(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、スマートフォンを、例えばタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下、タブレット装置と称す)と接続し、該タブレット装置の画面でテレビジョン放送や動画像等を視聴する場合、スマートフォンがマナーモード(バイブレーションモード、サイレントモードと呼ばれることもある)に設定されていると、該スマートフォンから音声信号が出力されずにタブレット装置等から音声が出力されない場合がある。そのような場合、例えばタブレット装置等へ接続する前、あるいは接続した後にスマートフォンの設定を変更(マナーモードの解除)する必要がある。
【0007】
また、スマートフォンとタブレット装置等とは、画面サイズが異なるだけでなく画面解像度も異なることが多い。その場合、接続する機器(タブレット装置等)の画面サイズや画面解像度等に合わせて、該機器に表示させる表示画像の大きさをスマートフォンで設定することが望ましい。
【0008】
なお、タブレット装置には、ケーブル等を用いてスマートフォンと接続する構成だけではなく、例えばスマートフォンを内部に収容することで該スマートフォンとの接続を可能にしたインタフェース機構を備えた構成もある。そのような構成では、スマートフォンが備えるタッチパネル等の入力部、電話機として利用するのに必要なレシーバ、スピーカ、マイク、あるいは各種センサー等のハードウェアリソースを利用できないため、接続後にスマートフォンの入力部を用いた設定が困難になる。その場合、接続前にスマートフォンの設定を変更しておくか、接続後にタブレット装置の入力部を用いてスマートフォンの設定を変更する必要がある。
【0009】
しかしながら、例えば上記表示画像の大きさのように、予めスマートフォンで設定しておくことが困難な設定値もある。通常、スマートフォンよりも画面サイズが大きい機器は、スマートフォンとハードウェアリソースが異なり、その仕様も様々なものがあるため、接続可能な各種の機器の仕様を想定して予めスマートフォンの設定値を決めることは困難である。一方、接続後にタブレット装置等を用いてスマートフォンの設定を変更する場合でも、変更が必要なスマートフォンの設定項目をタブレット装置でそれぞれ呼び出し、設定項目毎に変更後の設定値をタブレット装置に入力し、該入力値をタブレット装置からスマートフォンへ通知して設定値を変更させる必要があり、設定操作が煩雑になる。
【0010】
したがって、スマートフォンを、該スマートフォンよりも画面サイズが大きい機器と接続して利用する場合、接続前にスマートフォンの設定を変更しておく不便があり、接続後にスマートフォンの設定を変更する場合でも設定操作が煩雑になるという問題がある。
【0011】
本発明は上述したような背景技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、接続前に携帯端末の設定を変更しておく不便が解消され、接続後の煩雑な設定操作を解消できる設定システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため本発明の設定システムは、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を有し、
前記携帯端末及び前記表示装置は、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能に
し、
前記携帯端末と前記表示装置とに共通の設定項目がある場合、前記表示装置の該設定項目の設定値を前記携帯端末の設定値に一致させる。
または、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を有し、
前記携帯端末及び前記表示装置は、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能にし、
前記携帯端末と前記表示装置とに共通の設定項目がある場合、前記携帯端末の該設定項目の設定値を前記表示装置の設定値に一致させる。
または、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を有し、
前記携帯端末及び前記表示装置は、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能にし、
前記表示装置は、
接続可能な異なる携帯端末毎の設定値をそれぞれ保存し、
前記携帯端末は、
接続可能な異なる表示装置毎の設定値をそれぞれ保存する。
【0013】
一方、本発明の設定方法は、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を前記インタフェースを介して接続するときに前記携帯端末の状態を設定するための設定方法であって、
前記携帯端末及び前記表示装置が、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能に
し、
前記携帯端末と前記表示装置とに共通の設定項目がある場合、前記表示装置の該設定項目の設定値を前記携帯端末の設定値に一致させる方法である。
または、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を前記インタフェースを介して接続するときに前記携帯端末の状態を設定するための設定方法であって、
前記携帯端末及び前記表示装置が、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能にし、
前記携帯端末と前記表示装置とに共通の設定項目がある場合、前記携帯端末の該設定項目の設定値を前記表示装置の設定値に一致させる方法である。
または、外部機器と情報の送受信を可能に接続するインタフェースを備えた携帯端末と、
前記携帯端末と情報の送受信を可能に接続する前記インタフェース、前記携帯端末よりも画面サイズが大きい表示部及びユーザによる情報入力を可能にする入力部を備えた表示装置と、
を前記インタフェースを介して接続するときに前記携帯端末の状態を設定するための設定方法であって、
前記携帯端末及び前記表示装置が、
前記インタフェースを介した前記携帯端末と前記表示装置との接続時、少なくとも前記携帯端末の状態を設定するための設定項目を含む設定画面を表示し、前記ユーザによる前記設定画面を用いた該携帯端末の設定変更を可能にし、
前記表示装置が、
接続可能な異なる携帯端末毎の設定値をそれぞれ保存し、
前記携帯端末が、
接続可能な異なる表示装置毎の設定値をそれぞれ保存する方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接続前に携帯端末の設定を変更しておく不便が解消され、接続後の煩雑な設定操作が解消される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の設定システムの一構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の設定システムは、携帯端末100と、該携帯端末100よりも画面サイズが大きい表示部及びタッチパネルや入力キー等の入力部を備えた表示装置200とを有する。携帯端末100と表示装置200とは、ケーブル等により携帯端末100と表示装置200間で各種のデータが送受信可能に接続される。
【0019】
携帯端末100としては、例えば周知の電話機の機能とPDA(Personal Data AssistanceまたはPersonal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)の機能をそれぞれ備えた、スマートフォンと呼ばれる携帯電話機がある。
【0020】
表示装置200としては、例えばノート型、据え置き型、タブレット型等のパーソナルコンピュータ、あるいはリモートコントローラ等を用いて文字、記号、情報等の入力が可能なテレビジョン受像機等がある。
【0021】
携帯端末100と表示装置200とは、例えば映像や音声を送受信するためのHDMI(High-Definition Multimedia Interface)や外部機器とデータを送受信するためのUSB(Universal Serial Bus)等の周知のインタフェース方式、あるいは専用のインタフェース回路を介して接続される。
【0022】
図2(a)は、
図1に示した携帯端末の一構成例を示すブロック図である。
【0023】
図2(a)に示すように、本実施形態の携帯端末100は、CPU10、ROM11、作業用メモリ12、不揮発メモリ24、無線機送受信部13、LED部14、バイブレータ15、キー入力部16、表示部19、表示制御部18、マイク20、スピーカ21、レシーバ22、電源制御部23及び外部出力部25を備え、それらがバス30を介して互いに接続された構成である。表示制御部18には表示部19が接続され、電源制御部23には携帯端末100に所要の電力を供給する主電源である二次電池101が接続され、外部出力部25には
図1に示した表示装置200が接続される。
【0024】
ROM(Read Only Memory)11は、CPU10によって各種の処理を実行するための制御用プログラムが格納された不揮発性のメモリである。CPU10は、ROM11に格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行することで、例えば周知のスマートフォンとしての機能を実現すると共に、後述する本発明の設定システムが備える携帯端末100としての機能を実現する。
【0025】
作業用メモリ12は、CPU10による制御用プログラムにしたがった処理で必要なデータを一時的に保持する。作業用メモリ12には、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられる。
【0026】
不揮発メモリ24は、電話帳データ、各種設定値、ユーザーデータ等が格納される、記憶内容が書き換え可能な不揮発性のメモリである。
【0027】
無線機送受信部13は、無線通信により音声や画像等の各種データを送受信するための周知の無線回路である。
【0028】
LED部14は、例えば異なる色で発光する複数のLED(Light Emitting Diode)を備え、各LEDの点滅パターン等を変更することで着信や電子メールの受信等をユーザへ通知するために用いられる電子部品である。
【0029】
バイブレータ15は、音に代わって振動により携帯端末100に対する着信や電子メールの受信等をユーザへ通知するために用いられる電子部品である。
【0030】
表示部19は、CPU10から供給される画像情報や映像信号にしたがって画像を表示する、液晶ディスプレイや有機ELパネル等である。表示部19の表示面上には、表示された画像に基づいて、文字、数字、記号等の情報を携帯端末100に入力するためのタッチパネルが設置されていてもよい。
【0031】
表示制御部18は、表示部19に画像や映像を表示させるための制御を行う制御回路である。
【0032】
キー入力部16は、電源のON/OFFや各種設定に必要なハードウェアによる入力キー、あるいはタッチパネル等を用いてユーザが入力した、文字、数字、記号、指示等の情報を受け付ける入力回路である。
【0033】
マイク20、スピーカ21、レシーバ22は、携帯端末100を電話機として利用する際に使用される音声通話用の音響部品である。送話者の音声はマイク20により入力され、相手話者の音声はスピーカ21またはレシーバ22から出力される。
【0034】
電源制御部221は、携帯端末100に対する二次電池101による電源供給を制御する。
【0035】
外部出力部25は、USBやHDMI等に対応したコネクタを備え、表示装置200とデータの送受信が可能に接続するインタフェース回路である。外部出力部25は、上述したように
図1に示した表示装置200と接続するための専用のインタフェース回路を備えていてもよい。
【0036】
図2(b)は、
図1に示した表示装置の一構成例を示すブロック図である。
【0037】
図2(b)に示すように、本実施形態の表示装置200は、CPU210、ROM211、作業用メモリ212、不揮発メモリ213、外部インタフェース部214、キー入力部215、表示部217、表示制御部216、マイク218、スピーカ219、バイブレータ220及び電源制御部221を備え、それらがバス230を介して互いに接続された構成である。表示制御部216には表示部217が接続され、電源制御部221には表示装置200に所要の電力を供給する主電源である不図示の二次電池が接続され、外部インタフェース部214には、例えば
図2に示した携帯端末100が接続される。
【0038】
ROM211は、CPU210によって各種の処理を実行するための制御用プログラムが格納された不揮発性のメモリである。CPU210は、ROM211に格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行することで、例えばパーソナルコンピュータやテレビジョン受像機としての機能を実現すると共に、後述する本発明の設定システムが備える表示装置200としての機能を実現する。
【0039】
作業用メモリ212は、CPU210による制御用プログラムにしたがった処理で必要なデータを一時的に保持する。作業用メモリ212には、例えばRAMが用いられる。
【0040】
不揮発メモリ223は、各種設定値、ユーザーデータ等が格納される、記憶内容が書き換え可能な不揮発性のメモリである。
【0041】
外部インタフェース部214は、外部機器と接続するためのUSBや画像や音声等を送受信するHDMI等に対応したコネクタを備え、様々な機器との接続を可能にする。表示装置200は、
図2(a)に示した携帯端末100とも外部インタフェース部214を介して接続される。なお、外部インタフェース部214には、上述したように
図2に示した携帯端末100と接続するための専用のインタフェース回路を備えていてもよい。
【0042】
表示部217は、CPU210から供給される画像情報や映像信号にしたがって画像を表示する、液晶ディスプレイや有機ELパネル等である。表示部217の表示面上には、表示された画像に基づいて、文字、数字、記号等の情報を表示装置200に入力するためのタッチパネルが設置されていてもよい。
【0043】
表示制御部216は、表示部217に画像や映像を表示させるための制御を行う制御回路である。
【0044】
キー入力部215は、電源のON/OFFや各種設定に必要なハードウェアによる入力キー、あるいはタッチパネル等を用いてユーザが入力した、文字、数字、記号、指示等の情報を受け付ける入力回路である。
【0045】
マイク218は表示装置200に音声を入力するときに用いられる音響部品である。
【0046】
スピーカ219は、映像や音楽等のマルチメディア再生時に音声を出力する。
【0047】
バイブレータ220は、音に代わって振動により表示装置200の状態等をユーザへ通知するために用いられる電子部品である。
【0048】
電源制御部221は、表示装置200に対する二次電池(不図示)による電源供給を制御する。
【0049】
図2(b)は、電話機能を備えていない表示装置200の構成例を示しているが、表示装置200には、
図2(a)に示した携帯端末100と同様に無線機送受信部を有することで、電話機能を備えていてもよい。
【0050】
図3は、
図1に示した設定システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0051】
図3に示す設定システムの処理は、携帯端末100が備えるCPU10がROM11に格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行し、表示装置200が備えるCPU210がROM211に格納された制御用プログラムにしたがって処理を実行することで実現される。
【0052】
図3に示すように、携帯端末100と表示装置200とを接続し、携帯端末100と表示装置200間のインタフェース方式に対応した所定の接続処理が完了すると(ステップS1)、携帯端末100はユーザによる携帯端末100の状態を設定するための各種の設定項目を含む設定画面を表示部19に表示する(ステップS2)。また、携帯端末100は、表示部19に該設定画面を表示させるための表示データを、外部出力部25を介して表示装置200へ送信する。表示装置200は、携帯端末100から受信した表示データにしたがって表示部217に携帯端末100用の設定画面を表示する。このとき、携帯端末100は表示装置200の状態を設定するための各種の設定項目を含む設定画面も表示してもよい。また、表示装置200は、表示装置200の状態を設定するための各種の設定項目を含む設定画面も表示してよい。本実施形態では、少なくとも携帯端末100用の設定画面を携帯端末100及び表示装置200で表示すればよい。
【0053】
携帯端末100の表示部19に表示された設定画面または表示装置200の表示部217に表示された設定画面を用いて、ユーザの操作により携帯端末100または表示装置200の任意の設定項目の設定値が変更されると、携帯端末100の変更後の設定値は不揮発メモリ24に保存され、表示装置200の変更後の設定値は不揮発メモリ213に保存される(ステップS3)。ここで、表示装置200の表示部217に表示された設定画面に基づいて携帯端末100の設定値が変更された場合、該変更後の設定値は携帯端末100へ通知される。また、携帯端末100の表示部19に表示された設定画面に基づいて表示装置200の設定値が変更された場合、該変更後の設定値は表示装置200へ通知される。ステップS3で携帯端末100及び表示装置200の設定変更が無い場合はステップS4の処理へ移行する。
【0054】
ユーザによる設定操作が完了すると、該操作完了を示す情報が携帯端末100及び表示装置200へ通知される。ここで、表示装置200の表示部217に表示された設定画面に基づいて携帯端末100へ設定完了が通知された場合、携帯端末100は表示装置200から通知された設定値にしたがって自装置の設定項目の設定値を変更する。また、携帯端末100の表示部19に表示された設定画面に基づいて表示装置200へ設定完了が通知された場合、表示装置200は携帯端末100から通知された設定値にしたがって自装置の設定項目の設定値を変更する。その後、携帯端末100及び表示装置200は設定画面の表示を終了する(ステップS4)。
【0055】
本実施形態の設定システムによれば、携帯端末100と表示装置200の接続時に少なくとも携帯端末100用の設定画面をそれぞれ自動で表示することで、携帯端末100を表示装置200に接続して利用する場合に、ユーザは携帯端末100の各種の設定項目を容易に変更できる。そのため、表示装置200と接続する前に携帯端末100の設定値を変更しておく不便が解消され、接続後の携帯端末100の煩雑な設定操作も解消される。
【0056】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(第1実施例)
図4は、第1実施例の設定方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【0057】
図4は、マナーモードに設定された(マナーモードON)携帯端末100を表示装置200と接続し、表示装置200に表示された設定画面を用いて携帯端末100のマナーモードを解除(マナーモードOFF)する場合の処理手順の一例を示している。
【0058】
図4に示すように、携帯端末100と表示装置200とを接続し、それらの接続処理が完了すると、表示装置200は自装置を識別するための情報(識別情報)を携帯端末100へ送信する。
【0059】
携帯端末100は、接続された表示装置200に対応して予め決められた設定項目を含む設定画面を表示すると共に、その設定画面用の表示データを表示装置200へ送信する。表示装置200は、携帯端末100から受信した表示データにしたがって表示部217に設定画面を表示する。このとき、携帯端末100で表示する設定画面と表示装置200で表示する設定画面とは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0060】
ユーザが、例えば表示装置200の設定画面にしたがって任意の設定項目に対応する変更後の設定値を入力すると、表示装置200は該入力された値(入力情報)を携帯端末100へ送信する。また、表示装置200は、ユーザが設定完了を示す情報(設定完了情報)を入力すると、該設定完了情報を携帯端末100へ送信する。携帯端末100は、表示装置200から送信された入力情報に基づいて携帯端末100の各設定項目の値を変更する(設定処理)。例えばユーザからマナーモードの解除(マナーモードOFF)が指示されている場合、携帯端末100はマナーモードをOFFにして音声出力を可能にする(音声出力許容)と共に、バイブレータ15による振動通知をOFFにする。また、入力情報に表示装置200の設定項目が含まれている場合、該設定項目の変更を指示する設定情報を表示装置200へ送信する。
【0061】
表示装置200は、携帯端末100の指示にしたがって表示装置200の設定項目を変更する。例えば表示装置200による音声出力を可能にする(音声出力許容)と共に、バイブレータ220による振動通知をOFFにする。
【0062】
その後、携帯端末100で音声再生が開始されると、携帯端末100から表示装置200へ音声データが送信され、表示装置200で該音声データにしたがって音声が出力される。
【0063】
なお、表示装置200がスピーカを備えていない場合、音声は携帯端末100のスピーカ21で出力してもよい。表示装置200がスピーカ219を備えている場合、音声は表示装置200のスピーカ219のみ出力してもよく、外部出力部25及び外部インタフェース部214を経由することによる音声出力の遅延が無視できる程度であれば、携帯端末100及び表示装置200の両方のスピーカから出力してもよい。
(第2実施例)
次に本発明の第2実施例について
図5及び
図6を用いて説明する。
【0064】
図5は第2実施例の設定方法の処理手順を示すシーケンス図であり、
図6は第2実施例の設定処理の一例を示すシーケンス図である。
【0065】
上述した第1実施例では、携帯端末100を表示装置200と接続したとき、携帯端末100は表示装置200へ設定画面用の表示データを送信し、表示装置200は設定画面にしたがってユーザが入力した入力情報を携帯端末100へ返送する例を示した。すなわち、第1実施例では、表示装置200はユーザが入力した値(入力情報)を携帯端末100へ送信しているだけであり、携帯端末100は該入力情報にしたがって自機の設定値を変更している。
【0066】
第2実施例の表示装置200は、携帯端末100の接続を検出すると、該携帯端末100の設定変更を行うための予め決められた設定画面を表示する。表示装置200の設定画面にしたがってユーザにより設定値が入力されると、表示装置200はその設定情報を携帯端末100へ送信し、携帯端末100は該設定情報にしたがって自機の設定値を変更する。すなわち、第2実施例では、携帯端末100の設定変更を表示装置200の指示で実行する。
【0067】
図5に示すように、表示装置200は、接続処理の完了後に携帯端末100の接続を検出し、携帯端末100から送信される、該携帯端末100を識別するための情報(識別情報)を受信すると、該携帯端末100に対応する、予め決められた設定項目を含む携帯端末100用の設定画面を表示する。
【0068】
表示装置200の設定画面にしたがってユーザが設定値を入力すると、表示装置200は該設定値(設定情報)を携帯端末100へ送信する。また、表示装置200は、ユーザが設定完了を示す情報を入力すると(設定完了)、該設定完了情報を携帯端末100へ送信する。
【0069】
携帯端末100は、表示装置200から送信された設定情報に基づいて対応する設定項目の値を変更する(設定処理)。なお、表示装置200の設定画面に該表示装置200用の設定項目が含まれている場合、表示装置200は、該設定項目の設定値は携帯端末100へ送信せず、該設定値にしたがって自機の設定項目を変更する。
【0070】
ところで、第1実施例では、設定処理として携帯端末100のマナーモードを解除する例を示したが、表示装置200で音声が出力可能であれば、携帯端末100のマナーモードは必ずしも解除する必要はない。
【0071】
マナーモードに設定された携帯端末100を表示装置200と接続し、該表示装置200で音声を出力させたい場合、例えば
図6に示すように表示装置200を音声出力許容及びバイブレータ振動通知OFFに設定し、携帯端末100をマナーモードの一部の機能のみOFF(バイブレータ15による振動通知のみOFF)に設定してもよい。これらは、例えば表示装置200の設定画面にしたがってユーザにより設定されるものとする。
【0072】
この場合、携帯端末100は、音声を出力しない(音声出力禁止)マナーモードONの状態を維持しつつ、携帯端末100による音声再生が開始されると、表示装置200へ音声データを送信する。なお、携帯端末100のバイブレータによる振動通知をOFFさせる命令は、音声再生時等の必要時にのみ表示装置200から携帯端末100へ送信してもよい。
【0073】
なお、上述した第1実施例及び第2実施例では、携帯端末100と表示装置200に共通の設定項目がある場合、該設定項目について表示装置200の設定値を携帯端末100の設定値に一致させる、すなわち携帯端末100の設定値を優先する例を示したが、表示装置200の設定値を優先してもよい。すなわち、携帯端末100と表示装置200とに共通の設定項目がある場合、該設定項目について携帯端末100の設定値を表示装置200の設定値に一致させてもよい。表示装置200と携帯端末100とは、どちらの設定値を優先してもよく、予め優先順位を設定しておけばよい。
【0074】
例えば、
図7に示すように、表示装置200が音声出力禁止に設定され、バイブレータ220による振動通知がONに設定されている場合、携帯端末100のマナーモードが解除されると、携帯端末100は表示装置200へ音声出力許容及びバイブレータOFFの設定値を送信する。この場合、表示装置200は、自機の設定値を優先して、設定変更不可(応答No)を携帯端末100へ通知する。
【0075】
携帯端末100は、音声出力禁止を維持しつつバイブレータ15による振動をOFFに設定し、例えば着信時等で表示装置200へバイブレータ220を用いて振動通知させるためのデータ(振動ONデータ)のみ送信する。
【0076】
また、上述した第1実施例及び第2実施例では、設定画面に表示された各設定項目についてユーザの操作により設定する例を示したが、携帯端末100と表示装置200の接続時、予め決められた設定項目については予め決められた設定値に設定してもよい。例えばマナーモードに設定された携帯端末100を表示装置200と接続し、携帯端末100で受信したテレビジョン信号や動画像データを表示装置200で出力する場合、そのままでは表示装置200で視聴中のテレビジョン映像や動画像の音声が出力されない。この場合、携帯端末100は、表示装置200との接続時にマナーモードを自動的に解除してもよい。このように携帯端末100の設定項目には、表示装置200との接続時に自動で設定または変更される設定項目を設けてもよい。
【0077】
また、携帯端末100と表示装置200の接続時、自動で表示する設定画面に含まれる設定項目は、予めユーザの操作により選択可能(カスタマイズ可能)にしてもよい。
【0078】
また、携帯端末100と表示装置200の接続を切り離した場合、携帯端末100の設定値を接続前の設定値に自動で戻してもよい。
【0079】
上述したように、表示装置200は、携帯端末100と画面サイズだけでなく画面解像度が異なる場合がある。携帯端末100よりもドットピッチが小さい(高解像度な)表示装置200では、携帯端末100よりも画面サイズが大きくても、画像を拡大せずに表示すると、携帯端末100よりも小さく表示されてしまう。したがって、設定画面には、携帯端末100の表示画面のアスペクト比を維持して表示装置200では拡大して表示する等の、画面拡大を可能にする設定項目を設けてもよい。
【0080】
さらに、同一の表示装置200に異なる携帯端末100を接続する場合を考慮して、表示装置200は各携帯端末100に対応する設定値をそれぞれ保存してもよい。また、同一の携帯端末100を異なる表示装置200に接続することを想定して、携帯端末100は各表示装置200に対応する設定値をそれぞれ保存してもよい。ここで、「異なる」とは、機種が異なる場合、画面解像度等の仕様が異なる場合、携帯端末100や表示装置200の個体が異なる場合等を指す。
【0081】
なお、表示装置200には、
図1に示したようにケーブル等を用いて携帯端末100と接続する構成だけでなく、例えば
図8に示すタブレット装置のように収容部を備え、
図9に示す携帯端末100を
図10や
図11に示すように該収容部に収容することで、該携帯端末100との接続を可能にするインタフェースを備えた構成もある。本発明はこのような携帯端末100を収容可能な収容部を備えた表示装置200に適用しても同様の効果を得ることができる。
【0082】
但し、
図8に示す表示装置200では、
図10や
図11に示すように携帯端末100が備える音声通話用のマイク20やレシーバ22が表示装置200の筐体やカバーで覆われて実質的に使えない場合がある。
【0083】
このような場合、携帯端末100は表示装置200に収容されることで使用不能になる、該携帯端末100が備える一部の機能を無効化してもよい。例えば携帯端末100の無線通信機能(データ通信)は有効にしつつ、電話機能のみ無効化すればよい。電話機能を無効化する方法としては、例えば携帯端末100を強制的に通話圏外に設定する方法、携帯端末100に着信があってもユーザへ通知しない方法、あるいは携帯端末100に対する着信時にユーザが通話できない状態であることを基地局や発呼側の電話機へ通知すると共に、着信処理を中断してユーザへ着信を通知しないモード(車両運定中に設定する運転モード等)に切り替える方法等がある。