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特許5978780情報処理装置およびその制御プログラム、携帯端末の制御プログラム、ならびに、印刷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5978780
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびその制御プログラム、携帯端末の制御プログラム、ならびに、印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160817BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   G06F3/12 303
   G06F3/12 365
   G06F3/12 368
   G06F3/12 392
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-128003(P2012-128003)
(22)【出願日】2012年6月5日
(65)【公開番号】特開2013-254248(P2013-254248A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】友野 和明
(72)【発明者】
【氏名】澤▲柳▼ 一美
(72)【発明者】
【氏名】松原 賢士
(72)【発明者】
【氏名】谷口 陽介
【審査官】 片岡 利延
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−325182(JP,A)
【文献】 特開2002−300297(JP,A)
【文献】 特開2004−199641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続可能な情報処理装置であって、
プリントデータの保存を受け付けるための受付手段と、
前記受付手段への保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた携帯端末を特定する特定手段と、
特定された前記携帯端末に前記ネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報を要求し、当該要求に対する応答として前記携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく前記情報を取得するための取得手段と、
前記取得手段が取得した情報に基づいて特定される保存場所に、前記プリントデータを送信するための送信手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成する、生成手段をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付け、
前記取得手段は、前記プリントデータの保存場所の代わりに前記画像データの保存場所を特定するための情報を取得し、
原稿のスキャンによって前記画像データを生成する生成手段をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記携帯端末から、前記保存場所にアクセスするための情報をさらに取得し、
前記送信手段は、前記保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスして前記プリントデータを送信する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
ネットワークに接続可能な情報処理装置のコンピューターによって実行される制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、前記コンピューターに、
プリントデータの保存指示を受け付けるステップと、
前記保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた携帯端末を特定するステップと、
特定された前記携帯端末に前記ネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報を要求し、当該要求に対する応答として前記携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく前記情報を取得するステップと、
前記取得した情報に基づいて特定される保存場所に、前記プリントデータを送信するステップとを実行させる、情報処理装置の制御プログラム。
【請求項6】
前記コンピューターに、文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成するステップをさらに実行させる、請求項5に記載の制御プログラム。
【請求項7】
前記受け付けるステップは、前記プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付けることを含み、
前記取得するステップは、前記プリントデータの保存場所の代わりに前記画像データの保存場所を特定するための情報を取得することを含み、
前記制御プログラムは、前記コンピューターに、原稿のスキャンによって前記画像データを生成するステップをさらに実行させる、請求項5に記載の制御プログラム。
【請求項8】
前記取得するステップは、前記携帯端末から、前記保存場所にアクセスするための情報をさらに取得することを含み、
前記送信するステップは、前記保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスして前記プリントデータを送信することを含む、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の制御プログラム。
【請求項9】
ネットワークに接続可能な情報処理装置およびネットワークに接続可能な画像形成装置と通信可能な携帯端末のコンピューターによって実行される制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、前記コンピューターに、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく、プリントデータの前記ネットワーク上の保存場所を特定するための情報と、前記保存場所にアクセスするための情報とを前記情報処理装置へ送信するステップと、
前記画像形成装置に対して、前記保存場所に保存された前記プリントデータの印刷を指示するステップとを実行させる、携帯端末の制御プログラム。
【請求項10】
ネットワークに接続可能な情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な携帯端末とを含む印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
プリントデータの保存指示を受け付けるための受付手段と、
前記受付手段への保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた前記携帯端末を特定する特定手段と、
特定された前記携帯端末に、前記ネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報の送信を要求する要求手段とを含み、
前記携帯端末は、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく、プリントデータの保存場所を特定するための情報を前記情報処理装置へ送信する第1の送信手段を含み、
前記情報処理装置は、
前記第1の送信手段によって送信された前記プリントデータの保存場所を特定するための情報を前記携帯端末から取得するための取得手段と、
前記取得手段が取得した情報に基づいて特定される保存場所に、前記プリントデータを送信するための第2の送信手段とをさらに含む、印刷システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成する、生成手段をさらに含む、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記受付手段は、前記プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付け、
前記取得手段は、前記プリントデータの保存場所の代わりに前記画像データの保存場所を特定するための情報を取得し、
前記情報処理装置は、原稿のスキャンによって前記画像データを生成する生成手段をさらに含む、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記取得手段は、前記携帯端末から、前記保存場所にアクセスするための情報をさらに取得し、
前記第2の送信手段は、前記保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスして前記プリントデータを送信する、請求項10〜請求項12のいずれかに記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびその制御プログラム、携帯端末の制御プログラム、ならびに、印刷システムに関し、特に、情報処理装置において生成されたプリントデータがネットワーク上に保存される印刷システムにおける、情報処理装置およびその制御プログラム、携帯端末の制御プログラム、ならびに、当該印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のサーバーやストレージ、アプリケーション、サービスといったリソースを利用して情報処理を行なう、いわゆるクラウドコンピューティングが、近年多く利用されている。そして、このような技術の一つとして、サーバー上に印刷データを格納しておき、当該印刷データを利用した印刷処理の指示を、携帯端末から印刷装置に対して出力するための技術が種々提案されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2004−334523号公報)には、携帯端末に印刷装置で印刷可能な高解像度の印刷データが転送された場合、モバイルフォトプリンターに、携帯端末と協働して、ネットワーク上のサーバーにアクセスさせ、当該サーバーから印刷すべきプリントデータを受信して印刷させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−334523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、プリントデータの保存場所は、出力動作を実行する印刷装置の属性に基づいて決定される場合が多く、携帯端末のユーザーとは関連しない記憶場所に保存される場合があった。このため、印刷データを自己の管理対象となる場所で保存したいというユーザーの要望を満たすことができなかった。
【0006】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ユーザーがネットワーク上の印刷装置に処理させるプリントデータを、ユーザーに関連する場所に保存することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った情報処理装置は、ネットワークに接続可能な情報処理装置であって、プリントデータの保存を受け付けるための受付手段と、受付手段への保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた携帯端末を特定する特定手段と、特定された携帯端末にネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報を要求し、当該要求に対する応答として携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく情報を取得手段と、取得手段が取得した情報に基づいて特定される保存場所に、プリントデータを送信するための送信手段とを備える。
【0008】
好ましくは、文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成する、生成手段をさらに備える。
【0009】
好ましくは、受付手段は、プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付け、取得手段は、プリントデータの保存場所の代わりに画像データの保存場所を特定するための情報を取得し、原稿のスキャンによって画像データを生成する生成手段をさらに備える。
【0010】
好ましくは、取得手段は、携帯端末から、保存場所にアクセスするための情報をさらに取得し、送信手段は、保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスしてプリントデータを送信する。
【0011】
本発明に従った情報処理装置の制御プログラムは、ネットワークに接続可能な情報処理装置のコンピューターによって実行される制御プログラムであって、制御プログラムは、コンピューターに、プリントデータの保存指示を受け付けるステップと、保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた携帯端末を特定するステップと、特定された携帯端末にネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報を要求し、当該要求に対する応答として携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく情報を取得するステップと、取得した情報に基づいて特定される保存場所に、プリントデータを送信するステップとを実行させる。
好ましくは、制御プログラムは、制御文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成するステップをさらに実行させる。
好ましくは、受け付けるステップは、プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付けることを含み、取得するステップは、プリントデータの保存場所の代わりに画像データの保存場所を特定するための情報を取得することを含み、制御プログラムは、コンピューターに、原稿のスキャンによって画像データを生成するステップをさらに実行させる。
好ましくは、取得するステップは、携帯端末から、保存場所にアクセスするための情報をさらに取得することを含み、送信するステップは、保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスしてプリントデータを送信することを含む。
【0012】
本発明に従った携帯端末の制御プログラムは、ネットワークに接続可能な情報処理装置およびネットワークに接続可能な画像形成装置と通信可能な携帯端末のコンピューターによって実行される制御プログラムであって、制御プログラムは、コンピューターに、情報処理装置からの要求に応じて、携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく、プリントデータのネットワーク上の保存場所を特定するための情報と、保存場所にアクセスするための情報とを情報処理装置へ送信するステップと、画像形成装置に対して、保存場所に保存されたプリントデータの印刷を指示するステップとを実行させる。
【0013】
本発明に従った印刷システムは、ネットワークに接続可能な情報処理装置と、情報処理装置と通信可能な携帯端末とを含む印刷システムであって、情報処理装置は、プリントデータの保存指示を受け付けるための受付手段と、受付手段への保存指示に応じて、当該保存指示を入力したユーザーに関連付けられた携帯端末を特定する特定手段と、特定された携帯端末に、ネットワークにおけるプリントデータの保存場所を特定するための情報の送信を要求する要求手段とを含み、携帯端末は、情報処理装置からの要求に応じて、携帯端末におけるネットワーク上の機器との接続履歴に基づく、プリントデータの保存場所を特定するための情報を情報処理装置へ送信する第1の送信手段を含み、情報処理装置は、第1の送信手段によって送信されたプリントデータの保存場所を特定するための情報を携帯端末から取得するための取得手段と、取得手段が取得した情報に基づいて特定される保存場所に、プリントデータを送信するための第2の送信手段とをさらに含む。
【0014】
好ましくは、情報処理装置は、文書作成アプリケーションを実行することにより文書を作成し、当該文書のプリントデータを生成する、生成手段をさらに含む。
【0015】
好ましくは、受付手段は、プリントデータの代わりに画像データの保存を受け付け、取得手段は、プリントデータの保存場所の代わりに画像データの保存場所を特定するための情報を取得し、情報処理装置は、原稿のスキャンによって画像データを生成する生成手段をさらに含む。
好ましくは、取得手段は、携帯端末から、保存場所にアクセスするための情報をさらに取得し、第2の送信手段は、保存場所にアクセスするための情報を利用して、当該保存場所にアクセスしてプリントデータを送信する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報処理装置は、プリントデータの保存を指示されると、当該生成を指示したユーザーに関連付けられた携帯端末から当該プリントデータのネットワーク上の保存場所を特定するための情報を取得し、取得した情報によって特定される保存場所にプリントデータを保存する。
【0017】
これにより、ユーザーが保存を指示したプリントデータが、ネットワーク上の、当該ユーザーに関連する場所で、保存されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る印刷システムの概略的な構成を示す図である。
図2】MFP(Multi-Functional Peripheral)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3】情報処理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図4】携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図5】印刷システムにおいて実行される「プリントto携帯端末」処理の概要を示す図である。
図6】プリントto携帯端末処理の際に情報処理装置にインストールされたプリントドライバーによって実行される処理のフローチャートである。
図7】ステップS50における指示に応じてネットワークプリント用アプリを起動する際に、携帯端末が実行する処理のフローチャートである。
図8】保存結果情報取得処理のフローチャートである。
図9】ネットワークプリント用アプリが保存場所を決定するための処理のフローチャートである。
図10】印刷指示処理の流れを模式的に示す図である。
図11】印刷システムにおいて実行される「スキャンto携帯端末」処理の概要を示す図である。
図12】スキャンto携帯端末処理の際にアップロードドライバーによって実行される処理のフローチャートである。
図13】ステップS150における指示に応じてネットワークプリント用アプリを起動する際に、携帯端末が実行する処理のフローチャートである。
図14】保存結果情報取得処理のフローチャートである。
図15】ネットワークプリント用アプリが保存場所を決定するための処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る情報処理装置を含む印刷システムについて、図面を参照して説明する。なお、各図において、同様の作用および機能を奏する構成要素については、同じ符号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
[印刷システムの構成]
図1は、本発明に係る印刷システムの概略的な構成を示す図である。
【0021】
図1を参照して、印刷システムは、ユーザーが利用する携帯端末300と、携帯端末300と通信可能な情報処理装置200と、情報処理装置200とLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して通信可能なMFP(Multi-Functional Peripheral)100とを含む。MFP100は、プリント機能、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナー機能等の種々の画像処理機能を有する複合機であり、本実施の形態における画像処理装置の一例である。なお、本実施の形態において、画像処理装置は、常にこれらのすべての機能を有している必要はなく、少なくとも説明が行われる場面で必要とされる機能を有していれば良い。
【0022】
情報処理装置200およびMFP100は、インターネット等の公衆ネットワーク900を介して、各種のサーバー(サーバー501〜503)と通信可能である。
【0023】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0024】
図2を参照して、MFP100は、MFP100全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、液晶ディスプレイ等の表示装置によって実現される表示部14と、MFP100に対する操作入力を受付けるための操作部15と、CPU10によって実行されるプログラム等を保存するための記憶装置16と、記録媒体にアクセスしてそこからファイルを読み出したり書き込んだりするためのメディアコントローラー17と、上記したLAN等のネットワークを介した通信の制御のためにモデム等により構成される通信装置18とを含む。操作部15は、タッチセンサーによって実現され、表示部14と一体的に、タッチパネルとして実現される場合も有り得る。
【0025】
MFP100は、画像処理動作を実行するためのプリンター部13およびスキャナー部19を含む。プリンター部13は、画像を記録用紙等の媒体上に形成する。スキャナー部19は、原稿の画像を読取り、当該画像のデータを生成する。
【0026】
本実施の形態では、たとえば、CPU10が適切なプログラムを実行することにより、本明細書に記載されたMFP100の機能の少なくとも一部が実現される。
【0027】
CPU10が実行するプログラムは、上記記録媒体に記憶されていても良い。記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。また、CPU10が実行されるプログラムは、ネットワークを介して記憶装置16にインストールされる場合も有り得る。
【0028】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図3は、情報処理装置200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0029】
図3を参照して、情報処理装置200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、液晶表示装置等の表示装置によって構成される表示部23と、当該情報処理装置200に対する操作入力を受付けるための操作部25と、上記したようなプログラムや各種データを記憶するための記憶装置26と、当該情報処理装置200に対して着脱可能な記録媒体(USBメモリー等)との間で情報の読み書きをするためのメディアコントローラー27と、上記のLANやネットワーク900に接続するための通信装置(モデム等)28とを含む。
【0030】
本実施の形態では、たとえば、CPU20が適切なプログラムを実行することにより、本明細書に記載された情報処理装置200の機能の少なくとも一部が実現される。
【0031】
操作部25は、たとえばキーボードやマウスなどの入力装置によって実現される。なお、操作部25は、タッチセンサーによって実現され、表示部23と一体的に、タッチパネルとして実現される場合も有り得る。
【0032】
CPU20が実行するプログラムは、上記記録媒体に記憶されていても良い。記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリー、メモリーカード、FD、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO、MD、ICカード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。また、CPU20が実行されるプログラムは、ネットワークを介して記憶装置26にインストールされる場合も有り得る。
【0033】
[携帯端末のハードウェア構成]
図4は、携帯端末300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0034】
図4を参照して、携帯端末300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、液晶表示装置等の表示装置によって実現される表示部33と、携帯端末300に対して情報を入力するための操作部35と、プログラムや各種のデータ等を記憶するための記憶装置36と、携帯端末300本体に対して着脱可能な記録媒体(USBメモリー等)との間で情報の読み書きを行なうメディアコントローラー37と、上記LANに接続するための通信装置38とを含む。
【0035】
CPU30が実行するプログラムは、上記記録媒体に記憶されていても良い。記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリー、メモリーカード、FD、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO、MD、ICカード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0036】
操作部35は、たとえばキーボードやマウスなどの入力装置によって実現される場合がある。なお、本実施の形態では、操作部35は、タッチセンサーによって実現され、表示部33と一体的に、タッチパネルとして実現される。
【0037】
[プリントto携帯端末]
プリントto携帯端末処理は、情報処理装置200において生成されたファイルのプリントデータを、ネットワーク上のサーバーに保存するための処理である。以下、当該処理の内容を説明する。
【0038】
<処理の概要>
図5は、本実施の形態の印刷システムにおいて実行される「プリントto携帯端末」処理の概要を示す図である。
【0039】
本実施の形態の印刷システムでは、ユーザーは、情報処理装置200において、文書作成アプリケーション等によってファイルを作成(編集)したり、閲覧したりする。そして、ユーザーは、情報処理装置200において、当該情報処理装置200にインストールされたプリントドライバー(以下、単に「プリントドライバー」という場合もある)を起動させて、当該ファイルの印刷を指示する。これに応じて、情報処理装置200では、プリントデータが生成される(図5中の(1))。プリントデータとは、プリンターに対してファイルの印刷を指示するためのデータであり、たとえば、PDL(Page Description Language)に従って記述されたデータが挙げられる。
【0040】
そして、プリントドライバーは、プリントデータを生成すると、当該印刷を指示したユーザーに関連付けられた携帯端末300に対して、プリントデータの、ネットワーク上の保存位置を特定するための情報を要求する(図5中の(2))。
【0041】
具体的には、プリントドライバーは、たとえば、上記ユーザーのログインIDに関連付けられているメールアドレスを取得し、当該メールアドレス宛先として、プリントデータを保存すべきサーバーを特定する情報等を要求するメッセージを送信する。
【0042】
情報処理装置200には、表1に示されるような、ユーザーのログインID(表1中の「ユーザー名」とユーザーのメールアドレスとを関連付けて記憶する、ユーザー情報が格納されている。
【0043】
【表1】
【0044】
プリントドライバーは、上記ユーザー情報を検索することにより、この時点で情報処理装置200にログインしているユーザーに関連付けられているメールアドレスを取得する。上記ログインユーザーが、情報処理装置200に対してプリントデータの生成指示を入力したユーザーに相当する。
【0045】
なお、情報処理装置200は、表1のようなユーザー情報を格納する代わりに、ネットワーク上のサーバー(サーバー501等)に登録されているユーザー情報を読み込んでも良いし、ユーザーがログインする際にメールアドレスの入力を要求しても良い。
【0046】
そして、上記メール送信に応じて、携帯端末300では、当該メールを受信したユーザーは、携帯端末300の記憶装置36等に格納された、プリントデータの保存先を特定するための情報(たとえば、後述する「保存先URL」)を、情報処理装置200のプリントドライバーへ送信する(図5中の(3),(4))。
【0047】
プリントデータの保存先を特定するための情報(保存場所特定用情報)は、単にサーバーを特定する情報(たとえば、サーバー501〜503のいずれかを特定する情報)であっても良いし、各サーバーの記憶領域を特定する情報であっても良い。また、当該記憶領域がアクセス用の情報(パスワード等)を要する場合、上記保存場所特定用情報とともに、アクセス用の情報が、携帯端末300から情報処理装置200へ送信される。セキュリティー情報は、たとえば、記憶装置36において、たとえば表2に記載されるような形式で登録されている。
【0048】
【表2】
【0049】
表2の保存先情報では、保存先URL(Uniform Resource Locator)と、ユーザーIDと、パスワードとが、互いに関連付けられて登録されている。保存先URLが保存場所特定用情報の一例であり、ユーザーIDとパスワードがセキュリティー情報の一例である。
【0050】
ユーザー等によって、プリントデータの保存先(保存先URL等)が選択されると、携帯端末300のネットワークプリント用アプリは、選択された保存先URLに関連付けられているユーザーIDとパスワードを抽出して、セキュリティー情報としてプリントドライバーへ送信する。
【0051】
なお、表2の保存先情報の各情報は、ユーザーによって登録されていも良いし、携帯端末300上のアプリケーション(ネットワークプリント用アプリであっても良いし、他のアプリケーションであっても良い)が各保存先URLのウェブページにおいて携帯端末300が入力したユーザーIDとパスワードを抽出して登録されても良い。
【0052】
プリントドライバーは、保存場所特定用情報を受信すると、当該情報によって特定される保存先へプリントデータを保存する(図5中の(5))。
【0053】
そして、プリントドライバーは、プリントデータの生成を指示したユーザーに、保存の結果(保存場所等)と保存したプリントデータを特定することができる情報(ひも付け情報)を送信する。具体的には、プリントドライバーは、上記ユーザーのメールアドレスを宛て先として、プリントデータの保存場所(URL)とプリントデータのIDを含むメールを送信する。
【0054】
これにより、携帯端末300では、当該携帯端末300のユーザーがプリントドライバーに生成を指示したプリントデータのひも付け情報が格納される。なお、表3に、ひも付け情報の格納態様の一例を示す。
【0055】
【表3】
【0056】
表3のデータ保存情報では、プリントデータIDごとに保存先URLが登録されている。
【0057】
携帯端末300のネットワークプリント用アプリでは、当該プリントデータの印刷を指示するとき、ユーザーから、上記データ保存情報からプリントデータIDを特定する情報の入力を受け付ける。これにより、ネットワークプリント用アプリは、ネットワーク上のプリンターに対して、当該プリントデータIDとこれに関連付けられている保存先URLを送信する。プリンターは、これに応じて、当該保存先URLに格納されている、当該プリントデータIDで特定されるプリントデータを取得して、印刷動作を実行する。
【0058】
<プリントドライバー側の処理>
図6は、プリントto携帯端末処理の際に情報処理装置200にインストールされたプリントドライバーによって実行される処理のフローチャートである。以下、プリントドライバーが実行する処理を、CPU10が実行する処理として、説明する。
【0059】
図6を参照して、CPU10は、ステップS10で、情報処理装置200に対してプリントto携帯端末処理の実行が選択されたか否かを判断する。選択されていないと判断すると、CPU10は、ステップS20で、ユーザーの指示に応じた通常処理を実行して、処理を終了する。一方、選択されたと判断すると、CPU10は、ステップS30へ処理を進める。
【0060】
ステップS30では、CPU10は、プリントデータを生成し、そして、接続するべき携帯端末300を特定する。特定される携帯端末300とは、ステップS10でプリントto携帯端末を指示したユーザー(つまり、ログインユーザー)が操作する携帯端末300である。
【0061】
次に、CPU10は、ステップS40で、ステップS30で特定した携帯端末300と接続し、ステップS50で、当該携帯端末300に保存先情報を要求する。これらの処理は、上記したユーザーへのメール送信や携帯端末300に対する直接の通信等によって実現される。
【0062】
なお、CPU10は、ステップS50では、携帯端末300に対してネットワークプリント用アプリの起動を指示しても良い。これに応じて、携帯端末300では、ネットワークプリント用アプリが起動し(後述するステップSA130)、CPU10からの要求を受信する。そして、ネットワークプリント用アプリは、当該要求に応じて、保存場所特定用情報とアクセス用情報を情報処理装置200へ送信する。
【0063】
図6に戻って、CPU10は、ステップS60で、携帯端末300から、保存場所特定用情報とアクセス用情報を取得する。なお、アクセス用情報が不要の場合には、CPU10は、ステップS60では保存場所特定用情報のみを取得する。
【0064】
次に、CPU10は、ステップS70で、ステップS60で取得した保存場所特定用情報(とアクセス用情報)に基づいて、当該保存場所特定用情報によって特定される保存先(サーバー等)に、ステップS30で生成したプリントデータを保存する。
【0065】
そして、CPU10は、ステップS80で、保存の結果(たとえば、保存先のURL)と、保存データ(たとえば、保存されたプリントデータのID)を、携帯端末300(プリントデータの生成を指示したユーザー)へ送信して、プリントto携帯端末処理を終了する。
【0066】
<携帯端末側の処理>
図7は、ステップS50におけるCPU10からの指示に応じてネットワークプリント用アプリを起動する際に、携帯端末300のCPU30が実行する処理のフローチャートである。
【0067】
図7を参照して、CPU30は、ステップSA110で、情報処理装置(パーソナルコンピューター:PC)200からネットワークプリント用アプリの起動の要求を受信したか否かを判断し、受信したと判断するとステップSA130へ、受信していないと判断するとステップSA120へ、それぞれ処理を進める。
【0068】
ステップSA120では、CPU30は、携帯端末300に対する入力に応じた通常の処理を実行して、図7の処理を終了する。
【0069】
一方、ステップSA130では、CPU30は、ネットワークプリント用アプリを起動して、図7の処理を終了する。
【0070】
ネットワークプリント用アプリとは、MFP等の画像処理装置に対して、ネットワーク上にアップされたプリントデータの印刷を指示するためのアプリケーションである。
【0071】
図8は、ステップS80においてCPU10が送信した情報を、たとえば表3に示すように携帯端末300内に格納するための処理(保存結果情報取得処理)のフローチャートである。
【0072】
図8を参照して、ステップSA210では、CPU30は、情報処理装置200側(PC側)から、保存結果が送信されてきたか否かを判断する。そのような情報は送信されていないと判断すると、CPU30は、ステップSA220へ処理を進め、携帯端末300に対する入力に応じた通常の処理を実行して、図8の処理を終了させる。一方、CPU10がステップS80の処理を実行する等により、そのような情報が送信されてきたと判断すると、CPU30は、ステップSA230へ処理を進める。
【0073】
ステップSA230では、CPU30は、ステップSA130で起動されたネットワークプリント用アプリに、CPU10が送信してきた保存先URLとプリントデータIDを渡して、ステップSA240へ処理を進める。
【0074】
ステップSA240では、CPU30は、表3に示すように保存先URLとプリントデータIDを記憶装置36に格納して、ステップSA250へ処理を進める。
【0075】
なお、表3では省略されているが、ステップSA240で格納される情報は、ステップS50の要求に応じてネットワークプリント用アプリが情報処理装置200へ送信した保存先情報(保存場所特定用情報とアクセス用情報)と関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、ネットワークプリント用アプリは、当該プリントデータIDで特定されるプリントデータの印刷を指示する場合、保存場所にアクセスするための情報を容易に取得できるからである。
【0076】
そして、CPU30は、ステップSA250でネットワークプリント用アプリを終了させて、図8の処理を終了する。
【0077】
<保存場所特定用情報の特定>
以上説明した処理では、ネットワークプリント用アプリは、ステップS50の要求に応じて、予め保存先情報(表2参照)として格納されている情報を情報処理装置200へ送信する。
【0078】
なお、ネットワークプリント用アプリは、プリントデータの保存場所を特定するための処理を実行する場合もある。つまり、プリントデータの保存場所は、予め設定された場所ではなく、その時点での状況に応じて決定される場合もあり得る。
【0079】
図9は、ネットワークプリント用アプリが保存場所を決定するための処理のフローチャートである。なお、以下の説明では、ネットワークプリント用アプリが実行する処理を、CPU30が実行する処理として説明する。
【0080】
図9を参照して、CPU30は、ステップSA310で、ステップS50の要求を受信したか否かを判断し、受信していないと判断するとステップSA390へ処理を進め、受信したと判断するとステップSA320へ処理を進める。
【0081】
ステップSA320では、CPU30は、携帯端末300におけるネットワーク上の機器の接続履歴に基づいて保存先情報を収集して、ステップSA330へ処理を進める。
【0082】
保存先情報の収集とは、携帯端末300における通信履歴の収集である。
携帯端末300では、ネットワーク上の機器との接続履歴が、たとえば表4に示されるように記憶装置36等に格納される。
【0083】
【表4】
【0084】
表4では、携帯端末300(通信装置38)が接続した機器のURL(接続先URL)の履歴が、たとえば新しい順に、記載されている。
【0085】
携帯端末300では、当該URLに対してユーザーIDやパスワードが入力された場合、通信装置38またはRAM32に、各接続先URLに関連付けられて、入力されたこれらの情報(ユーザーIDとパスワード)が格納されている。
【0086】
そして、CPU30は、ステップSA320では、保存先情報の収集として、通信履歴として保存されている接続先URLを取得する。また、当該接続先URLに関連するユーザーIDとパスワードが格納されている場合、CPU30は、ステップSA320において、接続先URLとともにこれに対応するユーザーIDとパスワードも取得する。
【0087】
なお、携帯端末300では、プリントデータの保存場所として適したURL(たとえば、ファイルを格納する記憶領域を特定するURL)が予め記憶装置36に登録されていても良い。そして、CPU30は、接続履歴に登録されているURLのうち、当該登録されているURLと一致するもののみを、保存先情報として取得しても良い。また、記憶装置36には、プリントデータの保存場所として適したURLそのものではなく、そのようなURLの条件(キーワード等)が格納され、CPU30は、接続履歴に登録されているURLのうち、当該条件を満たすURLのみを、保存先情報として取得しても良い。URLの条件の具体例としては、「文字列"storage"を含む」「ユーザーIDとパスワードが関連付けられている」等が挙げられる。
【0088】
図9に戻って、ステップSA330では、CPU30は、ステップSA320で取得した情報を保存先情報(表2)に追加して、ステップSA340へ処理を進める。
【0089】
これにより、保存先情報(表2)では、予め登録された情報に加えて、ユーザーが実際に接続した場所が、プリントデータの保存先の候補として格納される。
【0090】
そして、ステップSA340で、CPU30は、ステップSA330における保存先情報への情報の追加が完了したか否かを判断し、まだ完了していないと判断するとステップSA320へ処理を戻す。一方、完了したと判断すると、ステップSA350へ処理を進める。
【0091】
ステップSA350では、CPU30は、ステップSA330における更新後の保存先情報に登録されている保存先URLのうち、携帯端末300においてブックマーク登録されているものがあるか否かを判断する。ブックマーク登録とは、汎用の通信端末において実現されるように、ネットワーク上の特定のURLを、速やかに当該URLに接続できるように、登録することである。
【0092】
そして、ブックマーク登録されているものがあると判断すると、ステップSA370へ処理を進める。一方、ブックマーク登録されているものがないと判断すると、ステップSA360へ処理を進める。
【0093】
ステップSA360では、保存先情報に登録された保存先URLのうち、接続履歴において接続回数が最も多いURLを、プリントデータの保存場所に設定して、ステップSA380へ処理を進める。
【0094】
一方、ステップSA370では、CPU30は、保存先情報に登録された保存先URLのうち、ブックマーク登録されており、かつ、接続履歴において接続回数が最も多いURLを、プリントデータの保存場所に設定して、ステップSA380へ処理を進める。
【0095】
ステップSA380では、CPU30は、ステップSA360またはステップSA370で保存場所に設定した保存先URLの接続に必要な情報(アクセス用情報(つまり、表2中の「ユーザーID」「パスワード」))を収集して、ステップSA390へ処理を進める。
【0096】
ステップSA390では、CPU30は、ステップSA370またはステップSA380で接続先に決定した保存先URLと、当該保存先URLに対応するアクセス用情報を、プリントドライバーへ送信して、図9の処理を終了する。
【0097】
これにより、プリントドライバーが生成したプリントデータの保存先が、携帯端末300における接続履歴やその接続の頻度に基づいて、決定される。
【0098】
なお、CPU30は、接続履歴を利用した保存先情報の更新のみを行い、ユーザーが、更新後の保存先情報からプリントデータの保存先を選択しても良い。この場合、CPU30は、ステップS340において、保存先情報を更新した後、当該更新後の保存先情報に含まれる保存先URLをリストとして表示部33に表示し、携帯端末300のユーザーにプリントデータの保存先としてプリントドライバーに返信する保存先を選択させる。そして、この場合、CPU30は、ステップSA350〜ステップSA370の代わりにユーザーからの選択を受け付け、また、ステップSA380では、当該選択された保存先の接続に必要な情報を収集する。そして、ステップS390で、CPU30は、選択された保存先(保存先URL)と収集した情報とを、プリントドライバーへ送信する。
【0099】
以上図9を参照して説明した処理では、ステップSA350〜ステップSA370において、携帯端末300における接続履歴からプリントデータの保存先(接続先)が選択された。ここで、保存先を選択する条件は、上記された、ブックマーク登録の有無や接続回数に限定されない。他の例としては、接続履歴で特定される保存先(サーバー)の信頼性を挙げることができる。つまり、CPU30は、接続履歴のうち、信頼できると判断された接続先を、保存先として選択する場合もある。
【0100】
信頼できるか否かの判断は、たとえば、次の条件に従って判断される。
・セキュリティー事故が少ない(一定期間内の事故件数が特定数以下)
・サーバーの所在地(携帯端末300の所在地と同国内か外国外か)
・標準規格を取得した事業者によって運営されているサーバーか
・サーバーへの通信回線の太さ(通信可能な単位時間当たりの情報量)
・携帯端末300での過去の使用で、同種のファイルを転送したことがあるサーバーか
(「同種のファイル」とは、「プリントto携帯端末」ではプリントデータの形式のファイルであり、後述する「スキャンto携帯端末」では画像データの形式(JPEG(Joint Photographic Experts Group)等)のファイルである)
携帯端末300が上記各種の判断を行う際に基準となるデータは、たとえばネットワーク上のサーバーから提供される場合がある。たとえば、一定期間内のセキュリティー事故数、サーバーの所在地、サーバーを運営する事業者、および、サーバーへの通信回線の太さについて、携帯端末300は、専用のサーバーに問合せを行い、そして、当該サーバーから回答を取得する。
【0101】
同種のファイルを転送したことがあるか否かについては、携帯端末300のネットワークプリント用アプリにおける処理の履歴が参照される。ネットワークプリント用アプリでは、ステップSA390等において情報処理装置200へと保存場所特定用情報を送信すると、その履歴を、記憶装置36等に保存する。履歴は、少なくとも保存先と保存したファイルの種類を含む。保存したファイルの種類は、「プリントto携帯端末」に従って保存場所特定用情報が送信された場合にはプリントデータのファイル種類であり、「スキャンto携帯端末」に従って保存場所特定用情報が送信された場合には画像データのファイル種類(JPEG等)である。
【0102】
<携帯端末からの印刷指示>
図10は、ひも付け情報に基づいて、携帯端末300のユーザーがプリントデータの印刷をプリンター(MFP100)に指示する際の処理(印刷指示処理)の流れを模式的に示す図である。
【0103】
図10を参照して、まず、携帯端末300側の処理を説明する。
ユーザーは、携帯端末300においてネットワークプリント用アプリを起動させる。これに応じて、CPU30は、携帯端末300にインストールされているネットワークプリント用アプリを起動する。
【0104】
そして、携帯端末300では、ネットワークプリント用アプリは、任意のMFP100(図10中のMFP)と、無線通信等を利用して接続する。携帯端末300は、どの画像処理装置と接続するかを、携帯端末300において予め登録された条件(予め指定された装置、携帯端末300から最も距離が近い装置、等)に従って決定しても良いし、接続可能な装置をリスト表示してユーザーからの選択を受け付けても良い。
【0105】
そして、携帯端末300では、ネットワークプリント用アプリは、ユーザーから、印刷指示の対象となるプリントデータの選択を受け付ける。
【0106】
そして、携帯端末300では、ネットワークプリント用アプリは、印刷指示とともに、選択されたプリントデータの保存先URLと、当該保存先URLのアクセス用情報とを、接続先のMFP100へ送信する。具体的には、ネットワークプリント用アプリは、データ保存情報において選択されたプリントデータと関連付けられている送信される保存先URLと、送信された保存先URLと保存先情報において関連付けられているアクセス用情報(ユーザーIDおよびパスワード)とを、MFP100へ送信する。なお、上記送信される保存先URLがアクセス用情報を必要としない場合には、ここでは、アクセス用情報の送信は省略される。
【0107】
MFP100へのこれらの情報の送信が完了すると、ネットワークプリント用アプリは、携帯端末300においてその旨を報知する。これに応じて、ユーザーは、携帯端末300において、ネットワークプリント用アプリを終了させる。
【0108】
次に、MFP100側の処理を説明する。
携帯端末300から印刷指示とともに保存先URLを受信すると、MFP100は、当該保存先URLにアクセスする。そして、MFP100は、当該保存先URLから、プリントデータを取得し、プリンター部13に、当該プリントデータを印刷させる。
【0109】
以上、図10を参照して説明した処理によれば、プリントto携帯端末処理によってネットワーク上のサーバーに登録されたプリントデータが、携帯端末300を操作することによって、MFP100において印刷される。
【0110】
[スキャンto携帯端末]
スキャンto携帯端末処理は、MFP100におけるスキャン処理によって生成された画像データを、ネットワーク上のサーバーに保存するための処理である。以下、当該処理の内容を説明する。
【0111】
<処理の概要>
図11は、本実施の形態の印刷システムにおいて実行される「スキャンto携帯端末」処理の概要を示す図である。
【0112】
本実施の形態の印刷システムでは、ユーザーは、MFP100において、原稿をスキャンすることにより画像データを生成し、そして、当該画像データをネットワーク上のサーバーで保存することができる。
【0113】
ユーザーは、MFP100において、当該MFP100にインストールされた、画像データを生成してアップロードするためのドライバー(以下、単に「アップロードドライバー」という場合もある)を起動させて、スキャンおよびアップロードを指示する。これに応じて、MFP100では、原稿のスキャンが実行されて、画像データが生成される(図11中の(1))。「スキャンto携帯端末」処理は、画像データをプリントデータの代わりとして、実行される。
【0114】
そして、アップロードドライバーは、プリントデータを生成すると、当該プリントデータのアップロードを指示したユーザーに関連付けられた携帯端末300に対して、プリントデータの、ネットワーク上の保存位置を特定するための情報を要求する(図11中の(2))。
【0115】
当該要求に応じて、携帯端末300では、携帯端末300の記憶装置36等に格納された、プリントデータの保存先を特定するための情報(保存場所特定用情報)を、MFP100のアップロードドライバーへ送信する(図11中の(3),(4))。
【0116】
このとき、携帯端末300は、保存先URLとともに、必要に応じてアクセス用情報(セキュリティー情報)を送信する。
【0117】
アップロードドライバーは、保存場所特定用情報を受信すると、当該情報によって特定される保存先へプリントデータを保存する(図11中の(5))。
【0118】
そして、アップロードドライバーは、プリントデータのアップロードを指示したユーザーに、保存の結果(保存場所等)と保存したプリントデータを特定することができる情報(ひも付け情報)を送信する。具体的には、アップロードドライバーは、上記ユーザーのメールアドレスを宛て先として、プリントデータの保存場所(URL)とプリントデータのIDを含むメールを送信する(図11中の(6))。
【0119】
これにより、携帯端末300では、当該携帯端末300のユーザーがアップロードドライバーに生成を指示したプリントデータのひも付け情報が格納される。
【0120】
<MFP側の処理>
図12は、スキャンto携帯端末処理の際に、MFP100にインストールされた、画像ファイルのアップロードドライバーによって実行される処理のフローチャートである。以下、アップロードドライバーが実行する処理を、CPU10が実行する処理として、説明する。
【0121】
図12を参照して、CPU10は、ステップS110で、MFP100に対してスキャンto携帯端末処理の実行が選択されたか否かを判断する。選択されていないと判断すると、CPU10は、ステップS120で、ユーザーの指示に応じた通常処理を実行して、処理を終了する。一方、選択されたと判断すると、CPU10は、ステップS130へ処理を進める。
【0122】
ステップS130では、CPU10は、接続するべき携帯端末300を特定する。特定される携帯端末300とは、ステップS110でスキャンto携帯端末を指示したユーザー(つまり、ログインユーザー)が操作する携帯端末300である。
【0123】
次に、CPU10は、ステップS140で、ステップS130で特定した携帯端末300と接続し、そして、ステップS150で、ステップS50(図6参照)と同様に、当該携帯端末300に保存先情報を要求する。
【0124】
なお、CPU10は、ステップS150では、携帯端末300に対してネットワークプリント用アプリの起動を指示しても良い。これに応じて、携帯端末300では、ネットワークプリント用アプリが起動し(後述するステップSB130)、CPU10からの要求を受信する。そして、ネットワークプリント用アプリは、当該要求に応じて、保存場所特定用情報とアクセス用情報をMFP100へ送信する。
【0125】
図12に戻って、CPU10は、ステップS160で、携帯端末300から、保存場所特定用情報とアクセス用情報を取得する。なお、アクセス用情報が不要の場合には、CPU10は、ステップS160では保存場所特定用情報のみを取得する。
【0126】
次に、CPU10は、ステップS170で、ステップS160で取得した保存場所特定用情報(とアクセス用情報)に基づいて、当該保存場所特定用情報によって特定される保存先(サーバー等)に、ステップS130で生成した画像ファイル(プリントデータ)を保存する。
【0127】
そして、CPU10は、ステップS180で、保存の結果(たとえば、保存先のURL)と、保存データ(たとえば、保存されたプリントデータのID)を、携帯端末300(プリントデータの生成を指示したユーザー)へ送信して、スキャンto携帯端末処理を終了する。
【0128】
<携帯端末側の処理>
図13は、ステップS150におけるCPU10からの指示に応じてネットワークプリント用アプリを起動する際に、携帯端末300のCPU30が実行する処理のフローチャートである。
【0129】
図13を参照して、CPU30は、ステップSB110で、MFP100からネットワークプリント用アプリの起動の要求を受信したか否かを判断し、受信したと判断するとステップSB130へ、受信していないと判断するとステップSB120へ、それぞれ処理を進める。
【0130】
ステップSB120では、CPU30は、携帯端末300に対する入力に応じた通常の処理を実行して、図13の処理を終了する。
【0131】
一方、ステップSB130では、CPU30は、ネットワークプリント用アプリを起動して、図13の処理を終了する。
【0132】
ネットワークプリント用アプリとは、MFP等の画像処理装置に対して、ネットワーク上にアップされたプリントデータの印刷を指示するためのアプリケーションである。
【0133】
図14は、ステップS180においてCPU10が送信した情報を、たとえば表3に示すように携帯端末300内に格納するための処理(保存結果情報取得処理)のフローチャートである。
【0134】
図14を参照して、ステップSB210では、CPU30は、MFP100側(PC側)から、保存結果が送信されてきたか否かを判断する。そのような情報は送信されていないと判断すると、CPU30は、ステップSB220へ処理を進め、携帯端末300に対する入力に応じた通常の処理を実行して、図14の処理を終了させる。一方、CPU10がステップS180の処理を実行する等により、そのような情報が送信されてきたと判断すると、CPU30は、ステップSB230へ処理を進める。
【0135】
ステップSB230では、CPU30は、ステップSB130で起動されたネットワークプリント用アプリに、CPU10が送信してきた保存先URLとプリントデータIDを渡して、ステップSB240へ処理を進める。
【0136】
ステップSB240では、CPU30は、表3に示したように保存先URLとプリントデータIDを記憶装置36に格納して、ステップSB250へ処理を進める。
【0137】
そして、CPU30は、ステップSB250でネットワークプリント用アプリを終了させて、図14の処理を終了する。
【0138】
<保存場所特定用情報の特定>
以上説明した処理では、ネットワークプリント用アプリは、ステップS150の要求に応じて、予め保存先情報(表2参照)として格納されている情報をMFP100へ送信する。
【0139】
なお、ネットワークプリント用アプリは、プリントデータの保存場所を特定するための処理を実行する場合もある。つまり、プリントデータの保存場所は、予め設定された場所ではなく、その時点での状況に応じて決定される場合もあり得る。
【0140】
図15は、ネットワークプリント用アプリが保存場所を決定するための処理のフローチャートである。なお、以下の説明では、ネットワークプリント用アプリが実行する処理を、CPU30が実行する処理として説明する。
【0141】
図15の処理は、図9を参照して説明した処理とほぼ同様の内容となっている。図15のステップSB310〜ステップSB390のそれぞれは、図9のステップSA310〜ステップSA390に対応する。
【0142】
なお、図15の処理では、CPU30は、ステップSB310で、ステップS150(図12参照)の要求を受信したか否かを判断する。
【0143】
また、図15の処理では、CPU30は、ステップSB390で、ステップSB370またはステップSB380で接続先に決定した保存先URLと、当該保存先URLに対応するアクセス用情報を、アップロードドライバーへ送信して、図15の処理を終了する。
【0144】
図15の処理によれば、アップロードドライバーが生成したプリントデータ(画像データ)の保存先が、携帯端末300における接続履歴やその接続の頻度に基づいて、決定される。
【0145】
[変形例等]
以上の説明のプリントto携帯端末処理において、プリントドライバーは、ユーザーの指示に応じて、文書作成アプリケーションで作成された文書ファイルのプリントデータを作成し、そして、当該プリントデータを指定されたサーバーへ保存した。つまり、プリントドライバーに対するユーザーの指示は、プリントデータの作成とその保存の双方の指示に相当する。
【0146】
また、スキャンto携帯端末において、MFP100のアップロードドライバーは、ユーザーの指示に応じて、スキャン処理および当該スキャン処理によって生成した画像ファイルを指定されたサーバーへ保存した。つまり、アップロードドライバーに対するユーザーの指示は、スキャン処理による画像ファイルの生成とそのアップロードの双方の指示に相当する。
【0147】
なお、本実施の形態では、ユーザーの指示は、少なくともプリントデータ(画像ファイル)の保存の指示であれば良く、プリントデータは、当該保存の際に生成される必要はない。プリントデータは、それ以前に、記憶装置(情報処理装置200、MFP100、これらのいずれかに着脱可能な記録媒体、または、ネットワーク上のサーバー等)に登録されていても良い。または、ユーザーの指示によって、既に登録されている文書についてのプリントデータの作成とその保存が行われても良い。
【0148】
つまり、プリントドライバーは、ユーザーの指示に応じて、既に上記記憶装置に登録されている文書についてプリントデータを作成し、そして、当該プリントデータをサーバーへ保存しても良い。また、アップロードドライバーは、ユーザーの指示に応じて、既にスキャン処理によって上記記憶装置に登録されている画像(または、ユーザーが直接登録した画像)を、サーバーへアップロードしても良い。
【0149】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0150】
10,20,30 CPU、13 プリンター部、14,23,33 表示部、15,25,35 操作部、16,26,36 記憶装置、17,27,37 メディアコントローラー、18,28,38 通信装置、19 スキャナー部、21,31 ROM、22,32 RAM、100 MFP、200 情報処理装置、300 携帯端末、501〜503 サーバー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15