特許第5979053号(P5979053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5979053スライドシート用のワイヤハーネス配索装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979053
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】スライドシート用のワイヤハーネス配索装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 11/00 20060101AFI20160817BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H02G11/00
   B60R16/02 620A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-61127(P2013-61127)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-187813(P2014-187813A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
(72)【発明者】
【氏名】大谷 努
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真治
(72)【発明者】
【氏名】岡野 洋輔
【審査官】 月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−102359(JP,A)
【文献】 特開2007−137339(JP,A)
【文献】 特開2007−276628(JP,A)
【文献】 特開2006−321410(JP,A)
【文献】 特開2007−318912(JP,A)
【文献】 特開2007−195308(JP,A)
【文献】 特開2004−312846(JP,A)
【文献】 特開2013−049402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 11/00
B60R 16/02
B60N 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるスライドシートに電線余長収容ケースとハーネスレールと連続して設けられた余長吸収装置固定されており、該スライドシート内に配線するシートハーネス前記電線余長収容ケースと前記ハーネスレールに挿通されている一方、
該ハーネスレール底面に引出用開口を備えたハーネス挿通溝設けられ、該ハーネス挿通溝内を摺動自在に嵌合する保持部から前記引出用開口を通して外方へ突出する突出枠部を備えたスライダ設けられ
前記ハーネスレールのハーネス挿通溝に挿通される前記シートハーネス前記スライダの保持部から突出枠部され、該突出枠部から引き出されたシートハーネスの端末にコネクタ接続され
車両に配索するフロアハーネスに接続されたコネクタ前記スライドシートの移動領域内の定位置に配置され、該コネクタ前記シートハーネスの端末のコネクタと接続される構成とされ
前記余長吸収装置はスライドシートのシートフレームの側面または下面に固定され、該余長吸収装置の前記電線余長収容ケースとハーネスレールとは一体成形されており、
前記電線余長収容ケースは前後方向が長辺となる長円形状であり、底板部と、該底板部の外周縁に沿って立設する周壁と、該周壁の先端を前記底板部と対向方向に突出して形成された保持板部を備え、かつ、該電線余長収容ケースにターンさせて収容するシートハーネスの出入口となる2個のハーネス挿通口を備え、
前記ハーネスレールは前記電線余長収容ケースの前後方向の長辺に沿って前後方向に延在し、前記電線余長収容ケースの前端側に設けられる前記ハーネス挿通口と連続して後方に延在する前記ハーネス挿通溝を備え、該ハーネス挿通溝の後端はスライドシートの後部側に位置し、
前記電線余長収容ケース内で前記シートハーネスの余長をターンさせて吸収した後に前記ハーネスレールに挿通され、該ハーネスレールの挿通長さで更にシートハーネスの余長が吸収される構成とされているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドシート用のワイヤハーネス配索装置に関し、特に、前後移動するスライドシート内に配索するシートハーネスを該スライドシートからの引き出し部分での移動を無くし、車体側に固定したフロアハーネスと接続してワイヤハーネスの配索を簡単にすると共にシート下方の所要スペースの減少を図るものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のシートには電動リクライニング装置やシートヒータなど種々の電装品が装備されており、これらの電装品に給電するために、車体フロアからシートに給電用のワイヤハーネスが配索されている。スライドシートの場合には、ワイヤハーネスをシートのスライド動作に追従させる必要があり、そのためワイヤハーネスに余長部を持たせて配索している。
【0003】
この種のスライドシートへのワイヤハーネスの配索装置は、通常、電線余長部を収容する余長収容ケースを設け、該余長収容ケースをシートレールの側方のフロア下方に配置している場合が多い。また、ロングスライドシートの場合はシートレールと平行にハーネスレールを敷設し、該ハーネスレールに電線余長収容ケースを連続して配置し、これらハーネスレールと電線余長収容ケースをシートレールの側方のフロア下部に配置している。
【0004】
この種の車体フロアとロングスライドシートとの間に配索するハーネス配索装置として、特開2010−193599号公報(特許文献1)で図6(A)(B)(C)に示す装置が提供されている。該装置では、スライドシート100用のシートレール101の側方に隣接して平行にワイヤハーネス用レール102がフロアに敷設されると共に、該ワイヤハーネス用レール102の側方に隣接して平行に電線余長収容ケース110が設置されている。スライドシート100に配線されるワイヤハーネスW/Hは、フロアハーネスから分岐し、コルゲートチューブで外装された状態で電線余長収容ケース110内に挿通され、該電線余長収容ケース110からワイヤハーネス用レール102内をスライドシート100と連動して移動するスライダ103内を通されてスライドシート100に配線されている。
【0005】
前記特許文献1で開示された装置では、図6(B)に示すように、車体の底壁を構成する鋼板からなるフロアパネル150と、その上方に車室床材として配置されるモール160の間の空間Cにシートレール101、ワイヤハーネス用レール102および電線余長収容ケース110が平行に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−193599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のように、特許文献1等の従来の装置では、スライドシート100内に配線されるワイヤハーネスW/Hはスライドシート100外に引き出された後にワイヤハーネス用レール102および電線余長収容ケース110内をスライド自在に通して、スライドシートのスライドに追従させる構成とされている。このように、フロア側にハーネスレールや余長収容ケースを設置すると、フロア側に設置スペースを取り、既存材が多い場合には設置スペースを確保することが困難となる。
【0008】
本発明は前記問題を解消せんとするもので、スライドシートに配線するワイヤハーネスの余長部をスライドシート内で吸収できるようにして、フロア側には余長吸収装置を設けず、フロア側に固定したワイヤハーネスにスライドシートに配線するワイヤハーネスを接続できるようにして、フロア側の必要スペースを減少することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載されるスライドシートに電線余長収容ケースとハーネスレールと連続して設けられた余長吸収装置固定されており、該スライドシート内に配線するシートハーネス前記電線余長収容ケースと前記ハーネスレールに挿通されている一方、
該ハーネスレール底面に引出用開口を備えたハーネス挿通溝設けられ、該ハーネス挿通溝内を摺動自在に嵌合する保持部から前記引出用開口を通して外方へ突出する突出枠部を備えたスライダ設けられ
前記ハーネスレールのハーネス挿通溝に挿通される前記シートハーネス前記スライダの保持部から突出枠部され、該突出枠部から引き出されたシートハーネスの端末にコネクタ接続され
車両に配索するフロアハーネスに接続されたコネクタ前記スライドシートの移動領域内の定位置に配置され、該コネクタ前記シートハーネスの端末のコネクタと接続される構成とされ
前記余長吸収装置はスライドシートのシートフレームの側面または下面に固定され、該余長吸収装置の前記電線余長収容ケースとハーネスレールとは一体成形されており、
前記電線余長収容ケースは前後方向が長辺となる長円形状であり、底板部と、該底板部の外周縁に沿って立設する周壁と、該周壁の先端を前記底板部と対向方向に突出して形成された保持板部を備え、かつ、該電線余長収容ケースにターンさせて収容するシートハーネスの出入口となる2個のハーネス挿通口を備え、
前記ハーネスレールは前記電線余長収容ケースの前後方向の長辺に沿って前後方向に延在し、前記電線余長収容ケースの前端側に設けられる前記ハーネス挿通口と連続して後方に延在する前記ハーネス挿通溝を備え、該ハーネス挿通溝の後端はスライドシートの後部側に位置し、
前記電線余長収容ケース内で前記シートハーネスの余長をターンさせて吸収した後に前記ハーネスレールに挿通され、該ハーネスレールの挿通長さで更にシートハーネスの余長が吸収される構成とされているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置を提供している。
【0010】
前記のように、スライドシートに電線余長収容ケースとハーネスレールとを備えた余長吸収装置を固定し、余長吸収装置自体をスライドシートの移動に連動させ、フロアハーネス側コネクタと接続したシートハーネス端末のコネクタを保持するスライダは定位置に保持する必要があるため、該スライダに対して余長吸収装置のハーネスレールが移動するようにしている。その結果、スライドシートから引き出したシートハーネスの端末のコネクタを定位置に保持し、フロア側の定位置のフロアハーネス端末のコネクタと接続できる。このように、フロア側に余長吸収装置を設ける必要はないため、設置スペースを不要にでき、かつ、既設設置物と干渉しない。さらに、スライドシートの側方のフロアに余長吸収装置を配置すると、フロア置き荷物や足踏みによる荷重が加わり、耐久性が損なわれる恐れがあるが、スライドシートに固定すると前記荷重が負荷されない。
【0012】
前記電線余長収容ケースおよびハーネスレールの前後長さをできるだけ大きくするとシートハーネスの余長吸収量を増大できる。
【0013】
前記電線余長収容ケースおよびハーネスレールに収容するシートハーネスはキャタピラ型のプロテクタで外装し、
前記プロテクタは、帯状の平板に長さ方向に延在すると共に幅方向に間隔をあけて設けた複数本の折曲ラインを折り曲げて筒状とすると共に、長さ方向に間隔をあけて幅方向に切り込みを入れて一辺を連続させると共に他辺を分離し、一方側には屈曲するが他方側には屈曲しない状態で連結していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前記のように、本発明では、スライドシートにシートハーネスの余長を吸収する電線余長収容ケースとハーネスレールを備えた余長吸収装置を固定し、該余長吸収装置をスライドシートの移動と連動させ、該余長吸収装置内に挿通させてスライドシートの移動に応じて余長を吸収したシートハーネス端末のコネクタを定位置に配置しているため、フロア側の定位置に配置するフロアハーネス側のコネクタと接続することができ、フロア側に余長吸収装置を設置しなくてもよい。その結果、スライドシートの側方のフロアに設置スペースをとらず、既存物との干渉を防止でき、かつ、設置作業が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のワイヤハーネス配索装置の実施形態を示し、(A)はスライドシートの斜視図、(B)は要部側面図である。
図2】(A)が前記ワイヤハーネス配索装置の要部断面図、(B)は余長吸収装置の一部断面図、(C)はスライダの斜視図である。
図3】(A)は余長吸収装置の正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図である。
図4】シートハーネスに外装するキャタピラ型のプロテクタを示し、(A)は斜視図、(B)は展開図である。
図5】(A)はスライドシートの動きを示す説明図、(B)は余長吸収装置内のシートハーネスの動きを示す図面である。
図6】(A)〜(C)は従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5に本発明の実施形態を示す。
図1図2に示すように、自動車に搭載するスライドシート1に装着した電装品(図示せず)に給電するために、フロアパネル2に配索したフロアハーネスW/Hにワイヤハーネス(以下、シートハーネス5と称す)をコネクタC1とC2とで接続し、シートハーネス5をスライドシート1に固定した余長吸収装置10に通してスライドシート1の内部へ配線している。
【0017】
スライドシート1のシートフレームの側板4の外面に図2に示すように余長吸収装置10を縦方向に固定し、シートサイドカバー8で覆っている。該余長吸収装置10は図3に示すように、電線余長収容ケース11とハーネスレール12とを樹脂で一体成形した一部品からなる。
【0018】
電線余長収容ケース11は略長円形状で、その直線状の長辺11aに沿って短辺11b側から他方の短辺11cを越えて直線状にハーネスレール12を延在している。電線余長収容ケース11は略長円形状の底板部20の外周縁から一定寸法をあけた位置に周壁21を立設し、該周壁21の先端から内向きに折り返して保持板部22を設けている。該保持板部22は周壁21の長さ方向に間隔をあけて設け、底板部20との間に所要高さのハーネス挿通路24を設けている。前記保持板部22と対向する底板部20には図3(B)に示すように型抜き穴23を設け、スライド型無しで成形している。
【0019】
また、前記周壁21の長辺11aと短辺11bとの境界部分に周壁を設けず、ハーネス挿通口25を設け、ハーネスレール12の全長に沿って前後方向に設けるハーネス挿通溝26に連通している。前記ハーネス挿通口25を設ける長辺11aの前端に連続させて仕切壁27を底板部20から立設している。該仕切壁27の突出端から保持板部28を前記保持板部22と交互に設けている。
電線余長収容ケース11内で、ハーネスレール12から前記ハーネス挿通口25を通って挿通するシートハーネス5は仕切壁27と短辺11bとの間の経路を通って長辺11dの内面に沿い、短辺11c内面側でUターンした後に長辺11aの内面に沿って配線され、仕切壁27に達する手前に設けたハーネス挿通口29からシートハーネス5を引き出してスライドシート1内に配線している。
【0020】
ハーネスレール12には長さ方向に連続して、上面開口の凹部からなる前記ハーネス挿通溝26を設け、図3(C)に示すように、該ハーネス挿通溝26の底面に引出用開口26aを設けている。
【0021】
余長吸収装置10をスライドシート1のシートフレームの側板4に固定するため、電線余長収容ケース11の底板部20の外周縁からボルト穴を設けたブラケット32Aを突設すると共に、ハーネスレール12の側壁下面からもボルト穴を設けたブラケット32Bを突設している。図2(A)に示すように、ブラケット32A、32Bをシートフレームの側板4のボルト穴(図示せず)と一致させて、ボルトとナットで締結固定している。
かつ、シートフレームの側板4に余長吸収装置10を固定した後に、図2(A)に示すシートサイドカバー8を側板4に取り付けて余長吸収装置10を覆っている。
【0022】
スライドシート1は、図2(A)に示すように、左右一対で設けているシート脚部3をフロアパネル2上に支持台50を介して搭載した左右一対のシートレール6にスライド自在に取り付けている。各シートレール6はスライドシート1の座席下方に突出したシート脚部3の軸部3aをシートレール6内に挿入し、軸部3aから腕部3bを左右に延在させ、腕部3bの外面に軸支した車輪3cをシートレール6内の側部空間6aに回動自在に嵌合させている。シートレール6の中央の上面開口6cを挟む左右の側部空間6aの上壁6fには、その上面に車室床材となるモール33A、33Bを敷設している。
前記モール33Bにはワイヤハーネス挿通穴33hを設け、前記ハーネスレール12の先端から引き出すシートハーネス5をワイヤハーネス挿通穴33hを通してモール33Bの下部へと配線し、下方でフロアパネル2側に固定すると共にフロアハーネスW/HとコネクタC1とC2で接続している。
【0023】
電線余長収容ケース11からハーネスレール12のハーネス挿通溝26内に挿通するシートハーネス5を図4に示すキャタピラ型のプロテクタ30で外装し、該プロテクタ30で外装したシートハーネス5の先端を図2(B)(C)に示すスライダ9に嵌合固定している。
【0024】
スライダ9はプロテクタ30の先端部を嵌合固定する角筒状の保持部9aと、該保持部から前記引出用開口26aを通して外方へ突出する突出枠部9bを設けている。
保持部9aはハーネス挿通溝26内を摺動自在に嵌合し、引出用開口26aを通して突出枠部9bを外方へ下向きに突出している。
ハーネス挿通溝26内を挿通するシートハーネス5の先端をスライダ9の保持部9aに通して後に突出枠部9bに通し、突出枠部9bの下端開口より引き出すシートハーネス5の端末にコネクタC1を接続し、スライダ9によりコネクタC1を位置決め保持した状態としている。
前記スライダ9の突出枠部9bは前記のようにモール33Bに設けたワイヤハーネス挿通穴33hを通し、モール下方でフロアハーネスW/HのコネクタC2と接続している。
【0025】
前記シートハーネス5に外装するキャタピラ状のプロテクタ30は、図4(B)に示す帯状の連続した長尺材からなる平板40を折り曲げて組み立てている。平板40には、長さ方向Xに延在する4本の折曲ライン41、42、43、44を幅方向Yの中間部に間隔をあけて設け、平板40を幅方向に5個の辺S1〜S5に区画し、折曲ライン41〜44を直角に折り曲げ、幅方向の両側辺S1とS5を重ねることで図4(A)に示すように、四角筒状に組み立てている。
平板40の幅方向の両側の一方側の辺S1の側縁に係止突片45を突設し、他方側の辺S5に設けた係止穴46に係止している。かつ、平板40には前記4本の折曲ライン41〜44を結ぶ幅方向Yの切込ライン48を長さ方向Xに間隔をあけて設け、辺S2、S3、S4を分離している。かつ、切込ライン48の中央部で辺S3の中央位置に直線を湾曲させた円弧状の切込49を設け、長さ方向に隣接する一方側を円弧状に突出させ、他方を円弧状に窪ませ、凹凸嵌合部を設けている。
前記プロテクタ30は予め折曲ライン41〜44を折り曲げる一方、係止突片45は係止穴46に挿入せず、開いた状態でシートハーネス5の電線群を折り曲げたプロテクタ30の両側辺S1とS5の間の開口から挿入する。この電線群の挿入後に辺S1とS5を重ね、係止突片45を係止穴46に挿入係止し、電線群を四角筒の中に挿入した状態で外装する。
【0026】
次に、スライドシート1のスライド動作に追従するシートハーネス5の動きについて、図5を参照して説明する。
スライドシート1を前後方向に移動すると、該スライドシート1に固定した余長吸収装置10も前後方向へ移動する。該余長吸収装置10のハーネスレール12からスライダ9を介して引き出すシートハーネス5はモール33Bに設けたワイヤハーネス挿通穴33hを通してフロア下部に引き込んで固定しているため、余長吸収装置10の電線余長収容ケース11の内部およびハーネスレール12内でシートハーネス5は移動して電線余長部分を吸収する。
【0027】
図5(B)の上段図はスライドシート1が前方に移動した状態を示し、下段図はスライドシートが後方に移動した状態を示し、スライダ9は定位置であり、該スライダ9を嵌合する余長吸収装置10のハーネスレール12がスライドシート1の前後移動に応じて前後移動している。
【0028】
前記のように、スライドシート1のスライドに応じたシートハーネス5の余長吸収機能を、スライドシート1に固定した余長吸収装置10の電線余長収容ケース11と、ハーネスレール12とに持たせている。これにより、ハーネスレール12から引き出すシートハーネス5をフロア側で更に移動させる必要がなく、モール33Bに設けたワイヤハーネス挿通穴33hからフロア下方へと引き込んで、フロアハーネスと接続できる。よって、フロア側に余長吸収装置を設置する必要がなくなる。
【符号の説明】
【0029】
1 スライドシート
2 フロアパネル
3 シート脚部
5 シートハーネス
6 シートレール
9 スライダ
10 余長吸収装置
11 電線余長収容ケース
12 ハーネスレール
26 ハーネス挿通溝
30 キャタピラ型のプロテクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6