(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978209
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】モジュール組立システム、組立要素、連結要素、エンド要素、およびこのような組立システムに用いられる工具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/08 20060101AFI20160817BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20160817BHJP
F16B 12/20 20060101ALI20160817BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20160817BHJP
F16B 12/32 20060101ALI20160817BHJP
F16B 12/40 20060101ALI20160817BHJP
A47B 47/04 20060101ALN20160817BHJP
A47B 13/02 20060101ALN20160817BHJP
【FI】
A63H33/08 A
F16B12/02 G
F16B12/20 F
F16B5/06 Q
F16B12/32 F
F16B12/40 D
!A47B47/04 A
!A47B13/02
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-523107(P2013-523107)
(86)(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公表番号】特表2013-540456(P2013-540456A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】NL2011050544
(87)【国際公開番号】WO2012015304
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2014年5月27日
(31)【優先権主張番号】2005186
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】2005185
(32)【優先日】2010年7月30日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】507044963
【氏名又は名称】ウィデー・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Widee B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】デ・ウィルデ,ヘリット・ヤン
【審査官】
石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0272301(US,A1)
【文献】
特開2005−009644(JP,A)
【文献】
米国特許第03195266(US,A)
【文献】
米国特許第02885822(US,A)
【文献】
独国実用新案第29512467(DE,U1)
【文献】
実開平03−030682(JP,U)
【文献】
特表2009−509112(JP,A)
【文献】
特表2000−502926(JP,A)
【文献】
特開昭52−103244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
A63F 9/12
F16B 5/00− 5/12
F16B 12/00−12/06
A47B 1/00−41/06
A47B 43/00−45/00
A47B 47/00−47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール組立システムであって、
少なくとも2つの組立要素(20、30、40、50、60、70)と、前記組立要素に離脱可能に接続可能になっている連結要素(1、10)とを備えており、
前記連結要素(1、10)は、2つの平面(3a、3b)を有するプレート状本体(2、11)を備えており、前記2つの平面の各々には、連結手段が設けられており、前記2つの平面(3a、3b)の少なくとも1つの前記連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片(4)からなるリングを備えており、前記リップ片は、前記平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起(5)を備えており、
前記2つの組立要素(20、30、40、50、60、70)の少なくとも1つは、少なくとも1つの開口(22)を有する少なくとも1つの表面を備えており、前記開口(22)は、前記連結要素(1、10)および前記組立要素(20、30、40、50、60)を互いに接続するために、前記連結要素(1、10)の前記リップ片(4)を受け入れるように構成されており、接続された状態において、前記連結要素(1、10)の前記リップ片(4)の前記係止突起(5)が前記開口(22)の近くで前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記表面に係合するように、前記開口(22)は、前記リップ片(4)の2つの互いに対向する前記係止突起(5)間の距離よりも小さくなっており、
前記リップ片(4)は、前記連結要素(1、10)と前記組立要素(20、30、40、50、60、70)との接続を離脱させるために、前記連結要素(1、10)に加えられた力を受けて、前記リップ片の前記2つの互いに対向する前記係止突起(5)間の距離が前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記開口(22)の大きさよりも小さくなるように、少なくともそれらの第1の区域の近くにおいて、内方に変位するように構成されている、
モジュール組立システムにおいて、
前記連結要素(1、10)の前記プレート状本体(2、11)は、前記2つの平面(3a、3b)間に延在する開口(6)を備えており、前記プレート状本体(2、11)の前記開口(6)には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片(7)が設けられており、前記舌片(7)は、前記リップ片(4)に接続されており、
前記プレート状本体(2、11)の前記開口(6)の前記舌片(7)は、前記舌片(7)に加えられた力によって、少なくとも前記舌片(7)の第1の外端の近くにおいて、前記プレート状本体(2、11)の面の外に変位し、前記プレート状本体(2、11)の前記面の外への前記舌片(7)の変位によって、前記リップ片(4)が内方に変位するようになっていることを特徴とする、モジュール組立システム。
【請求項2】
前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記表面には、前記表面の前記開口(22)を取り囲むように延在する直立縁(23)が設けられており、前記接続された状態において、前記連結要素(1、10)の前記プレート状本体(2、11)は、前記直立縁(23)の内側に少なくとも部分的に延在するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール組立システム。
【請求項3】
前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記直立縁(23)は、多角形状を有していることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール組立システム。
【請求項4】
前記連結要素(1、10)の前記プレート状本体(2、11)は、多角形状を有しており、前記接続された状態において、前記プレート状本体(2、11)のコーナ点は、前記直立縁(23)のコーナ点内に位置するようになっていることを特徴とする、請求項3に記載のモジュール組立システム。
【請求項5】
前記連結要素(1、10)の前記プレート状本体(2、11)の2つの互いに対向するコーナ点間の距離は、前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記直立縁(23)の2つの互いに対向する側面間の距離よりも大きくなっており、これによって、前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記表面内において前記連結要素(1、10)を回転させるのに、所定値を超える力が必要とされていることを特徴とする、請求項4に記載のモジュール組立システム。
【請求項6】
前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記直立縁(23)は、そのコーナ点の近くにおいて途切れていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1つに記載のモジュール組立システム。
【請求項7】
前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記直立縁(23)は、丸形状を有していることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール組立システム。
【請求項8】
前記プレート状本体(11)は、丸形状を有しており、前記プレート状本体(11)の直径は、前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記直立縁(23)の2つの互いに対向する側面間の距離よりも小さくなっており、これによって、前記組立要素(20、30、40、50、60、70)の前記表面内における前記連結要素(10)の回転が自在に生じるようになっていることを特徴とする、請求項2、3、6、または7に記載のモジュール組立システム。
【請求項9】
連結要素(1、10)であって、2つの平面(3a、3b)を有するプレート状本体(2、11)を備えており、前記平面には、各々、連結手段が設けられており、前記2つの平面の少なくとも1つの前記連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片(4)からなるリングを備えており、前記リップ片は、前記平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起(5)を備えており、前記リップ片(4)は、前記連結要素と前記組立要素との接続を離脱させるために,前記連結要素(1、10)に加えられた力を受けて、互いに対向して配置された前記リップ片(4)の前記2つの係止突起(5)間の距離が組立要素の開口の大きさよりも小さくなるように、少なくともそれらの第1の端区域の近くにおいて、内方に変位するように構成されており、前記連結要素(1、10)の前記プレート状本体(2、11)は、前記2つの平面(3a、3b)間に延在する開口(6)を備えており、前記プレート状本体(2、11)の前記開口(6)には、半径方向内方に延在する弾性的に枢動可能な多数の舌片(7)が設けられており、前記舌片(7)は、前記リップ片(4)に接続されており、前記プレート状本体(2、11)の前記開口(6)の前記舌片(7)は、前記舌片(7)に加えられた力によって、少なくとも前記舌片(7)の第1の外端の近くにおいて、前記プレート状本体(2、11)の面の外に変位し、前記プレート状本体(2、11)の面の外への前記舌片(7)の変位によって、前記リップ片(4)が内方に変位するようになっていることを特徴とする、連結要素。
【請求項10】
前記2つの平面(3a、3b)の各々の前記連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片(4)からなるリングを備えており、前記リップ片(4)は、前記平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起(5)を備えていることを特徴とする、請求項9に記載の連結要素。
【請求項11】
エンド要素(80)であって、平面(3a)を有するプレート状本体(2)を備えており、前記平面には、弾性的に旋回可能な多数のリップ片(4)からなるリングが設けられており、前記リップ片(4)は、前記平面(3a)から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起(5)を備えており、
前記エンド要素(80)の前記プレート状本体(2)は、開口(6)を備えており、前記プレート状本体(2)の前記開口(6)には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片(7)が設けられており、前記舌片(7)は、前記リップ片(4)に接続されており、前記プレート状本体(2)の前記開口(6)の前記舌片(7)は、前記舌片(7)に加えられた力によって、少なくとも前記舌片(7)の第1の外端の近くにおいて、前記プレート状本体(2)の面の外に変位し、前記プレート状本体の面の外への前記舌片(7)の変位によって、前記リップ片(4)が内方に変位するようになっていることを特徴とする、エンド要素。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか1つに記載のモジュール組立システムと共に用いられる工具(110)であって、少なくとも1つのピン状体(112)を有する本体(111)を備えており、前記ピン状体は、連結要素のプレート状本体の開口の舌片を、少なくとも前記舌片の第1の外端の近くにおいて、前記プレート状本体の面の外に変位させるように構成されている、工具(110)において、
前記工具(110)は、前記ピン状体(112)を取り囲むように延在する変位可能なフランジ(116)を備えており、前記フランジ(116)は、前記フランジ(116)が前記組立要素の前記開口の直径よりも小さくなる第1の位置と、前記フランジが前記組立要素の前記開口の直径よりも大きくなる第2の位置との間で変位可能になっており、前記ピン状体(112)は、前記ピン状体(112)が前記本体(111)から第1の所定長さだけ延在する第1の位置と、前記ピン状体(112)が前記本体(111)から第2の所定長さだけ延在する第2の位置との間で変位可能になっており、前記第2の所定長さは、前記第1の所定長さよりも大きくなっており、前記ピン状体(112)は、前記フランジ(116)が前記第1または第2の位置のそれぞれに位置するとき、前記第1または第2の位置のそれぞれに位置するようになっていることを特徴とする、工具。
【請求項13】
前記ピン状体(112)は、前記本体からある角度で延在しており、前記角度は、0から90°の間にあることを特徴とする、請求項12に記載の工具(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの組立要素と、組立要素に離脱可能に接続可能になっている連結要素とを備えているモジュール組立システムであって、
連結要素は、2つの平面を有するプレート状本体を備えており、2つの平面の各々には、連結手段が設けられており、2つの平面の少なくとも1つの連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片からなるリングを備えており、リップ片は、平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起を備えており、
2つの組立要素の少なくとも1つは、少なくとも1つの開口を有する少なくとも1つの表面を備えており、開口は、連結要素および組立要素を互いに接続するために、連結要素のリップ片を受け入れるように構成されており、接続された状態において、連結要素のリップ片の突起が開口の近くで組立要素の表面に係合するように、この開口は、リップ片の2つの互いに対向する突起間の距離よりも小さくなっており、
リップ片は、連結要素と組立要素との接続を離脱させるために、連結要素に加えられた力を受けて、リップ片の2つの互いに対向する突起間の距離が組立要素の開口の大きさよりも小さくなるように、少なくともそれらの第1の区域の近くにおいて、内方に変位するように構成されている、
モジュール組立システムに関する。
【0002】
このようなモジュール組立システムは、例えば、玩具のような教育目的に、またはスタンド、家具、機械構造物、などの組立に用いることができる。
【背景技術】
【0003】
このようなモジュール組立システムは、特許文献1から知られている。特許文献1の組立システムは、複数の組立ブロックおよび1つまたは複数の接続片を備えている。特許文献1の組立ブロックは、ファンネルを有する正方形の組立開口を備えており、該開口内に、接続片のリップ片が受け入れ可能になっている。接続片と組立ブロックとの間の接続を離脱させるには、リップ片が組立開口の対角線方向に延在するように、接続片が45°回転されるようになっている。組立開口の対角線の長さは、2つの互いに対向する突起間の距離よりも大きいので、接続片を組立開口から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1598097A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、組立要素を簡単に連結および離脱させることを可能にするモジュール組立システムおよび/または種々のアセンブリを容易に組み立てることを可能にするモジュール組立システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、前文で述べた形式のモジュール組立システムは、本発明による以下の特徴、すなわち、連結要素のプレート状本体は、2つの平面間に延在する開口を備えており、プレート状本体のこの開口には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片が設けられており、舌片は、リップ片に接続されており、プレート状本体の開口の舌片は、舌片に加えられた力によって、少なくとも舌片の第1の外端の近くにおいて、プレート状本体の面の外に変位し、プレート状本体の面の外への舌片の変位によって、リップ片が内方に変位するようになっている、特徴を有している。
【0007】
このような連結要素の利点は、2つの組立要素の相互接続を簡単に行うことができると共に、このような連結要素を用いて連結を簡単に離脱させることができることにある。連結の離脱は、舌片に力を加えることによって、簡単に行われることになる。具体的には、リップ片が内方に変位し、2つの互いに対向する突起間の距離が組立要素の開口の大きさよりも小さくなり、これによって、連結要素を組立要素の開口から容易に取り外すことができる。
【0008】
他の平面が、多数のリップ片からなるリングを備えていない場合、該平面は、無作為な、すなわち、任意選択的な周知の連結手段、例えば、ダボ継ぎ、スクリューネジを有するピン状体、接着手段、いわゆるベルクロテープ接続を構成するためのフックまたはループ、などを備えることができる。
【0009】
モジュール組立システムの好ましい実施形態では、2つの平面の各々の連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片からなるリングを備えており、これらのリップ片は、平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起を備えている。
【0010】
本発明によるモジュール組立システムの他の好ましい実施形態では、組立要素の表面には、該表面の開口を取り囲むように延在する直立縁が設けられており、接続された状態において、連結要素のプレート状本体が、直立縁の内側に少なくとも部分的に延在するようになっている。
【0011】
本発明によるモジュール組立システムの他の実施形態では、組立要素の直立縁は、多角形状を有している。
【0012】
本発明によるモジュール組立システムの後に続く実施形態では、連結要素のプレート状本体は、多角形状を有しており、接続された状態において、プレート状本体のコーナ点は、直立縁のコーナ点内に位置するようになっている。
【0013】
連結要素のプレート状本体の2つの互いに対向するコーナ点間の距離は、好ましくは、組立要素の直立縁の2つの互いに対向する側面間の距離よりも大きくなっており、これによって、組立要素の面内において連結要素を回転させるには、所定値を超える力が必要とされている。
【0014】
本発明の利点は、このように、2つの組立要素が、互いに対してほぼ固定位置にほぼ固定角度で接続されることにある。連結要素および/または組立要素に加えられる相対的な回転力が所定値を超えると、回転が可能になり、これによって、2つの組立要素間の角度を、この目的のために連結要素を離脱させることなく、容易に変更することができる。力が除かれると、組立要素は、新しい角度に固定されることになる。所定力は、例えば、連結要素のプレート状本体および/または組立要素の直立縁を弾性的に変形させるのに必要な力と等しい。
【0015】
代替的に、組立要素の直立縁は、そのコーナ点の近くにおいて、途切れていてもよい。
【0016】
途切れた縁を備える組立要素の利点は、該組立要素を、例えば、射出成形によって、簡単に作製することができることである。これによって、組立要素を作製するための材料を節約することもできる。
【0017】
本発明によるモジュール組立システムのさらに他の実施形態では、組立要素の直立縁は、丸形状を有している。
【0018】
本発明によるモジュール組立システムの後に続く実施形態では、プレート状本体は、丸形状を有しており、プレート状本体の直径は、組立要素の直立縁の2つの互いに対向する側面間の距離よりも小さくなっており、これによって、組立要素の表面内における連結要素の回転が自在に生じるようになっている。
【0019】
組立要素の表面内における連結要素の自在な回転の利点は、これによって、種々の構成要素が互いに対して自在に回転可能になっているので、組立アセンブリを簡単に作製することができることである。直立縁の2つの互いに対向する側面は、丸縁の直径も意味すると見なされることに留意されたい。
【0020】
本発明は、前述のモジュール組立システムの構成部品である組立要素にさらに関する。この組立要素は、少なくとも1つの開口を有する少なくとも1つの表面を備えている。開口は、連結要素および組立要素を互いに接続するために、連結要素のリップ片を受け入れるように構成されている。この開口は、リップ片の2つの互いに対向する突起間の距離よりも小さくなっており、これによって、接続された状態において、連結要素のリップ片の突起は、開口の近くで組立要素の表面に係合することになる。
【0021】
本発明は、前述のモジュール組立システムの構成部品である連結要素にさらに関する。この連結要素は、2つの平面を有するプレート状本体を備えており、平面には、各々、連結手段が設けられている。2つの平面の少なくとも1つの連結手段は、弾性的に旋回可能な多数のリップ片からなるリングを備えており、リップ片は、平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起を備えている。リップ片は、連結要素と組立要素との接続を離脱させるために,連結要素に加えられた力を受けて、互いに対向して配置されたリップ片の2つの突起間の距離が組立要素の開口の大きさよりも小さくなるように、少なくともそれらの第1の端区域の近くにおいて、内方に変位するように構成されている。連結要素のプレート状本体は、2つの平面間に延在する開口を備えており、プレート状本体のこの開口には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片が設けられており、舌片は、リップ片に接続されている。プレート状本体の開口の舌片は、舌片に加えられた力によって、少なくとも舌片の第1の外端の近くにおいて、プレート状本体の面の外に変位し、プレート状本体の面の外への舌片の変位によって、リップ片が内方に変位するようになっている。
【0022】
他の平面が、多数のリップ片からなるリングを備えていない場合、該平面は、無作為な、すなわち、任意選択的な周知の連結手段、例えば、ダボ継ぎ、スクリューネジを有するピン状体、接着手段、いわゆるベルクロテープ接続を構成するためのフックまたはループ、などを備えることができる。
【0023】
2つの平面の各々の連結手段は、好ましくは、弾性的に旋回可能な多数のリップ片からなるリングを備えており、これらのリップ片は、平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起を備えている。
【0024】
本発明は、エンド要素にも関する。エンド要素は、平面を有するプレート状本体を備えている。平面には、弾性的に旋回可能な多数のリップ片からなるリングが設けられている。リップ片は、平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くに係止突起を備えている。
【0025】
このようなエンド要素は、連結要素に対して前述したような方法によって、1つの組立要素に容易に接続可能であり、これによって、組立要素の未使用の開口を充填することができる。リップ片から遠く離れている表面がリップ片を備えていないとき、この表面は、美学的な方法によって仕上げられてもよい。この場合、組立要素の未使用の開口が、美学的な方法によって充填されてもよい。
【0026】
組立要素および/または連結要素および/またはエンド要素は、好ましくは、プラスチック、金属、および木材を含む群から選択された材料から作製されるようになっている。適切なプラスチックは、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、および/またはポリエチレ(PE)である。
【0027】
組立要素および/または連結要素および/またはエンド要素は、例えば、射出成形によって作製することができる。
【0028】
また、本発明は、前述のモジュール組立システムと共に用いられる工具にも関する。この工具は、少なくとも1つのピン状体を有する本体を備えている。ピン状体は、連結要素のプレート状本体の開口の舌片を、少なくとも舌片の第1の外端の近くにおいて、プレート状本体の面の外に変位させるように構成されている。
【0029】
連結要素を離脱させるために、このような工具を用いて、押圧力を連結要素の舌片に簡単に加えることができる。
【0030】
本発明は、連結要素の舌片に力を加えることによって、連結要素を離脱させるためのこのような工具の使用にも関する。
【0031】
ピン状体は、好ましくは、ハンドルからある角度で延在しており、該角度は、0から90°の間にある。
【0032】
本発明による工具の好ましい実施形態によれば、工具は、ピン状体を取り囲むように延在する変位可能なフランジを備えている。フランジは、該フランジが組立要素の開口の直径よりも小さくなる第1の位置と、該フランジが組立要素の開口の直径よりも大きくなる第2の位置との間で変位可能になっている。ピン状体は、ピン状体が本体から第1の所定長さだけ延在する第1の位置と、該ピン状体が本体から第2の所定長さだけ延在する第2の位置との間で変位可能になっており、第2の所定長さは、第1の所定長さよりも大きくなっている。ピン状体は、フランジが第1または第2の位置のそれぞれに位置するとき、第1または第2の位置のそれぞれに位置するようになっている。
【0033】
本発明は、前述した組立要素、連結要素、エンド要素、および工具の少なくとも1つを備えているパッケージにも関する。
【0034】
本発明は、図面に示されているそれぞれの図を参照すれば、さらに明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A-1D】本発明の実施形態によるモジュール組立システムの連結要素の斜視図、側面図、正面図、および断面図である。
【
図2A-2D】本発明の他の実施形態によるモジュール組立システムの連結要素の斜視図、側面図、正面図、および断面図である。
【
図3-8】本発明の種々の実施形態によるモジュール組立システムの多数の組立要素の斜視図である。
【
図9A.9B】本発明の実施形態によるエンド要素の斜視図および正面図である。
【
図10】本発明によるモジュール組立システムによって組み立てられた組立アセンブリの斜視図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態による工具の斜視図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態による工具の斜視図である。
【
図14A-14D】本発明によるモジュール組立システムの他の組立要素を示す図である。
【
図15A.15B】本発明のさらに他の実施形態によるモジュール組立システムの連結要素の側面図および斜視図である。
【
図16A-16C】本発明によるモジュール組立システムによって組み立てられた棚システムを示す図であって、
図16Aは、棚システムの斜視図であり、
図16Bは、棚システムの詳細な部分図であり、
図16Cは、
図16Bの一部の断面図である。
【
図17A.17B】本発明によるモジュール組立システムによって組み立てられたテーブルを示す図であって、
図17Aは、テーブルの斜視図であり、
図17Bは、テーブル天板の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1A〜
図1Dは、それぞれ、連結要素1の斜視図、側面図、正面図、および断面図を示している。連結要素1は、2つの互いに平行の平面3a,3bを有する六角形状のプレート状本体2を備えている。平面3a,3bの各々には、弾性的に旋回可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、該平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、各々、第1の端区域の近くに突起5を備えている。プレート状本体2の2つの平面3a,3b間に延在しているのは、開口6である。開口6には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片7が設けられており、これらの舌片7は、リップ片4に接続されている。
【0037】
図2A〜
図2Dは、それぞれ、本発明の他の実施形態による連結要素10の斜視図、側面図、正面図、および断面図を示している。連結要素10は、2つの互いに平行の平面3a,3bを有する丸形状のプレート状本体11を備えている。平面3a,3bの各々には、弾性的に旋回可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、該平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、各々、第1の端区域の近くに突起5を備えている。プレート状本体2の2つの平面3a,3b間に延在しているのは、開口6である。開口6には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片7が設けられており、これらの舌片7は、リップ片4に接続されている。
【0038】
図3〜
図8は、本発明の種々の実施形態による多数の組立要素20,30,40,50,60,70を示している。
【0039】
図3は、プレート状本体21を備える組立要素20を示している。多数の開口22が、プレート状本体21の2つの外面間に延在している。組立要素20は、一種の基礎となる組立プレートの役割を果たすものであり、該プレート上に組立アセンブリが組み立てられることになる。プレート状本体21の外面の各々には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、正六角形の形状を有している。
【0040】
図4は、本発明の他の実施形態による組立要素30を示している。この組立要素30は、梁状本体31を備えている。多数の開口22が、梁状本体31の外面を貫通している。梁状本体31の外面の各々には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、正六角形の形状を有しており、そのコーナ点の近傍において途切れている。
【0041】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による組立要素40を示している。この組立要素40は、ナット状本体41を備えている。多数の開口22が、ナット状本体41の外面を貫通している。ナット状本体41の外面の各々には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、正六角形の形状を有している。
【0042】
図6Aおよび
図6Bは、本発明のさらに他の実施形態による組立要素50を示している。この組立要素50は、斜めに切断されたキューブの形態にある本体51を備えている。多数の開口22が、本体51の3つの外面を貫通している。開口22が設けられた本体51の3つの外面には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、正六角形の形状を有している。本体51の切断された側面52a,52bに開口22が設けられていないことは、明らかだろう。
【0043】
図7は、本発明のさらに他の実施形態による組立要素60を示している。この組立要素60は、キューブ状本体61を備えている。多数の開口22が、本体61の外面を貫通している。本体61の外面の各々には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、正六角形の形状を有しており、そのコーナ点の近傍において途切れている。
【0044】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による組立要素70を示している。この組立要素70は、丸められた外端を有する細長のプレート状本体71を備えている。多数の開口22が、本体71の外面を貫通している。本体71の外面の各々には、各開口22を取り囲むように延在する直立縁23が設けられている。この実施形態では、直立縁23は、丸形状を有している。
【0045】
図9は、本発明の実施形態によるエンド要素80を示している。このようなエンド要素80は、2つの平面3a,3bを有する六角形のプレート状本体2を備える連結要素1と同じように具体化されている。しかし、エンド要素80では、一方の面3aのみに、弾性的に旋回可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、平面3aから少なくとも実質的に直角に延在しており、各々、第1の端区域の近くに突起5を備えている。他の面3bには、丸められた美学的な仕上げが施されている。
【0046】
2つの組立要素の相互接続を可能にするために、連結要素1または10のリップ片4が、組立要素20,30,40,50,60,または70の開口22内に配置されるようになっている。リップ片4の2つの互いに対向する突起5間の距離は、開口22よりも大きくなっている。従って、リップ片4は、配置されるとき、それらの第1の端区域の近くにおいて内方に変位することになる。これが可能になるには、リップ片4が弾性的に旋回可能になっているからである。いったんリップ片4の全体が開口22内に配置されたなら、リップ片4は、平面に対して実質的に直交するそれらの元の位置まで外方に変位し、これによって、突起5が開口22の近くで組立要素20,30,40,50,60,または70の表面に係合することになる。
【0047】
図10は、連結要素1,10を用いて多数の組立要素30,40,50およびエンド要素80を相互に接続することによって作られた組立アセンブリ90を示している。種々の組立要素を相互に接続することによって、種々の形式の組立アセンブリを作ることが可能であり、
図10は、単なる例示にすぎないことは、明らかだろう。
【0048】
図10および
図11は、接続された位置において、連結要素1または10のプレート状本体2は、組立要素20,30,40,50,60または70の直立縁23の内側に少なくとも部分的に延在していることを示している。
【0049】
六角形の連結要素1が、六角形の縁23を有する組立要素20,30,40,50,または60に連結されるとき、連結要素1のプレート状本体2のコーナ点は、縁23のコーナ点内に位置することになる。連結要素1のプレート状本体2の2つの互いに対向するコーナ点間の距離が、組立要素20,30,40,50または60の直立縁23の2つの互いに対向する側面間の距離よりも大きいので、連結要素1は、配置された位置に固定されることになる。これによって、2つの組立要素20,30,40,50,または60を所定位置に所定角度で相互接続することができる。所定値を超える力によって、連結要素1を組立要素20,30,40,50,または60の表面内において回転させることができる。この回転が可能になるのは、力が所定値を超えるとき、連結要素1のプレート状本体2の弾性変形および/または組立要素20,30,40,50,または60の弾性変形が生じるからである。この相対的な回転によって、2つの組立要素20,30,40,50,または60間の角度を、連結要素1をこの目的のために取り外すことなく、容易に調整することができる。
【0050】
同様に、六角形の連結要素1を丸縁23を有する組立要素70に連結させることもできる。連結要素1のプレート状本体2の2つの互いに対向するコーナ点間の距離が、組立要素70の丸縁23の直径よりも小さいので、連結要素1を組立要素70の表面内で自在に回転させることができる。
【0051】
連結要素1が、一方の側において、丸縁23を有する組立要素70に接続され、他方の側において、六角縁23を有する組立要素20,30,40,50、または60に接続されたとき、この組立要素20,30,40,50,または60を他の組立要素20,30,40,50,または60に対して固定して位置決めしながら、組立要素70を該組立要素20,30,40,50,または60に対して自在に回転させることができる。
【0052】
さらに、丸形のプレート状本体2を有する連結要素10を組立要素20,30,40,50,60,または70に連結させることができる。連結要素10の丸形のプレート状本体2の直径が、組立要素20,30,40,50,または60の直立縁23の2つの互いに対向する側面間の距離または組立要素70の直立縁23の直径よりも小さいので、組立要素20,30,40,50,60,または70を互いに対して自在に回転させることができる。
【0053】
図11Aおよび
図11Bは、開口22からの連結要素1の取外しを示している。
図11Bに示されているように、リップ片4は、リップ片4の互いに対向する突起5間の距離が開口22の大きさよりも小さくなるように、内方に変位されねばならない。このリップ片4の内方変位は、舌片7に押圧力を加えることによって生じる。具体的には、これらの舌片7は、押圧力の影響を受けて、少なくともそれらの第1の外端の近くにおいて、プレート状本体2の面の外に同時に変位し、これによって、舌片7に接続されたリップ片4が、内方に変位することになる。
図11Bに示されているように、舌片7の変位の方向と反対の方向に延在しているこれらのリップ片4は、内方に変位することになる。
【0054】
図11A〜
図11Cに示されているように、工具100を用いて、連結要素1を開口22から取り外すことができる。この工具100は、
図12に示されている。工具100は、ハンドル101の形態にある本体を備えている。ハンドル101は、2つのピン状体102,103を備えている。これらのピン状体102,103によって、プレート状本体2の開口6の舌片7をプレート状本体2の面の外に弾性的に押圧することができる。ピン状体102は、ここでは、ハンドル101に対して平行に延在しており、ピン状体103は、ここでは、ハンドル101から90°の角度をなして延在している。
図11Aおよび
図11Bに示されているように、開口22の近傍に位置する反対側の開口に連結要素1が配置されていないとき、ハンドル101に対して平行に延在するピン状体102を用いて、連結要素1を開口22から簡単に取り外すことができる。「〜の近傍に」という用語は、ここでは、2つの開口22間の相互距離がピン状体102の長さよりも小さいことを意味すると理解されたい。90°の角度で延在するピン状体103は、
図11Cに示されているように、組立要素30の端面の開口22内に配置された連結要素1または10を取り外すのに特に適している。組立要素30の長さは、真っ直ぐなピン状体102によって、すなわち、この真っ直ぐなピン状体102を開口22を介して組立要素30の他の端面内に挿入することによって、連結要素1または10を取り外すことができないような大きさになっている。しかし、組立要素30の端面の開口22の近傍において該開口に対して直角に延在する開口22を利用することによって、90°の角度で延在するピン状体103を用いて、連結要素1または10を簡単に取り外すことができる。同様に、開口22の近傍に位置する反対側の開口が連結要素を備えているときも、ピン状体103を有利に用いることができる。
【0055】
図13A〜
図13Dは、本発明の第2の実施形態による連結要素1を開口22から取り外すための工具110を示している。工具110は、本体111およびピン状体112を備えている。工具110は、接続ロッド114を介してピン状体112に接続された押圧要素113をさらに備えており、バネ115が、押圧要素113と本体111との間において接続ロッド114を取り囲むように延在している。押圧要素113に押圧力を加えることによって、ピン状体112は、ピン状体112が本体111から第1の所定長さだけ延在する第1の位置(
図13A)と、ピン状体112が本体111から第2の所定長さだけ延在する第2の位置(
図13B)との間で変位することになる。この第2の所定長さは、第1の所定長さよりも大きくなっている。ピン状体112が変位するのと同時に、フランジ116は、フランジ116が組立要素60(
図13C,13D参照)の開口22の直径よりも小さい第1の位置(
図13A参照)と、フランジ116が組立要素60の開口22の直径よりも大きい第2の位置(
図13B参照)との間で変位することになる。第2の位置において、フランジ116が開口22の直径よりも大きくなっているので、ピン状体112が連結要素1を開口22の外に押し出す間、フランジ16は、組立要素の面に対して押し付けられることになる。これによって、連結要素1を開口22から簡単に取り外すことができる。
【0056】
舌片7に押圧力を加えることによって、リップ片4を内方に変位させる工具に代わって、工具がリップ片4を直接内方に変位させるための手段を備えることも可能であり、例えば、このような手段をリップ片4を取り囲むように配置し、この手段に押圧力を加えるようになっていてもよいことに留意されたい。
【0057】
図14A〜
図14Dは、車輪の形態にある組立要素120を示している。この車輪は、該車輪の側面に開口22を有している。このような車輪状組立要素120、連結要素1、および他の無作為な組立要素、連結要素、およびエンド要素を用いて、移動玩具121を簡単に作ることができる。
【0058】
図15Aおよび
図15Bは、2つの互いに平行の平面3a,3bを有する丸形のプレート状本体を備える連結要素130を示している。平面3aには、弾性的に旋回可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、該平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、各々、第1の端区域の近くに突起5を備えている。プレート状本体2の2つの平面3a,3b間に延在しているのは、開口6である。開口6には、半径方向内方に延在する弾性的に旋回可能な多数の舌片7が設けられており、これらの舌片7は、リップ片4に接続されている。平面3bには、円筒体の形態にある他の連結手段が設けられており、該円筒体は、円筒壁の全体にわたって延在するリブ131を備えている。従って、連結要素130を手で用いて、一方の側の前述の開口22を備える組立要素と、他方の側の無作為な他の組立要素との間を連結することができる。
【0059】
図16A〜
図16Cは、棚システム190を示している。棚システム190のフレームは、多数の連結要素1を用いて、多数の組立要素30を相互接続することによって、組み立てられている。組立要素30を相互接続するために、連結要素1に代わって、連結要素10が、代替的または付加的に用いられてもよい。代替的または付加的に、組立要素30以外の適切な組立要素が、任意選択的に用いられてもよい。棚システム190の上面に配置されているのは、上側の水平配置された組立要素30上に載置された棚191である。所望の中間位置に配置されているのは、それぞれの水平配置された組立要素30上に載置された棚192である。これらの棚192は、垂直配置された組立要素30を受け入れるための凹部193を備えている。棚191,192は、任意選択的に組立要素30に連結されてもよい。棚191(または192)を組立要素30に接続するために、連結要素194が用いられてもよい。連結要素194は、2つの互いに平行の平面3a,3bを有する六角形のプレート状本体2を備えている。1つの平面3aには、弾性的に枢動可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、該平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、各々、第1の端区域の近くに突起5を備えている、他の平面3bには、円筒体195が設けられており、円筒体195は、該平面から直角に延在しており、棚191(または192)のそれぞれの円筒空洞196内に延在するようになっている。連結要素194の円筒体195および棚191(または192)の円筒空洞196は、ここでは、いわゆるダボ継ぎとして協働作用するようになっている。このような連結要素194を用いて、一方の側において、前述したようなおよび以下にさらに述べるような連結が達成され、他方の側において、ダボ継ぎが達成されることになる。連結要素194の片側は、連結要素1の両側と同じであることは、明らかだろう。
【0060】
図16Aおよび
図16Bは、接続された状態において、連結要素1のプレート状本体2が、組立要素30の直立縁23の内側に少なくとも部分的に延在していることを示している。
【0061】
図17Aおよび
図17Bは、組立要素30によって形成された脚30を備えるテーブル140を示している。テーブルは、連結要素142を有するテーブル天板141を備えている。連結要素142は、テーブル天板141に面する側と反対の側では、連結要素10として具体化されており、テーブル天板141に面する側では、連結手段を備えておらず、例えば、接着によって、テーブル天板141に固定して接続されている。従って、テーブル天板141は、この実施形態では4つの丸形のプレート状本体11を備えるエンド要素であって、プレート状本体11は、平面3Aを有しており、平面3Aには、弾性的に枢動可能な多数のリップ片4からなるリングが設けられており、リップ片4は、該平面から少なくとも実質的に直角に延在しており、第1の端区域の近くの突起5を備えている、エンド要素と見なすことができる。長さ方向において開口22を有していないテーブル脚30が設けられてもよいことに留意されたい。何故なら、最上端面の開口のみがテーブル天板141との連結に用いられるからである。このようなテーブル脚30は、美学的な形態を有していてもよい。テーブル天板141に固定して接続される連結要素142に代わって、連結要素1、連結要素10、または連結要素194が用いられてもよく、テーブル天板141は、それぞれの開口22または円筒空洞196を備えていてもよいことにさらに留意されたい。
【0062】
図16A〜
図16C、
図17Aおよび
図17Bは、限られた数の構成要素および連結要素を用いて、種々の形式のスタンド、家具、などを簡単に組み立てることができることを示している。
【0063】
多くの形状および多くの寸法の組立要素および連結要素が想定されてもよく、図示されている実施例は、単なる例示にすぎないことに留意されたい。種々の形状によって、種々の構造アセンブリを簡単に組み立てることができる(例えば、
図10参照)。これによって、組立アセンブリを作り出す人の創造性が刺激されることになるが、これは、教育的な効用を果たすことになる。例えば、スタンドおよび家具の形態にある種々の組立アセンブリも容易に組み立てることができる。無作為な連結要素の多数のリップ片からなる前記または各リングの直径および無作為な組立要素の前記または各開口の直径は、好ましくは、いずれの場合も、標準寸法を有しており、これによって、本発明による種々の形式の組立要素および連結要素を利用する組立アセンブリの組立を、標準化によって簡素化することができる。
【0064】
本発明は、前述した例示的な実施形態に制限されるものではなく、添付の請求項の範囲内に含まれる他の変更形態にも及ぶことにさらに留意されたい。