(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0021】
本発明に係るスマートパーキングアシストシステムの実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図1は本実施例に係るスマートパーキングアシストシステムの構成の概略を示した構成図である。
図2は、本実施例に係るスマートパーキングアシストシステムを車両に搭載したときの取付位置の概略を示した構成図である。
図3は、本実施例に係るスマートパーキングアシストシステムの構成の概略を示したブロック図である。
【0022】
スマートパーキングアシストシステム10は、
図1に示すように、メインユニット11及びサブユニット12、並びに複数台のカメラ13及びセンサ14からなる。
また、
図2に示すように、メインユニット11は、シート下、ダッシュボード裏といった目立たない場所に設置される。サブユニット12は、スマートフォン、携帯電話、或いはタブレット型端末装置又はこれらに類する携帯端末装置を有し、当該携帯端末装置は、ダッシュボード上やメーターパネル近傍といった、ドライバーが視認容易な場所に設置される。カメラ13は、撮影範囲に合わせてレンズが当該撮影範囲を指向するように車体各所に取り付けられている。
図2には、後方のナンバープレート上端角隅部近傍に設けられたバックカメラ70、前方のナンバープレートの上端角隅部近傍に設けられたフロントカメラ71、ルームミラー近傍に設けられた室内カメラ72が例示されている。各種センサ14もまた、それぞれの用途に合わせて車体各所に取り付けられている。
【0023】
メインユニット11及びサブユニット12は、
図1及び
図2に示すように、別体に形成されている。メインユニット11とサブユニット12は、互いに無線通信回線15によって通信可能に接続されている。
【0024】
無線通信回線15は、近距離無線通信回線16と、遠距離無線通信回線17とからなる。
近距離無線通信回線16は、メインユニット11を中心にした所定の通信可能範囲内にサブユニット12が有るとき、メインユニット11とサブユニット12とを無線で通信可能に接続する通信回線である。
本実施例の場合、近距離無線通信回線16は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した信号が伝送する無線通信回線をいい、メインユニット11を中心にして半径が概ね25m前後の範囲内がサブユニット12との通信可能範囲となる。なお、通信規格は、Bluetooth(登録商標)に限定されるものでは無く、またメインユニット11又はサブユニット12の無線出力を調整することによって通信可能範囲を広げたり狭くしたりすることができる。
【0025】
遠距離無線通信回線17は、メインユニット11を中心にした所定の通信可能範囲内にサブユニット12が無いとき、メインユニット11とサブユニット12とを無線で通信可能に接続する通信回線である。
本実施例の場合、遠距離無線通信回線17は、CDMA方式による3G通信規格や、LTE(Long Term Evolution)規格に準拠した通信方式による、いわゆる携帯電話回線である。なお、これに限定されず、さらに高速通信可能な携帯電話回線を使用しても良い。従来の携帯電話回線を利用することによって、導入コストを抑えることができる。
【0026】
メインユニット11は、
図3に示すように、画像入力部20、センサ入力部21、通信部22、電源部23、制御部24を有する。また好ましくは、マイク25a及びスピーカ25bを有する音声入出力部25とリモコン用の受光器26aを有するリモコン入力部26を有する。
【0027】
画像入力部20は、カメラ13で撮像された画像に係る画像データが、当該カメラ13から入力されるように形成されている。画像入力部20は、カメラ13から入力された画像データを復号するデコーダ手段27と、復号された画像データを所定の通信規格に準拠した通信画像データへ符号化するエンコーダ手段28を有している。当該エンコーダ手段で符号化された通信画像データは、制御部24へ出力され、後述する画像処理を施されたうえで、サブユニット12へ送信される。
これにより、カメラ13から送信されてきた大容量の画像データを圧縮して、サブユニットへ送信することができる。
また、複数台のカメラ13を追加して設置したときに、当該カメラ13で撮像される画像に係る画像データの規格が夫々相違する場合であってもデコーダ手段27で当該画像データを一度復号した後、エンコーダ手段28で所定の通信規格に準拠した通信画像データへ統一することができる。これによって、後付したカメラ13で撮像される画像に係る画像データ規格を気にすることなくスマートパーキングアシストシステム10へ当該カメラ13を容易に組み込むことができる。
【0028】
センサ入力部21は、センサ14からの検知信号が入力される信号入力端子29aを有する検知手段29を有している。
検知手段29は、センサ14から入力された検知信号に基づいて、制御部24に対してトリガ信号を出力するように形成されている。当該トリガ信号は、制御部24がカメラ13や音声出力部25に後述するような所定の動作を行わせるために制御部24に対してきっかけを与えるための信号である。
【0029】
通信部は、サブユニット12と無線通信回線15を介して互いに双方向に通信可能なメイン双方向通信手段30を有している。メイン双方向通信手段30は、メイン近距離通信手段31と、メイン遠距離通信手段32からなり、切り替え可能に形成されている。当該通信手段の切り替えについては後述する。
【0030】
メイン近距離通信手段31は、近距離無線通信回線16を介して、サブユニット12と無線で通信可能に形成されている。
メイン近距離通信手段31は、カメラ13で撮像され、画像入力部20でエンコードされた通信画像データをサブユニット12へ送信するように形成されている。
また、メイン近距離通信手段31は、メインユニット11とサブユニット12との間の距離を測定するために、サブユニット12から送信された距離判定信号を受信可能に形成されている。当該距離判定信号がメイン近距離通信手段31で受信可能である間は、サブユニット12は、メインユニット11を中心とした近距離無線通信回線16の通信可能範囲内に有ると制御部24で判定される。当該メインユニット11とサブユニット12との間の距離の判定については後述する。
さらに、メイン近距離通信手段31は、音声入出力部25と接続されている。そのため、メイン近距離通信手段31は、音声入出力部25からマイク25a又は音声入力端子25cに接続した外部マイクを介して入力された音声信号をサブユニット12へ送信可能に形成され、サブユニット12から受信した音声信号を音声入出力部25を介してスピーカ15b又は音声出力端子25dに接続した車載オーディオの外部スピーカから出力可能に形成されている。これにより、サブユニット12が有する携帯端末装置に着信があったとき、ハンズフリーで通話することができる。
【0031】
メイン遠距離通信手段32は、通信装置33と、カードスロット34と、クロック35を有している。
通信装置33は、携帯電話回線である遠距離無線通信回線17を介して、サブユニット12と無線で通話可能に接続するように形成されている。
カードスロット34は、SIMカードが挿嵌可能に形成されている。SIM(Subscriber Identity Module)カードは、遠距離無線通信回線17である携帯電話回線を使用する契約者情報が記録されたICカードであって、当該契約者情報に基づいて契約者(利用者)を識別するために使われている。
通信装置33とSIMカードによって、メインユニット11自体を携帯端末とし、サブユニット12が有する携帯端末装置と遠距離無線通信回線17を介して、遠距離無線通信を行うことができる。
【0032】
クロック35は、遠距離無線通信回線17を介して、インターネット上のタイムサーバから時刻情報を取得可能に形成されている。クロック35は、取得した時刻情報に基づいて、メインユニット11内の時計を修正することができる。またクロック35は、時刻情報を通信画像データにタイムスタンプとして印加するように形成されている。これにより、正確な撮影時刻又は送信時刻をカメラ13で撮影した画像データ、又はメインユニット11からサブユニット12へ送信する通信画像データに記録することができる。
【0033】
電源部23は、自動車のバッテリー電源から電源を取る主電源入力手段36と、アクセサリ電源から電源をとる副電源入力手段37と、エンジンロック手段38と、ルームランプ点灯手段39を有する。
主電源入力手段36は、自動車のバッテリー電源と接続される主電源入力端子36aを有し、画像入力部20、センサ入力部21、通信部22、及び制御部24、並びに外部記録媒体44の記録手段へ電源を供給するように形成されている。
【0034】
副電源入力手段37は、副電源入力端子37aと、副電源出力端子37bを有している。副電源入力手段37は、アクセサリ電源から副電源入力端子37aを介して入力された電源を、副電源出力端子37bからサブユニット12のサブユニット本体50へ供給可能に形成されている。これにより、サブユニット本体50のバッテリー切れを心配をすることなく使用することができる。また、副電源入力手段37は、アクセサリ電源を介して携帯端末装置へ電源を供給可能としたので、エンジンを停止している間に電源が供給されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例に係る副電源出力端子37bは、電源供給可能に規格されたUSBコネクタに含まれているが、USBコネクタに限定されるものでは無く、電源供給可能な端子を含んだコネクタであれば良い。
【0035】
エンジンロック手段38は、制御部24から入力されたエンジンロック制御信号にしたがって、エンジンのスタータに流れる信号をカットするスタータカット信号を、信号出力端子38aを介して出力するように形成されている。スタータカット信号は、セルモータとエンジンスタータの間に設置したリレースイッチを開閉することができる。リレースイッチが開放したときは、セルモータからエンジンスタータに流れる信号が遮断されるので、エンジンロック手段38は、自動車のエンジンをロックすることができ、自動車の盗難を防止することができる。
【0036】
ルームランプ点灯手段39は、制御部24から入力されたルームランプ制御信号にしたがって、車内のルームランプを所定の点灯パターンで点滅するようにルームランプ点灯信号を、信号出力端子39aを介して出力するように形成されている。これにより、メインユニット11は、ルームランプを点滅させることができ、車上荒らしや自動車の窃盗犯に対して威嚇して、車上荒らしや自動車の盗難を防止することができる。また、ルームランプが所定の点滅パターンで点滅することによって、車体に衝撃が加えられたことや、車上荒らし等が発生していることを周囲に報知することができる。
【0037】
制御部24は、カメラ13で撮像した画像に係る画像処理を制御するメイン制御手段40を有している。
当該画像処理は、たとえば、画像入力部20から入力された通信画像データに、タイムスタンプ等からなる撮影情報を付加したり、当該通信画像データに基づく画像からノイズを取り除いたり、当該画像が広角画像であった場合には、所定の画角の画像をトリミングしたりといった処理をいう。
【0038】
また、メイン制御手段40は、センサ入力部21から入力されたトリガ信号に基づいて、カメラ13の動作を制御するように形成されている。これにより、センサ14が検知対象を検知して、検知信号がセンサ入力部21を介して制御部24へ入力されたとき、制御部24は、カメラ13を起動させて撮影することができる。
【0039】
さらに、メイン制御手段40は、通信部22から入力された距離判定信号に基づいて、メインユニット11とサブユニット12との間の距離を判定する距離判定手段41と、当該判定結果に基づいて近距離無線通信回線16又は遠距離無線通信回線17のいずれか一方の無線通信回線15を選択する回線選択手段42を有している。
【0040】
距離判定手段41は、サブユニット12から発信され、メイン近距離通信手段31で受信している距離判定信号が入力されるように形成されている。
メインユニット11を中心とした所定の通信可能範囲内にサブユニット12が有る場合には、当該距離判定信号が入力され続けている間、メイン近距離通信手段31は、距離判定信号を受信し続けることができ、距離判定手段41には、常に距離判定信号が所定の周期で入力されることになる。
このとき、距離判定手段41はメインユニット11とサブユニット12との間の距離が所定の距離以下であると判定し、当該判定の結果を判定是信号として回線選択手段42へ出力するように形成されている。
そして、メイン近距離通信手段31で距離判定信号を受信することができず、距離判定手段41へ距離判定信号が入力されなくなったとき、距離判定手段41はメインユニット11とサブユニット12との間の距離が所定の距離を超えたと判定し、当該判定の結果を判定否信号として回線選択手段42へ出力するように形成されている。
【0041】
回線選択手段42は、距離判定手段41の判定結果に基づいて、判定是信号が入力されている間は近距離無線通信回線16を選択し、判定否信号が入力されたときには、遠距離無線通信回線17を選択するように回線選択信号を通信部22へ出力するように形成されている。
これにより、メインユニット11とサブユニット12との間の距離に応じて、より詳しくは、車からサブユニット12が所定の距離以上離れた場合、メインユニット11とサブユニット12間の無線通信回線15、及び無線通信回線15に係る通信方式を自動的に変更することができる。
【0042】
さらに、メイン制御手段40は、距離判定手段41が判定是信号を出力しているときには、カメラ13で撮像した画像をサブユニット本体50のモニタ画面へ表示してドライバーの運転操作を支援するパーキングアシストモードで動作するように、メインユニット11のカメラ13及びセンサ14、並びに通信部22を制御するように形成されている。
一方、距離判定手段41が判定否信号を出力しているときには、メイン制御手段40は、反応の有ったセンサ14に応答して所定のカメラで車両周辺又は車内を撮影して駐停車している車両の周辺や車内を監視するセキュリティモードで動作するように、メインユニット11のカメラ13及びセンサ14、並びに通信部22を制御するように形成されている。
これによって、メインユニット11とサブユニット12との間の距離に応じて、自動的にモードを切り替えることができる。
【0043】
音声入出力部25は、マイク25aとスピーカ25bを有している。また、音声入出力部25は、マイク25aと関連してマイク入力端子25cを有し、スピーカ25bと関連して音声出力端子25dを有している。そして、音声入出力部25は、メイン近距離通信手段31に接続されている。
これによって、マイク25a若しくはマイク入力端子25cに接続した外部マイクから入力された音声に係る音声信号は、
近距離無線通信回線16を介して、サブユニット12へ送信することができ、スピーカ25または音声出力端子25dを介した外部スピーカは、
近距離無線通信回線16を介して、サブユニット12から送信された音声信号に基づく音声を出力することができる。
そのため、サブユニット12が有する携帯端末装置に着信があったとき、ハンズフリーで通話することができる。
【0044】
また、メイン制御手段40に警報音や動作確認音又はこれらに類する音声を生成する音源手段を設け、生成された音声をスピーカ25b又は音声出力端子25dから出力するようにしても良い。音声出力端子25dは、外部スピーカ又は車載オーディオシステムの外部音声入力端子と接続可能に形成されている。音声出力端子25dと車載オーディオシステムを接続したときには、上記の通話音声、警報音、動作確認音を車載オーディオシステムで出力することができる。
【0045】
リモコン入力部26は、リモコン受光器26aを有している。リモコン受光器26aは、メインユニット11と別体に形成されたリモコン26bから、赤外線信号を受光するように形成されている。赤外線信号に重畳した遠隔操作信号はメイン制御手段40に送信され、当該遠隔操作信号に基づいて、メインユニット11及びサブユニット12を遠隔操作することができる。
【0046】
また、好ましくはメインユニット11にインジケータランプ43を設けても良い。インジケータランプ43は、たとえばLEDのような発光デバイスからなる。そして、メイン制御手段40は、インジケータランプ43を点滅させる発光手段44を有している。発光手段44は、メインユニット11の動作状態、又は動作モードに基づいて、各動作状態又は動作モードに対応した所定のパターンで、インジケータランプ43を点滅させるように形成されている。
これにより、スマートパーキングアシストシステム10のユーザーは、メインユニット11の動作確認をすることができる。
【0047】
さらに、好ましくは、メインユニット11に外部記憶媒体45を設けても良い。外部記憶媒体45は、ハードディスクドライブ或いはフラッシュメモリ又はこれらに類する読み書き可能な記憶媒体からなる。外部記憶媒体45は、メイン制御手段40が有する記録手段46に接続されている。記録手段46は、外部記憶媒体45に本実施例に係るスマートパーキングアシストシステム10に係るプログラムのバックアップ及び当該プログラムの動作記録を更新可能に記録し、またカメラ13で撮像した画像を一時的に記録するように形成されている。これにより、サブユニット12が毀損しても容易に復旧することができる。また、セキュリティモード下でサブユニット本体50側へ送信する画像とは別に外部記憶媒体45に画像を記録保存しておくことによって、送信に失敗したときのバックアップを取ることができ、サブユニット本体50に対して複数回送信することができる。
【0048】
サブユニット12は、サブユニット本体50と、当該サブユニット本体50とは別体に形成されたキータグ51とからなる。サブユニット本体50は、スマートフォン、携帯電話、或いはタブレット型端末装置又はこれらに類する携帯端末装置からなる。
【0049】
サブユニット本体50は、
図3に示すように、表示部52と、通信部53と、制御部54を有している。
また、サブユニット本体50は、
図4に示すように、下面に吸盤を有するクレードル50aによって固定されている。クレードル50aに固定されたサブユニット本体50は、
図2に示すように、ダッシュボード上に取り付け可能に形成されている。
なお、取付方法はクレードル50aに限定されず、クリップ、ブラケットその他任意の方法によって、車体の適当な場所に取り付けるようにしても良い。
【0050】
表示部52は、モニタ画面56を有する表示手段55を有している。表示手段55は、カメラ13で撮像され、メインユニット11から送信された通信画像データに基づく画像を、メインユニット11のメイン制御手段40からの制御信号にしたがって、所定の表示パターンでモニタ画面56へ表示するように形成されている。
【0051】
通信部53は、メインユニット11と無線通信回線15を介して互いに双方向に通信可能なサブ双方向通信手段57を有している。サブ双方向通信手段57は、サブ近距離通信手段58と、サブ遠距離通信手段59からなる。
サブ近距離通信手段58は、
近距離無線通信回線16を介して、メインユニット11のメイン近距離通信手段31と双方向通信を行うように形成されている。これにより、サブユニット12はメインユニット11から通信画像データを受信することができる。
サブ遠距離通信手段59は、遠距離無線通信回線17を介して、メインユニット11のメイン遠距離通信手段32と双方向通信を行うように形成されている。また、サブ遠距離通信手段59は、サブユニット本体50が本来有する携帯電話としての機能を実現可能に形成されている。そして、サブユニット本体50を携帯電話として利用する場合には、サブ近距離通信手段58を介して音声信号をメインユニット11と送受信し、音声入出力手段25を利用してハンズフリー通話をすることができる。これにより、運転中に携帯電話を使用することによるわき見運転等の事故原因を除き、ドライバーが事故を起こさないように運転操作をアシストすることができる。
【0052】
サブ近距離通信手段58とサブ遠距離通信手段59との切り替えは、メイン制御手段40の距離判定手段41及び回線選択手段42で選択した近距離無線通信回線16又は遠距離無線通信回線17のいずれか一方を介してメインユニット11から通信が開始されたことに追従して行われる。
また、メインユニット11が起動したとき、サブユニット12がメインユニット11の距離判定信号に係る通信可能範囲内に有る場合に、近距離無線通信回線16並びにメイン近距離通信手段31及びサブ近距離通信手段58を介して、サブユニット12側から発信された距離判定信号にメインユニット11が即時応答するように形成されている。これによって、メインユニット11とサブユニット12とは、自動的にペアリングに係る処理が行われ、スマートパーキングアシストシステム10の起動を高速化することができる。
【0053】
制御部54は、通信部53を介して受信した通信画像データに基づく画像を、表示部52のモニタ画面56で表示可能に処理する制御を行うサブ制御手段60を有している。サブ制御手段60は、通信部53で受信したメインユニット11からの制御信号にしたがって、たとえば、モニタ画面56を左右に分割してそれぞれ異なる画像を表示したり、車内の画像と車両周辺の画像を交互に表示したりするように、画像を効果的に表示するように形成されている。
上記のサブ制御手段60は、携帯電話回線又はインターネットを通じたダウンロードによって入手可能なアプリケーションソフトとして配布するようにしても良い。
【0054】
キータグ51は、
図5に示すように、筒状のキータグ本体65と環状に形成されたキーリング66とからなり、キーホルダのように使用することができるように形成されている。これにより、サブユニット本体50にストラップとして取り付けたり、また自動車のキーを取り付けるキーホルダとして使用することができる。そのため、ドライバーはキー又はサブユニット本体50と共にキータグ51を持ち歩くことができる。
【0055】
キータグ51は、距離判定信号を発信する発信手段67をキータグ本体65内に有している。
発信手段67は、近距離無線通信回線16を介して、距離判定信号を発信するように形成されている。
距離判定信号は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信規格に基づいて形成された信号であって、所定の周期で発信するように形成されている。また信号の強度は、キータグ51とメインユニット11との距離が25m程度であれば到達可能に調整されている。なお、当該信号強度は発信手段67の出力を調整することによって任意の強度に調整することができる。
距離判定信号が、メインユニット11のメイン
近距離通信手段31で受信することができる通信可能範囲内に有るときには、
近距離無線通信回線16が使用されると共に、ドライバーの運転操作をアシストするパーキングアシストモードでスマートパーキングアシストシステム10は動作し、通信可能範囲外に有るときには、遠距離無線通信回線17が使用されると共に、車両周辺若しくは車内又は車体の状況を監視するセキュリティモードでスマートパーキングアシストシステム10は動作することができる。
【0056】
したがって、ドライバーと共に持ち歩かれるキータグ51とメインユニット11が搭載されている自動車との間の距離に応じてモードを自動的に切り替えることができる。
すなわち、
図6に示すように、ドライバーがメインユニット11を搭載した自動車に対して距離判定信号の通信可能範囲内に近寄った場合にはパーキングアシストモードを自動的に起動させることができる。
一方、ドライバーが自動車から降りて当該通信可能範囲外にまで離れた場合には、セキュリティモードを自動的に起動させることができる。これによって、モードの切り替えを忘れてしまうことを防止することができ、またスマートパーキングアシストシステム10を容易に使用することができる。
【0057】
また、キータグ51をサブユニット本体50とは別体に形成したことによって、サブユニット本体50の電池の消耗を抑えることができる。
なお、本実施例において、メインユニット11とサブユニット12との間の距離判定に用いる発信手段67をサブユニット本体50とは別体に設けたキータグ51に設けたが、これに限定されるものでは無く、サブユニット本体50内に発信手段67を設けるようにしても良い。この場合、当該発信手段67は、上記のサブ制御手段と同様に、携帯電話回線又はインターネットを通じたダウンロードによって入手可能なアプリケーションソフトとして配布するようにしても良い。
【0058】
カメラ13は、撮像した画像を電子的に変換して画像データを形成する撮像素子を有するデジタルカメラからなる。カメラ13で形成された画像データは、メインユニット11へ有線又は無線の通信回線を通じて送信される。本実施例に係るスマートパーキングアシストシステム10は複数台のカメラ13を有しているので、車体各所に配置したカメラ13で撮像された画像は、メインユニット11の画像入力部20へ集約される。
本実施例に係るカメラ13は、車体後方を撮影可能なバックカメラ70と、車体前方を撮影可能なフロントカメラ71と、車室内及びドライバーの視点に近い位置から前方を撮影可能な室内カメラ72からなる。
【0059】
バックカメラ70は、車体後方、好ましくは、
図2に示すように、ナンバープレートの取付部やトランクリッド近傍に取り付けられている。バックカメラ70の撮影範囲は、
図7に示すように、運転席から見たときの車体後方の死角であることが好ましい。これにより、たとえば、駐停車時に駐車場の枠線に合わせたり、車庫内の奥まで車体をまっすぐに入れることができる。また、後方撮影が可能なことから、走行中に車体後方を撮影するドライブレコーダとして利用しても良い。これによって、後方から追突されそうなときや、後方の自動車に煽られているときに後方車両のナンバーを撮影することができる。
【0060】
フロントカメラ71は、車体前方中央下部近傍、好ましくは、
図2に示すように、ナンバープレートの取付部やフロントグリルの隙間に取り付けられている。フロントカメラ71の撮影範囲は、
図8に示すように、運転席から見たときの車体前方下部の死角であることが好ましい。これにより、たとえば、停止線ギリギリに車体を寄せて駐停車することができ、また縦列駐車のときには、車体前方にある他の車や障害物に対してギリギリまで寄せたり、回避することができる。さらに、車体の最先端に取り付けたフロントカメラ71のレンズを広角にすることによって、路地から大通に出るときの左右安全確認や見通しの悪い路地から飛び出してくる車両を、走行中に撮影可能なドライブレコーダとして利用しても良い。
バックカメラ70及びフロントカメラ71で撮像された画像は、画像入力部20を介して、制御部24へ出力される。制御部24のメイン制御手段40は、入力された画像に係る通信画像データに時間データを埋め込み、またバックカメラ70とフロントカメラ71の画像を時間的に同期させる画像処理を行う。当該画像処理後の画像に係る通信画像データは、通信部22を介して、サブユニット本体50へ送信される。サブユニット本体50のモニタ画面56では、
図9に示すように、メインユニット11から送信されてきたバックカメラ70の画像とフロントカメラ71の画像が並べて表示される。これによって、ドライバーは、車体前後の死角を見ることができる。
【0061】
室内カメラ72は、車体天井部、好ましくは、
図2に示すように、ルームミラー取付部近傍に取り付けられている。
車内カメラは、
図10に示すように、筒状の室内カメラ72本体の一方の端面に車体前方を指向するフロントレンズ73が角度調整可能に配され、他方の端面に車内全体を撮影範囲に収め、車室内を指向するルームレンズ74が角度調整可能に配されている。フロントレンズ73側で撮影した画像と、ルームレンズ74側で撮像した画像は、室内カメラ72本体に集約され、そこから、メインユニット11に送信される。これにより、車内カメラ72は、
図11に示すように、車体前方と車室内を同時に撮影可能に形成されている。
また好ましくは、室内カメラ72本体の胴部にサブモニタ75を設けて、室内カメラ72で撮像した画像を再生表示するようにしても良い。
【0062】
フロントレンズ73に係る室内カメラ72は、走行中のドライブレコーダーとしても利用することができ、また駐停車時に車体へ近づくものを撮影することができる。一方、ルームレンズ74に係る室内カメラ72は、車上荒らしにあったときに車内の映像を撮影することができる。また、ルームレンズ74を通じて車体の左右両側及び車体後方を映すことができるので、走行中のドライブレコーダーとして使用している場合に、自車周辺を走行している他の車両の挙動を撮影することができる。
なお、本実施例に係る上記のカメラ13の種類はこれに限定されず、たとえば、車体の左右両側部に車体の側方を撮影するサイドカメラを増設したり、室内カメラ72を増設してバックウィンドウ上部から後方及び室内を撮影可能に設置するようにしても良い。
【0063】
センサ14は、検知対象を検知したときに検知信号をメインユニット11の検知手段29へ送信するように形成されている。当該検知信号に応じて検知手段29はメイン制御手段40にトリガ信号を出力する。メイン制御手段40は、当該トリガ信号に応答して、カメラ13、音声入出力部25のスピーカ25b、及びインジケータランプ43が所定の動作をするように制御するように形成されている。
センサ14は、
図1及び
図3に示すように、コーナーセンサ80、赤外線センサ81、フィールドセンサ82、ドアセンサ83、衝撃センサ84からなる。
【0064】
コーナーセンサ80は、車体の角隅部に設けられているセンサ14である。コーナーセンサ80は、運転操作する際に車体へ接近した障害物を検知すると共に、駐停車中に接近してくるものを検知するように形成されている。そして、フロントバンパーに設けられたコーナーセンサ80をフロントセンサ、リアバンパーに設けられたコーナーセンサ80をバックセンサとする。
当該コーナーセンサ80は、
図12に示すように、フロントバンパーの角隅部近傍にそれぞれ、左フロントセンサ80aと右フロントセンサ80bが配置され、リアバンパーには、角隅部近傍にそれぞれ、第1左バックセンサ80c、第2左バックセンサ80d、第1右バックセンサ80e、第2右バックセンサ80fが配置されている。
リアバンパーの角隅部の左側に二つのバックセンサ80c,80dを設け、右側に二つのバックセンサ80e,80fを設けたことにより、バックするとき、より鋭敏に障害物の検知をすることができる。
【0065】
赤外線センサ81は、ルームミラーの近傍に配設されているセンサ14である。赤外線センサ81は、車内の熱源を検知するように形成されている。これにより、車内に侵入した人や動物といった熱を持って動くものを検知することができ、また車内で発火したときといった熱も検知することができる。
【0066】
フィールドセンサ82は、赤外線センサ81と共にルームミラーの近傍に配設されているセンサ14である。フィールドセンサ82は、車内の空気の動きを検知するように形成されている。これによって、たとえば窓ガラスが割られたり、ドアが不正にこじ開けられたりして、駐停車中に空気の流れが変わったとき、それを検知することができる。
【0067】
ドアセンサ83は、車体のドアやトランクの開口部或いはヒンジ部又はこれらに類する、たとえば、ドアの開閉を検知することができる位置に配設されているセンサ14である。ドアセンサ83は、ドアの開放を検知するように形成されている。
【0068】
衝撃センサ84は、車体に加えられた振動や衝撃を検知するように形成されているセンサ14である。これにより、車上荒らしが窓を割ったり、駐停車中に当て逃げがあったことを検知することができる。
【0069】
上記の構成を有するスマートパーキングアシストシステム10は以下のように動作する。当該動作について添付した図面にしたがって説明する。
【0070】
スマートパーキングアシストシステム10は、車内にドライバーが乗っているか否かでモードが切り替わるように形成されている。当該モードは、ドライバーが車内にいる場合に、カメラ13で撮像した車両周辺の画像をモニタ画面56に表示してドライバーの運転操作を支援するパーキングアシストモードと、ドライバーが車内にいない場合に、カメラ13で撮像した車両周辺又は車内の画像を離れたところにあるサブユニット本体50へ送信して車両周辺若しくは車内又は車体の状況を監視するセキュリティモードとからなる。
【0071】
当該モードの切り替えには、サブユニット本体50と別体に形成されたキータグ51が利用される。
図6に示すように、キータグ51を持ったドライバーが車から離れると、ドライバーが車に乗っていないと判断されてセキュリティモードが起動し、キータグ51を持ったドライバーが車に近寄るととセキュリティモードが自動的に解除されて、パーキングアシストモードが起動するように形成されている。
メインユニット11とキータグ51との間の距離に応じて、スマートパーキングアシストシステム10がパーキングアシストモードとセキュリティモードとを自動的に切り替える切替方法について以下説明する。
【0072】
キータグ51内に設けられた発信手段67は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した距離判定信号を周期的に発信する。キータグ51から周期的に発信された距離判定信号は、メインユニット11のメイン近距離通信手段31が受信可能な信号である。距離判定信号を受信したメイン近距離通信手段31は、当該距離判定信号を距離判定手段41へ出力する。
距離判定信号が入力された距離判定手段41は、キータグ51がメインユニット11を中心とした近距離無線通信回線16の通信可能範囲内に有ると判定して判定是信号を回線選択手段42へ出力する。
判定是信号が入力された回線選択手段42は、近距離無線通信回線16を選択する回線選択信号を通信部22へ出力する。当該回線選択信号が入力された通信部22は、近距離無線通信回線16を介して、サブユニット12の通信部53と
近距離無線通信を開始する。
また、メイン制御手段40は、近距離無線通信回線16に係る回線選択信号にしたがって、スマートパーキングアシストシステム10、特にメインユニット11とサブユニット12が動作するモードをパーキングアシストモードに設定するように形成されている。
【0073】
一方、メイン近距離通信手段31が距離判定信号を受信することができないとき、メイン近距離通信手段31は距離判定信号を距離判定手段41へ出力することができない。
距離判定信号の入力が途絶えた距離判定手段41は、キータグ51がメインユニット11を中心とした
近距離無線通信回線16の通信可能範囲内には無いと判定して判定否信号を回線選択手段42へ出力する。
判定否信号が入力された回線選択手段42は、遠距離無線通信回線17を選択する回線選択信号を通信部22へ出力する。当該回線選択信号が入力された通信部22は、遠距離無線通信回線17を介して、サブユニット12の通信部53と遠距離無線通信を開始する。
また、メイン制御手段40は、遠距離無線通信回線17に係る回線選択信号にしたがって、スマートパーキングアシストシステム10、特にメインユニット11とサブユニット12が動作するモードをパーキングアシストモードからセキュリティモードに切り替えるように形成されている。
このように、メインユニット11に対してキータグ51が近寄ったり離れたりしたとき、メインユニット11とキータグ51との間の距離に応じて、パーキングアシストモードとセキュリティモードは、自動的に切り替えられる。
【0074】
次に、各モードでの動作について添付した図にしたがって説明する。
図13はパーキングアシストモードにおけるバックカメラ70とフロントカメラ71の動作を説明するチャート図である。
【0075】
ステップ100は、エンジンを始動する処理を行うステップである。これを受けて、バッテリー電源が接続されているスマートパーキングアシストシステム10のメインユニット11が起動する。このとき通信部22はメイン近距離通信手段31が起動するように形成されている。メイン近距離通信手段31が起動したあとは、ステップ105へ移行する。
【0076】
ステップ105は、メイン近距離通信手段31がサブユニット本体50のサブ近距離通信手段58と、近距離無線通信回線16を介して、双方向通信を開始する処理を行うステップである。当該ステップ105では、距離判定信号に対する応答信号がメイン近距離通信手段31からサブ近距離通信手段58に対して出力され、メインユニット11と予め登録されていたサブユニット本体50と間で自動的にペアリング処理が行われるように形成されている。これにより、メインユニット11はサブユニット本体50を認識することができる。ペアリングが終了した後はステップ110へ移行する。
【0077】
ステップ110は、画像を強制的に送信するように要求する割込要求信号の有無を判断する処理を行うステップである。当該割込要求信号は、サブユニット本体50にインストールされたスマートパーキングアシストシステム10に係るアプリケーションソフトが起動したとき、又はリモコン26b又はサブユニット本体50から手動入力操作があったとき、メインユニット11が行う通常の画像送信処理に係る信号の送受信に強制的に割り込むように、サブユニット本体50又はリモコン26bからメインユニット11へ送信されるように形成されている。
割込要求信号の送受信が正常に行われ、要求された画像がサブユニット本体50に表示されることによって、メインユニット11とサブユニット本体50が
近距離無線通信回線16で正常に接続されて、スマートパーキングアシストシステム10が正常に動作しているか確認することができる。
ここで、割込要求信号が無いかどうかを問い、無い場合にはステップ115へ移行し、有る場合には、割込処理を行うステップ155へ移行する。当該ステップ155については後述する。
【0078】
ステップ115は、センサ14のうち、コーナーセンサ80の反応の有無を判断する処理を行うステップである。反応が有る場合とは、何れかのコーナーセンサ80からの検知信号が、センサ入力部21の検知手段29に入力されたときである。センサ入力部21では、続いてステップ120以下へ移行し、フロントセンサ80a,80b又はバックセンサ80c,80d,80e,80fのうち、どのセンサから出力された検知信号であったかが判断される。
反応が無いと判断した場合には、ステップ150へ移行する。
【0079】
ステップ120は、感の有ったセンサ14が、フロントセンサ80a,80bであるか確認する処理を行うステップである。センサ入力部21は、検知手段29に入力された検知信号がフロントセンサ80a,80bからの反応であると判断した場合にはステップ125へ移行するとともに、センサ入力部21から出力するトリガ信号に係るトリガデータに、フロントセンサ80a,80bに感有りとするフラグが立てられる。
フロントセンサ80a,80bであるか確認できなかった場合にはステップ140へ移行する。
【0080】
ステップ125は、感の有ったセンサ14が、フロントセンサ80a,80bに続いて、バックセンサ80c,80d,80e,80fであるか確認する処理を行うステップである。バックセンサ80c,80d,80e,80fであると確認できた場合には、ステップ130へ移行するとともに、フロントセンサ80a,80bに感有りとするフラグに加えて、センサ入力部21から出力するトリガ信号に係るトリガデータに、バックセンサ80c,80d,80e,80fにも感有りとするフラグが立てられる。
バックセンサ80c,80d,80e,80fであるか確認できなかった場合には、ステップ135へ移行する。
【0081】
ステップ130は、フロントセンサ80a、80bに係るフラグと、バックセンサ80c,80d,80e,80fに係るフラグを有するトリガデータに基づくトリガ信号が、制御部24へ出力され、制御部24が、バックカメラ70とフロントカメラ71を制御して撮影する処理を行うステップである。
撮像された画像は、メインユニット11の近距離通信手段31から、近距離無線通信回線16を介してサブユニット本体50へ送信される。当該サブユニット本体50へ送信された画像は、図 に示すように、フロントカメラ71からの画像とバックカメラ70からの画像からなり、サブユニット本体50の表示部52のモニタ画面56へ表示される。これにより、サブユニット本体50で、フロントカメラ71からの画像とバックカメラ70からの画像の両方を表示することができる。
このとき、表示手段52は、フロントカメラ71からの画像とバックカメラ70からの画像を並べて表示したり、また、周期的にフロント側とバック側の画像を切り替えて表示したり、或いは、フロント側又はバック側の画像の一部にバック側又はフロント側の画像を重ねるようにして表示するといった任意の表示方法によってメインユニット11から送信された画像を表示するように形成されている。また、画像の切り替えは自動で行っても良く、手動で切り替えて、フロント側或いはバック側の何れか一方の画像を主として表示するようにしても良い。
上記のように、パーキングアシストモードでフロントセンサ80a,80bとバックセンサ80c,80d,80e,80fが共に反応して、フロントカメラ71とバックカメラ70からの両方の画像が表示される場合は、たとえば、縦列駐車のような運転操作を行っているときが考えられる。
【0082】
ステップ135は、フロントセンサ80a、80bに係るフラグを有するトリガデータに基づくトリガ信号が、制御部24へ出力され、制御部24が、フロントカメラ71を制御して撮影する処理を行うステップである。
撮像された画像は、メインユニット11の近距離通信手段31から、近距離無線通信回線16を介してサブユニット本体50へ送信される。当該サブユニット本体50へ送信された画像は、図 に示すように、フロントカメラ71からの画像からなり、サブユニット本体50の表示部52のモニタ画面56へ表示される。これにより、サブユニット本体50で、フロントカメラ71からの画像を表示することができる。
このように、パーキングアシストモードで、フロントセンサ80a,80bが反応して、フロントカメラ71の画像が表示される場合は、たとえば、フロントセンサ80a,80bにフロントバンパーの左右角隅部の前方下部の死角にある路肩が反応するほどに、当該路肩ギリギリまで幅寄せしてすれ違うような運転操作を行っているときが考えられる。
【0083】
ステップ120で、フロントセンサ80a,80bであるか確認できなかった場合に移行するステップ140は、ステップ125と同じように、感の有ったセンサ14が、バックセンサ80c,80d,80e,80fであるか確認する処理を行うステップである。
バックセンサ80c,80d,80e,80fであると確認できた場合には、ステップ145へ移行するとともに、センサ入力部21から出力するトリガ信号に係るトリガデータに、バックセンサ80c,80d,80e,80fに感有りとするフラグが立てられる。
バックセンサ80c,80d,80e,80fであるか確認できなかった場合には、ステップ150へ移行する。
【0084】
ステップ145は、バックセンサ80c,80d,80e,80fに係るフラグを有するトリガデータに基づくトリガ信号が、制御部24へ出力され、制御部24が、バックカメラ70を制御して撮影する処理を行うステップである。
撮像された画像は、メインユニット11の近距離通信手段31から、近距離無線通信回線16を介してサブユニット本体50へ送信される。当該サブユニット本体50へ送信された画像は、図 に示すように、バックカメラ70からの画像からなり、サブユニット本体50の表示部52のモニタ画面56へ表示される。これにより、サブユニット本体50で、バックカメラ70からの画像を表示することができる。
このように、パーキングアシストモードでバックセンサ70のみが反応して、バックカメラ70の画像が表示される場合は、たとえば、車庫入れや駐停車時にバックするような運転操作を行っているときが考えられる。
【0085】
ステップ130、ステップ135、及びステップ145で、メインユニット11からサブユニット本体50へ、
近距離無線通信回線16を介して画像を送信する処理を行ったあとは、ステップ110へ戻って、主電源36が供給されている限り、すなわちエンジンが駆動している限りは繰り返すように形成されている。
これにより、パーキングアシストモードにおいては、フロントカメラ71か、若しくはバックカメラ70からの画像を、メインユニット11から、
近距離無線通信回線16、たとえば本実施例のようなBluetooth(登録商標)、を介して、サブユニット本体50へ送信して、当該サブユニット本体50のモニタ画面56で再生表示することができる。
なお、当該再生表示は、カメラ13で撮像した画像を1秒あたり30フレームで連続表示するような、いわゆる動画再生であることが好ましいが、これに限定されず、たとえば障害物を検知したときだけ、撮像した数フレーム分をコマ送り再生するようにしても良いし、障害物に最も近付いたときの画像を静止画として表示するようにしても良い。
【0086】
そして、コーナーセンサ80からの反応が無い場合、及びコーナーセンサ80のうち、何れのコーナーセンサ80に感があったか確認したにも関わらず、実際には確認が取れなかった場合には、共にステップ150へ移行する。
ステップ150は、メインユニット11から、
近距離無線通信回線16を介して、サブユニット本体50へ、バックカメラ70で撮像した画像を送信するように処理するステップである。
しかしながら、バックカメラ70は、バックセンサ80c,80d,80e,80fが反応していないので、実際には撮像が行われず、たとえば、ブルースクリーンのような画面に係るデータが送信され、表示手段55のバックグラウンドで表示するように処理される。
これによって、サブユニット本体50のモニタ画面56では、たとえば、カーナビゲーション途中の地図画面を表示させておくことができ、その間バックグラウンドでコーナーセンサ80、並びにバックカメラ70及びフロントカメラ71をスタンバイさせておくことができる。そのため、コーナーセンサ80の何れかが障害物を検知したとき、素早く画像を送信することができる。
【0087】
次に、割込処理について説明する。
ステップ155は、ステップ110で割込要求信号があった場合に移行するステップであって、バックカメラ70及びフロントカメラ71で撮像した画像を、メインユニット11から
近距離無線通信回線16を介して、サブユニット本体50へ強制的に送信する処理を行うように形成されている。
サブユニット本体50で表示される画像は、ステップ130の場合と同様に、表示手段55によってモニタ画面56へ表示される。当該処理の次は、ステップ160へ移行する。
【0088】
ステップ160は、割込要求信号が停止したか否かを確認する処理を行うステップである。
割込要求信号が停止した場合には、ステップ110に移行して、次の割込要求信号の有無を判断し、コーナーセンサ80からの反応の有無を待機する通常のルートに戻る。
割込要求信号が続いている場合には、ステップ155へ戻り、割込要求信号が停止するまで繰り返される。これにより、サブユニット本体50では割込要求信号にしたがって、バックカメラ70及びフロントカメラ71で撮像した画像が、連続的に再生表示されるようにすることができる。
【0089】
また、パーキングアシストモードにおいて、上記のコーナーセンサ80のうち、少なくとも一つのセンサに感があって、検知信号に基づいて制御部24がトリガ信号を出力したとき、当該トリガ信号を音声入出力部25へ入力し、スピーカ25b又は音声出力端子25dから警報音を出力するようにしても良い。これによって、たとえば、走行中に追突のおそれがあるときにドライバーへ警告したり、車をバックさせているときに後方の死角にある障害物にぶつかりそうなときにドライバーへ注意を促すことができる。
【0090】
以上が、本実施例におけるスマートパーキングアシストシステム10のパーキングアシストモードの動作である。
次に、キータグ51がメインユニット11から所定距離以上離れたときに切り替わるセキュリティモードについて添付した図にしたがって説明する。
図14は、セキュリティモードにおける各センサ14及びカメラ13の動作を説明するチャート図である。
【0091】
ステップ200は、セキュリティモードを仮起動する処理を行うステップである。キータグ51がメインユニット11から所定距離、本実施例においては概ね25m離れたとき、パーキングアシストモードからセキュリティモードへ自動で切り替わる処理が行われる。この切替処理が行われたとき、メインユニット11のメイン通信部22では、遠距離無線通信回線17を使用する遠距離通信手段32が選択される。
【0092】
ステップ205は、所定時間、次の処理への移行が停止する処理が行われるステップである。以下、当該ステップ205を第1スタンバイステップという。第1スタンバイステップを設けたことによって、キータグ51が一時的にメインユニット11の近距離通信手段31の通信可能範囲外に出たか否かを確認することができる。第1スタンバイステップの所定の待機時間は任意で設定可能である。本実施例において当該待機時間は30秒に設定されている。
当該待機時間中にキータグ51から発信される距離判定信号が近距離通信手段31で再度受信できたとき、仮起動していたセキュリティモードは解除され、再度パーキングアシストモードに戻る。
これにより、ドライバーの目の届く範囲内に車が止められている場合であって、当該ドライバーが一時的に近距離通信手段31の通信可能範囲外まで車から離れたとしても、頻繁にセキュリティモードへ自動的に切り替わってしまうことを防止することができる。
一方、待機時間内に距離判定信号が再度受信できなかったときは、仮起動されていたセキュリティモードを本起動するように形成されている。当該本起動に係る処理は、ステップ210以降の処理によって行われる。
【0093】
ステップ210は、エンジンをロックする処理を行うステップである。ステップ210の処理によって、メイン制御手段40はエンジンロック制御信号を出力して、電源部23のエンジンロック手段38を制御する。
エンジンロック制御信号は、第1スタンバイステップ205で所定の待機時間が経過したとき、係起動させていたセキュリティモードを本起動して、パーキングアシストモードからセキュリティモードへ完全に切り替わったというエンジンロック条件が満たされた場合に出力される信号である。
エンジンロック手段38は、エンジンロック制御信号に基づいて、エンジンスタータの近傍に設けたリレースイッチへスタータカット信号を出力するように形成されている。スタータカット信号がリレースイッチをオフにしたとき、エンジンスタータがカットされ、エンジンがロックされる。
ステップ210のエンジンロック処理の後、セキュリティモードはスタンバイ状態へ移行する。スタンバイ状態への移行と同時にステップ215の処理が行われる。ステップ215は、インジケータランプ43のLEDを点滅させてスタンバイ状態であることを報知する処理を行うステップである。
【0094】
ステップ220は、セキュリティモードが続行しているか否かを判断する処理を行うステップである。
セキュリティモードが続行している場合にはステップ225へ移行する。
セキュリティモードが解除された場合には、ステップ270へ移行する。当該ステップ270については後述する。
【0095】
ステップ225は、スマートパーキングアシストシステム10が有する複数台のセンサ14のうち、少なくとも一つのセンサ14が反応したか否かを判断する処理を行うステップである。
反応が有った場合には、ステップ230へ移行する。
反応が無かった場合には、ステップ220へ戻り、何れかのセンサ14の反応が有るまでセキュリティモードを維持する処理が行われる。
【0096】
ステップ230と、当該ステップ230に続くステップ235は、センサ14の反応が一時的なものであるのか連続するものであるのか、所定の時間を空けて確認する処理を行うステップである。
ステップ230は、所定の時間待機する処理を行うステップであって、以下第2スタンバイステップとする。第2スタンバイステップの待機時間は任意に設定可能である。本実施例では、当該待機時間が10秒に設定されている。これにより、たとえば、通りすがりの人や動物がコーナーセンサ80の検知範囲内に入ってしまったり、風で車体が揺らされたときに衝撃センサ84が反応したりしたというような、センサ14の誤動作を防止することができる。
【0097】
ステップ235は、第2スタンバイステップを経て、センサ14の反応が連続しているか確認する処理を行うステップである。第2スタンバイステップ230で10秒経過した後、相変わらず少なくとも一つのセンサ14に反応が有る場合には、ステップ240へ移行して、スタンバイ状態が解除される。
所定の待機時間が経過した後に、センサ14の反応が消えているときには、ステップ220へ戻る処理が行われて、何れかのセンサ14の反応が有るまでセキュリティモードを維持する処理が行われる。
ここで、本実施例では、第2スタンバイステップ230で待機している間、ずっとセンサ14が反応していたのか、又はセンサ14の反応が断続的に途切れているのかは検知されない。しかしながら、これに限定されることなく、所定の待機時間内で連続検知していたときにはじめてステップ235でスタンバイ状態を解除するようにしても良い。
【0098】
ステップ240は、侵入者に対して警告する処理を行うステップである。この警告処理は、本実施例では、ループランプ点灯手段39で、所定の点滅パターンでルームランプを点滅させて、侵入者を威嚇することによって行われる。なお、所定の点滅パターンでルームランプを点滅させずに、ルームランプを点灯させたままにしておいても良い。
また、警告処理は、音声入出力部25のスピーカ25b又は音声出力端子25dから警報音或いは警告メッセージを出力して、スピーカ25b又は車載オーディオの外部スピーカから当該警報音又は警告メッセージを流すようにしても良い。警告処理が行われた後はルームライト点灯手段39はルームランプを点灯させたままにして、ステップ245へ移行する。
【0099】
ステップ245は、ステップ240の警告処理の効果を確かめるために所定時間待機する処理を行うステップであって、以下、第3スタンバイステップとする。第3スタンバイステップにおける待機時間は、任意に設定可能である。本実施例では、待機時間は1秒に設定されている。待機時間が終了した後は次のステップ250へ移行する。
【0100】
ステップ250は、スマートパーキングアシストシステム10が有するカメラ13のうち、任意の一台のカメラを起動して撮影する処理を行うステップである。複数台のカメラ13のうち、バックカメラ70、フロントカメラ71、又は室内カメラ72の少なくとも何れか一台を起動するかは、感の有ったセンサ14のうち、どのセンサ14が検知したかによって関連付けられている。
【0101】
セキュリティモード下におけるカメラ13とセンサ14は、たとえば、コーナーセンサ80のうち、少なくとも一か所のコーナーセンサ80が障害物を検知したとき、又は、衝撃センサ84が車体に加えられた衝撃を検知したときはバックカメラ70又はフロントカメラ71が起動するように関連付けられ、また、検知範囲は車内を指向している赤外線センサ81、フィールドセンサ82が反応したときや、ドアセンサ83がドアの開放を検知したときは、室内カメラ72が起動するように関連付けられている。
なお、ステップ250で全てのカメラ13を起動して撮影するようにしても良い。
【0102】
ステップ250の撮影処理は、少なくとも一枚の静止画を撮影する処理である。また好ましくは複数枚の静止画を連続撮影するようにしても良い。
本実施例では、当該撮影処理と同時に音声入出力部25のスピーカ25b又は音声出力端子25dからシャッター音が出力される。これにより、侵入者を威嚇することができ、侵入者に対して撮影されたと気が付かせることによって、それ以上の被害を防止することができる。
また、本実施例において静止画を撮影するようにしたが、たとえば、ステップ225で少なくとも一つのセンサで侵入者を検知したときからカメラを起動して、動画撮影をするようにしても良い。当該動画撮影は、数秒ごとに撮影する画像がコマ落ちしたタイムラプス画像でも良く、またフレームが連続する通常の動画でも良い。撮影処理が終了したときは、ステップ255へ移行する。
【0103】
ステップ255は、メインユニット11の遠距離通信手段32から、遠距離無線通信回線17を介して、撮像した画像をサブユニット本体50へ送信する処理を行うステップである。ステップ250で撮影した画像をサブユニット本体50へ即時送信することによって、車から離れているドライバーに対して車上荒らしや当て逃げ等が起きたことを報知することができる。
なお、本実施例において遠距離通信手段32は、遠距離無線通信回線17として利用している携帯電話回線の回線容量に合わせて、静止画、若しくはコマ落ち画像を送信したり、又は圧縮した動画を送信するように形成されているが、これ限定されるものでは無く、遠距離無線通信回線17に負担がかからないのであれば、高画質なハイディフィニション(HD)動画を長時間送信するようにしても良い。
【0104】
このように、サブユニット本体50側に撮影した画像を即時送信してしまうことによって、たとえば、侵入者がメインユニット11やカメラ13を破壊したり持ち去った場合であっても、犯人の顔、容姿等を記録することができる。
また、サブユニット本体50へ画像を送信すると共に、メインユニット11に設けた外部記録媒体に撮影した画像を記録するようにしても良い。
これにより、サブユニット本体50とメインユニット11の双方に犯行現場を撮影した記録が保存されるので、撮影時刻や画像の改竄を防止することができる。画像をサブユニット本体50へ送信する処理が行われた後は、ステップ260へ移行する。
【0105】
ステップ260は、ルームライトを消灯する処理を行うステップであり、続く、ステップ265は所定時間待機する処理を行うステップである。ステップ265を以下第4スタンバイステップという。第4スタンバイステップの待機時間は、任意に設定可能である。本実施例では、当該待機時間は30秒に設定されている。所定の待機時間が経過した後は、センサ14の反応の連続性を確認するためステップ235へ戻る。ステップ235でセンサ14に反応が無ければ、スタンバイ状態を維持するのか否か、スタンバイ状態を確認するステップ220へ戻る。
【0106】
ステップ220でスタンバイ状態の確認が行われたとき、スタンバイ状態が解除された場合には、ステップ270へ移行する。
ここで、スタンバイ状態が解除されるのは、キータグ51を有したドライバーが車体に近づき、キータグ51から発信される距離判定信号が、メインユニット11の近距離通信手段31で受信されたときである。近距離通信手段31が距離判定信号を受信したときと略同時に、通信部22は、遠距離通信手段32から近距離通信手段31へ通信手段を切り替える処理を行う。
ステップ270は、インジケータランプ43のLEDを消灯する処理を行うステップであり、続くステップ275で、エンジンロック手段38がスタータリレーを接続してエンジンロックを解除する処理が行われる。これによって、セキュリティモードは解除される。そしてステップ280に至って、たとえば、エンジンの始動と共に、
図13に示したパーキングアシストモードが起動する。
【0107】
以上が、スマートパーキングアシストシステム10のメインユニット11側の動作である。
次にサブユニット本体50の動作を添付した図面にしたがって説明する。
図15は、サブユニット本体50にインストールしたアプリケーションソフトの動作状態を示すチャート図である。
【0108】
サブユニット本体50は、スマートフォン、携帯電話、或いはタブレット型端末装置又はこれらに類する携帯端末装置からなり、特に本実施例においては、スマートフォン又はタブレット型端末装置を想定している。
これらの携帯端末装置は、アプリケーションソフトをインストールすることによって所定の動作をさせることができる。アプリケーションソフトは、遠距離無線通信回線17又はインターネット回線を介してダウンロードによってインストールするか、又は光学記録媒体やフラッシュメモリに記録したプログラムを、パソコンを経由してインストールするか、或いは直接携帯端末装置のカードスロットを介してインストールすることによってサブユニット本体50へ記録保存するように形成されている。
【0109】
アプリケーションのインストール後、メインユニット11に対してサブユニット本体50を登録するペアリングの初期設定が行われる。当該初期設定では、
近距離通信手段31とサブ
近距離通信手段58にあっては、Bluetooth(登録商標)規格に準拠したプログラムによって互いを関連付ける処理が行われ、遠距離通信手段32とサブ遠距離通信手段59に会っては、メインユニット11が有するSIMカードに記録されている携帯電話番号と、サブユニット本体50の携帯電話番号を互いに登録する処理が行われる。当該関連付け処理及び登録処理は、手動又は自動で行われるように形成されている。
【0110】
インストールされたアプリケーションソフトは、サブユニット本体50のバックグラウンドに常駐するソフトとして常に実行可能に起動させたまま保持することが好ましい。常駐ソフトとすることによって、パーキングアシストモード又はセキュリティモードのいずれか一方のモードが起動したとき、速やかに対応させることができる。次にアプリケーションソフトの動作を説明する。
【0111】
ステップ300と、当該ステップ300に続くステップ305は、上記のようにインストールしたアプリケーションを起動する処理を行うステップである。当該起動処理によって、サブユニット本体50のモニタ画面56にはアプリケーションソフトが立ち上がる間の所定時間、起動画面が表示されるように形成されている。
【0112】
ステップ310は、サブユニット本体50とメインユニット11との間の近距離無線通信回線16が開かれているか否かを確認する処理を行うステップである。
近距離無線通信回線16が開かれている場合には、ステップ315へ移行する。
近距離無線通信回線16が開かれていない場合には、ステップ385へ移行する。ステップ385については、後述する。
【0113】
ステップ315は、起動したアプリケーションソフトに係るメニュー画面をモニタ画面56へ表示する処理を行うステップである。
ステップ315に続くステップ320では、再度、サブユニット本体50とメインユニット11との間の近距離無線通信回線16が開かれているか否かを確認する処理が行われる。これによって、サブユニット本体50とメインユニット11との間の通信状態が良好であるか否か確認することができる。
近距離無線通信回線16が開かれている場合には、ステップ325へ移行する。
近距離無線通信回線16が開かれていない場合には、ステップ385へ移行する。
【0114】
ステップ325は、サブユニット本体50から割込要求信号をメインユニット11へ送信する処理、又は、メインユニット11のリモコン入出力部26へリモコン26bから割込要求信号を入力する処理を行うステップである。これによって、
図13に示して上記で説明したようにサブユニット本体50又はリモコン26b手動入力による割込処理を行うことができる。当該割込要求信号にサブユニット本体50が応答して、応答信号をメインユニット11へ送信すると、メインユニット11から撮像した画像が送信される。
近距離無線通信回線16を介して割込要求信号がメインユニット11とサブユニット本体50間で正常に送受信され、メインユニット11から画像がサブユニット本体50に送信されて、モニタ画面56へ表示された場合、スマートパーキングアシストシステム10は正常に動作していると確認することができる。
また、割込要求信号を自動又は手動で送信可能にしたことによって、アプリケーションが立ち上がった時に自動で近距離無線通信回線16の接続状況を確認すると共に、使用中に
近距離無線通信回線16に不具合が発生したといった場合に手動でもまた近距離無線通信回線16の接続状況を確認することができる。
【0115】
ステップ330は、メインユニット11が送信した通信画像データに係る通信画像信号を、サブユニット本体50で受信して、通信画像データに基づく画像をモニタ画面56へ表示する処理を行うステップである。モニタ画面56では、バックカメラ70及びフロントカメラ71で撮像した画像が表示されるように形成されている。当該表示画像の表示方法については、
図13に示したステップ130及びステップ155の場合と同様であるから説明を省略する。
このような割込処理を行うことによって、サブユニット本体50とメインユニット11との間の
近距離無線通信回線16が正常に接続しているか否かを目視確認することのほか、手動で強制的に撮像した画像を表示させることができる。
また、フロントカメラ71及びバックカメラ70双方からの画像に替えて、フロントカメラ71のみ、バックカメラ70のみの画像としても良く、また、室内カメラ72で撮像した画像を表示するようにしても良い。
【0116】
ステップ335は、メインユニット11からサブユニット本体50が
近距離無線通信回線16を介して画像を正常に受信したか、すなわち、スマートパーキングアシストシステム10が正常に動作しているか否かをステップ320で確認した後、画像が正常に受信できる場合には待機せず次の処理に移行し、画像が正常に受信できない場合には画像が正常に受信できるまで待機するという選択に係る処理を行うステップである。
画像が正常に受信でき、待機しない場合には、そのままモニタ画面56に、バックカメラ70及びフロントカメラ71で撮像した画像が表示され、ステップ340へ移行する。
画像の受信に不具合が有り、待機する場合には、ステップ330へ戻り、メインユニット11から送信される次の画像又は更新画像を受信できるように待機する。
また、画像が正常に受信できている場合には待機せずに次のステップへ移行するが、画像が正常に受信できず待機している場合にメインユニット11が有するクロック35で計時して、所定時間内に画像の正常な受信ができなかったとき、ステップ300に戻って再起動するようにしても良い。
【0117】
ステップ340は、割込要求信号を停止する処理を行うステップである。サブユニット本体50とメインユニット11が近距離無線通信回線16を介して正常に接続され、メインユニット11からの画像が正常に受信されてサブユニット本体50のモニタ画面56に表示できたとき、スマートパーキングアシストシステム10は正常に動作していると判断され、サブユニット本体50、又はリモコン26bからの割込要求信号は停止される。これによって、カメラ13で撮像した画像を強制的にモニタ画面56に表示させて、スマートパーキングアシストシステム10が正常に動作しているか否か確認するステップは終了する。
割込要求信号が停止した後は、ステップ345へ移行する。
【0118】
ステップ345は、起動させたアプリケーションソフトをデスクトップからバックグラウンドへ移行させる処理を行うステップである。これによって、サブユニット本体50の電源が入っている間は、メインユニット11からの通信画像信号を受信したときに即応可能なように、アプリケーションソフトを常駐させておくことができる。移行処理が終わった後、アプリケーションソフトは、サブユニット本体50でメインユニット11からの通信画像信号を待つスタンバイモードに移行する。
次に当該スタンバイモードについて説明する。
【0119】
ステップ350は、アプリケーションソフトが動作中であるか否かを判断する処理を行うステップである。正常に動作している場合には、ステップ355へ移行する。
一方、サブユニット本体50又はアプリケーションソフトに不具合があって、アプリケーションソフトが正常に動作していない場合にはサブユニット本体50又はアプリケーションソフトは、再起動される。
サブユニット本体50又はアプリケーションソフトが再起動したとき、アプリケーションソフトの常駐状態が解除されると共に、サブユニット本体50とメインユニット11との間の
近距離無線通信回線16もまた切断される。そのため、ステップ310に戻り、アプリケーションソフトを再起動し、
近距離無線通信回線16を再接続する処理が行われる。
【0120】
ステップ355は、アプリケーションソフトが正常に動作していると確認したうえで、
近距離無線通信回線16が正常な接続状態が維持されているか否かを確認する処理を行うステップである。
接続状態が維持されている場合には、ステップ360へ移行する。
接続状態が維持されておらず、
近距離無線通信回線16が断線している場合には、ステップ385へ移行する。
【0121】
ステップ360は、サブユニット本体50がメインユニット11から通信画像データに係る通信画像信号を受信したか否かを確認する処理を行うステップである。
確認した場合にはステップ365へ移行する。
確認できない場合はステップ350へ戻り、アプリケーションソフトの稼働状況を繰り返し確認すると共に通信画像信号を受信するまで待機するように形成されている。
【0122】
ステップ365は、既に起動してバックグラウンドに常駐しているアプリケーションソフトを、サブユニット本体50のモニタ画面56へ立ち上げる処理を行うステップである。これにより、アプリケーションソフトが最前面に表示されて、通信画像データに基づく画像をモニタ画面56へ表示する準備が完了する。モニタ画面56にアプリケーションソフトが立ち上がったら、ステップ370へ移行する。
【0123】
ステップ370は、メインユニット11から送信された通信画像データに基づく画像をモニタ画面56に表示する処理を行うステップである。これにより、パーキングアシストモード下で、フロントカメラ71又はバックカメラ70で撮像した画像をモニタ画面56に表示することができる。当該画像をモニタ画面56に表示するときの表示方法については図 に示すと共に上記ステップ130等の説明でも示しているので省略する。
【0124】
ステップ375は、メインユニット11からの通信画像データ送信が終了したか否かを判断する処理を行うステップである。
通信画像データの送信が終了したときは、ステップ375に続くステップ380へ移行して、アプリケーションソフトをバックグラウンドの常駐状態へ戻す処理が行われる。
通信画像データの送信が終了していないときは、ステップ370へ戻り、通信画像データの送信終了までモニタ画面56へ画像を表示する処理が繰り返して行われる。
ステップ380でアプリケーションソフトをサブユニット本体50のバックグラウンドに戻した後は、ステップ350に戻り、サブユニット本体50のバックグラウンドに常駐しているソフトとしてスタンバイモードで保持される。
【0125】
ステップ385は、ステップ350でアプリケーションソフトに不具合が起きて再起動するとき、また、ステップ310、ステップ320、ステップ355でサブユニット本体50とメインユニット11との間の
近距離無線通信回線16が断線しているとき、モニタ画面56にエラーメッセージを表示すると共に、アプリケーションソフトを再起動したり、
近距離無線通信回線16の再接続したりするリカバリー処理を行うステップである。これによって、ユーザーは、エラー原因を知ることができる。ステップ385でリカバリー処理した後は、ステップ310へ移行して、アプリケーションソフトの起動から、スタンバイモードに係るステップ350まで繰り返される。
【0126】
上記のスマートパーキングアシストシステム10によれば、サブユニット本体50と別体に設けたキータグ51をドライバーが持ち運ぶことによって、自動的にパーキングアシストモードとセキュリティモードとを切り替えることができるようにした。
これにより、運転中にはドライバーの運転操作をアシストし、駐停車中にはセキュリティ装置として働くスマートパーキングアシストシステム10を、安価で容易に導入することができる。
また、キータグ51を別体に設けることによって、携帯端末装置からなるサブユニット本体50にメインユニット11との距離を計測するためのセンサ等を別途設けなくとも容易にスマートパーキングアシストシステム10を導入することができる。
【0127】
また、スマートパーキングアシストシステム10は、サブユニット本体50をスマートフォン、携帯電話、或いはタブレット型端末装置又はこれらに類する携帯端末装置で流用するようにした。これにより、新規にモニタを車体に取り付ける必要が無く、導入コストを抑え、取付工程の手間を省くことができる。
そして、メインユニット11とサブユニット本体50は、ドライバーの運転操作を支援するパーキングアシストモードのときは、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した
近距離無線通信回線16で接続されるようにした。これにより、サブユニット本体50を車載するときに特別な配線作業を行わなくても容易に当該サブユニット本体50をメインユニット11と関連付けて車体へ取り付けることができる。
なお、本実施例によれば、メインユニット11とサブユニット本体50とはBluetooth(登録商標)規格に準拠した通信方式で接続するようにしたので、たとえば、既設の車載オーディオシステムやカーナビゲーションシステムが当該Bluetooth(登録商標)に対応している場合には、これら車載オーディオシステムやカーナビゲーションシステムが有するモニタを流用することもできる。この場合にはセキュリティモードのとき、撮影した画像を車載オーディオシステムやカーナビゲーションシステムの外部記憶媒体に記録するようにしても良い。
【0128】
また、本実施例のスマートパーキングアシストシステム10によれば、パーキングアシストモードのとき、メインユニット11は、コーナーセンサ80のうち、フロントセンサ80a,80bが反応したときはフロントカメラ71で撮像した画像を、バックセンサ80c,80d,80e,80fが反応したときはバックカメラ70で撮像した画像を、フロントセンサ80a,80bとバックセンサ80c,80d,80e,80fの双方が反応したときはフロントカメラ71及びバックカメラ70で撮像した画像を、自動的に切り替えて送信するようにした。
これにより、サブユニット本体50側で特に操作しなくても自動的に画像を表示させることができるので、ドライバーはサブユニット本体50の操作に気を取られること無く、運転操作に集中することができる。
【0129】
そして、本実施例のスマートパーキングアシストシステム10によれば、セキュリティモードのとき、エンジンロック手段38がエンジンのスタータの動作を停止させて、エンジンをロックするようにした。これにより、従来のカーセキュリティ装置がエンジンロックするためにドアロックと連動する専用ドアロックキーを設けていたのと比べて、当該専用ドアロックキーを設ける必要が無いので、メインユニット11を車体へ容易に取り付けることができる。
また、セキュリティモードのとき、センサ14が異常を検知した場合に撮像した車両周辺又は車内の画像を静止画又はコマ落ち動画でメインユニット11からサブユニット本体50へ、携帯電話回線である遠距離無線通信回線17を介して送信するようにした。このように静止画又はコマ落ち動画の場合には、送信するデータ容量を抑えることができるので、撮像した画像を即時送信することができる。これにより、サブユニット本体50側で異常検知に気付いたドライバーは、検知された異常事態に即応することができるので、車上荒らしや当て逃げ等の被害を最小限に抑えることができる。
【0130】
そして、セキュリティモードのとき、ルームライトを点灯して撮影するようにした。これにより、カメラ13は鮮明な画像を撮影することができ、また夜間であれば、ルームライトの点灯によって、車内に侵入した或いは侵入しようとする者に対して威嚇することができる。さらにまた、ルームライトの点灯と共にシャッター音を響かせるようにしたので、侵入者を威嚇することができ、侵入者が撮影されたことを知ることによって、被害を最小限に抑えることが期待できる。