特許第5978488号(P5978488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5978488鳥を原料とした出汁用食材の製造方法及び製造された食材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5978488
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】鳥を原料とした出汁用食材の製造方法及び製造された食材
(51)【国際特許分類】
   A23B 4/03 20060101AFI20160817BHJP
   A23L 13/50 20160101ALI20160817BHJP
【FI】
   A23B4/04 501A
   A23L13/50
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-75652(P2015-75652)
(22)【出願日】2015年4月2日
【審査請求日】2015年5月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515090400
【氏名又は名称】株式会社フィールドクロップ
(74)【代理人】
【識別番号】100132920
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 新平
【審査官】 北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−174358(JP,A)
【文献】 特開2007−043952(JP,A)
【文献】 特表平08−503849(JP,A)
【文献】 特開2001−069950(JP,A)
【文献】 特開昭60−224443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B 4/00−7/16
A23L 13/00−13/70
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
FROSTI(STN)
FSTA(STN)
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥肉を原料とし、鳥肉の皮の部分及び脂肪部分を包丁で除去する脱脂工程、脱脂された鳥肉を1〜5mmの範囲の大きさに細断する工程の後、脱脂細断された原料に対し、薄層化する加圧工程と乾燥する脱水工程を同時に行い、厚さが0.01〜1mmに薄層化され、水分量が5〜10重量%にまで脱水される出汁用食材の製造方法。
【請求項2】
細断された鳥肉を40〜50℃の湯に浸漬させて残った脂肪分を脱脂する後脱脂工程の後、脱脂細断された原料に対し、加圧工程と脱水工程を同時に行うことを特徴とする請求項1記載の出汁用食材の製造方法。
【請求項3】
脱脂細断された原料に対し、ドラムの表面温度100〜140℃の加圧ドラムで加圧工程と脱水工程を1秒〜5分間、同時に行うことを特徴とする請求項1又は2記載の出汁用鳥食材の製造方法
【請求項4】
加圧工程と脱水工程を、ドラムの表面温度110〜135℃のダブル型のドラムドライヤーで1秒〜5分間、同時に行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の出汁用鳥食材の製造方法
【請求項5】
鳥肉が、鶏肉のササミ又は鶏肉の胸肉であって、脱脂細断された原料に対し、ドラムの表面温度110〜135℃のダブル型のドラムドライヤーで、加圧薄層化、ついで、ドライヤー表面に貼り付けて乾燥することで、厚さが0.01〜0.02mmに薄層化されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の出汁用鳥食材の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥肉を原料とした新規な食品の製造方法及び製造された食材に関するもので、特に、出汁として使用するのに適した鳥食材の新規な製造方法である。
【背景技術】
【0002】
鳥肉、特に鶏肉は、牛肉、豚肉等と比較して安価であり、国内自給率も高く、飼育個体数は6〜7億羽と、牛の289万頭、豚の818万頭と比較して多数であり、重要な食材である。一方、我が国では、和食文化の中で魚介類が食されてきた。特に、和食の出汁では、カツオ出汁、昆布出汁等が知られている。例えば、かつお出汁は、カツオ節等を削った削り節を煮出すことで得られる。ところで、鶏も鶏がらスープ等、鶏のエキスをスープあるいは出汁として使用されている。
【0003】
ところで、削り節は、種々の食品に添加して食べられ、あるいは出汁として使用されるなど、きわめて広範囲な用途に使用されている。削り節の原料として、かつお、さば、まぐろ、いわし、あじ等の魚類が使用される。削り節の原料が魚類であることは日本農林規格にも規定される(非特許文献1)。
【0004】
すなわち、削り節とは、(1)かつお、さば、まぐろ等の魚類について、その頭、内臓等を除去し、煮熟によつてたん白質を凝固させた後冷却し、水分が26%以下になるようにくん乾したもの(以下「節」という。)又は節(かつおにあつては、表面を削つたもの)に2番かび以上のかび付けをしたもの(以下「かれぶし」という。)を削つたもの、(2)いわし、あじ等の魚類を煮熟によつてたん白質を凝固させた後乾燥したもの(以下「煮干し」という。)又はこれらの魚類を煮熟によつてたん白質を凝固させた後圧搾して魚油を除去し乾燥したもの(以下「圧搾煮干し」という。)を削つたものをいう。(3)1と2を混合したもの、をいう。
【0005】
削り節はその規格から水分が9%以上17%以下とされるが、機密性のある容器に入れ、かつ、不活性ガスを充填したものにあっては21%以下であることとされている。また、削り節のもとの一つである本枯節の場合、天日干しでは水分が13〜15%であるとの記載がある(非特許文献2)。
【0006】
削り節は、美味で種々の状態で食べられる。しかし、原料を魚類に特定しているので、大きな形状にスライスして高級な削り節を製作すると、原料コストが高くなる。特に、大きなかつおやまぐろ等の高級魚を原料にすると削り節の価格も高価なものとなる。
【0007】
また、魚類の削り節は、アミノ酸の一種であるヒスチジンが多く含まれるが、このヒスチジンからは、アレルギー様食中毒に関与するヒスタミンが大量に生成されることが指摘されている。アレルギー対策として、削り節の原材料として食肉を試験した結果、鶏肉が魚肉に極めて類似していることを見いだし、鶏肉で削り節を製造することが提案されている(特許文献1、2)。
【0008】
各種食品のタンパク質のアミノ酸組成については、非特許文献5の25ページに記載があり、畜肉タンパク質の栄養価と魚肉タンパク質の栄養価とはほとんど違いが無い。また、グルタミン酸の含量はカツオよりも若鶏(胸肉)の方がやや優れる。また、後述の通りヒスチジンの含有量が少ないという特徴もある。従って、鶏肉を使用した節は鰹節に代わる出汁用素材として期待されている。
【0009】
一方、鶏肉については、廃鶏を原料としてこれを乾燥してスライスした食品が、酒の肴として、また珍味として食べるものがあった(特許文献3)。しかしこのものは削り節としての風味はないと指摘されている(特許文献1)。
【0010】
特許文献1で指摘されているが、鶏肉の「胸肉」のみを特定して使用することにより、ヒスチジンの含有量が極めて少なく、しかも、魚類の削り節に近似する極めて美味な風味の削り節を安価で開発できたとしている。しかし、特許文献1で提案された削り節は、塩漬けした鶏の胸肉を加熱してから乾燥するので削りが脆く大きな削りができないとの指摘がある(特許文献4)。また、鰹節に比較して製造期間は短くなるが、約40時間を要していて、特に、熱処理の時間が長いことから、うま味成分の損失が問題となる。
【0011】
特許文献4では、トマトソースを含む調味料で味付けした鶏胸肉を加熱乾燥する方法が提案されている。調味料として、トマトビューレ、醸造酢、還元水飴、食塩、グルタミン酸ソーダ等が添加されており、エキス分が高まってはいるものの、鶏本来の風味は失われているといえる。
【0012】
特許文献5には、削り節状食品として、鶏胸肉を除く食肉を脂肪分5重量%以下に調整した後、水分率9〜35重量%に乾燥した後、食肉を薄片状等にしたものが提案されている。しかし、この食品は、チキンエキス等での調味工程があり、鶏肉本来の風味を得られるものとはなっていない。一般に、エキスとは、食肉等の食品を加熱等の処理をして得られた液体抽出物を、種々の処理で固形化したものであるとされている。
【0013】
特許文献6には、鶏枯節とその製造方法が提案されている。ここで、鶏枯節とは、直火処理又は煮熱などの加熱処理した後処理した鶏肉を燻乾し、かび付けしたものとしている。かび付けしていない節を用いると出汁に白濁が生じるという問題があると指摘している。かび付けした節では白濁の生じない出汁がとれると記載されている。しかし、燻乾及びかび付けに2週間以上の日数を有するので、製造工程がコスト高となるという問題がある。
【0014】
また、直火処理又は煮熱などの加熱処理などの工程を経ると、うま味成分であるイノシン酸の減少を起こすという記載もある(非特許文献5)。さらに、最も考慮すべきは、節製造中における成分の変化である。例えば、鰹節の場合、うま味に最も影響を与えるイノシン酸は、原料から本枯節とする工程で、69.1%に減少することが知られている(非特許文献5)。例えば、節製造の煮熱工程で、89.9%に減少し、乾燥終了後に74.6%に減少し、かび付け後に69.8%に減少し、本枯節となる69.1%減少する(非特許文献5)。なお水分は74.3%から15.1%にまで減少する。原料としての核酸やタンパク質の成分値が類似しているカツオと鶏肉では、鶏肉を原料として節を作るとカツオと同様にイノシン酸の消失が起こると考えられる。
【0015】
ところで、鰹節のうま味成分の主成分がイノシン酸であり、うま味は、イノシン酸とおよそ20種類に及ぶアミノ酸の相乗効果によって生み出されているとの報告がある(非特許文献6)。また、かつお節製造中における成分の変化として、α−アミノ酸態窒素が、煮熱、乾燥等の工程を経て39%減少するので(非特許文献5)、節の製造工程では、うま味成分としてのイノシン酸とうま味成分としてのアミノ酸も消失していると考えられる。
【0016】
節製造の煮熱工程の温度は90〜95℃で、時間は60〜90分である(非特許文献5)。従って、節製造の一般的な工程を適用することはイノシン酸の消失を招き、出汁用食材の製造法としては改善の余地がある。鶏の胸肉を加熱することによりエキス分が抜けることは特許文献1,2で指摘されている。特許文献1,2の鶏節の製造方法では、蒸気で蒸す方法がとられているが加熱時間は15分〜1時間であり、タンパク質の変性を起こす温度であることが示唆されている。また、続く乾燥工程では80℃の熱風で20時間かけている。このような加熱時間ではイノシン酸の消失が起こることは避けられない。
【0017】
一方、特許文献7には、肉類を細断と同時又はその後に酵素処理して肉類加工食材のフレーク状、パウダー状、ペースト状製品とする方法が示されている。この方法で得られるものは、肉そのものではなくタンパク質分解物等であり肉本来の風味は失われるという問題がある。また、乾燥エキスについても特許文献8及び9の取り組みがある。エキスとは、動植物から熱等の処理をして抽出したものである。特許文献8及び9では、動植物から抽出したエキスと種々の添加物から乾燥エキスがドラムドライヤーで製造する方法が記載されている。添加物としては、賦形剤、調味料(グルタミン酸ソーダ等)、デキストリン等が記載されている。出汁として市販されているもの乾燥エキスと添加物からなるものはその安全性について指摘されている(非特許文献4)。なお、日本の伝統的な「にぼし」についても、添加物として酸化防止剤が添加されていることが指摘されている。一方、かつおぶし(鰹節を削ったもの)」はかかる添加物が添加されていない(非特許文献4)。
【0018】
なお、液状あるいはスラリー状食品を界面活性剤の存在下で真空ドラムドライヤーにより乾燥する乾燥方法がある。この方法では、界面活性剤を加えないと、突沸・発泡が起こり乾燥不可としている(特許文献10)。また、食品原料にデンプンを混合してドラムドライヤーで乾燥した事例がある。リンゴペースト、動物エキスとデンプンを混合すると良好なものが得られるとするが、デンプンを加えないと不可であるとしている(特許文献12)。すなわち、添加剤を加えない状態で、エキスではないもとの肉の状態でドラムドライヤーを使用した方法については報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2002−112698号
【特許文献2】特許第3564084号(特許文献1の特許公報)
【特許文献3】特開昭54−44063号
【特許文献4】特開2004−37号
【特許文献5】特開2003−225073号
【特許文献6】特開2003−158992号
【特許文献7】特開2001−69950号
【特許文献8】特開平11−332505号
【特許文献9】特開2001−149036号
【特許文献10】特開2006−101823号
【特許文献11】特開2012−19783号
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】一般社団法人全国削節工業協会ホームページ欄の「削りぶしのJAS規格概要」
【非特許文献2】図解食品加工プロセス86〜89ページ(株式会社工業調査会2003年10月10日)
【非特許文献3】専門調査レポート 阿波尾鶏で活性化する徳島県の食鶏産業から「鶏肉(むね肉)節の成分」(原著徳島県畜産試験場研究報告、平成10年8月)
【非特許文献4】「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物(大和書房2014年7月1日)
【非特許文献5】文部科学省「食品製造」(文部科学省著作教科書水産309)25ページ、107〜111ページ(実教出版株式会社2014年2月25日)
【非特許文献6】「かつお節のうまみのヒミツ」柳屋本店のホームページhttp://www.yanagiya.co.jp/shokuiku/taste.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
調味成分等の添加物、エキス成分等を加えず、素材本来の特長を生かした新たな出汁素材を提供することを目的とする。すなわち、肉本来の風味成分に富んだ原料を使用した新規な食材の製造方法及び製造された食材を提供することを目的とする。さらには、鰹に替わる素材として提案されている鶏節を原料とする削り節と比較して、製造工程が短期間であり、うま味成分の消失が起こりにくい新規な鳥食材の製造方法を確立ことを目的とする。
併せて、肉本来の風味成分に富んだ原料を使用して、ドラムドライヤーを用いた製造工程の確立を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
〔1〕鳥肉を原料とし、鳥肉の皮の部分及び脂肪部分を包丁で除去する脱脂工程、脱脂された鳥肉を1〜5mmの範囲の大きさに細断する工程の後、脱脂細断された原料に対し、薄層化する加圧工程と乾燥する脱水工程を同時に行い、厚さが0.01〜1mmに薄層化され、水分量が5〜10重量%にまで脱水される出汁用食材の製造方法。
〔2〕細断された鳥肉を40〜50℃の湯に浸漬させて残った脂肪分を脱脂する後脱脂工程の後、脱脂細断された原料に対し、加圧工程と脱水工程を同時に行うことを特徴とする〔1〕記載の出汁用食材の製造方法。
〔3〕脱脂細断された原料に対し、ドラムの表面温度100〜140℃の加圧ドラムで加圧工程と脱水工程を1秒〜5分間、同時に行うことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の出汁用鳥食材の製造方法
〔4〕加圧工程と脱水工程を、ドラムの表面温度110〜135℃のダブル型のドラムドライヤーで1秒〜5分間、同時に行うことを特徴とする〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の出汁用鳥食材の製造方法
〔5〕鳥肉が、鶏肉のササミ又は鶏肉の胸肉であって、脱脂細断された原料に対し、ドラムの表面温度110〜135℃のダブル型のドラムドライヤーで、加圧薄層化、ついで、ドライヤー表面に貼り付けて乾燥することで、厚さが0.01〜0.02mmに薄層化されることを特徴とする〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の出汁用鳥食材の製造方法
【発明の効果】
【0023】
本発明の方法によれば、鳥肉本来の風味成分に富んだ鳥肉のみを原料とした鳥食材が得られる。本発明によれば、薄層化された鳥食材が得られるので、削るという工程を必要としない。従って、鶏節の削り節のような削りが脆く大きな削りができないという不都合は生じない。また、筋肉繊維が寸断されているので、筋肉繊維の残っている削り節と比較して、出汁の成分にうまみ成分がでやすいという特徴を有する。また、そのまま食した場合、適度の歯ごたえと柔らかさがあり、口に入れたときの垂下性に優れた食材が得られる。脱水工程を経ているので、鳥食材の保存性が高まる。そして、熱がかかる時間が少ないのでうま味成分の損失が少ない。結果として、出汁用食材として使用したときに、うま味成分に富んだ出汁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に用いるドラムドライヤーの説明図である。
図2】原料供給部から原料が投入された時の写真である。
図3】スクレバーで加圧脱水の終わった食材を掻き取っている時の写真である。
図4】受け器に集めた製造直後の食材の写真である。
図5】鶏ささみを原料とした試作品(試料2)の写真である。
図6】市販の鳥の削り節(比較1)の写真である。
図7】鶏ささみを原料とした試作品(試料2)の顕微鏡写真である。
図8】市販の鳥の削り節(比較1)の顕微鏡写真である。
図9】市販の鳥の削り節(比較2)の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の鳥肉食材の製造方法を実施するための最良の形態について、具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える限りにおいて広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
本発明は、脱脂工程、細断工程、加圧工程、脱水工程からなる。加圧工程は原料を加圧して薄層化する工程である。脱水工程は薄層化された原料を乾燥する工程である。加圧工程と脱水工程は同時にあるいは連続して行ってもかまわない。うま味成分の損失を防ぐという本発明が解決しようとする課題を解決するためにも、製造工程の時間短縮、加熱時間の短縮の点からも、加圧工程と脱水工程は同時に行うことが望ましい。
【0027】
本発明に使用する鳥肉は、例えば、鶏、合鴨、アヒル、七面鳥等が挙げられる。我が国の供給状況を考慮すると鶏が最も一般的に利用することができる。なお、鶏肉は、一般に、もも肉、胸肉、ササミ等に分類される。そして、部位により脂肪分の付き方が異なる。例えば、ササミは脂肪分が少なく、もも肉が最も脂肪分が多い。しかし、例えば、鶏肉は、牛等に比べて、肉の部分と脂肪の部分が比較的分離しやすいという特徴がある。例えば、霜降り牛肉、豚バラ肉は肉(赤身)と脂肪部分が複雑に絡み合い脂肪分を分離することは難しい。本発明では、肉に調味料、添加物、その他の化学物質を加えることはない。例えば、デンプン、塩、界面活性剤等を加えることなく、食肉のみで処理される。
【0028】
〈脱脂工程〉
本発明では鳥肉の脱脂を行う。鳥肉の脱脂工程は、用いる鳥肉の部位によってそのやり方は異なるが、包丁での処理により行う。本発明では、化学的処理や節の煮熱工程に相当する熱湯処理等を使って脱脂する工程は排除されている。化学的処理や熱湯処理では、鳥肉に含まれるうま味の元であるイノシン酸が失われる。このことは、例えば、脱脂する工程に、煮熱という方法を用いると、例えば、節製造の煮熱工程で、89.9%に減少することは前記非特許文献5の記載にある。本発明では、例えば、鶏肉が冷凍品の場合は解凍してから、生肉の場合はそのままの状態で、脂分を除去する。例えば、鶏肉のもも部及びむね部については包丁により皮の部分と脂肪分を除去することにより脱脂する。例えば、鶏肉のささみ部はその端についた脂肪部を取り去ることで脱脂する。
【0029】
鶏肉以外の例えば、合鴨、アヒル、七面鳥等の鳥肉についても、肉の部位の特徴に従って包丁で脱脂することができる。なお、鳥肉は、牛肉、豚肉等の獣肉よりも脱脂が容易である。
【0030】
〈細断工程〉
鳥肉の細断工程について、細断処理の方法およびそれに使用される細断装置については、特に、限定されない。細断装置としては、例えば回転円筒式ミル(ポットミル,チューブミル,コニカルミルなどの転動タイプのミル)、震動ボールミル(粉砕容器を高速で震動させ、容器内のボール同士を衝突させる方式のボールミル)、遠心式ボールミル(粉砕容器に自転と公転とを与え、容器内のボールに遠心力を加えて、ボールと容器壁との間に摩擦力を生じさせる方式のボールミル:例えば遊星ボールミル,ハイスウィングミル,プラネタリーミル)、媒体攪拌式ミル(粉砕容器内に挿入したアジテータを高速で回転させることによって、容器内のボールを激しく攪拌し、ボール間に剪断摩擦力を生じさせる方式のミル)、コロイドミル(高速に回転するロータとケーシングとの間でスラリに剪断力を与える方式のミル)などのほか、ミートチョッパー、ミートグラインダーなどが挙げられる。細断処理による肉類の微細化の程度は特に限定されない。例えば、1mm〜5mm、特に、3mmであることが好ましい。この3mmというのは、細断装置としての機械を調整する値である。例えば、回転円筒式ミルでは、肉の押し出し穴の内径を3mmに調整して細断することを意味する。弾力のある鳥肉を切るので、押し出し穴の内径を3mmに調整して細断後に肉の大きさを測定すると、肉は1〜5mmの範囲の大きさのものとなっている。
【0031】
鳥肉の細断は、例えば、鶏の胸肉、もも肉、ササミ、鴨肉等の鳥肉を単一種のみでまたは二種以上のものを任意の比率で配合して用いることもできる。例えば、鶏胸肉と鶏もも肉を配合して、例えば、鶏の合い挽きミンチとすることができる。
【0032】
本発明では、細断工程があるので、例えば、廃鶏を使用することもできる。廃鶏とは、一般に、産卵の終わった鶏であり、若鶏(ブロイラー)に比較して堅い肉質のため、食用肉としては市場価値は低いが、肉としては熟成されているので、出汁を取るには好適とされる。本発明では、細断工程を経ることで、廃鳥は細かく刻まれるので、廃鶏由来の鶏肉は、例えば、ささみと混ぜたり、又は廃鶏単独で、本発明の原料として利用できる。
【0033】
なお、鳥肉の量が60重量%以下とならない範囲で、その他の肉、例えば、牛肉、豚肉等の細断した肉を出汁の用途に対応して加えることができる。例えば、鳥と豚由来の出汁を求めるラーメン等には、鳥、例えば、鶏のささみに、豚のもも肉を加えることもできる。また、豚のもも肉に替えて、いわゆるもつ肉を加えることも用途によっては望ましい。牛肉の場合は、例えば、すね肉を加えることがスープ等の用途には望ましい。
【0034】
更に、和風出汁の用途には、魚肉を加えることが望ましい。魚肉としては、例えば、いわし、さば、あじ、たら、さけ等の魚を挙げることができる。本工程では生魚を使用するのが望ましい。例えば、形が良くなく市場価値の低い魚の活用として有効と考えられる。なお、野菜、例えば、にんじん、たまねぎ、ねぎ、その他の香味野菜を加えることも西洋料理の出汁用としては望ましい。この場合、野菜の細断は、例えば、回転円筒式ミルで、押し出し穴の内径を3mmに調整して肉等と同程度の1〜5mmに細断することが望ましい。
【0035】
〈後脱脂工程〉
脱脂は前述の脱脂工程(機械的脱脂工程)で十分であるが、細断工程の後で加圧工程の前に、特に、脂肪分が比較的取りにくい鶏胸肉について、後脱脂工程を設けるのが望ましい。細断工程を経てミンチ化された鳥肉、特に、鶏肉の胸肉は、40〜50℃の湯に2〜10分浸透させて残った脂肪分を脱脂する。鶏肉の油脂分の融点は29〜33℃なので、ミンチ化した鶏の胸肉は40〜50℃の湯で充分除去することができる。湯につかった鳥肉は、例えば、網ですくい水分を含んだままで次の工程に投入する。また、鶏肉は60℃以上では、そのタンパク質が変性するおそれがあるが、後脱脂工程は、節製造工程のように90℃の熱湯で煮熱しないので、鶏胸肉からイノシン酸とアミノ酸が失われることが防止される。
【0036】
〈加圧工程〉
加圧工程では、細断した鳥肉が加圧圧縮により、薄層化したものが得られる。例えばローラー、プレス等の方法で、鳥肉を引き延ばすと薄層化したものが得られる。例えば、1組の加圧ローラーで細断した鳥肉を加圧する方法、例えば、金属テーブル上に細断した鳥肉を用意して、プレスする方法等により、厚み0.01〜1mmのシート状のものが得られる。好ましくは、0.02〜0.5mmのシート状のものとされる。鳥肉は加圧工程で、細断済みの肉の組織はさらに圧縮されるので密なものとなる。
【0037】
〈脱水工程〉
脱水工程に用いるドライヤーは、脱水乾燥のみのドライヤーのほか、加圧を同時に行うドラムドライヤーも用いることができる。ドラムドライヤーを用いる場合は、細断した肉を直接用いることができる脱水工程で食材の水分は15重量%以下、好ましくは5〜10重量%にまで脱水する。フリーズドライ、ドラムドライヤー等工程の選択は、肉の種類によって選択することもできる。
【0038】
加圧工程と脱水工程を連続して行うことが望ましいが、さらにすすめて、同時進行的に行うことが、特に望ましい。うま味成分の損失が防止されるからである。そのような機械として、例えば、ドラムドライヤーを挙げることができる。本発明で、「加圧工程と脱水工程を同時に行う」とは、加圧工程と脱水工程を同時進行的に一台の機械又は設備で行うことを含む。例えば、ドラムドライヤーで、加圧工程と脱水工程を連続して行う様な工程を本発明では、「加圧工程と脱水工程を同時に行う工程」に含める。
【0039】
ドラムドライヤーとは、回転するドラム(円筒)の内部に熱媒体(一般には蒸気)を投入し、加熱されたドラムに液状原料を供給し、蒸発・濃縮を行うと同時に、ドラムの表面に薄膜状に付着させ、すみやかに蒸発乾燥を行い、ドラムが1回転する間に乾燥物は固定されたナイフ(スクレバー)でもって連続的にドラム表面より掻き取るという、伝導加熱型の乾燥機である。また、真空式ドラムドライヤとは、通常の常圧式ドラムドライヤのメカニズムを、真空チャンバーの中に組み入れ、機能上減圧状態にて連続運転を可能な形にしたドラムドライヤである。乾燥が低温で行われるため、熱源も低圧のスチーム、または、温水を使用できるという利点がある。従って、うま味成分の損失は抑えられる。
【0040】
本発明に用いられるドラムドライヤーに特に限定は無い。ドラムドライヤーはドラムの本数によりダブルドラム型、ツインドラム型、シングルドラム型に分類される。本発明では、原料の肉に熱がかかる時間が短いほど、うま味成分の損失が抑えられ、薄層化のための加圧工程と乾燥のための脱水工程を同時に行うことが好ましい。従って、ダブルドラム型とツインドラム型が好ましく、特にダブルドラム型が最も好ましい。
【0041】
本発明では、ダブルドラム型で、ドラム温度を100〜140℃、特に、110〜135℃であることが好ましい。図1にダブルドラム型のドラムドライヤーを用いた加圧工程と脱水工程を示す。2本のドラムドライヤー1、ドラムに蒸気を通す蒸気供給器2、ドレイン回収装置8からなる。2本の相対するドラム1を互いに矢印の方向に回転させる。ドラムには、蒸気供給器2から矢印の方向に蒸気が供給され、ドラムドライヤーを温める。液化したドレインはドレイン回収装置8に従って矢印の方向に回収される。原料供給器3の矢印に従い、脱脂、細断された鳥肉がドラムの間9に投入される。投入された鳥肉は、1対のドラムドライヤー1により加圧されると同時に脱水される。脱水された鳥肉は、ドラムドライヤー1の表面10に張り付いた状態でスクレバー4の掻き取り位置11に達すると、スクレバー4で掻き落とされて、収集器5をへてベルトコンベア6上に落ちる。コンベア6から受け器7に集められる。図2は、原料供給部3から原料がドラムドライヤーに投入された時の写真である。図3は、スクレバーで加圧脱水の終わった食材を掻き取っている時の写真である。図4は、受け器に集めた製造直後の食材の写真である。
【0042】
本発明では、乾燥時のドラム表面温度は110〜130℃、ドラムクリアランスは0.1〜1.00mm、ドラム回転数は0.2〜10rpmが好ましい。かかる設定で運転することにより、厚さが0.01〜1mmのもの、特に表1の結果のように0.02mmのものを最終的に得ることができる。細断された鳥肉をドラムの間9に投入すると、まず、ドラムで加圧され薄層化される。薄層化された鳥肉はドラム表面に貼り付く。貼り付いた鳥肉はドラムで加熱されることになるが、鳥肉が加熱される時間は、1秒〜5分が望ましく、1秒〜3分が特に望ましく、1秒〜2分が最も好ましい。例えば、ドラムドライヤーを2rpmで回転させると、加圧薄層化された鳥肉は、ドライヤー表面に、20〜25秒貼り付いた後スクレバーで掻き取られる。また、2.5rpmで回転させると、加圧薄層化された鳥肉は、ドライヤー表面に、15〜20秒貼り付いた後、スクレバーで掻き取られる。3rpmで回転させると、加圧薄層化された鳥肉は、ドライヤー表面に、10〜15秒貼り付いた後、スクレバーで掻き取られる。この間の加熱時間は、20〜25秒貼り付いた場合で、15〜21秒間、15〜20秒貼り付いた場合で、9〜16秒間、10〜15秒貼り付いた場合で、4〜11秒間、110〜130℃で加熱されることになる。加圧薄層化直後の鳥肉は水分を含んでいるので、ドラムドライヤーを2〜3rpmで運転すると、鳥肉が加熱乾燥される時間は貼り付いている時間よりも4〜6秒短くなる。以下、本発明について詳細に説明する。
【実施例】
【0043】
ジョンソンボイラ社製ドラムドライヤーを用いて加圧工程と脱水工程を連続して行うことにより、水分を10重量%以下まで減少させる工程について、ドラムドライヤーにより脱水能力試験を行った。条件と結果を表1に示す。原料として鶏胸肉を用いた。脱脂する工程は包丁で行い皮を落とした胸肉を得た、細断工程では、皮を落とした胸肉をミートチョッパーで4mmの大きさに細断した。後脱脂工程として、細断した鶏胸肉を45℃の温水で10分処理した。ドラムドライヤーを使用した加圧工程と脱水工程を経て、最終的に得られた試料の厚みは0.02mmであった。水分の測定は、株式会社ケット科学研究所製の赤外線水分計FD−660により行った。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から、ドラムドライヤーで脱水すると6.3〜7.6重量%まで脱水できることが明らかになった。蒸気圧力は0.2MPa、ドラム温度120℃、回転数3.0rpmを有効な条件とした。
【0046】
皮と脂肪を除去した鶏の胸肉500gをミートチョッパーにて細断して、3mmの細断した胸肉を得た。細断した鶏肉100gをとり、後脱脂工程を経てから、ドラムドライヤーにより加圧工程と脱水工程を連続して行った。ドラムドライヤーの運転条件は表1の4と同様の条件とした。製造した食材を試料1とした。
【0047】
皮と脂肪を除去した鶏のササミ500gをミートチョッパーにて細断して、3mmの細断したササミを得た。その他は実施例1と同一の操作を行った。製造した食材を試料2とした。図5は、試料2の写真である。比較として、図6に市販の鳥の削り節(比較1)の写真を示す。
【0048】
作成した食材は、以下の評価法によりその特性を評価した。比較として、丸本製地鶏の旨み(比較例1)、轟屋製鶏削り節(比較例2)、伊達鶏削り節(比較例3)、ヤマキ製花かつお(比較例4)を使用した。これらは、比較1〜3は、鶏肉を用いた削り節であり、比較4は鰹節を用いた削り節である。
【0049】
〈鳥食材の肉の形状〉
鳥食材の肉の表面形状について、顕微鏡写真を撮ることで、本発明のものと比較例を対比した。比較したのは、試料2と比較1、2である。図7は、試料2の写真であり、肉がつぶされ密となっていることがわかった。図8は比較1の写真であり、図9は比較2の写真である。図8,9には、繊維または鱗のような形状が認められる。一方、本発明の図7には繊維又は鱗のような形状は見受けられず、完全にすりつぶされていることがわかる。鶏節の削り節は、肉が細断されてすりつぶされた状態にはなっておらず、少なくとも一方向に肉の繊維が維持され残っている。すなわち、本発明の試料2は、肉があらゆる方向に細断すりつぶされて均一な形状となっていることが確認された。
【0050】
本発明の食材を出汁の材料として使用したときの評価は以下のようにして行った。実際に出汁を取る作業に近い評価方法として、食材20gを95〜100℃の熱水650g(cc)に投入し、2分間保持し、濾過した液を評価用の液とすることとした。
【0051】
〈イノシン酸の測定〉
イノシン酸の測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。結果を表2に示す。
【0052】
〈アミノ酸の測定〉
アミノ酸の測定は、日立製L8900型高速アミノ酸分析計を用いた。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
イノシン酸は、いわゆる旨み成分である。本発明の試料1、2からは、イノシン酸の旨みに富む出汁が得られることが確認された。市販品(比較1,4)に近いイノシン酸を含む出汁が得られた。なお、市販品(比較2,3)に比べて優れたものであることがわかった。また、うま味であるグルタミン酸については、本発明の試料1,試料2が、市販品である比較1〜4と比較して、3〜10倍優れることがわかった。従って、うま味は、イノシン酸とおよそ20種類に及ぶアミノ酸の相乗効果によって生み出されているとの報告(非特許文献6)からも、本発明により製造された食材を出汁用食材として使用したときに、うま味成分に富んだ出汁が得られることがわかった。
【0055】
また、甘み成分であるトレオニン、セリン、グリシン、アラニンについても、本発明の試料1,試料2が、市販品である比較1〜4と比較して、3〜10倍優れることがわかった。なお、疲労回復効果があるアンセリンについても、本発明の試料1,試料2が、市販品である比較1〜4と比較して、3〜8倍優れることがわかった。一方、本発明の試料1と試料2は、アレルギーの元であるヒスチジンの含有量が市販のヒスチジン対策品並の少なさであり、鰹節の削り節である比較4と対比して、1/200程度であることがわかった。
【0056】
〈保存性の測定〉
試料2と、比較例1,2について、寒天水平板培養法(35±1℃、48±3時間培養)により、gあたりの一般生菌数を測定することで評価した。
【0057】
【表3】




【0058】
試料2は市販品並の保存性を有することが確認された。即ち、菌の発生状況が比較1、2の既存鶏節並であり、かつ水分含量が比較1、2よりも少ない事から、既存品と比較してもより保存性の高い食材であることが確認された。
【0059】
出汁用食材の風味、官能試験〉
試料1、2と比較1〜4の出汁用食材の風味につき、柔らかさ、滑らかさ、噛み応え、飲み下し感について、検査員として8名の人間が、1人5段階評価で、各項目40点満点で官能試験を行った。結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
その結果、本発明の試料1、2と比較1〜4では有意差があることがわかった。即ち、本発明の工程により得られる食材はそのまま食した場合、適度の歯ごたえと柔らかさがあり、口に入れたときの垂下性に優れた食材であることがわかった。
【0062】
本発明は、既存の鶏節等では、断片肉、肉のブレンド等鶏肉の有効活用が難しい部位であっても、本発明の製造方法を用いれば、市販品並あるいはそれ以上の出汁用食材が得られる。また得られた食材はそのまま食しても好適な食感を有する優れた食材である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、優れた出汁用鳥食材の製造方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ドラムドライヤー
2 蒸気供給器
3 原料供給器
4 スクレバー
5 収集器
6 ベルトコンベア
7 受け器
8 ドレイン回収装置
9 ドラムの間(原料が投入されるところ)
10ドラムドライヤーの表面(加圧脱水後貼り付くところ)
11 スクレバー4がドラムドライヤーの表面にはりついた食材を掻き取る位置
【要約】      (修正有)
【課題】素材本来の特長を生かした、鰹に替わる新たな出汁素材である、鶏節を原料とする削り節と比較して、製造工程が短期間であり、うま味成分の消失が起こりにくい新規な鳥食材の製造方法の提供。
【解決手段】原料として、脱脂された鳥肉が鶏肉のササミを用い、細断工程の後、ドラムドライヤーを用いた加圧工程と脱水工程を同時に行うことを特徴とし、水分が5〜10重量%であり、厚さが0.01〜1mmである、出汁用食材、およびその製造方法。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9