(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978268
(24)【登録日】2016年7月29日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】車両コンソールおよび可撓性車両トリム部品を形成する方法
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20160817BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B32B27/00 E
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-182244(P2014-182244)
(22)【出願日】2014年9月8日
(62)【分割の表示】特願2009-538485(P2009-538485)の分割
【原出願日】2007年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-3729(P2015-3729A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】60/860,271
(32)【優先日】2006年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/924,848
(32)【優先日】2007年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヒプシャー、 ジェイソン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ピアース、 クリステン マリー
【審査官】
中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−193952(JP,A)
【文献】
特開2000−281807(JP,A)
【文献】
実公昭53−007885(JP,Y1)
【文献】
特開2004−237524(JP,A)
【文献】
特開2003−095002(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0602681(KR,B1)
【文献】
国際公開第2006/071643(WO,A1)
【文献】
特表2006−519689(JP,A)
【文献】
特表2002−525407(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0186696(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B32B 27/00
E06B 9/02
B65D 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両フロア及び2つの間隔が離れた座席を有する車両における車両コンソールであって、
前部壁、後部壁、並びに、前記前部壁及び後部壁に結合される2つの対向する側部壁を有する構造であって、内部空間と前記内部空間と連通する開口を有する前記構造と、
前記構造に結合され且つ前記開口を閉じるように構成される連結式ドアであって、
複数のスラット、
前記複数のスラットを接続する基材、及び
前記基材上に配置され且つ前記基材の外観とは異なる外観を提供するインク層であって、前記基材が循環されるときに前記外観を実質的に維持するように構成される可撓性層である前記インク層を備え、前記基材は、複数の溝を備える表面を有し、前記表面に前記インク層が設けられる車両コンソール。
【請求項2】
前記インク層は、前記基材が曲げられ又は循環されるときに、前記インク層が亀裂を生じ又は前記基材から離脱することにならないために十分な可撓性を有する、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項3】
前記基材は、可撓性ポリマー材料から形成される、請求項2に記載の車両コンソール。
【請求項4】
前記インク層により提供される前記外観が、装飾模様または写真画像の複製のいずれかである、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項5】
前記インク層上に配置される実質的に可撓性の透明な層をさらに備え、
前記実質的に可撓性の透明な層が、アクリル、ウレタン、並びにアクリル及びウレタンの組合せの少なくとも1つの保護膜である、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項6】
前記構造は、2つの座席の間で車両フロアに結合されるように構成される、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項7】
前記インク層は前記基材の形状に合致し、前記インク層は、前記複数の溝を覆い、平滑な表面を提供するように前記基材の前記形状に適合する、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項8】
前記インク層と前記基材の間の接着を促進するために、前記インク層と前記基材の間に接着プロモーター層を配置する、請求項1に記載の車両コンソール。
【請求項9】
可撓性車両トリム部品を形成する方法であって、
前記可撓性車両トリム部品の少なくとも一部を形成する可撓性ポリマー基材であって、第1の外観を提供する前記可撓性ポリマー基材を提供するステップと、
前記基材の前記第1の外観とは異なる第2の外観を提供する可撓性インク層を前記基材上に配置するステップであって、前記インク層は、前記基材が曲げられ又は循環されるときに前記インク層の前記第1の外観を実質的に維持するステップとを備え、
前記インク層は、前記基材が曲げられ又は循環されるときに、前記インク層が亀裂を生じ又は前記基材から離脱することにならないために十分な可撓性を有し、前記基材は、複数の溝を備える表面を有し、前記表面に前記インク層が設けられ、前記インク層は前記複数の溝の中に適合する方法。
【請求項10】
前記可撓性インク層を前記基材上に配置するステップが、
インク模様層を水溶性転写フィルムに貼り付けるステップと、
液体プール上に前記転写フィルムを浮かべるステップと、
前記プールの中に前記基材を降下させるステップとを有し、
液体圧が前記基材にかかる下向き力と共同して前記インク模様層を前記基材に転写する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基材上に配置される前記可撓性インク層上に実質的に可撓性の透明な層を貼り付けるステップをさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記可撓性インク層と前記基材の間に接着プロモーター層を貼り付けるステップを有し、前記接着プロモーター層が、塩素化ポリオレフィンから構成され、前記可撓性インク層と前記基材の間の接着を促進する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記車両トリム部品が、前記基材によって相互に接続される複数のスラットを有するタンブールドアであり、前記インク層は前記複数のスラットの一つ以上に印刷される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記インク層は、前記基材によって接続される前記複数のスラットの上に配置される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年11月21日に提出された米国仮出願第60/860,271号及び2007年1月1日に提出された米国仮出願第60/924,848号への優先権を主張し、これらは共にその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
以下の背景技術は、単に開示の題材の理解を助けるために提供されるのであって、先行技術を開示又は構成すると認められるものではない。
【0003】
センターコンソールは車両の前部座席の間に設けられる場合があり、収納領域及び/又はアームレスト領域として構成され得る。このようなコンソールはさらに、コンソール内に設けられた収納領域を選択的に閉じるためのドアを有する。例えば、タンブールドアとして周知の技術である、連結式又は可撓性ドアが、収納領域の開口を閉じるためにコンソールに用いられる場合がある。
【0004】
タンブールドアは、開口の非直線的な輪郭に従う路線又はレールに乗ることが可能であるため、タンブールドアは、非直線的な輪郭を有する開口を閉じるのに特に役立つ。通常、タンブールドアは、路線又はレールに適合し且つ乗るスラット又は切片を有する。スラットは、木、金属又はポリマーを有する多岐にわたる材料から構成され得る。スラットは、可撓性裏張り又は基材によって上側又は下側面に接続することが出来る。例えば、フェルトが、スラットの下側面における接続基材として使用されることが可能であり、又はポリマーが、スラットの上側面における接続基材として使用され得る。
【0005】
スラット上(例えば、基材がスラットの下側面にある場合)又は基材上(例えば、基材がスラットの上側面にある場合)に模造又は積層仕上げのどちらかを生成することが望ましい場合がある。例えば、スラット又は基材として第2の材料(例えば、より強度が高い、より耐久性が高い、又はより経済的な材料)の使用を許容しつつも、模造又は積層仕上げは、1つの材料の外観を生成する(例えば、審美的な理由のために)。さらに、スラットの上部に配置される基材は、押出又は射出成形工程を使用してポリマーから形成される場合がある。それは、この成形工程から生ずる不完全性、例えば、望ましくない審美的外観を提供する、フローライン、ニット及び他の欠陥を示す場合がある。模造又は積層仕上げは、こうした欠陥を隠すことが出来る。
【0006】
このような模造又は積層仕上げを生成するために、スラット又は基材上に薄い積層板の複数の個体を接着させることが知られている。しかし、こうした積層片は、剥がれるか、さもなければスラット又は基材との接着を失いがちな場合があり、ドアを路線又はレールに結合させてしまう可能性がある。従来の積層片はまた、ドアが曲がる場合にストレスマーク又は亀裂を示す場合がある。さらに、各積層片を各スラット又は基材に接着することは、しばしば時間がかかり、且つ大きな労働力を要する。
【0007】
部品が循環(cycle)される場合にトリム部品の可撓性を維持する一方で、審美的に心地よい外部表面を定義する層を備える可撓性室内部品を提供することが望ましい。異なる外観を作り且つ部品が受け得る曲げ又は屈曲に耐えるであろう室内部品に仕上げを適用することもまた望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1実施形態は、車両フロア及び2つの間隔の離れた座席を有する車両内の車両コンソールに関する。車両コンソールは、内部空間が定義される、前部壁、後部壁及び前部壁及び後部壁に結合された2つの対向する側部壁、及び内部空間と連通する開口を有する構造を有する。車両構造はさらに、構造に連結され且つ開口を閉じるように構成された連結式ドアを有する。連結式ドアは、複数のスラット、複数のスラットを接続する基材、及び基材上に配置されると共に基材の外観とは異なる外観を提供する可撓性層を有し、この可撓性層は、基材が循環される場合に外観を実質的に維持するであろう。
【0009】
本発明の別の実施形態は、可撓性基材、及びこの基材上に配置される可撓性層を有する車両トリム部品に関する。可撓性層は、基材の外観とは異なる外観を提供する。可撓性層は、基材が循環される場合に実質的に外観を維持するであろう。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態は、可撓性車両トリム部品の外観を変更する方法に関する。方法は、可撓性車両トリム部品の少なくとも一部を形成する可撓性基材を提供すること、基材の外観とは異なる外観を提供する可撓性層を基材上に配置することを含む。可撓性層は、基材が循環される場合に外観を実質的に維持するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】閉じた構成におけるコンソールのドアを示す例示的実施形態によるドアを備える車両用のコンソールの等角透視図である。
【
図2】開いた構成におけるコンソールのドアを示す
図1におけるコンソールの等角透視図である。
【
図3】例示的実施形態による連結式タンブールドアの等角図である。
【
図4】線4−4に沿った
図3におけるドアの断面図である。
【
図5】別の例示的実施形態による連結式タンブールドアの分解図である。
【
図6】線6−6に沿った
図5におけるドアの断面図(組立て済みのとき)である。
【
図7】同じ模様を備える一連の溝を有するドアに隣接する例示的な模様を備える例示的実施形態によるドアの平面図である。
【
図8】同じ模様を備える一連の溝を有するドアに隣接する例示的な金属模様を備える例示的実施形態によるドアの平面図である。
【
図9】プロモーター層を有するドアの例示的実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
車両の室内トリム部品、特に装飾用の模様を有する可撓性インク塗膜を有する可撓性ドアが開示される。本開示は可撓性ドアを記載するが、本発明は例えばステアリングコラム、シャッター片、クローズアウト、アームレストカバー等の他の可撓性室内部品に適用することも出来る。
【0013】
図1及び2を参照すると、車両10用のコンソール20が、例示的実施形態に従って示される。コンソール20は、2つの座席14の間で車両フロア12に結合されてもよい。この例示的実施形態によれば、コンソール20は、1つ又は双方の座席14の乗員用の収納領域及びアームレストを提供するように構成される。コンソール20は、一般的には、前部壁22、後部壁24、対向し且つ通常は対称の2つの側部壁26、及び上部面28を備える角柱構造であり得る。
【0014】
コンソール20は、2つの側部パネル32を有してもよい。2つのパネル32は、コンソール20の本体を形成することが可能であり、各パネル32は、コンソール20の側部壁26、並びに後部壁24、前部壁22及び上部面28の一部の1つを提供する。各側部壁26が、前部壁22に近接するよりも後部壁24に実質的により高度に近接するように、側部壁26は、凸面及び凹面部分を共に有する複式湾曲部である上部外形を有することが出来る。パネル32は、本体によって支持される湾曲上部面28を形成する。上部面28は、ユーザがコンソール20の室内にアクセス出来るように構成される開口30を有しており、その中に内部仕切り又はインサート38(例えば、室内、仕切り、蓋付き容器、内張り等)が配置されてもよい。コンソール20はまた、後部パネル33を有してもよい。この後部パネル33は、後部壁24及び上部面28の一部を形成することが出来る。
【0015】
コンソール20は、好ましくは、コンソール20における開口30を閉じるように構成される可撓性室内部品、すなわちドア40を有する。上部面28の湾曲特性のために、ドア40は、好ましくは、可撓性又は連結式ドアである。例示的実施形態によれば、ドア40は、タンブールドアであり且つ路線又はレール36に乗る。路線36は、例えば、一般的にC形の横断面を有することが可能であり、且つパネル32に結合され又はパネル32内に一体的に形成されてもよい。タンブールドアとして、ドア40は、複数の狭い切片、要素又はスラット42を有すると共に、側部壁26の上部外形に従い得る経路上の路線36に従うように構成される。
図4に最も良く示されるように、ドア40は、スラット42を互いに結合すると共に支持する可撓性部分又は基材44を有し、且つ外部面を提供する。この実施形態では、スラット42は、例えば熱可塑性ポリマー(PP)等の従来の材料から形成されることが可能であり、基材44は、例えば、熱可塑性ポリマー(TPE)から形成されることが出来る。スラット42及び基材44は、しかしながら、他の適切な材料から作られてもよい。ドア40はまた、ユーザにドア40をより簡単に握らせ且つ操作させるために一端にハンドル又は押出46を有してもよい。他の例示的な実施形態によれば、ドア40は、ユーザにドア40をより簡単に握らせ且つ操作させるために窪み、凹部又は開口を有してもよい。
【0016】
可撓性層48は、
図4に示されるように、可撓性部分又は基材44上に設けられ得る。可撓性層48は、連続的であってもよく、又は基材44の断続部分のみに配置されてもよい。可撓性層48は、好ましくは、基材44の模様又は外観とは異なる模様又は外観を基材44に提供する。例えば、模様は装飾用であってもよい。様々な例示的実施形態によれば、層48は、幾何学的模様(
図5及び7に示されるような)、金属仕上げ(
図8に示されるような)、又は他の何らかの図柄(例えば、木目、写真の複製、図形画像又は模様等)を擬態してもよい。可撓性層48はまた、好ましくは、曲げられ又は循環されるときに可撓性層48が亀裂を生じ又は基材44から離脱することにならないために十分な可撓性を有する。
【0017】
1例示的実施形態によれば、層48は、例えば、液体圧力転写工程によりドア40に塗付されるインク層であり得る。1つのこのような例示的工程(例えばハイドログラフィック工程)において、インクは水溶性転写フィルムに塗付され、それは次にそれが浮かぶウォータープールに送られる。基材44は、プールの中に降下され、且つ水圧が基材44上の下向き力と共同して、インクを基材44上に転写して、インク層48を形成する。インク層48はまた、インク層を可撓性基材に適切に塗付する任意の他の工程により基材44に形成されてもよい。
【0018】
次に
図5及び6を参照すると、可撓性層48を有するタンブールドア40の別の実施形態が示される。この実施形態において、保護膜50が可撓性層48上に貼り付けられる。好ましくは、保護膜50は、実質的に透明であり、且つ可撓性層48を磨耗から保護するように構成される。保護膜50は、艶出し又は柔らかな手触りの仕上げのような、様々な種類の仕上げを有し得る。保護膜50は、例えば、アクリル、ウレタン及びアクリルとウレタンの組合せの少なくとも1つの層で作られ得る。
図5及び6は、基材44の上部面全体に等しく貼り付けられた可撓性層48及び保護膜50を示すが、他の例示的実施形態においては、可撓性層48及び/又は保護膜50は、基材44の一部にのみ貼り付けられても良く、且つ基材44及び/又はスラット42が可視のままであるようにしてもよいことが理解されるべきである。保護膜50は、好ましくは、曲げられ又は循環される場合に、亀裂を生じ又は層48若しくは基材44から離脱しないための十分な可撓性を有する。保護膜50は、こうした特性を提供する任意の材料であることが可能であり、且つ噴霧工程又は任意の他の適切な工程により貼り付けられてもよい。
【0019】
図7及び8は、どのようにして層48(及び、使用される場合は保護膜50)が基材44に合致することが出来るかを図示する。
図7及び8の左側では、幾何学模様(
図7)及び金属模様(
図8)が実質的に平滑な基材44上に配置される。
図7及び8の右側では、同じ模様が一連の溝又は切り欠きを有する基材44上に配置される。
図7及び8の右側に示されるように、層48は溝の中に貼り付けられ、基材44の形状に合致する。基材44が、何らかの成形上の不完全性を実質的に隠すために平滑な外部表面を分割する一連の溝又は切り欠きと共に形成されている場合に、これは特に役立ち得る。
【0020】
図9を参照すると、タンブールドア40の別の実施形態は、層48及び基材44の間に配置されるプロモーター層52を有してもよい。1つの例示的な実施形態によれば、プロモーター層52は、塩素化ポリオレフィン(層48がインクである場合)のような接着プロモーターである。接着プロモーターは、基材44が低表面張力を備えるポリマー又は層48が十分に接着しない別の材料から形成される場合、層48及び基材44の間の接着を促進するために提供され得る。
【0021】
さらに別の例示的な実施形態によれば、プロモーター層52は、塗装層であってもよい。TPEのような材料の中には、成形前に容易に事前着色されないものがある。このような材料が基材44を形成するために用いられる場合、着色プロモーター層52が、着色基礎を提供するために基材44に貼り付けられてもよい。層48及び保護膜50が、次にプロモーター層52に貼り付けられてもよい。
【0022】
図面は可撓性室内部品としてコンソールのタンブールドア40の1つの例示的な実施形態を示すが、ドア40は別の種類のドアであってもよいことが理解されるべきである。例えば、ドア40は、オーバヘッドコンソール、ドアパネル、ダッシュボード又は車両内の任意の他の適切な場所に設けられてもよい。さらに、可撓性室内部品は、ドアとは幾分異なるものであってもよい。さらに、本開示は基材44に貼り付けられるものとして層48を上述するが、層48は、スラット42のような他の部材に設けられても良く、これはその結果層48用の基材として機能する。
【0023】
本開示の目的のために、「結合」という用語は、直接又は間接的に2つの部材を互いに連結することを意味する。このような結合は、本来的に静的又は本来的に可動であってもよく、且つ/又はこのような結合は、液体、電気、電気的信号若しくは他の種類の信号の流れ、又は2つの部材間の通信を可能にし得る。このような連結は、2つの部材、又は2つの部材及び互いに若しくは2つの部材と共に単一体として一体的に形成される任意の追加的な中間部材、又は2つの部材及び互いに取り付けられる任意の追加的な中間部材により達成されてもよい。このような連結は、本来的に恒久的であってもよく、或いは本来的に除去可能又は解放可能であってもよい。
【0024】
様々な例示的実施形態において示される車両部品の要素の構造及び配置は、例示目的に過ぎない。少数のみの可撓性室内部品の実施形態が本開示において詳細に説明されているが、本開示を検討する当業者であれば、本明細書で引用される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく(例えば、皮膜の着色は基材のものとは異なってもよく、又は実質的に基材と同色であってもよい)、多くの変形が可能である(例えば、サイズ、寸法、構造、様々な要素の形状及び割合、パラメータの値、取付け配置、材料の用途、着色、方向等における変形)ことを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素が、複数の部品又は要素から構築されてもよく、要素の位置が、逆にされるかさもなければ変形されてもよく、且つ特性又は個々の要素の数又は位置が変更又は変形されてもよい。システムの要素及び/又は組立て品は、任意の多岐にわたる色、生地及び組合せにおける任意の多岐にわたる成形可能樹脂材料(例えば高衝撃樹脂)を含む、十分な強度または耐久性を提供する任意の多岐にわたる材料から構築されてもよい。本明細書に示されるもののような部品は、家具に限定されるわけではないが、例えば椅子、机、ベンチ及び他の家具品目を含む、非車両の用途にも使用され得る。本発明の範囲から逸脱することなく好ましい且つ他の例示的実施形態の条件及び配置を操作して、他の代替、修正、変形及び省略が設計においてなされてもよい。