特許第5978480号(P5978480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978480
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】有益剤含有デリバリー粒子
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/06 20060101AFI20160817BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20160817BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20160817BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20160817BHJP
   C11D 11/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   C11D17/06
   A61K8/11
   A61K8/31
   A61K8/34
   A61K8/35
   A61K8/36
   A61K8/37
   A61K8/40
   A61K8/55
   A61K8/84
   A61K8/92
   A61Q13/00 100
   C11B9/00 Z
   C11D3/20
   C11D3/50
   C11D11/00
【請求項の数】12
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2010-512152(P2010-512152)
(86)(22)【出願日】2008年6月4日
(65)【公表番号】特表2010-540683(P2010-540683A)
(43)【公表日】2010年12月24日
(86)【国際出願番号】US2008007036
(87)【国際公開番号】WO2008153882
(87)【国際公開日】20081218
【審査請求日】2011年6月3日
【審判番号】不服2014-2399(P2014-2399/J1)
【審判請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】60/934,071
(32)【優先日】2007年6月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516195258
【氏名又は名称】エンカプシス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(72)【発明者】
【氏名】スメッツ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ディオラ、ジッテン、オダヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ピンテンス、アン
(72)【発明者】
【氏名】ギネブレティエレ、サンドラ、ジャクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ドラックリー、アダム、キース
(72)【発明者】
【氏名】サンズ、ペギー、ドロシー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ニエンシィ
【合議体】
【審判長】 冨士 良宏
【審判官】 橋本 栄和
【審判官】 豊永 茂弘
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/123892(WO,A1)
【文献】 特表2003−524689(JP,A)
【文献】 特開2007−92067(JP,A)
【文献】 特表2006−512191(JP,A)
【文献】 特表2010−529250(JP,A)
【文献】 特許第5558344(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有益剤含有デリバリー粒子を製造する方法であって、この方法は、
a)第1の溶液の総重量基準で、20%〜90%の水と、カルボキシ、ヒドロキシ、チオール、アミン、アミドおよびこれらを組み合わせたものからなる群から選択される部分を含み、pKaが5未満の第1乳化剤と、アルデヒドと、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル又はこれらの混合物を含むアミンとの反応物からなる群から選択される第1樹脂とを含み、この第1乳化剤と第1樹脂の比が0.1:1〜10:1である第1の溶液を調製する工程と、
b)第2の溶液の総重量基準で、20%〜95%の水と、カルボキシ、ヒドロキシ、チオール、アミン、アミドおよびこれらを組み合わせたものからなる群から選択される部分を含み、pKaが5未満の第2乳化剤及びアルデヒドと、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル又はこれらの混合物を含むアミンとの反応物からなる群から選択される第2樹脂とを含み、この第2乳化剤と第2樹脂の比が0:1〜3:1である第2の溶液を調製する工程と、
c)その総重量基準で少なくとも20重量%の有益剤を含み、香料原料および/または植物油、植物油のエステル類、エステル類、直鎖または分岐炭化水素類、部分水素化されたテルフェニル、ジアルキルフタレート、アルキルビフェニル、アルキル化されたナフタレン、石油スピリット、芳香族溶剤、シリコーンオイルおよびこれらの混合物からなる群から選択される材料を含むコア材と上記第1溶液を混合して、第1の組成物を形成する工程と、
d)この第1組成物を乳化する工程と、
e)上記第1組成物と上記第2溶液とを混合して第2組成物を形成し、そして任意に何らかの処理助剤とこの第2組成物とを混合する工程と、
f)第2組成物を25°C〜100°Cの温度で混ぜ、前記有益剤含有デリバリー粒子を形成するのに充分な時間、混合し、任意に何らかの処理助剤と第2組成物を混合する工程と、
g)任意に何らかのスキャベンジャー材、構造化剤および/または抗凝集剤と第2組成物とを上記工程f)中またはその後に混合する工程と、
h)任意に前記有益剤含有デリバリー粒子を含む第2組成物を噴霧乾燥する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コア材は、a)香料原料、b)キャスターオイル、ココナッツオイル、綿実油、グレープオイル、菜種油、大豆油、コーンオイル、パームオイル、アマニ油、ベニバナ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、パーム核油、ヒマシ油、レモンオイル、c)植物油のエステル類、d)アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ブチルベンジル、アジピン酸ベンジルオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、e)沸点が80度超の直鎖または分岐炭化水素、f)部分水素化されたテルフェニル、ジアルキルフタレート、アルキルビフェニル、g)灯油、鉱油、h)芳香族溶剤及びi)シリコーンオイルからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記アルデヒドが、ホルムアルデヒドを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記メラミンが、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンまたは混合物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記尿素が、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、ウレアレゾルシノールまたはこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記pKaが0超、5未満であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記乳化剤がアクリル酸−アルキルアクリレート共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレン無水カルボン酸、ポリアルキレン無水マレイン酸、ポリ(無水マレイン酸メチルビニルエーテル)、ポリ(無水マレイン酸プロピレン)、ポリ(無水マレイン酸ブタジエン)、ポリ(無水マレイン酸ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記コア材が、キャスターオイル、植物油、植物油のエステル類、およびトルエンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記いずれかの工程において、第1および第2溶液のpHが3.0〜7.0になるように調製されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記工程f)において、陰イオンと陽イオンとを含む塩を第2組成物全重量基準で0%〜10%、上記第2組成物と混合することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記陰イオンが塩化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記陽イオンが周期律表IA属の元素、周期律表IIA属の金属、アンモニウム陽イオンおよびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記塩が1%〜5%存在することを特徴とする請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有益剤(benefit agent)含有デリバリー粒子、当該粒子を含む組成物および当該粒子および組成物の製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
香水、シリコーン、ワックス、風味料、ビタミン剤および柔軟仕上げ剤などの有益剤は、高価であり、および/またはパーソナルケア組成物、洗浄組成物および布地用の仕上げ組成物などの消費者製品に高濃度で使用してもあまり効果がない。その結果、このような有益剤の効果を最大限にすることが望まれている。このような目的を達成するための方法の1つとして、これら有益剤のデリバリー効率を向上させるものがある。しかしながら、有益剤はその物理的または化学的特性が失われてしまうので、あるいは有益剤は他の組成成分または処理される環境と適合しないので有益剤のデリバリー効率を向上させるのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って有益剤のデリバリー効率を向上させるデリバリー粒子を含む有益剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、コア材とこれを少なくとも部分的に囲む壁材とを含む有益剤含有デリバリー粒子に関する。また本発明は、この粒子を含む組成物ならびにこれら粒子および組成物の製造および使用方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書で言う「消費者製品」とは、市販されている形態で使用または消費され、商業的な製造または変更に供されるものではない乳児養護、美容、布地およびホームケアー、家庭用、女性用ケアー用、健康用、お菓子、および/または飲料製品または用品を意味する。このような製品としてはオムツ、胸当て、ティッシュ;脱色、カラーリング、白髪染め、コンディショニング、洗髪、スタイリングなどの毛髪(人間、犬および/または猫)処理製品、脱臭剤および制汗剤、クレンジング、化粧品、クリーム、ローションおよび他の個人用の局所に用いられる製品およびシェービング用品などのスキンケア製品;布地、硬質表面および布地のその他の面を処理するための製品、エアーケアー、車の手入れ、皿洗い、衣料仕上げ(柔軟剤など)、洗濯洗剤、洗濯および洗浄添加剤および/またはケアー用品、硬質表面洗浄および/または処理および個人または商業用のその他の洗浄等に使用するホームケアーに関する製品および方法;トイレットペーパー、化粧紙、鼻紙および/またはペーパータオル、タンポン、生理用ナプキンに関する製品および/または方法;歯磨き粉、歯磨き用ジェル、歯磨き用リンス、入れ歯用接着剤、歯牙美白剤などのオーラルケアー;咳止めおよび風邪薬、痛み止め、処方薬、ペットの健康および栄養および浄水などの店頭ヘルスケアー商品に関する製品および/または方法;主に間食用にまたは料理の付け合せとしての加工食品(ポテトチップ、トルティアチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップスまたはクリスプ、スナックミックス、パーティーミックス、穀物チップス、クラッカー、チーズスナック、豚の皮揚げ、コーンスナック、ペレットスナック、膨化スナック(extruded snacks)およびベーグルチップス)およびコーヒーなどがある。
【0006】
本明細書中の「洗浄組成物」なる用語は、特に明記しない限り、顆粒または粉末状の汎用または「重質」洗剤、特に洗浄剤;液、ゲルまたはペースト状の汎用洗剤、特に重質液体型と呼ばれているもの;液体の微細繊維用洗浄剤;食器洗い用洗剤または軽質食器洗い用洗剤特に高発泡タイプのもの;家庭または工業用の種々のタブレット、粒、液体および泡切れのよいタイプの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用石鹸、マウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤、歯磨剤、車またはカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤液体洗浄消毒剤などの液体洗浄消毒剤;ヘアーシャンプーおよびヘアーリンス;シャワージェルおよび風呂用発泡剤および金属クリーナー;漂白添加物質及び「染み用スティック」又は前処理型のような洗浄補助剤、乾燥機に加えるシート、乾湿ティッシュパッド、不織基材およびスポンジなどの基材積層(substrate−laden)製品ならびにスプレーミストなどを含む。
【0007】
本明細書中の「布地仕上げ組成物」なる用語は、特に明記しない限り、布地柔軟剤組成物、布地改質組成物、布地清浄組成物およびこれらを組み合わせたものを含む。
【0008】
本明細書中の「有益剤含有デリバリー粒子」なる用語は、香料マイクロカプセルを含むマイクロカプセルを包含する。
【0009】
本明細書中の「粒子」、「有益剤含有デリバリー粒子」「カプセル」および「マイクロカプセル」なる用語は、同義である。
【0010】
本明細書中、単数で記載されている用語は、特許請求の範囲においては、当然のことながら1つ以上のものを意味する。
【0011】
本明細書中の「含む」なる用語は、これに限定されないことを意味する。
【0012】
本願の試験方法の項に開示されている試験方法は、出願人の発明のパラメーターの各値を測定するために使用されるものである。
【0013】
特に明記しない限り、成分または組成物の濃度はすべて、当該成分または組成物の活性部分についてのものであり、不純物、例えばこれら成分または組成物の市販されている原料に存在し得る残留溶媒または副生成物は除く。
【0014】
パーセンテージまたは比率はすべて、特に明記しない限り重量基準で算出されるものである。パーセンテージまたは比率はすべて、特に明記しない限り組成物全体を基準に算出されるものである。
【0015】
当然のことながら、本明細書を通じて記載されている全ての最大数値限定は、全てのそれより下限の数値をそれが本明細書中に明記されているものとして含む。本明細書を通じて記載されている全ての最小数値限定は、全ての上限の数値をそれが本明細書中に明記されているものとして含む。本明細書を通じて記載されている数値範囲は、当該広い数値範囲内に入るそれより狭い数値範囲をそれが本明細書中に記載されているものとして含む。
【0016】
有益剤含有デリバリー粒子
本願出願人は、効果的かつ効率的な有益剤のデリバリーを達成するという課題が、コア材およびこれを少なくとも部分的に囲む壁材を含み、物理的および化学的特性の特定の組み合わせを有する有益剤含有デリバリー粒子を採用した場合に経済的な方法で解決されることを発見した。この物理的および化学的特性は、破壊強さ(Fracture Strength)、粒径、粒壁厚および有益剤の漏れなどである。
【0017】
ある1つの形態において、コア材と、このコア材を少なくとも部分的に囲むシェルとを含む有益剤含有デリバリー粒子が開示される。出願人の試験方法に従って試験した際、少なくとも75%、85%または90%の有益剤含有デリバリー粒子は、破壊強さが約0.2MPa〜約10MPa、約0.4MPa〜5MPa、約0.6MPa〜約3.5MPa、約0.7MPa〜約3MPaであり、有益剤の漏れが0%〜約30%、0%〜約20%、または0%〜約5%である。
【0018】
ある1つの形態において、少なくとも75%、85%または90%の有益剤含有デリバリー粒子は、粒径が約1ミクロン〜約80ミクロン、約5ミクロン〜60ミクロン、約10ミクロン〜約50ミクロン、または約15ミクロン〜40ミクロンである。
【0019】
ある1つの形態において、少なくとも75%、85%または90%の有益剤含有デリバリー粒子は、粒子壁厚が約30nm〜約250nm、約80nm〜約180nm、または約100nm〜約160nmである。
【0020】
ある1つの形態において、有益剤含有デリバリー粒子のコア材は、香料原料および/またはキャスターオイル、ココナッツオイル、綿実油、グレープオイル、菜種油、大豆油、コーンオイル、パームオイル、アマニ油、ベニバナ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、パーム核油、ヒマシ油、レモンオイルおよびこれらの混合物などの純粋な植物油および/またはブレンドされた植物油;植物油のエステル類、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ブチルベンジル、アジピン酸ベンジルオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルおよびこれらの混合物などのエステル類;沸点が約80度超の直鎖または分岐炭化水素などの直鎖または分岐炭化水素類;部分水素化されたテルフェニル、ジアルキルフタレート、モノイソプロピルビフェニルなどのアルキルビフェニル、ジプロピルナフタレンなどのアルキル化されたナフタレン、灯油、鉱油およびこれらの混合物などの石油スピリット;ベンゼン、トルエンおよびこれらの混合物などの芳香族溶剤;シリコーンオイル;およびこれらの混合物からなる群から選択される任意の材料からなる群から選択される材料を含む。
【0021】
ある1つの形態において、有益剤含有デリバリー粒子の壁材は、アルデヒドとアミンの反応物などの好適な樹脂を含み、好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドが挙げられる。好適なアミンとしては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルおよびこれらの混合物などが挙げられる。好適なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびこれらの混合物などが挙げられる。好適な尿素としては、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、ウレアレゾルシノールおよびこれらの混合物などが挙げられる。壁材の作製に適した材料は、次の会社の1つ以上から入手可能である、Solutia Inc.社(米国、ミズーリ州、セントルイス所在)、Cytec Industries(米国、ニュージャージー州、ウエストパターソン所在)、Sigma Aldrich社(米国、ミズーリ州、セントルイス所在)。
【0022】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子のコア材は、次のa)〜v)からなる群から選択される材料を含む、
a)ClogPが4.5未満、4.25未満、4.0未満または3.75未満の香料組成物
b)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満の香料原料を60%または70%含む香料組成物
c)総香料組成物重量基準でClogPが3.5未満の香料原料を35%、50%または60%含む香料組成物
d)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満または3.5未満の香料原料を40%と、ClogPが2.0未満の香料原料を少なくとも1%含む香料組成物
e)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満または3.5未満の香料原料を40%と、ClogPが3.0未満の香料原料を少なくとも15%含む香料組成物
f)総香料組成物重量基準でブタン酸エステルを少なくとも1%または2%とペンタン酸エステルを少なくとも1%含む香料組成物
g)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも2%または3%とエステル部分を含む別の香料を少なくとも10%、25%または30%含む香料組成物
h)総香料組成物重量基準でアルキル鎖部分を含むアルデヒドを少なくとも1%または5%含む香料組成物
i)総香料組成物重量基準でブタン酸エステルを少なくとも2%含む香料組成物
j)総香料組成物重量基準でペンタン酸エステルを少なくとも1%含む香料組成物
k)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも3%とアルキル鎖部分を含むアルデヒドを1%含む香料組成物
l)総香料組成物重量基準でエステル部分を含む香料を少なくとも25%とアルキル鎖部分を含むアルデヒドを1%含む香料組成物
m)4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4-(2,6,6-トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オンなどのイオノン類、およびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも2%または10%含む香料組成物
n)総香料組成物重量基準で少なくとも0.1%または1%のトリデカ−2−エンニトリルおよびマンダリル(mandaril)およびこれらの混合物を含む香料組成物
o)3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリルおよびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも2%または5%含む香料組成物
p)エステル類、アルデヒド類、イオノン類、ニトリル類、ケトン類およびこれらの組み合わせから選択される部分を含む香料を1つ以上、総香料組成物重量基準で少なくとも80%含む香料組成物
q)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも3%含む香料組成物、1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキシル−4−エニル=アセタート、p−メンタ−1−エン−8−イル=アセタート、4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4−アセトキシ−3−メトキシ−1−プロペニルベンゼン、2−プロペニル=シクロヘキサンプロピオナート、3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸のエチルエステル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールアセタート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキサ−4−エニル=アセタート、ヘキシル=2−メチルプロパノアート、エチル=2−メチルブタノアート、4−ウンデカノン、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、トリデカ−2−エンニトリル、パチョリオイル、エチル=トリシクロ[5.2.1.0]デカン−2−カルボキシラート、2,2−ジメチル−シクロヘキサンプロパノール、ヘキシル=エタノアート、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、アリル=シクロヘキシロキシアセタート、メチルノニルアセトアルデヒド、1−スピロ[4,5]デカ−7−エン−7−イル−4−ペンテン−1−オン、ジヒドロ−2−メチル−7−オクテン−2−オール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールの酢酸エステル、ヘキサヒドロ−4,7−メタノイデン−5(6)−イル=プロピオナート、2−メトキシナフタレン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、3,7−ジメチルオクタン−3−オール、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキサン酸の2−プロペニルエステル、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、1−デシルアルデヒド、1−オクタナール、4−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、エチル−2,4−ヘキサジエノアート、2−プロペニル=3−シクロヘキセンプロパノエートおよびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも20%、30%または50%含む香料組成物
r)1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキシル−4−エニル=アセタート、p−メンタ−1−エン−8−イル=アセタート、4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4−アセトキシ−3−メトキシ−1−プロペニルベンゼン、2−プロペニル=シクロヘキサンプロピオナート、3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸のエチルエステル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールアセタート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキサ−4−エニル=アセタート、ヘキシル=2−メチルプロパノアート、エチル=2−メチルブタノアート、4−ウンデカノリド、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、5−ヒドロキシドデカン酸、デカラクトン類、ウンデカラクトン類、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、トリデカ−2−エンニトリル、パチョリオイル、エチル=トリシクロ[5.2.1.0]デカン−2−カルボキシラート、2,2−ジメチル−シクロヘキサンプロパノール、アリル=シクロヘキシロキシアセタート、メチルノニルアセトアルデヒド、1−スピロ[4,5]デカ−7−エン−7−イル−4−ペンテン−1−オン、ジヒドロ−2−メチル−7−オクテン−2−オール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールの酢酸エステル、ヘキサヒドロ−4,7−メタノイデン−5(6)−イル=プロピオナート、2−メトキシナフタレン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、3,7−ジメチルオクタン−3−オール、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキサン酸の2−プロペニルエステル、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、1−デシルアルデヒド、1−オクタナール、4−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド、エチル−2,4−ヘキサジエノアート、2−プロペニル=3−シクロヘキセンプロパノエートおよびこれらの混合物からなる群から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも20%、30%または50%含む香料組成物
s)ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、パチョリオイル、ヘキサン酸、2−プロペニルエステル、1−オクタナール、1−デシルアルデヒド、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、メチルノニルアセトアルデヒド、エチル=2−メチルブタノアート、1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、4−ヒドロキシ−3−エトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンおよびこれらの混合物からなる群から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも5%含む香料組成物
t)総香料組成物重量基準でClogPが5.0超の香料を10%未満または5%未満含む香料組成物
u)ゲラニルパルミテートを含む香料組成物、または
v)第1および任意の第2材料とを含み、第1材料が
(i)ClogPが少なくとも2、約2〜約12、約2.5〜約8または約2.5〜約6で、
(ii)沸点が280℃未満、約50℃〜約280℃未満、約50℃〜約265℃未満または約80℃〜約250℃未満であり、
任意の第2の材料が存在する場合、第2材料が
(i)ClogPが少なくとも2.5未満、2未満〜0.1で、
(ii)ODTが約100ppb未満、約0.00001ppb〜約100ppb未満、約0.00001ppb〜約50ppb未満または約0.00001ppb〜約20ppb未満である、香料組成物を含む。
【0023】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子は、その総重量基準で、少なくとも1重量%、約20〜約95重量%、約50〜約90重量%または約80〜85重量%の有益剤を含む。
【0024】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子のコア材は、その総重量基準で、少なくとも約20重量%、約50〜約70重量%、または約60〜約100重量%の有益剤を含む。
【0025】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子は、その総重量基準で、約20重量%〜約95重量%、約50重量%〜約90重量%、約70重量%〜約85重量%または約80重量%〜約85重量%の香料組成物を含む。
【0026】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子は、噴霧乾燥されてもよい。
【0027】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子は、上述の形態にて記載した上記パラメーターのあらゆる組み合わせを含んでもよい。
【0028】
有益剤デリバリー粒子を作製するための好適な材料は、次の会社の1つ以上から入手可能であり、Firmenich社(スイス、ジュネーブ)、Givaudan社(フランス、アルジャントゥーユ)、IFF(米国、ニュージャージー州、ヘイズレット)、Quest社(米国、ニュージャージー州、マウントオリーブ)、Bedoukian社(米国、コネチカット州、ダンベリー)、Sigma Aldrich社(米国、ミズーリ州、セントルイス)、Millenium Specialist Chemicals社(米国、イリノイ州、オリンピアフィールド)、Polarone International(米国、ニュージャージー州、ジャージーシティー)、Fragrance Resouces社(米国、ニュージャージー州、キーポイント)およびAroma & Flavor Specialities(米国、コネチカット州、ダンベリー)、また米国特許第5,625,205号の実施例Iの教示に従いコハク酸の代わりにパルミチン酸を使用して、または米国特許第5,625,205号の実施例IIの教示に従い塩化ラウロイルの代わりに塩化パルミトイルを使用して作製される。
【0029】
有益剤含有デリバリー粒子の製造方法
ある1つの形態では、有益剤含有デリバリー粒子の製造方法は、
a)第1の溶液の総重量基準で、約20%〜約90%、約40〜約80%または約60%〜約80%の水と、第1乳化剤と、第1樹脂とを含み、この第1乳化剤と第1樹脂の比が約0.1:0〜約10:0、約0.1:1〜約10:1、約0.5:1〜約3:1または約0.8:1〜約1.1:1である第1の溶液を調製する工程と、
b)第2の溶液の総重量基準で、約20%〜約95%、の水と、第2乳化剤と、第2樹脂とを含み、この第2乳化剤と第2樹脂の比が約0.1:0〜約3:1、約0.04:1〜約0.2:1、または約0.05:1〜約0.15:1である第2の溶液を調製する工程と、
c)コア材料と上記第1溶液を混合して、第1の組成物を形成する工程と、
d)この第1組成物を乳化する工程と、
e)上記第1組成物と上記第2溶液とを混合して第2組成物を形成し、そして任意に何らかの処理助剤とこの第2組成物とを混合する工程と、ここで第1組成物と第2溶液は、いかなる順番で混合してもよく、1つの形態では、第2溶液を第1組成物に加えるまたは第2溶液と第1組成物を同時に混合する、
f)第2組成物を少なくとも15分間、少なくとも1時間または約4〜約100時間、約25℃〜約100℃、約45℃〜約90℃または約50℃〜約80℃の温度で混ぜ、任意に何らかの処理助剤と第2組成物を混合する工程と、
g)任意に何らかのスキャベンジャー材、構造化剤(structurant)および/または抗凝集剤と第2組成物とを上記工程f)中またはその後に混合する工程と、ここでこれらの材料は、いかなる順番で混合してもよく、1つの形態では、スキャベンジャー材を最初に混合して、次に構造化剤、その次に抗凝集剤を混合する、
h)任意に第2組成物を噴霧乾燥する工程とを含む。
【0030】
上記方法のある1つの形態では、コア材料は、香料原料を含む。
【0031】
ある1つの形態では、上記有益剤デリバリー粒子のコア材は、次のものからなる群から選択される材料を含む、
a)ClogPが4.5未満、4.25未満、4.0未満または3.75未満の香料組成物
b)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満の香料原料を60%または70%含む香料組成物
c)総香料組成物重量基準でClogPが3.5未満の香料原料を35%、50%または60%含む香料組成物
d)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満または3.5未満の香料原料を40%と、ClogPが2.0未満の香料原料を少なくとも1%含む香料組成物
e)総香料組成物重量基準でClogPが4.0未満または3.5未満の香料原料を40%と、ClogPが3.0未満の香料原料を少なくとも15%含む香料組成物
f)総香料組成物重量基準でブタン酸エステルを少なくとも1%または2%とペンタン酸エステルを少なくとも1%含む香料組成物
g)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも2%または3%とエステル部分を含む別の香料を少なくとも10%、25%または30%含む香料組成物
h)総香料組成物重量基準でアルキル鎖部分を含むアルデヒドを少なくとも1%または5%含む香料組成物
i)総香料組成物重量基準でブタン酸エステルを少なくとも2%含む香料組成物
j)総香料組成物重量基準でペンタン酸エステルを少なくとも1%含む香料組成物
k)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも3%とアルキル鎖部分を含むアルデヒドを1%含む香料組成物
l)総香料組成物重量基準でエステル部分を含む香料を少なくとも25%とアルキル鎖部分を含むアルデヒドを1%含む香料組成物
m)4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4-(2,6,6-トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オンなどのイオノン類、およびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも2%または10%含む香料組成物
n)総香料組成物重量基準で少なくとも0.1%または1%のトリデカ−2−エンニトリルおよびマンダリル(mandaril)およびこれらの混合物を含む香料組成物
o)3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリルおよびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも2%または5%含む香料組成物
p)エステル類、アルデヒド類、イオノン類、ニトリル類、ケトン類およびこれらの組み合わせから選択される部分を含む香料を1つ以上、総香料組成物重量基準で少なくとも80%含む香料組成物
q)総香料組成物重量基準でアリル部分を含むエステルを少なくとも3%含む香料組成物、1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキシル−4−エニル=アセタート、p−メンタ−1−エン−8−イル=アセタート、4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4−アセトキシ−3−メトキシ−1−プロペニルベンゼン、2−プロペニル=シクロヘキサンプロピオナート、3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸のエチルエステル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールアセタート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキサ−4−エニル=アセタート、ヘキシル=2−メチルプロパノアート、エチル=2−メチルブタノアート、4−ウンデカノン、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、トリデカ−2−エンニトリル、パチョリオイル、エチル=トリシクロ[5.2.1.0]デカン−2−カルボキシラート、2,2−ジメチル−シクロヘキサンプロパノール、ヘキシル=エタノアート、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、アリル=シクロヘキシロキシアセタート、メチルノニルアセトアルデヒド、1−スピロ[4,5]デカ−7−エン−7−イル−4−ペンテン−1−オン、ジヒドロ−2−メチル−7−オクテン−2−オール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールの酢酸エステル、ヘキサヒドロ−4,7−メタノイデン−5(6)−イル=プロピオナート、2−メトキシナフタレン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、3,7−ジメチルオクタン−3−オール、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキサン酸の2−プロペニルエステル、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、1−デシルアルデヒド、1−オクタナール、4−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、エチル−2,4−ヘキサジエノアート、2−プロペニル=3−シクロヘキセンプロパノエートおよびこれらの混合物から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも20%、30%または50%含む香料組成物
r)1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキシル−4−エニル=アセタート、p−メンタ−1−エン−8−イル=アセタート、4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、4−アセトキシ−3−メトキシ−1−プロペニルベンゼン、2−プロペニル=シクロヘキサンプロピオナート、3−(1−メチルエチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸のエチルエステル、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールアセタート、1,5−ジメチル−1−エテニルヘキサ−4−エニル=アセタート、ヘキシル=2−メチルプロパノアート、エチル=2−メチルブタノアート、4−ウンデカノリド、5−ヘプチルジヒドロ−2(3H)−フラノン、5−ヒドロキシドデカン酸、デカラクトン類、ウンデカラクトン類、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン−3−オール、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3,7−ジメチル−6−オクテンニトリル、4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3−ブテン−2−オン、トリデカ−2−エンニトリル、パチョリオイル、エチル=トリシクロ[5.2.1.0]デカン−2−カルボキシラート、2,2−ジメチル−シクロヘキサンプロパノール、アリル=シクロヘキシロキシアセタート、メチルノニルアセトアルデヒド、1−スピロ[4,5]デカ−7−エン−7−イル−4−ペンテン−1−オン、ジヒドロ−2−メチル−7−オクテン−2−オール、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノールの酢酸エステル、ヘキサヒドロ−4,7−メタノイデン−5(6)−イル=プロピオナート、2−メトキシナフタレン、1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−2−ブテン−1−オン、3,7−ジメチルオクタン−3−オール、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、ヘキサン酸の2−プロペニルエステル、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、1−デシルアルデヒド、1−オクタナール、4−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド、エチル−2,4−ヘキサジエノアート、2−プロペニル=3−シクロヘキセンプロパノエートおよびこれらの混合物からなる群から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも20%、30%または50%含む香料組成物
s)ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−2−イル)−3−ブテン−2−オン、パチョリオイル、ヘキサン酸、2−プロペニルエステル、1−オクタナール、1−デシルアルデヒド、(Z)−ノナ−6−エン−1−オール、メチルノニルアセトアルデヒド、エチル=2−メチルブタノアート、1−メチルエチル=2−メチルブタノアート、エチル=2−メチルペンタノアート、4−ヒドロキシ−3−エトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、3−ヒドロキシ−2−エチル−4−ピロンおよびこれらの混合物からなる群から選択される材料を総香料組成物重量基準で少なくとも5%含む香料組成物
t)総香料組成物重量基準でClogPが5.0超の香料を10%未満または5%未満含む香料組成物
u)ゲラニルパルミテートを含む香料組成物、または
v)第1および任意の第2材料とを含み、第1材料が
(i)ClogPが少なくとも2、約2〜約12、約2.5〜約8または約2.5〜約6で、
(ii)沸点が280℃未満、約50℃〜約280℃未満、約50℃〜約265℃未満または約80℃〜約250℃未満であり、
任意の第2の材料が存在する場合、第2材料が
(i)ClogPが少なくとも2.5未満、2未満〜0.1で、
(ii)ODTが約100ppb未満、約0.00001ppb〜約100ppb未満、約0.00001ppb〜約50ppb未満または約0.00001ppb〜約20ppb未満である、香料組成物を含む。
【0032】
上記方法の1つ以上の形態において、アルデヒドとアミンの反応物などの好適な樹脂を含み、好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドが挙げられる。好適なアミンとしては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルおよびこれらの混合物などが挙げられる。好適なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびこれらの混合物などが挙げられる。好適な尿素としては、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、ウレアレゾルシノールおよびこれらの混合物などが挙げられる。
【0033】
上記方法の1つ以上の形態において、上記第1および第2乳化剤は、カルボキシ、ヒドロキシ、チオール、アミン、アミドおよびこれらを組み合わせたものからなる群から選択される部分(moiety)を含む。ある1つの形態では、乳化剤は、5未満、好ましくは0超で5未満のpKaを有する。乳化剤としては、アクリル酸−アルキルアクリレート共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレン無水カルボン酸、ポリアルキレン無水マレイン酸、ポリ(無水マレイン酸メチルビニルエーテル)、ポリ(無水マレイン酸プロピレン)、ポリ(無水マレイン酸ブタジエン)、ポリ(無水マレイン酸ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
上記方法の1つ以上の形態において、上記コア材は、香料原料および/またはキャスターオイル、ココナッツオイル、綿実油、グレープオイル、菜種油、大豆油、コーンオイル、パームオイル、アマニ油、ベニバナ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、パーム核油、ヒマシ油、レモンオイルおよびこれらの混合物などの純粋な植物油および/またはブレンドされた植物油;植物油のエステル類、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ブチルベンジル、アジピン酸ベンジルオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルおよびこれらの混合物などのエステル類;沸点が約80度超の直鎖または分岐炭化水素などの直鎖または分岐炭化水素類;部分水素化されたテルフェニル、ジアルキルフタレート、モノイソプロピルビフェニルなどのアルキルビフェニル、ジプロピルナフタレンなどのアルキル化されたナフタレン、灯油、鉱油およびこれらの混合物などの石油スピリット;ベンゼン、トルエンおよびこれらの混合物などの芳香族溶剤;シリコーンオイル;およびこれらの混合物からなる群から選択される任意の材料からなる群から選択される材料を含む。
【0035】
上記方法の1つ以上の形態において、第1および第2溶液のpHは、約3.0〜7.0になるように調製される。
【0036】
上記方法の1つ以上の形態において、工程f)中に塩化物、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩およびこれらの混合物から選択される陰イオンと、周期律表IA属の元素、周期律表IIA属の金属、アンモニウム陽イオンおよびこれらの混合物から選択される陽イオンとを含む塩を第2組成物全重量基準で約0%〜約10%、約1%〜約5%または約2%〜約4%、上記第2組成物と混合してもよい。
【0037】
上記方法の1つ以上の形態において、上記方法のパラメーターは組み合わせてもよい。
【0038】
有益剤含有デリバリー粒子を適切に懸濁するために加えられる有用な構造化剤としては、多糖類、例えばジェランガム、蝋状トウモロコシスターチまたはデントコーンスターチ、オクテニルコハク酸化スターチ、ヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化スターチなどの誘導体化スターチ、カラギーナン、グアールガム、ペクチン、キサンタンガムおよびこれらの混合物、加水分解した酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどの変性セルロース類、ゼラチンなどの変性プロテイン、水素化及び非水素化ポリアルケン類およびこれらの混合物、無機塩、例えば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸マグネシウム、塩化アルミニウム、過マンガン酸カリウム、ラポナイトクレー、ベントナイトクレーおよびこれらの混合物、無機塩と多糖類を組み合わせたもの、四級化ポリマー材料、例えばポリエーテルアミン、アルキルトリメチル塩化アンモニウム、ビス(水素化牛脂)アンモニウムクロリド、イミダゾール類、pKaが6.0未満の非イオン系ポリマー、例えばポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンエトキシレート、ポリウレタンなどが挙げられる。これらの材料は、米国、カリフォルニア州、サンディエゴ所在のCP Kelco Corp.社、ドイツ、デュッセルドルフ所在のDegussa AG社、ドイツ、ルートウィヒスハーフェン所在のBASF AG社、米国、ニュージャージー州、クランベリー所在のRhodia Corp社、米国、テキサス州、ヒューストン所在のBaker Hughes Corp.社、米国、デラウェアー州、ウィルミングトン所在のHercules Corp.社、カナダ、アルバータ州、カルガリー所在のAgrium Inc.社、米国ニュージャージー州所在のISPなどがから入手可能である。
【0039】
有用な抗凝集剤としては、2価の塩、例えば塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ホウ化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム七水和物などのマグネシウム塩、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、臭化カルシウムなどのカルシウム塩、3価の塩、例えば硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウムn−水和物などのアルミニウム塩およびアニオン性粒子を懸濁できる懸濁ポリマー、例えばポリエチレンイミン、アルコキシル化ポリエチレンイミン、ポリクオタニウム−6およびポリクオタニウム−7などが挙げられる。
【0040】
本発明のある1つの形態では、有益剤含有デリバリー粒子が製造され、その後粒子が例えば界面活性剤、ポリマーおよび溶媒などを含むバルク環境に晒された際に粒子から有益剤が漏れる割合を減少させるために適当な材料でコートされる。バリアー材として機能することが可能なコーティング材としては、ポリビニルピロリドンホモポリマーおよびそのスチレン、ビニルアセテート、イミダゾール、一級および二級アミン含有モノマー、メチルアクリレート、ポリビニルアセタール、無水マレイン酸との種々の共重合体;ポリビニルアルコールホモポリマーおよびそのビニルアセテート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォネート、一級および二級アミン含有モノマー、イミダゾール、メチルアクリレートとの種々の共重合体;ポリアクリル酸;マイクロクリスタリン・ワックス;パラフィンワックス;蝋状トウモロコシスターチまたはデントコーンスターチ、オクテニルコハク酸化スターチ、ヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化スターチなどの誘導体化スターチ、カラギーナン、グアールガム、ペクチン、キサンタンガムなどの変性多糖類;加水分解した酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなどの変性セルロース類、ゼラチンなどの変性プロテイン;水素化及び非水素化ポリアルケン類;脂肪酸類;ホルムアルデヒドと架橋した尿素などの硬化殻、ゼラチン−ポリリン酸塩、メラミン−ホルムアルデヒド、四ホウ酸ナトリウム若しくはグルテルアルデヒドと架橋したポリビニルアルコール;スチレン−ブタジエン、エチルセルロースなどのラテックス類、ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、ケイ酸ナトリウムなどのクレーなどの無機材料並びにこれらの混合物からなる群より選択される材料が挙げられる。これらの材料は、米国、カリフォルニア州、サンディエゴ所在のCP Kelco Corp.社、ドイツ、デュッセルドルフ所在のDegussa AG社、ドイツ、ルートウィヒスハーフェン所在のBASF AG社、米国、ニュージャージー州、クランベリー所在のRhodia Corp社、米国、テキサス州、ヒューストン所在のBaker Hughes Corp.社、米国、デラウェアー州、ウィルミングトン所在のHercules Corp.社、カナダ、アルバータ州、カルガリー所在のAgrium Inc.社、米国ニュージャージー州所在のISPなどがから入手可能である。本発明の粒子が布地用調整剤組成物に採用されるある1つの形態において、コーティング材はケイ酸ナトリウムを含む。理論に制約されるものではないが、ケイ酸ナトリウムの高いpHでの溶解性および低いpHでの溶解性の悪さによってケイ酸ナトリウムは、pH7未満に処方され、pHが7以上の環境で使用される組成物に使用される粒子にとって最適な材料である。しかしながら、本発明のコーティングは、本発明の有益剤含有デリバリー粒子に限定されるものではなく、あらゆる有益剤含有デリバリー粒子にここに開示したコーティングおよびコーティング方法が適用可能である。
【0041】
ある1つの形態において、有益剤含有デリバリー粒子をホルムアルデヒドスキャベンジャーと組み合わせてもよい。ある1つの形態において、このような有益剤含有デリバリー粒子は本発明の有益剤含有デリバリー粒子を含んでもよい。好適なホルムアルデヒドスキャベンジャーとしては、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、エチレンウレア、システイン、シスタミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、メチルアントラニル酸塩、メチル4−アミノベンゾエート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマー、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、メチルガラート、エチルガラート、プロピルガラート、トリエタノールアミン、コハク酸アミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、チアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−コ−ポリ(ビニルアミン)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(1−リシン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N’−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸およびこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、米国、ミズリー州、セントルイス所在のSigma/Aldrich/Fluka社または米国、ペンシルバニア州、ウォリントン所在のPolySciences, Inc.社より入手可能である。
【0042】
これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、通常、上記有益剤含有デリバリー粒子を含むスラリーと組み合わされ、このスラリーは、スラリーの総重量基準で、約2重量%〜約18重量%、約3.5重量%〜約14重量%、または約5重量%〜約13重量%の範囲の量のデリバリー粒子を含む。
【0043】
ある1つの形態において、これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、有益剤含有デリバリー粒子を含む製品と組み合わされ、これらスキャベンジャーは、製品の総重量基準で、製品組成の約0.005%〜約0.8%、または約0.03%〜約0.5%、または約0.065%〜約0.25%の量でその製品と組み合わされる。
【0044】
ある1つの形態において、これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、上記有益剤含有デリバリー粒子を含むスラリーと組み合わせてもよく、このスラリーは、スラリーの総重量基準で、約2重量%〜約14重量%、約3.5重量%〜約14重量%、または約5重量%〜約14重量%の範囲の量のデリバリー粒子を含み、このスラリーは、製品マトリックスに加えてもよく、このマトリックスにはさらに総製品重量基準で、製品組成の約0.005%〜約0.5%、または約0.01%〜約0.25%、または約0.05%〜約0.15%の量の同一または異なるスキャベンジャーを加えてもよい。
【0045】
ある1つの形態において、上述のホルムアルデヒドスキャベンジャーの1つ以上を有益剤含有デリバリー粒子を含む液状の布地向上剤製品と組み合わせてもよく、この製品はその総重量基準で、製品組成の約0.005%〜約0.8%、または約0.03%〜約0.4%、または約0.06%〜約0.25%の量の有益剤含有デリバリー粒子を含む。
【0046】
ある1つの形態において、これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、有益剤含有デリバリー粒子を含む液体洗濯洗剤と組み合わせてもよく、これらホルムアルデヒドスキャベンジャーは、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、エチレンウレア、システイン、シスタミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、メチルアントラニル酸塩、メチル4−アミノベンゾエート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトンダイマー、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、メチルガラート、エチルガラート、プロピルガラート、トリエタノールアミン、コハク酸アミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、チアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−コ−ポリ(ビニルアミン)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(1−リシン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N’−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸およびこれらの混合物からなる群から選択され、液体洗濯洗剤製品の総重量基準で約0.003重量%〜約0.20重量%、または約0.03重量%〜約0.20重量%、または約0.06重量%〜約0.14重量%の量で当該液体洗濯洗剤製品と組み合わされる。
【0047】
ある1つの形態において、これらのホルムアルデヒドスキャベンジャーは、有益剤含有デリバリー粒子を含むヘアーコンディショニング製品と組み合わせてもよく、この製品はその総重量基準で約0.003重量%〜約0.30重量%、または約0.03重量%〜約0.20重量%、または約0.06重量%〜約0.14重量%の量のデリバリー粒子を含み、この場合のスキャベンジャーは、液体洗濯洗剤製品に関し前の段落に例示したものと同じものが選択される。
【0048】
ここに開示した方法に使用するのに好適な装置としては、連続撹拌式タンクリアクター、ホモジナイザー、タービンアジテーター、循環ポンプ、櫂形ミキサー、プロウシェアーミキサー、リボンブレンダー、バッチ式または可能である場合には連続工程用に構成された垂直軸グラニュレータおよびドラムミキサー、スプレードライヤーおよび押し出し器などが挙げられる。これらの装置は、Lodige Gmbh社(ドイツ、パーダーボルン所在)、Littleford Day, Inc.社(米国、ケンタッキー州、フローレンス所在)、Forberg AS(ノルウェー、ラルビク所在)、Glatt Ingenieurtechnik Gmbh社(ドイツ、ワイマール所在)、Niro社(デンマーク、ソーボルグ所在)、Hosokawa Bepex Corp.社(米国、ミネソタ州、ミネアポリス所在)、Arde Barinco社(米国、ニュージャージー州所在)などから入手可能である。
【0049】
有益剤含有デリバリー粒子を含む組成物
本願出願人の組成物は、本願明細書で詳述した有益剤含有デリバリー粒子製造方法によって製造されるあらゆる態様を含む本願で開示した粒子の態様を含む。ある1つの形態において、この組成物は、消費製品である。採用される粒子の正確な量は、組成物の種類および最終用途により変わるが、組成物は、組成物の総重量基準で、約0.01〜10重量%、または約0.1〜約10重量%、または約0.2〜約5重量%の量のデリバリー粒子を含んでもよい。ある1つの形態において、消費者製品の総重量基準で、約0.001%〜約25%、約0.001%〜約10%または約0.01%〜約3%の上述の有益剤含有デリバリー粒子を含む消費者製品を開示する。
【0050】
ある1つの形態において、洗浄組成物の総重量基準で、約0.005%〜約10%、約0.01%〜約3%または約0.1%〜約1%の上述の有益剤含有デリバリー粒子を含む洗浄組成物を開示する。
【0051】
ある1つの形態において、布地処理組成物の総重量基準で、約0.005%〜約10%、約0.01%〜約3%または約0.1%〜約1%の上述の有益剤含有デリバリー粒子を含む布地処理組成物を開示する。
【0052】
ある1つの形態において、上述の粒子組成物が消費者製品、例えば液体消費者製品に採用される場合、粒子組成物は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%堆積する。
【0053】
ある1つの形態において、上述の粒子組成物が消費者製品、例えば液体消費者製品に採用される場合、粒子組成物はこの粒子組成物のマイクロカプセルから消費者製品内に50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または0%のカプセル化されていた有益剤が漏れていてもよい。
【0054】
ある1つの形態において、洗浄組成物は、その総重量基準で、約0.1〜約1重量%の当該粒子を含んでもよい。ある1つの形態において、布地処理組成物は、その総重量基準で約0.01〜約10%の当該粒子を含んでもよい。
【0055】
本発明は、本発明の粒子を洗濯洗剤組成物(例えば、TIDE(商品名))、硬質表面クリーナー(例えば、MR CLEAN(商品名))、自動食器洗い用洗剤(例えば、CASCADE(商品名))、食器用洗剤(例えば、DAWN(商品名))および床用クリーナー(例えば、SWIFFER(商品名))に使用することも包含する。これらの洗浄組成物の例としては、米国特許第4,515,705号、同第4,537,706号、同第4,537,707号、同第4,550,862号、同第4,561,998号、同第4,597,898号、同第4,968,451号、同第5,565,145号、同第5,929,022号、同第6,294,514号および同第6,376,445号に記載されているものが挙げられる。ここに開示されている洗浄組成物は、水系洗浄作業に使用されている間、洗浄水のpHが約6.5〜約12、または約7.5〜10.5の範囲になるように通常処方される。通常、液体食器用洗剤組成物は、約6.8〜約9.0のpHを有する。通常、洗浄製品は、約7〜約12のpHを有するように処方される。推奨される使用レベルにpHを調整する技術としては、バッファー、アルカリ類、酸類等を使用する方法が挙げられ、これらは当業者によく知られている。
【0056】
通常、ここに開示されている布地処理組成物は、布地柔軟剤活性物質(FSA)などの添加剤を含む。好適な布地柔軟剤活性物質としてはクアット、アミン類、脂肪酸エステル、スクロースエステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、クレー、多糖類、脂肪油、ポリマーラテックスおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
消費者製品用添加剤
本発明の目的において必須ではないが、以下に例示する添加剤は、本発明の組成物に使用するのに適しており、例えば組成物の性能の補助または向上のため、洗浄される基材の処理のため、または香水、着色料、染料などと同様に組成物の外観を変えるために本発明の特定の態様において組み込まれるのが望ましい。当然のことながら、これらの添加剤は、本願出願人のデリバリー粒子およびFSAを介して供給される成分に加えられる。これらの成分の正確な性質およびその添加量は、組成物の物理的形状およびそれが使用される作業の性質によって変わる。好適な添加剤としては、カチオン性ポリマーなどのポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒系材料、漂白活性物質、高分子分散剤、土汚れ除去/再付着防止剤、漂白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料およぼ香料送達系、構造弾性剤、布地用柔軟材、キャリアー、屈水性誘発物質、加工助剤および/または顔料などが挙げられる。以下の開示に加えて、当該他の添加剤および使用量の好適な例が、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号および同第6,326,348号から明らかであり、これらを参照することによって本明細書に引用したものとする。
【0058】
上述したとおり、これらの添加剤は本願出願人の洗浄および布地処理組成物に必須ではない。従って、本願出願人の組成物の特定の態様では、次の添加剤を含まない、漂白活性物質、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒系金属錯体、高分子分散剤、土汚れ除去/再付着防止剤、漂白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料および香料デリバリー系、構造弾性剤、布地用柔軟材、キャリアー、屈水性誘発物質、加工助剤および/または顔料。しかしながら、1つ以上の添加剤が存在する場合、これら添加剤は、以下に説明するように存在してもよい。
【0059】
界面活性剤−本発明の組成物は、界面活性剤または界面活性剤系を含んでもよく、この界面活性剤は、非イオン系および/またはアニオン系および/またはカチオン系界面活性剤および/または両性および/または双性および/または半極性非イオン系界面活性剤から選択することができる。通常、界面活性剤は、洗浄組成物の重量で約0.1%〜、または約1%〜、または約5%〜、約99.9%まで、または80%まで、または約35%まで、または約30%までの範囲の量で存在する。
【0060】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗浄剤ビルダーまたはビルダー系を含んでもよい。これらが存在する場合、通常本発明の組成物は、少なくとも1重量%、または約5重量%または10重量%〜80重量%、50重量%または30重量%までの範囲の量のビルダーを含む。ビルダー例としては、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属シリケート、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノシリケートビルダーポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、メリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸等のポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
キレート剤−本発明の組成物は、任意ではあるが、銅、鉄および/またはマンガンキレート剤の1つ以上を含んでもよい。キレート剤を使用する場合、キレート剤は約0.1重量%〜約15重量%、または約3.0重量%〜約15重量%の本発明の組成物を含む。
【0062】
染料移行防止剤‐本発明の組成物は、1つ以上の染料移行防止剤を含んでもよい。好適な染料移行防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾールまたはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の組成物に染料移行防止剤が存在する場合、染料移行防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%〜、または約0.01重量%〜、または0.05重量%、約10重量%まで、または約2重量%まで、または約1重量%までの範囲の量で存在する。
【0063】
分散剤−本発明の組成物は、分散剤を含んでもよい。好適な水溶性の有機材料としては、ポリカルボン酸が2つ以下の炭素原子で互いに離隔された少なくとも2つのカルボキシ部分を含むホモまたはコポリマー酸またはそれらの塩が挙げられる。
【0064】
酵素−本発明の組成物は、洗浄性能および/または布地仕上げ効果のある洗浄酵素を1つ以上含んでもよい。好適な酵素としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。典型的な酵素の組み合わせは、プロテーゼ、リパーゼ、クチナーゼおよび/またはセルラーゼとアミラーゼなどの従来から利用可能な酵素の混合物である。
【0065】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤で使用する酵素を安定化させることができる。本明細書に用いられる酵素は、最終組成物において、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0066】
触媒金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は触媒作用の金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属陽イオン、並びに触媒金属や補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0067】
必要であれば、本発明の組成物は、マンガン化合物によって触媒することができる。そのような化合物およびその使用量は、当業者によく知られており、例えば米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系の触媒を例として挙げられる。
【0068】
本発明に有用なコバルト漂白触媒は知られており、例えば米国特許第5,597,936号および同第5,595,967号に説明されている。このコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号および同第5,595,967号に教示されているような公知の方法で簡単に調製することができる。
【0069】
また本発明の組成物は、好適には、「MRL」として略称される巨大多環固定配位子の遷移金属錯体を含んでもよい。実用的な事柄として、限定する目的ではないが、本明細書の組成物及び洗浄方法は、水性洗浄媒体において、およそ少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、好ましくは、約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRL種を洗浄溶液中に提供する。
【0070】
本遷移金属漂白触媒における好ましい遷移金属として、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。本明細書の好ましいMRLは、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンのような、架橋されている特殊な種類の超固定配位子である。
【0071】
好適な遷移金属MRLは、例えばPCT国際公開特許WO00/32601及び米国特許第6,225,464号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0072】
組成物の製造方法
本発明の組成物は、配合者によって選択されるいずれかの好適な形態に配合することができ、及びいずれかの方法によって調製することができ、それらの非限定例は、米国特許第5,879,584号、米国特許第5,691,297号、米国特許第5,574,005号、米国特許第5,569,645号、米国特許第5,565,422号、米国特許第5,516,448号、米国特許第5,489,392号、米国特許第5,486,303号に記載され、これらはすべて本明細書に引用したものとする。
【0073】
使用方法
本明細書に開示される有益剤含有デリバリー粒子を含む組成物は、ある場所、とりわけある表面または衣料を洗浄するために使用できる。通常、この場所の少なくとも一部が、原液の状態または洗浄液などの液体に希釈された状態または分散した粒子組成物とバインダーなどのバインダー材に分散した状態で本願出願人の組成物の1つの態様と接触される。その場所は接触の前および/または後に任意に洗浄および/またはすすがれる。ある1つの形態では、ある場所は任意に洗浄および/またはすすがれ、本発明による粒子またはこの粒子を含む組成物と接触し、それから任意に洗浄および/またはすすがれる。本発明の趣旨上、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。ここで言う布地には、通常の消費者の使用条件で洗濯または処理することが可能なほとんどすべての布地が含まれる。ここに開示した組成物を組成物を含む洗浄液のpHは、約3〜11.5の範囲にある。通常、このような組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は、通常約5℃〜約90℃であり、前記場所が布地を含む場合、水と布地の比は、通常約1:1〜約30:1である。
【0074】
試験方法
当然のことながら、本願の試験方法の項にて開示される試験方法は、こうした発明が本明細書に記載され、特許請求されるように、本出願人らの発明のパラメータの各値を測定するために使用されなければならない。
【0075】
(1)破壊強さ(Fracture Strength)
(a)1グラムの粒子を1リットルの蒸留脱イオン(DI)水に入れる。
(b)粒子を10分間、DI水に入れたままにし、粒子を60mlのシリンジフィルター、1.2ミクロンニトロセルロースフィルターを用いたろ過によって回収する(Millipore社製、直径25mm)。
(c)50粒の個々の粒子の破断力(rupture force)を測定する。粒子の破断力は、2001年発行のJ.Microencapsulation誌、vol18,no. 5、593−602頁、Zhang,Z.、Sun,Gによる“Mechanical Properties of Melamine−Formaldehyde microcapsules”に記載されている方法を用いて測定される。破断力(ニュートン)を各球状粒子の断面積(πr、rは圧縮される前の粒子の半径である)で除して各粒子の破壊強さを算出する、なお平均断面積は次のように定められる、2001年発行のJ.Microencapsulation誌、vol18,no. 5、593−602頁、Zhang,Z.、Sun,Gによる“Mechanical Properties of Melamine−Formaldehyde microcapsules”に記載されている実験装置および方法を用いて、各粒子の粒径を測定する。
(d)上記(c)からの50個の粒子の測定値を用いて、本願で規定する範囲の破断力を有する粒子の割合を算出する。
【0076】
(2)ClogP
「logPの計算値」(ClogP値)は、ハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)のフラグメント手法により求められる(参考として本明細書に組み込まれる、A.レオ、「総括医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C.Hansch)、P.G.サメンス(P.G.Sammens)、J.B.テイラー(J.B.Taylor)、及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編、295頁、パーガモン出版(Pergamon Pres)、1990年を参照)。ClogPは、米国、カリフォルニア州、アーバイン所在のDaylight Chemical Information Systems Inc.社より入手可能な「CLOGP」プログラムを使用して算出してもよい。
【0077】
(3)沸点
沸点は、ASTM InternationalによるASTM法D2887−04a「Standard Test Method for Boiling Range Distribution of Petroleum Fractions by Gas Chromatography」によって測定される。
【0078】
(4)臭覚閾値(Odor Detection Threshold (ODT))
臭覚閾値は、米国特許第6,869,923B1号の第3欄、39行目〜第4欄、15行目に記載されているプロトコルを用いて測定される。
【0079】
(5)粒径
(a) 1グラムの粒子を1リットルの蒸留脱イオン(DI)水に入れる。
(b) 粒子を10分間、DI水に入れたままにし、その後粒子を60mlのシリンジフィルター、1.2ミクロンニトロセルロースフィルターを用いたろ過によって回収する(Millipore社製、直径25mm)。
(c) 2001年発行のJ.Microencapsulation誌、vol18,no. 5、593−602頁、Zhang,Z.、Sun,Gによる“Mechanical Properties of Melamine−Formaldehyde microcapsules”に記載の実験装置および方法を用いて50粒の個々の粒子の粒径を測定する。
(d)上記(c)からの50個の粒子の測定値を用いて、本願で規定する範囲の粒径を有する粒子の割合を算出する。
【0080】
(6)粒子壁厚
「Leica Microsystems」と記載されている場合は全て、本社が
Leica Microsystems GmbH
Ernst−Leita−Starasse 17−37
35578 Wetzlarに所在の会社を意味する。

「Drummond」と記載されている場合は全て、
Drummond Scientific Company
500 Parkway, Box 700
Broomall, PA 19008に所在の会社を意味する。

「Hitachi」と記載されている場合は全て、本社が
日本、東京都港区西新橋1−24−14、日立ハイテクノロジーに所在の会社を意味する。

「Gatan」と記載されている場合は全て、本社が
Gatan, Inc.
5933 Coronado Lane
Pleasanton, CA 94588に所在の会社を意味する。

「Quartz」と記載されている場合は全て、
Quarta Imaging Corporation
Technology Enterprise Facility III
6190 Agronomy Rd, Suite 406
Vancouver, B.C. Canada V6T 1Z3に所在の会社を意味する。
【0081】
材料
メチルシクロヘキサン: Alfa Aesar社カタログ番号A16057またはこれと同等のもの
細管ピペット: Drummon社カタログ番号5−000−1005またはこれと同等のもの
平面試験片キャリアー: Leica Microsystems社製品番号706897またはこれと同等のもの
銅ワッシャー Leica Microsystems社製品番号706867またはこれと同等のもの
平面試験片ポッド: Leica Microsystems社製品番号706839またはこれと同等のもの
平面試験片ホルダー用ローディング装置: Leica Microsystems社製品番号706832またはこれと同等のもの
トルクレンチ: Leica Microsystems社製品番号870071またはこれと同等のもの
アレンビット、2mm: Leica Microsystems社製品番号870072またはこれと同等のもの
鉗子: Leica Microsystems社製品番号840105またはこれと同等のもの
Gatan プランシェット(Planchette)コレット: Gatan社製品番号PEP5099
Gatan プランシェット試験片ホルダー: Gatan社製品番号PEP1395
【0082】
器具
走査型電子顕微鏡:日立社型番S−5200SEM/STEMまたはこれと同等のもの
高圧フリーザー: Leica Microsystems社型番706802EM Pactまたはこれと同等のもの
クリオトランスファー装置: Gatan社型番CT3500またはこれと同等のもの
クリオトランスファーシステム: Gatan社型番CT2500またはこれと同等のもの
GatanITC温度制御装置: Gatan社型番ITC502またはこれと同等のもの
画像分析ソフトウェアー: Quartz社PCIバージョン5またはこれと同等のもの
サンプル: 上記「破壊強さ」の工程1に従ってマイクロカプセルのサンプルを得る。50サンプルを必要とする。
【0083】
試験手順
1)上記Leica Microsystems社高圧フリーザー(Leica Microsystems社型番706802)を起動する。
2)この高圧フリーザー上のメチルシクロヘキサン用容器をメチルシクロヘキサン(Alfa Aesar社カタログ番号A16057またはこれと同等のもの)で満たす。
3)高圧フリーザーのデュワー(クライオスタット、dewar)を液体窒素で満たす。
4)高圧フリーザーの槽を液体窒素で満たす。
5)装置の使用の準備が整ったときに高圧フリーザーのディスプレーがそのフロントパネルにロードサンプルを示す。
6)日立社製型番S−5200SEM/STEMを始動させ、加速電圧を3.0KVに、放出電流を20μAに設定する。
7)日立社製型番S−5200SEM/STEM電子顕微鏡のカラムの下方右側に位置する汚染防止デュワーを液体窒素で満たす。
8)Gatan社製ALTO2500クリオトランスファーシステム(型番CT2500)のデュワーを液体窒素で満たす。デュワーが完全に満たされるまで、液体窒素を補充する。準備室(prepchamber)温度が−190°C以下になったときに装置の準備が整う。
9)銅ワッシャー(Leica Microsystems社製品番号706867)の穴が平面試験片キャリアーの溜めと位置が合うように銅ワッシャーを平面試験片キャリアー上に置く。
10)ガラス製細管ピペット(Drummon社カタログ番号5−000−1005またこれと類似のもの)を取り出し、その一端にワイヤープランジャーを挿入する。
11)ピペットをマイクロカプセル分散液に挿入し、数ミクロンの分散液を吸引する程度にプランジャーを途中まで引き込む。
12)ピペットの先端を平面試験片キャリアーの溜めに入れ、プランジャーをピペット内に押し込み、少量の液体を溜めが僅かに溢れるまで入れる。
13)2mmのアレンキービット(Leica Microsystems社製品番号870072)をトルクレンチ(Leica Microsystems社製品番号870071)に挿入する。
14)ビットが装着されたトルクレンチを使用して、平面試験片ポッド(Leica Microsystems社製品番号706839)の菱形係止ねじをゆるめる。
15)平面試験片ホルダーと銅ワッシャーを平面試験片ポッドに入れる。
16)2mmのアレンキービットが装着されたトルクレンチを使用して、トルクレンチの音が2回鳴るまで、平面試験片ポッドの菱形係止ねじを締める。
17)平面試験片ホルダー用ローディング装置(Leica Microsystems社製品番号706832)を平面試験片ポッドに菱形係止ねじの露出したねじ山にねじ止めすることによって取り付ける。
18)平面試験片ポッドが取り付けられた平面試験片ホルダー用ローディング装置をEM Pact高圧フリーザー(Leica Microsystems社型番706802)上に置き、高圧フリーザー内に挿入する。
19)高圧フリーザーで試験片を凍結させる。
20)平面試験片キャリアー用ローディング装置をアンロードステーションに移し、平面試験片ポッドを液体窒素槽に注意深く浸しながら、取り外す。
21)トルクレンチを使用して、菱形係止ねじをゆるめる。
22)液体窒素中で液体窒素が沸騰し終えるまで冷却された先端を有するピンセットを使用して、平面試験片キャリアーを平面試験片ポッドから取り外し、キャリアーを液体窒素槽中の小さい容器に入れる。
23)Gatan社製CT3500クリオトランスファー装置をGatan社製試験片ワークステーション内に入れる。
24)Gatan社製CT3500クリオトランスファー装置のデュワーを液体窒素で満たし、Gatan社製試験片ワークステーションのデュワーを必要に応じて液体窒素が沸騰し終えるまで液体窒素を補充しながら、液体窒素で満たす。
25)平面試験片ホルダーを液体窒素の容器に入れた状態で、Gatan社製試験片ワークステーションに移動する。
26)液体窒素中で液体窒素が沸騰し終えるまで冷却されたピンセットを使用して、平面試験片ホルダーをGatan社製プランシェットコレット(製品番号PEP5099)内に入れ、下方へと強く押し込む。
27)工程26で組み合わされたものをGatan社製プランシェット試験片ホルダー(型番PEP1395)内に置き、下方へと強く押し込む。
28)Gatan社製クリオトランスファー装置をGatan社製試験片ワークステーション内に押し戻す。
29)Gatan社製の5mmの摩擦ツールを使用して、Gatan社製プランシェット試験片ホルダーをGatan社製クリオトランスファー装置にねじ止めする。
30)Gatan社製クリオトランスファー装置をGatan社製試験片ワークステーションから取り外し、Gatan社製Alto2500クリオトランスファーシステム内に挿入する。
31)Gatan社製ITC温度制御装置(型番ITC502)をGatan社製クリオトランスファー装置にこの制御装置から温度測定のためのリード線をクリオトランスファー装置の上部のコネクターに取り付けることによって取り付ける。
32)Gatan社製ITC温度制御装置を使用して、試験片の温度を−120℃まで上げる。
33)分割ナイフを使用して、銅ワッシャーを破壊し、試験片を破砕する。
34)試験片の温度を−160°Cまで下げる。
35)電圧を6KVに設定し、10mAのスパッタ電流を供するためにガス流を設定し、スパッタボタンを押し、電流が10mAを示したら、コーターを60〜90秒走行させ、試験片を金/パラジウムでコートする。
36)Gatan社製CT3500クリオトランスファー装置の霜除けを閉じ、試験片を日立社製S−5200SEM/STEMに移す。
37)Gatan社製CT3500クリオトランスファー装置の温度が−170℃〜−172℃の間で安定するまで待つ。
38)Gatan社製CT3500クリオトランスファー装置の霜除けをその制御ノブを反時計方向に回すことによって開く。
39)ステージ移動トラックボールを使用して、サンプルを動かし、壊れたマイクロカプセルを探し、倍率を50,000〜150,000Xに調製する。
40)最高の画像を得るために焦点および非点補正制御を調製する。
41)カプセル壁の断面の象を得る。
【0084】
計算
1)Quartz社製PCIソフトウェア−のルーラーツールを選択する。
2)カーソルをマイクロカプセル壁の1つの縁部に移動させる。
3)マウスの左ボタンをクリックしたまま、マイクロカプセル壁の反対側までマウスカーソルをドラッグしてカプセル壁の面に対して垂直の線を引き、壁の厚さを測定する。
4)50個の個別の測定値(各カプセルに対して1つの測定値)を使用して、本発明で規定する範囲内の壁厚を有する粒子の割合を算出する。
【0085】
(6)有益剤の漏れ
a)有益剤粒子組成物のサンプル1グラムを2つ用意する。
b)1グラムの粒子組成物(サンプル1)を粒子が使用される製品マトリックス99グラムに加え、第2のサンプルも同様に製品マトリックスに加えられるが、その後すぐに下記工程d)の処理が行われる。
c)上記a)の粒子を含む製品マトリックス(サンプル1)を密閉されたガラス製のビン中で2週間、35℃で放置した。
d)粒子組成物の粒子をc)の製品マトリックス(製品マトリックスのサンプル1)および粒子組成物(サンプル2)からろ過して取り出す。
e)上記d)で得られた各粒子サンプルを各サンプルの粒子から有益剤全てを抽出する溶媒で処理する。
f)上記e)で得られた各サンプルの有益剤含有溶媒をガスクロマトグラフィー内に注入し、ピークエリアを積分し、各サンプルから抽出された有益剤の総量を測定する。
g)有益剤の漏れは、サンプル1および2とも上記f)で得られた値とする。
【実施例】
【0086】
本発明の特定の態様を例示し、説明してきたが、当然のことながら当業者であれば種々の変更および修正が本発明の精神および範囲を逸脱することなく可能である。従って、本発明の範囲内にある当該変更および修正は、全て特許請求の範囲に包含されるものである。
【0087】
実施例1:84重量%のコア/16重量%のメラミンホルムアルデヒド(MF)壁のカプセル
25グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、米国、ジョージア州ケネソー(Kennesaw)所在のKemira Chemicals, Inc.社製)を200グラムの脱イオン水に溶解させ、混合する。この溶液のpHを水酸化ナトリウム溶液で4.0に調整する。8グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、米国、ニュージャージー州、ウエストパターソン所在のCytec Industries社製)を上記乳化剤溶液に加える。この混合物に200グラムの香油を機械的に撹拌しながら加え、温度を50°Cまで上げる。安定したエマルジョンが得られるまで高速で混合した後、第2の溶液と4グラムの硫酸ナトリウム塩をエマルジョンに加える。この第2溶液は、10グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)と、120グラムの蒸留水と、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液と、25グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)とを含む。この混合物を70°Cに加熱し、連続的に撹拌しながら一晩、放置し、カプセル化工程が完了する。23グラムのアセトアセトアミド(米国、ミズリー州、セントルイス所在のSigma Aldrich社製)を懸濁液に加える。モデル780アキュサイザー(Accusizer)で分析したカプセルの平均サイズは、30μmである。
【0088】
実施例2:80重量%のコア/20重量%のメラミンホルムアルデヒド壁のカプセル
50%のブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)と50%のポリアクリル酸(固形分35%、pkaが1.5〜2.5、Aldrich社製)の混合物18グラムを200グラムの脱イオン水に溶解させ、混合する。この溶液のpHを水酸化ナトリウム溶液で3.5に調整する。6.5グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)を上記乳化剤溶液に加える。この混合物に200グラムの香油を機械的に撹拌しながら加え、温度を60℃まで上げる。安定したエマルジョンが得られるまで高速で混合した後、第2の溶液と3.5グラムの硫酸ナトリウム塩をエマルジョンに加える。この第2溶液は、10グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)と、120グラムの蒸留水と、pHを4.6に調整するための水酸化ナトリウム溶液と、30グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)とを含む。この混合物を75℃に加熱し、連続的に撹拌しながら一晩、放置し、カプセル化工程が完了する。23グラムのアセトアセトアミド(米国、ミズリー州、セントルイス所在のSigma Aldrich社製)を懸濁液に加える。
【0089】
実施例3:80重量%のコア/20重量%のメラミンホルムアルデヒド壁のカプセル
36グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)を200グラムの脱イオン水に溶解させ、混合する。この溶液のpHを水酸化ナトリウム溶液で5.0に調整する。12グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)を上記乳化剤溶液に加える。この混合物に200グラムの香油を機械的に撹拌しながら加え、温度を65℃まで上げる。安定したエマルジョンが得られるまで高速で混合した後、第2の溶液と5グラムの硫酸ナトリウム塩をエマルジョンに加える。この第2溶液は、12グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)と、120グラムの蒸留水と、pHを5に調整するための水酸化ナトリウム溶液と、33グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)とを含む。この混合物を65℃に加熱し、連続的に撹拌しながら一晩、放置し、カプセル化工程が完了する。23グラムのアセトアセトアミド(米国、ミズリー州、セントルイス所在のSigma Aldrich社製)を懸濁液に加える。
【0090】
実施例4:80重量%のコア/20重量%のメラミンホルムアルデヒド壁のカプセル
20グラムのブチルアクリレート−アクリル酸共重合体乳化剤(「Colloid C351」、固形分25%、pkaが4.5〜4.7、Kemira Chemicals, Inc.社製)を200グラムの脱イオン水に溶解させ、混合する。この溶液のpHを水酸化ナトリウム溶液で5.5に調整する。6グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)を上記乳化剤溶液に加える。この混合物に200グラムの香油を機械的に撹拌しながら加え、温度を55℃まで上げる。安定したエマルジョンが得られるまで高速で混合した後、第2の溶液と9グラムの硫酸ナトリウム塩をエマルジョンに加える。この第2溶液は、8グラムのポリアクリル酸(固形分35%、pkaが1.5〜2.5、Aldrich社製)と、120グラムの蒸留水と、pHを4.4に調整するための水酸化ナトリウム溶液と、35グラムの部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂(「Cymel 385」 固形分80%、Cytec Industries社製)とを含む。この混合物を80℃に加熱し、連続的に撹拌しながら4時間、放置し、カプセル化工程が完了する。23グラムのアセトアセトアミド(米国、ミズリー州、セントルイス所在のSigma Aldrich社製)を懸濁液に加える。
【0091】
実施例5:メラミンホルムアルデヒドカプセル
カプセルの組成およびその調製方法は、メラミンホルムアルデヒド樹脂が80%の部分メチル化されたメチロールメラミン樹脂と20%の完全メチル化されたメラミン樹脂との混合物である以外、実施例4と同じである。
【0092】
実施例6:メラミンホルムアルデヒドカプセル
カプセルの調製方法は、香料乳化液(第1溶液)の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例4と同じである。
【0093】
【0094】
カプセルの調製方法は、第2溶液の組成を以下の通りに変更した以外は、実施例4と同じである。
【0095】
【0096】
さらにバッチの重量で5重量%のアセトアセトアミドを加える。
【0097】
実施例7:メラミンホルムアルデヒドカプセル
カプセルの組成およびその調製方法は、アセトアセトアミドの代わりに0.7%の水酸化アンモニウムを懸濁液に加えた以外は、実施例4と同じである。
【0098】
実施例8:噴霧乾燥されたマイクロカプセルの製造
本願明細書で開示した種々のマイクロカプセルを1つ以上含む香料マイクロカプセルスラリー1200グラムを700グラムの水と10分間、R1382アタッチメントを有するIKA Eurostarミキサーを使用して、180rpmの速度で混合する。この混合物を供給容器に移し、直径1.2mのNiro Production Minorで噴霧乾燥させる。スラリーをWatson−Marlow 504U蠕動ポンプを使用してタワーに供給し、18000rpmで作動させた直径100mmのロータリーアトマイザーを使用して、乾燥のために空気を並流させて霧状にする。スラリーを入り口温度を200℃、出口温度を95℃にして乾燥させ、微粉末を形成する。噴霧乾燥工程で使用する装置は、次の業者から入手可能である、
ドイツ、Staufen、Janke and Kunkel−Str.10、D79219所在のWerke GmbH&Co. KG社、デンマーク、Soeborg、Gladsaxevej 305、P.O.Box 45、2860所在のNiro A/S社、英国、Falmouth、Cornwall、TR11 4RU所在のWatson−Marlow Bredel Pumps Limited社。
【0099】
実施例9
マイクロカプセルを含む製品処方の例を以下の表にまとめる。
【0100】
【0101】
N,N−ジ(タロウオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
メチルビス(タロウアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート
モル比1.5:1の脂肪酸とメチルジエタノールの反応生成物をメチルクロライドで4級化して得られたN,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドおよびN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N,−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドの1:1モル比の混合物
National Starch社より商標CATOで入手可能なカチオン性高アミロースコーンスターチ
Aldrich社より入手可能なアセトアセトアミド
米国特許第5,574,179号の15欄、1〜5行目に記載されている式で表されるエチレンオキシドとテレフタレートのコポリマーであり、式中のXはメチル基であり、nは40、uは4、Rは1,4−フェニレン部分、R2はエチレン、1,2−プロピレン部分またはこれらの混合物を表す。
Wacker社製SE39
ジエチレントリアミンペンタ酢酸
Rohm and Haas Co.社より入手可能な商標KANTHON CG。「PPM」は「百万分の一」である。
グルタアルデヒド
Dow Corning Corp.社より商品名DC2310で入手可能なシリコーン消泡剤
Rohm and Haas社より商品名Aculan 44で入手可能な疎水変性されたエトキシレート化されたウレタン
実施例1から8のマイクロカプセルの好ましい組み合わせ(%活性物質は、マイクロカプセルの芯含有量に関する)
† 残部
【0102】
実施例10 ドライ洗濯(Dry Laundry)組成物のマイクロカプセル
【0103】
【0104】
マイクロカプセルを35%の活性スラリーとして加えた。コア/壁比は、80/20〜90/10の範囲で取り得る。平均粒径は、5μm〜50μmの範囲で取り得る。
【0105】
実施例11 液状洗濯組成物 (HDLs)
【0106】
【0107】
本発明の教示内容に従った香料マイクロカプセルスラリー
【0108】
実施例12:ユリアホルムアルデヒドカプセル
89.5グラムの水、5グラムの尿素、0.5グラムのレゾルシノールおよびpHが4.0に調整された5グラムのアルキルアクリレート−アクリル酸コポリマーの混合物内で、90グラムの香油を乳化させた。混合物を乳化させ、得られた混合物を室温の水槽に取り付けた容器に入れ、連続的に撹拌しながら、37%のホルムアルデヒド溶液13.5グラムを加え、水槽を55℃にまで加熱し、この温度を維持しながら、一晩放置し、カプセル化を開始し、完了させた。
【0109】
実施例13
実施例1から7の香料マイクロカプセルを本発明の試験方法に従って試験し、破壊強さが約0.2MPa〜約10MPa、約0.4MPa〜約5MPa、約0.6MPa〜約3MPaで、有益剤の漏れが0%〜約30%、0%〜約20%、0%〜約5%で、粒径が約1ミクロン〜約80ミクロン、約5ミクロン〜60ミクロンで、約10ミクロン〜約50ミクロン、約15ミクロン〜約40ミクロン、壁厚が約60nm〜約250nm、約80nm〜約180nm、約100nm〜約160nmであることが判明した。
【0110】
実施例12
【0111】
【0112】
マイカ−TiO2(「Prestige Silk Silver Star」Eckart社)またはBiOCl(「Biron Silver CO」Merck社)または予め結晶化されたEGDS(「Tego Pearl N100」Degussa社、「pure EGDS」とも呼ばれている)
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
** ポリビニルアルコール分包に含まれる低水分液体洗剤
【0117】
ここに開示した寸法および値は、当然のことながら記載された数値に厳格に限定されるものではない。当然、特に明記していない限り、ここに開示した各寸法は、その数値およびその数値の周囲の機能的に同等な範囲の両方を意味するものである。例えば、「40nm」と開示された寸法は、「約40nm」を意味するものである。
【0118】
本発明の詳細な説明の項で引用した全ての文献は、関連する部分において、参照をもって本明細書に引用したものとし、いかなる文献の引用も本発明に関する従来技術として認めた解釈されるものではない。本明細書中の用語の意味または定義が参照することによって引用したものとする文献の同じ用語の意味または定義と矛盾する範囲において、本明細書の用語に割り当てられた意味または定義を採用する。
【0119】
本発明の特定の態様を例示および説明してきたが、当然のことながら当業者であれば種々の変更および修正が本発明の精神および範囲を逸脱することなく可能である。従って、本発明の範囲内にある当該変更および修正は、全て特許請求の範囲に包含されるものである。