロック解除ボタン又はロック解除レバー)の操作(ボタン操作等)に加えて、第二ロック解除手段の操作(ワイヤー操作)によっても、ロックプレートのロックを解除することが可能なものとなっている。また、ヘッドレストステーは、その連結部材が上面を開放された断面U字状を為す部材からなっているため、その連結部材を単純なチャンネル鋼(断面U字状のアングル鋼)等で構成することも可能となっている。このため、連結部材の強度を高めることが容易となっている。加えて、ヘッドレストステーのコーナー部分にワイヤー引出穴を設けなくても、ロック解除ワイヤーを上方へ引き出すことが可能である等、ヘッドレストステーの形成も容易となっている。さらに、ヘッドレストにおける固定部材や回動部材やロックプレート等の複数部材をユニット化し、ヘッドレストステーとは別に構成可能としたため、ヘッドレストステーの中空パイプの形やピッチ等の仕様に変更があった場合にも容易に対応することが可能となっている。さらにまた、ロック解除ワイヤーでロックプレートの下端縁を引っ張ることでロック解除されるようにしたため、テコの原理で小さな操作力でロック解除することも可能となっている。
【0009】
本発明のヘッドレストにおいては、ユニット部材をその内部に収容する樹脂カバーを備え、ヘッドレストステーにおける連結部材の左端部及び右端部に、側面視円弧状の外面を有する樹脂ピースからなる指詰め防止カバーを嵌め込むことで、樹脂カバーとヘッドレストステーとの隙間における指詰めを防止することも好ましい。折り畳み式のヘッドレストにおいては、樹脂カバーとヘッドレストステーとの隙間に子供が指を入れる等して指を詰める虞もあるところ、このような事故の発生を防止することが可能になる。
【0010】
本発明のヘッドレストにおいては、回動部材に溶接固定されたサポート取付軸体と、サポート取付軸体に回動可能な状態で結合されたサイドサポートとを備え、サイドサポートを回動させることで、その使用位置の調節を可能とすることも好ましい。これにより、使用者の頭部を、使用者の体型や姿勢に合ったより適切な状態でヘッドレストでサポートすることが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によって、ボタン操作等に加えてワイヤー操作でもロック解除することが可能な折り畳み式のヘッドレストでありながら、ヘッドレストステーを容易に形成することができ、且つ、ヘッドレストステーの強度を維持することもできるヘッドレストを提供することが可能になる。また、ヘッドレストステーの中空パイプの形やピッチ等の仕様に変更があった場合にも容易に対応することができるヘッドレストを提供することも可能になる。さらに、ワイヤー操作によるロック解除を小さな操作力で行うことができるヘッドレストを提供することも可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るヘッドレストの好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、第一実施態様から第三実施態様までの3つの実施態様を例に挙げて本発明に係るヘッドレストを説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、適宜変更を施すことができる。
【0014】
1.第一実施態様のヘッドレスト
図1は、第一実施態様のヘッドレストを分解した状態を示した斜視図である。
図1及び後述する
図2,3においては、ロック解除ワイヤー101(第二ロック解除手段110)を網掛けハッチングでハイライトして描くとともに、ロック解除ワイヤー101における他の部材に隠れて見えない部分は破線で描いている。
図2は、第一実施態様のヘッドレストを前方から見た状態(同図(a))及び側方から見た状態(同図(b))を示した図である。
図2(a),(b)は、ヘッドレストの内部を透視した状態に描いており、
図2(b)における樹脂カバー110は、その断面で描いている。
図3は、第一実施態様のヘッドレストにおける機構部の動作を説明する図である。
図3(a),(b),(c)は、各状態におけるヘッドレストの機構部を側方から見た状態を示しており、樹脂カバー110(
図1)等の一部の部材を省略した状態で描いている。
図4は、第一実施態様のヘッドレストにおける第一ロック解除手段90の動作を説明する図である。
図4(a),(b)は、ロック時(ロック解除ボタン92の非操作時)における第一ロック解除手段90及びロックプレート40の様子を示したものであって、
図4(a)は、ロック解除バー91の長手方向に平行な方向から見た状態を、
図4(b)は、ロック解除バー91の中心線を通る鉛直面で切断した断面を示している。
図4(c),(d)は、ロック解除時(ロック解除ボタン92の操作時)における第一ロック解除手段90及びロックプレート40の様子を示したものであって、
図4(c)は、ロック解除バー91の長手方向に平行な方向から見た状態を、
図4(d)は、ロック解除バー91の中心線を通る鉛直面で切断した断面を示している。
【0015】
第一実施態様のヘッドレストは、使用時には起立姿勢(
図3(a)に示す第一使用位置又は
図3(b)に示す第二使用位置)としながらも、不使用時には前方へ回動した格納姿勢(
図3(c)に示す格納位置)として後方視界の妨げを防ぐことができるものとなっている。このヘッドレストは、格納位置(
図3(c))にあるときには、その上部がシートバックから前方に突出した状態となるため、不適正な状態(第一使用位置や第二使用位置にない状態)での使用を防止することも可能となっている。第一使用位置(
図3(a))は、通常、シートバックの非リクライニング時に採用され、第二使用位置(
図3(b))は、通常、シートバックのリクライニング時に採用される。
【0016】
第一実施態様のヘッドレストは、
図1に示すように、固定部材10と、回動部材20と、第一結合ピン30と、ロックプレート40と、第二結合ピン50と、回動部材付勢バネ60と、ロックプレート付勢バネ70とがユニット化されたユニット部材を備えている。
【0017】
固定部材10は、第一係止部11と第二係止部12と第一結合ピン挿通孔15とが設けられた左右一対の側壁部を有する断面U字状の部材である。第一係止部11は、後述するロックプレート40の第一被係止部41を係止するための部分となっている。第一実施態様のヘッドレストにおいては、第一係止部11として、ヘッドレストが第一使用位置にあるときに第一被係止部41を係止するための第一係止部11aと、ヘッドレストが第二使用位置にあるときに第一被係止部41を係止するための第一係止部11bとの2つを設けている。一方、第二係止部12は、後述するロックプレート40の第二被係止部42を係止するための部分となっている。第一実施態様のヘッドレストにおいては、第二係止部12として、ヘッドレストが第一使用位置にあるときに第二被係止部42を係止するための第二係止部12aと、ヘッドレストが第二使用位置にあるときに第二被係止部42を係止するための第二係止部12bとの2つを設けている。
【0018】
回動部材20は、第一結合ピン挿通孔25(回動部材20における、固定部材10の第一結合ピン挿通孔15と同軸上に重なる位置に設けられる。)と、第二結合ピン挿通孔26とが設けられた左右一対の側壁部を有する断面U字状の部材である。回動部材20における少なくとも一方の側壁部には、ロック解除バー挿入孔21と外筒取付部27とが設けられている。この回動部材20は、その左右一対の側壁部が固定部材10における左右一対の側壁部の内側となる状態で配される。
【0019】
第一結合ピン30は、固定部材10の第一結合ピン挿通孔15と回動部材20の第一結合ピン挿通孔25に挿通される軸状の部材である。この第一結合ピン30によって、回動部材20の下部は、固定部材10の前部に対して、第一結合ピン30の中心線C1(
図3)を中心として回動可能な状態で結合される。
【0020】
ロックプレート40は、第一被係止部41と、第二被係止部42と、第二結合ピン挿通孔46(ロックプレート40における、回動部材20の第二結合ピン挿通孔26と同軸上に重なる位置に設けられる。)とが、下端縁における左部及び右部に設けられ、下端縁における左部又は右部の少なくとも一方にワイヤー取付部47が設けられた部材である。第一被係止部41は、固定部材10の第一係止部11に係止されることで、回動部材20の前方回動を規制する部分となっている。第二被係止部42は、固定部材10の第二係止部12に係止されることで、回動部材20の後方回動を規制する部分となっている。ロックプレート40の上端縁には、左右一対の側壁部が設けられている。このロックプレート40は、その左右一対の側壁部が回動部材20における左右一対の側壁部の内側となる状態で配される。ロックプレート40の左右一対の側壁部における、回動部材20の第二結合ピン挿通孔26と同軸上に重なる位置には、第二結合ピン挿通孔46が設けられている。
【0021】
第二結合ピン50は、回動部材20の第二結合ピン挿通孔26とロックプレート40の第二結合ピン挿通孔46に挿通される軸状の部材である。この第二結合ピン50によって、ロックプレート40の上部(前部)は、回動部材20の上部に対して、第二結合ピン50の中心線C2(
図3)を中心として回動可能な状態で結合される。第一実施態様のヘッドレストにおいて、第二結合ピン50は、ヘッドレストフレーム130の下部と連続する形態で設けている。
【0022】
回動部材付勢バネ60は、回動部材20(ヘッドレスト)が前方へ回動するように回動部材20を常時付勢するためのバネ部材である。第一実施態様のヘッドレストにおいては、回動部材付勢バネ60としてコイルバネを用いているが板バネ等で代用することもできる。
【0023】
ロックプレート付勢バネ70は、ロックプレート40がロックされる向き(第一被係止部41や第二被係止部42が第一係止部11や第二係止部12に係止される向き)にロックプレート40を常時付勢するためのバネ部材である。第一実施態様のヘッドレストにおいては、ロックプレート付勢バネ70としてコイルバネを用いているが板バネ等で代用することもできる。
【0024】
第一実施態様のヘッドレストは、
図1に示すように、上記のユニット部材を構成する各部材に加えて、ヘッドレストステー80と、第一ロック解除手段90と、第二ロック解除手段100も備えている。後述するヘッドレストステー80における連結部材81を上記のユニット部材における固定部材10に溶接結合することによって、第一実施態様のヘッドレストの機構部が形成される。
【0025】
ヘッドレストステー80は、上面が開放された断面U字状を為す連結部材81と、連結部材81の左端部と右端部とに溶接されて下向きに突出する左右一対の中空パイプ82,83とで構成されている。第一実施態様のヘッドレストにおいては、連結部材81として、断面ハット型のチャンネル鋼を用いており、連結部材81の強度を高めている。一方、中空パイプ82,83としては、その表面にメッキ加工が施された円筒状の金属パイプを用いている。第一実施態様のヘッドレストにおけるヘッドレストステー80は、安価で容易に入手することができる連結部材81と中空パイプ82,83とを溶接接合しただけのものであり、安価で容易に形成することに加えて、上記のユニット部材(固定部材10や回動部材20やロックプレート60等)とは別に構成したため、中空パイプ82,83の径やピッチ等の仕様に変更があった場合であっても、容易に対応することが可能なものとなっている。また、中空パイプ82,83にメッキ加工を施した後に連結部材81を溶接結合することが可能であるため、連結部材81にまでメッキ加工を施す必要がなくなる。このため、メッキ加工に伴うコストを削減することや、ヘッドレストの生産性を向上することも可能になる。
【0026】
第一ロック解除手段90は、回動部材20におけるロック解除手段挿入孔21に挿入されるロック解除バー91と、ロック解除バー91の一端部に設けられたロック解除ボタン92とを有するものとなっている。ロック解除バー91の先端部には、ロック解除カム91aが形成されている。このため、ロック解除ボタン92を操作してロック解除バー91を左右方向にスライドさせると、
図4に示すように、ロック解除カム91aがロックプレート40の下面(ロック解除カム当接部40a)に当接してロックプレート40を押し上げることで、ロックプレート40がロックプレート付勢バネ70の付勢力に抗ってロック解除方向に回動するようになっている。ロック解除ボタン92の代わりに、レバー状の操作部(ロック解除レバー)を設けてもよい。
【0027】
第二ロック解除手段100は、
図1に示すように、ヘッドレストステー80における一方の中空パイプ83内に挿通されたロック解除ワイヤー101を有し、ロック解除ワイヤー101を引張操作することによってロックプレート40のロック解除を行うものとなっている。ロック解除ワイヤー101の上端側は、中空パイプ83の上端開口及び連結部材81の上面開口を通じて、連結部材81の上方に引き出され、ロック解除ワイヤー101の下端側は、中空パイプ83の下端開口を通じて、下方に引き出される。ロック解除ワイヤー101は、いわゆるブレーキワイヤーの構造を有しており、具体的には、外筒101aと、外筒101a内に挿入されて外筒101aに対して長手方向に移動可能なワイヤー101bとで構成されている。外筒101aの上端部は、回動部材20における外筒取付部27に取り付けられている。一方、ワイヤー101bの上端部は、ロックプレート40におけるワイヤー取付部47に連結され、ワイヤー101bの下端部は、図示省略の座席の脇部に設けられた操作部(レバー等)に連結される。このため、当該操作部を操作すると、ワイヤー取付部47がワイヤー101bによって引っ張られ、ロックプレート40がロックプレート付勢バネ70の付勢力に抗ってロック解除方向に回動するようになっている。
【0028】
ところで、第一実施態様のヘッドレストは、
図1に示すように、上記のユニット部材を覆った状態に収容するための樹脂カバー110と、左右一対の指詰め防止カバー121,122とをさらに備えている。
【0029】
樹脂カバー110は、ユニット部材の左側を覆う左側カバー111と、ユニット部材の右側を覆う右側カバー112とからなる左右分割式のものとなっている。樹脂カバー110の外面は、図示省略の表皮によって覆われる。当該表皮の内面と、樹脂カバー110の外面との隙間には、発泡ポリウレタン等からなるクッション材(図示省略)が配される。樹脂カバー110には、第一ロック解除バー91をスライド可能な状態で保持するためのホルダ部材93を嵌め込むためのホルダ部材嵌込孔110aが設けられている。ホルダ部材93の内部には、ロック解除バー91を外方へ常時付勢するためのロック解除バー付勢バネ94が収容されている。このため、ロック解除ボタン92を押し込むと、ロックプレート40のロックが解除されるものの、ロック解除ボタン92から手を離すと、ロック解除バー91が初期位置に自動的に復帰して、ロックプレート40がロック状態となるようになっている。
【0030】
一方、指詰め防止カバー121,122は、いずれも、側面視円弧状の外面を有する樹脂ピースからなっており、
図2(a)に示すように、それぞれ、ヘッドレストステー80における連結部材81の左端部及び右端部に嵌め込まれるようになっている。この指詰め防止カバー121,122によって、樹脂カバー110とヘッドレストステー80との間(
図2(a)におけるA部やB部)に隙間が形成されないようにして、樹脂カバー110とヘッドレストステー80との間における指詰めを防止することができるようになっている。
【0031】
以上で述べた第一実施態様のヘッドレストは、第一ロック解除手段90の操作に加えて、第二ロック解除手段100の操作によっても、ロックプレート40のロックを解除することができるようになっている。具体的には、第一ロック解除手段90又は第二ロック解除手段100のいずれかを操作することによって、ヘッドレストの位置を、後述する第一使用位置と第二使用位置と格納位置とで切り替えることができるようになっている。
【0032】
まず、
図3(a)に示すように、ヘッドレストが第一使用位置にあるときには、ロックプレート40の第一被係止部41が、固定部材10の第一係止部11aに係止された状態となっているため、回動部材10(ヘッドレスト)の前方回動が規制された状態となっている。また、ロックプレート40の第二被係止部42が、固定部材10の第二係止部12aに係止された状態となっているため、回動部材10(ヘッドレスト)の後方回動も規制された状態となっている。
【0033】
図3(a)に示す状態において、第一ロック解除手段90(
図1)又は第二ロック解除手段100を操作(ロック解除操作)すると、ロックプレート40がロック解除方向に回動し、第一被係止部41及び第二被係止部42が、それぞれ第一係止部11a及び第二係止部12aから外れた状態となる。回動部材20は、回動部材付勢バネ60(
図1)によって常時前方へ付勢されているため、ロック解除されたときのヘッドレストを手や頭等で支えていない場合には、ヘッドレストは、
図3(c)に示す格納位置まで一気に回動する。一方、ヘッドレストが
図3(b)に示す第二使用位置付近まで移動したときに、ロック解除操作を解除する(操作力を加えていた第一ロック解除手段90(
図1)又は第二ロック解除手段100から手を離す)と、ヘッドレストは、
図3(b)に示す第二使用位置で停止した状態となる。
【0034】
ヘッドレストが
図3(b)に示す第二使用位置にあるときには、ロックプレート40の第一被係止部41が、固定部材10の第一係止部11bに係止されて、回動部材10(ヘッドレスト)の前方回動が規制された状態となる。また、ロックプレート40の第二被係止部42が、固定部材10の第二係止部12bに係止されて、回動部材10(ヘッドレスト)の後方回動も規制された状態となる。
【0035】
図3(b)に示す状態において、第一ロック解除手段90(
図1)又は第二ロック解除手段100を操作すると、ロックプレート40がロック解除方向に回動し、第一被係止部41及び第二被係止部42が、それぞれ第一係止部11b及び第二係止部12bから外れた状態となる。このため、回動部材20(ヘッドレスト)は、回動部材付勢バネ60(
図1)の付勢力によって、
図3(c)に示す格納位置まで回動する。ただし、ロック解除操作が為された状態のまま(第一ロック解除手段90(
図1)又は第二ロック解除手段100に操作力を加えた状態のまま)、ヘッドレストを手や頭等で後方に回動させると、ヘッドレストを第一使用位置とすることも可能である。
【0036】
ヘッドレストが
図3(c)に示す格納位置になると、回動部材20の前方回動規制被当接部28が、固定部材10の前方回動規制当接部18に当接した状態となり、ヘッドレストは、それ以上前方へ回動することができない状態となる。この状態においても、回動部材20は、回動部材付勢バネ60によって前方へ付勢された状態となっている。このため、格納位置にあるヘッドレストは、手や頭等で後方の外力を加えない限りは、格納位置で維持される。逆に言うと、回動部材付勢バネ60の付勢力よりも大きな後向きの外力をヘッドレストに加えると、格納位置にあるヘッドレストを、
図3(b)に示す第二使用位置や、
図3(a)に示す第一使用位置まで後方回動させることができる。
【0037】
以上のように、第一実施態様のヘッドレストは、第一ロック解除手段90又は第二ロック解除手段100のいずれかを操作することによって、ヘッドレストの位置を、第一使用位置と第二使用位置と格納位置との3位置で切り替えることが可能となっているが、第二使用位置は、必ずしも設ける必要はない。逆に、第一使用位置及び第二使用位置に加えて、第三使用位置や第四使用位置等を設け、使用位置を3段階以上で調節することができるようにしてもよい。
【0038】
2.第二実施態様のヘッドレスト
続いて、第二実施態様のヘッドレストについて説明する。
図5は、第二実施態様のヘッドレストにおけるサイドサポート2,3の動作を説明する図である。
図5(a)は、サイドサポート2,3を横長位置としたときのヘッドレストを上方から見た状態を、
図5(b)は、サイドサポート2,3を横長位置としたときのヘッドレストを側方から見た状態を、
図5(c)は、サイドサポート2,3を縦長位置としたときのヘッドレストを側方から見た状態を示している。
【0039】
第二実施態様のヘッドレストは、
図5に示すように、ヘッドレスト本体1を左右に貫通する状態でサポート取付軸体4が取り付けられており、サポート取付軸体4の左端部及び右端部に左右一対のサイドサポート2,3が取り付けられたものとなっている。サポート取付軸体4は、回動部材20(
図1)に対して溶接固定されている。このサイドサポート2,3は、
図5(b),(c)に示すように、ヘッドレスト本体1に対して、サポート取付軸体4の中心線C3を中心として回動することが可能になっている。サイドサポート2,3は、ヘッドレスト本体1との取付部に収容されたサポート付勢バネ5,6で内方(ヘッドレスト本体1の側)へ押し付けられた状態となっており、ヘッドレスト本体1に対してサイドサポート2,3に回転抵抗を持たせることで、サイドサポート2,3を所望の位置で停止した状態に維持させることができるようになっている。
【0040】
図5(b)に示すように横長位置にあるときのサイドサポート2,3は、ヘッドレスト本体1の前面よりも前方に大きく突き出た状態となるため、着席者の頭部の側方における広い範囲をサポートすることが可能になる。
図5(b)において一点鎖線で示すように、サイドサポート2,3が横長位置にあるときには、ヘッドレストを前方に回動した格納位置とすることができるようになっている。一方、
図5(c)に示すように縦長位置にあるときのサイドサポート2,3は、ヘッドレスト本体1の前面よりも少しだけ前方に突き出た状態となるため、着用者の頭部の側方をある程度サポートしながらも、着席者の左右の視界を確保することができるようになっている。
【0041】
本発明に係る構成は、サイドサポート2,3を回動させることで、サイドサポート2,3の使用位置の調節を可能としたヘッドレストにおいても採用することができる。第二実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成は、第一実施態様のヘッドレストで述べたものと同様の構成を採用することができる。
【0042】
3.第三実施態様のヘッドレスト
図6は、第三実施態様のヘッドレストを側方から見た状態を示した図である。
図6(a)は、ヘッドレストが使用位置にあるときの状態を、
図6(b)は、ヘッドレストが格納位置にあるときの状態をそれぞれ示している。
図6(a),(b)は、ヘッドレストの内部を透視した状態に描いており、樹脂カバー110等は、その断面で描いている。
【0043】
上述した第一実施態様のヘッドレストや第二実施態様のヘッドレストは、ヘッドレスト下部にある回転軸C1を中心として、ヘッドレスト上部が前方回動する上振り式のものとなっていたが、第三実施態様のヘッドレストは、
図6に示すように、ヘッドレスト上部にある回転軸C1を中心として、ヘッドレスト下部が前方回動する下振り式のものとなっている。ヘッドレスト本体1は、ヘッドレストの格納時においてシートバックの上面と前面とに沿うように、側面視「く」の字状に折れ曲がった鞍型となっている。
【0044】
また、第一実施態様のヘッドレストでは、使用位置として第一使用位置(
図3(a))と第二使用位置(
図3(b))との2通りを選択することができるものとなっていたが、第三実施態様のヘッドレストでは、第二使用位置に相当する位置がなく、
図6(a)に示す位置(第一使用位置に相当)のみを使用位置として選択することができるようになっている。第一実施態様のヘッドレストにおいて、第一係止部11b及び第二係止部12bは、
図3(b)に示すように、ヘッドレストが第二使用位置にあるときにロックプレート40の第一被係止部41及び第二被係止部42が係止されていたが、第三実施態様のヘッドレストにおいて、第一係止部11b及び第二係止部12bは、
図6(b)に示すように、ヘッドレストが格納位置にあるときに第一被係止部41及び第二被係止部42が係止されるようにしている。ただし、第三実施態様のヘッドレストにおいても、第二使用位置を設けてもよいし、第三使用位置や第四使用位置を設ける等して、3位置以上で使用位置を選択できるようにしてもよい。
【0045】
本発明に係る構成は、第三実施態様のヘッドレストのように上振り式のものにおいても採用することができる。第三実施態様のヘッドレストにおいて、特に言及しない構成は、第一実施態様のヘッドレストや第二実施態様のヘッドレストで述べたものと同様の構成を採用することができる。
ヘッドレストを、固定部材10と、回動部材20と、第一結合ピン30と、ロックプレート40と、第二結合ピン50と、回動部材付勢バネ60と、ロックプレート付勢バネ70とがユニット化されて、断面U字状を為す連結部材81と左右一対の中空パイプ82,83とで構成されたヘッドレストステー80と、ロック解除バー91を有する第一ロック解除手段90と、中空パイプ83内に挿通されたロック解除ワイヤー101を有する第二ロック解除手段100とを備え、連結部材81を固定部材10に溶接結合することによって機構部が形成されたものとし、第一ロック解除手段90の操作に加えて第二ロック解除手段100の操作によっても、ロックプレート40のロックを解除することができるようにした。