(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
帯状の一対の基材の各々の内面に、突条の雄側嵌合部及び該雄側嵌合部に着脱自在に嵌合する雌側嵌合部が前記基材の長手方向に沿ってそれぞれ設けられ、内容物を収容する袋本体の内面に取り付けられる嵌合具であって、
前記雌側嵌合部が、前記雄側嵌合部が嵌まり込む凹部を形成する、前記袋本体に取り付けられるときに開口側となる第1のアーム部及び前記袋本体に取り付けられるときに内容物側となる第2のアーム部を有し、前記第2のアーム部の高さが前記第1のアーム部の高さよりも高く、
嵌合状態で、かつ、前記一対の基材が平行状態にあるときに、前記雄側嵌合部の頭部の前記第2のアーム部側は前記第2のアーム部の先端部と接触していない、嵌合具。
前記雄側嵌合部が設けられた基材の内面に、前記雄側嵌合部と嵌合された前記雌側嵌合部の前記第1のアーム部が外側に倒れるときに、第1のアーム部の外側面に接触する突起部が設けられている請求項1に記載の嵌合具。
前記一対の基材の少なくとも一方の外面側における、前記雄側嵌合部及び雌側嵌合部に対応する部分に、長手方向に沿って凹条が形成されている請求項1又は2に記載の嵌合具。
【背景技術】
【0002】
食品、薬品等の様々な分野において、袋体の開口を開閉自在に封じる嵌合具が取り付けられた嵌合具付き袋体が広く使用されている。嵌合具付き袋体としては、例えば、
図9に例示した嵌合具付き袋体101(以下、「袋体101」という。)が知られている(例えば、特許文献1、2)。
袋体101は、フィルム材121、122が合わされて袋状にされた、内容物を収容する袋本体120と、袋本体120の開口123近傍の内面に取り付けられた嵌合具110とを有する。嵌合具110は、一対の帯状の基材111、112のそれぞれに、雄型嵌合部113及び該雄型嵌合部113に着脱自在に嵌合する雌型嵌合部114が、それら基材111、112の長手方向に沿って設けられている。雄型嵌合部113は、基材111から立ち上がる幹部113aと、幹部113aの先端部に形成された幹部113aよりも大きい頭部113bからなる。雌型嵌合部114は、基材112から円弧状に立ち上がるアーム部114a、114bを有し、それらアーム部114a、114bにより凹部114cが形成されている。嵌合具110は、基材111が袋本体120のフィルム材121の内面、基材112が袋本体のフィルム材122の内面に取り付けられており、雄型嵌合部113と雌型嵌合部114を着脱させることにより、袋体101の開口123を繰り返し開閉できる。
【0003】
しかし、袋体101においては、袋本体120内に収容する内容物が多い場合等、袋本体120の内圧が高くなると、
図10に示すように、内容物側のフィルム材121とフィルム材122が広がることで、嵌合具101の基材111、112の内容物側も広げられる。このとき、雄側嵌合部113の幹部113aが開口123側に倒れ込み、それによって雌側嵌合部114における開口123側のアーム部114aが押し倒され、凹部114cが広がる。そのため、雄側嵌合部113が雌側嵌合部114から離脱しやすくなり、袋体101が開いてしまうことがある。
【0004】
嵌合具が内容物側から開くことを抑制できる嵌合具付き袋体としては、例えば、
図11に例示した嵌合具付き袋体102(以下、「袋体102」という。)が知られている(例えば、特許文献3、4)。袋体102において袋体101と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
袋体102は、基材111、112の代わりに、基材111A、112Aを有する嵌合具110Aを有する以外は、袋体101と同じである。基材111A、112Aは、外面側における、雄型嵌合部113及び雌型嵌合部114に相当する部分に、長手方向に沿って凹条115、116が設けられている。つまり、嵌合具110Aは、基材111A、1112Aにおける凹条115、116の部分が袋本体120のフィルム材121、122に溶着されていない。そのため、嵌合具110Aにおける基材111A、112Aの凹条115、116の部分は、袋本体120のフィルム材121、122の動きの影響を受け難くなる。これにより、フィルム材121、122の内容物側が広がっても、嵌合具110Aにおける基材111A、112Aの凹条115、116の部分の動きが小さくなり、雄型嵌合部113と雌型嵌合部114の嵌合形態が維持されやすくなることで、袋体が開くことが抑制される。
しかし、袋体102においても、内容物側から嵌合具110Aが開くことを抑制する効果はまだ充分とは言えず、さらなる性能向上が望まれる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の嵌合具、及び該嵌合具を取り付けた嵌合具付き袋体の一例を示して詳細に説明する。
[第1実施形態]
(嵌合具)
図1は、本実施形態の嵌合具10を、幅方向に沿って切断したときの断面図である。他の嵌合具の断面図についても同様である。
本実施形態の嵌合具10は、
図1に示すように、一対の帯状の第1の基材11及び第2の基材12を有している。
第1の基材11の内面11aには、突条の雄側嵌合部13が第1の基材11の長手方向に沿って設けられている。第2の基材12の内面12aには、雄側嵌合部13と着脱自在に嵌合する雌側嵌合部14が第2の基材12の長手方向に沿って設けられている。雌側嵌合部14は、雄側嵌合部13が嵌まり込む凹部14cを形成する第1のアーム部14aと第2のアーム部14bを有している。
嵌合具10は、第2のアーム部14b側を袋体の内容物側にして袋本体の内面に取り付けられる。つまり、第1の基材11及び第2の基材12における第1のアーム部14a側の側端11c、12cを袋体に形成する開口側とし、第1の基材11及び第2の基材12における第2のアーム部14b側の側端11d、12dを袋体の内容物側とするように袋本体に取り付けられる。
【0012】
第1の基材11は、特に限定されず、公知の嵌合具の基材に使用されるものが使用でき、積層フィルムからなる基材が好ましい。積層フィルムからなる第1の基材11としては、例えば、内面11a側から、耐熱層とヒートシール層が積層されたフィルムが挙げられる。また、第1の基材11は、耐熱層とヒートシール層の間にバリア層を有していてもよい。
耐熱層の材質としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
ヒートシール層の材質としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
バリア層の材質としては、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0013】
第1の基材11は、1種の樹脂からなっていてもよく、2種以上の樹脂を含む樹脂組成物からなっていてもよい。また、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤等の公知の添加剤が添加されていてもよい。
また、第1の基材11は、積層フィルムからなる基材には限定されず、単層フィルムからなる基材であってもよい。
第2の基材12としては、第1の基材11と同じ基材が挙げられ、好ましい態様も同じである。
【0014】
雄側嵌合部13は、第1の基材11の内面11aから立ち上がる幹部13aと、幹部13aの先端部に設けられた、幹部13aよりも大きい断面略半円形状の頭部13bを有している。また、雌側嵌合部14は、第2の基材12の内面12aから断面円弧状に立ち上がる第1のアーム部14aと第2のアーム部14bからなり、第1のアーム部14aと第2のアーム部14bによって凹部14cが形成されている。雄側嵌合部13と雌側嵌合部14は、雄側嵌合部13の頭部13bを雌側嵌合部14の凹部14cに嵌め込むことで、着脱自在に嵌合できるようになっている。
【0015】
雌側嵌合部14の第2のアーム部14bの高さは、第1のアーム部14aの高さよりも高くなっている。ここで、第1のアーム部14a、第2のアーム部14bの高さとは、第2の基材12の内面12aからの高さを意味する。嵌合具10においては、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14が嵌合されている状態で、第1の基材11と第2の基材12が平行であるときは、雄側嵌合部13における頭部13bの第1のアーム部14a側が第1のアーム部14aの先端部と接触していても、雄側嵌合部13における頭部13bの第2のアーム部14b側は第2のアーム部14bの先端部と接触していない。つまり、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を嵌合した状態において、雌側嵌合部14の凹部14cにおける第2のアーム部14bの先端部側にスペースが存在している。
第2のアーム部14bの高さが第1のアーム部14aの高さよりも高いことで、第1の基材11と第2の基材12の第2のアーム部14b側が開いたときに、雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが雄側嵌合部13の幹部13aによって押し広げられることが抑制され、雄側嵌合部13が雌側嵌合部14から脱離することが抑制される。この効果が得られる要因については後述する。
【0016】
第1のアーム部14aの高さに対する第2のアーム部14bの高さの比は、第1の基材11と第2の基材12の第2のアーム部14b側が開いたときに、雄側嵌合部13が雌側嵌合部14から脱離することを抑制しやすい点から、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましい。また、第1のアーム部14aの高さに対する第2のアーム部14bの高さの比は、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を充分に嵌合させやすい点から、1.5以下が好ましく、1.4以下がより好ましい。
【0017】
雄側嵌合部13の断面形状は、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を着脱して袋体に形成した開口の開閉が繰り返し行えるものであればよく、任意の断面形状を採用できる。
雌側嵌合部14の断面形状は、第2のアーム部14bの高さが第1のアーム部14aの高さよりも高い以外は、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を着脱して袋体に形成した開口の開閉が繰り返し行えるものであればよい。例えば、この例の雌側嵌合部14は、第1のアーム部14aと第2のアーム部14bが第2の基材12の内面12aから直接立ち上がっている形態であるが、第2の基材12の内面12aから立ち上がる首部を有し、該首部から第1のアーム部と第2のアーム部が円弧状に立ち上がる形態の雌側嵌合部であってもよい。
雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14の材質としては、第1の基材11及び第2の基材12と同じ材質が使用できる。
【0018】
(嵌合具付き袋体)
以下、本発明の嵌合具付き袋体の一例として、前記嵌合具10が取り付けられた嵌合具付き袋体1(以下、「袋体1」という。)について説明する。
本実施形態の袋体1は、
図2及び
図3に示すように、内容物を収容する密封された状態の袋本体20と、袋本体20内の上部の内面に、横方向に沿って取り付けられた嵌合具10とを有している。
袋本体20は、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22が重ね合わされ、それらの周縁部23が全てヒートシールされることで形成されており、密封された状態になっている。また、袋本体20における嵌合具10よりも上部側には、横方向に沿って切断補助線24が設けられており、その端部にノッチ25が形成されている。つまり、袋体1は、ノッチ25から、切断補助線24に沿って袋本体20の第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22を切断して、上部を開封できるようになっている。開封後の袋体1は、嵌合具10の雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を着脱することで、形成した開口を自在に開閉できる。
【0019】
袋本体20の形状は、本実施形態では矩形である。ただし、袋本体20の形状は矩形には限定されない。また、袋本体20の大きさも特に限定されず、袋本体20に収容する内容物によって適宜選定すればよい。
【0020】
袋本体20を形成する第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、ヒートシールにより嵌合具10を溶着できるものであればよく、内面側からシーラント層と基材層を少なくとも有する積層フィルムが好ましい。
基材層としては、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
シーラント層としては、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
また、前記積層フィルムには、バリア層等の機能層を設けてもよい。
また、第1のフィルム材21と第2のフィルム材22は、シーラント層のみからなる単層フィルムであってもよい。
【0021】
嵌合具10は、第1の基材11の側端11c側及び第2の基材12の側端12c側が袋体1の上部側に向くようにし、第1の基材11の側端11d側及び第2の基材12の側端12d側が内容物側となるように袋本体20の内面に取り付けられている。つまり、嵌合具10は、雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが袋体1の開口側、雌側嵌合部14の第2のアーム部14bが内容物側となるように取り付けられている。
【0022】
嵌合具10は、
図3に示すように、嵌合具10の第1の基材11の外面11bが袋本体20の第1のフィルム材21に溶着され、嵌合具10の第2の基材12の外面12bが袋本体20の第2のフィルム材22に溶着されている。
【0023】
切断補助線24は、袋本体20を切断して開封するのを補助する線である。切断補助線24としては、例えば、袋本体20の第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22における切断補助線24の部分をそれ以外の部分に比べて薄肉化した弱化線、ミシン目からなる弱化線、列状に形成された細孔からなる弱化線が挙げられる。また、切断補助線24は、前記弱化線には限定されず、ハサミやカッター等で切断する位置を示す、印刷等で形成した線であってもよい。
切断補助線24は、本実施形態では袋本体20の幅方向に沿って形成されているが、この形態には限定されず、袋本体20の幅方向に対して傾斜して設けられていてもよい。
【0024】
ノッチ25の形状は、この例では三角形状であるが、特に限定されず、半円形状、直線状等であってもよい。
【0025】
袋体1は、ノッチ25から切断補助線24に沿って袋本体20の上部を切断して除去することで、
図4に示すように、上部に開口26を形成して開封することができる。袋体1に形成した開口26は、嵌合具10の雄側嵌合部13と雌側嵌合部14を着脱することで繰り返し開閉できる。
袋体1は、第2のアーム部14bの高さが第1のアーム部14aの高さよりも高い雌側嵌合部14を有する嵌合具10が取り付けられていることで、袋本体20内に収容する内容物の量が多い場合等、袋本体20の内圧が高くなっても、嵌合具10が内容物側から開き難い。そのため、袋体1は、内圧が高くなっても嵌合具10によって開口26を閉じた状態を安定して維持できる。この雌側嵌合部14によって前記効果が得られる要因は以下のように考えられる。
【0026】
前述したように、袋体101においては、
図10に示すように、袋本体120の内圧が高くなると、内容物側のフィルム材121とフィルム材122と共に、嵌合具101の基材111、112の内容物側が広がり、雄側嵌合部113の幹部113aが開口123側に倒れ込む。そして、倒れ込んだ雄側嵌合部113の幹部113aによって、雌側嵌合部114における開口123側のアーム部114aが押し倒されるため、凹部114cが広がって雄側嵌合部113が雌側嵌合部114から離脱しやすくなる。
これに対し、袋体1では、
図5に示すように、袋本体20の内圧が高まって、第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22と共に、嵌合具10の第1の基材11と第2の基材12の内容物側が広がると、袋体101の場合と同様に、雄側嵌合部13の幹部13aが開口26側に倒れ込む。しかし、このとき、袋体101の場合と異なり、雄側嵌合部13の頭部13bの内容物側が雌側嵌合部14の第2のアーム部14bの先端部に接触するところまで、雌側嵌合部14の凹部14c内で雄側嵌合部13が引き上げられる。これにより、雄側嵌合部13の幹部13aが雌側嵌合部14の第1のアーム部14aから遠ざかる。そのため、雄側嵌合部13の頭部13bが開口26側に倒れ込んだとしても、雄側嵌合部13の幹部13aが第1のアーム部14aを開口26側へ押し倒す度合が小さくなるので、雌側嵌合部14の凹部14cの広がりを低減できる。よって、袋本体20の内圧が高くなっても雄側嵌合部13が雌側嵌合部14から脱離し難く、袋体1が開くことを抑制できる。
【0027】
[他の実施形態]
なお、本発明の嵌合具は、前記嵌合具10には限定されない。例えば、
図6に例示した嵌合具10Aであってもよい。嵌合具10Aにおける嵌合具10と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。嵌合具10Aは、第1の基材11の内面11aに、雄側嵌合部13と嵌合された雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが外側に倒れるときに、第1のアーム部14aの外側面14dに接触する突起部15が設けられている以外は、嵌合具10と同じである。
【0028】
嵌合具10Aを袋本体20に取り付けた嵌合具付き袋体では、
図7に示すように、袋本体20の内圧が高まって第1の基材11と第2の基材12の第2のアーム部14b側(内容物側)が開き、それによって雄側嵌合部13の幹部13aが倒れ込むことで第1のアーム部14aが外側(開口側)に押されても、突起部15によって第1のアーム部14aの倒れ込みが抑制される。これにより、雌側嵌合部14の凹部14cが広がることをより安定して低減できる。
【0029】
突起部15は、雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが外側に倒れるときに第1のアーム部14aの外側面14dに接触するように設けられていればよい。つまり、この例では、第1の基材11と第2の基材12が平行な状態で雄側嵌合部13と雌側嵌合部14が嵌合しているときには、突起部15は雌側嵌合部14の第1のアーム部14aには接触していないが、このときに突起部15が第1のアーム部14aの外側面に接触していてもよい。
【0030】
突起部15の高さは、雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが外側に倒れるときに第1のアーム部14aの外側面14dに接触するように、適宜設定できる。
また、突起部15の断面形状は、この例では矩形状である。ただし、突起部15の断面形状は特に限定されず、円形状等であってもよい。なお、突起部15の断面形状とは、嵌合具10を幅方向に沿って切断したときの断面形状である。
突起部15の材質としては、第1の基材11及び第2の基材12の材質と同じものが挙げられる。
【0031】
突起部15は、第1の基材11の長手方向に沿って連続的に設けられていても、第1の基材11の長手方向に沿って断続的に破線状に設けられていてもよい。雌側嵌合部14の第1のアーム部14aが外側に倒れて凹部14cが広がることを抑制しやすい点から、突起部15は第1の基材11の長手方向に沿って連続的に設けられていることが好ましい。
【0032】
また、本発明の嵌合具は、
図8に例示した嵌合具10Bであってもよい。嵌合具10Bにおける嵌合具10と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
嵌合具10Bは、第1の基材11、第2の基材12の代わりに、第1の基材11B、第2の基材12Bを有する以外は、嵌合具10と同じである。第1の基材11Bは、外面11b側における雄側嵌合部13に対応する部分に、長手方向に沿って凹条16が設けられている。また、第2の基材12Bは、外面12b側における雌側嵌合部14に対応する部分に、凹条17が設けられている。つまり、嵌合具10Bは、袋本体20に取り付けられる際、第1の基材11Bにおける凹条16の部分と、第2の基材12Bにおける凹条17の部分が、袋本体20の第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22に溶着されない。
【0033】
嵌合具10Bは、第1の基材11Bにおける凹条16の部分と、第2の基材12Bにおける凹条17の部分が、袋本体20の第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22に溶着されていないことで、雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14が第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22の動きの影響を受け難くなる。特に第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22の内容物側が広がっても、第1の基材11と第2の基材12は、凹条16の内容物側の端部16aと凹条17の内容物側の端部17aを基点にして折れ曲がることで、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14の動きは最小限に抑えられる。このように、第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22の内容物側が広がっても、雄型嵌合部13と雌型嵌合部14の嵌合形態が維持されやすくなる。よって、袋本体20の内圧が高くなっても、雄側嵌合部13が雌側嵌合部14から脱離することをさらに容易に抑制することができ、袋体1が開くことをより安定して抑制できる。
【0034】
凹条16は、雄側嵌合部13と雌側嵌合部14の嵌合形態がより維持されやすくなる点から、第1の基材11の外面11bにおける雄側嵌合部13の幹部13aの側端11d側(内容物側)に対応する部分が少なくとも含まれるように形成されていることが好ましい。同様に、凹条17は、第2の基材12の外面12bにおける雌側嵌合部14の第2のアーム部14b(内容物側)に対応する部分が少なくもと含まれるように形成されていることが好ましい。
凹条16、17の深さ及び幅は、第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22の内容物側が広がっても、雄型嵌合部13と雌型嵌合部14の嵌合形態が維持されやすくなるように、適宜設定すればよい。凹条16、17の深さが深く、幅が広いほど、雄側嵌合部13及び雌側嵌合部14が第1のフィルム材21及び第2のフィルム材22の動きの影響を受け難くなる。
また、凹条16、17の断面形状は、この例では矩形状である。ただし、凹条16、17の断面形状は特に限定されず、円形状、三角形状等であってもよい。なお、凹条16、17の断面形状とは、嵌合具10を幅方向に沿って切断したときの断面形状である。
【0035】
凹条16、17は、第1の基材11、第2の基材12の長手方向に沿って連続的に設けられていても、第1の基材11、第2の基材12の長手方向に沿って断続的に破線状に設けられていてもよい。雄側嵌合部13と雌側嵌合部14の嵌合形態を維持しやすい点から、凹条16、17は、第1の基材11、第2の基材12の長手方向に沿って連続的に設けられていることが好ましい。
【0036】
また、本発明の嵌合具は、一対の基材の一方のみに、前記凹条が形成された嵌合具であってもよい。また、雄側嵌合部が設けられた基材の内面に前述した突起部が設けられ、かつ一対の基材の少なくとも一方の外面側に前述した凹条が形成された嵌合具であってもよい。
【0037】
また、本発明の嵌合具付き袋体は、本発明の嵌合具を取り付けたものであればよく、前記袋体1には限定されない。例えば、前述した他の形態の嵌合具を取り付けた嵌合具付き袋体であってもよい。
また、嵌合具付き袋体の袋本体も特に限定されず、嵌合具付き袋体の袋本体として知られる様々な形態の袋本体を採用できる。例えば、袋体1は切断補助線24を利用して開封するまでは密封状態の袋体であったが、予め開口が形成された袋本体を有する嵌合具付き袋体であってもよい。