(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行可能で、進行方向に長い台車本体と、該台車本体の上面の前後にそれぞれ設けられた第1保持ユニットと、第2保持ユニットとを有し、前後に同一直径のリング治具が装着された長尺物が、前記リング治具を介して前記第1保持ユニット及び前記第2保持ユニットに保持される長尺物搬送台車であって、前記第1保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された支持ローラと、溝付きローラと、該溝付きローラの溝に連続するガイド溝が形成され、反溝付きローラ側に延出する第1移載橋とを具備し、前記第2保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された第1、第2の長ローラと、該長ローラの内、前記溝付きローラと同じ側に位置する第1長ローラに隣接し、反第1長ローラ側に延出する第2移載橋とを具備し、前記リング治具の一方は前記支持ローラと、前記溝付きローラ間に保持され、前記リング治具の他方は前記第1、第2の長ローラ間に保持され、前記長尺物搬送台車と長尺物が移載される長尺物載置台との間の前記長尺物の移載は、前記第1移載橋及び前記第2移載橋上を前記リング治具を転動させて前記長尺物を移動させて行う様構成したことを特徴とする長尺物搬送台車。
前記支持ローラと、前記溝付きローラ間に保持された前記リング治具、前記第1、第2の長ローラ間に保持された前記リング治具の最下位置と、前記溝付ローラの溝底の最上点及び前記第1長ローラの最上点とは所定の高低差を有する請求項1の長尺物搬送台車。
前記第1移載橋、前記第2移載橋は、それぞれ先端部が折畳み可能であり、該先端部は折畳み状態で、前記リング治具の転動を抑止する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の長尺物搬送台車。
前記第1保持ユニットは、前記台車本体に長手方向にスライド可能に設けられると共に所定位置で固定可能となっている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の長尺物搬送台車。
長ローラ及び前記第2移載橋の進行方向の長さは、搬送する長尺物の長さの異なりを吸収する様に構成された請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の長尺物搬送台車。
前記台車本体の前記第1移載橋、前記第2移載橋が設けられている側の側面に、前記長尺物載置台の側面を転動し、該長尺物載置台と前記台車本体との距離を規定するガイドローラと、前記長尺物載置台側に設けられた溝に嵌合し、長手方向の位置決めを行う位置決めローラとが設けられた請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の長尺物搬送台車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は斯かる実情に鑑み、長尺物の搬送で、吊上げ、吊降ろしの作業をすることなく、シャフトの搬送を可能とした長尺物搬送台車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、走行可能で、進行方向に長い台車本体と、該台車本体の上面の前後にそれぞれ設けられた第1保持ユニットと、第2保持ユニットとを有し、前後に同一直径のリング治具が装着された長尺物が、前記リング治具を介して前記第1保持ユニット及び前記第2保持ユニットに保持される長尺物搬送台車であって、前記第1保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された支持ローラと、溝付きローラと、該溝付きローラの溝に連続するガイド溝が形成され、反溝付きローラ側に延出する第1移載橋とを具備し、前記第2保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された第1、第2の長ローラと、該長ローラの内、前記溝付きローラと同じ側に位置する第1長ローラに隣接し、反第1長ローラ側に延出する第2移載橋とを具備し、前記リング治具の一方は前記支持ローラと、前記溝付きローラ間に保持され、前記リング治具の他方は前記第1、第2の長ローラ間に保持され、前記長尺物搬送台車と長尺物が移載される長尺物載置台との間の前記長尺物の移載は、前記第1移載橋及び前記第2移載橋上を前記リング治具を転動させて前記長尺物を移動させて行う様構成した長尺物搬送台車に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記支持ローラと、前記溝付きローラ間に保持された前記リング治具、前記第1、第2の長ローラ間に保持された前記リング治具の最下位置と、前記溝付ローラの溝底の最上点及び前記第1長ローラの最上点とは所定の高低差を有する長尺物搬送台車に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記ガイド溝の底面の高さと前記溝付きローラの溝底面の高さとの差は前記所定の高低差以下である長尺物搬送台車に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記第1移載橋、前記第2移載橋は、それぞれ先端部が折畳み可能であり、該先端部は折畳み状態で、前記リング治具の転動を抑止する長尺物搬送台車に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記溝付きローラ及び前記第1長ローラにはそれぞれ回転を固定解除可能なブレーキが設けられた長尺物搬送台車に係るものである。
【0014】
又本発明は、前記第1保持ユニットは、前記台車本体に長手方向にスライド可能に設けられると共に所定位置で固定可能となっている長尺物搬送台車に係るものである。
【0015】
又本発明は、複数の前記第1保持ユニットが、前記台車本体に長手方向に異なる位置で固定された長尺物搬送台車に係るものである。
【0016】
又本発明は、長ローラ及び前記第2移載橋の進行方向の長さは、搬送する長尺物の長さの異なりを吸収する様に構成された長尺物搬送台車に係るものである。
【0017】
又本発明は、前記台車本体の前記第1移載橋、前記第2移載橋が設けられている側の側面に、前記長尺物載置台の側面を転動し、該長尺物載置台と前記台車本体との距離を規定するガイドローラと、前記長尺物載置台側に設けられた溝に嵌合し、長手方向の位置決めを行う位置決めローラとが設けられた長尺物搬送台車に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走行可能で、進行方向に長い台車本体と、該台車本体の上面の前後にそれぞれ設けられた第1保持ユニットと、第2保持ユニットとを有し、前後に同一直径のリング治具が装着された長尺物が、前記リング治具を介して前記第1保持ユニット及び前記第2保持ユニットに保持される長尺物搬送台車であって、前記第1保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された支持ローラと、溝付きローラと、該溝付きローラの溝に連続するガイド溝が形成され、反溝付きローラ側に延出する第1移載橋とを具備し、前記第2保持ユニットは進行方向と平行な軸心を有し、軸心間の距離が前記リング治具の半径より大きく設定された第1、第2の長ローラと、該長ローラの内、前記溝付きローラと同じ側に位置する第1長ローラに隣接し、反第1長ローラ側に延出する第2移載橋とを具備し、前記リング治具の一方は前記支持ローラと、前記溝付きローラ間に保持され、前記リング治具の他方は前記第1、第2の長ローラ間に保持され、前記長尺物搬送台車と長尺物が移載される長尺物載置台との間の前記長尺物の移載は、前記第1移載橋及び前記第2移載橋上を前記リング治具を転動させて前記長尺物を移動させて行う様構成したので、長尺物の搬送で、吊上げ、吊降ろしの作業をすることなく、シャフトの搬送を可能とし、搬送作業の簡略化、作業性の向上が図れるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0021】
図1〜
図6を参照して、本実施例に係る長尺物搬送台車1について説明する。
【0022】
アングル材で倒立台形状に台車本体2が構成され、該台車本体2の底面の4隅には自在キャスタ3が設けられ、前記台車本体2は走行自在、且つ走行方向の変更が可能となっている。又、該台車本体2の後端面(図中右側の端面)及び前端面にはそれぞれハンドル4が取付けられている。
【0023】
前記長尺物搬送台車1の上面は進行方向に長い矩形形状となっており、上面の後端部には第1保持ユニット5が設けられ、上面の前端部には第2保持ユニット6が設けられている。
【0024】
前記第1保持ユニット5は搬送するシャフトの後端を支持し、前記第2保持ユニット6はシャフトの前端を支持する様になっている。
【0025】
尚、搬送される物は長尺物、例えば筒体であるジェットエンジンのシャフト7であり、搬送されるシャフト7には、
図2に示される様に、後端部、前端部に搬送用のリング治具8,9が取付けられている。該リング治具8,9は外形が円であり、同一径であると共にシャフトの長短、形状に拘らず直径、厚みは同一となっている。従って、前記シャフト7は前記リング治具8,9を介して前記第1保持ユニット5及び前記第2保持ユニット6に保持される様になっている。
【0026】
前記長尺物搬送台車1の左側面(前端に向って左側側面)は、シャフト載置台11に隣接する様になっており、左側面には前後2個のガイドローラ12,12及び位置決めローラ13が回転自在に設けられている。
【0027】
前記ガイドローラ12は前記シャフト載置台11の側面に当接すると共に転動し、前記長尺物搬送台車1と前記シャフト載置台11間の距離を規定しつつ、長手方向の位置調整が可能となっている。又、前記位置決めローラ13は、前記シャフト載置台11に設けられた位置決め溝(図示せず)に嵌合する様になっており、前記位置決めローラ13が前記位置決め溝に嵌合することで、前記長尺物搬送台車1と前記シャフト載置台11とが位置決めされる様になっている。
【0028】
先ず、前記第1保持ユニット5について
図4を参照して説明する。
【0029】
該第1保持ユニット5が固定される位置は、搬送する前記シャフト7の長さによって決定され、搬送の対象となるシャフト7の種類に応じて固定される位置が異なる。従って、前記第1保持ユニット5は前記台車本体2に対して長手方向に移動可能に設けられる。
【0030】
前記台車本体2の左右上縁には平行に延在する上辺部材14,14が設けられ、該上辺部材14,14の上面にはスライドガイド15が設けられている。該スライドガイド15にはそれぞれユニット固定穴16が所定の位置に複数穿設されている。
【0031】
前記第1保持ユニット5は前記スライドガイド15に対して摺動可能であり、前記ユニット固定穴16を介して所定の位置に固定され、前記ユニット固定穴16を選択することで、前記第1保持ユニット5の取付け位置を変更できる様になっている。
【0032】
前記左右の上辺部材14,14に掛渡ってスライドフレーム17が設けられ、該スライドフレーム17は中央部18が下方に突出した凹字形状となっており、前記中央部18は前記上辺部材14,14間に遊嵌し、前記中央部18の上側には凹部18′が形成される。
【0033】
前記スライドフレーム17の右端面(
図4中、右端の面)には、ガイドプレート19が垂直に固着され、該ガイドプレート19と前記中央部18間に、右側の前記上辺部材14が摺動自在に嵌合する。
【0034】
前記スライドフレーム17の一方の上面、例えば右上面には、軸支持部20を介して支持ローラ21が設けられ、該支持ローラ21は前記シャフト7の軸心と平行な軸心を中心に回転自在となっている。
【0035】
前記凹部18′には支持ローラユニット22が設けられている。
【0036】
該支持ローラユニット22は溝付きローラ23、及びブレーキ24を有している。前記溝付きローラ23は前記支持ローラ21の軸心と平行な軸心を中心に回転自在となっており、前記溝付きローラ23にはブレーキ24の一部を構成するブレーキディスク25が固着されている。
【0037】
前記支持ローラ21の軸心は、前記溝付きローラ23の軸心より充分高い位置にあり、前記リング治具8が前記支持ローラ21を乗越えない様に設定されている。又、前記支持ローラ21と前記溝付きローラ23との軸間距離Lは、前記リング治具8,9の半径より長く、前記シャフト7の軸心が前記支持ローラ21と前記溝付きローラ23との間に位置する様になっている(
図3参照)。
【0038】
図5に示される様に、前記ブレーキ24は、前記ブレーキディスク25を挾持する摩擦部材26,27と、該摩擦部材27に当接する偏心カム28、該偏心カム28を回転させるブレーキレバー29を有しており、前記摩擦部材26は固定、前記摩擦部材27は前記ブレーキディスク25に対して近接離反可能に設けられている。
【0039】
従って、前記ブレーキレバー29を介して前記偏心カム28を回転させ、前記摩擦部材27を前記ブレーキディスク25に圧着させれば、該ブレーキディスク25は前記摩擦部材26,27に挾持され、該摩擦部材26,27と前記ブレーキディスク25との間の摩擦力により、該ブレーキディスク25が固定される様になっている。
【0040】
前記スライドフレーム17の左上面には、レールプレート31が設けられ、該レールプレート31の左端には蝶番32を介して補助レールプレート33が
図4(A)、
図4(B)中、時計方向に回転自在に設けられ、折畳み可能となっている。
【0041】
又、前記補助レールプレート33の左端にはストッパプレート34が下方に突出する様設けられ、該ストッパプレート34は前記補助レールプレート33が、折畳み状態で上方に突出する様になっている(
図4(C)参照)。
【0042】
前記レールプレート31、前記補助レールプレート33が展開した状態で、上面には前記溝付きローラ23の溝に連続する様ガイド溝35が刻設される。該ガイド溝35の溝幅は、前記溝付きローラ23の溝底の幅と同一となっており、又前記ガイド溝35の、溝付きローラ23側の端部(右端部)、反溝付きローラ23側の端部(左端部)は、それぞれテーパ状に拡大している。
【0043】
更に、前記ガイド溝35の底面の高さと前記溝付きローラ23の溝底の高さとは、同一高さか、該溝付きローラ23の溝底の高さの方が所定量高くなっている。例えば、該溝付きローラ23の溝底の高さは、前記ガイド溝35の溝底より所定量(例えば5mm程度)高くなっている。
【0044】
尚、前記溝付きローラ23の溝底と前記ガイド溝35の溝底との高低差は、作業者が前記リング治具8,9を押して、該リング治具8,9が容易に乗越えられる寸法以下とする。好ましくは、同じ高さとする。
【0045】
又、前記リング治具8が前記支持ローラ21と前記溝付きローラ23に保持された状態では、前記リング治具8の最下点は前記溝付きローラ23の溝底の高さより僅かに低くなっている。例えば、前記リング治具8の最下点は前記溝付きローラ23の溝底の高さより所定量、例えば5mm程度低くなっている。この高低差は、上述した様に、作業者が前記リング治具8,9を押して、該リング治具8,9が容易に乗越えられる寸法程度とする。
【0046】
次に、
図6(A)、
図6(B)を参照して前記第2保持ユニット6について説明する。
【0047】
前後に略同形状のユニットフレーム37,37が所定の間隔で平行に配置され、該ユニットフレーム37,37は、前記スライドフレーム17と同様に、前記上辺部材14,14に掛渡って設けられる。
【0048】
前記ユニットフレーム37,37の右上面には軸受部41,41が設けられ、該軸受部41,41に長ローラ38が回転自在に支持されている。又、前記各ユニットフレーム37の凹部37′には軸受部42が設けられ、該両軸受部42,42に長ローラ39が回転自在に支持されている。
【0049】
前記長ローラ38及び前記長ローラ39の直径及び軸心の位置は、該長ローラ38,39に前記リング治具9が支持された時に、前記シャフト7の軸心が水平となる様に設定されている。
【0050】
好ましくは、前記長ローラ38と前記支持ローラ21とが同径であり、前記長ローラ39の径と前記溝付きローラ23の溝底の径とが同一となっており、前記支持ローラ21の軸心と前記長ローラ38の軸心とが同一線上にあり、又前記溝付きローラ23の軸心と前記長ローラ39の軸心とが同一線上に存在する。
【0051】
前記長ローラ39の一端、例えば前端には、ブレーキディスク43が固着されている。又前記凹部37′には該ブレーキディスク43を挾持し、該ブレーキディスク43を介して前記長ローラ39の回転を拘束するブレーキ44が設けられている。尚、該ブレーキ44は前記ブレーキ24と同一構造であるので説明を省略する。
【0052】
前記ユニットフレーム37,37の左上面に掛渡って幅広レールプレート45が設けられている。該幅広レールプレート45の幅(
図1に於いて前後長)は、少なくとも前記長ローラ39の軸長以上の寸法となっている。
【0053】
前記幅広レールプレート45の左端には、蝶番46を介して幅広補助レールプレート47が設けられ、該幅広補助レールプレート47は前記蝶番46を介して回転し、折畳み可能となっている。
【0054】
前記幅広補助レールプレート47の先端(
図1中左端)には、ストッパプレート48が下方に突出する様設けられ、該ストッパプレート48は前記幅広補助レールプレート47が、折畳み状態で上方に突出する様になっている(
図6(B)参照)。
【0055】
前記幅広補助レールプレート47が展開した状態で、該幅広補助レールプレート47と前記幅広レールプレート45の上面は面一となっており、前記ガイド溝35の底面と同一高さ(同一レベル)となっている。
【0056】
前記幅広レールプレート45の上面に対し、前記長ローラ39の最上点は同一であるか、或は所定の高低差だけ高くなっており、例えば高低差は5mm程度より小さい。又、前記長ローラ38と前記長ローラ39とに前記リング治具9が保持された状態では、該リング治具9の最下点は前記長ローラ39の最上点より所定の高低差だけ低くなっており、例えば5mm程度低くなっている。尚、前記所定の高低差は、作業者が前記リング治具8,9を押して、該リング治具8,9が容易に乗越えられる寸法とされる。
【0057】
以下、本実施例の作用について説明する。
【0058】
先ず、前記シャフト載置台11に載置された前記シャフト7を前記長尺物搬送台車1に移載する場合を説明する。
【0059】
搬送する前記シャフト7の長さに合わせて、前記第1保持ユニット5を所定の位置に固定する。
【0060】
前記シャフト載置台11の上面にも前記ガイド溝35と同等のガイドレール(図示せず)が設けられており、該ガイドレールに前記シャフト7の前記リング治具8,9が嵌合して保持されている。
【0061】
前記長尺物搬送台車1が前記位置決めローラ13を介して前記シャフト載置台11に位置決めされた状態では、前記シャフト載置台11のガイドレール(図示せず)と前記ガイド溝35とが連続する様になっている。又、前記ブレーキレバー29を操作し、前記ブレーキ24が前記溝付きローラ23に対してブレーキ力を作用させ、該溝付きローラ23の回転が拘束され、又、前記ブレーキ44が前記長ローラ39に対してブレーキ力を作用させ、該長ローラ39の回転が拘束されている。
【0062】
前記シャフト7又は前記リング治具8,9に右方への力を加え、該リング治具8,9を転動させ、該リング治具8,9を前記補助レールプレート33、前記レールプレート31及び前記幅広補助レールプレート47、前記幅広レールプレート45に乗移らせる。前記リング治具8が前記ガイド溝35に係合し、又前記リング治具8が該ガイド溝35に沿って転動しつつ、又前記リング治具9が前記幅広補助レールプレート47、前記幅広レールプレート45上を転動し、前記シャフト7が前記長尺物搬送台車1側に移動する。
【0063】
前記シャフト7は、前記溝付きローラ23、前記長ローラ39を乗越え、前記支持ローラ21と前記溝付きローラ23間に前記リング治具8が保持され、又前記長ローラ38、前記長ローラ39間に前記リング治具9が保持される。
【0064】
前記リング治具8が前記溝付きローラ23の溝に嵌合することで、前記シャフト7の前記台車本体2に対する長手方向の位置決めがされる。又、前記シャフト7の軸長は、シャフトの種類に応じて異なる。例えば、ジェットエンジンのシャフトは、多重軸となっており、外側のシャフトと内側のシャフトとは長さが異なる。更に、シャフトの種類によって前記リング治具9の取付け位置が異なる。前記長ローラ38,39の軸長、前記幅広レールプレート45、前記幅広補助レールプレート47の前記シャフト7の軸心方向長さは、前記シャフト7の軸長の異なり、又前記リング治具9の取付け位置の異なりを吸収する様になっている。つまり、異なる長さの長尺物に対応できる様に構成されている。
【0065】
前記シャフト7が前記第1保持ユニット5、前記第2保持ユニット6に載置されると、前記ブレーキレバー29,29を回転させ、前記ブレーキ24,44のブレーキ力を解除する。前記溝付きローラ23、前記長ローラ39が回転自在となり、前記リング治具8,9に回転力を付与しても、軸心を中心に回転するのみで、前記溝付きローラ23、前記長ローラ39を乗越えることはない。
【0066】
前記シャフト7の前記長尺物搬送台車1への移載が完了すると、前記補助レールプレート33、前記幅広補助レールプレート47を回転させて折畳む。前記ストッパプレート34、前記ストッパプレート48が上方に突出した状態となる。
【0067】
前記リング治具8,9が前記溝付きローラ23、前記長ローラ39を乗越えようとした場合も、前記ストッパプレート34,48がストッパとなり、前記リング治具8,9の転動を抑止する。従って、前記長尺物搬送台車1に振動等が作用した場合でも、前記シャフト7を安定に保持する。前記ストッパプレート34,48は、落下防止部材として機能する。
【0068】
尚、落下防止としては、前記レールプレート31と前記補助レールプレート33とを一体とし、又前記幅広レールプレート45と前記幅広補助レールプレート47とを一体とし、前記レールプレート及び幅広レールプレートに前記リング治具8,9の転動を抑制する落下防止部材を着脱可能に設ける等、種々の変更が可能である。
【0069】
又、前記シャフト7は、前記支持ローラ21、前記溝付きローラ23及び前記長ローラ38、前記長ローラ39によって回転自在に支持され、而も前記ブレーキ24,44により任意の回転位置で固定できるので、前記長尺物搬送台車1は前記シャフト7に対して作業する場合の作業台としても使用することができる。
【0070】
前記シャフト7が前記長尺物搬送台車1に載置された状態では、軸心方向の位置は、前記リング治具8が前記溝付きローラ23の溝に嵌合することで決定され、又前記リング治具8が前記支持ローラ21と前記溝付きローラ23に保持され、前記リング治具9が前記長ローラ38と前記長ローラ39とに保持されることで前記シャフト7の軸心は、前記長尺物搬送台車1の進行方向と平行に位置決めされる。
【0071】
又、前記リング治具9の軸心方向の位置は、前記長ローラ38,39、前記幅広レールプレート45、前記幅広補助レールプレート47上にあればよいので、前記長ローラ38,39の軸心方向だけ余裕がある。従って、前記長ローラ38,39の軸長の範囲で、前記シャフト7の長さの異なり、前記リング治具9の取付け位置の異なりに対応できる。
【0072】
前記第1保持ユニット5の固定位置の選択と、前記長ローラ38,39の軸長の範囲とで、種々の長さのシャフト7の保持が可能となる。
【0073】
尚、前記補助レールプレート33、前記幅広補助レールプレート47の板厚を厚くする等すれば、前記ストッパプレート34、前記ストッパプレート48を省略することもできる。
【0074】
前記位置決めローラ13の嵌合を解除することで、前記台車本体2が前記シャフト載置台11から切離され、前記長尺物搬送台車1を移動させることができる。
【0075】
作業者は、前記ハンドル4を介して前記長尺物搬送台車1を押し、該長尺物搬送台車1を所要位置の他のシャフト載置台11迄移動する。
【0076】
前記長尺物搬送台車1から他のシャフト載置台11に移載する場合は、前記位置決めローラ13を前記シャフト載置台11側の溝(図示せず)に嵌合させ、前記台車本体2を前記シャフト載置台11に対して位置決めし、前記補助レールプレート33、前記幅広補助レールプレート47を伸張させる(
図1参照)。前記ブレーキレバー29を操作し、前記ブレーキ24、前記ブレーキ44のブレーキ力を前記溝付きローラ23及び前記長ローラ39に作用させ、前記溝付きローラ23、前記長ローラ39をそれぞれ拘束する。
【0077】
前記リング治具8,9に
図1中、左方への水平力を作用させることで、前記リング治具8,9が転動して、前記溝付きローラ23、前記長ローラ39を乗越え、前記レールプレート31、前記幅広レールプレート45に乗移る。又、前記リング治具8が前記ガイド溝35にガイドされ転動する。更に、前記補助レールプレート33、前記幅広補助レールプレート47を経て前記シャフト載置台11に移載される。
【0078】
而して、前記レールプレート31、前記補助レールプレート33及び前記幅広レールプレート45、前記幅広補助レールプレート47は、前記シャフト7を前記長尺物搬送台車1と前記シャフト載置台11との間で移載する為の移載橋として機能する。
【0079】
上記した様に、前記長尺物搬送台車1と前記シャフト載置台11間の移載レベルは同じ又は略同じであり、又移載経路は前記レールプレート31、前記補助レールプレート33及び前記幅広レールプレート45、前記幅広補助レールプレート47によって連続される為、前記シャフト7の移載時に、前記シャフト7を持上げる必要がなく、単に転動させるだけでよい。この為、移載作業は極めて簡単であり、労力を要さず短時間に実行できる。
【0080】
尚、移載橋は、前記シャフト載置台11側に設けてもよい。
【0081】
又、前記第1保持ユニット5を移動可能にし、複数の位置で固定可能としたが、予め前記第1保持ユニット5を複数用意して、所定の複数位置に固定してもよい。
【0082】
又、搬送対象物として筒体を例示したが、筒体に限らずリング治具を装着できる物であればよい。