(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記警報制御手段は、所定の警告音を生成して、生成した警告音を、前記ボリューム調整回路を経由せずに前記低周波増幅回路に直接入力するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信機。
【背景技術】
【0002】
無線通信機を受信待ち受け状態で運用する際は、通常、周囲の騒音が大きい場合や、自分から呼び出して相手からの返答を待つ場合は、ボリュームツマミまたはボリュームボタンを操作して、受信音量を上げて待ち受けを行う。周囲の騒音がさらに大きい場合は、イヤホンを装着して受信音声を聞き取りやすくする。
周囲が静かになると、今度は突然の大音量の受信音声で驚かないようにボリューム設定を下げて待ち受けを行う。
しかし、このように受信音量を下げて待ち受けを行っている状態で再び周囲の騒音が大きくなってくると、相手からの呼び出しに気づきにくいという問題がある。
このような使用状況の例としては、例えば、祭において複数の神輿や山車やだんじりが順番に使用者の前を通りすぎる状況がある。このような使用状況では、神輿や山車やだんじりが近づくと囃子等の鳴り物や掛け声等が大きな騒音となるが、通り過ぎると静かになるという状況があり、無線通信機を用いての相互連絡において、上記同様の問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、受信音量のボリュームを下げて待ち受けを行っている状態で再び周囲の騒音が大きくなってくると、相手からの呼び出しに気づきにくいので、ボリュームを上げておく必要があるが、このようなボリュームの調整操作は煩雑であって忘れやすいという問題がある。
なお、特許文献1には、無線子機が基地局から緊急呼び出し信号を受信すると、自動的に音声出力を最大値に切り換えるように制御する技術が開示されている。
また、特許文献2には、待ち受け中にスケルチが開いたときに周囲の騒音レベルを判定しておき、スケルチが開いたときの騒音レベルが一定以上且つ受信信号強度レベルが一定以上の場合に、ボリュームを自動的に上げるように制御する技術が開示されている。
【0005】
しかし、これらの特許文献に開示されている技術は、通信の緊急性や周囲の状況などに応じて受信音量を自動的に調節するものである。
このような自動調節機能を実現するためには、通信の緊急性を判断する機能や、周囲の騒音を検知するマイク等の手段が必要になり、無線通信機のコストアップの問題や、小型化に対する問題があり、携帯用の無線通信機には採用しにくいという問題があった。
そこで、本発明は、通信の緊急性を判断する機能や、周囲の騒音を検知するマイク等の手段を要することなく、比較的簡単な回路構成もしくは制御プログラムによって、ボリューム設定を小さくしている状態で、他の無線通信機からの呼び出しがあった場合に、十分な音量で通知する機能を実現することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る無線通信機では、
スケルチ回路を含んだ受信部と、ボリューム調整回路と低周波増幅回路と音声再生出力手段と含んだ音声出力部とを備えた無線通信機において、
前記スケルチ回路が開き、且つ、前記ボリューム調整回路におけるボリューム設定が所定のしきい値未満に設定されているときに、前記ボリューム調整回路におけるボリューム設定より大きいボリューム設定の音量で、所定の警告音を前記音声再生出力手段から再生出力するように制御する警報制御手段を備えたことを特徴とする無線通信機。
請求項2では、
前記警報制御手段は、所定の警告音を生成して、生成した警告音を、前記ボリューム調整回路を経由せずに前記低周波増幅回路に直接入力するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る無線通信機によれば、
スケルチ回路が開き、且つ、ボリューム調整回路におけるボリューム設定が所定のしきい値未満に設定されているときに、前記ボリューム調整回路におけるボリューム設定より大きい音量で、所定の警告音を再生出力するので、
使用者がボリューム設定を小さくしたままの状態で、周囲の騒音が大きくなったときに、呼び出しがあった場合でも、十分大きな音量の警告音が再生出力されて呼び出しが通知されるので、使用者に対して手動操作によってボリューム設定を上げることを促すことができる。したがって、使用者は、所望のボリューム設定に設定して受信内容を確実に聴くことができる。
【0008】
なお、周囲の騒音状況等に応じて自動的に受信音量を調整する機能を備えた無線通信機は従来よりあるが、本発明では、警告音を聴いた使用者が手動操作によってボリューム設定を行うので、前記自動的な受信音量の調整技術に比較して、大きすぎることも無く、小さすぎることもない、所望のボリューム設定で受信することが可能となる。
また、受信に気付かないことを防ぐためにボリューム設定を大きくしていたために、受信した信号が大きな音量でイヤホンから聞こえて驚くこともない。したがって、安心して、ボリューム設定を小さくしておくことができる。
また、周囲の騒音状況等に応じて自動的に受信音量を調整する機能を備えた従来の無線通信機のように、騒音検出のためのマイクが不要であり、比較的簡単な構成で実現可能であるというメリットがある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る無線通信機を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1において、
1は例えば携帯可能な無線通信機であり、受信部2と音声出力部3と制御部4を備えている。ここでは送信部に関しての説明は省略する。
前記受信部2は、アンテナ、高周波信号処理回路、スケルチ回路21、復調回路もしくは検波回路等の受信に必要な回路構成を備えている。この受信部2はデジタル信号処理によって構成してもよい。
前記音声出力部3は、電子ボリューム等のボリューム調整回路31、低周波増幅回路32、スピーカ33、イヤホン接続部34等の音声処理に必要は回路構成を備えている。
なお、前記スピーカ33およびイヤホン接続部34は、特許請求の範囲に記載された音声再生出力手段に対応する構成である。
前記制御部4は、前記受信部2、前記音声出力部3、図示しない表示部や操作部等を系統的に制御する機能を備えているとともに、本発明の特徴を構成する警報制御手段を備えている。
【0011】
前記制御部4に備えられている前記警報制御手段は、条件判断手段41と警告制御手段42とを含んでいる。
前記条件判断手段41には、
前記スケルチ回路21からスケルチ開情報が入力され、
前記ボリューム調整回路31からボリューム設定情報が入力され、
前記スケルチ開情報が、前記スケルチ回路21が開いていることを示しており、且つ、
前記ボリューム設定情報が、現在のボリューム設定が所定のしきい値未満であることを示しているときに、警告出力制御信号を出力するように構成されている。
【0012】
前記警告制御手段42は、前記条件判断手段41から前記警告出力制御信号が出力されたとき、所定の警告音声を生成して、前記音声出力部3の前記低周波増幅回路32の警告音声入力端子321に入力し、前記ボリューム調整回路におけるボリューム設定より大きく十分に大きな所定の音量で出力するように構成されている。
前記警告音声入力端子321は、前記ボリューム調整回路31の後段であって、前記ボリューム調整回路31のボリューム設定の影響を受けない回路部分に設定されている。
【0013】
前記警告音声は、CPUを制御するプログラムで生成するビープ音などでもよく、予め所定の警告音声を録音した記憶手段から読み出して生成した録音音声や合成音声でもよく、所定の警告音声発生回路を制御して生成したものでもよい。
【0014】
上記構成の無線通信機1において、受信状態で信号の入感を待って待機している状態では、信号の入感がないときには前記スケルチ回路21は閉じており、前記音声出力部3へは低周波信号は入力されない。所定の信号が入感すると、前記スケルチ回路21が開いて、前記受信した信号を復調もしくは検波した低周波信号が前記音声出力部3へ入力され、前記スピーカ33もしくは前記イヤホン接続部34に接続されたイヤホンから出力される。
【0015】
以上の通常の音声出力の動作と並行して、次のような警報制御手段が作動する。
前記警報制御手段では、
前記制御部4の前記条件判断手段41に、前記スケルチ回路21からスケルチ開情報が入力され、前記ボリューム調整回路31からボリューム設定情報が入力される。
そして、前記スケルチ開情報が、前記スケルチ回路21が開いていることを示しており、且つ、前記ボリューム設定情報が、現在のボリューム設定が所定のしきい値未満であることを示しているときには、警告出力制御信号を出力し、
前記スケルチ開情報が、前記スケルチ回路21が開いていることを示していても、前記ボリューム設定情報が、現在のボリューム設定が所定のしきい値以上であることを示しているときには、警告出力制御信号を出力しない。
【0016】
前記警告制御手段42は、前記条件判断手段41から前記警告出力制御信号が出力されたとき、所定の警告音声を生成して、前記スピーカ33もしくは前記イヤホン接続部34に接続されたイヤホンから、十分に大きな所定の音量で再生出力する。
前記生成された警告音声は、前記ボリューム調整回路31の後段であって、前記ボリューム調整回路31のボリューム設定の影響を受けない回路部分に配設された前記警告音声入力端子321から前記低周波増幅回路32に入力されるので、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定が小さい音量に設定されていても、十分に大きな所定の音量で再生出力する。
【0017】
以上のように、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定が所定のしきい値以上であれば、受信した信号が十分な音量で再生されるので、周囲の騒音があっても受信したことに気付くことができる。
そして、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定が所定のしきい値未満であれば、受信した信号の再生音量が小さいので、周囲の騒音が大きいときには受信したことに気付かないおそれが高いが、前記生成された警告音声が、前記ボリューム調整回路31のボリューム設定に関係なく、十分に大きな所定の音量で再生出力されるので、周囲の騒音が大きくても受信したことに気付くことができる。前記生成された警告音声によって所定の信号を受信していることを認識できるので、前記ボリューム調整回路31を手動操作して、適切な音量で前記受信した信号を、前記スピーカ33もしくはイヤホンから再生出力することが可能となる。
【0018】
このようにして、前記警報制御手段を備えることによって、前記ボリューム調整回路31を自動制御することなく、比較的簡単な手段を備えることによって、周囲の騒音が大きくても受信に気付かないことを防ぐことができる。
また、受信に気付かないことを防ぐためにボリューム設定を大きくしていたために、受信した信号が大きな音量でイヤホンから聞こえて驚くこともない。したがって、安心して、ボリューム設定を小さくしておくことができる。
また、手動操作で所望のボリューム設定にするので、周囲の騒音に応じて適切な音量で聴くことができる。つまり、騒音が小さいときには、通常のボリューム設定に調整し、騒音が大きいときにはボリューム設定を大きくもしくは最大に調整することができる。
【実施例1】
【0019】
前記制御部4における警報制御手段を、前記制御部4に含まれるCPUの動作を制御する所定の制御プログラムで実現した場合の実施例1の動作を、
図2に示したフローチャートを参照して説明する。
図2に示したフローチャートは、前記CPUの制御プログラムであり、前記制御部4に含まれる記憶手段に書き込まれている。
ステップS1では、
待ち受け状態(受信待機状態)で、前記スケルチ回路21のスケルチ開閉状態を監視し、スケルチが開くまでループする。
受信した信号を検知してスケルチが開くと、ステップS2へ進み、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定値を読み取り、所定のしきい値未満であるか否かを確認する。
ボリューム設定値が所定のしきい値未満であるとステップS3へ進み、所定のしきい値以上であるとステップS4へ進む。
以上のステップS1からステップS2までが、前記条件判断手段41に相当する処理である。
【0020】
ステップS4では、受信した信号を、そのまま(前記所定のしきい値以上)のボリューム設定で再生出力する。この状態では、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定値を読み取り、所定のしきい値は所定のしきい値(十分な音量)以上であるので、受信した信号を十分な音量で聴くことができる。
ステップS3では、前記警告制御手段42を制御して、所定の警告音声を、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定値に関わらず、十分な音量で再生出力する。
なお、ステップS3では、所定の警告音声を再生出力した後に、若干遅らせて、受信した信号を再生出力してもよいが、所定の警告音声の再生出力と並行して同時に、受信した信号を再生出力してもよい。
以上のステップS3が、前記警告制御手段42に相当する処理である。
【0021】
このようにして、前記警報制御手段の主な構成をソフトウエアで実現することによって、前記ボリューム調整回路31を自動制御することなく、追加部品等を要しないで、比較的簡単な手段(制御プログラムによる制御手段)を備えることによって、周囲の騒音が大きくても受信に気付かないことを防ぐことができる。
また、受信に気付かないことを防ぐためにボリュームを大きくしていたために、受信した信号が大きな音量でイヤホンから聞こえて驚くこともない。したがって、安心して、ボリュームを小さくしておくことができる。
また、手動操作で所望のボリューム設定にするので、周囲の騒音に応じて適切な音量で聴くことができる。つまり、騒音が小さいときには、通常のボリュームに調整し、騒音が大きいときにはボリュームを大きくもしくは最大に調整することができる。
【実施例2】
【0022】
以下においては、前記制御部4における警報制御手段をハードウエア回路構成で実現した実施例2を、
図3を参照して説明する。
実施例2では、
図3に示したように、前記警報制御手段を、コンパレータ回路51と、AND回路52と、警告音声生成回路53と、ゲート回路54等のハードウエア回路構成で実現している。
前記コンパレータ回路51には、前記ボリューム調整回路31のボリューム設定電圧信号が入力され、所定のしきい値と比較され、前記しきい値未満のときには前記AND回路52の一方の入力をアクティブにする。前記AND回路52の他方の入力は、前記スケルチ回路21が開いているときにアクティブになる。
前記前記AND回路52の出力がアクティブになると前記ゲート回路54が開き、前記警告音声生成回路53にて生成された警告音声信号が前記ゲート回路54を通過して、前記警告音声入力端子321から前記低周波増幅回路32に入力されるので、前記ボリューム調整回路31におけるボリューム設定が小さい音量に設定されていても、十分に大きな所定の音量で再生出力される。なお、前記ゲート回路54に代えてスイッチ回路等を用いることもできる。
以上の、コンパレータ回路51とAND回路52とが、前記条件判断手段41に相当する構成であり、警告音声生成回路53とゲート回路54とが、前記警告制御手段42に相当する構成である。
【0023】
以上のように、前記制御部4における警報制御手段をハードウエア回路構成で実現することによって、CPUやその制御プログラムを備えることなく、簡単な回路の追加で、本願発明の効果が得られる。