特許第5978059号(P5978059)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978059
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20160817BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61Q19/00
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-176588(P2012-176588)
(22)【出願日】2012年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-34546(P2014-34546A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】竹山 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】加治 恵
(72)【発明者】
【氏名】露木 萌
(72)【発明者】
【氏名】仁王 厚志
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−316422(JP,A)
【文献】 特開2005−008592(JP,A)
【文献】 特開2004−107233(JP,A)
【文献】 国際公開第00/032560(WO,A1)
【文献】 特開2004−018490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/81
A61Q 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるモノマー及び/又はその塩から誘導される一種または二種以上の構成単位と、一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位を必須構成単位として有するコポリマー及び/又はその塩を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
一般式(I)
【化1】
(I)

(一般式(I)中Rは水素原子またはメチル基を、Rはアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Xは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
一般式(II)
【化2】
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは環構造を含まない、炭素数13〜30の分岐状炭化水素基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基を表す。)
【請求項2】
さらに、コポリマーが、重合性カルボン酸及びその塩、下記一般式(III)で表される親水性モノマーからなる群より選択される一種又は二種以上のモノマーから誘導される構成単位を含有することを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
一般式(III)
【化3】
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは4〜40の整数を表す。)
【請求項3】
一般式(III)で表される親水性モノマーが、下記一般式(IV)で表される親水性モノマーであることを特徴とする請求項2記載の皮膚外用剤。
一般式(IV)
【化4】
(IV)

(一般式(IV)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の整数を表す。)
【請求項4】
重合性カルボン酸がアクリル酸及び/またはメタクリル酸であることを特徴とする請求項2または3に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
コポリマーを皮膚外用剤全量の0.5〜25質量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
化粧料であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤、更に詳細には、損傷皮膚や損傷毛髪の保護効果に優れ、且つ使用感に優れる皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの角層の主な役割は、皮膚内部からの水分の蒸散を抑制する、外部から、皮膚内部への刺激物の侵入を妨げ、皮膚内部を外部刺激から保護するなどの、いわゆる皮膚バリアーの働きをすることである。しかしながら、近年、種々の化学物質との接触の機会が増加しており、それら外的要因やストレス等の内的要因により、角層のバリアー機能が低下しているケースが多くなっている。
【0003】
このような状況下、化粧品、特に、スキンケア品に、水溶性高分子を化粧料中に配合し、低下した角層のバリアー機能を補完しようとする試みがなされている。このようなポリマーとしては、肌との親和性に優れる側鎖構造を有するポリマーが好ましく、側鎖に糖構造やアミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するポリマーが多用されている。(例えば、特許文献1,特許文献2参照)それらのうちでも、特に、側鎖にアミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するポリマーは、損傷した角層に吸着し角層細胞を修復する、角層細胞面積を増大させるという効果によって、皮膚バリアー機能を根本から改善させることも知られている。また、角層ばかりでなく、損傷した毛髪にも吸着し、毛髪の頭皮保護効果も回復させることも知られている。(例えば、特許文献3、特許文献4参照)
【0004】
しかしながら、これらのポリマーを配合した化粧料には、前述した効果には優れるものの、使用中に水溶性高分子特有のきしみを感じる、被膜の柔軟性が低いために、肌が突っ張るような使用後感がある等の使用感に課題を有する場合があった。すなわち、使用感が良好で、皮膚バリアー機能の回復作用、毛髪の頭皮保護機能回復効果に優れる皮膚外用剤の開発が望まれていた。
【0005】
一方、側鎖にアミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するアクリル系モノマーと特定の分岐構造のアルキル基を有するアクリル系モノマーからなるコポリマーが、本来の、損傷した角層細胞への吸着作用に優れ、肌上で摩擦係数が低く、柔軟性に優れる被膜を形成すること、さらには該ポリマーを含有する皮膚外用剤が、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感のない、優れた使用感と優れた皮膚バリアー回復効果を併せ持つことは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−153811号公報
【特許文献2】特開2007−308382号公報
【特許文献3】再公表特許WO00/32560号公報
【特許文献4】特開2004−18490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、皮膚バリアー回復効果及び使用感に優れる皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような状況を鑑み、本発明者等は、皮膚バリアー回復効果及び使用感に優れる皮膚外用剤を求めて鋭意研究した結果、側鎖にアミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するアクリル系モノマーから誘導される構成単位、疎水性の、特定の分岐構造を有するアクリル系モノマーから誘導される構成単位を必須構成単位として含有するコポリマーを含有する皮膚外用剤が課題を解決することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で表されるモノマー及び/又はその塩から誘導される一種または二種以上の構成単位と、一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される一種または二種以上の構成単位を必須構成単位として有するコポリマーを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
一般式(I)
【化1】
(I)

(一般式(I)中Rは水素原子またはメチル基を、Rはアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Xは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
一般式(II)
【化2】
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは環構造を含まない、炭素数13〜30の分岐状炭化水素基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基を表す。)
(2)さらに、コポリマーが、重合性カルボン酸及びその塩、下記一般式(III)で表される親水性モノマーからなる群より選択される一種又は二種以上のモノマーから誘導される構成単位を含有することを特徴とする(1)記載の皮膚外用剤。
一般式(III)
【化3】
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは4〜40の整数を表す。)
(3)一般式(III)で表される親水性モノマーが、下記一般式(IV)で表される親水性モノマーであることを特徴とする(2)記載の皮膚外用剤。
一般式(IV)
【化4】
(IV)

(一般式(IV)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の整数を表す。)
(4)重合性カルボン酸がアクリル酸及び/またはメタクリル酸であることを特徴とする(2)または(3)に記載の皮膚外用剤。
(5)コポリマーを皮膚外用剤全量の0.5〜25質量%含有することを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の皮膚外用剤。
(6)化粧料であることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、皮膚バリアー回復効果及び使用感に優れる皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
<1> 本発明の皮膚外用剤の必須成分であるコポリマーを構成する側鎖に、アミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するモノマーから誘導される構成単位
本発明の皮膚外用剤の必須成分のコポリマー(以下、単に本発明のコポリマーと呼ぶ場合がある)は下記一般式(I)で表される、側鎖に、アミノ酸、ポリアミン、アミノアルコール構造を有するモノマー及び/又はその塩から誘導される構成単位を必須構成単位として含有する。なお、本発明において、「モノマーから誘導される構成単位」とは、対応するモノマーが有する炭素−炭素不飽和結合が重合反応によって開裂して形成される構成単位を言う。
一般式(I)
【化5】
(I)

(一般式(I)中Rは水素原子またはメチル基を、Rはアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Xは酸素原子又はNHで表される基を表す。)
【0011】
一般式(I)のモノマーにおいて、Rで表されるアミノ酸残基のアミノ酸としては、通常知られているアミノ酸であれば、特に限定されず、具体的には、グリシン、アラニン、グルタミン、リジン、アルギニン等が例示される。これらのうちでは、得られるコポリマーが、皮膚バリアーの回復効果に優れるので、リジン残基が特に好ましい。
【0012】
また、Rで表されるポリアミン残基におけるポリアミンとは、同一分子内にアルキル基で置換されていても良いアミノ基を2個以上有するアミンを意味し、具体的には、ジアミン、トリアミン、テトラアミン又はこれらのアミノ基の水素原子がアルキル基で置換されているアミンが例示される。これらのうちでは、得られるコポリマーを含有する皮膚外用剤の使用感が特に優れることから、ジアミンが好ましく、特に好ましい具体例として、合成する際の原料の入手の容易さから、エチレンジアミン、1,4−ジアミノ−n−ブタン、1,6−ジアミノ−n−ヘキサン等が挙げられる。
【0013】
さらに、Rで表されるアミノアルコール残基におけるアミノアルコールとは、同一分子内にアルキル基で置換されていても良いアミノ基及びアルコール性の水酸基を有する化合物を意味する。アミノアルコールとしては、通常知られているものであれば、特に限定はされないが、具体例としては、エタノールアミン、トリエチルアミノエタノール等が例示される。
【0014】
一般式(I)で表されるモノマーの塩としては、特に限定はされないが、具体的には、酸部分を塩基で中和した、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等、また、アミノ基部分を酸で中和した、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、蓚酸塩、炭酸塩等が例示できる。本発明のコポリマーに一般式(I)で表されるモノマーの塩から誘導される構成単位を導入する場合は一般式(I)で表されるモノマーを予め塩となし、重合反応を行っても良いし、重合反応により、一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位をコポリマーに誘導した後、中和して塩となしてもよい。
【0015】
下記一般式(I)で表されるモノマー、その塩の具体例としては、以下の構造を有する化合物、その塩が好適に例示できる。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
一般式(I)で表されるモノマーは、例えば、下記に示すように(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライドを用いたエステル化反応、アミド化反応により合成可能である。
【化17】
【化18】
反応式中Rは水素原子またはメチル基を、Rはアミノ酸残基、ポリアミン残基又はアミノアルコール残基を表す。Xは酸素原子又はNHで表される基を表す。
【0028】
本発明のコポリマーにおける、一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位の全構成単位に占める割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは、10〜85質量%である。下限以下では、得られるコポリマーを含有する皮膚外用剤の形成する被膜の損傷皮膚との親和性が低く、皮膚バリアー機能の回復効果が充分でない場合があり好ましくない。また、上限以上では、得られるコポリマーを含有する皮膚外用剤が使用時にきしみ、つっぱり感を生じる場合があり好ましくない。
【0029】
以下、一般式(I)で表されるモノマーの製造例を示す。
<製造例1>アラニン−アクリル酸アミドの合成
炭酸カリウム55.28gを蒸留水200mlに溶解し、これにD,L−α−アラニン17.82gを溶解した。氷冷下、激しく撹拌しながら、アクリル酸クロリド19.92gを約20分で滴下し、そのまま約2時間激しく撹拌した。反応液に濃塩酸を加え、pHを1〜2にした後、食塩を飽和させ酢酸エチル200mlで3回抽出した。酢酸エチル層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮。酢酸エチルで再結晶化を行い、得られた結晶を濾取、乾燥した。NMR測定により、得られた結晶が一般式(V)で表されるアラニン−アクリル酸アミドであることが確認された。
一般式(V)
【化19】
(V)
【0030】
<製造例2>グルタミン−メタクリル酸アミドの合成
炭酸カリウム34.55gを蒸留水100mlに溶解し、これにL−グルタミン7.30gを溶解し、さらにアセトニトリル20mlを加えた。激しく撹拌しながら、メタクリル酸クロリド10.45gを約10分で滴下し、そのまま約2時間激しく撹拌した。反応液を濃塩酸でpHを1〜2にした後、食塩を飽和させ酢酸エチル100mlで2回洗浄した。得られた水層を、酢酸エチル/イソプロパノール=1/1 100mlで3回抽出した。酢酸エチル/イソプロパノール層を合わせて濃縮し、シリカゲルカラム精製(シリカゲル30g、クロロホルム/メタノール=2/1で溶出)し、必要画分を集め、濃縮しシロップを得た。NMR測定により、得られた化合物が一般式(VI)で表されるグルタミン−メタクリル酸アミドであることが確認された。
一般式(VI)
【化20】
(VI)
【0031】
<製造例3>リジン−メタクリル酸アミドの合成
炭酸水素カリウム5.51gを蒸留水100mlに溶解し、これにリジン塩酸塩9.13gを溶解し、さらにアセトン80mlを加えた。氷冷下、激しく撹拌しながら、メタクリル酸クロリド5.23gを約10分で滴下し、そのまま約2時間激しく撹拌した。反応液を濃塩酸でpH1〜2にした後、食塩を加え飽和させた。この水層を酢酸エチル100mlで2回洗浄した後、酢酸エチル/イソプロパノール=1/2 100mlで3回洗浄した。酢酸エチル/イソプロパノール層を合わせて、減圧下50ml程度に濃縮し、イソプロパノール500mlを加え、約200mlに再度濃縮した。析出した食塩を濾過で除き、濾液を濃縮し、シロップを得た。NMR測定により、得られた化合物が一般式(VII)及び(VIII)で表される化合物の混合物であるグルタミン−メタクリル酸アミドであることが確認された。
一般式(VII)
【化21】
(VII)

一般式(VIII)
【化22】
(VIII)
【0032】
<2> 本発明の皮膚外用剤の必須成分であるコポリマーを構成する疎水性モノマーから誘導される構成単位。
本発明の皮膚外用剤の必須成分であるコポリマーは下記一般式(II)で表される疎水性モノマーから誘導される構成単位(以下、単に、「構成単位IIと呼ぶこともある)の一種又は二種以上を必須構成単位として含有する。
一般式(II)
【化23】
(II)

(一般式(II)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは、環構造を含まない、炭素数13〜30の分岐状炭化水素基、または、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基を表す。)
【0033】
ここで、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基等が例示できる。本発明において、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
【0034】
また、Rで表される、環構造を含まない、炭素数13〜30の分岐状炭化水素基としては、1−メチルドデカニル基、11−メチルドデカニル基、3−エチルウンデカニル基、3−エチル−4,5,6−トリメチルオクチル基、1−メチルトリデカニル基、1−ヘキシルオクチル基、2−ブチルデカニル基、2−ヘキシルオクチル基、4−エチル−1−イソブチルオクチル基、1−メチルペンタデカニル基、2−ヘキシルデカニル基、2−オクチルデカニル基、2−ヘキシルドデカニル基、16−メチルヘプタデカニル基、9−メチルヘプタデカニル基、7−メチル−2−(3−メチルヘキシル)デカニル基、3,7,11,15−テトラ−メチルヘキサデカニル基、2−オクチルドデカニル基、2−デシルテトラデカニル基、2−ドデシルヘキサデカニル基等を例示することができる。
【0035】
また、Rで表される、環構造を含まない、2つ以上の分岐を有する炭素数6〜12の炭化水素基としては2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジメチルペンタニル基、1−イソプロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−イソプロピルプロピル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピル−2,2−ジメチルプロピル基、1,1、2−トリメチル−ペンチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1,2−ジメチル−1−エチルブチル基、1,3−ジメチル−1−エチルブチル基、1−エチル−1−イソプロピル−プロピル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1−メチル−1−エチルペンチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,4―ジメチルヘキシル基、1−エチル−3―メチルペンチル基、1,5―ジメチルヘキシル基、1−エチル−6−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,2−ジメチル−1−イソプロピルプロピル基、3−メチル−1−(2,2−ジメチルエチル)ブチル基、1−イソプロピルヘキシル基(C9)、3.5.5−トリメチルヘキシル基、2−イソプロピル−5−メチルヘキシル基、1,5−ジメチル−1−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2,4,5−トリメチルヘプチル基、2,4,6−トリメチルヘプチル基、3,5−ジメチル−1−(2,2−ジメチルエチル)ヘキシル等を例示することができる。
【0036】
本発明のコポリマーに含まれる構成単位IIは1種のみでもよいが、上記一般式(I)を満たすものであれば2種以上の構成単位IIを組み合わせて含有していてもよい。本発明のコポリマーにおける、構成単位IIの全構成単位に占める割合は、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは、5〜35質量%である。下限以下では、得られるコポリマーを含有する皮膚外用剤が使用時にきしみ、つっぱり感を生じる場合があり好ましくない。また、上限以上では得られるコポリマーの皮膚外用剤成分への、特に水への溶解性が低下する場合があり、好ましくない。
【0037】
一般式(II)で表されるモノマーは該当するアルコールと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸無水物又は(メタ)アクリル酸クロライドとのエステル化反応により、容易に合成することが可能である。以下、一般式(I)で表される疎水性モノマーの製造例を示す。
【0038】
<製造例4>
攪拌装置を備えた反応容器中で、3,3−ジメチル−2−ブタノール(東京化成工業(株)製)20.4g(0.2モル)、トリエチルアミン50.0gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。得られた溶液を氷冷、攪拌しながら、酸クロライドとして、アクリル酸クロライド(東京化成工業(株)製)18.1gをテトラヒドロフラン100mlに溶解してなる溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、生成した白色沈殿を濾過し、濾液からロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフラン及びトリエチルアミンを除去して生成物を得た。NMR測定により、得られた化合物が、一般式(IX)で表される、1、2,2−トリメチルプロピルアクリレートであることが確認された。
一般式(IX)
【化24】
(IX)
【0039】
<製造例5〜9>
製造例4におけるアルコール及び酸クロライドを表1に示すように変更した以外は、上記製造例4と同様の操作を行って、一般式(II)で表される疎水性モノマーを調製した。得られた疎水性モノマーを表1及び一般式(X)〜(XIV)に示す。
【0040】
【表1】

* 1)東京化成工業(株)製
* 2)東京化成工業(株)製
* 3)「ノナノール」協和発酵ケミカル(株)製
* 4)東京化成工業(株)製
* 5)「リソノール16SP」高級アルコール工業(株)製
* 6)「ファインオキソコール(登録商標) 180」日産化学工業(株)製
【0041】
製造例5の化合物
一般式(X)
【化25】
(X)
【0042】
製造例6の化合物
一般式(XI)
【化26】
(XI)
【0043】
製造例7の化合物
一般式(XII)
【化27】
(XII)
【0044】
製造例8の化合物
一般式(XIII)
【化28】
(XIII)
【0045】
製造例9の化合物
一般式(XIV)
【化29】
(XIV)
【0046】
<3> 本発明のコポリマーを構成する親水性モノマーから誘導される構成単位。
本発明のコポリマーは前述の一般式(I)で表されるモノマーから誘導される構成単位及び一般式(II)で表されるモノマーから誘導される構成単位を必須構成単位として含有するが、必要に応じて他の構成単位を含有しても良い。このような構成単位としては、コポリマーの溶解性、特に水への溶解性を向上させることから、重合性カルボン酸、その塩又は下記一般式(III)で表されるモノマーからなる群から選択される親水性モノマーから誘導される構成単位の一種または二種以上が好ましい。(以下、一般式(III)で表されるモノマーからなる群から選択される親水性モノマー誘導される構成単位を単に、構成単位IIIと呼ぶことがある。)
一般式(III)
【化30】
(III)

(一般式(III)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水酸基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。nは4〜40の整数を表す。)
【0047】
重合性カルボン酸又はその塩としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が例示できる。これらの中では、重合性が高いことから、アクリル酸、メタクリル酸及びその塩が特に好ましい。本発明の水溶性コポリマーに重合性のカルボン酸の塩から誘導される構成単位を導入する場合は重合性カルボン酸を予め塩となし、重合反応を行っても良いし、重合反応により、重合性カルボン酸から誘導される構成単位をコポリマーに誘導した後、塩基により中和して塩となしてもよい。
【0048】
一般式(III)においてRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、シクロプロピル基が例示できる。本発明において、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
【0049】
また、Rで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、1−ヒドロキシ−2−メチルエチレン基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチレン基などが例示できるが、これらのうち、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、より好ましくはエチレン基である。
【0050】
また、Rで表される基のうち、炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が例示でき;炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ラウリル基などが好適に例示でき;炭素数1〜12のアシル基としては、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ラウロイル基などが好適に例示できる。これらのうち、Rで表される基として好ましくは炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。
【0051】
さらに、一般式(III)におけるnは4〜40の数値範囲であることが重要である。本発明においてnが上記範囲である構成単位IIをコポリマーに導入することにより、皮膚外用剤の構成成分、特に水への溶解性を向上させることができる。nが4未満の場合は得られるコポリマーの皮膚外用剤の構成成分、特に水への溶解性を向上させることができない場合があり、好ましくない。反対に、nが40より大きすぎると皮膚外用剤の使用時のきしみが増大する場合があるので好ましくない。
【0052】
上記一般式(III)で表されるモノマーのうち、Rがプロピレン基であるモノマーとして具体的には、ポリプロピレングリコール(6)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(9)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート等が挙げられる。なお、括弧内の数字はnを表す。これらのポリマーの多くは市販品として入手可能である。これら市販品としては、具体的には、商品名「ブレンマー」AP−400、AP−550、AP−800、PP−500、PP−800(いずれも日本油脂(株)製)等が例示できる。なお、Rがエチレン基であるモノマーの具体例は後述する。
【0053】
上記一般式(III)で表される親水性モノマーから誘導される構成単位の中でも特に好ましいものとして、下記一般式(IV)で表される親水性モノマーから誘導される構成単位が挙げられる。
一般式(IV)
【化31】
(IV)

(一般式(IV)中Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアシル基を表す。mは4〜40の整数を表す。)
【0054】
このような一般式(IV)で表されるモノマーを具体的に例示すれば、ポリエチレングリコール(10)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(8)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(4)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(8)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(23)メタクリレート、オレイロキシポリエチレングリコール(18)メタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(4)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(18)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(4)メタクリレート、ラウロイロキシポリエチレングリコール(10)メタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(4)メタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(30)メタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(30)モノアクリレート等が挙げられる。なお、カッコ内の数字はmの値を示す。
【0055】
なお、一般式(III)において述べたように、一般式(IV)においても同様に、膚外用剤の構成成分、特に水への溶解性を向上させ、かつ、皮膚外用剤の使用時のきしみを抑制するためにはmは4〜40の数値範囲であることが重要である。
【0056】
これら上記の親水性モノマーは、対応するポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールモノエステルとアクリル酸、メタクリル酸のクロライド又は無水物とのエステル化反応により高収率で得ることができる。また、既に市販品も多数存在するので、かかる市販品を利用することも可能である。このような市販品としては、具体的に、商品名ブレンマー、AE−400、PE−350、AME−400、PME−200、PME−350、PME−400、PME−1000、ALE−200、ALE−800、PLE−200、PSE−200、PSE−400、PSE−1300、ANE−1300等(いずれも日本油脂(株)製)等が例示できる。
【0057】
本発明のコポリマーに含まれる親水性のモノマーから誘導される構成単位は1種のみでもよいが、前述の条件を満たすものであれば2種以上の構成単位を組み合わせて含有していてもよい。
【0058】
本発明のコポリマーに、親水性のモノマーから誘導される構成単位を含有させる場合は、その全構成単位に占める割合を50質量%以下にすることが好ましい。含有量が50質量%を超えると、得られるコポリマーを含有する皮膚外用剤が使用時にきしみ、つっぱり感を生じる場合があり好ましくない。
【0059】
<4> 本発明のコポリマーに含まれうるその他の任意の構成単位
本発明のコポリマーは、上記の必須構成単位I、必須構成単位II及び親水性モノマーから誘導される構成単位以外に、通常共重合体で使用されるモノマーから誘導される構成単位を、発明の効果を損なわない範囲で任意の構成単位として有することができる。かかる任意の構成単位としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、アクリル酸モノアルキルアミド、メタクリル酸モノアルキルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2エチルヘキシル、メタクリル酸−n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の一般式(II)で表される疎水性モノマーに含まれない(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸の環状アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、α−メチルスチレン;アクリロニトリル等のモノマーから誘導される構成単位が例示できる。これらのモノマーの殆どは市販品として入手可能である。
【0060】
<5>本発明のコポリマー
本発明のコポリマーは、上記構成単位I、構成単位II、並びに、必要に応じて、親水性のモノマーから誘導される構成単位及び任意の構成単位を、その骨格中に含有する共重合体である。また、本発明のコポリマーは通常はその構成単位がランダムに結合したランダム共重合体であるが、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であってもよい。
【0061】
本発明のコポリマーの製造方法は特に限定されないが、例えば各構成単位を誘導するモノマーを溶媒中で混合し、アクリル系モノマーの重合で通常用いられる方法に従って重合反応を行う方法により得ることができる。
【0062】
また、本発明のコポリマーは、皮膚外用剤へ含有させることが容易であることから、水溶性であることが好ましい。ここでいう水溶性コポリマーとは25℃において、コポリマーの20質量%水溶液の透過率が90%以上あるコポリマーと定義される。このようなポリマーを得るためには、上記重合方法の中でも前記モノマー混合物を、水溶液と25℃で水と任意の割合で混和する水性溶媒との混合溶媒中で、ラジカル重合する重合方法が特に好ましい。また、重合反応後の残存モノマーの量が少ないことから、水の替わりに緩衝溶液を用いる重合法がさらに好ましい。この方法で使用する緩衝作用を有する水溶液としては、通常使用される緩衝溶液であれば特に限定されないが、具体的には、塩化カリウム−塩酸溶液、フタル酸水素カリウム−塩酸溶液、リン酸二水素カリウム−リン酸水素二ナトリウム溶液、クエン酸水素カリウム−クエン酸溶液、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム溶液等が例示できる。また、開始剤のイオンと緩衝溶液を形成するような塩類、酸或いは塩基類の水溶液を用い、開始剤を添加した時点で緩衝溶液をとなしてもよい。さらに、この方法で用いる25℃で水と任意の割合で混和する水性溶媒としては、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール等のジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、テトラヒドロフラン等が例示できる。これらの水性溶媒の中では、重合反応が進行しやすいことから、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3のアルコールが特に好ましい。
【0063】
以下、本発明のコポリマー、比較例のコポリマーの製造例を示す。
<製造例10>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例3のリジン−メタクリル酸アミド96.0g、製造例8の疎水性モノマー24.0g、イソプロピルアルコール300ml、水300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明のコポリマー1の水溶液を得た。
【0064】
<製造例11>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例1のアラニン−アクリル酸アミドの60.0g、製造例7の疎水性モノマー48.0g、メトキシポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート(商品名「ブレンマーPME−1000」日本油脂(株)製)12.0g、エチルアルコール300mlと0.05M炭酸ナトリウム水溶液30ml及び0.1M炭酸水素ナトリウム溶液270mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、60℃で20時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー2の水溶液を得た。
【0065】
<製造例12>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例2のグルタミン−メタクリル酸アミド48.0g、製造例6の疎水性モノマー36.0g、メトキシポリエチレングリコール(9)メタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPME−400」)24.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)12.0g、イソプロピルアルコール300ml、0.2M塩化カリウム水溶液75ml、0.2N塩酸15.8ml及び水209.2mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、70℃で14時間反応を行った。反応終了後、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明のコポリマー3の水溶液を得た。
【0066】
<製造例13>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに製造例1のアラニン−アクリル酸アミド48.0g、製造例7の疎水性モノマー48.0g、アクリル酸(東京化成工業(株)製)24.0g、エチレングリコールモノメチルエーテル180ml及び0.002N塩酸120mを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム1.0gを水10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化カリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでエチレングリコールモノメチルエーテルを除去し、本発明のコポリマー4の水溶液を得た。
【0067】
<製造例14>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例2のグルタミン−メタクリル酸アミド72.0g、製造例9の疎水性モノマー48.0g、イソプロピルアルコール300ml、りん酸塩緩衝溶液(pH6.8)(ナカライテスク(株)製)300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、本発明のコポリマー5の水溶液を得た。
【0068】
<製造例15>
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例3のリジン−メタクリル酸アミド60.0g,製造例4の疎水性モノマー48.0g、ポリエチレングリコール(9)モノメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名「ブレンマーPE−400」)12.0g、酢酸エチル180ml及びエチルアルコールを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過酸化ベンゾイル0.5gをエチルアルコール10mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、8時間、リフラックスを行った。反応終了後、2−エチルヘキサン酸トリグリセリル300gを添加し、ロータリーエバポレーターで酢酸エチル及びエチルアルコールを除去し、本発明のコポリマー6の2−エチルヘキサン酸トリグリセリル溶液を得た。
【0069】
<製造例16>(比較例)
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例2のグルタミン−メタクリル酸アミド72.0g、2−エチルへキシルメタクリレート(東京化成工業(株)製)48.0g、イソプロピルアルコール300ml、りん酸塩緩衝溶液(pH6.8)(ナカライテスク(株)製)300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、コポリマー7の水溶液を得た。
【0070】
<製造例17>(比較例)
窒素導入管、冷却器及び攪拌装置を備えたフラスコに、製造例2のグルタミン−メタクリル酸アミド72.0g、ステアリルメタクリレート(東京化成工業(株)製)48.0g、イソプロピルアルコール300ml、水300mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、1時間窒素ガス置換を行った。これに過硫酸アンモニウム2.0gを水20mlに溶解した溶液を加え、更に攪拌を続けながら、65℃で16時間反応を行った。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0に調整し、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除去し、コポリマー8の水溶液を得た。
【0071】
<6>本発明の皮膚外用剤
本発明の外用剤は、前記、構成単位I及び構成単位IIを必須構成単位として含有し、場合により、親水性のモノマーから誘導される構成単位、その他のモノマーから誘導される構成単位を任意の構成単位として含有するコポリマーを必須成分として含有する。
【0072】
本発明の皮膚外用剤における、該コポリマーの含有量は、好ましくは、0.5〜25質量%、さらに好ましくは、1〜15質量%である。下限値以下では本発明の効果が発揮されない場合があり好ましくない。また、上限値以上では、皮膚外用剤構成成分、特に水への溶解が困難で、コポリマーを均一に含有する皮膚外用剤の調製が困難である場合があり好ましくない。
【0073】
本発明の皮膚外用剤としては、軟膏等の外用医薬品、化粧品等が好適に例示できる。さらに、化粧品としては、クリーム、乳液、化粧水、美容液等のスキンケア、アンダーメーク、ファンデーション、アイカラー、マスカラ等のメークアップ、へアトニック、ヘアリキッド、ヘアスプレー等の毛髪化粧料等が例示できる。
【0074】
本発明の皮膚外用剤は発明の効果を損なわない範囲で、通常、皮膚外用剤に使用する、成分を、任意成分として含有することができる。かかる任意成分としては、具体的に、
マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
【0075】
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分と任意成分とを常法によって処理することにより、調製することができる。
【実施例】
【0076】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0077】
<実施例1〜3、比較例1〜3>
表2記載の成分を攪拌混合し、均一透明溶液が得られるまで室温で攪拌を続けて、本発明の化粧水及び比較例の化粧水を得た。なお、表中の数字は質量%を意味する。
【0078】
【表2】
【0079】
<試験例1>損傷皮膚への吸着性評価
A)損傷皮膚の作成
パネラーの腕に0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液を1時間クローズドパッチし、パッチ除去後、パッチ部位を温水で洗浄し、SDS損傷皮膚とした。 また、同様に、パネラーの腕に2MEDの紫外線を照射し、照射終了後、4時間放置し、UV損傷皮膚とした。
【0080】
B)吸着性評価
実施例1〜3、比較例1〜3の化粧水に赤色102号0.001%を溶解し、試験サンプルとした。試験サンプルをAで作成した損傷皮膚に塗布し、15分放置後、ウェットティッシュで塗布部位を塗擦し、20分放置し塗布部位の測色を行った。塗布試験前後での皮膚のa値からΔa値を求め、化粧膜の皮膚への吸着量の指標とした。すなわち、Δa値が大きいほど皮膚への吸着量が多いことを意味する。結果を表3に示す。
【0081】
<試験例2>皮膚バリアー機能回復作用の評価
経表皮水分喪失(TEWL)(TEWAMETER TM210:courage+khazaka製を用いて測定)の測定値が30(g/m2hr)以上のパネラーを皮膚バリアー機能が低下しているパネルとして選択し、実施例1〜3、比較例1〜3の化粧水を肌に塗布した場合の皮膚バリアー機能回復作用を評価した。
【0082】
朝晩二回、7日間連続で作成した化粧水を腕の塗布部位に塗布した。化粧水塗布試験開始前と3日間、7日間塗布を行った時点で乳酸0.01質量%水溶液を化粧水塗布部位に塗布し、感じる刺激を以下の3段階の刺激防御スコアーとして評価し、両者を比較することで皮膚バリアー機能向上効果を評価した。刺激防御スコアーは10名のパネラーの刺激防御スコアーの平均値とした。結果を表3に示す。なお、刺激防御スコアーが高いほど刺激を感じにくい、すなわち、皮膚バリアー機能が高いことを意味する。
刺激防御スコアー:1点 刺激をかなり感じる。
2点 刺激をやや感じる。
3点 刺激をわずかに感じる。
4点 刺激をほとんど感じない。
5点 刺激を全く感じない。
【0083】
<試験例3>動摩擦係数の測定
人肌類似のポリウレタン製合成皮革(試験前に予めエタノールで表面を清潔にしておく)の短冊(15cm×5cm)上の長手方向の端から1cmで、3cm×3cmの範囲に、実施例1〜3の化粧水及び比較例1〜3の化粧水20mgを均一に塗布し、両面テープで実験台に固定する。一方、同じ合成皮革片3cm×3cmを、荷重を載せる治具に両面テープで貼り付けておく。前記試料の塗布面に、上記治具を合成皮革の面を対向させて載置し、荷重200gを載せ、表面性試験機(トリラボ ハンディーラブテスター Type TL701)にて摩擦抵抗を測定した。測定条件は、掃引速度200mm/sec、掃引距離10cm、リピート回数10回とし、往路の10回の摩擦抵抗値の平均を動摩擦抵抗値とした。動摩擦係数は、動摩擦抵抗値÷荷重にて算出した。動摩擦係数が小さいほど、滑りに対する抵抗が無いことを表す。結果を表3に示す。
【0084】
<試験例4>塗布膜の柔軟性の評価
実施例1〜3,比較例1〜3の化粧水を厚さ0.1mmのスチレンフィルム上に塗布し、80℃で4時間乾燥をおこなって、試験片を作成した。この試験片を、前後に折り曲げ、塗布膜表面にクラックが生じる折り曲げ回数を測定し、塗布膜の柔軟性とした。回数が多いほど、被膜が柔軟であることを表す。結果を表3に示す。
【0085】
<試験例5>
熟練評価者5名により、実施例1〜3の化粧水及び比較例1〜3の化粧水の使用中のきしみ及び使用後のつっぱり感を以下の評価基準で官能評価した。
つっぱり感 1:つっぱり感をかなり感じる、2:つっぱり感を感じる、3:つっぱり感をやや感じる、4:つっぱり感をごくわずかに感じる、5:つっぱり感を全く感じない。
きしみ 1:きしみをかなり感じる、2:きしみを感じる、3:きしみをやや感じる、4:きしみをごくわずかに感じる、5:きしみを全く感じない。
なお、評価は比較例1の化粧水の評点を3.0としておこない、5名の評点の平均値をサンプルの評点とした。結果を表3に示す。
【0086】
【表3】

表3の結果から明らかなように、本発明の皮膚外用剤は、損傷皮膚への吸着性が高く、結果として皮膚バリアー機能の向上作用に優れ、かつ、肌上で柔軟で、動摩擦係数の低い塗布膜を与えるので、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感のない良好な使用感を与える。
【0087】
<実施例4〜6、比較例4〜6>
表4の処方に基づいて本発明の皮膚外用剤である乳液と、比較例の乳液を作成した。すなわち、表4の成分(イ)を75℃に加熱攪拌混合溶解し、これに、攪拌をおこないながら、成分(ロ)を75℃に加熱混合溶解した溶液を徐々に添加し乳化した。その後、冷却をおこない、40℃になったら、成分(ハ)を混合溶解した溶液を添加し、室温まで冷却し、乳液を得た。なお、表中の数字は質量%を意味する。得られた実施例4〜6の乳液、比較例4〜6の乳液に関しても試験例1〜4と同様の方法で、皮膚バリアー機能の向上作用、塗布膜のそう摩擦係数、柔軟性、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感(比較例4を3点とした。)を評価した。結果を表5に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】

表5の結果より、発明の皮膚外用剤が、損傷皮膚への吸着性が高く、結果として皮膚バリアー機能の向上作用に優れ、かつ、肌上で柔軟で、動摩擦係数の低い塗布膜を与えるので、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感のない良好な使用感を与えることが乳化系においても実証された。
【0090】
<実施例7〜9 比較例7〜9>
表6の処方にしたがって、本発明の皮膚外用剤である、ファンデーションを作成した。すなわち、成分(イ)を75℃に加熱、混合溶解した後、これに成分(ロ)をディスパーを用いて分散した。これに、攪拌をおこないながら、成分(ハ)を75℃に加熱溶解した溶液を徐々に添加して乳化をおこなった後、攪拌を続けて室温まで冷却し、ファンデーションを得た。なお、表中の数字は質量%を意味する。得られた実施例7〜9のファンデーション、比較例7〜9のファンデーションに関しても試験例1〜4と同様の方法で、皮膚バリアー機能の向上作用、塗布膜のそう摩擦係数、柔軟性、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感(比較例7を3点とした。)を評価した。結果を表7に示す。
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】

表7の結果より、発明の皮膚外用剤が、損傷皮膚への吸着性が高く、結果として皮膚バリアー機能の向上作用に優れ、かつ、肌上で柔軟で、動摩擦係数の低い塗布膜を与えるので、使用中のきしみ、使用後のつっぱり感のない良好な使用感を与えることがメークアップ化粧料においても実証された。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、化粧料などに使用される。