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特許5978672印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978672
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】印刷指示装置、印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160817BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20160817BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   G06F3/12 360
   G06F3/12 304
   G06F3/12 365
   G06F3/12 368
   G06F3/12 387
   B41J29/38 Z
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-58793(P2012-58793)
(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-191179(P2013-191179A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】中原 俊昭
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−233481(JP,A)
【文献】 特開2007−048001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた印刷機構にて印刷すべき処理の一覧外部装置から取得する処理取得部と、
前記処理取得部で取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する印刷情報取得部と、
前記処理取得部で取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に前記印刷情報取得部で取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する印刷時刻判断部と、
前記印刷時刻判断部により印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する時刻比較部と、
前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する記憶部と、
備え
前記印刷情報取得部は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とする印刷指示装置。
【請求項2】
前記印刷情報取得部は、前記印刷時刻までに印刷が終了するように処理の印刷情報の取得を行なうことを特徴とする請求項1に記載の印刷指示装置。
【請求項3】
前記記憶部は、処理の印刷情報の容量をさらに記憶し、
前記印刷情報取得部は、印刷情報の容量に応じて印刷情報を取得する時刻の変更を行なうことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の印刷指示装置。
【請求項4】
前記印刷時刻判断部は、処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する場合に、印刷時刻が判明した時点で以降の印刷情報の取得を中止し、既に取得した印刷情報を破棄することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷指示装置。
【請求項5】
前記印刷情報取得部は、前記印刷時刻と前記現在時刻との差である印刷時間までの残り時間に基づき処理の印刷情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の印刷指示装置。
【請求項6】
前記印刷情報取得部は、予め定められた時間毎に印刷すべき処理を前記外部装置から取得するとともに、印刷時刻が指定された処理が存在した場合には、当該印刷時刻に合わせ印刷すべき処理の取得を行なう時間を変更することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷指示装置。
【請求項7】
印刷を行なう処理の一覧外部装置から取得する処理取得部と、
前記処理取得部で取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する印刷情報取得部と、
前記処理取得部で取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に前記印刷情報取得部で取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する印刷時刻判断部と、
前記印刷時刻判断部により印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する時刻比較部と、
前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する記憶部と、
前記印刷情報取得部により取得された印刷情報に基づき印刷を行なう印刷機構と、
を備え
前記印刷情報取得部は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
コンピュータに、
予め定められた印刷機構にて印刷すべき処理の一覧外部装置から取得する機能と、
取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する機能と、
取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する機能と、
印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する機能と、
前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する機能と、
実現させ
処理の印刷情報を取得する機能は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷指示装置、印刷システム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷情報設定手段が、外部から指定される印刷開始時刻を受け取り、印刷開始通知手段が、受け取った印刷開始時刻を現在時刻と比較し、現在時刻が印刷開始時刻に一致したとき、印刷開始命令を出力し、印刷開始命令を受け取った制御コマンド発行手段は、印刷装置を動作させるための印刷制御コマンドを印刷装置に発行する印刷制御装置が開示されている。
また特許文献2には、画像形成装置であって、現在実行中のジョブの有無を判断し、実行中のジョブが無いと判断した場合には、待機ジョブが存在するか否かを判断し、待機ジョブがあると判断した場合には、そのジョブの実行を開始する。一方、待機ジョブが無いと判断した場合には、期限切れの予約ジョブが存在するか否かを判断する。期限切れの予約ジョブがあると判断した場合には、予約ジョブ管理テーブルからその予約ジョブに対応するレコードを削除する。一方、期限切れの予約ジョブが無いと判断した場合には、最優先の予約ジョブを実行ジョブ管理テーブルに登録するものが開示されている。
さらに特許文献3には、製品生成装置であって、例えば印刷装置の場合、画像プリントの注文を行う際の操作入力により、顧客が直ぐに写真画像の受け取りを希望するか、後の時点の受け取りを希望するかを選択できるようにする。後の時点での受け取りを希望した場合は、その注文の内容としての印刷処理情報を印刷待ちリストに登録する。印刷待ちリストに登録された印刷処理情報に基づく印刷は、その後、日時に応じて自動的に行われたり、店員等の操作によって行われるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−351254号公報
【特許文献2】特開2006−25137号公報
【特許文献3】特開2007−241815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで印刷を指定時刻に行なう機能を使用する際には、印刷機構に印刷情報の保持を行わずに、印刷を行なうことができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、予め定められた印刷機構にて印刷すべき処理の一覧外部装置から取得する処理取得部と、前記処理取得部で取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する印刷情報取得部と、前記処理取得部で取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に前記印刷情報取得部で取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する印刷時刻判断部と、前記印刷時刻判断部により印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する時刻比較部と、前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する記憶部と、備え、前記印刷情報取得部は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とする印刷指示装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記印刷情報取得部は、前記印刷時刻までに印刷が終了するように処理の印刷情報の取得を行なうことを特徴とする請求項1に記載の印刷指示装置である。
請求項3に記載の発明は、前記記憶部は、処理の印刷情報の容量をさらに記憶し、前記印刷情報取得部は、印刷情報の容量に応じて印刷情報を取得する時刻の変更を行なうことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の印刷指示装置である。
請求項4に記載の発明は、前記印刷時刻判断部は、処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する場合に、印刷時刻が判明した時点で以降の印刷情報の取得を中止し、既に取得した印刷情報を破棄することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷指示装置である。
請求項5に記載の発明は、印刷情報取得部は、前記印刷時刻と前記現在時刻との差である印刷時間までの残り時間に基づき処理の印刷情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の印刷指示装置である。
請求項6に記載の発明は、前記印刷情報取得部は、予め定められた時間毎に印刷すべき処理を前記外部装置から取得するとともに、印刷時刻が指定された処理が存在した場合には、当該印刷時刻に合わせ印刷すべき処理の取得を行なう時間を変更することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷指示装置である。
【0010】
請求項に記載の発明は、印刷を行なう処理の一覧外部装置から取得する処理取得部と、前記処理取得部で取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する印刷情報取得部と、前記処理取得部で取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に前記印刷情報取得部で取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する印刷時刻判断部と、前記印刷時刻判断部により印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する時刻比較部と、前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する記憶部と、前記印刷情報取得部により取得された印刷情報に基づき印刷を行なう印刷機構と、を備え、前記印刷情報取得部は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とする印刷システムである。
【0011】
請求項に記載の発明は、コンピュータに、予め定められた印刷機構にて印刷すべき処理の一覧外部装置から取得する機能と、取得した処理の一覧に記載された処理の印刷情報の識別情報に基づいて、処理の印刷情報を取得する機能と、取得した処理の一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、処理の一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合に取得した処理の印刷情報から印刷時刻が指定された処理の存在を判断する機能と、印刷時刻が指定された処理が存在した場合に当該印刷時刻と現在時刻とを比較する機能と、前記印刷時刻が前記現在時刻より後だった場合に、当該印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する機能と、実現させ、処理の印刷情報を取得する機能は、印刷時刻に合わせ、記憶した前記識別情報に基づいて印刷情報を取得することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、印刷を指定時刻に行なう機能を使用する際に、印刷機構に印刷情報の保持を行わずに、印刷をすることができる。
請求項2の発明によれば、指定された印刷時刻に印刷物を受け取ることができる。
請求項3の発明によれば、指定された印刷時刻までに印刷を終了させることができる。
請求項4の発明によれば、印刷情報を無駄に取得することを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、印刷機構に時計が内蔵されていなくても、印刷を指定時刻に行なう機能を実現することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、指定された印刷時刻までに印刷を終了できない場合が生じにくくなる。
請求項7の発明によれば、印刷を指定時刻に行なう機能を使用する際に、印刷機構に印刷情報を保持する必要がない印刷システムを提供できる。
請求項の発明によれば、印刷を指定時刻に行なう機能を使用する際に、印刷情報の保持を行わずに、印刷をすることができる機能をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの全体構成例を示したものである。
図2】端末装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】画像形成装置のハードウェア構成例を示した図である。
図4】指定時刻に印刷を行なうことができるクラウドプリントシステムの概略動作について示した図である。
図5】印刷指示装置の機能構成例を示したブロック図である。
図6】第1の実施の形態における印刷指示装置の動作例を示したフローチャートである。
図7】第1の実施の形態における画像形成装置とクラウドプリントサーバとの情報のやりとりを説明したシーケンス図である。
図8】ジョブリストの一例を説明した図である。
図9】第2の実施の形態における印刷指示装置の動作例を示したフローチャートである。
図10】第2の実施の形態における画像形成装置とクラウドプリントサーバとの情報のやりとりを説明したシーケンス図である。
図11】印刷時刻が指定されていないジョブリストの一例を説明した図である。
図12】印刷データの一例を示した図である。
図13】第3の実施の形態における印刷指示装置の機能構成例を示したブロック図である。
図14】第3の実施の形態における印刷指示装置の動作例を示したフローチャートである。
図15】第3の実施の形態における画像形成装置とクラウドプリントサーバとの情報のやりとりを説明したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるクラウドプリントシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このクラウドプリントシステムは、端末装置10と、画像形成装置30a,30b,30cとがネットワーク90に接続されることにより構成されている。また、ネットワーク90は、例えば、図示しないゲイトウェイサーバを介して、ネットワーク70に接続されており、ネットワーク70には、クラウドプリントサーバ50が接続されている。
尚、図では、画像形成装置30a,30b,30cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置30と称する。また、図には、3つの画像形成装置30しか示していないが、4つ以上の画像形成装置30を設けてもよい。
【0015】
端末装置10は、クラウドプリントサーバ50に文書の印刷を要求するコンピュータ装置である。ここで、端末装置10としては、PC(Personal Computer)、携帯端末、携帯電話等を用いるとよい。
【0016】
画像形成装置30は、記録媒体に画像を形成し、印刷媒体として出力する装置である。ここで、画像形成装置30としては、プリンタ機能のみを備えた装置を用いてもよいし、これに加えてスキャナ機能、ファクシミリ機能等の他の画像処理機能を備えた装置を用いてもよい。
【0017】
クラウドプリントサーバ50は、端末装置10として様々なデバイスを用い、自宅、オフィス、公共の場所等に設置された画像形成装置30で文書を印刷できるようにするサービス(以下、「クラウドプリントサービス」という)を提供するサーバコンピュータである。具体的には、画像形成装置30での文書の印刷を指示する印刷指示情報(ジョブ、処理)の生成が端末装置10から要求されると印刷指示情報を生成し、その画像形成装置30から印刷指示情報の存在の問い合わせがあるまで蓄積しておき、問い合わせがあると、全ての画像形成装置30で共通に処理可能な形式の印刷情報(印刷データ)を生成してその画像形成装置30に提供する。
【0018】
ネットワーク70は、端末装置10とクラウドプリントサーバ50との間の情報通信や、画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
ネットワーク90は、端末装置10と画像形成装置30との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)である。
【0019】
次に、端末装置10のハードウェア構成について説明する。
図2は、端末装置10のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、端末装置10は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)11と、記憶手段であるメインメモリ12及びHDD(Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、端末装置10は、外部との通信を行うための通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16とを備える。
【0020】
尚、図2は、クラウドプリントサーバ50のハードウェア構成を示した図として捉えることもできる。この場合、CPU11、メインメモリ12、HDD13、通信I/F14、表示機構15、入力デバイス16は、それぞれ、CPU51、メインメモリ52、HDD53、通信I/F54、表示機構55、入力デバイス56と表記するものとする。
【0021】
図3は、画像形成装置30のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置30は、CPU31と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、操作パネル35と、画像読取部36と、画像形成部37と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)38とを備える。
【0022】
CPU31は、ROM33等に記憶された各種プログラムをRAM32にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM32は、CPU31の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM33は、CPU31が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
操作パネル35は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0023】
画像読取部36は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部36は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0024】
画像形成部37は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部37は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。本実施の形態では、印刷データに基づき印刷を行なう印刷機構の一例として、画像形成部37を設けている。
通信I/F38は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0025】
ここで画像形成装置30に時刻指定を行なって印刷を行ないたい場合がある。いわゆる時刻指定プリント機能である。このように印刷時刻の指定を行なう場合としては、例えば、印刷を行ないたい者が、外出先で印刷物を受け取りたい場合などである。つまり印刷を行ないたい者が、画像形成装置30が設置される場所とは、異なる場所から印刷の指示を行なう。このとき印刷時刻の指定を行なう。そして印刷の指示を出した者は、外出先である画像形成装置30が設置される場所に出向き、指定した時刻に印刷された印刷物を受け取ることができる。またこの機能を使用すると、夜間に印刷の時刻指定をし、朝になってから印刷された印刷物を受け取るようなことも可能となる。この場合、多量の印刷を行ないたいが、日中に印刷を行なうと画像形成装置30を占有することになり好ましくない場合に有効となる。
【0026】
ここで画像形成装置30が指定された印刷時刻において印刷を行なうためには、例えば、以下の(i)、(ii)のような方法が考えられる。
(i)画像形成装置30側で印刷時刻の指定がされている否かを判断するのではなく、クラウドプリントサーバ50において、指定された印刷時刻に合わせて印刷指示情報を生成する。そして画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50から印刷データを取得して印刷することで、指定された印刷時刻に印刷が行なわれる。
(ii)クラウドプリントサーバ50から送られる印刷データを画像形成装置30内において記憶し、指定された印刷時刻を待って印刷を行なう。このとき印刷データは、そのまま(例えば、PDL(Page Description Language)の状態)で記憶してもよく、ラスタライズ後のラスタデータとして記憶してもよい。
【0027】
しかしながら上記(i)の方法は、クラウドプリントサーバ50によって提供されるサービスの変更が必要になる場合が多い。本実施の形態のようなクラウドプリントシステムにおいて、クラウドプリントサーバ50は、通常サードパーティにより提供されるものである。そのためこのサーバ側をプリンタベンダの意向に合わせて変更するのは容易ではない。
【0028】
また上記(ii)の方法は、例えば、以下のような手順により行なわれる。
図4は、指定時刻に印刷を行なうことができるクラウドプリントシステムの概略動作について示した図である。なおこの形態では、印刷を行ないたいユーザが端末装置10により印刷指示を行ない、画像形成装置30にて印刷を行なう場合を例として説明を行なう。
【0029】
まず、ユーザの操作に応じて、端末装置10は、クラウドプリントサーバ50に、画像形成装置30での文書の印刷を要求する(1A)。
次に、クラウドプリントサーバ50は、画像形成装置30に対する印刷指示情報を生成し、画像形成装置30からのポーリングを待機する(1B)。
このとき、画像形成装置30は、クラウドプリントサーバ50に定期的にポーリングを行い、印刷指示情報が蓄積されていないかをチェックする(1C)。
そして、画像形成装置30は、印刷指示情報がクラウドプリントサーバ50に蓄積されていることを検知すると、クラウドプリントサーバ50から印刷データを取得して印刷を行う(1D)。ただしこのとき印刷指示情報の中に印刷時刻の指定がされているか否かを判断する。そして印刷時刻の指定がない場合は、そのまま印刷を行うが、印刷時刻の指定があった場合は、指定された印刷時刻を待って印刷を行なう。
【0030】
この形態において、画像形成装置30にHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置が備えられ、指定された印刷時刻を待つ間に、印刷データをこの大容量記憶装置に保存できれば問題はない。しかし画像形成装置30がこのような大容量記憶装置を持たない所謂ディスクレスプリンタであった場合は、上記(ii)の方法を使用するのは困難である。
【0031】
そこで本実施の形態では、画像形成装置30に内蔵され、印刷データを画像形成部37に出力する印刷指示装置300を設け、これを以下に説明する構成とすることで、この問題の解決を図っている。
【0032】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
図5は、印刷指示装置300の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、印刷指示装置300は、問い合わせ部301と、処理取得部302と、印刷時刻判断部303と、時刻比較部304と、記憶部305と、印刷データ取得部306と、印刷データ出力部307とを備えている。
【0033】
詳しくは後述するが、図5に挙げた各部は、以下に挙げる機能を有する。
問い合わせ部301は、クラウドプリントサーバ50に、画像形成装置30により印刷するジョブが存在しているかどうかを問い合わせる。そしてこの問い合わせに対する応答を取得する。
そして処理取得部302は、問い合わせ部301による問い合わせの応答として、画像形成装置30により印刷すべきジョブが存在しているときに、このジョブの一覧であるジョブリストを外部装置であるクラウドプリントサーバ50から取得する。
さらに印刷時刻判断部303は、処理取得部302で取得したジョブリストから、印刷時刻が指定されたジョブの存在を判断する。
そして時刻比較部304は、印刷時刻判断部303により印刷時刻が指定されたジョブが存在した場合にこの印刷時刻と現在時刻とを比較する。
また記憶部305は、印刷時刻が現在時刻より後だった場合に、印刷時刻が指定されたジョブの識別情報等を記憶する。
印刷データ取得部306は、印刷情報取得部の一例であり、印刷時刻に合わせ、識別情報に基づきジョブの印刷データを取得する。
印刷データ出力部307は、印刷情報出力部の一例であり、印刷データ取得部306が取得した印刷データを画像形成部37に出力する。
【0034】
次に、第1の実施の形態における印刷指示装置300の動作について説明する。
図6は、第1の実施の形態における印刷指示装置300の動作例を示したフローチャートである。また図7は、第1の実施の形態における画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との情報のやりとりを説明したシーケンス図である。なおこの動作に先立ち、端末装置10が、文書を印刷したい画像形成装置30を指定してクラウドプリントサーバ50に印刷指示情報の生成を要求しているものとする。また、この動作は、予め定められた時間間隔で実行されるものとする。
【0035】
以下、図5図7を使用して第1の実施の形態における印刷指示装置300の動作の説明を行なう。
印刷指示装置300では、まず、問い合わせ部301が、クラウドプリントサーバ50に、画像形成装置30により印刷するジョブが存在しているかどうかを通信I/F38を介して問い合わせる。そのため問い合わせ部301は、問い合わせ情報を通信I/F38を介してクラウドプリントサーバ50に送信する(ステップ101)。具体的には、問い合わせ部301が、印刷の指示を行なう画像形成装置30の識別子を保持しておく。そしてこれらの識別子に関連付けられたジョブがクラウドプリントサーバ50に存在するかどうかを問い合わせる問い合わせ情報を通信I/F38に出力し、通信I/F38がこれをクラウドプリントサーバ50に送信する。
【0036】
この問い合わせ情報に対してクラウドプリントサーバ50から応答があると、問い合わせ部301は、応答内容が、印刷の指示を行なう画像形成装置30に対する印刷ジョブがクラウドプリントサーバ50に蓄積されていることを示すものであるかどうかを判定する(ステップ102)。具体的には、問い合わせ部301は、印刷の指示を行なう画像形成装置30の識別子について、その識別子に関連付けられたジョブがクラウドプリントサーバ50に存在する旨の応答が返って来たかどうかを判定する。
【0037】
その結果、応答内容が、該当する印刷ジョブが存在することを示すものでないと判定されれば(ステップ102でNo)、処理は終了する。具体的には、印刷の指示を行なう画像形成装置30の識別子に関連付けられたジョブが、クラウドプリントサーバ50に存在しない旨の応答が返って来れば、処理は終了する。
【0038】
一方、応答内容が、印刷の指示を行なう画像形成装置30での印刷を指示するものであると判定されると(ステップ102でYes)、処理取得部302が、このジョブの一覧であるジョブリストを取得する(ステップ103)。具体的には、処理取得部302が、クラウドプリントサーバ50にジョブリストのダウンロード指示を出し、それに従いクラウドプリントサーバ50からダウンロードされたジョブリストを受け取る。
【0039】
図8は、ジョブリストの一例を説明した図である。
図8で示したジョブリストは、画像形成装置30にて印刷するジョブが3つあることを示している。そしてこのそれぞれのジョブには、ジョブID、送信元IPアドレス、文書名、送信者、付加情報が記載されている。
ジョブIDは、画像形成装置30にて印刷するジョブのID情報であり、ここではこのジョブIDとして図中上から1〜3の番号が付与されている。また送信元IPアドレスは、端末装置10のIPアドレスを意味し、どの端末装置10から指示された印刷のジョブであるかがわかる。そして文書名は、それぞれのジョブで印刷する文書の名称である。さらに送信者は、端末装置10を操作して印刷指示を出した送信者の名前である。さらに付加情報は、他に付加すべき情報が存在するときにこの欄に記載を付加する。
【0040】
図5図7に戻り、印刷時刻判断部303は、処理取得部302で取得したジョブリストに記載されているジョブについて印刷時刻が指定されているか否かを判断する(ステップ104)。図8に示したジョブリストでは、ジョブIDが3のものに付加情報として印刷時刻が指定されている。この場合、ジョブIDが3のものは、2011/11/18の17:30に印刷を行なうことが指定されている。そのため印刷時刻判断部303は、ジョブID3のジョブを印刷時刻が指定されたものであると判断する。
【0041】
そして時刻比較部304は、印刷時刻判断部303により印刷時刻が指定されたジョブが存在した場合(ステップ104でYes)に、このジョブについて指定された印刷時刻と現在時刻とを比較する(ステップ105)。具体的には、ジョブリストに記載された印刷時刻と画像形成装置30に内蔵された時計による現在時刻とを比較する。
その結果、印刷時刻が現在時刻より後だった場合(ステップ105でYes)、印刷時刻と印刷時刻が指定されたジョブの識別情報とを記憶部305で記憶する(ステップ106)。具体的には、印刷時刻は、ジョブリストのジョブID3の欄に記載される印刷時刻である。そして識別情報としては、例えば、ジョブIDであり、この場合「3」である。
【0042】
そして印刷データ取得部306は、印刷データを取得する時刻になったか否かを判断し(ステップ107)、この時刻になった場合は、識別情報に基づきジョブの印刷データを取得する(ステップ108)。具体的には、印刷時刻に合わせて印刷データ取得部306が、画像形成装置30についてのジョブIDに基づき、クラウドプリントサーバ50に印刷データのダウンロード指示を出し、それに従いクラウドプリントサーバ50からダウンロードされた印刷データを受け取る。
なお画像形成装置30では、図4で説明したようにクラウドプリントサーバ50に定期的にポーリングを行い、印刷指示情報が蓄積されていないかをチェックしているが、印刷データ取得部306は、このような定期的なポーリングとは別にポーリングを行なうことでジョブの印刷データを取得する。つまり本実施の形態では、印刷データ取得部306は、予め定められた時間毎に印刷すべきジョブをクラウドプリントサーバ50から取得するとともに、印刷時刻が指定されたジョブが存在した場合には、印刷時刻に合わせ印刷すべきジョブの取得を行なう時間を変更する。
【0043】
このとき印刷データ取得部306は、指定された印刷時刻までに印刷が終了するようにジョブの印刷データの取得を行なうことが好ましい。つまり印刷時刻において印刷データ取得部306によりクラウドプリントサーバ50から印刷データを取得すると、この後印刷を行なうのに時間を要するため、印刷時刻において印刷は完了しないことになる。これを回避するためには、例えは、記憶部305が、ジョブの印刷データの容量をさらに記憶しておく。そして印刷データ取得部306は、印刷データの容量に応じて印刷データを取得する時刻の変更を行なう。つまり印刷データの容量が大きくなるに従い、印刷データを取得する時刻を早くする。なおこの際に、ネットワーク70や、ネットワーク90の通信速度をさらに考慮して印刷データを取得する時刻を決定することが好ましい。
【0044】
次に印刷データ出力部307が、印刷データ取得部306が取得した印刷データを画像形成部37に出力する(ステップ109)。これにより画像形成部37にて印刷時刻が指定された印刷のジョブについて実際に印刷が行なわれる。また印刷が完了すると印刷指示装置300は、クラウドプリントサーバ50にジョブリストのステータスが「印刷完了状態」になった旨を送信する。
【0045】
なおステップ104において、ジョブリストに記載されているジョブについて印刷時刻が指定されていない場合(ステップ104でNo)や、ステップ105において、印刷時刻が指定されているが、この印刷時刻が現在時刻より前だった場合(ステップ105でNo)は、ステップ109に進み、印刷データ出力部307において、印刷データを取得して画像形成部37に出力する(ステップ109)。即ち、画像形成装置30によりすぐに印刷が開始される。
【0046】
またステップ106において記憶部305に記憶される識別情報は、ジョブIDに限られるものではなく、印刷時刻が指定されたジョブを識別できれば特に限られるものではない。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
上述した第1の実施形態では、ジョブリストの中に指定された印刷時刻が記載されていたが、この情報がジョブリスト中にない場合もあり得る。
この場合は、以下の方法により画像形成装置30にて指定された時刻に印刷を行なうことができる。
【0048】
なおこの形態において、印刷指示装置300の機能構成例は、図5と同様である。
ただし、詳しくは後述するが、処理取得部302は、ジョブの一覧であるジョブリストまたは/およびジョブの印刷データを外部装置であるクラウドプリントサーバ50から取得し、印刷時刻判断部303は、処理取得部302で取得したジョブリストまたはジョブの印刷データから、印刷時刻が指定されたジョブの存在を判断する。
図9は、第2の実施の形態における印刷指示装置300の動作例を示したフローチャートである。また図10は、第2の実施の形態における画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との情報のやりとりを説明したシーケンス図である。ここで図9のステップ201〜ステップ204は、図6のステップ101〜ステップ104にそれぞれ対応し、同様の処理を行なう。さらに図9のステップ207〜ステップ211は、図6のステップ105〜ステップ109にそれぞれ対応し、同様の処理を行なう。
以下、図5図9図10を使用して第2の実施の形態における印刷指示装置300の動作の説明を行なう。
【0049】
図11は、印刷時刻が指定されていないジョブリストの一例を説明した図である。
図示するように図8の付加情報の欄にあった印刷時刻の指定が図11のジョブリストではない。
このように印刷時刻の指定がジョブリストになかった場合(ステップ204でNo)は、印刷時刻判断部303は、さらに印刷データをクラウドプリントサーバ50から取得する(ステップ205)。そして印刷データの中に印刷時刻の指定があるか否かを解析する。そして印刷データの中に印刷時刻の指定がある場合(ステップ206でYes)、ステップ207以降の処理を行なう。一方、印刷時刻が指定されていない場合(ステップ206でNo)は、ステップ211に進み、印刷データ出力部307において、印刷データを取得して画像形成部37に出力する(ステップ211)。即ち、画像形成装置30によりすぐに印刷が開始される。なお印刷時刻の指定がジョブリストにあった場合(ステップ204でYes)は、ステップ207に進む。この場合は、上記第1の実施の形態と同様となる。
【0050】
図12は、印刷データの一例を示した図である。
ここでは、ジョブIDが3のものについて、印刷データの中に印刷時刻の指定がある場合の例を示している。この印刷データは、ジョブ属性指定部と、ジョブ本体と、ジョブ区切り指定部とに分かれている。そしてこのうちジョブ属性指定部の欄Tに印刷時刻が指定されている。この場合は、「@PJL SET JOBATTR=”@PRTM=2011/11/18−17:30”の部分が印刷の指定時刻が、2011/11/18の17:30であることを示している。
このように印刷データを解析し、印刷の指定時刻を取得すること以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0051】
ただし本実施の形態では、ステップ205において印刷データを全て取得する必要はない。つまり印刷データ中に印刷時刻の指定があるのを発見し、印刷時刻が判明した時点で、これ以降の印刷データについては、クラウドプリントサーバ50からのダウンロードを中止する。また既にダウンロードした印刷データについては、これを破棄する。そして印刷データは、ステップ210において改めてクラウドプリントサーバ50から取得する。本実施の形態では、ステップ205で印刷データを取得するのは、印刷時刻を解析するためであり、印刷データを画像形成装置30で保存することは行なわないことが前提である。そのためこれ以後の印刷データを取得しても無駄な処理を行なうことになるためこれを防止する。
具体的には、図12において、印刷データは、大きく分けてジョブ属性指定部、ジョブ本体、ジョブ区切り指定部に分かれ、そのうち印刷の時刻指定は、ジョブ属性指定部に記載されている。そしてジョブ本体のデータ量が一番大きい。そのため本実施の形態では、ジョブ属性指定部のダウンロードのみを行ない、ジョブ本体、ジョブ区切り指定部はダウンロードしない処理を行なう。
【0052】
以上のような形態の印刷指示装置300を使用することで、画像形成装置30が大容量記憶装置を持たないいわゆるディスクレスプリンタであった場合でも指定された時刻に印刷を行なう時刻指定プリント機能を使用することができる。また本実施の形態では、クラウドプリントサーバ50等のサーバ側の変更は必要とされない。
【0053】
なお上述した例では、時刻比較部304において、指定された印刷時刻と現在時刻とを比較するのに画像形成装置30に内蔵される時計を使用していたがこれに限られるものではない。つまり画像形成装置30内に時計が内蔵されているとは限らないので、この場合、例えば、時計の代わりに画像形成装置30内にタイマを設け、これを使用する。そして例えば現在時刻をクラウドプリントサーバ50等から取得し、時刻比較部304において、指定された印刷時刻と現在時刻とを比較する。そしてこの2つの時刻の差を算出し、この差の時間をタイマにセットする。さらにこのタイマの残り時間が予め定められた時間になった時にクラウドプリントサーバ50から印刷データを取得する。つまり印刷データ取得部306は、印刷時刻と現在時刻との差である印刷時間までの残り時間に基づき処理の印刷データを取得する。なおこの際には、記憶部305では、印刷時刻を記憶する必要はない。時計よりタイマの方が廉価であることが多いため、この形態では、画像形成装置30の製造に要する費用がより小さくなることが多い。
【0054】
また以上詳述した形態では、画像形成装置30に内蔵する形態で、印刷指示装置300を設けていたが、印刷指示装置300を画像形成装置30と別体とする装置で実現することも考えられる。この場合は、印刷指示装置300内に図5で説明した、問い合わせ部301、処理取得部302、印刷時刻判断部303、時刻比較部304、記憶部305、印刷データ取得部306、印刷データ出力部307を設け、クラウドプリントサーバ50や画像形成装置30に対し、印刷データ等のやりとりを行なえばよい。
【0055】
また以上詳述した形態では、画像形成装置30は、大容量記憶装置を持たない所謂ディスクレスプリンタの場合について説明したが、大容量記憶装置を備える画像形成装置30についても適用が可能である。この場合は、画像形成装置30内のRAM32に記憶する印刷データが削減できるなどの利点がある。
【0056】
なお本実施の形態において、画像形成装置30およびネットワーク90からなるシステムは、予め定められた画像形成装置30にて印刷すべきジョブの一覧または/およびジョブの印刷データを取得する処理取得部302と、処理取得部302で取得したジョブの一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、ジョブの一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合にジョブの印刷データから印刷時刻が指定されたジョブの存在を判断する印刷時刻判断部303と、印刷時刻判断部303により印刷時刻が指定されたジョブが存在した場合に印刷時刻と現在時刻とを比較する時刻比較部304と、印刷時刻が現在時刻より後だった場合に、印刷時刻が指定されたジョブの識別情報を記憶する記憶部305と、印刷時刻に合わせ、識別情報に基づきジョブの印刷データを取得する印刷データ取得部306と、印刷データ取得部306により取得された印刷データに基づき印刷を行なう画像形成部37と、を備えることを特徴とする印刷システムとして捉えることもできる。
【0057】
なお本実施の形態における印刷指示装置300が行なう処理は、例えば、CPU31が、ROM33等に記憶された各種プログラムをRAM32にロードして実行することにより行なわれる。
【0058】
よって印刷指示装置300が行なう処理は、コンピュータに、予め定められた画像形成装置30にて印刷すべきジョブリストまたは/およびジョブの印刷データを取得する機能と、取得したジョブの一覧から印刷時刻が指定された処理の存在を判断するとともに、ジョブの一覧に印刷時刻が指定された処理が存在しなかった場合にジョブの印刷データから印刷時刻が指定されたジョブの存在を判断する機能と、印刷時刻が指定された処理が存在した場合に印刷時刻と現在時刻とを比較する機能と、印刷時刻が現在時刻より後だった場合に、印刷時刻が指定された処理の識別情報を記憶する機能と、印刷時刻に合わせ、識別情報に基づき処理の印刷データを取得する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
【0059】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0060】
以上詳述した例では、印刷指示装置300側で印刷時刻の指定があるか否かを判断していたがこれに限られるものではなく、クラウドプリントサーバ50側で判断を行なってもよい。
以下、クラウドプリントサーバ50側で印刷時刻の指定があるか否かを判断する形態について説明を行なう。
【0061】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
図13は、第3の実施形態における印刷指示装置300の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、印刷指示装置300は、問い合わせ部301と、処理取得部302と、記憶部305と、印刷データ取得部306と、印刷データ出力部307とを備えている。即ち図5に示した印刷指示装置300に対し、印刷時刻判断部303と時刻比較部304がない構成を採る。
【0062】
次に、第3の実施の形態における印刷指示装置300の動作について説明する。
図14は、第3の実施の形態における印刷指示装置300の動作例を示したフローチャートである。また図15は、第3の実施の形態における画像形成装置30とクラウドプリントサーバ50との情報のやりとりを説明したシーケンス図である。
【0063】
以下、図13図15を使用して第3の実施の形態における印刷指示装置300の動作の説明を行なう。
【0064】
印刷指示装置300では、まず、問い合わせ部301が、クラウドプリントサーバ50に、画像形成装置30により印刷するジョブが存在しているかどうかを通信I/F38を介して問い合わせる。そのため問い合わせ部301は、問い合わせ情報を通信I/F38を介してクラウドプリントサーバ50に送信する(ステップ301)。
【0065】
この問い合わせ情報に対してクラウドプリントサーバ50は、画像形成装置30に対する印刷ジョブがクラウドプリントサーバ50に蓄積されているか否かを判定する(ステップ302)。具体的には、クラウドプリントサーバ50は、印刷の指示を行なう画像形成装置30の識別子について、その識別子に関連付けられたジョブがクラウドプリントサーバ50に存在するかどうかを判定する。
【0066】
その結果、該当する印刷ジョブが存在しないと判定されれば(ステップ302でNo)、処理は終了する。
【0067】
一方、クラウドプリントサーバ50に、該当するジョブがあると判定されると(ステップ302でYes)、次にジョブについて印刷時刻が指定されているか否かを判断する(ステップ303)。この判断は、上述した第1の実施の形態や第2の実施の形態のようにジョブリストや印刷データを参照することで行なうことができる。
【0068】
そしてクラウドプリントサーバ50は、印刷時刻が指定されたジョブが存在した場合(ステップ303でYes)に、このジョブについて指定された印刷時刻と現在時刻とを比較する(ステップ304)。具体的には、ジョブリスト等に記載された印刷時刻とクラウドプリントサーバ50に内蔵された時計による現在時刻とを比較する。
その結果、印刷時刻が現在時刻より後だった場合(ステップ304でYes)、印刷時刻と印刷時刻が指定されたジョブの識別情報とを印刷指示装置300に対して送信する(ステップ305)。
【0069】
一方、印刷指示装置300は、処理取得部302において、印刷すべきジョブの印刷時刻および識別情報をクラウドプリントサーバ50から取得すると、記憶部305においてこの印刷時刻と識別情報を記憶する(ステップ306)。
【0070】
また印刷データ取得部306は、記憶部305において記憶された印刷時刻と現在時刻を比較して印刷データを取得する時刻になったか否かを判断する(ステップ307)。そしてこの時刻になった場合は、印刷データ取得部306が、記憶部305において記憶されている識別情報に基づきジョブの印刷データを取得する(ステップ308)。具体的には、印刷時刻に合わせて印刷データ取得部306が、識別情報に基づき、クラウドプリントサーバ50に印刷データのダウンロード指示を出し、それに従いクラウドプリントサーバ50からダウンロードされた印刷データを受け取る。
【0071】
次に印刷データ出力部307が、印刷データ取得部306が取得した印刷データを画像形成部37に出力する(ステップ309)。これにより画像形成部37にて印刷時刻が指定された印刷のジョブについて実際に印刷が行なわれる。また印刷が完了すると印刷指示装置300は、クラウドプリントサーバ50にジョブリストのステータスが「印刷完了状態」になった旨を送信する。
【0072】
なおステップ303において、ジョブについて印刷時刻が指定されていない場合(ステップ303でNo)やステップ304において、印刷時刻が指定されているが、この印刷時刻が現在時刻より前だった場合(ステップ304でNo)は、ステップ309に進み、印刷データ出力部307において、印刷データを取得して画像形成部37に出力する(ステップ309)。即ち、画像形成装置30によりすぐに印刷が開始される。
【符号の説明】
【0073】
10…端末装置、30…画像形成装置、50…クラウドプリントサーバ、300…印刷指示装置、302…処理取得部、303…印刷時刻判断部、304…時刻比較部、305…記憶部、306…印刷データ取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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