(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978097
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】車両用接地ユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 4/64 20060101AFI20160817BHJP
H01R 4/34 20060101ALN20160817BHJP
【FI】
H01R4/64 C
!H01R4/34
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-236292(P2012-236292)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2014-86362(P2014-86362A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】長西 幸成
(72)【発明者】
【氏名】中田 敦
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−054166(JP,A)
【文献】
特開2001−357909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/64
H01R 4/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された複数の機器のマイナス側の回路を車体に接地させる車両用接地ユニットであって、
締結部材により取付孔を介して車体に締結されることで該締結部材を介して車体に電気的に接地される導電性のプレートと、
前記プレートに突設され、接地対象の各機器のマイナス側の回路にそれぞれ電気的に接続された複数のアースケーブルの端子がそれぞれ締結される少なくとも1本の導電性の締結ピンとを備え、
前記端子は、前記アースケーブルの線径よりも小さい厚さの可撓性を有する板片で形成されている、
ことを特徴とする車両用接地ユニット。
【請求項2】
車両に搭載された複数の機器のマイナス側の回路を車体に接地させる車両用接地ユニットであって、
締結部材により取付孔を介して車体に締結されることで該締結部材を介して車体に電気的に接地される導電性のプレートと、
前記プレートに突設され、接地対象の各機器のマイナス側の回路にそれぞれ電気的に接続された複数のアースケーブルの端子がそれぞれ締結される少なくとも1本の導電性の締結ピンとを備え、
前記締結ピンを複数有しており、前記各端子が少なくとも2本の前記締結ピンにそれぞれ締結される、
ことを特徴とする車両用接地ユニット。
【請求項3】
前記端子は、前記アースケーブルの線径よりも小さい厚さの可撓性を有する板片で形成されていることを特徴とする請求項2記載の車両用接地ユニット。
【請求項4】
前記プレートは、前記アースケーブルの少なくとも前記端子を覆って外力から保護する保護ケースの一部を構成しており、前記プレートの前記締結部材による車体への締結により前記保護ケースが車体に固定されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両用接地ユニット。
【請求項5】
前記プレートに前記取付孔が複数形成されており、各取付孔を介して複数の前記締結部材により前記プレートが前記車体に締結されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両用接地ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された複数の機器のマイナス側の回路を車体に接地させる車両用接地ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両では数多くの電気、電子機器が使用されている。これらの機器では、接地電位のシフトにより動作に不具合が生じるのを避ける上で、マイナス側の回路の適切な接地接続を行うことが重要である。車両の場合は主に、車体を介してバッテリのマイナス端子に接地接続することが一般的である。
【0003】
そして、車体に対する接地箇所がむやみに増えることがないように、全アースケーブルをコネクタ接続した単一のジョイントコネクタの端子片をコネクタハウジングの外側に延出させて、車体に接地接続することが(例えば、特許文献1)、過去に提案されている。
【0004】
ところが、単一のジョイントコネクタに全アースケーブルをコネクタ接続するには、アースケーブルの本数分の雌コネクタ部をジョイントコネクタに設ける必要があり、ジョイントコネクタのハウジングが相応の大きさになってしまう。
【0005】
一方、ワイヤーハーネス保護用のプロテクタのブラケットと一緒にアースケーブルの端子をボルトで共締め固定したり(例えば、特許文献2)、複数個重ねて受け部材に固定したアースケーブルの端子をまとめて車体にボルトで取付固定すれば(例えば、特許文献3)、コネクタハウジングが不要となる分だけ接地箇所のスペースを節約することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−65931号公報
【特許文献2】特開2011−65894号公報
【特許文献3】特開2006−40759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車体には、車両の走行やエンジンの駆動に伴って振動が加わる。このため、上述したように、プロテクタのブラケットや受け部材と共に各アースケーブルの端子をボルトで車体に固定する場合は、車体が振動してもボルトの締め付けが緩みにくいようにしておく必要が生じる。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、接地対象の機器のマイナス側の回路に接続したアースケーブルの端子をまとめて車体に取付固定して接地させる際に、車体の振動による接地状態の緩みの発生を抑制することができる車両用接地ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、
請求項1及び請求項2に記載した本発明の車両用接地ユニットは、
車両に搭載された複数の機器のマイナス側の回路を車体に接地させる車両用接地ユニットであって、
締結部材により取付孔を介して車体に締結されることで該締結部材を介して車体に電気的に接地される導電性のプレートと、
前記プレートに突設され、接地対象の各機器のマイナス側の回路にそれぞれ電気的に接続された複数のアースケーブルの端子がそれぞれ締結される少なくとも1本の導電性の締結ピンと、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1及び請求項2に記載した本発明の車両用接地ユニットによれば、車体に対するプレートの締結とプレートに対するアースケーブルの締結とが別々の箇所(締結部材と締結ピン)で行われる。このため、車体の振動により締結部材によるプレートの車体に対する締結が緩んでも、アースケーブルの端子の締結ピンに対する締結が連動して緩むことがない。これにより、接地対象の機器のマイナス側の回路に接続したアースケーブルの端子をまとめて車体に取付固定して接地させる際に、車体の振動による接地状態の緩みの発生を抑制することができる。
【0011】
また、
請求項2及び請求項3に記載した本発明の車両用接地ユニット
は、前記締結ピンを複数有しており、前記各端子が少なくとも2本の前記締結ピンにそれぞれ締結されることを特徴とする。
【0012】
請求項2及び請求項3に記載した本発明の車両用接地ユニットによれば、
さらに、アースケーブルの端子が少なくとも2本の締結ピンに締結される。このため、締結ピンを用いたアースケーブルのプレートに対する締結固定の信頼性を、単一の締結ピンにアースケーブルの端子を締結する場合に比べて向上させることができる。
【0013】
さらに、
請求項1及び請求項3に記載した本発明の車両用接地ユニットは、
請求項1に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、前記端子は、前記アースケーブルの線径よりも小さい厚さの可撓性を有する板片で形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項1及び請求項3に記載した本発明の車両用接地ユニットによれば、
請求項1に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、アースケーブルの端子を同一の締結ピンに複数重ねて締結する場合に、アースケーブルと端子との結合部分においては、隣り合う端子どうしを、アースケーブルの線径分だけ離したピッチで配置する必要がある。
【0015】
しかし、端子が可撓性を有する板片で形成されていることから、締結ピンに締結する端子部分においては、隣り合う端子を端子の厚さ分のピッチに近づけて配置することができる。よって、1本の締結ピンに締結できるアースケーブルの端子数を増やし、より多くのアースケーブルをまとめてプレートにより車体に接地させることができる。
【0016】
また、請求項4に記載した本発明の車両用接地ユニットは、請求項1、2又は3に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、前記プレートは、前記アースケーブルの少なくとも前記端子を覆って外力から保護する保護ケースの一部を構成しており、前記プレートの前記締結部材による車体への締結により前記保護ケースが車体に固定されることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載した本発明の車両用接地ユニットによれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、プレートの締結ピンに締結したアースケーブルの端子部分を少なくとも覆って外力から保護する保護ケースの一部をプレートが兼ねているので、締結部材によりプレートを車体に締結することで、機器の接地と保護ケースの固定とを同時にまかなうことができる。
【0018】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両用接地ユニットは、請求項1、2、3又は4に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、前記プレートに前記取付孔が複数形成されており、各取付孔を介して複数の前記締結部材により前記プレートが前記車体に締結されることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載した本発明の車両用接地ユニットによれば、請求項1、2、3又は4に記載した本発明の車両用接地ユニットにおいて、複数の取付孔を介してプレートが複数の締結部材により車体に締結される。このため、車体に対するプレートの締結箇所を増やして、締結安定性の依存度を各締結箇所に分散させ、全体としてのプレートの車体に対する締結安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、接地対象の機器に接続したアースケーブルの端子をまとめて車体に取付固定して接地させる際に、車体の振動による接地状態の緩みの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用接地ユニットの概略構成を示す説明図である。
【
図2】
図1のプレートのスタッドボルトに各アースケーブルの端子を締結した状態を示す説明図である。
【
図3】
図1のプレートに複数本のスタッドボルトを突設した
実施形態を示す説明図である。
【
図4】
図1のアースケーブルの端子を2本のスタッドボルトに締結する構成とした変形例を示す説明図である。
【
図5】
図1のアースケーブルの端子を2本のスタッドボルトに締結する構成とした変形例を示す説明図である。
【
図6】
図5の各スタッドボルトにそれぞれ締結したアースケーブルの端子どうしが干渉して回り止めする様子を示す説明図である。
【
図7】
図1のアースケーブルの芯線と端子との結合構造の一例を示す説明図である。
【
図8】
図1のアースケーブルの芯線と端子との結合構造の他の例を示す説明図である。
【
図9】(a)はアースケーブルの芯線を溶着する端子の溶着部の配置を示す説明図、(b)は重ねた端子の各溶着部の位置関係を示す説明図である。
【
図10】(a)は
図1のアースケーブルの端子を可撓性の板片で構成した
実施形態を示す説明図、(b)は重ねてプレートのスタッドボルトに締結した端子の状態を示す説明図である。
【
図11】
図1のアースケーブルの芯線を圧延して端子を形成する場合を示し、(a)は取付孔が1つである場合の説明図、(b)は取付孔が2つである場合の説明図である。
【
図12】
図1のプレートに車体に対する取付孔を2つ設けた場合を示す説明図である。
【
図13】
図1の車両用接地ユニットをアースケーブルのプロテクタに組み込んだ変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用接地ユニットの概略構成を示す説明図である。
【0023】
本実施形態の車両用接地ユニット10は、
図1中に模式的に示す接地対象の機器(負荷A〜H)3を車両の車体1にまとめて接地(ボディーアース)するためのものである。そして、車両用接地ユニット10は、ボルト5(請求項中の導電性の締結部材に相当)により車体1に締結、固定される導電材料(黄銅、アルミニウム等)製のプレート11と、プレート11に突設された導電部材製のスタッドボルト11a(請求項中の締結ピンに相当)に端子13aが締結される複数のアースケーブル13,13,…とを備えている。
【0024】
各アースケーブル13は被覆電線で構成されており、その一端においては、接地対象の機器3がアースケーブル13の芯線と電気的に接続されている。また、各アースケーブル13の他端には端子13aがろう付けされている。端子13aは、本実施形態では、平面視正方形でアースケーブル13の芯線径より大きい厚さの導電部材で形成されており、プレート11のスタッドボルト11aを挿通可能な通孔13bが中央に貫設されている。
【0025】
このように構成された本実施形態の車両用接地ユニット10では、各アースケーブル13の端子13aの通孔13bに挿通したプレート11のスタッドボルト11aの先端にボルト15を締結することで、
図2の説明図に示すように、プレート11に各端子13aを固定する。そして、プレート11の取付孔11bに挿通したボルト5でプレート11を車体1に締結する。これにより、複数の機器3,3,…を車体1に接地することができる。
【0026】
そして、本実施形態の車両用接地ユニット10では、車体1に対するプレート11の締結とプレート11に対するアースケーブル13の締結とが別々の箇所(ボルト5とスタッドボルト11a)で行われる。このため、車体1の振動によりボルト5によるプレート11の車体1に対する締結が緩んでも、アースケーブル13の端子13aのスタッドボルト11aに対する締結が連動して緩むことがない。これにより、接地対象の各機器3に接続した各アースケーブル13の端子13aをまとめて車体1に取付固定して接地させる際に、車体1の振動による接地状態の緩みの発生を抑制することができる。
【0027】
そして、図3の説明図に示す
実施形態では、プレート11にスタッドボルト11aを複数本突設して、それぞれにアースケーブル13の端子13aを締結できるように構成
している。なお、図4の説明図に示す変形例のように、端子13aに通孔13bを2つ設けて、ボルト15によって端子13aが2本のスタッドボルト11aに安定して締結されるように構成してもよい。
【0028】
また、1つの端子13aをプレート11に対して取り付けるのに、2本のスタッドボルト11aに対する2倍の締結作業を要求する代わりに、
図4に示すように、1つの端子13aを締結したら2つのアースケーブル13,13がプレート11を介して車体1に同時に接地されるように、1つの端子13aに2本のアースケーブル13,13をろう付けしてもよい。もちろん、プレート11にろう付けするアースケーブル13を1本としてもよい。
【0029】
さらに、端子13aは
図1及び
図2の構成としたまま、
図5に示すように、プレート11のスタッドボルト11aを2本として、各スタッドボルト11aに端子13aをそれぞれ締結する構成としてもよい。このように構成すれば、各スタッドボルト11aにそれぞれ締結される端子13aどうしが互いに干渉して回り止めするので、ボルト15の緩みに結び付く端子13aのスタッドボルト11aに対する回転を防ぐことができる。
【0030】
また、端子13aとアースケーブル13の芯線との結合は、
図7の説明図に示すような、圧着部材13cを用いた圧着によって行ってもよく、
図8の説明図に示すように、超音波接合等による溶着によって行ってもよい。
【0031】
さらに、アースケーブル13の芯線と端子13aとを溶着する場合、プレート11の同一のスタッドボルト11aに複数の端子13aが重ねて締結されることを考慮して、
図9(a)の説明図に示すように、アースケーブル13の芯線を溶着する端子13aの溶着部13dを端子13aの端部に配置してもよい。このように構成すれば、溶着部13dの配置を交互に変えて上下の端子13aと重ならないようにすることができる。これにより、重ねた端子13a,13a間に隙間が生じないようにして、スタッドボルト11aに対する締結状態に緩みが生じ難いようにすることができる。
【0032】
ま
た、図10(a)の説明図に示す
実施形態では、端子13aを、アースケーブル13の線径(絶縁被覆を含む)よりも小さい厚さの可撓性を有する板片で構成
している。そのように
構成した実施形態では、図10(b)の説明図に示すように、アースケーブル13の芯線と端子13aとの結合部分においては、重なって隣り合う端子13aどうしを、アースケーブル13の絶縁被覆を含む線径分だけ離したピッチで配置する必要がある。
【0033】
しかし、端子13aが可撓性を有する板片で形成されていることから、スタッドボルト11aに締結する通孔13b付近の部分においては、隣り合う端子13aを端子13aの厚さ分のピッチに近づけて配置することができる。よって、1本のスタッドボルト11aに締結できるアースケーブル13の端子13aの数を増やし、より多くのアースケーブル13をまとめてプレート11により車体1に接地させることができる。
【0034】
なお、
図10(a),(b)では、2本のスタッドボルト11aに締結する端子13aを例に取って説明したが、1本又は3本以上のスタッドボルト11aに端子13aを締結する場合にも、同様の構成を採用することができる。
【0035】
また、
図10(a),(b)では、アースケーブル13の芯線と端子13aとが別部材である場合について説明したが、例えば、アースケーブル13の芯線が1芯である場合は、絶縁被覆を剥がして露出させた芯線を圧延して、
図11(a),(b)の説明図に示すように、アースケーブル13の線径よりも小さい厚さの可撓性を有する端子13aを構成してもよい。
【0036】
さらに、以上の各実施形態及びその変形例では、プレート11に車体1への締結用の取付孔11bを1つ設ける場合について説明したが、例えば、
図12の説明図に示すように、1つのプレート11に2つ以上の取付孔11bを設けてもよい。これにより、車体1に対するプレート11の締結箇所を増やして、締結安定性の依存度を各締結箇所に分散させ、全体としてのプレート11の車体1に対する締結安定性を高めることができる。
【0037】
しかも、プレート11が2つの締結箇所(取付孔11b)でボルト5により車体1に電気的に接続され、一方の締結箇所での締結が万一外れても他方の締結箇所において車体1に対する機器3,3,…の接地が確保されるので、機器3の接地に対する信頼性を向上させることができる。
【0038】
この場合、プレート11に突設するスタッドボルト11aが2本以上であるか1本であるかは、任意である。
【0039】
また、プレート11は、アースケーブル13を外力から保護するプロテクタの一部を兼ねるものとしてもよい。
図13の説明図は、アースケーブル13を保護する箱形のプロテクタ21(請求項中の保護ケースに相当)に車両用接地ユニット10を組み込んだ場合の変形例を示している。
【0040】
図13のプロテクタ21は、図中下方に開放された箱形のケーシング21aと、ケーシング21aの開口を塞ぐ蓋部材21b(請求項中の保護ケースの一部に相当)とで構成されており、上述した車両用接地ユニット10のプレート11が、蓋部材21bを兼ねている。
【0041】
このような構成の変形例では、プレート11をボルト5(
図1参照)により車体1に締結することで、車両用接地ユニット10を介した機器3の車体1への接地とプロテクタ21の車体1に対する取付固定とを同時に達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、車両に搭載された複数の機器を車体に接地させる際に用いて極めて有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 車体
3 機器
5 ボルト(締結部材)
10 車両用接地ユニット
11 プレート
11a スタッドボルト(締結ピン)
11b 取付孔
13 アースケーブル
13a 端子
13b 通孔
13c 圧着部材
13d 溶着部
15 ボルト
21 プロテクタ(保護ケース)
21a ケーシング
21b 蓋部材(保護ケースの一部)