(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記録材を前記画像形成部を経由させて搬送するとともに当該画像形成部により当該記録材に画像が形成された後に当該記録材を前記装置本体の外部まで搬送する搬送手段を更に備え、
前記中断手段は、前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により判断された際に前記装置本体内にて搬送中の記録材が当該装置本体の外部まで前記搬送手段により搬送された後に、前記画像形成動作の前記中断を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
前記画像形成システムは、前記問い合わせ手段による問い合わせが行われない第1のモードと、当該問い合わせが行われる第2のモードの何れかのモードが設定可能に構成され、
前記問い合わせ手段は、前記第2のモードに設定されている場合に、前記画像形成動作の再開を行うか否かの前記問い合わせを前記操作者に対して行い、前記第1のモードに設定されている場合には当該問い合わせを行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
前記画像形成システムは、前記問い合わせ手段による問い合わせが行われない第1のモードと、当該問い合わせが行われる第2のモードの何れかのモードが設定可能に構成され、
前記問い合わせ手段は、前記第2のモードに設定されている場合に、前記画像形成動作の開始を行うか否かの問い合わせを前記操作者に対して行い、前記第1のモードに設定されている場合には当該問い合わせを行わず、
前記画像形成部は、前記第1のモードに設定され且つ前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていない場合、前記画像形成動作を開始しないことを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記録材上に形成される画像の質の低下を抑えつつ稼働率を上げることが可能な画像形成システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、装置本体と、前記装置本体の内部に設けられ、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記装置本体の内部および/または外部の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境情報取得手段により取得された前記環境情報により特定される状態が予め定められた条件内に収まっているか否かを判断する判断手段と、前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により判断された場合に、前記画像形成部による画像形成動作を中断させる中断手段と、前記中断手段により中断された前記画像形成動作の再開を行うか否かを操作者に問い合わせる問い合わせ手段と、前記画像形成動作を再開させるとの回答が操作者からあった場合に、前記予め定められた条件外での画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御手段と、を備え
、前記予め定められた条件外での画像形成動作が前記画像形成制御手段によって開始された後に、前記環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が前記予め定められた条件内に収まり、その後、当該環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件から外れ、当該環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により再び判断された場合、前記中断手段による当該画像形成動作の中断が行われない画像形成システムである。
請求項2に記載の発明は、前記記録材を前記画像形成部を経由させて搬送するとともに当該画像形成部により当該記録材に画像が形成された後に当該記録材を前記装置本体の外部まで搬送する搬送手段を更に備え、前記中断手段は、前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により判断された際に前記装置本体内にて搬送中の記録材が当該装置本体の外部まで前記搬送手段により搬送された後に、前記画像形成動作の前記中断を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成システムである。
請求項3に記載の発明は、前記画像形成システムは、前記問い合わせ手段による問い合わせが行われない第1のモードと、当該問い合わせが行われる第2のモードの何れかのモードが設定可能に構成され、前記問い合わせ手段は、前記第2のモードに設定されている場合に、前記画像形成動作の再開を行うか否かの前記問い合わせを前記操作者に対して行い、前記第1のモードに設定されている場合には当該問い合わせを行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システムである。
【0006】
請求項4に記載の発明は、装置本体と、前記装置本体の内部に設けられ、記録材に画像を形成する画像形成部と、前記装置本体の内部および/または外部の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報取得手段により取得された前記環境情報により特定される状態が予め定められた条件内に収まっているか否かを判断する判断手段と、
前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により判断された場合に、前記画像形成部による画像形成動作を中断させる中断手段と、前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により判断された場合に、前記画像形成動作による画像形成動作を開始するか否かを操作者に問い合わせる問い合わせ手段と、前記画像形成動作を開始するとの回答が操作者からあった場合に、前記予め定められた条件外での画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御手段と、を備え
、前記予め定められた条件外での画像形成動作が前記画像形成制御手段によって開始された後に、前記環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が前記予め定められた条件内に収まり、その後、当該環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件から外れ、当該環境情報取得手段により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件内に収まっていないと前記判断手段により再び判断された場合、前記中断手段による当該画像形成動作の中断が行われない画像形成システムである。
請求項5に記載の発明は、前記画像形成システムは、前記問い合わせ手段による問い合わせが行われない第1のモードと、当該問い合わせが行われる第2のモードの何れかのモードが設定可能に構成され、前記問い合わせ手段は、前記第2のモードに設定されている場合に、前記画像形成動作の開始を行うか否かの問い合わせを前記操作者に対して行い、前記第1のモードに設定されている場合には当該問い合わせを行わず、前記画像形成部は、前記第1のモードに設定され且つ前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていない場合、前記画像形成動作を開始しないことを特徴とする請求項4記載の画像形成システムである。
【0007】
請求項6に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部が収められた画像形成装置の内部および/または外部の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得機能と、前記環境情報取得機能により取得された前記環境情報により特定される状態が予め定められた条件内に収まっているか否かを判断する判断機能と、前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断機能により判断された場合に、前記画像形成部による画像形成動作を中断させる中断機能と、前記中断機能により中断された前記画像形成動作の再開を行うか否かを操作者に問い合わせる問い合わせ機能と、前記画像形成動作を再開させるとの回答が操作者からあった場合に、前記予め定められた条件外での画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム
であり、前記予め定められた条件外での画像形成動作が前記画像形成制御機能によって開始された後に、前記環境情報取得機能により取得された環境情報により特定される状態が前記予め定められた条件内に収まり、その後、当該環境情報取得機能により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件から外れ、当該環境情報取得機能により取得された環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件内に収まっていないと前記判断機能により再び判断された場合、前記中断機能による当該画像形成動作の中断を行わないプログラムである。
請求項7に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部が収められた画像形成装置の内部および/または外部の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得機能と、
前記環境情報取得機能により取得された前記環境情報により特定される状態が予め定められた条件内に収まっているか否かを判断する判断機能と、
前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断機能により判断された場合に、前記画像形成部による画像形成動作を中断させる中断機能と、前記環境情報により特定される前記状態が前記予め定められた条件内に収まっていないと前記判断機能により判断された場合に、前記画像形成部による画像形成動作を開始するか否かを操作者に問い合わせる問い合わせ機能と、前記画像形成動作を開始するとの回答が操作者からあった場合に、前記予め定められた条件外での画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム
であり、前記予め定められた条件外での画像形成動作が前記画像形成制御機能によって開始された後に、前記環境情報取得機能により取得される環境情報により特定される状態が前記予め定められた条件内に収まり、その後、当該環境情報取得機能により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件から外れ、当該環境情報取得機能により取得される環境情報により特定される状態が当該予め定められた条件内に収まっていないと前記判断機能により再び判断された場合、前記中断機能による当該画像形成動作の中断を行わないプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、記録材上に形成される画像の質の低下を抑えつつ稼働率を上げることが可能な画像形成システムを提供することができる。
請求項2の発明によれば、装置本体内に記録材が残っている状態で画像形成動作を中断させる場合に比べ、画像形成動作の再開処理をより簡易に行うことができるようになる。
請求項3の発明によれば、操作に不慣れな操作者により画像形成動作が再開され質が低下した状態の画像が形成されることを防止可能となる。
請求項4の発明によれば、記録材上に形成される画像の質の低下を抑えつつ稼働率を上げることが可能な画像形成システムを提供することができる。
請求項5の発明によれば、質が低下した状態の画像が形成されることを防止可能となる。
請求項6の発明によれば、記録材上に形成される画像の質の低下を抑えつつ画像形成装置の稼働率を上げることが可能なプログラムを提供することができる。
請求項7の発明によれば、記録材上に形成される画像の質の低下を抑えつつ画像形成装置の稼働率を上げることが可能なプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1の全体構成を示した図である。
同図に示す画像形成システム1は、記録材の一例としての用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置2と、PC(Personal computer)により構成されLANなどのネットワークを介して画像形成装置2に接続された端末装置3とから構成されている。ここで、端末装置3には、プログラム制御されるCPU(Central Processing Unit)を備えた端末装置本体3Aと、ユーザからの指示を受け付けるキーボート3Bと、情報の表示を行うモニタ3Cとから構成されている。
【0011】
図2は、画像形成装置2の内部構成を示した図である。
画像形成装置2には、装置本体130が設けられている。ここで、この装置本体130の内部には、用紙を収容するとともにこの用紙を下流側に送り出す給紙装置101が設けられている。また、装置本体130の内部であって給紙装置101の下流側には、プレコート胴102、渡し胴103、ジェッティング胴104、渡し胴105、乾燥胴106、渡し胴107、定着胴108、排紙胴109が配置されている。ここで、各胴は、ロール形状を有し、用紙は、これらの機構により下流側に搬送され、その過程で画像形成に係る処理が行われる。
【0012】
また、本実施形態では、プログラム制御されたCPUにより構成され、画像形成装置2に設けられた各部、各装置を制御する制御部500が設けられている。ここで本実施形態では、この制御部500によって、各部、各装置の動作パラメータが温度や湿度に応じて変更される。これにより、形成される画像の質に変動が生じにくくなっている。また、本実施形態では、各部、各装置の経時劣化も考慮されており、時間(画像形成装置2の稼働時間)の経過に応じて各部、各装置の動作パラメータが変更されるようになっている。これにより、形成される画像の質の変動がさらに生じにくくなっている。
【0013】
なお、時間の経過に応じて変更される動作パラメータとしては、例えば、給紙開始タイミングが挙げられる。より具体的には、本実施形態では、給紙開始から所定の用紙検知センサーに到達する時間を測定し、用紙到達時間を給紙開始タイミングにフィードバックすることにより、給紙装置101の状態の変化と共に給紙開始タイミングを調整している。また、給紙開始タイミングは用紙の厚さや種類、調湿されていない紙癖の悪い用紙に対しても調整している。
【0014】
図2を参照し、画像形成装置2についてさらに説明する。
本実施形態の画像形成装置2では、プレコート胴102の対向位置に、プレコート装置110が配置されている。プレコート装置110は、用紙の表面に、インクの付着性を良くするためのプレコーティングを行う。このプレコーティングは、樹脂系のコーティング剤を用紙上に塗布することで行われる。渡し胴103は、加熱機能を有し、上記のプレコーティングがされた用紙が搬送されていく過程において、塗布されたコーティング剤を乾燥させる。
【0015】
ジェッティング胴104の上方には、液状の像形成剤(インク)を用紙に向けて吐出するインク吐出ヘッド装置111が配置されている。画像形成部として機能するインク吐出ヘッド装置111は、YMCK4色のインクを搬送されている用紙に吐出し、用紙上に画像を形成する。ジェッティング胴104によりインクが付着した用紙は、渡し胴105から乾燥胴106に移動する。そして、このとき、用紙に対して乾燥装置122から温風が当てられ、用紙上のインクの乾燥が促進される。そして、インクの乾燥が行われることで、画像の用紙上への定着が行われる。
【0016】
その後、用紙は、渡し胴107から定着胴108に至る。ここで、定着胴108の対向位置には、用紙上の画像を読み取りエラー検出を行うインラインセンサ123が配置されている。また、定着胴108の下流側には、排紙胴109が配置され、インラインセンサ123にて画像が読み取られた用紙は、この排紙胴109により排紙装置124に送られる。そして、用紙は排紙装置124に収納される。
【0017】
また、本実施形態では、排紙胴109と排紙装置124との間にマーク印字装置125が設けられており、画像のずれなど不良が生じている用紙に対し、予め定められたマークが印字される。また、本実施形態では、装置本体130の内部および/または外部の環境に関する環境情報を取得する環境情報取得手段として機能するセンサ126が設けられている。なお、本実施形態におけるセンサ126は、装置本体130の内部および外部のそれぞれに設けられており、装置本体130の内部の温度および湿度を測定し、また、装置本体130の外部の温度および湿度を測定する。
【0018】
図3〜
図6は、給紙側UI4または、排紙側UI5に表示される表示画面の一例を示した図である。
図3は、画像形成装置2にて印刷処理(画像形成処理)が行われる前の表示画面を示した図である。同図に示すように、本実施形態では、UI4または、UI5上に、オペレータにより選択される複数の操作ボタン30が表示される。また、UI4または、UI5上には、「印刷枚数」、「印刷部数」、「ジョブ名」などの情報も表示される。なお、印刷処理が開始される際には、図中下方に設けられている操作ボタン31がオペレータにより選択される。
【0019】
図4は、画像形成装置2による印刷処理が開始された後の表示画面の一例を示した図である。
図3にて示した操作ボタン31がオペレータにより選択されると、印刷処理が開始され、そして、印刷処理が開始されると、UI4または、UI5における表示画面が
図4に示す表示画面に切り替わる。また、印刷処理が開始されると、
図4に示すように、「印刷枚数」や「印刷部数」などの項目にて表示されている数が増加し、現在までの印刷枚数や印刷部数が表示される。また、UI4または、UI5には、印刷処理が終了するまでにかかる時間である「残り時間」が表示される。
【0020】
ここで、本実施形態では、上記のとおり、温度および湿度を測定するセンサ126が設けられており、画像形成装置2の内部および外部の温度や湿度が測定されるようになっている。そして本実施形態では、温度や湿度の測定結果を
図5、
図6に示すように、UI4または、UI5に表示する。これにより、オペレータが温度や湿度を確認することができるようになっている。なお、
図5(A)は、画像形成装置2の外部の温度や湿度などを表示した際の表示画面であり、
図5(B)は、複数設けられたインク吐出ヘッド装置111の各々の内部温度を表示した際の表示画面である。また、
図6は、インク吐出ヘッド装置111の周辺の温度などを表示した際の表示画面である。
【0021】
ここで、上記温度や湿度が高すぎたり低すぎたりすると、形成される画像の質が低下するおそれがある。このため、本実施形態の画像形成装置2では、動作保障範囲(動作保障環境)が予め設定されており、判断手段として機能する制御部500が、画像形成装置2の外部の温度および湿度がこの動作保障範囲内にあるか否かを判断する。そして、画像形成装置2の外部の温度および湿度が動作保障範囲内に収まっている場合に印刷処理を行うようにし、温度や湿度が動作保障範囲外にある場合には印刷処理を行わないようにしている。これにより、温度や湿度がある一定の範囲内にあるときに印刷処理(画像形成動作)が行われるようになる。
【0022】
ここで、動作保障範囲としては、例えば、画像形成装置2の機外の温度が20〜30℃の範囲内にあり、画像形成装置2の機外の湿度が40〜60%RHの範囲内にある状態を挙げることができる。なお、本実施形態では、画像形成装置2の外部の温度および湿度が動作保障範囲内にあるか否かを判断する場合を一例として挙げたが、画像形成装置2の内部の温度および湿度が動作保障範囲内にあるか否かを判断するようにしてもよい。また、画像形成装置2の内部の温度および湿度が動作保障範囲内にあるか否かを判断するとともに、画像形成装置2の外部の温度および湿度が動作保障範囲内にあるか否かを判断するようにしてもよい。
【0023】
ところで、温度や湿度が予め定められた閾値を超え動作保障範囲外にあったとしても、超えている程度が小さい場合には、大幅な画質低下は起きにくい。また、印刷処理を連続しておこなっている際の最終段階で動作保障範囲外となり印刷動作が中断してしまうことも考えられるが、この場合、大部分の画像形成処理を終了しているにも関わらず印刷処理が一旦停止することとなる。かかる場合、画像形成装置2の稼働率が低下するとともに、オペレータの作業時間も増加しオペレータへの負担も増す。このため、本実施形態では、動作保障範囲外となったとしてもオペレータによる続行の指示がある場合には、印刷処理を継続する処理を行う。
【0024】
なお、印刷処理の上記継続処理を行う場合、専門のオペレータにより画像形成装置2が管理されている場合には問題が生じにくい。付言すると、画像形成動作の上記継続処理を行うと、動作保障範囲外にて印刷処理が行われるために、質の低下した状態での印刷処理がなされる可能性が生じうるが、専門のオペレータにより管理されている場合には、上記継続処理を行うか否かの判断が適切になされ、質の低下した状態での印刷処理がなされにくくなる。その一方で、専門のオペレータでない者や操作に不慣れな者が操作する場合、上記継続処理を行うか否かの判断が適切になされず、大幅な質の低下が起こりやすくなる。
【0025】
このため、本実施形態では、上記継続処理の選択を行うことができない第1のモードと、上記継続処理の選択ができる第2のモードの2つのモードの何れかのモードが設定できるようになっている。第1のモードおよび第2のモードの何れかは、例えば画像形成装置2の出荷段階にて設定される。また、例えば、端末装置3がオペレータにより操作され、オペレータ自身により設定される。なお、第1のモードが設定されている場合には、UI4または、UI5上に、上記継続処理を選択するための操作ボタンは表示されない。一方で、第2のモードが設定されている場合には、継続処理を選択するための操作ボタンが表示される。以下、第1のモードに設定されている場合の処理、第2のモードに設定されている場合の処理について説明する。
【0026】
<第1のモードに設定されている場合の処理>
図7は、第1のモードに設定されている場合におけるUI4または、UI5の表示例を示した図である。
ここで、本実施形態では、第1のモードに設定され、印刷処理がなされておらず、且つ、動作保障範囲外となっている場合は、UI4または、UI5上に、
図7(A)にて示す表示を行う。具体的には、温度および湿度が動作保障範囲外にある旨、および、空調の調整が必要な旨を表示する。なお、この表示に加え、直接的な表示、即ち、印刷を開始できない旨の表示を行うようにしてもよい。
【0027】
一方で、印刷処理を行っている最中に動作保障範囲外となった場合は、印刷処理を中止するとともに、
図7(B)に示すように、UI4または、UI5上に、印刷処理を中止した旨の表示を行う。また、同図に示すように、空調の調整が必要な旨を表示する。なお、温度および湿度が動作保障範囲内となった場合には、
図7(B)の表示は終了し、
図3にて示した画面(印刷開始指示受け付け画面)を再び表示する。
【0028】
<第2のモードに設定されている場合の処理>
次に、第2のモードに設定されている場合の処理について説明する。
まず、第2のモードに設定されており、且つ、印刷処理が開始される前に動作保障範囲外となった場合の処理について説明する。この場合、問い合わせ手段としても機能する制御部500が、UI4または、UI5上に、
図8(第2のモードに設定されている場合におけるUI4または、UI5の表示例を示した図)の(A)に示す表示を行い、印刷処理の開始を行うか否かをオペレータに問い合わせる。
【0029】
より具体的には、制御部500は、動作保障範囲外にある旨、空調の調整が必要な旨、印刷の開始指示がある場合には温度/湿度に関わらず印刷を開始する旨の表示を行う。なお、
図8(A)にて示す「確認」ボタンが押圧されると
図3にて示した画面が表示される。そして、この画面上の操作ボタン31が押圧されると、画像形成制御手段として機能する制御部500が、動作保障範囲内となるのを待たずに画像形成装置2の各部、各装置を動作させる。これにより、動作保障範囲外での印刷処理が開始される。
【0030】
なお、印刷処理の開始後は、再び動作保障範囲外となったとしても、印刷処理の中止は行わず、また、動作保障範囲外にある旨の表示、および、空調の調整が必要な旨の表示は行なわない。付言すると、印刷処理を開始後に動作保障範囲内となり、その後、再び動作保障範囲外となる場合が起こりうるが、この場合は、印刷処理の中止は行わない。また、動作保障範囲外にある旨、空調の調整が必要な旨の表示も行なわない。なお、印刷処理の終了後は、動作保障範囲外か否かを再び判断し、動作保障範囲外であると判断した場合には、
図8(A)の表示を再び行う。一方で、動作保障範囲内である場合は、印刷開始指示を受け付けるための画面(
図3参照)を表示する。
【0031】
次に、第2のモードに設定されており、且つ、印刷処理中に動作保障範囲外となった場合の処理について説明する。
第2のモードに設定され且つ印刷処理中に動作保障範囲外となった場合は、中断手段としても機能する制御部500が、画像形成装置2の各部、各装置に対して予め定められた信号を出力し、印刷処理の中断を行う。
【0032】
なお、印刷処理の中断に際し、制御部500は、搬送手段として機能する各胴(渡し胴105などの各胴)の回転を予め定められた時間だけ継続させ、装置本体130内に残っている用紙を装置本体130の外部まで搬送する。また、印刷処理の中断に際し、制御部500は、上記マーク印字装置125(
図2参照)を用い、装置本体130内に残っている用紙に対してマークを印字する。これにより、本実施形態では、装置本体130の内部に存在する用紙にマークが印字され且つこの用紙が機外に排出された後に、印刷処理が中断されるようになる。
【0033】
次いで、問い合わせ手段としても機能する制御部500が、UI4または、UI5上に
図8(B)に示す表示を行い、印刷処理の再開を行うか否かをオペレータに問い合わせる。より具体的には、制御部500は、動作保障範囲外にある旨の表示、空調の調整が必要な旨の表示、印刷の中止を受け付けるための操作ボタン32、印刷処理をすぐに再開させる指示を受け付けるための操作ボタン33(印刷処理の継続を受け付けるための操作ボタン33)、動作保障範囲内となった後に印刷処理を再開させる指示を受け付けるための操作ボタン34を表示する。
【0034】
以下、上記3つの操作ボタンの各々が選択された場合の処理を説明する。
まず、上記3つの操作ボタンのうちの操作ボタン32が選択された場合には、印刷処理を中止する。また、3つの操作ボタンのうちの操作ボタン34が選択された場合には、印刷を中断(停止)したまま待機する。そして、動作保障範囲内となった場合に、
図9(UI4または、UI5における表示例を示した図)に示す画面をUI4または、UI5に表示する。そして、UI4または、UI5中の操作ボタン35(印刷の継続処理の指示を受け付けるための操作ボタン)がオペレータにより選択されると、正常に排出された用紙(マーク印字装置125によりマークが印字されたうえで排出された用紙よりも前に搬送された用紙)の次の用紙(ページ)から印刷を再開する。
【0035】
付言すると、
図8(B)に示す操作ボタン34が選択された場合は、動作保障範囲外における印刷にオペレータが同意しなかった場合であり、この場合は、温度や湿度が動作保障範囲内になるまで画像形成装置2の各部、各装置を待機させる。そして、動作保証範囲内となると印刷処理を再開するか否かをオペレータに問い合わせ、オペレータが再開に同意した場合に、印刷処理を再開する。
【0036】
一方、3つの操作ボタンのうち操作ボタン33が選択された場合、画像形成制御手段としても機能する制御部500は、動作保障範囲内となるのを待たずに画像形成装置2の各部、各装置を動作させ、動作保障範囲内となるのを待たずに印刷処理を再開する。即ち、動作保障範囲外での印刷処理を再開する。
なお、この場合も、上記と同様、正常に排出された用紙の次の用紙(ページ)から印刷を再開する。付言すると、マーク印字装置125によりマークが印字されたうえで排出された用紙よりも前に搬送された用紙の次の用紙(ページ)から印刷を再開する。なお、操作ボタン33が選択され印刷の再開を行った場合、上記と同様、温度や湿度が動作保障範囲を再び外れても、印刷処理の中止は行わない。また、動作保障範囲外にある旨、空調の調整が必要な旨の表示も行なわない。
【0037】
ここで、本実施形態の上記第2のモードでは、動作保証範囲外となった場合に印刷を中断し、オペレータからの指示(オペレータの同意)を待ち、オペレータからの指示があった場合に印刷を再開する。ところで、オペレータからの指示の有無に関わらず、一律に、印刷処理を継続することも可能ではある。付言すると、動作保証範囲外となったとしても印刷の中断は行わずに、そのまま印刷を継続する処理を行うこともできる。ところで、この場合、著しい画像の質の低下が生じる場合であっても印刷処理が一律に継続されてしまう。このため、本実施形態では、動作保証範囲外となった場合に印刷を中断し、オペレータの判断を仰ぐようにしている。この場合、画像の質の低下が著しく生じうる状況下における印刷処理がなされにくくなる。