特許第5978756号(P5978756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978756
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】支持機構及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
   G03G21/16 147
   G03G21/16 133
   G03G21/16 171
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-113358(P2012-113358)
(22)【出願日】2012年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-238815(P2013-238815A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原山 佳之
(72)【発明者】
【氏名】大場 真一
(72)【発明者】
【氏名】江澤 聡史
【審査官】 齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−157113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受を支持し、当該軸受に支持される回転軸と交差する第1の方向に当該軸受が取り外されるように開放されている軸受支持部と、
前記回転軸の一端に設けられた回転軸側軸継手に接続されることにより前記回転軸に駆動力を伝達する駆動側軸継手と、
前記軸受に接触する軸受接触部を有する接触部材と
前記駆動側軸継手を駆動源に接続されたまま前記回転軸側軸継手に向けて押し出すことにより前記駆動側軸継手を前記回転軸側軸継手に接続する押出手段と、
前記接触部材に設けられた、前記駆動側軸継手に接触する駆動側軸継手接触部と
を有し、
前記軸受接触部は、前記接触部材が第1の位置に位置する場合に、前記軸受の前記第1の方向への移動を規制するように前記軸受に接触すると共に、前記接触部材が前記第1の位置から前記回転軸と交差する第2の方向に移動した場合に、前記軸受の前記第1の方向への移動を規制しないように前記軸受から離され、
前記駆動側軸継手は、前記接触部材が前記第1の位置に位置する場合に、前記回転軸側軸継手に接続されるように前記押出手段によって前記回転軸側軸継手に向けて押し出されると共に、前記接触部材が前記第1の位置から前記第2の方向に移動した場合に、前記回転軸側軸継手から離れるように前記駆動側軸継手接触部によって引き戻される
ことを特徴とする支持機構。
【請求項2】
前記支持機構と前記回転軸を有する回転体とを収容する筐体と、
前記筐体の一面が開閉されるように設けられた開閉部と、
前記開閉部が閉じられている場合に前記接触部材を前記第1の位置に位置させ、前記開閉部が開かれた場合に前記接触部材を前記第1の位置から前記第2の方向に移動させるリンク機構と
を有することを特徴とする請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記駆動側軸継手の外周面にフランジが設けられており、
前記駆動側軸継手接触部は、前記回転軸側軸継手の側から前記フランジに接触し、前記接触部材が前記第2の方向に移動するにつれて前記回転軸側軸継手から離れる方向に前記駆動側軸継手を引き戻すように、前記第2の方向に対して傾斜させて設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の支持機構。
【請求項4】
前記軸受支持部は、前記軸受の周方向の2箇所で前記軸受の外周面に接触することによって前記軸受を支持し、
前記軸受接触部は、前記軸受の周方向の1箇所で前記軸受の外周面に接触することによって前記軸受の前記第1の方向への移動を規制する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の支持機構。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれかに記載の支持機構と、
前記駆動側軸継手に駆動力を伝達する駆動源と、
像保持体と、
前記像保持体の回転軸を支持するとともに前記軸受支持部に支持される軸受と、
前記回転軸の一端に設けられた回転軸側軸継手と、
前記像保持体に像を形成する像形成手段と、
前記像保持体に形成された像を記録媒体に転写する転写手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持機構及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、軸継手によって感光体ドラムに駆動力を伝達する技術が知られている。例えば、特許文献1には、圧縮コイルばねで付勢したカップリング軸により感光体ドラムとドラム駆動ギアが接続され、圧縮コイルばねが圧縮される方向にカップリング軸を押すカムレバーを備えた画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−167335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸継手の接続と軸受の位置決めとを連動させ、且つ、軸継手の切り離しと軸受の位置決めの解除とを連動させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、軸受を支持し、当該軸受に支持される回転軸と交差する第1の方向に当該軸受が取り外されるように開放されている軸受支持部と、前記回転軸の一端に設けられた回転軸側軸継手に接続されることにより前記回転軸に駆動力を伝達する駆動側軸継手と、前記軸受に接触する軸受接触部を有する接触部材と、前記駆動側軸継手を駆動源に接続されたまま前記回転軸側軸継手に向けて押し出すことにより前記駆動側軸継手を前記回転軸側軸継手に接続する押出手段と、前記接触部材に設けられた、前記駆動側軸継手に接触する駆動側軸継手接触部とを有し、前記軸受接触部は、前記接触部材が第1の位置に位置する場合に、前記軸受の前記第1の方向への移動を規制するように前記軸受に接触すると共に、前記接触部材が前記第1の位置から前記回転軸と交差する第2の方向に移動した場合に、前記軸受の前記第1の方向への移動を規制しないように前記軸受から離され、前記駆動側軸継手は、前記接触部材が前記第1の位置に位置する場合に、前記回転軸側軸継手に接続されるように前記押出手段によって前記回転軸側軸継手に向けて押し出されると共に、前記接触部材が前記第1の位置から前記第2の方向に移動した場合に、前記回転軸側軸継手から離れるように前記駆動側軸継手接触部によって引き戻されることを特徴とする支持機構を提供する。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の支持機構において、前記支持機構と前記回転軸を有する回転体とを収容する筐体と、前記筐体の一面が開閉されるように設けられた開閉部と、前記開閉部が閉じられている場合に前記接触部材を前記第1の位置に位置させ、前記開閉部が開かれた場合に前記接触部材を前記第1の位置から前記第2の方向に移動させるリンク機構とを有することを特徴とする。
【0007】
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の支持機構において、前記駆動側軸継手の外周面にフランジが設けられており、前記駆動側軸継手接触部は、前記回転軸側軸継手の側から前記フランジに接触し、前記接触部材が前記第2の方向に移動するにつれて前記回転軸側軸継手から離れる方向に前記駆動側軸継手を引き戻すように、前記第2の方向に対して傾斜させて設けられていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の支持機構において、前記軸受支持部は、前記軸受の周方向の2箇所で前記軸受の外周面に接触することによって前記軸受を支持し、前記軸受接触部は、前記軸受の周方向の1箇所で前記軸受の外周面に接触することによって前記軸受の前記第1の方向への移動を規制することを特徴とする。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の支持機構と、前記駆動側軸継手に駆動力を伝達する駆動源と、像保持体と、前記像保持体の回転軸を支持するとともに前記軸受支持部に支持される軸受と、前記回転軸の一端に設けられた回転軸側軸継手と、前記像保持体に像を形成する像形成手段と、前記像保持体に形成された像を記録媒体に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、3及び5に係る発明によれば、軸継手の接続と軸受の位置決めとを連動させ、且つ、軸継手の切り離しと軸受の位置決めの解除とを連動させることができる。
請求項2に係る発明によれば、開閉部を閉じる操作と軸継手の接続と軸受の位置決めとを連動させ、且つ、開閉部を開く操作と軸継手の切り離しと軸受の位置決めの解除とを連動させることができる。
請求項に係る発明によれば、周方向の3箇所で軸受に接触する構成でない場合と比べて、軸受を正確に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置100の右側面図。
図2】画像形成装置100の平面図。
図3】画像形成装置100の背面側から見た支持機構41Aの断面図。
図4】画像形成装置100の背面側から見た支持機構41Aの断面図。
図5】回転軸側軸継手50を示す図。
図6】駆動側軸継手60を示す図。
図7】画像形成装置100の右側面図。
図8】画像形成装置100の右側面図。
図9図7における軸受支持部42の付近を拡大して示した図。
図10図8における軸受支持部42の付近を拡大して示した図。
図11】リンク機構44の右側面図。
図12】リンク機構44の左側面図。
図13】接触部材45を示す図。
図14】接触部材45と駆動側軸継手60との位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、画像形成装置100の右側面図である。同図は、画像形成に関連する主な構成要素を示している。同図において、右側が画像形成装置100の背面側、左側が正面側、手前側が右側面側、奥側が左側面側である。以下の説明において、「正面側」、「背面側」、「右側面側」、「左側面側」と記した場合、いずれも画像形成装置100を基準とした方向を指す。また、画像形成装置100の正面側から背面側に向かう方向を+X方向とし、画像形成装置100の右側面側から左側面側に向かう方向を+Y方向とし、画像形成装置100の下側から上側に向かう方向を+Z方向とする。図2以降の座標軸も同様である。
【0012】
制御部1は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置であるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMに記憶されているOSを実行することによって画像形成装置100の各部を制御する。制御部1は、通信I/F(Interface)を有し、LAN(Local Area Network)を介して他の装置からデータを受信する。制御部1は、受信したデータをビットマップ形式の画像データに変換して書込部13に出力する。
【0013】
媒体収容部31には、紙等、シート状の記録媒体Pが積み重ねられて収容されており、送り出しローラ32が感光体11の動作と同期させて記録媒体Pを1枚ずつ搬送路34に送り出す。搬送路34上に設けられた搬送ローラ33が駆動されることにより、記録媒体Pが搬送路34に沿って矢印Bの方向に搬送される。
【0014】
感光体11(回転体、像保持体の一例)の周囲には、帯電部12、書込部13、現像部14、転写部15が設けられている。
感光体11は、モータ(図示省略)により矢印Aの方向に回転駆動される回転体であり、その表面には、光の照射によって電位が変化する半導体で作製された感光層が設けられている。
帯電部12(像形成手段の一例)は、例えば、コロトロン型帯電装置、ローラ式帯電装置等であり、感光体11の表面を予め定められた電位に帯電させる。
【0015】
書込部13(像形成手段の一例)は、画像データに基づいて感光体11に潜像を書き込む。具体的には、書込部13は、制御部1から供給された画像データで表される各画素の階調に対応するレーザビームLBを生成し、このレーザビームLBで感光体11の表面を感光体11の軸方向(主走査方向)に走査することによって潜像を形成する。感光体11が回転駆動されることによって主走査方向の走査線単位での潜像の書き込みが感光体11の周方向(副走査方向)に繰り返される。
【0016】
現像部14(像形成手段の一例)は、感光体11に書き込まれた潜像を現像する。具体的には、現像部14の内部には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤が収容されている。トナーは、樹脂製の粉体を黒色の色材で着色したものである。キャリアは、磁性体で作製された粉体である。現像部14の筐体は、感光体11に対向する側が開口しており、その内部には、感光体11と互いの外周面が対向するように現像ローラが設けられている。2成分現像剤は、回転駆動される現像ローラの外周面に付着する。現像ローラには、潜像と逆極性の現像バイアス電圧が印加され、この現像バイアス電圧によってトナーが帯電させられる結果、静電引力によりトナーが潜像上に移送される。このようにして潜像がトナーで現像され、感光体11にトナー像が形成される。
【0017】
転写部15(転写手段の一例)は、例えば、コロトロン型帯電装置、ローラ式帯電装置等であり、搬送路34を挟んで感光体11と対向する位置に設けられている。転写部15には、感光体11上のトナー像と逆極性の転写バイアス電圧が印加され、この転写バイアス電圧によって記録媒体Pが帯電させられる結果、静電引力によりトナー像が記録媒体Pに転写される。
【0018】
定着部16は、熱源を有する加熱部材と、加熱部材に押し当てられる加圧部材とを有し、加熱部材と加圧部材との間に媒体Pを挟んでトナー像を溶融・加圧することによって、トナー像を記録媒体Pに定着させる。
排出部35は、筐体40の上面において搬送路34の出口に設けられた、記録媒体Pが収まる大きさを有する窪みである。定着部16によってトナー像が定着された記録媒体Pが、搬送路34の出口から排出部35に排出される。
【0019】
図2は、画像形成装置100の平面図(透視図)であり、感光体11の支持に関連する主な構成要素を示している。感光体11の回転軸111は、その一端を支持機構41Aに支持され、他端を支持機構41Bに支持される。以下の説明では、特に断りのない場合、回転軸111の長手方向を軸方向といい、感光体11が回転する方向を周方向という。
図3図4は、画像形成装置100の背面側から見た支持機構41Aの断面図(図1のI-I方向)である。図3図4は、接触部材45の移動の前後の状態を示すが、接触部材45の移動については後述する。
【0020】
図5は、回転軸側軸継手50を示す図である。回転軸側軸継手50は、円筒状の部材であり、回転軸111の一端がはめ込まれる第1凹部51が形成されている。第1凹部51の軸方向の断面は、円の一部を変形させた形状であり、回転軸111の一端もこの断面に対応する形状に形成されている。第1凹部51の反対側には第2凹部52が形成されている。第2凹部52は、軸方向の断面が円形の空洞に、軸方向に延びる1つ以上のキー溝53が形成されたものである。
【0021】
図6は、駆動側軸継手60を示す図である。
駆動側軸継手60は、回転軸111の一端に設けられた回転軸側軸継手50に接続されることにより回転軸111に駆動力を伝達する。フランジ64は、駆動側軸継手60の外周面に設けられている。具体的には、次のとおりである。
駆動側軸継手60は、円柱状の本体61を有し、本体61の一端側の外周面には、回転軸側軸継手50のキー溝53に対応する第1キー62が形成されている。本体61の他端側の外周面には、第2キー63が形成されている。本体61の外周面にはフランジ64が形成されている。本体61の第2キー63が設けられている側の端面には第3凹部65が形成されている。
図3に示すように、回転軸111の一端が回転軸側軸継手50の第1凹部51にはめ込まれている。軸受112は、回転軸側軸継手50を介して回転軸111を支持する。軸受支持部42は、筐体40に固定されており、軸受112を支持する。
【0022】
モータ70(駆動源の一例)は、筐体40に固定されている。モータ70は、回転子71と固定子72を有し、回転子71の中心部には、駆動側軸継手60の第2キー63に対応するキー溝(図示省略)を有する第4凹部73が形成されている。駆動側軸継手60の軸方向の長さL1は、第2凹部52の底面から第4凹部73の底面までの距離L2よりも短い。従って、駆動側軸継手60は、第2凹部52と第4凹部73との間の空間を軸方向に距離(L2−L1)に渡って移動し得る。また、第2凹部52の深さD1は、(L2−L1)よりも浅く、第4凹部73の深さは、(L2−L1)よりも深い。従って、駆動側軸継手60の位置に関わらず、駆動側軸継手60の第2キー63が第4凹部73のキー溝にはめ込まれた状態が保持される。
【0023】
バネ74(押出手段の一例)は、駆動側軸継手60をモータ70に接続されたまま回転軸側軸継手50に向けて押し出すことにより駆動側軸継手60を回転軸側軸継手50に接続する。具体的には、第3凹部65の底面と第4凹部73の底面との間には、軸方向に反発力を生じるバネ74が介在させられており、バネ74の反発力によって、駆動側軸継手60が回転軸側軸継手50に向けて押し出される。駆動側軸継手60が押し出された場合に、駆動側軸継手60の第1キー62が回転軸側軸継手50のキー溝53にはめ込まれる。従って、駆動側軸継手60が押し出された場合に、モータ70の駆動力が駆動側軸継手60及び回転軸側軸継手50を介して回転軸111に伝達される。
【0024】
図7図8は、画像形成装置100の右側面図(透視図)である。図7は、接触部材45が第1の位置に位置する場合の図であり、図8は、接触部材45が第1の位置から第2の方向(矢印Dの方向)に移動させられた場合の図である。
図9図10は、それぞれ図7図8における軸受支持部42の付近を拡大して示した図である。
【0025】
開閉部43は、ヒンジ431によって筐体40と結合されており、図示のように開閉される。接触部材45は、開閉部43が閉じられている場合に第1の位置に位置し、開閉部43が開かれた場合に、第1の位置から第2の方向に移動させられる。
【0026】
軸受支持部42は、軸受112を支持し、軸受112に支持される回転軸111と交差する第1の方向に軸受112が取り外されるように開放されている。具体的には、次のとおりである。
軸受支持部42は、第1支持部421と第2支持部422とを有し、第1支持部421と第2支持部422は、平面状に形成されており、軸受112の周方向の2箇所でそれぞれが軸受112の外周面に接触する。第1支持部421は、軸受112の下方に位置し、第2支持部422は、軸受112の背面側に位置する。第1支持部421は背面側に向かって下降するように傾斜を付けて設けられているため、第1支持部421と第2支持部422とにより、軸受112が脱落することなく支持される。軸受支持部42は、正面側斜め上方向(矢印Cの方向、第1の方向)に向けて開放されている。
第1支持部421と第2支持部422から第1の方向に向かって、2本の軸受ガイド部423が設けられており、感光体11の交換時には、軸受112が2本の軸受ガイド部423の間の空間を通過させられる。
【0027】
図11は、リンク機構44の右側面図である。図12は、リンク機構44の左側面図である。リンク機構44は、開閉部43と接触部材45を連動させるための機構である。
第1リンク部材441の正面側の端部は、ヒンジ432(図2参照)によって開閉部43の背面側の面と連結されている。第2リンク部材442の正面側の端部付近には、第2リンク部材442の長手方向に延びる断面を有するガイド穴442aが形成されている。第1リンク部材441の背面側の端部に設けられたピン441aはガイド穴442aに通されており、第1リンク部材441は第2リンク部材442に対してピン441aを支点として回転し得るとともに、ガイド穴442aにそって移動し得る。
【0028】
第2リンク部材442のガイド穴442aよりも背面側の部位には、第2リンク部材442の長手方向に延びる断面を有するガイド穴442bが長手方向の2箇所に形成されている。ガイド穴442bの各々には、筐体40に固定された軸方向に延びる支柱444が通されており、第2リンク部材442は長手方向に移動し得る。
第2リンク部材442の背面側の端部付近には、背面側斜め下に向かって延びる断面を有するガイド穴442cが形成されている。接触部材45の下部には、継ぎ足し部材454が設けられており、継ぎ足し部材454に設けられたピン455がガイド穴442cに通されている。2つのガイド部46は、正面側斜め下方向(矢印Dの方向、第2の方向)に延びるように筐体40に形成されており、接触部材45は2つのガイド部46に挟まれた状態で第2の方向とその反対方向に移動し得る。
【0029】
図13は、接触部材45を示す図である。図14は、接触部材45と駆動側軸継手60との位置関係を示す図である。
接触部材45は、軸受112に接触する軸受接触部451を有する。軸受接触部451は、接触部材45が第1の位置に位置する場合に、軸受112の第1の方向への移動を規制するように軸受112に接触すると共に、接触部材45が第1の位置から回転軸111と交差する第2の方向に移動した場合に、軸受112の第1の方向への移動を規制しないように軸受112から離される。
【0030】
軸受接触部451は、平面状に形成された接触部位を有し、この接触部位が軸受112の正面側から軸受112の外周面に接触させられる。また、継ぎ足し部材454と接触部材45とは、バネ456で連結されており、バネ456の反発力により接触部材45が第2方向と反対の方向に押し出されるので、第1の位置において、軸受接触部451が軸受112の外周面に押し当てられる。なお、図14では軸受112が図示されていないが、駆動側軸継手60の第1キー62が設けられている側に回転軸側軸継手50が接続され、回転軸側軸継手50を軸受112が支持する。つまり、図14において軸受接触部451の奥側に軸受112が設けられている。
【0031】
接触部材45は、回転軸側軸継手50の側からフランジ64に接触する駆動側軸継手接触部452とを有する。駆動側軸継手接触部452は、画像形成装置100の左側面側斜め上方向に延びる接触部位を有し、この接触部位が右側面側からフランジ64に接触させられる。この接触部位は、接触部材45が第2の方向に移動するにつれて回転軸側軸継手50から離れる方向に駆動側軸継手60を引き戻すように、第2の方向に対して傾斜させて設けられている。駆動側軸継手60は、接触部材45が第1の位置に位置する場合に、回転軸側軸継手50に接続されるようにバネ74によって回転軸側軸継手50に向けて押し出されると共に、接触部材45が第1の位置から第2の方向に移動した場合に、回転軸側軸継手50から離れるように駆動側軸継手接触部452によって引き戻される。
なお、支持機構41Bは、接触部材45が駆動側軸継手接触部452を備えない以外は支持機構41Aと同様に構成されている。
【0032】
次に、本実施形態の動作について説明する。
開閉部43が閉じられている場合、第1リンク部材441及び第2リンク部材442が背面側に押し込まれた状態となり、接触部材45は、第1の位置に位置させられる(図7図9図11(b)、図11(c)参照)。第1の位置において、接触部材45の軸受接触部451が軸受112に接触することにより、軸受112の第1の方向への移動が規制される(図9参照)。軸受112は、軸受接触部451と、軸受支持部42の第1支持部421及び第2支持部422とにより、周方向の3点で支持されることにより位置決めがなされる。また、接触部材45の駆動側軸継手接触部452はフランジ64を引き戻していないので、駆動側軸継手60がバネ74に押し出された状態となる。その結果、駆動側軸継手60が回転軸側軸継手50に接続された状態となる(図3図14(a)参照)。
【0033】
開閉部43が開かれると(図8図11(a)参照)、第1リンク部材441が反時計回りに回転しながら正面側に移動させられ、これに伴って、第2リンク部材442が正面側に移動させられる。ガイド穴442cは背面側斜め下に向かって延びているため、第2リンク部材442の移動に伴って、接触部材45が第2の方向に移動させられる。その結果、軸受接触部451が軸受112から離され、軸受112の第1の方向への移動が規制されなくなる(図10参照)。つまり、軸受112の位置決めが解除される。また、駆動側軸継手接触部452がフランジ64に接触しながら接触部材45が第2の方向に移動させられるため、駆動側軸継手接触部452によりフランジ64が引き戻される(図14(b)参照)。その結果、回転軸側軸継手50から離れる方向に駆動側軸継手60が引き戻され、駆動側軸継手60が回転軸側軸継手50から切り離される(図4参照)。
【0034】
本実施形態によれば、開閉部43が開かれた場合に、軸受112の位置決めの解除と、駆動側軸継手60の回転軸側軸継手50からの切り離しとが連動して行われる。また、開閉部43が閉じられた場合に、軸受112の位置決めと、駆動側軸継手60の回転軸側軸継手50への接続とが連動して行われる。
また、駆動側軸継手60の回転軸側軸継手50からの切り離しは、回転軸側軸継手50から離される方向に駆動側軸継手60を移動させることによって行われるから、感光体11を軸方向に移動させるための空間が不要となる。
また、接触部材45が、軸受112の位置決めと、駆動側軸継手60の切り離しとの2つの機能を兼ね備えるから、これらの機能を別々の部品で実現する構成と比べて、部品数が少なくなる。
【0035】
<変形例>
上記の実施形態を以下に示す変形例のように変形してもよい。また、実施形態と変形例を組み合わせてもよい。また、複数の変形例を組み合わせてもよい。
【0036】
実施形態では、軸受112が回転軸側軸継手50を介して回転軸111を支持する例を示したが、回転軸側軸継手50を介さずに、軸受112が回転軸111を直接支持するようにしてもよい。
【0037】
実施形態では、モータ70の回転子71に駆動側軸継手60を接続する例を示したが、モータ70の駆動力を歯車列を介して駆動側軸継手60に伝達するようにしてもよい。
【0038】
実施形態では、回転体の一例として感光体11を示したが、例えば、現像ローラ、ローラ式の帯電装置、ローラ式の転写装置等の回転軸の軸受の支持機構として本発明を適用してもよい。
【0039】
実施形態では、感光体11を単独で交換する例を示したが、帯電部12、現像部14、感光体11に残留したトナーを取り除く除去部等、感光体11の周辺に設けられる構成要素の1つ以上を感光体11と一体化したカートリッジを用いる画像形成装置に本発明を適用してもよい。
【0040】
実施形態では、周方向の3点で軸受112を支持することにより軸受112を位置決めする例を示したが、例えば、軸受112の外周面に沿う曲面が形成された軸受支持部を設けてもよい。
【0041】
実施形態では、軸受112の位置決め又は解除と、駆動側軸継手60の接続又は切り離しとを開閉部43の開閉に連動させる例を示したが、例えば、リンク機構44を設けずに、ユーザが接触部材45を操作するようにしてもよい。この場合も、軸受112の位置決め又は解除と、駆動側軸継手60の接続又は切り離しとが連動して行われる。
【0042】
実施形態では、駆動側軸継手60の正面側と背面側に駆動側軸継手接触部452が設けられている例を示したが、正面側と背面側のいずれか一方に駆動側軸継手接触部452が設けられていてもよい。
【0043】
実施形態では、バネ74が駆動側軸継手60を回転軸側軸継手50に向けて押し出す例を示したが、バネ74が駆動側軸継手60を回転軸側軸継手50から離れる方向に引き戻すようにしてもよい。この場合、駆動側軸継手接触部452が回転軸側軸継手50の反対側からフランジ64に接触するように構成する。つまり、この構成においては、接触部材45が第1の位置に位置する場合に、駆動側軸継手接触部452によって駆動側軸継手60が回転軸側軸継手50に向けて押し出され、接触部材45が第1の位置から第2の方向に移動した場合に、バネ74によって駆動側軸継手60が回転軸側軸継手50から離れるように引き戻される。
【符号の説明】
【0044】
100…画像形成装置、1…制御部、11…感光体、111…回転軸、112…軸受、12…帯電部、13…書込部、14…現像部、15…転写部、16…定着部、31…媒体収容部、34…搬送路、35…排出部、40…筐体、41A…支持機構、41B…支持機構、42…軸受支持部、421…第1支持部、422…第2支持部、423…軸受ガイド部、43…開閉部、431…ヒンジ、432…ヒンジ、44…リンク機構、441…第1リンク部材、441a…ピン、442…第2リンク部材、442a…ガイド穴、442b…ガイド穴、442c…ガイド穴、444…支柱、45…接触部材、451…軸受接触部、452…駆動側軸継手接触部、454…継ぎ足し部材、455…ピン、456…バネ、46…ガイド部、50…回転軸側軸継手、51…第1凹部、52…第2凹部、53…キー溝、60…駆動側軸継手、61…本体、62…第1キー、63…第2キー、64…フランジ、65…第3凹部、70…モータ、71…回転子、72…固定子、73…第4凹部、74…バネ
図1
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