(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記整流板は、前記給紙カセットの底面から下方に突出して形成される第1の整流板と、該第1の整流板に沿うように前記給紙カセットの底面に対向する前記筐体の底板から上方に突出して形成される第2の整流板と、を備え、前記第1の整流板と前記第2の整流板は、水平方向視で互いにオーバーラップするように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給紙装置。
前記風路は、前記給気口から前記除湿用ヒータを経て前記通気口に向かい、該通気口を上昇した後、該通気口の前方の前記給紙カセットのシート収容部へ向かう気流を発生させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の給紙装置。
前記給紙カセットのシート収容部へ向かう気流は、前記給紙カセットと前記筐体との間の空間あるいは前記給紙カセットと該給紙カセットの上方に配置された上段側給紙カセットとの間の空間に形成されることを特徴とする請求項5に記載の給紙装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1に記載の給紙装置において、サイズの大きいシートを収容した場合、シートで通気孔が塞がれて十分な通気を確保できない場合がある。また、特許文献2に記載の給紙装置では、給紙カセットが多段に配置されている場合に、上方の給紙カセットに暖気を供給することは困難である。
【0007】
なお、ファンを設けて暖気を給紙カセットに行き渡らせることも考えられるが、コスト低減や騒音の発生の低減のために、ファンはできるだけ使用したくないという要望がある。
【0008】
本発明は上記事情を考慮し、除湿用ヒータから発生する暖気を効率よく給紙カセットに供給できる給紙装置及びこの給紙装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の給紙装置は、給紙カセットの底板の下面と筐体との間に形成される間隙に配置される除湿用ヒータと、前記間隙に連通し前記筐体の周壁に開口される給気口と、前記筐体の内部において前記間隙に連通し前記給紙カセットの外周に形成される通気口と、を備え、前記除湿用ヒータを水平方向の両側から挟むように前記間隙に配設された整流板を有し、該整流板は、前記給紙カセット及び前記筐体とともに風路を形成し、該風路は、前記給気口から前記除湿用ヒータを経て前記通気口に向かう気流を形成することを特徴とする。
【0010】
このような構成を採用することにより、ファン等を使用せずに、除湿用ヒータで加熱して発生した暖気を給紙カセットに供給し、給紙カセット内のシートを除湿することができる。
【0011】
本発明において、前記整流板は、前記除湿用ヒータより気流方向上流側部分の前記風路の開口面積が前記給気口に向かって広くなるように形成されていることを特徴としてもよい。
【0012】
このような構成を採用することにより、多くの量の空気を風路に給気することができ、活発な気流を形成できる。
【0013】
本発明において、前記給紙カセットは、前記筐体の前後方向に引き出し可能に支持されており、前記給気口は、前記給紙カセットの前方において該給紙カセットの底面と前記筐体との間に形成された隙間であり、前記通気口は、前記給紙カセットの後方において前記筐体の背面との間に形成された空間であることを特徴としてもよい。
【0014】
このような構成を採用することにより、筐体内の、空気がこもり易く除湿しにくい引き出し方向の後側の部分を優先的に除湿できる。さらに、給気口と通気口とは、給紙装置の構成上に必要な空間であり、この空間を風路の入口と出口として利用するので、風路形成のために整流板以外の新たな構造を追加する必要がない。
【0015】
本発明において、前記整流板は、前記給紙カセットの底面から下方に突出して形成されていることを特徴としてもよい。
【0016】
このような構成を採用することにより、風路の上面である給紙カセットの下面と、風路の側面である整流板との間に隙間が形成されないので、暖気を逃がさないように送風できる。
【0017】
本発明において、前記整流板は、前記給紙カセットの底面に対向する前記筐体の底板から上方に突出して形成されていることを特徴としてもよい。
【0018】
このような構成を採用することにより、除湿用ヒータと整流板との位置決めが容易になる。
【0019】
本発明において、前記整流板は、前記給紙カセットの底面から下方に突出して形成される第1の整流板と、該第1の整流板に沿うように前記給紙カセットの底面に対向する前記筐体の底板から上方に突出して形成される第2の整流板と、を備え、前記第1の整流板と前記第2の整流板は、水平方向視で互いにオーバーラップするように形成されていることを特徴としてもよい。
【0020】
このような構成を採用することにより、風路の左右方向の側面から暖気が逃げにくくなる。
【0021】
本発明において、前記風路は、前記給気口から前記除湿用ヒータを経て前記通気口に向かい、該通気口を上昇した後、該通気口の前方の前記給紙カセットのシート収容部へ向かう気流を発生させることを特徴としてもよい。
【0022】
このような構成を採用することにより、給紙カセットに収容されたシートを効果的に除湿することができる。
【0023】
本発明において、前記給紙カセットのシート収容部へ向かう気流は、前記給紙カセットと前記筐体との間の空間あるいは前記給紙カセットと該給紙カセットの上方に配置された上段側給紙カセットとの間の空間に形成されることを特徴としてもよい。
【0024】
このような構成を採用することにより、給紙カセットが多段の場合も、上段側給紙カセットのシート収容部に暖気を供給することができる。
【0025】
本発明の画像形成装置は、上記に記載の給紙装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ファンを使用せずに、除湿用ヒータで加熱して発生した暖気を給紙カセットに供給し、給紙カセット内のシートを除湿することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を説明する。
【0029】
図1を用いて、画像形成装置としての電子写真方式のプリンター1の全体の主な構成について説明する。
図1はプリンター1の全体の構造を示す斜視図である。以降の説明では、
図1の紙面手前側をプリンター1の正面(前側)とし、前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0030】
プリンター1は、装置本体部2と、装置本体部2の上方に配置された画像読取部3と、を備えている。
【0031】
装置本体部2は、箱型形状の筐体4を有し、筐体4に、各種設定や複写機能或いはファクシミリ機能等を利用する際に操作される操作パネル部5と、公知の画像形成処理ユニット(図示せず)を収納した画像形成部7と、画像形成後のシートが収容される排紙トレイ部8と、画像形成されるシートが収納される給紙部(給紙装置)9と、が支持されている。
【0032】
図2〜
図4を参照して給紙部9を説明する。
図2は給紙部9の開口部を示す斜視図、
図3は開口部の底面を示す平面図、
図4は給紙カセットを下側から見た斜視図である。
【0033】
給紙部9は、
図2に示されるように、筐体4の画像形成部7の下方に形成された開口部10と、開口部10に前後方向に引き出し可能に収容される給紙カセット20と、を有する。
【0034】
開口部10は、画像形成部7の下方において前面に開口しており、筐体4の左右の側板4a、4b及び背板(図示されず)とで囲まれる周壁と、上板4c及び底板4dと、背板(図示されず)とで囲まれた扁平な直方体状の空間である。左右側板4a、4b、上板4c、底板4d、背板は、例えば板金で形成される。
【0035】
左右の側板4a、4bの内面の対向する部分には、給紙カセット20が係合するレール部12がそれぞれ形成されている。レール部12は、前後方向に延びるように平行に配置されている。
【0036】
図3に示されるように、底板4dの上面には、プレス加工等により、補強用の複数の浅い凹部13が形成されている。凹部13は、四角形状の外周部13aと、外周部13aの対角線上に形成された2個の対角線部13b、13cと、を有する。
【0037】
一方の対角線部13bには、除湿用ヒータ15が配置されている。除湿用ヒータ15として、例えばシーズヒータを使用できる。シーズヒータは、発熱体を絶縁体で包み、金属製のパイプに封入したものである。除湿用ヒータ15は、扁平な長尺状のヒータ本体16と、ヒータ本体16に電源を供給する配線部17と、を有する。配線部17は、底板4dの対角線部13bの上面に沿って延びて、装置本体部2内の電源(図示されず)に接続されている。また、電源は、装置本体部2の操作パネル部5に接続されており、操作パネル部5からヒータ本体16の温度を設定することができる。
【0038】
給紙カセット20は、上面が開口した扁平な箱状の形状を有し、
図4に示されるように、シートが収容されるカセット本体部21と、筐体4に支持されるスライド部22と、を有する。
【0039】
カセット本体部21の内部には、シートが載置されるボトムプレート、ボトムプレートの先端部を押し上げる付勢部材、シートを幅方向の中央に揃える一対のガイド部材、シートの長さ方向を位置決めする位置決め部材等(いずれも図示されず)が備えられている。カセット本体部21の前面には、給紙カセット20の出し入れの際に把持される把持部23が形成されている。
【0040】
カセット本体部21の底板21aの下面には、左右の整流板25L、25Rが下方に向けて突出するように形成されている。左側整流板25Lの前端は、底板21aの左隅付近に位置し、後端は、底板21aの後縁の中央よりやや左寄りに位置する。右側整流板25Rの前端は、底板21aの右隅付近に位置し、後端は、底板21aの後縁の中央よりやや右寄りに位置する。つまり、左右の整流板25L、25Rは、
図4に示されるように、カセット本体部21の底板21aの後側から前側に向かって間隔が広くなるようにハの字型に配置されている。
【0041】
なお、左右の整流板25L、25Rは、給紙カセット20を成形する際にカセット本体部21の底板21aの下面から突出するように一体に設けてもよい。あるいは、左右の整流板25L、25Rを別に形成し、カセット本体部21の底板21aの下面に接着等によって取り付けてもよい。
【0042】
左右スライド部22は、カセット本体部21の左右の側面に前後方向に延びるように形成されている。左右スライド部22の後端は、カセット本体部21の後端から後方に突き出している。
【0043】
図5等を参照して、給紙カセット20を筐体4の開口部10に収容した状態を説明する。
図5は、筐体4に収容された給紙カセット20の側面断面図である。給紙カセット20は、左右スライド部22を、筐体4の開口部10の左右側板4a、4bに形成されたレール部12(
図2参照)に係合させることにより、筐体4の開口部10に前後方向に引き出し可能に支持される。
【0044】
給紙カセット20が筐体4の開口部10に収納された状態において、給紙カセット20のカセット本体部21の底板21aの下面は、筐体4の底板4dの上面に、所定の高さの間隙Gを介してほぼ平行に対向している。この間隙Gは、前方において筐体4の前面の外部に開口した給気口31に連通している。また、給紙カセット20のスライド部22はカセット本体部21から後方に突き出しているので、突き出した部分だけカセット本体部21の背板と筐体4の背板との間に通気口32が形成される。このような構造によって、間隙Gは、後方において通気口32に連通している。
【0045】
さらに、間隙Gには、前後方向に延びる風路35が形成される。風路35は、上下方向においてカセット本体部21の底板21aの下面と筐体4の底板4dの上面で囲まれ、左右方向において左右の整流板25L、25Rで囲まれている。左右の整流板25L、25Rは、
図3に示されるように、筐体4の底板4dの上面に取り付けられた除湿用ヒータ15のヒータ本体16の左右両側に位置するように配置されており、風路35にヒータ本体部16が収容される。
【0046】
風路35の入口35aは給気口31に開口し、出口35bは通気口32に開口しており、風路35内を、給気口31側の入口35aから、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16を通って、通気口32側の出口35bに向かう気流が形成される。
【0047】
上記構成を有する給紙部9の除湿ヒータ15による除湿作用を説明する。除湿用ヒータ15のヒータ本体部16が所定の温度に加熱されると、筐体4の底板4dに伝熱されて底板4dが加熱されるだけでなく、
図5の白抜き矢印で示される気流が発生する。つまり、外部の空気が通気口31から風路35の入口35aへ取り入れられて、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16で加熱されて暖気を発生する。暖気は風路35の出口35bから通気口32へ流れ、通気口32を上昇した後、筐体4の上板4cに沿って前方へ流れ、給紙カセット20の上方の空間へ導入される。この導入された暖気によって、給紙カセット20内のシートが除湿される。
【0048】
本実施形態の給紙部9においては、左右の整流板25L、25Rを設けたことにより、ファンを使用せずに、暖気を給紙カセット20内に向かわせる自然気流を発生させることができ、給紙カセット20内のシートを除湿することができる。
【0049】
さらに、風路35の出口35bは給紙カセット20の後側に形成されているので、暖気は給紙カセット20の後側に優先的に供給される。一般に、プリンター1は、部屋の壁面の前方に配置される場合が多い。このため、給紙カセット20が前後方向に引き出されるタイプのプリンター1では、引き出し方向の奥側(プリンター1の後側)で空気の流れが起こりにくく、湿気がこもり易い。つまり、プリンター1の後側の部分で、シートが吸湿しやすい傾向がある。そこで、暖気をプリンター1の後側に優先的に供給することにより、シートの吸湿しやすい部分を優先的に除湿できる。
【0050】
さらに、風路35は、開口断面積が入口35aに向かって大きくなるように形成されているので、より多くの量の空気を風路35に供給することができ、活発な気流を形成できる。
【0051】
さらに、風路35の入口35aに繋がる給気口31と出口35bに繋がる通気口32とは、給紙部9に予め存在していた構造上必要な部位である。これらの部位を利用することで、左右の整流板25L、25R以外の新たな部位を追加する必要がない。
【0052】
また、風路35の上面である給紙カセット20のカセット本体部21の底板21aの下面と、風路35の側面である左右の整流板25L、25Rとは連続して形成されているので、風路35の上面と側面との間に隙間が形成されず、暖気を逃がさないように送風できる。
【0053】
次に、
図6を参照して、本実施形態の別の例の給紙カセット20を説明する。
図6は、給紙カセット20を示す正面断面図である。
図6において、上記した実施形態に係る給紙カセット20と同様の構成については、
図4及び
図5と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0054】
この例の給紙カセット20には整流板25は設けられておらず、カセット本体部21の底板21aに左右の凹部41L、41Rが下方に向かって形成されている。左右の凹部41L、41Rは平面形状が台形状であり、底板21aの前後方向に延びる中心線に対してほぼ対称に配置されている。左側凹部41Lの右側面41aは、底板21aの前縁の左隅付近から後縁の中央付近に延びており、右側凹部41Rの左側面41bは、底板21aの前縁の右隅付近から後端の中央付近に延びている。つまり、左右の凹部41L、41Rの左右方向における中央側の側面41a、41bは、平面視にてハの字型に形成されている。
【0055】
左側凹部41Lの右側面41aと右側凹部41Rの左側面41bによって、カセット本体部21の底板21aの下面に、凹部42が上方に向かって形成される。凹部42は、カセット本体部21の前側から後側に向かって幅が狭くなっているとともに、前端は給気口31に開口しており、後端は通気口32に開口している。凹部42の下方の筐体4の底板4dには、除湿ヒータ15のヒータ本体部16が配置されている。
【0056】
このように、給紙カセット20のカセット本体部21の底板21aに形成された凹部42と筐体4の底板4dとによって、給気口31から通気口32に向かって前後方向に延びる風路35が形成される。この風路35は、前述の実施形態と同様に、除湿用ヒータ15で発生した暖気が給紙カセット20の後方に向かい、筐体4の奥壁に当たって通気口32を通って上昇する気流を形成する。したがって、前述の実施形態と同様の除湿効果を得ることができる。
【0057】
このように、整流板は、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16を左右方向から挟むと共に給気口31から通気口32に向かって左右の整流板間の間隔が狭くなるように形成されているものであれば、どのような形状のものを適用してもよい。
【0058】
次に、
図7を参照して、本実施形態の別の例の筐体4を説明する。
図7は、筐体4の底板4dの平面図である。
【0059】
この例の筐体4の底板4dの上面は、補強用の凹部が形成されておらず平坦な面となっている。この平坦な底板4dの中央付近に、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16が斜めに配置されている。
【0060】
底板4dの上面には、左右の整流板43L、43Rが、上方に向けて突出するように形成されている。左側整流板43Lは、底板4dの左隅付近から、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16の左側を通って、底板4dの後縁の中央付近に延びている。右側整流板43Rは、底板4dの右隅付近から、ヒータ本体部16の右側を通って、底板の後縁の中央付近に向かって延びている。このように、左右の整流板43L、43Rは、底板4dの後側から前側に向かって間隔が広くなるようにハの字型に配置されている。
【0061】
この例の場合、給紙カセット20としては、整流板が設けられていないものを使用できる。
【0062】
この例においても、左右の整流板43L、43Rと、筐体4の底板4dの上面と、給紙カセット20のカセット本体部21の底板21dの下面と、によって、給気口31から除湿用ヒータ15のヒータ本体部16を経て通気口32に向かう前後方向に延びる風路35が形成される。この風路35は、前述の実施形態と同様に、ヒータ本体部16で発生した暖気を給紙カセット20の上方の空間へ導入する気流を形成する。
【0063】
さらに、除湿ヒータ15と左右の整流板43L、43Rとが共に筐体4の底板4dに設けられているので、除湿ヒータ15と左右の整流板43L、43Rとの位置決めを容易に行うことができる。
【0064】
次に、
図8及び
図9等を参照して、本実施形態の別の例の給紙部9を説明する。
図8は、筐体4の底板4dの平面図、
図9(A)は、給紙部9の正面断面図、
図9(B)は
図9(A)の一部を拡大した図である。
【0065】
この例の給紙部9の給紙カセット20には、
図4に示されるように、カセット本体部21の底板21aの下面から下方に突出する第1の左右整流板25L、25Rが形成されている。また、給紙部9の筐体4には、
図8に示されるように、底板4dの上面から上方に突出する第2の左右整流板43L、43Rが、除湿用ヒータ15のヒータ本体部16を挟んで形成されている。第1の左右整流板25L、25Rと第2の左右整流板43L、43Rとは、後側から前側に向かって間隔が広くなるように形成されている。
【0066】
第1の左右整流板25L、25Rは、
図8に示されるように、第2の左右整流板43L、43Rにそれぞれ沿うように、かつ、第2の左右整流板43L、43Rのそれぞれよりも左右方向における中央側に配置されている。つまり、第1の左整流板25Lは、第2の左整流板43Lの右側に、第2の左整流板43Lとほぼ平行に配置されており、第1の右整流板25Rは、第2の右整流板43Rの左側に、第2の右整流板43Rとほぼ平行に配置されている。
【0067】
また、
図9(B)に示されるように、第1の左右の整流板25L、25Rと、第2の左右の整流板43L、43Rとは、それぞれ上下方向から形成されており、水平方向から見てオーバーラップしている。
【0068】
この例においても、第1の左右の整流板25L、25R及び第2の左右の整流板43L、43Rと、筐体4の底板4dの上面と、給紙カセット20のカセット本体部21の底板21dの下面と、によって、給気口31から除湿用ヒータ15のヒータ本体部16を経て通気口32に向かう前後方向に延びる風路35が形成される。この風路35は、前述の実施形態と同様に、ヒータ本体部16で発生した暖気が給紙カセット20の後方に向かい、筐体4の奥壁に当たって通気口32を通って上昇する気流を形成する。
【0069】
また、
図9(B)に示されるように、風路35の両側の側面は、上下方向から交互に形成された第1の左右整流板25L、25Rと第2の左右整流板43L、43Rとで構成されるので、暖気を風路35から逃がしにくくできる。なお、第1の左右整流板25L、25Rは、第2の左右整流板43L、43Rのそれぞれ中央側に配置されているので、給紙カセット20の引き出し時に、第1の左右整流板25L、25Rは、第2の左右整流板43L、43Rと干渉しない。
【0070】
以上説明した本実施形態においては、風路35の形状を入口35aから出口35bに向かって幅が狭まる形状としたが、風路35の形状はこの形状に限らない。例えば、入口35aから除湿用ヒータ15のヒータ本体部16までは幅が狭まり、ヒータ本体部16から出口35bまでは幅が広がるような形状とすることもできる。
【0071】
さらに、本実施形態においては、風路35の出口35bを、給紙カセット20の後縁の中央部に配置したが、出口35bの位置はこれに限らず、特に集中的に除湿が必要な部分に対応する位置に配置することができる。例えば、給紙コロに除湿が必要な場合は、給紙コロに対応する位置に出口35bを配置することもできる。給紙コロが給紙カセット20の右縁の中央付近に対応する位置に配置されている場合、風路35の出口35bを、給紙カセット20のカセット本体部21の底板21aの右縁の中央付近に配置し、風路35をカセット本体部21の底板21の前縁から右縁に向かう形状とする。
【0072】
さらに、本実施形態においては、プリンター1に一段の給紙カセット20が装着される場合について説明したが、給紙カセット20の数は限定されない。多段の給紙カセット20を有する場合は、暖気は最下段の給紙カセット20と筐体4の底板4dとの間に形成された風路35の出口35bから通気口32へ流れ、通気口32を上昇した後、上側の給紙カセット20の下面に沿って前方へ流れ、上側の給紙カセット20の上方の空間へ導入される。この導入された暖気によって、上側の給紙カセット20内のシートが除湿される。このように多段の給紙カセット20を有する場合も、上段の給紙カセット20に暖気を供給することができる。
【0073】
また、本実施形態は、プリンター1にオプションとして装着される、シートのサイズに合わせた複数段の給紙カセットを備えた給紙装置に適用することもできる。このような給紙装置においても、最下段の給紙カセットの底面と筐体との間の間隙に除湿用ヒータ15を配置する。
【0074】
さらに、本発明の実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用した場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等のプリンター1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
【0075】
さらに、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る給紙装置及び画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。