(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978622
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】ゴム製キー
(51)【国際特許分類】
H01H 13/20 20060101AFI20160817BHJP
H01H 13/705 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
H01H13/20 Z
H01H13/705
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-288127(P2011-288127)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137924(P2013-137924A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 将司
(72)【発明者】
【氏名】小林 慎治
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−318414(JP,A)
【文献】
特開2002−124152(JP,A)
【文献】
特開平09−231858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/20
H01H 13/705
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視矩形状のキートップ部と、
前記キートップ部の周縁に設けられたスカート部と、
前記スカート部内で前記キートップ部から突き出し、前記キートップ部の長辺方向に沿って凸設された接点部と、
前記スカート部内で前記キートップ部から前記接点部よりも高く突き出し、前記キートップ部の短辺方向の一端側において前記キートップ部の長辺方向に沿って凸設された支持部を備え、
前記接点部は、
前記キートップ部の長辺方向の両端から前記キートップ部の長辺方向の中央に近づくに連れて突出高さが低く形成され、
前記スカート部を基板上に定着させた状態で前記キートップ部が押下されたときに前記基板に当接し、
前記接点部が前記基板に当接する際は、前記支持部が前記基板に当接した点を可動支点として前記接点部が移動し、
前記キートップ部の長辺方向に沿って列設された複数の凸設部で前記接点部が構成され、
前記複数の凸設部は、前記キートップ部の長辺方向に沿った突出高さが個々で均一であり、
前記キートップの短辺方向の一端側よりも前記キートップの短辺方向の他端側で前記キートップの表面から前記基板までの最短距離が長く構成されたこと、を特徴するゴム製キー。
【請求項2】
ゴム製キーであって、
第1キーと、
第2キーを備え、
前記第1キーは、
長辺と短辺を有する平面視矩形状の第1キートップ部と、
前記第1キートップ部の周縁に設けられた第1スカート部と、
前記第1スカート部内で前記第1キートップ部から突き出し、前記第1キートップ部の長辺方向に沿って凸設された第1接点部を備え、
前記第2キーは、
第1辺と第2辺を有する平面視正方形状であり、前記第1辺は前記第1キートップ部の長辺と平行であり、前記第2辺は前記第1キートップ部の短辺と平行である第2キートップ部と、
前記第2キートップの周縁に設けられた第2スカート部と、
前記第2スカート部内で前記第2キートップ部から突き出し、前記第2キートップ部の第1辺方向に沿って凸設された第2接点部を備え、
前記第1キーの前記第1スカート部の下端と前記第2キーの前記第2スカート部の下端を連結して形成される面を仮想面とし、
前記第1キートップ部の長辺方向において、前記第1キートップ部の中央により近い部位における、前記仮想面から前記第1接点部までの最短距離を第1距離とし、
前記第1キートップ部の長辺方向において、前記第1キートップ部の端により近い部位における、前記仮想面から前記第1接点部までの最短距離を第2距離とすると、
前記第1距離は前記第2距離より長く、
前記第1キートップ部の長辺方向における前記第1キートップ部の端により近い部位に設けられた前記第1接点部の第1キートップ部からの突出高さと、前記第2接点部の前記第2キートップ部からの突出高さとが等しく、
前記第1キートップ部から前記仮想面までの距離は、前記第2キートップ部から仮想面までの距離に等しいこと、
を特徴とするゴム製キー。
【請求項3】
請求項2に記載するゴム製キーであって、
前記第1キーは、
前記第1スカート部内で前記第1キートップ部から前記第1接点部よりも高く突き出し、前記第1キートップ部の長辺方向に沿って凸設された支持部を備えたこと、を特徴とするゴム製キー。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載するゴム製キーであって、
前記第1キートップ部の長辺方向に沿って列設された複数の凸設部で前記第1接点部が構成されたこと、を特徴とするゴム製キー。
【請求項5】
請求項4に記載するゴム製キーであって、
前記複数の凸設部は、前記第1キートップ部の長辺方向に沿った突出高さが個々で均一であること、を特徴するゴム製キー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面視矩形状のキートップ部を有するゴム製キーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、正確に動作するとともに斜めに押されたときの許容度が大きい二段押しボタンが記載されている。二段押しボタンは、剛体のキャップの一例である金属キャップを備えている。よって、金属ボタンが押下された際は、金属ボタンのどの部分が押下されても、金属キャップの全体が沈み込むことから、良好なクリック感を出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−318414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、平面視矩形状のキートップ部を有するゴム製キーにおいては、平面視矩形状のキートップ部が剛体でない場合には、キートップ部が押下されると、キートップ部が変形し、押下された箇所によっては良好なクリック感が出ないことがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、平面視矩形状のキートップ部のどの部分が押下されても良好なクリック感を出すことができるゴム製キーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、ゴム製キーであって、平面視矩形状のキートップ部と、前記キートップ部の周縁に設けられたスカート部と、前記スカート部内で前記キートップ部から突き出し、前記キートップ部の長辺方向に沿って凸設された接点部と、前記スカート部内で前記キートップ部から前記接点部よりも高く突き出し、前記キートップ部の短辺方向の一端側において前記キートップ部の長辺方向に沿って凸設された支持部を備え、前記接点部は、前記キートップ部の長辺方向の両端から前記キートップ部の長辺方向の中央に近づくに連れて突出高さが低く形成され、前記スカート部を基板上に定着させた状態で前記キートップ部が押下されたときに前記基板に当接し、前記接点部が前記基板に当接する際は、前記支持部が前記基板に当接した点を可動支点として前記接点部が移動し、前記キートップ部の長辺方向に沿って列設された複数の凸設部で前記接点部が構成され、前記複数の凸設部は、前記キートップ部の長辺方向に沿った突出高さが個々で均一であり、前記キートップの短辺方向の一端側よりも前記キートップの短辺方向の他端側で前記キートップの表面から前記基板までの最短距離が長く構成されたこと、を特徴する。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、ゴム製キーであって、第1キーと、第2キーを備え、前記第1キーは、長辺と短辺を有する平面視矩形状の第1キートップ部と、前記第1キートップ部の周縁に設けられた第1スカート部と、前記第1スカート部内で前記第1キートップ部から突き出し、前記第1キートップ部の長辺方向に沿って凸設された第1接点部を備え、前記第2キーは、第1辺と第2辺を有する平面視正方形状であり、前記第1辺は前記第1キートップ部の長辺と平行であり、前記第2辺は前記第1キートップ部の短辺と平行である第2キートップ部と、前記第2キートップの周縁に設けられた第2スカート部と、前記第2スカート部内で前記第2キートップ部から突き出し、前記第2キートップ部の第1辺方向に沿って凸設された第2接点部を備え、前記第1キーの前記第1スカート部の下端と前記第2キーの前記第2スカート部の下端を連結して形成される面を仮想面とし、前記第1キートップ部の長辺方向において、前記第1キートップ部の中央により近い部位における、前記仮想面から前記第1接点部までの最短距離を第1距離とし、前記第1キートップ部の長辺方向において、前記第1キートップ部の端により近い部位における、前記仮想面から前記第1接点部までの最短距離を第2距離とすると、前記第1距離は前記第2距離より長く、
前記第1キートップ部の長辺方向における前記第1キートップ部の端により近い部位に設けられた前記第1接点部の第1キートップ部からの突出高さと、前記第2接点部の前記第2キートップ部からの突出高さとが等しく、前記第1キートップ部から前記仮想面までの距離は、前記第2キートップ部から仮想面までの距離に等しいこと、を特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載するゴム製キーであって、前記第1キーは、前記第1スカート部内で前記第1キートップ部から前記第1接点部よりも高く突き出し、前記第1キートップ部の長辺方向に沿って凸設された支持部を備えたこと、を特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載するゴム製キーであって、前記第1キートップ部の長辺方向に沿って列設された複数の凸設部で前記第1接点部が構成されたこと、を特徴する。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載するゴム製キーであって、前記複数の凸設部は、前記第1キートップ部の長辺方向に沿った突出高さが個々で均一であること、を特徴する。
【発明の効果】
【0010】
すなわち、本発明のゴム製キーでは、スカート部を基板上に定着させた状態でキートップ部が押下されたときは、キートップ部から突き出した接点部が移動して基板に当接する。この点、接点部の突出高さは、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の両端から中央に近づくに連れて低く形成される。つまり、一つのゴム製キーの中で接点部の高さが変えられている。従って、基板に対する接点部の移動距離は、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の両端から中央に近づくに連れて長くなる。そのため、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の端が押下された場合だけでなく、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の中央が押下された場合でも、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の端周縁に設けられたスカート部が座屈するので、平面視矩形状のキートップ部が押下されたときのクリック感が良好となる。つまり、本発明のゴム製キーでは、平面視矩形状のキートップ部のどの部分が押下されても良好なクリック感を出すことができる。
【0011】
また、本発明のゴム製キーにおいて、スカート部内でキートップ部から接点部よりも高く突き出し、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向に沿って凸設された支持部を備えた場合には、キートップ部が押下されると、先ず、支持部が基板に当接する。次に、支持部が基板に当接した点を可動支点として接点部が移動し、接点部が基板に当接する。つまり、本発明のゴム製キーは、上記支持部を有することにより、所謂ピアノキーとなるが、上述した効果の発揮が妨げられることはない。
【0012】
尚、本発明のゴム製キーでは、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向に沿って列設された複数の凸設部で上記接点部が構成されてもよい。
【0013】
さらに、上記接点部を構成する複数の凸設部におけるキートップ部の長辺方向に沿った突出高さを個々で均一にすることで、平面視矩形状のキートップ部の長辺方向の両端から中央に近づくに連れて、上記接点部の突出高さを低く形成させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ラバーキーシートが表側から表された平面図である。
【
図2】ラバーキーシートが裏側から表された平面図である。
【
図3】
図1の線A−Aで一部が切断されたラバーキーシートの断面図である。
【
図4】
図1の線B−Bで一部が切断されたラバーキーシートの断面図であって、本発明の一実施形態に係るゴム製キーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.本発明の構成]
図1や
図2に表されたように、ラバーキーシート101には、本発明の一実施形態に係るゴム製キー1を含んだ複数のラバーキーが設けられる。本実施形態に係るゴム製キー1は、キートップ部2とスカート部3とを有する。キートップ部2は、平面視矩形状である。スカート部3は、キートップ部2の周縁に設けられる。さらに、スカート部3は、
図3及び
図4に表されたように、基板102上に定着される。尚、スカート部3の周縁に設けられるとともにキー同士を連結するベース部分が、基板102に載上される。
【0016】
また、
図2乃至
図4に表されたように、本実施形態に係るゴム製キー1は、接点部4と支持部5とを有する。接点部4は、第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cから構成される。第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cは、スカート部3内でキートップ部2から突き出し、キートップ部2の長辺方向D1(
図4参照)に沿って、凸状に設けられたものである。つまり、第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cは、平面視矩形状であるキートップ部2の一方(
図2下側)の長辺に沿って一列に設けられる。
【0017】
第1凸設部4Aと第3凸設部4Cは、キートップ部2の長辺方向D1の両側にある。第1凸設部4Aの突出高さAHは、キートップ部2の長辺方向D1に沿って均一である。第3凸設部4Cの突出高さCHも、キートップ部2の長辺方向D1に沿って均一である。さらに、第1凸設部4Aの突出高さAHと第3凸設部4Cの突出高さCHは同じ高さである。
【0018】
第2凸設部4Bは、キートップ部2の長辺方向D1の中央にある。第2凸設部4Bの突出高さBHは、キートップ部2の長辺方向D1に沿って均一である。さらに、第2凸設部4Bの突出高さBHは、第1凸設部4Aの突出高さAHと第3凸設部4Cの突出高さCHとに比べて低い。
【0019】
第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cから構成される接点部4の突出高さは、このようにして、キートップ部2の長辺方向D1の両端からキートップ部2の長辺方向D1の中央線D2(
図4参照)に近づくに連れて低く形成される。
【0020】
尚、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cの各先端は、カーボンが印刷され、導電部を形成する。
【0021】
支持部5は、スカート部3内でキートップ部2から突き出し、キートップ部2の長辺方向D1に沿って、凸状に設けられたものである。支持部5は、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cとは平行にある。つまり、支持部5は、平面視矩形状であるキートップ部2の他方の長辺(
図2上側)に沿って線状に設けられる。
【0022】
支持部5の突出高さH5(
図3参照)は、キートップ部2の長辺方向D1に沿って均一である。支持部5の突出高さH5は、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cのいずれの突出高さAH,BH,CHよりも高い。
【0023】
もっとも、キートップ部2の底面は、ほぼ平らである。従って、キートップ部2の底面から基板102までの最短距離(間隔)は、キートップ部2の底面のいずれの箇所においても、ほぼ同じである。さらに、接点部4から基板102までの最短距離(間隔)については、第2凸設部4Bが、第1凸設部4Aと第3凸設部4Cとに比べて長い。
【0024】
尚、ゴム製キー1は、カーボン印刷の部分を除き、単一のゴムでできており、その固さの違いは厚みの違いによる。
【0025】
[2.本発明の作用・効果]
本実施形態に係るゴム製キー1において、キートップ部2が押下されると、先ず、支持部5が基板102に当接する。次に、支持部5が基板102に当接した点を可動支点として、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cが移動し、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cが基板102に当接する。つまり、本実施形態に係るゴム製キー1は、所謂ピアノキーである。
【0026】
図4に表されたように、本実施形態に係るゴム製キー1では、スカート部3を基板102上に定着させた状態でキートップ部2が押下されたときは、キートップ部2から突き出した接点部4、すなわち、第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cが移動して基板102に当接する。
【0027】
この点、第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cから構成される接点部4の突出高さは、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両端から平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の中央線D2に近づくに連れて低く形成される。つまり、一つのゴム製キー1の中で接点部4の高さが変えられている。
【0028】
従って、接点部4を構成する第1凸設部4A、第2凸設部4B、及び第3凸設部4Cの基板102までの各移動距離は、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両端から平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の中央線D2に近づくに連れて長くなる。
【0029】
そのため、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の端が押下された場合だけでなく、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の中央が押下された場合でも、
図4に表されたように、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両端周縁に設けられたスカート部3が座屈するので、平面視矩形状のキートップ部2が押下されたときのクリック感が良好となる。
【0030】
つまり、本実施形態に係るゴム製キー1では、平面視矩形状のキートップ部2のどの部分が押下されても良好なクリック感を出すことができる。
【0031】
[3.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0032】
[3−1.接点部の構成その1]
例えば、4個以上の凸設部で接点部4を構成することによって、接点部4の突出高さを、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両端から平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の中央線D2に近づくに連れて低く形成させてもよい。
【0033】
[3−2.接点部の構成その2]
また、1個の凸設部で接点部4を構成することによって、接点部4の突出高さを、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両端から平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の中央線D2に近づくに連れて低く形成させてもよい。
【0034】
[3−3.支持部の構成]
また、キートップ部2の非押下・押下の状態に関係なく、常に、支持部5が基板102に当接されていてもよい。
【0035】
[3−4.クリック感の統一]
また、本実施形態に係るゴム製キー1のクリック感は、ラバーキーシート101の他のラバーキーのクリック感と同じにすることができる。以下、本実施形態に係るゴム製キー1のクリック感を、
図1乃至
図3に表されたラバーキー11のクリック感と同じにする場合を説明する。
【0036】
図1乃至
図3に表されたラバーキー11は、本実施形態に係るゴム製キー1に隣接するラバーキーであって、キートップ部12とスカート部13とを有する。キートップ部12は、平面視略正方形状である。スカート部13は、キートップ部12の周縁に設けられる。さらに、スカート部13は、
図3に表されたように、基板102上に定着される。尚、スカート部13の周縁に設けられるとともにキー同士を連結するベース部分が、基板102に載上される。
【0037】
また、
図2及び
図3に表されたように、ラバーキー11は、接点部14と支持部15とを有する。接点部14は、スカート部13内でキートップ部12から突き出し、キートップ部12の下辺(
図2下側)に沿って、凸状且つ線状に設けられる。接点部14の突出高さ14Hは、キートップ部12の下辺(
図2下側)に沿って均一である。尚、接点部14の先端は、カーボンが印刷され、導電部を形成する。
【0038】
支持部15は、スカート部13内でキートップ部12から突き出し、キートップ部12の上辺(
図2上側)に沿って、凸状且つ線状に設けられる。つまり、支持部15は、接点部14とは平行にある。支持部15の突出高さ15Hは、キートップ部12の上辺(
図2上側)に沿って均一である。支持部15の突出高さ15Hは、接点部14の突出高さ14Hよりも高い。
【0039】
ラバーキー11において、キートップ部12が押下されると、先ず、支持部15が基板102に当接する。次に、支持部15が基板102に当接した点を可動支点として、接点部14が移動し、接点部14が基板102に当接する。つまり、ラバーキー11は、本実施形態に係るゴム製キー1と同様にして、所謂ピアノキーである。
【0040】
そして、本実施形態に係るゴム製キー1のクリック感を、ラバーキー11のクリック感と同じにするためには、本実施形態に係るゴム製キー1における第1凸設部4Aの突出高さAHと第3凸設部4Cの突出高さCHをラバーキー11における接点部14の突出高さ14Hと同じ高さにする。
【0041】
つまり、本実施形態に係るゴム製キー1において、平面視矩形状のキートップ部2の長辺方向D1の両側にある第1凸設部4Aと第3凸設部4Cの各突出高さAH,CHを、ラバーキー11における接点部14の突出高さ14Hと同じ高さにすればよい。
【0042】
但し、本実施形態に係るゴム製キー1におけるキートップ部2から基板102までの距離とラバーキー11におけるキートップ部12から基板102までの距離とが等しいこと、且つ、本実施形態に係るゴム製キー1における支持部5の突出高さ5Hとラバーキー11における支持部15の突出高さ15Hとが同じ高さであることを条件とする。
【0043】
尚、ラバーキー11は、カーボン印刷の部分を除き、本実施形態に係るゴム製キー1と同じ単一のゴムでできており、その固さの違いは厚みの違いによる。
【0044】
[3−4.支持部の省略]
また、本実施形態に係るゴム製キー1では、所謂ピアノキーの構成でなくても、つまり、支持部5を省いた構成でも、平面視矩形状のキートップ部2のどの部分が押下されても良好なクリック感を出すことができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ゴム製キー
2 キートップ部
3 スカート部
4 接点部
4A 第1凸設部
4B 第2凸設部
4C 第3凸設部
5 支持部
102 基板
D1 キートップ部の長辺方向
D2 キートップ部の長辺方向の中央線
H5 支持部の突出高さ
HA 第1凸設部の突出高さ
HB 第2凸設部の突出高さ
HC 第3凸設部の突出高さ