(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は有用なメラニン生成抑制剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、このような状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ある化合物群が優れたメラニン生成抑制効果を有することを見いだした。
即ち本発明は、以下の[1]〜[7]の内容を含むものである。
[1](2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物を含有するメラニン生成抑制剤。
[2](2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物が、下記式(I)
(式中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルケニル基、又は置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アシル基を表し、破線は単結合又は二重結合を表し、破線が単結合のときAはCH
3を表し、二重結合のときAはCH
2を表す。)
の化合物を含有するメラニン生成抑制剤。
[3](2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物が、
5-メチル-(2-イソプロペニル)シクロヘキサノール、
3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1,2-ジオール、
3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1-オール、
2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-ヒドロキシブチレート、
2-(2-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)エトキシ)エタノール、
1-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-2-オール、
2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-オキソブチレートの中から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のメラニン生成抑制剤。
[4]前記[1]〜[3]に記載のメラニン生成抑制剤を含有することを特徴とする香料組成物。
[5]前記[1]〜[3]に記載のメラニン生成抑制剤を含有することを特徴とする美白剤。
[6]前記[1]〜[3]に記載のメラニン生成抑制剤を含有することを特徴とする香粧品。
[7]前記[1]〜[3]に記載のメラニン生成抑制剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、抑制効果の高いメラニン生成抑制剤を用いた香料組成物、美白化粧料等が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のメラニン生成抑制剤は、(2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物を含有する。
上記化合物は、好ましくは下記式(I)で表される構造を有する。
【0008】
式(I)中、Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルケニル基、又は置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アシル基を表す。また、破線は単結合又は二重結合を表し、破線が単結合のときAはCH
3を表し、二重結合のときAはCH
2を表す。
【0009】
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられるが、炭素数3又は4のアルキル基が好ましい。これらの基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
また、炭素数2〜6のアルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられるが、炭素数3又は4のアルケニル基が好ましい。これらの基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
また、炭素数1〜6のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘプタノイル基などが挙げられるが、炭素数3又は4のアシル基が好ましい。これらの基は直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
上記のアルキル基、アルケニル基、アシル基は置換されていてもよく、置換基としてはヒドロキシル基、低級アルコキシ基等が挙げられる。ここで、低級アルコキシ基としては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4のものであり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0010】
式(I)の具体的な化合物としては、5-メチル-(2-イソプロピル)シクロヘキサノール 、5-メチル-(2-イソプロペニル)シクロヘキサノール、3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1-オール、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-ヒドロキシブチレート、2-(2-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)エトキシ)エタノール、1-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-2-オール、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-オキソブチレート、2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-メチルシクロヘキサノール、2-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)エタノール、3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、1-(2-ヒドロキシ-4-メチルシクロへキシル)エタノン、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル2,2-ジヒドロキシアセテート、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルアセテート、4-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)-4-オキソブタン酸、5-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)-5-オキソペンタン酸などが挙げられる。
【0011】
これらの中でも好ましい化合物としては、5-メチル-(2-イソプロペニル)シクロヘキサノール、3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1-オール、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-ヒドロキシブチレート、2-(2-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)エトキシ)エタノール、1-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-2-オール、2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-オキソブチレートなどが挙げられる。
【0012】
(2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物は、既知の方法で製造したもの又は市販されているものを用いることができる。また、各化合物は、その光学活性体を用いても、ラセミ体もしくはジアステレオマー混合物を用いてもよい。
上記の(2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物はメラニン生成抑制作用を有し、当該化合物を配合した組成物とすることによりメラニン生成抑制剤を得ることができる。本発明のメラニン生成抑制剤は、(例えばパンテテイン-s-スルフォン酸、イソフェルラ酸、アスコルビン酸及びこれらの誘導体、アルブチン、コウジ酸、リノール酸、エラグ酸、グリチルリチン酸、甘草抽出物等の)公知の他のメラニン生成抑制剤と混合して使用することができる。
【0013】
さらに、本発明のメラニン生成抑制剤は、各種基剤や添加剤等と混合して、例えば香料組成物、美白剤、美白化粧料、香粧品、皮膚外用剤、美白用乳化化粧料、美白用クリーム、美白用化粧水、美白用油性化粧料、美白用パック剤、美白用ファンデーション等として用いることができる。また、他の美白剤等と混合して、相乗効果を持たせることもできる。上記の香料組成物等における(2-イソプロピル-5-メチル)シクロへキシル基又は(2-イソプロペニル-5-メチル)シクロへキシル基を1つ有する化合物の配合量は、所望のメラニン生成抑制作用等に従って当業者が適宜設定することが可能であるが、最終製品の総量を基準として0.00001〜10質量%が好ましく、0.0001〜1質量%がさらに好ましい。
本発明のメラニン生成抑制剤及び香粧品等は通常使用される製剤化方法にしたがって、製造することができる。
【0014】
本発明のメラニン生成抑制剤及び香粧品には、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、他の美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0015】
高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコーンとして、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルポリシロキサン等が挙げられる。アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
【0016】
防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。
高分子として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL等)等のビニル系高分子、ベントナイト等を挙げることができる。
増粘剤として、例えば、カラギーナン、トラガカントガム、クインスシード、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、グアーガム、キサンタンガム等を挙げることができる。
粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができる。
【0017】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
保湿剤として、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン、セラミド及びその誘導体等が挙げられる。
薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。
【0018】
本発明のメラニン生成抑制剤は、通常使用されている香料成分の1種又は2種以上を混合して、香料組成物とすることができる。
ここで言う「通常使用されている香料成分」としては、各種の合成香料、天然精油、合成精油、柑橘油、動物性香料などを挙げることができる。例えば、「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)1,2」(Steffen Arctender(1969))、「合成香料 化学と商品知識」(1996年3月6日発行、印藤元一著、化学工業日報社)、「周知・慣用技術集(香料)第I部」(平成11年1月29日、特許庁発行)に記載されているような広範な種類の香料成分を使用することができる。そのうちでも代表的なものとしては、例えば、α−ピネン、リモネン、cis−3−ヘキセノール、フェニルエチルアルコール、スチラリルアセテート、オイゲノール、ローズオキサイド、リナロール、ベンズアルデヒド、ムスコン、ムスクT(高砂香料工業株式会社登録商標)、テサロン(高砂香料工業株式会社登録商標)やメントールやメンタン骨格を有する誘導体などの冷感効果を有する香料などを挙げることができ、本発明化合物と併用することにより調合香料の香質や香調を改善したり、冷感効果を付与することが可能となる。
また、美白効果には、チロシナーゼ関連、表皮への輸送など、複数のステップが関与しており、背景技術に記載した代表的な美白活性を持つ化合物を初め、種々の美白剤を複数混合して使用することで、美白活性を強固にすることもできる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
(実施例1)色素細胞におけるメラニン生成抑制目視判定試験
プラスティック培養フラスコ(25cm
2)に5×10
4個のB-16メラノーマ細胞を播種し、10%血清を含むDMEM培地〔日本水産(株)商品名〕で5%二酸化炭素の存在下、37℃の温度で培養した。翌日、エタノールで希釈したテスト試料を培地中濃度が、3.13, 6.25, 12.5,25, 50 ppmになるように添加し、さらに4日間培養した。培養終了後、培地を除去し、リン酸緩衝溶液(以下、PBSという。)で洗浄後、トリプシン含有PBSを使用して細胞をフラスコから剥離させ、細胞懸濁液から遠心分離により細胞を回収した。得られた細胞をPBSで1回洗浄した後、沈渣の白色を目視観察した。比較対象として化合物2A、2Bを用いた。その結果を表1に示す。
(表1)メラニン生成抑制目視判定試験
【0020】
【0021】
活性:下記4段階にて活性を評価。
− :溶媒対照と同等(黒色)
+ :溶媒対照とわずかに差がある(黒灰色)
++ :溶媒対照と明らかに差がある(白灰色)
+++:細胞の着色が認められない(白色)
【0022】
化合物:
1A:(1R,2S,5R)-5-メチル-2-イソプロペニルシクロヘキサノール
1B:3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1,2-ジオール
1C:3-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-1-オール
1D:2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-ヒドロキシブチレート
1E:2-(2-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)エトキシ)エタノール
1F:1-(2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシルオキシ)プロパン-2-オール
1G:2-イソプロピル-5-メチルシクロへキシル 3-オキソブチレート
1H:2-イソプロピル-5-メチルシクロへキサノールズ
1I:(1S*,2S*,5R*)-2-イソプロピル-5-メチルシクロへキサノール
1J:(1S*,2R*,5R*)-2-イソプロピル-5-メチルシクロへキサノール
1K:(1R*,2R*,5R*)-2-イソプロピル-5-メチルシクロへキサノール
2A:N-エチル-5-メチル−2−イソプロピルシクロヘキサンカルボキサミド
2B:N,2,3-トリメチル−2−イソプロピルブタナミド
【0023】
表1の結果より、本発明の化合物は、目視判定試験において明らかにメラニン生成抑制活性が優れていた。
また化合物1C、1D、1F及び1Hは、目視判定試験においてメラニン抑制活性を有する物質として汎用されているアルブチンとほぼ同等、さらに化合物1Gにいたっては6.25 ppmにてアルブチンより高い活性が認められた。
【0024】
(実施例2)色素細胞におけるメラニン生成抑制定量試験
プラスティック培養フラスコ(25cm
2)に5×10
4個のB-16メラノーマ細胞を播種し、10%血清を含むDMEM培地で5%二酸化炭素の存在下、37℃の温度で培養した。3日培養後、エタノールで希釈したテスト試料を培地中濃度が、6.25 ppmになるように添加し、さらに2日間培養した。培養終了後、培地を除去し、リン酸緩衝溶液(以下、PBSという。)で洗浄後、トリプシン含有PBSを使用して細胞をフラスコから剥離させ、細胞懸濁液から遠心分離により細胞を回収した。得られた細胞に2 ml DMEM培地を加え、軽くピペッティングを行い細胞を分散させた。その100 μlを1×10
4〜5×10
5個/mlとなるようにDMEM培地で希釈し、Scepter
TM 2.0自動セルカウンター(メルクミリポア)で細胞数の計測を行い、細胞増殖率を求めた。細胞増殖率は下記式により求めた。
【0025】
【数1】
【0026】
残りの細胞懸濁液は、再び遠心分離し培地を取り除いた。その後、よく冷やした5%トリクロロ酢酸1 mlにて洗浄、遠心分離の操作を3回繰り返し、さらにエタノール/エチルエーテル(3:1容量比)を1 ml加え2回洗浄、遠心分離した。最後にエチルエーテル1 mlにて1回洗浄、遠心分離し、over nightで風乾し細胞を乾燥させた。乾燥した細胞に2NのNaOHを加え、60℃水浴中にて細胞中のメラニンを溶解し、冷却した後、マイクロプレートリーダー(BIO-RAD MICROPLATE READER Benchmark-)を用いて415 nmの吸光度を測定した。測定値は合成メラニン(ナカライテスク)の検量線により換算して細胞10
6個あたりのメラニン量を算出し、メラニン抑制率を求めた。メラニン抑制率は下記式により求めた。
【0027】
【数2】
【0028】
細胞増殖率、メラニン抑制率の結果を表2に示す。
(表2)メラニン生成抑制定量試験(濃度は全て6.25ppm)
【0029】
表2の結果よりメラニン生成抑制定量試験において、本発明化合物1B、1C、1D、1G及び1Hは、6.25ppmにてアルブチンより高いメラニン生成抑制活性が認められた。
【0030】
(実施例3)美白用ローション
下記表中の成分を室温で攪拌しながら溶解して、美白用ローションを調整した。
【0031】
【0032】
得られた美白用ローションは、本発明の化合物が配合されていない処方のものと比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0033】
(実施例4)美白用クリーム
下記表中の成分を室温で攪拌しながら溶解して、美白用クリームを調整した。
【0034】
【0035】
得られた美白用クリームは、本発明の化合物が配合されていない処方のものと比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。
【0036】
(実施例5)美白用パック
下記表中の成分を室温で攪拌しながら溶解して、美白用パックを調整した。
【0037】
【0038】
得られた美白用パックは、本発明の化合物が配合されていない処方のものと比べて美白効果に優れ、保存安定性も良好であった。