(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の制御手段は、前記運転余裕度が小さいと判定した場合であっても、前記利用者が所定の操作手段を操作することにより前記操作手段から出力される報知指示信号に基づいて、前記車両の外部情報が前記利用者に報知されるように前記第1の報知手段を動作させることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
前記第2の制御手段は、前記運転余裕度が小さいと判定した場合であっても、前記利用者が所定の操作手段を操作することにより前記操作手段から出力される報知指示信号に基づいて、前記車両の外部情報が前記利用者に報知されるように前記第1の制御手段に前記車両の外部情報を出力することを特徴とする請求項2記載の車両用情報提供装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の車両用情報提供装置にあっては、車両内で手軽に携帯情報機器を利用することが可能であり、車両の利用者に対し利便性の高い車内情報システム(車両用情報提供装置)を提供するものである。ところで、今後、益々、車両の利用者に携帯情報機器を利用した各種情報提供が増加することが予想され、利用者への情報提供に関して改善の余地があった。
【0005】
特に、上記の利用者への情報提供にあっては、利用者の運転余裕度を加味することが望ましい。具体的には、例えば車両が自動二輪車であるとして自動二輪車が急斜面のカーブを走行した際の自動二輪車のバンク角(傾斜角)が大きくなっている場合のように、利用者の運転余裕度が比較的小さいとき、利用者に対し携帯情報機器に関する各種情報が前記液晶ディスプレイに行われたとしてもそれを見る余裕がないことが考えられ、この点に関して更なる改善の余地が残されていた。
そこで、本発明は前述した改善点に着目し、車両の利用者に外部機器の持っている各種情報を車両搭載機器を経由して提供する場合、利用者の運転余裕度を加味した適切な情報提供を行うことで、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を向上させることが可能な車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する
車両用メータと、前記
車両用メータと接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、
前記接続手段は前記車両用メータまたはゲートウェイ手段に設けられた第1の通信手段と前記外部機器に設けられた第2の通信手段により構成され、前記第1の制御手段は、前記利用者の運転余裕度に応じて前記車両の外部情報を前記利用者に報知するか否かを判定する機能を有し、前記運転余裕度が小さいと判定した場合は、前記運転余裕度が大きくなった後に前記第1の報知手段を動作させることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する
車両用メータと、前記
車両用メータと接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、
前記接続手段は前記車両用メータまたはゲートウェイ手段に設けられた第1の通信手段と前記外部機器に設けられた第2の通信手段により構成され、前記第2の制御手段は、前記利用者の運転余裕度に応じて前記車両の外部情報を前記第1の制御手段に出力するか否かを判定する機能を有し、前記運転余裕度が小さいと判定した場合は、前記運転余裕度が大きくなった後に前記第1の制御手段に前記車両の外部情報を出力することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、前記第1の制御手段は、前記利用者の運転余裕度に応じて前記車両の外部情報を前記利用者に報知するか否かを判定する機能を有し、前記運転余裕度が小さいと判定した場合は、前記車両の外部情報
の情報量を少なくすることにより簡略化された車両の外部情報として前記利用者に報知されるように前記第1の報知手段を動作させることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、前記第2の制御手段は、前記利用者の運転余裕度に応じて前記車両の外部情報を前記第1の制御手段に出力するか否かを判定する機能を有し、前記運転余裕度が小さいと判定した場合は、前記車両の外部情報
の情報量を少なくすることにより簡略化された車両の外部情報として前記利用者に報知されるように前記第1の制御手段に簡略化された前記車両の外部情報を出力することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記第1の制御手段は、前記運転余裕度が小さいと判定した場合であっても、前記利用者が所定の操作手段を操作することにより前記操作手段から出力される報知指示信号に基づいて、前記車両の外部情報が前記利用者に報知されるように前記第1の報知手段を動作させることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記第2の制御手段は、前記運転余裕度が小さいと判定した場合であっても、前記利用者が所定の操作手段を操作することにより前記操作手段から出力される報知指示信号に基づいて、前記車両の外部情報が前記利用者に報知されるように前記第1の制御手段に前記車両の外部情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、車両の利用者に外部機器の持っている各種情報を車両搭載機器経由で提供する場合、利用者の運転余裕度を加味した情報提供を行う構成とすることで、各種情報を適切な量とすることが可能であり、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の向上した車両用情報提供装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)以下、本発明の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、
図1中、100は車両を示している。また101は車両用情報提供装置であり、この車両用情報提供装置101は、車両搭載機器(ここでは車両用メータとする)102と、携帯情報機器である外部機器(ここではスマートフォンとする)103と、車両搭載機器102と外部機器103とを接続する接続手段104とから構成される。
【0016】
車両搭載機器102は、車内LAN(多重通信ライン)105を介して、オーディオ106、エアコン107、ボディ制御部108、エンジン制御部109等の電装品と接続されている。また、接続手段104を介して車両搭載機器102と接続される外部機器103は、通信手段110を介してインターネットとの接続も可能である。
【0017】
次に、
図2を用いて、車両搭載機器102と外部機器103とから主に構成される車両用情報提供装置101の構成を詳細に説明する。車両搭載機器102は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う車両情報端子(車両情報手段)210及び多重通信入出力端子(多重通信入出力手段)211と、所定の操作手段213からの報知指示信号を入力可能な操作情報端子212と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両搭載機器102の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第1の制御手段202と、第1の制御手段202の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第1の記憶手段203と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知する液晶表示パネルや有機ELパネル等の第1の表示部204と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第1の発音体205とからなる第1の報知手段206と、第1の表示部204と第1の発音体205と各種アナログ式(指針式)計器207との駆動制御を兼ねた第1の駆動手段208と、外部機器103と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第1の通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)209とで構成される。
【0018】
ここで、第1の発音体205は、車両が自動二輪車である場合に、当該自動二輪車に搭乗する搭乗者(利用者)が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカであってもよい。また、各種アナログ式計器207は、詳細図示省略するが、車両の速度をアナログ指示する速度計と、エンジン回転数をアナログ指示する回転計と、タンク内燃料量をアナログ指示する燃料計と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計とを備えている。
【0019】
なお、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる後述する第2の通信部との間で無線通信を行うものである。つまり、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる前記第2の通信部と間でデータのやりとりが可能となる。
【0020】
また、操作手段213は、車両搭載機器102の各種操作を行うための操作入力部からなり、例えば利用者の手が届くように車内の適宜箇所に設置されたカーソルボタンや決定ボタン等を含む十字キー型の操作入力部を適用でき、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される報知指示信号は、操作情報端子212並びに車両インターフェース手段201を通じて第1の制御手段202へと入力される。なお、操作手段213は、上述した略十字キー型の操作入力部に代えてタッチパネル型の操作入力部を適用することも可能である。
【0021】
外部機器103は、車両搭載機器102と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第2の通信部(ここではBluetooth(登録商標)とする)260と、各種センサ(ここではGPSモジュールとする)261と、インターフェース(I/F)手段251と、外部機器103の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第2の制御手段252と、第2の制御手段252の処理プログラムが格納されるフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段253と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知するタッチパネル付ディスプレイ等の第2の表示部254と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等の第2の発音体255とからなる第2の報知手段256と、第2の表示部254と第2の発音体255の駆動制御を兼ねた第2の駆動手段257と、インターネットと接続するための通信手段110を構成する通信モジュール258とで構成される。
【0022】
なお、本実施形態では、車両搭載機器102と外部機器103の接続手段104に無線通信手段からなる第1、第2の通信部209、260を適用したが、これに限定されるものではなく、USB等の有線接続手段からなる接続手段104を用いて車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
【0023】
また、本実施形態では、第1の通信部209を車両搭載機器102内に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば車内LAN105と接続される図示省略したゲートウェイ(G/W)手段を設けて、前記ゲートウェイ手段の中に第1の通信部209を内蔵することにより、車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
【0024】
次に、
図2〜
図4を用いて、利用者の運転余裕度に応じた車両の外部情報の報知動作について説明する。
図3は、利用者の運転余裕度に応じた第1の制御手段202の処理動作を示すフローチャート図である。
【0025】
図3において、第1の制御手段202は、まず外部機器103経由で車両の外部情報(ここではメール着信情報とする)の発生を検出する(ステップS1)。具体的には、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、接続手段104経由で車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202に対して車両の外部情報を出力し、これに伴い第1の制御手段202が、車両の外部情報を受信する。
【0026】
次に、第1の制御手段202は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)に基づいて、利用者の運転余裕度を算出する(ステップS2)。例えば、車両がコーナリング時に傾く特性がある自動二輪車であれば、この自動二輪車のバンク角(傾斜角)が所定の閾値(角度)より大きいか否かで、第1の制御手段202は運転余裕度を判断するものとする。
【0027】
なお、自動二輪車が正立している状態はバンク角が零であり、この正立状態から自動二輪車が傾斜していくに従ってバンク角が増加することになる。そして、この場合、第1の制御手段202は、バンク角が10度未満のとき運転余裕度が大きいものと判断(判定)し、バンク角が10度以上のとき運転余裕度が小さいものと判断(判定)する(ステップS3)。
【0028】
このステップS3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作(動作)させる。
【0029】
これにより第1の表示部204には、車両の外部情報が表示される(ステップS4)。具体的には、
図4に示すように日時表示B1と送信者表示B2と宛先表示B3とタイトル表示B4と本文表示B5とでなるメール着信情報が第1の表示部204に表示される。
【0030】
一方、ステップS3の余裕度判定にてNOであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度以上であると判断し、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき)、第1の制御手段202は、第1の報知手段206を利用した車両外部情報の報知を行わずに、ステップS2の運転余裕度の算出処理を再度行う。このように、本例では、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を利用者に報知するか否かを判定する機能を有している。
【0031】
そして、再度、ステップS2にて利用者の運転余裕度を算出し、ステップS3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作(動作)させる。
【0032】
これにより第1の表示部204には、前述の
図4で示すようなメール着信情報からなる車両の外部情報が表示される(ステップS4)。このように、本例では、第1の制御手段202は、運転余裕度が小さいと判定した場合は、運転余裕度が大きくなった後に第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作(動作)させる制御を行うものである。
【0033】
なお、かかるメール着信情報からなる車両の外部情報は、第1の表示部204を利用して車両の利用者に対して視覚情報として提供(報知)すると同時に第1の発音体205を利用して車両の利用者に対して聴覚情報として提供(報知)してもよいし、あるいは第1の発音体205のみ用いて利用者が車両の外部情報を聴覚情報として聴取するような構成としてもよい。
【0034】
以上のように、本実施形態では利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段206及び第1の報知手段206を動作させる第1の制御手段202を有する車両搭載機器102と、車両搭載機器102と接続手段104を介して接続され、第1の制御手段202に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段252を有する外部機器103とを備え、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を利用者に報知するか否かを判定する機能を有し、運転余裕度が小さいと判定した場合は、運転余裕度が大きくなった後に第1の報知手段206を動作させることにより、車両利用者に外部機器103の持っている各種情報(車両の外部情報)を、車両搭載機器102経由で提供する場合、車両利用者の運転余裕度を考慮(加味)した情報提供を行う構成となるので、車両搭載機器102側へと伝送される情報量を適切な量とすることが可能となり、これによりヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
【0035】
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を
図5に基づいて説明するが、前述の第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第2実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、第1の制御手段202は、上述のステップS3にて利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき、第1の表示部204と第1の発音体205とで構成される第1の報知手段206のうち、第1の表示部204のみを表示動作させ(つまり利用者に車両の外部情報を視覚情報として提供し)、且つ、上述のステップS3にて利用者の運転余裕度が大きいと判定したとき、第1の表示部204及び第1の発音体205の双方を動作させる(つまり利用者に車両の外部情報を視覚情報と聴覚情報とを併用して提供する)点にある。
【0036】
この第2実施形態の場合、
図5におけるステップS3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させると同時に車両の外部情報を利用者に対し聴覚情報として聴取させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204と第1の発音体205の双方を動作させる。
【0037】
これにより第1の表示部204には、前記第1実施形態にて採用した
図4に示すようなメール着信情報からなる車両の外部情報が表示されると同時に利用者は第1の発音体205から発せられる車両の外部情報を聴覚情報として聴取することができる(ステップS5)。
【0038】
一方、ステップS3の余裕度判定にてNOであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度以上であると判断し、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき)、第1の制御手段202は、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204を表示動作させる。これにより第1の表示部204には、前記第1実施形態にて採用した
図4に示すようなメール着信情報からなる車両の外部情報が表示される(ステップS6)。
【0039】
かかるステップS6の後、第1の制御手段202は、ステップS2の運転余裕度の算出処理を再度行う。そして、再度、ステップS2にて利用者の運転余裕度を算出し、ステップS3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させると同時に車両の外部情報を利用者に対し聴覚情報として聴取させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204と第1の発音体205の双方を動作させる。
【0040】
これにより第1の表示部204には、前記第1実施形態にて採用した
図4に示すようなメール着信情報からなる車両の外部情報が表示されると同時に利用者は第1の発音体205から発せられる車両の外部情報を聴覚情報として聴取することができる(ステップS5)。
【0041】
かかる第2実施形態によれば、第1の制御手段202は、運転余裕度が小さいと判定した場合は第1の発音体205を動作させずに、運転余裕度が大きくなった後に第1の発音体205を動作させる(より具体的には運転余裕度が小さいと判定した場合は第1の発音体205を動作させずに第1の表示部204のみを動作させ、運転余裕度が大きくなった後に第1の表示部204と第1の発音体205の双方を動作させる)ことにより、車両利用者の運転余裕度に応じて視覚的な報知と聴覚的な報知の使い分けが行われ、外部機器103の持っている各種情報(車両の外部情報)を利用者の負荷を考慮して報知することが可能である。
【0042】
(第3実施形態)次に、本発明の第3実施形態を
図6に基づいて説明するが、前述の第1、第2実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第3実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、外部機器103に備えられる第2の制御手段252が、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202に出力するか否かを判定する機能を有し、運転余裕度が小さいと判定した場合は、運転余裕度が大きくなった後に第1の制御手段202に車両の外部情報を出力する点にある。
【0043】
図6は、本第3実施形態における利用者の運転余裕度に応じた第2の制御手段252の処理動作を示すフローチャート図である。
図6において、第2の制御手段252は、まず車両の外部情報(ここではメール着信情報とする)の発生を検出する(ステップT1)。
【0044】
次に、第2の制御手段252は、車両搭載機器102経由で車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)を入手し、この入手した情報に基づいて利用者の運転余裕度を算出する(ステップT2)。例えば、車両がコーナリング時に傾く特性がある自動二輪車であれば、この自動二輪車のバンク角(傾斜角)が所定の閾値(角度)より大きいか否かで、第2の制御手段252は運転余裕度を判断するものとする。
【0045】
そして、この場合、第2の制御手段252は、バンク角が10度未満のとき運転余裕度が大きいものと判断(判定)し、バンク角が10度以上のとき運転余裕度が小さいものと判断(判定)する(ステップT3)。
【0046】
このステップS3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第2の制御手段252はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第2の制御手段252は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を接続手段104経由で(第1、第2の通信部209、260を介して)車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202へ出力する(ステップT4)。
【0047】
一方、ステップS3の余裕度判定にてNOであれば(つまり第2の制御手段252はバンク角が10度以上であると判断し、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき)、第2の制御手段252は、第1の制御手段202への車両の外部情報の出力は行わずに、ステップT2の運転余裕度の算出処理を再度行う。このように、本第3実施形態の場合、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202に出力するか否かを判定する機能を有している。
【0048】
そして、再度、ステップT2にて利用者の運転余裕度を算出し、ステップT3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第2の制御手段252はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第2の制御手段252は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を接続手段104経由で第1の制御手段202に出力する(ステップT4)。
【0049】
このように、本第3実施形態の場合、第2の制御手段252は、運転余裕度が小さいと判定した場合は、運転余裕度が大きくなった後に第1の制御手段202に車両の外部情報を出力する制御を行うものである。
【0050】
かかる第3実施形態によれば、外部機器103に備えられる第2の制御手段252が、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202に出力するか否かを判定する機能を有し、運転余裕度が小さいと判定した場合は、運転余裕度が大きくなった後に第1の制御手段202に車両の外部情報を出力する制御を行うことにより、外部機器103の持っている各種情報(車両の外部情報)を車両搭載機器102へ出力する場合、車両利用者の運転余裕度を加味した出力制御を行う構成となるので、車両搭載機器102側へと伝送される情報量を適切な量とすることが可能となり、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
(第4実施形態)次に、本発明の第4実施形態を
図7、
図8に基づいて説明するが、前述の第1〜第3実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第4実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が小さいと判定した場合は、車両の外部情報が簡略化された車両の外部情報として利用者に報知されるように第1の報知手段206を動作させる点である。
【0052】
図7は、第4実施形態での利用者の運転余裕度に応じた第1の制御手段202の処理動作を示すフローチャート図である。この
図7において、第1の制御手段202は、まず外部機器103経由で車両の外部情報(ここではメール着信情報とする)の発生を検出する(ステップX1)。次に、第1の制御手段202は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)に基づいて、利用者の運転余裕度を算出する(ステップX2)。車両が自動二輪車であれば、この自動二輪車のバンク角が所定の閾値(例えば10度)より大きいか否かで、第1の制御手段202は運転余裕度を判断するものとする(ステップX3)。
【0053】
このステップX3の余裕度判定にてYESであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度未満であると判断したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が大きいと判定し、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作させる(ステップX4)。これにより第1の表示部204には、上述の
図4に示すように日時表示B1と送信者表示B2と宛先表示B3とタイトル表示B4と本文表示B5とでなる通常表示モードとしてのメール着信情報(車両の外部情報)が表示される。
【0054】
一方、ステップX3の余裕度判定にてNOであれば(つまり第1の制御手段202はバンク角が10度以上であると判断し、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき)、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が小さいと判定し、簡略化された車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作させる(ステップX5)。
【0055】
これにより第1の表示部204には、簡略化された車両の外部情報が表示される。具体的には、
図8に示すように日時表示B1や宛先表示B3、本文表示B5は非表示状態となり、送信者表示B2とタイトル表示B4とでなる簡易表示モードとしての簡略化されたメール着信情報(車両の外部情報)が第1の表示部204に表示される。
【0056】
かかる第4実施形態によれば、車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を利用者に報知するか否かを判定する機能を有し、利用者の運転余裕度が大きいと判定した場合は、通常表示モードのメール着信情報が利用者に報知されるように第1の報知手段206を動作させ、利用者の運転余裕度が小さいと判定した場合は、メール着信情報が簡略化されたメール着信情報(つまり簡易表示モード)として利用者に報知されるように第1の報知手段206を動作させる制御を行うものである。
【0057】
従って、運転余裕度が大きい場合は第1の表示部204に通常表示モードにてメール着信情報が表示され、一方、運転余裕度が小さい場合は第1の表示部204に簡易表示モードにてメール着信情報が表示されることから、利用者の運転余裕度の大小に応じて視覚的に報知する情報量が可変(変化)し、外部機器103の持っている各種情報(車両の外部情報)を利用者の負荷を考慮して報知することが可能である。
【0058】
また第4実施形態の場合、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき、車両の外部情報が簡略化された車両の外部情報として利用者に報知されるように第1の報知手段206を動作させるものであったが、例えば第4実施形態の変形例として詳細図示は省略するが、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、利用者の運転余裕度に応じて車両の外部情報を第1の制御手段202に出力するか否かを判定する機能を有し、利用者の運転余裕度が小さいと判定した場合は、車両の外部情報が簡略化された車両の外部情報として利用者に報知されるように第1の制御手段202に簡略化された車両の外部情報を出力するようにしてもよい。
【0059】
この場合、第2の制御手段252は、利用者の運転余裕度が大きいと判定したとき、通常表示モードの車両の外部情報(例えばメール着信情報)を接続手段104経由で車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202へ出力し、一方、利用者の運転余裕度が小さいと判定したとき、簡略化された車両の外部情報(例えば上述の簡略化されたメール着信情報)を接続手段104経由で車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202へ出力する。
【0060】
このような構成とした場合であっても、運転余裕度が大きい場合は第1の表示部204に通常表示モードにてメール着信情報が表示され、一方、運転余裕度が小さい場合は第1の表示部204に簡易表示モードにてメール着信情報が表示されることから、利用者の運転余裕度の大小に応じて視覚的に報知する情報量が可変(変化)し、外部機器103の持っている各種情報(車両の外部情報)を利用者の負荷を考慮して報知することが可能である。
【0061】
なお、本第4実施形態では、第1の表示部204を利用して通常表示モードでの車両外部情報の報知と簡易表示モードでの車両外部情報の報知とがなされている例について説明したが、例えば前記第2実施形態における技術思想を適用して、利用者の運転余裕度が大きい通常表示モードにあっては第1の表示部204並びに第1の発音体205にて車両外部情報の報知を行い、利用者の運転余裕度が小さい簡易表示モードにあっては第1の表示部204のみにて車両外部情報の報知を行うようにしてもよい。
【0062】
また前記第1〜第4実施形態の場合、第1の制御手段202は、自動二輪車のバンク角の値が10度以上のとき利用者の運転余裕度が小さいと判定する例について説明したが、例えば車両を車線変更(あるいは右折、左折でもよい)させるべく利用者が方向指示レバーを操作したことを示す方向指示信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を通じて第1の制御手段202に入力されている際に第1の制御手段202は利用者の運転余裕度が小さいと判定してもよいし、車両情報端子210または多重通信入出力端子211を通じて第1の制御手段202に入力される車両の走行速度を示す車速信号に基づいて、第1の制御手段202が車両の加速度を算出し、この算出された加速度の値が所定の閾値を超えている際に第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が小さいと判定してもよい。さらに、利用者が操作手段213を操作していることを示す操作信号が操作情報端子212を通じて第1の制御手段202に入力されている際に第1の制御手段202は利用者の運転余裕度が小さいと判定してもよい。なお、上記の方向指示信号、車速信号、操作信号に応じた運転余裕度の判定は、第1の制御手段202ではなく第2の制御手段252にて判定してもよい。
【0063】
(第5実施形態)次に、本発明の第5実施形態を
図9に基づいて説明するが、前述の第1〜第4実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。この第5実施形態が前記第1実施形態と異なる点は、第1の制御手段202は、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される報知指示信号に基づいて、車両の外部情報が利用者に報知されるように第1の報知手段206を強制的に動作させる点である。なお、ここでの報知指示信号とは、第1の報知手段206を利用した車両外部情報の報知を実行させるための信号を意味している。
【0064】
図9は、第5実施形態での利用者の運転余裕度に応じた第1の制御手段202の処理動作を示すフローチャート図である。この
図9において、第1の制御手段202は、まず外部機器103経由で車両の外部情報(ここではメール着信情報とする)の発生を検出する(ステップY1)。次に、第1の制御手段202は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)に基づいて、警告情報の発生の有無を確認する(ステップY2)。
【0065】
なお、ここで言う警告情報とは、車両の残燃料が僅かである(低下している)ことを示す情報であるものとし、この警告情報は車両情報端子210または多重通信入出力端子211を通じて第1の制御手段202に入力される。また、この第5実施形態においては、第1の制御手段202は、警告情報の入力(発生)の有無に応じて利用者の運転余裕度を判定する機能を有している。
【0066】
次に、第1の制御手段202は、警告情報が入力されていない(発生していない)ときは利用者の運転余裕度が大きいと判定し、一方、警告情報が入力されている(発生している)ときは利用者の運転余裕度が小さいと判定する(ステップY3)。
【0067】
このステップY3において、警告情報が発生していない(つまり利用者の運転余裕度が大きい)と第1の制御手段202が判定したとき、車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を表示動作させる(ステップY4)。これにより第1の表示部204には、上述の
図4に示すように日時表示B1と送信者表示B2と宛先表示B3とタイトル表示B4と本文表示B5とでなるメール着信情報(車両の外部情報)が表示される。
【0068】
一方、ステップY3において、警告情報が発生している(つまり利用者の運転余裕度が小さい)と第1の制御手段202が判定したとき、第1の制御手段202は、続けて利用者の操作手段213を使った強制的な表示指示(報知指示)があるか否かを判定する(ステップY5)。
【0069】
このステップY5にて、強制的な表示指示がある(つまり操作手段213の操作あり)と判定した場合は、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される報知指示信号が第1の制御手段202に入力される。
【0070】
すると、第1の制御手段202は、報知指示信号に基づいて車両の外部情報を第1の表示部204に表示させるべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204(第1の報知手段206)を強制的に表示動作させる。これにより第1の表示部204には、上述の
図4に示すように日時表示B1と送信者表示B2と宛先表示B3とタイトル表示B4と本文表示B5とでなるメール着信情報(車両の外部情報)が表示される(ステップY4)。
【0071】
また、ステップY5にて、強制的な表示指示がない(つまり操作手段213の操作なし)と判定した場合は、第1の制御手段202は、第1の報知手段206を利用した車両外部情報の報知を行わずに、ステップY2の警告情報の発生の有無を再度、確認する。
【0072】
かかる第5実施形態によれば、第1の制御手段202は、利用者の運転余裕度が小さい(つまり警告情報の発生あり)と判定した場合であっても、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される報知指示信号に基づいて、車両の外部情報が利用者に報知されるように第1の報知手段206を強制的に動作させることで、特に残燃料警告のように、ある程度、時間的な余裕があるものに対しては車両利用者の好みに応じた情報提供を行うことが可能となり、利便性の高い車両用情報提供装置を提供することができる。
【0073】
また第5実施形態の場合、第1の制御手段202は、報知指示信号が入力された場合のみ車両の外部情報を表示させるべく、第1の報知手段206を強制的に動作させるものであったが、例えば第5実施形態の変形例として詳細図示は省略するが、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、運転余裕度が小さい(警告情報の発生あり)と判定した場合であっても、利用者が操作手段213を操作することにより操作手段213から出力される報知指示信号に基づいて、車両の外部情報が利用者に報知されるように第1の制御手段202に車両の外部情報を出力するようにしてもよい。
【0074】
この場合、第2の制御手段252は、第1の制御手段202に報知指示信号が入力されたとき、車両の外部情報(例えばメール着信情報)を接続手段104経由で車両搭載機器102に備えられる第1の制御手段202へ出力する。そして、第1の制御手段202は、車両の外部情報が利用者に報知されるように第1の報知手段206を強制的に動作させることにより、車両利用者の好みに応じた情報提供を行うことが可能となり、利便性の高い車両用情報提供装置を提供することができる。
【0075】
なお、本第5実施形態では、車両の残燃料が僅かである(低下している)ことを示す情報を警告情報とした例について説明したが、例えば警告情報としては、車両が衝突しそうであることを示す情報や利用者がシートベルトを着用していないことを示す情報等を適用することができる。