(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978704
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 25/00 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
A47L25/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-72890(P2012-72890)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-202142(P2013-202142A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096862
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
(72)【発明者】
【氏名】松本 友憲
(72)【発明者】
【氏名】萩原 智之
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−087684(JP,A)
【文献】
特開昭61−233215(JP,A)
【文献】
米国特許第04570280(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部から挿入された支軸により回転自在に支持された円筒状の支持ローラの外周に、自由端となる他端部側から清掃用ロールが着脱可能に装着される清掃具において、
上記支持ローラは、上記他端部から軸線方向へ上記清掃用ロールの端部外方へ延出する1つの係止片が一体に形成され、
上記1つの係止片は、当該係止片の先端部から径方向外方に突出して、上記清掃用ロールの上記端部に係合して軸線方向の移動を規制する係止突起と、径方向内方に突出するとともに、その先端側と上記清掃用ロールの内周面との間に間隙が形成されることにより、当該先端側を、当該係止片の基端部を支点に上記清掃用ロールの内周面に近接させることにより上記係止突起の係止を解除する解除手段とが設けられていることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
上記係止片は、その外周に上記清掃用ロールの内周面の一部に当接される支持面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
上記解除手段は、角環状の枠部材により形成されているとともに、当該枠部材の対向する枠辺に上記係止片と平行に桟部材が一体に架設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用の粘着シートなどが巻回された清掃用ロールが着脱自在に装着される清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、カーペットの繊維に絡まったペットの毛や髪の毛、または繊維の間に入り込んだ細かな塵などは、掃除機により吸引して取り除いている。しかし、カーペットの繊維に絡まるペットの毛や髪の毛などが、掃除機の吸引では取り除くことができない場合には、回転自在に支持された支持ローラに、清掃用の粘着シートロールを着脱自在に装着した清掃具が用いられている。この清掃具は、上記粘着シートロールの粘着面をカーペットに当接させるとともに、転がしてペットの毛や髪の毛、細かな塵などを当該粘着面に付着させて捕捉するものである。
【0003】
この従来の清掃具に用いられる粘着シートロールは、粘着面が表側になるように巻回され、最表面に露出している一周分を剥がして切り離せるように、巻線方向にロールの一周分の間隔をおいて、切断部が軸線方向に設けられている。これにより、上記粘着面にペットの毛や髪の毛、細かな塵などが全周に亘り付着して、それ以上の捕捉が困難になった場合には、当該粘着シートロールの一周分を剥がし、上記切断部で切り離して取り除き、新たな粘着面を露出させることができる。
【0004】
これにより、上記粘着シートロールに巻回された粘着シートがなくなるまで、繰り返し使用することができ、僅かな髪の毛や細かな塵を簡便に捕捉することができる。しかも、巻回された粘着シートがなくなった場合には、市販されている新たな粘着シートロールを購入して、上記支持ローラに取り付けることにより、さらに使用を続けることが可能となるため、経済的でもある。
【0005】
この粘着シートロールを用いた清掃具として、例えば、下記特許文献1においては、クリーナ本体にホルダーを回転自在に保持し、ホルダーに粘着ロールを着脱自在に装着する粘着クリーナーにおいて、ホルダーは、一端部に、2本の割り溝により形成される複数の爪片と、爪片の先端部に円周の外方に突出し粘着ロールの巻芯が当接する抜止め突起と、抜止め突起の先端部間を連結する連結板からなる粘着クリーナーが提案されている。
【0006】
上記従来の粘着クリーナーは、上記ホルダーの一端部に形成され、複数の上記爪片の先端部の円周方向に設けられた上記抜止め突起により、上記ホルダーに上記粘着ロールを簡便に当該粘着ロールの軸線方向の移動を規制することができるとともに、使い終わった粘着ロールの巻芯を、上記抜止め突起の先端部間を連結する連結板を上記ホルダーの内方に押圧することにより、巻芯の一端部に係止されていた上記抜止め突起を離脱させて、容易に当該巻芯を取り外すことができる。
【0007】
しかしながら、上記従来の粘着クリーナーは、上記抜止め突起の先端部間を連結する連結板の中央部を強い力で、上記ホルダーの内方に押圧しないと、上記巻芯に係止されている上記抜止め突起が外れないため、指や手の力が弱い女性やお年寄りでは、簡単に外すことができないという問題がある。
【0008】
また、上記抜止め突起の先端部間を連結する連結板を設ける場合には、上記ホルダーの一端部に、2本の割り溝により形成された複数の爪片と、この爪片の先端部に形成された抜止め突起とが設けられた別ホルダーを備える必要があるため、部品点数が増えるとともに、製造コストが嵩むという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−67564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造によって、粘着シートロールを支持ローラから簡便に取り外すことが可能な清掃具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一端部から挿入された支軸により回転自在に支持された円筒状の支持ローラの外周に、自由端となる他端部側から清掃用ロールが着脱可能に装着される清掃具において、上記支持ローラは、上記他端部から軸線方向へ上記清掃用ロールの端部外方へ延出する1つの係止片が一体に形成され、上記1つの係止
片は、当該係止片の先端部から径方向外方に突出して、上記清掃用ロールの上記端部に係合して軸線方向の移動を規制する係止突起と、径方向内方に突出するとともに、その先端側と上記清掃用ロールの内周面との間に間隙が形成されることにより、当該先端側を、当該係止片の基端部を支点に上記清掃用ロールの内周面に近接させることにより上記係止突起の係止を解除する解除手段とが設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記係止片は、その外周に上記清掃用ロールの内周面の一部に当接される支持面が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記解除手段は、角環状の枠部材により形成されているとともに、当該枠部材の対向する枠辺に上記係止片と平行に桟部材が一体に架設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1〜3に記載の本発明によれば、支持ローラの自由端となる他端部から軸線方向へ上記清掃用ロールの端部外方へ延出される係止片に、当該係止片の先端部の径方向に突出して、清掃用ロールの軸線方向の移動を規制する係止突起が設けられているため、上記清掃用ロールに上記他端部から上記支持ローラを挿入することにより、簡便に当該清掃ロールを装着することができる。
【0015】
また、上記係止片の先端部の径方向内方に突出し、先端側と上記清掃用ロールの内周面との間に間隙を介して配設された、上記係止突起の係止を解除する解除手段とが設けられているため、一方の手で、上記支持ローラを回転自在に支持している支軸を把持し、他方の手で上記清掃用ロールを把持するとともに、その把持した手の人差し指により、上記解除手段を上記清掃用ロールの内方に押圧することで、上記係止片を弾性変形させて、当該清掃用ロールを係止している上記係止突起の係止を解除することができる。これにより、上記清掃用ロールを把持した片方の手だけで、簡便に当該清掃用ロールを取り外すことができ、握力が弱くても少ない力で容易に取り替えることができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明によれば、上記係止片が、その外周に上記清掃用ロールの内周面の一部に当接される支持面が設けられているため、上記係止片を上記解除手段によって、上記基端部を支点に弾性変形させることにより、上記清掃用ロールと上記係止片の先端部に形成された上記係止突起との係止を解除する際に、当該清掃用ロールと上記支持面との当接も解除されて、上記清掃用ロールをよりスムーズに取り外すことができる。この結果、少ない力でも容易に上記清掃用ロールを取り外すことができる。
【0017】
請求項3に記載の本発明によれば、上記解除手段が、角環状の枠部材により形成されているとともに、当該枠部材の対向する枠辺に上記係止片と平行に桟部材が一体に架設されているため、上記清掃用ロールを上記支持ローラから取り外す際に、一方の手の人差し指を上記枠部材に押し当てることにより、当該枠部材を上記支持ローラの他端部側に確実に押し込むことができる。この結果、上記係止片が上記基端部を支点に弾性変形して、先端側を上記清掃用ロールの内周面に近似させて、容易に上記清掃用ロールから上記係止片の係止突起の係止を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の清掃具の支持ローラの一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
【
図2】本発明の清掃具の支持ローラの一実施形態を示し、(a)は
図1(b)のA−A断面図、(b)は
図1(b)のB−B断面図である。
【
図3】本発明の清掃具の使用例を示し、(a)は粘着シートロールを支持ローラに装着する前の状態を示す斜視図、(b)は粘着シートロールを支持ローラに装着した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の清掃具の使用例を示し、(a)は支持ローラに装着された粘着シートロールを取り外す際に、解除手段に一方の手の人差し指を掛けた状態を示す斜視図、(b)はさらに人差し指で解除手段を押し込んで粘着シートロールとの係止を解除した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2および
図3に示すように、本発明の一実施形態の清掃具1は、基材3aに粘着シート3bが巻回された粘着シートロール(清掃用ロール)3が、支持ローラ2の外周に着脱自在に装着されるとともに、支持ローラ2の一端部2a側から挿入されたアーム(支軸)4により、当該支持ローラが回転自在に支持され、かつ当該アーム4の他方の端部4bに把持部4cが一体的に設けられて概略構成されている。
【0020】
ここで、支持ローラ2は、合成樹脂からなり、
図1および
図2に示すように円筒状をなして、一端部2a側の中心に、アーム4を挿入する孔部8が設けられているとともに、内部には、アーム4の一方の端部4aが当接される仕切り板2dが設けられている。この仕切り板2dは、支持ローラ2の軸線方向の中央に設けられているとともに、その中心に、アーム4の一方の端部4aの軸受けとなる軸支持部2eが設けられている。また支持ローラ2の同軸上に、アーム4の一方の端部4a側の軸受けとなる2つの軸支持部材2fが設けられている。この軸支持部2eおよび2つの軸支持部材2fと、孔部8とによって、支持ローラ2がアーム4により回転自在に支持されている。
【0021】
また、支持ローラ2の一端部2a側には、粘着シートロール3の一方側の内周面3cを、その外周面で支持するカップ状の支持部2cが一体に設けられている。この支持部2cは、支持ローラ2の径寸法よりも大きく形成されている。また、支持部2cは、開口部側の縁部に、粘着シートロール3を支持ローラ2に挿入した際に、当該粘着シートロール3の端部を当接させる突起9が周設されている。
【0022】
そして、支持ローラ2の自由端となる他端部2bに、当該他端部2bから軸線方向に延出される係止片5が一体に形成されている。この係止片5は、可撓性を有する合成樹脂により形成され、その先端部5aが、粘着シートロール3を支持ローラ2に装着した際に、当該粘着シートロール3よりも端部外方に突出する位置に配設されている。
【0023】
また、係止片5は、外周に粘着シートロール3の内周面3cの一部に当接される支持面5cが設けられているとともに、その先端部5aに、径方に突出して、粘着シートロール3の上記端部に係止されるとともに、当該粘着シートロール3の軸線方向の移動を規制する係止突起6が一体に形成されている。この係止突起6は、係止片5の先端部5aから基端部5bに向かって漸次外方に傾斜するとともに、基端部5b側の端面が支持面5cに対して垂直に立設して形成されている。この端面は、粘着シートロール3の一方の端部が当接される。これにより、支持ローラ2の一端部2a側の支持部2cの開口部側の縁部に設けられた突起9と、係止突起6との間に、上記粘着シートロール3が装着されて、当該粘着シートロール3の軸線方向の移動が規制される。
【0024】
さらに、当該先端部5aに、径方向内方に突出するとともに、その先端7a側と、粘着シートロール3の内周面3cとの間に間隙を介して配設された解除手段7が一体に形成されている。この解除手段7は、角環状の枠部材7bにより形成されているとともに、この枠部材7bの対向する枠辺に、係止片5と平行に配設される桟部材7cが一体に架設されている。また、解除手段7は、係止片5の基端部
5bを支点に、先端7a側を粘着シートロール3の内周面3cに近接させることにより、当該粘着シートロール3と係止突起6との係止を解除することができる。
【0025】
また、支持ローラ2の一端部2a側から挿入されるアーム4は、
図2(a)に示すように、鈎状に形成され、支持ローラ2の一端部2aに設けられた孔部8に挿入される一方の端部4a側に対して、他方の端部4b側が垂直に配設されている。そして、他方の端部4bに、手で握るための把持部4cが一体的に設けられている。この把持部4cは、表面に滑り止め用の突起などが施された、例えば、合成樹脂またはシリコン樹脂などの柔軟性素材によって形成されている。
【0026】
そして、粘着シートロール3は、円筒状の基材3aに帯状の粘着シート3bが、粘着面が表側になるように巻回されている。また、この粘着シート3bは、上記粘着面にペットの毛や髪の毛、または細かい塵などが、露出している粘着面の全周亘って付着して、新たな髪の毛や細かな塵などを捕捉できなくなった際に、その露出部分を切り離せるように、粘着シート3bに予め切断部が設けられいる。
【0027】
また、上記切断部は、粘着シートロール3の一周分が切り離せるように間隔を置いて設けられ、粘着シートロール3の軸線方向または軸線に対して傾斜させ、一端部から他端部に亘って設けられている。
なお、この粘着シートロール3は、一般的な規格寸法に適応されているものであれば、上記切断部がどんなタイプのものでも対応することができる。
【0028】
以上の構成による清掃具1の支持ローラ2に、粘着シートロール3を取り付け、および取り外しに関して、
図3および
図4に基づいて説明する。
なお、
図4は、粘着シート3bが巻回された粘着シートロール3を用いて、支持ローラ2から取り外す状態を示している。通常、支持ローラ2から粘着シートロール3を取り外す場合は、粘着シート3bを使い切った基材3aのみを取り外すことになるが、便宜上この図面を用いて、取り外す方法を説明する。
【0029】
最初に、支持ローラ2に粘着シートロール3を取り付ける方法から説明する。
まず、
図3(a)に示すように、左手で、粘着シートロール3を持ち、右手で支持ローラ2を回転自在に支持するアーム4の、他方の端部4bに設けられた把持部4cを把持する。
【0030】
次いで、粘着シートロール3の一方側から、支持ローラ2の自由端である他端部2bを挿入して、当該支持ローラ2に当該粘着シートロール3を装着する。その際、係止突起6が、係止片5の先端部5aから基端部5bに向かって漸次外方に傾斜しているとともに、係止片5が基端部5bを支点に弾性変形することにより、粘着シートロール3が当該係止突起6に引っ掛かることなく、支持ローラ2をスムーズに挿入することができる。
【0031】
そして、支持ローラ2が挿入された粘着シートロール3は、その一方側が支持ローラ2の一端部2a側の支持部2cの突起9に当接されるとともに、当該粘着シートロール3の内周面3cが、当該支持部2cの外周面に当接されて支持される。また、粘着シートロール3の他方側は、係止突起6の基端部5b側の上記端面に当接されるとともに、当該粘着シートロール3の内周面3cの一部が、当該係止片5の支持面5cに当接されて支持される。そして、支持ローラ2の一端部2a側の支持部2cの開口部側の縁部に設けられた突起9と、他端部2b側の係止突起6との間に、上記粘着シートロール3が装着されて、当該粘着シートロール3の軸線方向の移動が規制される。
【0032】
次に、粘着シートロール3を装着した清掃具1を、例えば、カーペットの上などで、アーム4の他方の端部4bに設けられた把持部4cを片手で把持して、支持ローラ2に装着された粘着シートロール3の粘着シート3bの粘着面を当接させながら、支持ローラ2を回転させる。これにより、上記粘着面に、カーペットの繊維に絡まっていたペットの毛や髪の毛、または繊維の隙間に挟まった細かな塵などを付着させて捕捉する。
【0033】
また、上記粘着面の全周に亘り髪の毛や細かな塵などが付着して、それ以上捕捉することが困難になった場合には、巻回された粘着シート3bを剥がし、当該粘着シート上に形成された切断部から切り離して、新たな粘着面を露出させることにより、繰り返し髪の毛や塵などを捕捉することが可能となる。
【0034】
次に、基材3aに巻回された粘着シート3bを、その露出した上記粘着面における捕捉が困難になる毎に切り離し、新たな粘着面を露出させながら繰り返し使用して、当該粘着シート3bを全て使い切り、基材3aのみになった際の粘着シートロール3を支持ローラ2から取り外す方法について説明する。
まず、
図4(a)に示すように、右手でアーム4の把持部4cを把持するとともに、左手で粘着シートロール3を把持する。その際に、左手の人差し指の腹を係止片5の先端部5aから径方向内方に突出した解除手段7を構成する枠部材7bに当接させる。
【0035】
そして、
図4(b)に示すように、枠部材7bに当接させた人差し指を、粘着シートロール3の内方に押し込む。このとき、枠部材7bの対向する枠辺に、係止片5と平行に配設される桟部材7cが一体に架設されているため、人差し指によって押し込む際に、この桟部材7cにより、人差し指に痛みなどを伴わずに押し込むことができる。
【0036】
そして、枠部材7bを粘着シートロール3の内方に押し込むことにより、係止片5の基端部5bを支点に、当該係止片5が弾性変形し、解除手段7の先端7a側が粘着シートロール3の内周面3cに近接されて、係止片5の先端部5aの径方向外方に突出して形成された係止突起6が、粘着シートロール3の端部から離脱して係止が解除される。また、係止片5の支持面5cに支持された粘着シートロール3の内周面3cとの支持も解除されるため、左手で把持していた粘着シートロール3を少ない力により容易に取り外すことができる。
【0037】
このように、粘着シート3bを切り離して、当該粘着シート3bを使い切ると、基材3aのみになった粘着シートロール3を簡便に取り外し、新しい粘着シートロール3に容易に付け替えることができる。これにより、清掃具1を繰り返し利用することができ、市販されている粘着シートロール3を購入することにより、清掃具1を長期に亘って使い続けることができる。
【0038】
上述の実施形態による清掃具1によれば、支持ローラ2の自由端となる他端部2bから軸線方向へ粘着シートロール3の端部外方へ延出される係止片5に、当該係止片5の先端部5aの径方向に突出して、粘着シートロール3の軸線方向の移動を規制する係止突起6が設けられているため、粘着シートロール3に他端部2bから支持ローラ2を挿入することにより、簡便に当該粘着シートロール3を装着することができる。
【0039】
また、係止片5の先端部5aの径方向内方に突出し、先端7a側と粘着シートロール3の内周面3cとの間に間隙を介して配設された、係止突起6の係止を解除する解除手段7が設けられているため、一方の手で、支持ローラ2を回転自在に支持しているアーム4の他方の端部4bに設けられた把持部4cを把持し、他方の手で粘着シートロール3を把持するとともに、その把持した手の人差し指により、解除手段7を粘着シートロール3の内方に押圧することで、係止片5を弾性変形させて、当該粘着シートロール3を係止している係止突起6の係止を解除することができる。これにより、粘着シートロール3を把持した片方の手だけで、簡便に当該粘着シートロール3を取り外すことができ、握力が弱くても少ない力で容易に取り替えることができる。
【0040】
また、係止片5が、外周に粘着シートロール3の内周面3cの一部に当接される支持面5cが設けられているため、係止片5を解除手段7によって、基端部5bを支点に弾性変形させることにより、粘着シートロール3と係止片5の先端部5aに形成された係止突起6との係止を解除する際に、当該粘着シートロール3と支持面5cとの当接も解除されて、当該粘着シートロール3をよりスムーズに取り外すことができる。この結果、少ない力でも容易に粘着シートロール3を取り外すことができる。
【0041】
そして、解除手段7が、角環状の枠部材7bにより形成されているとともに、この枠部材7bの対向する枠辺に係止片5と平行に桟部材7cが一体に架設されているため、粘着シートロール3を支持ローラ2から取り外す際に、一方の手の人差し指を枠部材7bに押し当てることにより、無理なく解除手段7を支持ローラ2の他端部2b側に確実に押し込むことができる。この結果、係止片5が基端部5bを支点に弾性変形して、先端7a側を粘着シートロール3の内周面3cに近似させて、容易に粘着シートロール3から係止片5の係止突起6の係止を解除することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態において、粘着シートロール3の内周面3cを当接して支持する部分を、支持ローラ2の一端部2a側に一体に設けた支持部2c、および他端部2bに設けた係止片5の支持面5cにより支持する場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、円筒状の支持ローラ2の外周面の全面を支持面として支持した場合でも対応可能である。また、その場合には、係止片5の支持面5cを設ける必要がないため、その先端部5aに設けられた係止突起6が、粘着シートロール3の端部を係止し、かつ解除手段7の先端7a側と粘着シートロール3の内周面3cとの間に隙間を介して配設することができれば、係止片を支持ローラ2の他端部2bのどの位置でも軸線方向外方に延出させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
粘着シートロールなどを装着して清掃する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 清掃具
2 支持ローラ
2a 一端部
2b 他端部
3 粘着シートロール(清掃用ロール)
4 アーム(支軸)
5 係止片
6 係止突起
7 解除部材
8 孔部
9 突起