特許第5977946号(P5977946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5977946移動通信システムにおける端末の信号伝送方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5977946
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】移動通信システムにおける端末の信号伝送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20160817BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20160817BHJP
【FI】
   H04W28/04 110
   H04Q7/00 263
   H04Q7/00 273
   H04W28/14
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-521995(P2011-521995)
(86)(22)【出願日】2009年7月23日
(65)【公表番号】特表2011-530259(P2011-530259A)
(43)【公表日】2011年12月15日
(86)【国際出願番号】KR2009004100
(87)【国際公開番号】WO2010016669
(87)【国際公開日】20100211
【審査請求日】2012年7月23日
【審判番号】不服2015-10945(P2015-10945/J1)
【審判請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0076142
(32)【優先日】2008年8月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2008-0087276
(32)【優先日】2008年9月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ソン・フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒムケ・ファン・デル・ヴェルデ
【合議体】
【審判長】 近藤 聡
【審判官】 水野 恵雄
【審判官】 佐藤 智康
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/129645(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおける端末の信号伝送方法であって、
新規データ指示子(NDI)を含むアップリンク伝送資源割り当てメッセージを基地局から受信する段階と、
HARQバッファーが空いていれば、NDIと無関係に新規伝送を実行する段階と、
前記HARQバッファーが空いておらず、前記NDIがグルされていない場合、再伝送を実行する段階と、
最後の再伝送可能な時間を確認する段階と、
前記最後の再伝送可能な時間が経過した場合、前記HARQバッファーに保存されているデータを廃棄する段階と、
を含むことを特徴とする信号伝送方法。
【請求項2】
前記新規伝送を実行する段階は、新規MAC PDUを前記基地局に伝送する段階をさらに含む、請求項1記載の信号伝送方法。
【請求項3】
移動通信システムで信号を伝送する端末であって、
基地局と無線チャネルとを通じて信号を送受信する送受信部と、
前記送受信部を通じて受信された信号からアップリンク伝送資源割り当てメッセージを抽出するPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)処理部と、
新規データ指示子(NDI)を含むアップリンク伝送資源割り当てメッセージの受信時、HARQバッファーが空いていれば、NDIと無関係に新規伝送を実行し、前記HARQバッファーが空いておらず、前記NDIがグルされていない場合は、再伝送を実行するように制御する伝送資源制御部と、を含み、
前記伝送資源制御部は、最後の再伝送可能な時間を確認し、前記最後の再伝送可能な時間が経過した場合、前記HARQバッファーに保存されているデータを廃棄するように、さらに制御する、ことを特徴とする端末。
【請求項4】
前記伝送資源制御部は、新規伝送を実行する時、新規MAC PDUを前記基地局に伝送するように制御する、請求項記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおいて逆方向伝送資源割り当てメッセージを処理する方法及び装置に関し、より詳細には、移動通信システムにおいて最初逆方向伝送資源割り当てメッセージと再伝送逆方向伝送資源割り当てメッセージを区別する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunication Service)システムは、ヨーロッパ式移動通信システムであるGSM(Global System for Mobile Communications)とGPRS(General Packet Radio Services)を基盤として広帯域(Wideband)符号分割多重接続(Code Division Multiple Access、以下、CDMAという)を使用する第3世代非同期移動通信システムである。
【0003】
現在、UMTS標準化を担当している3GPP(3rd Generation Partnership Project)においては、UMTSシステムの次世代移動通信システムとしてLTE(Long Term Evolution)に関する論議が進行中にある。LTEは、最大100Mbps程度の伝送速度を有する高速パケット基盤通信を具現する技術であって、2010年頃に商用化することを目標にしている。このために、様々な方案が論議されているが、例えば、ネットワークの構造を簡単にして、通信路上に位置するノードの数を低減する方案や、無線プロトコルを最大限無線チャネルに近接させる方案などが論議中にある。
【0004】
図1は、LTE移動通信システムの構造を示す図である。
図1を参照すれば、図示のように、次世代無線アクセスネットワーク(Evolved Radio Access Network、以下、E−RANという)110、112は、次世代基地局(Evolved Node B、以下、ENBまたはNode Bという)120、122、124、126、128と、上位ノード(Access Gatewayという)130、132の2ノード構造に単純化される。ユーザ端末(User Equipment、以下、UEという)101は、E−RAN110、112によってインターネットプロトコル(Internet Protocol、以下、IPという)ネットワークに接続する。
【0005】
ENB120〜128は、UMTSシステムの既存のノードBに対応する。ENBは、UE101と無線チャネルで連結され、既存ノードBより複雑な役目を行う。LTEでは、インターネットプロトコルを用いたVoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムサービスを含めたすべてのユーザトラフィックが共用チャネル(shared channel)を通じてサービスされるので、UEの状況情報をまとめてスケジューリングする装置が必要であり、これをENB120〜128が担当する。1つのENBは、通常、多数のセルを制御する。最大100Mbpsの伝送速度を具現するために、LTEは、最大20MHz帯域幅で直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、以下、OFDMという)を無線接続技術として使用する。また、端末のチャネル状態に合わせて変調方式(modulation scheme)とチャネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(Adaptive Modulation & Coding、以下、AMCという)方式を適用する。
【0006】
図2は、LTEシステムのプロトコルスタックを示す図である。
図2に示されるように、LTEシステムの無線プロトコルは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205、240、RLC(Radio Link Control)210、235、MAC(Medium Access Control) 215、230、物理(PHYsical)階層220、225よりなる。PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205、240は、IPヘッダー圧縮/復元などの動作を担当し、無線リンク制御(Radio Link Control、以下、RLCと言う)210、235は、PDCP PDU(Packet Data Unit、以下、特定プロトコル階層装置で出力されるパケットを上記プロトコルのPDUと称する)を適切なサイズに再構成してARQ動作などを行う。MAC215、230は、一端末に構成された様々なRLC階層装置と連結され、RLC PDUをMAC PDUに多重化し、MAC PDUからRLC PDUを逆多重化する動作を行う。物理階層220、225は、上位階層データをチャネルコーディング及び変調し、OFDMシンボルに作って無線チャネルを通じて伝送するか、または無線チャネルを通じて受信したOFDMシンボルを復調し、チャネルデコーディングして上位階層に伝達する動作をする。
【0007】
LTE移動通信システムにおいては、逆方向MAC PDUの伝送時にHARQを適用して伝送効率を高める。HARQが適用される移動通信システムにおいてMAC PDUの受信に失敗した受信装置は、送信装置にHARQNACKを伝送し、送信装置は、MAC PDUを再伝送する。受信装置は、上記再伝送されたMAC PDUを既存のMAC PDUと軟性結合することによって、送受信成功確率を高める。
【0008】
LTE移動通信システムにおいて伝送資源は、逆方向伝送資源割り当てメッセージを通じて割り当てられる。
【0009】
図3は、逆方向伝送資源割り当てメッセージの一例を示す図である。
図3に示された伝送資源割り当てメッセージを参照すれば、伝送資源割り当てフィールド305は、端末が使用する伝送資源の量と位置を示す情報である。LTE移動通信システムにおいて単位伝送資源は、1msec長さと所定の帯域幅で構成されるリソースブロック(resource block)であり、上記伝送資源割り当てフィールドを通じてリソースブロックが割り当てられる。
【0010】
変調/チャネルコーディングフィールド310は、伝送するデータに適用する変調方式とチャネルコーディング率を指示するフィールドである。上記フィールドは、5ビットであり、QPSK変調と0.11チャネルコーディング率の組み合わせを指示するコードポイントから64QAM変調と0.95チャネルコーディング率の組み合わせを指示するコードポイントまで29個のコードポイントで構成される。残りの3個のポイントは、RV(Redundancy Version)を指示する。これについてさらに詳しく説明するために、下記表1を参照する。
【0011】
【表1】
【0012】
表1は、3GPP標準文書36.213V 8.60に開示されたもので、変調/チャネルコーディングフィールド310に収納されるMCSレベルによる伝送ブロックサイズ(TBS)インデックスとRVの関係を開示している。表1を参照すれば、MCSレベルが0〜28の場合、RVが0であり、各々に対応する伝送ブロックサイズ(TBS)インデックスが存在する。また、MCSレベルが29〜31の場合、RVは、各々1〜3であり、対応する伝送ブロックサイズ(TBS)インデックスは存在しない。
【0013】
NDI(New Data Indicator)315は、当該伝送資源割り当てメッセージが新しい伝送に関するものであるか、再伝送に関するものであるかを指示する1ビット情報である。
【0014】
逆方向HARQ動作、逆方向伝送資源割り当てメッセージとNDIの用例を図4に示した。
【0015】
図4は、逆方向伝送資源割り当てメッセージとNDIの用例を示す図である。
図4を参照すれば、任意の時点に端末が逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば(405)、端末は、所定のT 410が経過した後、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが指示する伝送資源415とMCSレベルを利用してMAC PDUを伝送する。説明の便宜のために、405で割り当てられた伝送資源を通じて伝送されるMAC PDUをMAC PDU Aと命名する。端末は、上記MAC PDU Aの伝送が完了するまで、すなわち上記MAC PDU Aに対するHARQ ACKが受信されるか、所定の最大許容再伝送回数に到逹するまでHARQ RTT 417という所定の時差をもって上記伝送資源を使用して再伝送を行う(420、425)。任意の時点に上記MAC PDU Aの伝送が完了し、その後、任意の時点に上記端末に新しい逆方向伝送資源割り当てメッセージが伝送される(430)。上記伝送資源割り当てメッセージのNDIは、以前の伝送資源割り当てメッセージのNDIと異なる値が指示され、端末は、NDIが変わったことを見て、上記時点に受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送のための伝送資源割り当てメッセージであることを認知する。端末は、上記新しい伝送資源435を利用して新しいMAC PDU、例えばMAC PDU Bの伝送を開始する。同じく、端末は、所定のHARQ RTTごとに上記割り当てられた伝送資源を利用してMAC PDUを再伝送する(440)。
【0016】
伝送資源の効率的な利用のために、基地局は、現在進行中のMAC PDU伝送を他の伝送資源に移動させることができる。これを適応的再伝送(adaptive retransmission)といい、基地局は、端末にNDIが同一の逆方向伝送資源割り当てメッセージを伝送することによって、端末に適応的再伝送を指示する。例えば、430以後の任意の時点にMAC PDU B伝送のための伝送資源を他のRBに移動させようとすれば、上記移動しようとする新しい伝送資源情報が収納され、上記MAC PDU B伝送を命令した以前の逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIと同一のNDIであるNDI 1が収納された逆方向伝送資源割り当てメッセージ443を端末に伝送する。端末は、以前のNDIと同一のNDIが指示された逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、適応的再伝送が命令されたものと判断し、上記新しく割り当てられた伝送資源を利用してMAC PDU Bの再伝送を行う(445、450)。
【0017】
このようにNDIを利用して当該逆方向伝送資源割り当てメッセージが既存のMAC PDUの再伝送用であるか、新しいMAC PDU伝送用であるかを判断することは、端末がすべての逆方向伝送資源割り当てメッセージを成功的に受信するという前題の下に動作する。
【0018】
図5は、従来技術の問題点を示す図である。
図5を参照すれば、任意の時点にNDIが0に設定された逆方向伝送資源割り当てメッセージを端末が受信し(505)、図4で説明したように、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが指示する伝送資源515とMCSレベルを利用してMAC PDUを伝送し、所定のHARQ RTTごとに上記割り当てられた伝送資源を利用してMAC PDUを再伝送する(520)。MAC PDUの伝送を完了した後、端末は、任意の時点に新しいMAC PDU伝送を命令する、すなわちNDIが1に変更された伝送資源割り当てメッセージを遺失し(525)、その後、任意の時点に他の新しいMAC PDU伝送を命令する伝送資源割り当てメッセージ、すなわちNDIが0に変更されたメッセージ530を受信する場合があり得る。この場合、メッセージ530のNDIが最も最近に受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージ505のNDIと同一なので、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを適応的再伝送のためのメッセージとして誤認することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明は、移動通信システムにおいて最初逆方向伝送資源割り当て情報と再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージを区別する方法及び装置を提供する。
【0020】
また、本発明は、端末が逆方向伝送資源割り当て情報の受信時に新しいMAC PDU伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージと適応的再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを区別する方法及び装置を提供する。
【0021】
また、本発明は、基地局が逆方向伝送資源割り当て情報の伝送時に新しいMAC PDU伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージと適応的再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを区別する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するために、本発明による移動通信システムにおける端末の信号伝送方法は、基地局から逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信する段階と、HARQバッファーにデータが空いているかを判断する段階と、前記HARQバッファーが空いていると判断した場合、前記逆方向伝送資源割り当てメッセージに含まれた情報を利用して新しいMAC PDUを生成し、前記新しいMAC PDUを前記基地局に伝送する段階とを含む。また、前記判断する段階の実行後に、RV(Redundancy Version)値が“0”であるかを判断する段階をさらに含み、前記伝送する段階は、前記RV値が“0”である場合に実行することを特徴とする。また、前記RV値が“0”ではない場合、受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視することを特徴とする。
【0023】
また、本発明による移動通信システムにおいて端末は、無線チャネルを通じて基地局sPDCCH及びトラフィックを送受信する送受信部と、前記送受信部から受信された逆方向伝送資源割り当てメッセージを伝送資源制御部に伝達するPDCCH処理部と、HARQバッファーの状態と、伝達された逆方向伝送資源割り当てメッセージに含まれたNDI(New Data Indicator、NDI)とRV(Redundancy Version)を利用して前記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージであるか、既存のMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージであるか、または新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージであるかを確認する伝送資源制御部と、HARQ動作を行うHARQ装置と、RLC装置、PDCP装置及びMAC多重化装置の上位階層動作を行う上位階層装置と、を含むことを特徴とする。前記伝送資源制御部は、前記HARQバッファーが空いていて、前記RV値が0である場合、前記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージであると判断し、前記伝送資源割り当てメッセージに含まれたMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルを利用して伝送すべきMAC PDUのサイズを決定し、決定されたサイズのMAC PDUを構成し、HARQ装置に伝達するように上位階層装置を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明による移動通信システムにおいて端末の信号伝送方法及びこのための装置によれば、次のような効果がある。
【0025】
移動通信システムにおいて新しいパケット伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージと既存のパケットの再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを区別することができるようにして、上記2つのメッセージが誤認された時に発生する伝送資源の無駄使いを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】次世代移動通信システム構造の一例を示す図である。
図2】次世代移動通信システムのプロトコルスタックを示す図である。
図3】逆方向伝送資源割り当てメッセージの一例を示す図である。
図4】逆方向伝送資源割り当てメッセージとNDIの用例を説明した図である。
図5】従来技術の問題点を示す図である。
図6】本発明の一実施例による全体動作を示す図である。
図7】本発明の一実施例による端末動作を示す図である。
図8】RV伝送例を示す図である。
図9】適応的再伝送とRVの用例を示す図である。
図10】本発明の一実施例による他の端末動作を示す図である。
図11】本発明の 一実施例によるさらに他の端末動作を示す図である。
図12】本発明の 一実施例によるさらに他の端末動作を示す図である。
図13】RVバンドル伝送例を示す図である。
図14】本発明の他の実施例による全体動作を示す図である。
図15】本発明の 他の実施例による端末動作を示す図である。
図16】端末の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
従来、NDIだけでは新しいパケット伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージと既存のパケットの再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを区分することができない場合が発生する。本発明では、端末がNDI、RV及びHARQバッファー状態をすべて考慮して逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいパケットの伝送用であるか、既存のパケットの再伝送用であるかを判断する方法及び装置を提示する。
【0028】
以前の逆方向伝送資源割り当てメッセージと同一のNDIを収納したが、新しいパケット伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージは、通常、以前のパケットの伝送が完了した後に発生する。上記事項に着目した本発明において、端末は、任意のHARQプロセスに対する最初伝送が指示されれば、最後の再伝送可能時点を算出し、上記最後の再伝送可能時点が経過すれば、MAC PDU伝送が成功しなかったとしても、当該HARQバッファーに保存されているデータを廃棄する。また、端末は、任意のHARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信した場合、当該HARQプロセスのバッファーにデータがなければ、すなわち上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが上記HARQバッファーに保存されているデータが廃棄された後に初めて受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージであれば、上記メッセージのNDIが指示する値と関係なく、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを新しいMAC PDU伝送を指示するものと判断する。
【0029】
図6は、本発明の一実施例による全体システムの動作を説明する図である。
図6を参照すれば、任意の時点に端末が新しいパケット伝送を指示する任意のHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージ605を受信すれば、端末は、所定のTが経過した後、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが指示する伝送資源を使用してHARQプロセスXを通じてMAC PDUを伝送する(610)。端末は、上記伝送に対するフィードバック信号がNACK625なら、以前の伝送からHARQ RTTだけ経過した時点に同一の伝送資源を使用してMAC PDUを再伝送する(615、620)。端末は、上記のような再伝送動作を最大伝送回数まで進行することができる。任意の時点にMAC PDU伝送に対するHARQ ACK635を受信すれば、端末は、再伝送を中止する。また、最後の再伝送時点645が経過すれば、HARQプロセスXに保存されている上記MAC PDUを廃棄する(640)。その後、任意の時点に上記端末に新しいMAC PDU伝送を指示するHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージ650が伝送されたが、端末がこれを受信しなかったと仮定すれば、端末が逆方向にデータを伝送しないので、基地局は、所定の再伝送時点ごとにノイズをデコーディングする過程を繰り返し、最後の再伝送時点が経過すれば、MAC PDU伝送が失敗し、当該HARQ過程が完了したものと判断する。その後、任意の時点に基地局は、上記端末に新しいMAC PDUの伝送を指示するプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージ655を伝送し、端末は、上記メッセージを正しく受信する時、上記メッセージのNDIは、0であって、端末が直前に受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIと同一なので、端末がNDIだけを参照する場合、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを再伝送用伝送資源割り当てメッセージとして誤認する。本発明において端末は、任意のプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、まず、上記プロセスのHARQバッファーにデータが保存されているかを検査する。上記バッファーにデータが保存されていたら、NDIを参照して新しいMAC PDU伝送指示可否を判断し、上記バッファーにデータが保存されていなければ、NDI値と関係なく、新しいMAC PDU伝送を指示するものと判断する。
【0030】
図7は、本発明の一実施例による端末動作を説明する流れ図である。
図7を参照すれば、段階705で、任意のHARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、端末は、段階710に進行し、上記プロセスのHARQバッファー状態を検査する。上記HARQバッファーが空いていたら、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを新しいMAC PDUの伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージとして判断し、段階715に分岐する。上記HARQバッファーにデータが保存されていたら、段階730に分岐し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送用であるか、再伝送用であるかをNDIで判断することができる。
【0031】
段階715に進行したということは、割り当てられた伝送資源を利用して端末が新しいMAC PDUを伝送しなければならないことを意味する。端末は、段階715でRVを検査する。RVが0なら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが、新しいMAC PDUの適応的再伝送ではなく、最初伝送用であることを意味し、端末は、段階725に分岐する。RVが0ではなく、他の値なら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの適応的再伝送用であることを意味し、端末は、段階720に分岐する。以下、説明を進行する前に図8及び図9を参照してRVをさらに詳しく説明する。
【0032】
図8は、RV伝送例を示す図である。
図9は、適応的再伝送とRVの用例を示す図である。
図8及び図9を参照すれば、RVは、HARQ再伝送が原本データのどんな部分を収納しているかを指示する情報である。新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージには、伝送資源割り当て情報とMCSレベル情報が収納されている。上記メッセージを受信した端末は、割り当てられたリソースブロックの個数と指示されたMCSレベルを通じて伝送すべきデータのサイズを決定し、上記決定されたサイズのMAC PDU805を構成する。上記MAC PDUは、指示されたMCSレベルによってチャネルコーディングされ、チャネルコーディングされたデータ810は、当該HARQプロセスのHARQバッファーに保存される。端末は、上記チャネルコーディングされたデータ810のうち指示されたRVに該当する部分を伝送し、再伝送は、上記RVから所定の順序によって行う。RVの順序は、RV0、RV2、RV3、RV1であり、通常、端末は、RV0から始まり、上記順序を循環しながら再伝送を行う。コーディングされたデータにおいてRV0、RV1、RV2、RV3が指示する部分は、例えば、RV0 815は、最も前方部、RV1 820は、その次の部分などのようにあらかじめ定められる。実際に各RVが指示する部分は、図8に示されたものとは異なって、不連続的であることが一般的である。一般的に最初伝送は、RV0 815から始まり、その後、伝送が進行されるほどRV2 825、RV3 830、RV1 820が順に伝送される。5番目の伝送で、RVは、さらにRV0に戻る循環的な性格を有する。適応的再伝送が行われる場合、適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージでRVが指定されることもできる。例えば、任意の時点に新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ905を受信すれば、端末は、所定のT 910以後に割り当てられた伝送資源を通じて伝送すべきMAC PDUのRV0 915を伝送する。上記MAC PDUが持続的に再伝送される状況を仮定すれば、端末は、HARQ RTTだけ経過した時点に同一の伝送資源を使用してRV2 920を伝送し、さらにHARQ RTTだけ経過した時点に同一の伝送資源を使用してRV3 925を伝送する。この時、基地局が上記端末の再伝送を他の伝送資源に移そうとしたら、端末は、最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージと同一のNDIが収納された逆方向伝送資源割り当てメッセージ930を所定の時点に伝送する。基地局は、上記適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVを所望の値に設定し、端末のRV順序を変更することもできる。例えば、基地局が上記適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージ930のRVを2に指示すれば、端末は、上記再伝送がRV1を伝送する順序であるが、指示されたRV2 935を伝送し、その後、伝送が完了するか、基地局が新しいRVを指示するまで、上記指示されたRVを基準にしてRV順序を決定する。すなわち、その後RV3 940、RV1 945、RV0 950を伝送する。前述したように、受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVが0であることは、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが適応的再伝送のための伝送資源割り当てメッセージではなく、最初伝送のための伝送資源割り当てメッセージであることを意味し、端末は、段階725に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存し、指示されたRVに該当する部分、例えばRV0に該当する部分を伝送する。
【0033】
厳密に話せば、RVが0の伝送資源割り当てメッセージが適応的再伝送のための伝送資源割り当てメッセージであることもできる。例えば、5番目の伝送を行う端末に適応的再伝送を指示するとき、RV0を使用することを指示することが元々のRV順序に符合するので、さらに効率的であることができる。しかし、基地局がRV0を適応的再伝送に利用するように許容すれば、任意の時点に伝送した適応的再伝送用RV0の逆方向伝送資源割り当てメッセージを端末が最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージとして誤認する場合、あるいはその反対の場合が発生し得るので、本発明において基地局は、適応的再伝送ではRV0を指示しない。すなわち、基地局は、RV0順序に該当する時点に適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージを伝送しなければならない場合は、他のRVを指示する。これにより、上記伝送効率が低下するが、プロトコル上の明確性を保証することがさらに重要である。
【0034】
図7に戻って、段階715でRVが0ではない場合、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの適応的再伝送用であり、端末が過去任意の時点に新しいMAC PDUの最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを遺失したことを意味する。前述したように、HARQ再伝送は、最大伝送回数によって制限される。ところが、端末が最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを遺失したということは、端末が上記適応的再伝送が何番目の伝送であるかを知らないことを意味する。端末が最後の再伝送可能時点を誤認する場合、自分の伝送資源ではない伝送資源にデータを伝送することによって、不要な干渉をもたらすことができるので、端末は、段階720に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、データを伝送しない。
【0035】
段階710で、当該HARQバッファーにデータが保存されていたら、端末は、段階730に進行し、NDIを検査する。上記NDIが変更されたら、言い替えれば、最も最近に受信した上記HARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージで指示されたNDIと上記新しく受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIが異なる値であれば、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを新しいMAC PDU伝送に対する逆方向伝送資源割り当てメッセージとして判断し、段階735に進行し、現在HARQバッファーに保存されているデータを廃棄する。また、段階715に進行し、RV値によって適切な動作を行う。NDIが変更されなかったら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、既存のMAC PDUに対する適応的再伝送を指示するメッセージであり、端末は、段階740に進行し、指示された伝送資源とRVを適用してHARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのうち該当する部分を指示された伝送資源に伝送する。
【0036】
図10は、本発明の一実施例による他の端末動作を示す図である。上記動作は、図7に示された動作と本質的に同一であるが、まずRVを検査することによって、動作を単純化する。
【0037】
段階1005で、任意のHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、端末は、段階1010に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVが0であるかを検査する。RVが0なら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの最初伝送を指示するものであり、端末は、段階1015に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存し、指示されたRV、すなわちRV0に該当する部分を伝送する。
【0038】
段階1010で、RVが0ではなければ、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送を指示するものであるかを判断するために、端末は、段階1020に進行し、上記プロセスXのHARQバッファー状態を検査する。上記HARQバッファーが空いていたら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージである。RVは、0ではなく、当該HARQバッファーが空いているということは、端末が過去どの時点に新しいMAC PDUの最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを遺失したことを意味し、端末は、段階1025に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、データを伝送しない。段階1020で、当該HARQプロセスのバッファーにデータが保存されていたら、端末は、段階1030に進行し、NDI変更可否を検査する。
【0039】
上記NDIが変更された場合、言い替えれば、最も最近に受信した上記HARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージで指示されたNDIと上記新しく受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIが異なる値である場合、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示するものなので、段階1025に進行する。NDIが変更されない場合、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、既存のMAC PDUに対する適応的再伝送のためのメッセージであり、端末は、段階1035に進行し、指示された伝送資源とRVを適用してHARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのうち該当する部分を指示された伝送資源に伝送する。
【0040】
本発明を簡略に要約すれば、端末は、逆方向伝送資源割り当てメッセージを下記3つのうち1つとして判断し、それに合わせて動作する。
【0041】
一番目は、新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーが空いているHARQプロセスに対してRVが0に設定された逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、新しいMAC PDUの最初伝送を指示するものと判断し、通常的な最初伝送方式に基づいて逆方向データを伝送する。
【0042】
二番目は、現在HARQバッファーに保存されているMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーにデータが保存されているHARQプロセッサに対してRVが0ではなく、NDIがトグルされない逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、現在HARQバッファーに保存されているMAC PDUの適応的再伝送を指示するものと判断し、通常的な適応的再伝送方式に基づいて逆方向データを再伝送する。
【0043】
三番目は、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーにデータが保存されていないHARQプロセッサに対してRVが0ではない逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信するか、HARQバッファーにデータが保存されているHARQプロセッサに対してRVが0ではなく、NDIが変更された逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示するものと判断し、受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、データを伝送しない。
【0044】
図11は、本発明の一実施例によるさらに他の端末動作を示す図である。図11に示した動作で、端末は、まずNDIを検査することによって、動作を単純化する。
【0045】
段階1105で、任意のHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、端末は、段階1110に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIとHARQプロセスXの最も最近NDIが同一であるかを比較する。任意のHARQプロセスの最も最近NDIというのは、当該HARQプロセスに対する最も最近の逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIであることができる。
【0046】
受信したNDIが最も最近のNDIに比べて増加したら、すなわちその値が変更されたら、端末は、段階1115に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送を指示するものと判断し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存し、指示されたRVに該当する部分を伝送する。
【0047】
受信したNDIが最も最近のNDIと同一である場合、端末は、段階1120に進行し、当該HARQプロセスのバッファー状態を検査する。もしバッファーが空いていたら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの伝送を指示するものなので、段階1115に進行し、新しいMAC PDUを伝送する。受信したNDIが最も最近のNDIと同一であり、当該HARQプロセスが空いていなければ、端末は、段階1125に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが適応的再伝送を指示するものと判断し、指示された伝送資源とRVを適用してHARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのうち該当する部分を指示された伝送資源に伝送する。
【0048】
図12は、本発明の一実施例によるさらに他の端末動作を示す図である。図12に示された動作で、端末は、まずNDIを検査することによって、動作を単純化すると同時に、バッファー状態の代わりにRVを利用して最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージと再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージを区分する。
【0049】
段階1205で、任意のHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、端末は、段階1210に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIとHARQプロセスXの最も最近NDIが同一であるかを比較する。
【0050】
受信したNDIが最も最近のNDIに比べて増加したら、すなわちその値が変更されたら、端末は、段階1215に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送を指示するものと判断し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存し、指示されたRVに該当する部分を伝送する。
【0051】
受信したNDIが最も最近のNDIと同一である場合、端末は、段階1220に進行し、受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVが0であるかを検査する。RVが0なら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの伝送を指示するものなので、段階1215に進行し、新しいMAC PDUを伝送する。受信したNDIが最も最近のNDIと同一であり、RVが0ではなく、他の値なら、端末は、段階1225に進行し、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが適応的再伝送を指示するものと判断し、指示された伝送資源とRVを適用してHARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのうち該当する部分を指示された伝送資源に伝送する。
【0052】
本発明の他の実施例において、バンドル伝送(bundled transmission)は、NDI、RV及びHARQバッファー状態を利用して逆方向伝送資源割り当てメッセージを解釈する方法及び装置を提示する。
【0053】
バンドル伝送というのは、端末が割り当てられた伝送資源を利用して一定回数で繰り返し伝送するようにする技法であって、セル端部に位置する端末の伝送出力不足問題を解決するためのものである。バンドル伝送において端末は、割り当てられた伝送資源を連続4回利用してRV0、RV2、RV3、RV1を一度に伝送する。基地局は、上記4回にわたって受信されるデータを軟性結合した後、エラー有無を判断し、HARQACKあるいはHARQNACKを伝送する。
【0054】
図13は、RVバンドル伝送例を示す図である。
例えば、任意の時点にバンドル伝送が設定された端末に新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ1305が受信されれば、端末は、所定のT 1310が経過した後、4回のTTIの間に上記割り当てられた伝送資源にRV0、RV2、RV3、RV1を伝送する(1315)。所定の期間が経過した後、HARQNACKが受信されれば、端末は、バンドル伝送用に定義されたHARQ RTT 1320だけ経過した時点に同一の伝送資源を使用してRV0、RV2、RV3、RV1を再伝送する(1325)。
【0055】
バンドル伝送では、このように伝送と再伝送に同一のRVを使用する。言い替えれば、適応的再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVと最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVは、同一の値が使用される。例えば、任意の時点に適応的再伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージ1330が伝送される時、上記メッセージのRVは、0であって、最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージ1305のRVと同一である。このように、適応的再伝送と最初伝送に同一のRVが使用されることによって、端末は、ただNDIとHARQバッファー状態を参照して逆方向伝送資源割り当てメッセージが適応的再伝送用であるか、最初伝送用であるかを判断しなければならない。前述したように、最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージが遺失される場合、NDIとバッファー状態だけで適応的再伝送用であるか、最初伝送用であるかを判断することは不可能である。例えば、図13で、端末が最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージ1305は受信せず、適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージ1330だけを受信したら、NDIがトグルされる可能性が高いため、端末は、上記適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージ1330を最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージとして誤認する可能性が高い。
【0056】
本発明では、前述したような問題点を解決するために、バンドル伝送の場合には、逆方向伝送資源割り当てメッセージのRV情報がRVを指示するものではなく、伝送回数を指示するようにする。
【0057】
図14は、本発明の他の実施例による全体動作を示す図である。
基地局は、最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVは、0に設定し(1405)、2番目の伝送に対する適応的再伝送を行う場合、当該逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVは、1に設定し(1420)、3番目の伝送に対する適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVは、2に設定し(1430)、4番目の伝送に対する適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVは、3に設定する(1440)など、適応的再伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージを伝送する場合、当該メッセージのRVを伝送回数によって1ずつ増加する値を設定する。
【0058】
端末は、HARQバッファーが空いているHARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVが0でなければ、すなわち最初伝送用逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信しない状態で適応的再伝送用伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視する。
【0059】
図15は、本発明の他の実施例による端末動作を示す図である。
段階1505で、任意のHARQプロセスXに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、端末は、段階1510に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのRVが0であるかを検査する。RVが0なら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの最初伝送を指示するものであり、端末は、段階1505に進行し、現在バンドル伝送中にあるかを検査する。上記バンドル伝送適用可否は、上位階層の制御メッセージを通じて設定される。バンドル伝送中の場合、端末は、段階1517に進行し、バンドル伝送の中ではない場合、段階1515に進行する。段階1515で、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存し、指示されたRV、すなわちRV0に該当する部分を伝送する。段階1517で、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージに収納された情報によって新しいMAC PDUを構成し、チャネルコーディングしてHARQバッファーに保存する。また、割り当てられた伝送資源を通じてRV0、RV2、RV3、RV1に該当する部分を順次に伝送する。
【0060】
段階1510で、RVが0でなければ、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDU伝送を指示するものであるかを判断するために、端末は、段階1520に進行し、上記プロセスXのHARQバッファー状態を検査する。上記HARQバッファーが空いていたら、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージである。当該HARQバッファーが空いているというのは、上記HARQバッファーのデータが廃棄された後、新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージを遺失したことを意味する。前述したように、HARQ再伝送は、最大伝送回数によって制限される。ところが、端末が最初伝送のための逆方向伝送資源割り当てメッセージを遺失したら、端末は、上記適応的再伝送が何番目の伝送であるかを知らずに、最後の再伝送可能時点を把握することができない。端末が最後の再伝送可能時点を誤認する場合、自分の伝送資源ではない伝送資源にデータを伝送することによって、不要な干渉をもたらすことができるので、端末は、段階1525に進行し、上記受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、データを伝送しない。段階1520で、当該HARQプロセスのバッファーにデータが保存されていたら、端末は、段階1530に進行し、NDI変更可否を検査する。
【0061】
上記NDIが変更された場合は、言い替えれば、最も最近に受信した上記HARQプロセスに対する逆方向伝送資源割り当てメッセージで指示されたNDIと上記新しく受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージのNDIが異なる値なら、端末は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージを新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する伝送資源割り当てメッセージとして判断し、段階1525に進行する。NDIが変更されない場合は、上記逆方向伝送資源割り当てメッセージは、既存のMAC PDUに対する適応的再伝送のためのメッセージであり、端末は、段階1533に進行し、現在バンドル伝送中にあるかを検査する。バンドル伝送中ではない場合は、段階1535に進行し、指示された伝送資源を利用してHARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのRV0、RV2、RV3、RV1のうち指示されたRVに該当する部分を伝送する。バンドル伝送中の場合、端末は、段階1537に進行し、指示されたRVを無視し、HARQバッファーに保存されているコーディングされたデータのRV0、RV2、RV3、RV1を順次に伝送する。
【0062】
本発明の他の実施例を簡略に要約すれば、端末は、逆方向伝送資源割り当てメッセージを下記3つのうち1つとして判断し、それに合わせて動作する。
【0063】
新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーが空いているHARQプロセスに対してRVが0に設定された逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、新しいMAC PDUの最初伝送を指示するものと判断し、通常的な最初伝送方式に基づいて逆方向データを伝送する。
【0064】
現在、HARQバッファーに保存されているMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーにデータが保存されているHARQプロセッサに対してRVが0ではなく、NDIが変更されない逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、現在HARQバッファーに保存されているMAC PDUの適応的再伝送を指示するものと判断し、通常的な適応的再伝送方式に基づいて逆方向データを再伝送する。バンドル伝送中の端末は、指示されたRVを無視し、所定の順序、例えばRV0、RV2、RV3、RV1の順にデータを伝送する。
【0065】
新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ:HARQバッファーにデータが保存されていないHARQプロセッサに対してRVが0ではない逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信するか、HARQバッファーにデータが保存されているHARQプロセッサに対してRVが0ではなく、NDIが変更された逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信すれば、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示するものと判断し、受信した逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、データを伝送しない。
【0066】
図16は、本発明の実施例による端末装置のブロック構成図である。
端末装置は、上位階層装置1605、HARQ装置1610、送受信部1625、伝送資源制御部1620、PDCCH処理部1630で構成される。
【0067】
端末の送受信部1625は、無線チャネルを通じてPDCCHを受信し、その他のトラフィックを送受信する装置である。送受信部1625は、PDCCHを通じて受信された信号をデコーディングし、PDCCH処理部1630に伝達する。
【0068】
PDCCH処理部1630は、送受信部1625が伝達したデコーディングされた信号に所定のCRC演算を行い、エラー有無を判断し、エラーがない伝送資源割り当てメッセージは、伝送資源制御部1620に伝達する。伝送資源制御部1620は、PDCCH処理部1630が伝達した伝送資源割り当てメッセージのNDIとRVそして当該HARQバッファーの状態を利用して上記伝送資源割り当てメッセージが新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ、既存のMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージ、新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージのうちいずれかに該当するかを判断する。新しいMAC PDUの最初伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージなら、割り当てられた伝送ブロックの数とMCSレベルを利用して伝送すべきMAC PDUのサイズを決定し、上記決定されたサイズのMAC PDUを構成し、HARQプロセッサに伝達するように上位階層装置を制御する。既存のMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信したら、当該HARQプロセスが適応的再伝送を行うようにHARQ装置1610を制御する。新しいMAC PDUの適応的再伝送を指示する逆方向伝送資源割り当てメッセージを受信したら、逆方向伝送資源割り当てメッセージを無視し、何の動作を行わない。
【0069】
上位階層装置1605は、RLC装置、PDCP装置及びMACの多重化装置などを通称する。HARQ装置1610は、多数のHARQプロセスで構成され、HARQプロセス別に通常的なHARQ動作を行う。
【0070】
本明細書と図面に開示された本発明の実施例は、本発明の技術内容を容易に説明し、本発明の理解を助けるために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施例以外にも本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に自明であろう。
【符号の説明】
【0071】
101 UE
110、112 E−RAN
120、122、124、126、128 ENB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16