【実施例1】
【0011】
空気圧縮機の省エネルギー効果を目的として、インバータを使用した容量制御方式のものがある。このインバータを使用した容量制御方式の空気圧縮機の一例を
図1及び
図2により説明する。
図1は本発明の空気圧縮機の実施例1を示す正面図(全体構成図)で、正面カバーの一部を破断して示している図である。
【0012】
この
図1に示すように、空気圧縮機1は、筐体2内に、外部の空気を吸込み圧縮する圧縮機本体3、この圧縮機本体3を駆動するモータ4、このモータ4の回転数を制御するためのインバータ5、前記圧縮機本体3が駆動されることにより製造される圧縮空気を貯める貯留タンク(空気タンク)6、この貯留タンク6内の圧縮空気の圧力、或いは該貯留タンク6に接続され、貯留タンク6内圧力とほぼ同一の圧力となっている配管内の圧力(以下、これらの圧力を「貯留タンク側の圧縮空気の圧力」或いは単に「貯留タンク側の圧力」という)を検出する圧力センサ7、前記モータ4の回転数を前記インバータ5を介して制御する制御装置(制御基板)8などを設置して構成されている。
【0013】
前記圧縮機本体3は、本実施例では往復動式(レシプロ式)の2つの圧縮機部3a,3bを備えている。なお、前記圧縮機部は一つ或いは3個以上としても良く、また圧縮機部は往復動式に限らず、スクリューロータにより構成された圧縮機部などで構成するようにしても良い。
前記モータ4の回転は、本実施例では、プーリとベルトを介して前記圧縮機本体3側に伝達されるように構成されている。また、本実施例では、前記制御装置8の部分にディスプレイ(モニタ)9が設けられており、このディスプレイ9には、前記圧力センサ7で検出された貯留タンク側の圧力、運転周波数、上限圧力及び下限圧力などの表示、付属機器の状態表示(例えばドライヤーの運転方式や故障表示)などが可能となっている。更に、前記制御装置8には、空気圧縮機1の運転や停止を操作するためのスイッチなども設けられている。
【0014】
前記貯留タンク6は、前記圧縮機本体3の吐出側配管を介して接続されており、また前記貯留タンク6の圧縮空気は配管6aを介して需要先(負荷側)に供給されるように構成されている。
【0015】
図2は
図1に示す空気圧縮機の構成を説明する系統図である。この
図2において、10は商用電源などの電源であり、この電源10に前記インバータ5が接続され、更にこのインバータ5には前記モータ4が接続され、またこのインバータ5は前記制御装置8にも接続されている。これにより、前記制御装置8は前記インバータ5を介して前記モータ4を回転数制御するように構成されている。
【0016】
前記モータ4の回転は前記圧縮機本体3に伝達され、圧縮機本体3が駆動されることにより、圧縮空気が製造される。この製造された圧縮空気は、配管11を介して貯留タンク6に送られて貯留され、その後需要先(負荷側)に配管6aなどを介して供給される。
【0017】
前記貯留タンク6側の圧力は、圧力センサ7によって検出され、その圧力信号は前記制御装置8に送られる。前記制御装置8は、前記圧力センサ7により検出された圧力値に応じて、前記インバータ5を介して前記モータの回転数を増減する。
【0018】
前記制御装置8では、空気圧縮機1を運転する運転圧力幅を設定することができるように構成されている。即ち、オペレータは、負荷側の必要圧力を保つための下限圧力Ponと上限圧力(停止圧力)Poff0を任意に設定することができ、空気圧縮機1は、前記貯留タンク6内の圧力が、前記下限圧力Ponと上限圧力Poff0の間の圧力となるように、前記制御装置8により、インバータ5を介して前記モータ4の回転数を制御する。
【0019】
このように、インバータ5を使用した容量制御方式の空気圧縮機1では、圧縮機本体3により圧縮された圧縮空気を貯める貯留タンク6内の圧力を検出し、空気圧縮機1の負荷側(需要先)での必要圧力を確保できるように、圧縮機本体3を駆動するモータ4の回転数を変化させている。即ち、前記貯留タンク6内の圧力は、負荷側の使用空気量の変化による圧力変化と、回転数制御される空気圧縮機で製造される圧縮空気量による圧力変化により変動するが、この貯留タンク6内の圧力変動による圧力振れ幅を、負荷側での必要圧力を保つための下限圧力値よりも低くならないようにする必要がある。従って、少なくとも前記下限圧力Ponを維持するように、前記圧縮機本体3を駆動するモータ4の回転数を制御する必要がある。
【0020】
次に、
図3により、前記制御装置8による空気圧縮機1の制御動作を説明する。
図3は本発明の実施例1における制御動作を説明する線図である。
図3において、横軸は時間t、上の線図は貯留タンク側の圧力の変化を示し、Ponは前述した下限圧力、Poff0は前述した上限圧力、Pnは設定圧力(目標圧力または基準圧力)、下の線図はモータ回転数の変化を示している。
【0021】
まず、制御装置8の運転スイッチをONにすると、インバータ5を介してモータ4に運転電流が流れて回転し、圧縮機本体3を駆動する。貯留タンク6内の圧力が前記設定圧力Pnに近づくまでの時間t1まではモータ4は上限回転数NHで回転され、圧縮機本体3では最大空気量を作り出して貯留タンク6に送る。
【0022】
前記貯留タンク6の圧力が設定圧力Pn付近に近づくと、前記設定圧力Pnを上回らないように、モータの回転数はインバータ制御により減少させていく。そして、設定圧力Pn付近の圧力になると、負荷側の空気消費量の変化に伴い、モータ回転数を変化させ、圧縮機本体3で製造される空気量を変化させることで、貯留タンク6内の圧力が設定圧力Pnになるように制御される。
【0023】
前記インバータ制御でのモータ回転数は、下限回転数NLと上限回転数NHの値が決まっており、前記設定圧力Pnになるようモータ4は下限回転数NLから上限回転数NHの範囲で制御される。しかし、インバータ制御でのモータ回転数の下限値(下限回転数)は、インバータの特性上0にすることはできず、インバータ固有の下限回転数での運転となる。
【0024】
そして、前記貯留タンク6内の圧力が前記設定圧力Pnより下がると、モータ4の回転数を上げて製造される圧縮空気量を増やし、設定圧力を維持するように制御される。一方、貯留タンク6内の圧力が設定圧力Pnより高くなると、モータ回転数を下げて製造される圧縮空気量を減らして設定圧力Pnを維持するように制御される。
【0025】
このように、負荷側の必要空気量が減少するとそれに合せて、インバータ制御によりモータ回転数を減少させるが、モータ4が下限回転数NLで駆動されている場合に圧縮機本体3で製造される圧縮空気量よりも負荷側での必要空気量が少ない場合、貯留タンク6には必要以上の圧縮空気が貯留されることになる(
図3の時間t2からt3の区間を参照)。この場合、貯留タンク6内の圧力は徐々に上昇してゆき、圧縮機固有の最高圧力、即ち前記上限圧力Poff0に到達(時間t3参照)すると運転を停止させる。
【0026】
しかし、この時間t2からt3までの区間の運転は必要以上に圧力を上げてしまうことにより動力が上昇し、また必要以上に圧縮空気を製造する運転時間により多くの動力が消費されてしまうという課題がある。
【0027】
この課題を解決するため、前記設定圧力Pn以上に圧力が上がった場合にはモータ4を停止させて動力消耗を抑えることも考えられるが、このような制御を行なうと、負荷側の消費空気量が極端に少ない場合、圧縮機本体3の起動から停止までの時間が短くなる。このような短時間での起動、停止が繰り返されると空気圧縮機1を構成しているモータ4やインバータ5等の電気部品に負担を掛けることになり、前記モータ4やインバータ5等の電気部品の寿命を低下させてしまうため、起動と停止の間には一定時間以上の間隔が必要となる。
【0028】
インバータ制御により圧縮機を効果的に運転するためには、圧縮空気を多く必要としているときには設定圧力Pnで運転を行うと共に、必要空気量が少なくなった場合にはできるだけ圧力を上昇させないようにして停止させ、且つ起動と停止の間には一定時間以上の間隔を置くようにすることが有効となる。
【0029】
そこで、本実施例では、モータ4が動き出した時(ON)からの駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1を経過していない場合には、上限圧力(停止圧力)Poff0になるまでモータ4を停止させず、上限圧力Poff0になった時点(
図3の時間t3参照)でモータ4を停止させる。また、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1を経過している場合には、前記上限圧力Poff0よりも低く、且つ前記設定圧力Pnよりも高い所定圧力Poff1になった時点(
図3の時間t5参照)で前記モータ4を停止させるように制御している。なお、前記所定圧力Poff1は、インバータ制御による圧力の振れ幅以上の圧力値に設定すると良い。例えば、下限圧力Ponが0.70MPa、設定圧力Pnが0.73MPaの場合で、振れ幅の上限が0.76MPaであれば、予め定める前記所定圧力Poff1は、この振れ幅の上限値以上で前記上限圧力Poff0よりは小さく設定する。好ましくは、前記振れ幅の上限値(この例では0.76MPa)付近の値に設定すると良い。
【0030】
従って、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1以上となった場合、負荷側の消費空気量が減少して、圧縮機が下限回転数NLで動作中に製造される空気量よりも前記消費空気量の方が少なくなって、貯留タンク6の圧力が上昇し、前記所定圧力Poff1に達するとモータ4は停止(OFF)される。その後、貯留タンク6内の圧力が前記下限圧力Ponに達すると、前記制御装置8はモータ4を再び起動(ON)させる。
【0031】
ここで、前記駆動継続時間tの設定時間T1については、前記モータ4やインバータ5等の電気部品の寿命を低下させないように、運転から停止までの時間が、少なくとも、例えば1〜2分以上の時間となるように設定する。
また、貯留タンク6側の圧力が上昇して所定圧力Poff1に達した際には、前記駆動継続時間tが前記設定時間T1に達していない場合でも、圧力が停止圧力Poff0に達する前に前記駆動継続時間tが前記設定時間T1に達した場合にはその時点で停止させる。
【0032】
以上説明した本実施例1の制御動作を
図4に示すフローチャートにより更に詳しく説明する。このフローチャート示す制御は前記制御装置8により行なわれる。
図4において、ステップS1で空気圧縮機の運転が開始されると、まず前記モータ4は上限回転数NHで運転される(ステップS2)。そして、前記圧力センサ7検出された貯留タンク6側の圧力が設定圧力Pnに近づくと、前記モータ4の回転は減速され(ステップS3、
図3の時間t1参照)、その後、前記設定圧力Pn付近の圧力(例えば、設定圧力±0.03MPaの範囲)となるようにモータ4の回転数はその可変範囲(例えば、24〜60Hz)で制御される。
【0033】
次に、ステップS4では、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが前記設定圧力Pnよりも小さいか否かを比較し、使用空気量の増加などで前記検出圧力Pの方が小さい場合(YESの場合)にはステップS5に移る。このステップS5では、前記モータ4が上限回転数となっているかどうかを判断し、上限回転数であれば(YESの場合)前記ステップS4に戻る。前記ステップS5で上限回転数になっていなければ(NOの場合)、モータ4の回転数を所定量だけ増加(ステップS6)させた後、前記ステップS4に戻る。
【0034】
前記ステップS4で、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが、使用空気量の減少などのため圧力が上昇し、前記設定圧力Pn以上になっている場合(NOの場合)にはステップS7に移る。このステップS7では、前記モータ4が下限回転数になっているかどうかを判断し、下限回転数でなければ(NOの場合)モータ4の回転数を所定量だけ減速(ステップS8)させた後、前記ステップS4に戻る。前記ステップS7で下限回転数になっていれば(YESの場合)、ステップS9に移り、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1(
図3参照)以下の場合(NOの場合)、ステップS10に移る。このステップS10では、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが前記上限圧力Poff0(
図3参照)よりも大きいか否かを判定し、大きければ(YESの場合)モータ4の運転を停止させ(ステップS12)、前記上限圧力Poff0以下の場合(NOの場合)には前記ステップS4に戻る。
【0035】
前記ステップS9で、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1を超えている場合(YESの場合)にはステップS11に移り、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが前記所定圧力Poff1(
図3参照)よりも大きいか否かを判定し、大きければ(YESの場合)モータ4の運転を停止させ(ステップS12)、所定圧力Poff1以下の場合(NOの場合)には前記ステップS4に戻る。
【0036】
前記ステップS12でモータ4を停止させた場合にはステップS13に移り、圧力センサ7で検出された圧力Pが前記下限圧力Pon(
図3参照)よりも小さいかどうかを判定し、小さい場合(YESの場合)にはモータ4を再起動(ステップS14)した後、前記ステップS2に戻る。前記ステップS13で、検出圧力Pが前記下限圧力Pon以上の場合(NOの場合)には前記ステップS12に戻り、停止状態を継続させる。
【0037】
以上説明したように、本実施例によれば、停止圧力Poff0まで圧力上昇させていた従来の空気圧縮機の制御に比べ、それよりも低い圧力である前記所定圧力Poff1でモータ4(或いは圧縮機本体3)を停止させることができるので、その圧力低下による動力低下と運転時間の短縮、即ち無駄な圧縮動作を低減できるので、動力削減して消費電力を抑えることができる。
即ち、本実施例によれば、負荷側での圧縮空気の使用量が少なくなった場合でも十分な省エネルギー効果を得ることのできる空気圧縮機とすることができる。
【0038】
しかも、本実施例によれば、前記所定圧力Poff1で前記モータ4を停止させる場合には、前記モータ4やインバータ5等の電気部品の寿命を低下させないように前記駆動継続時間tの設定時間T1を設定しているので、貯留タンク6の容量や運転パターンなどに左右されることなく、短時間でモータ4(或いは圧縮機本体3)が起動、停止を繰り返すのも防止できる。従って、本実施例によれば、消費電力を抑えつつ前記モータ4やインバータ5等の電気部品の寿命低下も防止できる効果が得られる。
【実施例2】
【0039】
本発明の空気圧縮機の実施例2を
図5及び
図6により説明する。なお、この実施例2において、空気圧縮機の全体構成や、系統図は実施例1で説明した
図1や
図2と同一であるので、それらの説明については省略する。なお、
図5は本発明の実施例2における制御動作を説明する線図、
図6は本発明の実施例2における制御動作を説明するフローチャートである。
【0040】
上記実施例1では、モータ4の駆動継続時間tが予め定めた所定時間T1を超え、且つ貯留タンク6側の圧縮空気圧力が、上限圧力Poff0より低く前記下限圧力Ponより高い予め定めた所定圧力Poff1よりも高くなった場合に、前記モータ4を停止させるように制御しているが、本実施例2では更に
図5に示す制御も追加しているものである。
【0041】
即ち、本実施例2において、制御装置8(
図1、
図2参照)は、前記モータ4の駆動継続時間tが予め定めた所定時間T1を超え、且つ前記モータ4が下限回転数NLとなってからその下限回転数NLでの運転継続時間t
Lが予め定めた所定時間T2を超えた場合にも、前記モータ4を停止させるようにしている。
【0042】
更に詳しく説明すると、
図5の時間t5の部分に示すように、前記モータ4の駆動継続時間tが予め定めた所定時間T1を超え、且つ下限回転数NLでの運転継続時間t
Lが予め定めた所定時間T2も超えた場合には、圧力センサ7(
図1、
図2参照)で検出された圧力Pが前記所定圧力Poff1以下の場合であっても、前記モータ4を停止させるようにしたものである。即ち、下限回転数NLで運転されている場合には、下限回転数NL以下の運転で製造される空気量で足りる状態であるから、貯留タンク6内の空気量は増加して圧力上昇となる状態にあるため、前記所定圧力Poff1以下の場合であっても、より早めにモータ4を停止させるようにしたものである。
【0043】
この本実施例2の制御動作を
図6に示すフローチャートにより更に詳しく説明する。この
図6に示すフローチャートにおいて、前述した
図4示したフローチャートと同一符号を付したステップについては、同一或いは相当する動作をするステップであるので、それらの説明は省略し、
図4に示したフローチャートと異なる点について説明する。
【0044】
図6に示す本実施例では、ステップS11において、圧力センサ7で検出された圧力Pが前記所定圧力Poff1以下の場合(NOの場合)、
図4の例ではステップS4に戻るようにしているが、本実施例2では、ステップS15に移り、前記モータ4が下限回転数NLとなってからその下限回転数NLでの運転継続時間t
Lが予め定めた所定時間T2を超えている場合(YESの場合)には、圧力Pが前記所定圧力Poff1以下の場合であっても、前記モータ4を停止させる(ステップS12)ようにしている。なお、前記ステップS15において、前記運転継続時間t
Lが前記所定時間T2以下の場合(NOの場合)には、ステップS4に戻る。
他のステップは前述した
図4の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
本実施例2によれば、上記実施例1と同様の効果が得られる上に、更に、次の効果も得ることができる。即ち、本実施例では、下限回転数NLで運転している運転継続時間t
Lを検知し、その時間t
Lが前記所定時間T2を超えたときにモータ4を停止させるようにしている。従って、負荷側の使用空気量が減少して設定圧力Pn以上の圧力になり、更に動力が上がる初期の段階で停止を判断するので、前記実施例1の場合よりも、圧力上昇を更に抑え、運転時間も短縮することが可能となるから、消費電力を更に抑えつつ前記モータ4やインバータ5等の電気部品の寿命低下も防止することのできる空気圧縮機を得ることができる。
【0046】
図7は、
図5及び
図6に示した本実施例2における制御動作の他の例を説明するフローチャートである。この
図7に示すフローチャートにおいて、前述した
図4、
図6に示したフローチャートと同一符号を付したステップについては、同一或いは相当する動作をするステップであるので、それらの説明は省略し、
図4、
図6に示したフローチャートと異なる点について説明する。
【0047】
図7に示す例では、ステップS9において、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1(
図5参照)を超えていなければ(NOの場合)、上述した
図4及び
図6の場合と同様に、ステップS10に移り、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが前記上限圧力Poff0(
図5参照)よりも大きいか否かを判定して、大きければ(YESの場合)モータ4の運転を停止させ(ステップS12)、前記上限圧力Poff0以下の場合(NOの場合)には前記ステップS4に戻る。
【0048】
一方、前記ステップS9で、前記駆動継続時間tが予め定めた設定時間T1を超えている場合(YESの場合)、
図6で説明した例ではステップS11に移って、前記圧力センサ7で検出された圧力Pが前記所定圧力Poff1よりも高いか否かを判断するステップS11を実施したが、この
図7に示す例では、前記ステップS11を実施することなくステップS15に移る。このステップS15では、前記モータ4が下限回転数NLとなってからその下限回転数NLでの運転継続時間t
Lが予め定めた所定時間T2を超えているかどうかを判定する。そして、前記運転継続時間t
Lが予め定めた所定時間T2を超えている場合(YESの場合)には、前記検出圧力Pに関わらず、前記モータ4を停止させるようにしている(ステップS12)。なお、前記ステップS15において、前記運転継続時間t
Lが前記所定時間T2以下の場合(NOの場合)には、この例では、前記ステップS10に移る。
【0049】
他のステップは前述した
図4或いは
図6の場合と同様であるので、説明を省略する。
この例では、前述した
図6の例とほぼ同様の効果が得られると共に、本例では前記ステップS11の判定をしないので、制御をよりシンプルにできる。
【0050】
なお、
図5〜
図7に示した本実施例2では、前記ステップS15における前記運転継続時間t
Lは、
図5に示したように、前記所定時間T1を経過した後の下限回転数NLでの運転継続時間が前記所定時間T2を超えているか否かで判定するようにしているが、これに限られるものではない。即ち、前記運転継続時間t
Lは、下限回転数NLになった時点からの前記下限回転数NLでの運転継続時間としても良く、前記モータ4の駆動継続時間tが前記所定時間T1を経過後に、前記運転継続時間t
Lが前記所定時間T2を超えていれば、その時点でモータ4を停止させるようにしても良い。このようにすれば、前記所定時間T1を経過後に、より早くモータ4を停止させることができるから、更なる省エネルギー効果を得ることができる。
【0051】
以上述べたように、本発明の各実施例によれば、負荷側での圧縮空気の使用量が少なくなった場合でも十分な省エネルギー効果を得ることのできる空気圧縮機とすることができる効果がある。