(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
折り畳まれたエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、及び、折り畳まれた前記エアバッグを囲って、前記エアバッグを収納するハウジング構成部材、を備えて、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に搭載される構成とし、
前記エアバッグが、
膨張完了時の乗員側に配置される乗員側パネル部と、該乗員側パネル部から前方側に延びる車体側パネル部と、を有した外周壁を備えて構成され、
前記車体側パネル部の前部下部側に膨張用ガスの流入用開口を配設させ、かつ、該流入用開口の周縁を前記ハウジング構成部材への取付部位として構成されるとともに、折り畳まれた折り完了体として、前記ハウジング構成部材に収納される構成として、
前記折り完了体は、前記流入用開口を下方に配置させた前記車体側パネル部の上に前記乗員側パネル部を載せて平らに展開された折り準備体、の外周縁が、前記流入用開口に接近した形状であって、前記折り準備体の外形寸法より縮小された形状として、構成され、
前記ハウジング構成部材が、
膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有して、前記エアバッグの折り完了体の上方を覆う天井構成部位と、
前記天井構成部位の下方側で、前記エアバッグの折り完了体を覆うハウジング本体部位と、
を備え、
前記ハウジング本体部位が、
前記インフレーターと前記エアバッグの前記取付部位とを取り付ける底壁構成部位と、
前記底壁構成部位と前記天井構成部位との間に配設される側壁構成部位と、
を備えて構成される助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグの前記折り完了体は、
前後方向の寸法より左右方向の寸法が長く、かつ、左右方向の中央部位の厚さ寸法より、左右の両端部が、小さい厚さ寸法として構成され、さらに、
少なくとも左右方向の中央部位に、前記折り準備体の外周縁における前後両縁部位が前記流入用開口に接近して前記折り準備体の前後方向の寸法が縮小されてなる前後縮小折りの折り畳み部位だけを、配設させた構成として、
前記ハウジング本体部位が、
前記折り完了体の中央部位における前記前後縮小折りの折り畳み部位を収納可能に、前記底壁構成部位の前記天井構成部位からの離隔距離を、前記前後縮小折りの折り畳み部位の厚さ寸法に対応させて、設定し、かつ、
膨張時の前記エアバッグの圧力に対抗できる強度を有するように、前記側壁構成部位を介在させて、前記底壁構成部位を前記天井構成部位に連結させるとともに、前記側壁構成部位を、前後両側だけの前板部と後板部とから構成していることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
折り畳まれたエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、及び、折り畳まれた前記エアバッグを囲って、前記エアバッグを収納するハウジング構成部材、を備えて、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に搭載される構成とし、
前記エアバッグが、
膨張完了時の乗員側に配置される乗員側パネル部と、該乗員側パネル部から前方側に延びる車体側パネル部と、を有した外周壁を備えて構成され、
前記車体側パネル部の前部下部側に膨張用ガスの流入用開口を配設させ、かつ、該流入用開口の周縁を前記ハウジング構成部材への取付部位として構成されるとともに、折り畳まれた折り完了体として、前記ハウジング構成部材に収納される構成として、
前記折り完了体は、前記流入用開口を下方に配置させた前記車体側パネル部の上に前記乗員側パネル部を載せて平らに展開された折り準備体、の外周縁が、前記流入用開口に接近した形状であって、前記折り準備体の外形寸法より縮小された形状として、構成され、
前記ハウジング構成部材が、
膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有して、前記エアバッグの折り完了体の上方を覆う天井構成部位と、
前記天井構成部位の下方側で、前記エアバッグの折り完了体を覆うハウジング本体部位と、
を備え、
前記ハウジング本体部位が、
前記インフレーターと前記エアバッグの前記取付部位とを取り付ける底壁構成部位と、
前記底壁構成部位と前記天井構成部位との間に配設される側壁構成部位と、
を備えて構成される助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグの前記折り完了体は、
前後方向の寸法より左右方向の寸法が長く、かつ、左右方向の中央部位の厚さ寸法より、左右の両端部が、小さい厚さ寸法として構成され、さらに、
少なくとも左右方向の中央部位に、前記折り準備体の外周縁における前後両縁部位が前記流入用開口に接近して前記折り準備体の前後方向の寸法が縮小されてなる前後縮小折りの折り畳み部位だけを、配設させた構成として、
前記ハウジング本体部位が、
前記折り完了体の中央部位における前記前後縮小折りの折り畳み部位を収納可能に、前記底壁構成部位の前記天井構成部位からの離隔距離を、前記前後縮小折りの折り畳み部位の厚さ寸法に対応させて、設定し、かつ、
膨張時の前記エアバッグの圧力に対抗できる強度を有するように、前記側壁構成部位を介在させて、前記底壁構成部位を前記天井構成部位に連結させるとともに、左右両側に開口を配設させ、
前記エアバッグの前記折り完了体が、左右両端を前記ハウジング本体部位の前記開口から突出させた状態で、前記ハウジング構成部材に収納されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、平らに展開した状態から前後方向の寸法を狭めるとともに、左右方向の寸法を狭めるように、左右方向の中央側に折り畳んでおり、上下方向の高さ、換言すれば、折り畳んだ折り完了体の厚さ寸法が嵩張ることとなり、エアバッグの折り完了体の厚さ寸法に伴なって、ハウジング構成部材も上下方向の厚さ寸法が嵩張っていた。
【0006】
そのため、インストルメントパネルにおける上下方向のスペースに制限があるような部位、例えば、インストルメントパネルの上壁部と後壁部との交差部位となるインストルメントパネルの後縁近傍には、エアバッグ装置を搭載し難かった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、上下方向のスペースが小さくとも容易に搭載できる助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る助手席用エアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、及び、折り畳まれた前記エアバッグを囲って、前記エアバッグを収納するハウジング構成部材、を備えて、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に搭載される構成とし、
前記エアバッグが、
膨張完了時の乗員側に配置される乗員側パネル部と、該乗員側パネル部から前方側に延びる車体側パネル部と、を有した外周壁を備えて構成され、
前記車体側パネル部の前部下部側に膨張用ガスの流入用開口を配設させ、かつ、該流入用開口の周縁を前記ハウジング構成部材への取付部位として構成され
るとともに、折り畳まれた折り完了体として、前記ハウジング構成部材に収納される構成として、
前記折り完了体は、前記流入用開口を下方に配置させた前記車体側パネル部の上に前記乗員側パネル部を載せて平らに展開された折り準備体、の外周縁が、前記流入用開口に接近した形状であって、前記折り準備体の外形寸法より縮小された形状として、構成され、
前記ハウジング構成部材が、
膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有して、前記エアバッグの折り完了体の上方を覆う天井構成部位と、
前記天井構成部位の下方側で、前記エアバッグの折り完了体を覆うハウジング本体部位と、
を備え、
前記ハウジング本体部位が、
前記インフレーターと前記エアバッグの前記取付部位とを取り付ける底壁構成部位と、
前記底壁構成部位と前記天井構成部位との間に配設される側壁構成部位と、
を備えて構成される助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグの前記折り完了体
は、
前後方向の寸法より左右方向の寸法が長く、かつ、左右方向の中央部位の厚さ寸法より、左右の両端部が、小さい厚さ寸法として構成され、さらに、
少なくとも左右方向の中央部位
に、前記折り準備体の外周縁における前後両縁部位が前記流入用開口に接近して前記折り準備体の前後方向の寸法が縮小されてなる前後縮小折りの折り畳み部位だけを、配設させた構成として、
前記ハウジング本体部位が、
前記折り完了体の中央部位における前記前後縮小折りの折り畳み部位を収納可能に、前記底壁構成部位の前記天井構成部位からの離隔距離を、前記前後縮小折りの折り畳み部位の厚さ寸法に対応させて、設定し、かつ、
膨張時の前記エアバッグの圧力に対抗できる強度を有するように、前記側壁構成部位を介在させて、前記底壁構成部位を前記天井構成部位に連結させ
るとともに、前記側壁構成部位を、前後両側だけの前板部と後板部とから構成していることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、エアバッグの折り完了体が、左右方向の寸法を縮小する左右縮小折りを抑えて、主に前後方向の寸法を縮小する前後縮小折りで折り畳まれるとともに、少なくとも左右方向の中央部位、すなわち、流入用開口付近の部位を、前後方向の寸法を縮小する前後縮小折りの折り畳み部位だけで形成している。
【0010】
そのため、エアバッグの折り完了体は、折り準備体の外周縁を流入用開口に接近するように折り畳まれることにより、流入用開口の周縁部位が最も厚くなり易いが、その部位、すなわち、折り完了体の左右方向の中央部位が、前後縮小折りの折り畳み部位だけで形成されており、極力、厚さ寸法を小さくできる。
【0011】
そして、ハウジング本体部位は、折り完了体の中央部位における前後縮小折りの折り畳み部位を収納可能に、底壁構成部位の天井構成部位からの離隔距離を、前後縮小折りの折り畳み部位の厚さ寸法に対応させて、設定されており、折り完了体とともに、厚さ寸法を小さくできる。
【0012】
勿論、ハウジング本体部位が、厚さ寸法を薄くすることにより、膨張するエアバッグの反力を強く受けることとなるが、膨張時のエアバッグの圧力に対抗できる強度を有するように、側壁構成部位を利用して、底壁構成部位を天井構成部位に連結させており、膨張時のエアバッグを的確に支持でき、その結果、エアバッグは、円滑にドア部を押し開いて展開膨張することができる。
【0013】
したがって、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、ハウジング本体部位と折り畳んだエアバッグとの厚さ寸法を小さくできて、上下方向の寸法を小さくできることから、インストルメントパネルの上面側の搭載部位が上下方向のスペースを小さくしていても、容易に搭載することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、折り準備体から左右方向の寸法を縮小させる左右縮小折りを抑えて折り畳まれている。換言すれば、エアバッグの展開膨張時、左右の折り畳み部位の折りの解消が殆どない。そのため、乗員がインストルメントパネルに接近して着座していても、エアバッグの展開膨張時に、左右の折り畳み部位の折りの解消に伴なって乗員を叩くような挙動が抑制され、エアバッグは、部分的な押圧力を作用させることを抑制可能な左右に展開した状態として、乗員を受け止めることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、前記ハウジング本体部位が、前記底壁構成部位と前記天井構成部位とを連結する前記側壁構成部位を、前後両側だけに配設させる構成としており、ハウジング本体部位が、左右両側に、底壁構成部位と天井構成部位とを連結する側壁構成部位を配設せずに構成できることから、軽量化と省資源化とを図ることができる。
【0017】
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、
折り畳まれたエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、及び、折り畳まれた前記エアバッグを囲って、前記エアバッグを収納するハウジング構成部材、を備えて、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に搭載される構成とし、
前記エアバッグが、
膨張完了時の乗員側に配置される乗員側パネル部と、該乗員側パネル部から前方側に延びる車体側パネル部と、を有した外周壁を備えて構成され、
前記車体側パネル部の前部下部側に膨張用ガスの流入用開口を配設させ、かつ、該流入用開口の周縁を前記ハウジング構成部材への取付部位として構成されるとともに、折り畳まれた折り完了体として、前記ハウジング構成部材に収納される構成として、
前記折り完了体は、前記流入用開口を下方に配置させた前記車体側パネル部の上に前記乗員側パネル部を載せて平らに展開された折り準備体、の外周縁が、前記流入用開口に接近した形状であって、前記折り準備体の外形寸法より縮小された形状として、構成され、
前記ハウジング構成部材が、
膨張時の前記エアバッグに押されて開くドア部を有して、前記エアバッグの折り完了体の上方を覆う天井構成部位と、
前記天井構成部位の下方側で、前記エアバッグの折り完了体を覆うハウジング本体部位と、
を備え、
前記ハウジング本体部位が、
前記インフレーターと前記エアバッグの前記取付部位とを取り付ける底壁構成部位と、
前記底壁構成部位と前記天井構成部位との間に配設される側壁構成部位と、
を備えて構成される助手席用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグの前記折り完了体は、
前後方向の寸法より左右方向の寸法が長く、かつ、左右方向の中央部位の厚さ寸法より、左右の両端部が、小さい厚さ寸法として構成され、さらに、
少なくとも左右方向の中央部位に、前記折り準備体の外周縁における前後両縁部位が前記流入用開口に接近して前記折り準備体の前後方向の寸法が縮小されてなる前後縮小折りの折り畳み部位だけを、配設させた構成として、
前記ハウジング本体部位が、
前記折り完了体の中央部位における前記前後縮小折りの折り畳み部位を収納可能に、前記底壁構成部位の前記天井構成部位からの離隔距離を、前記前後縮小折りの折り畳み部位の厚さ寸法に対応させて、設定し、かつ、
膨張時の前記エアバッグの圧力に対抗できる強度を有するように、前記側壁構成部位を介在させて、前記底壁構成部位を前記天井構成部位に連結させるとともに、左右両側に開口を配設させ、
前記エアバッグの前記折り完了体が、左右両端を前記ハウジング本体部位の前記開口から突出させた状態で、前記ハウジング構成部材に収納されていること
を特徴とする。
【0018】
このような構成では、ハウジング本体部位が、左右方向の寸法を、エアバッグの折り完了体より短くできることから、一層、軽量化と省資源化とを図ることができる。
【0019】
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、前記エアバッグの前記折り完了体が、前記前後縮小折り
の折り畳み部位だけで構成されていることが望ましい。
【0020】
このような構成では、エアバッグの展開膨張時、左右の折り畳み部位の折りの解消が無く、左右の折り畳み部位の折りの解消に伴なう乗員を叩く挙動が全く無くなることから、一層、乗員がインストルメントパネルに接近していても、展開膨張時のエアバッグが、部分的に押圧すること無く、左右に広く展開した状態として、円滑に乗員を受け止めることができる。
【0021】
さらに、エアバッグの折り完了体が、左右方向の寸法が長くなるものの、厚さ寸法を左右の全域にわたって小さくすることができ、対応するハウジング本体部位も厚さ寸法を小さくできて、一層、上下方向のスペースが小さな搭載部位に、助手席用エアバッグ装置を搭載可能となる。
【0022】
勿論、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、前記エアバッグの前記折り完了体が、厚さ寸法の増加を招かない範囲、例えば、左右方向の中央部位の厚さ寸法より小さい厚さ寸法の範囲内であれば、左右両端側に、前記折り準備体の左右方向の縁を前記流入用開口側に接近させる左右縮小折りの折り畳み部位を備えて構成されていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1は、
図1〜4に示すように、助手席前方のインストルメントパネル(以下、適宜、インパネと略す)5の上面側の搭載部位8に搭載されるものである。エアバッグ装置M1は、折り畳まれたエアバッグ10、エアバッグ10に膨張用ガスを供給するインフレーター20、及び、折り畳まれたエアバッグ10を囲って、エアバッグ10を収納するハウジング構成部材25、を備えてなる。
【0025】
インパネ5の搭載部位8は、インパネ5の上面側となる上壁部6の後縁6a近傍として、換言すれば、インパネ5の略水平方向に配設される上壁部6と上壁部6の後縁6aから斜め前下方向に延びる後壁部7との交差部位5a近傍として、下方側には、前下方向に延びる後壁部7が配設されていることから、上下方向のスペースSAが小さな部位としている。
【0026】
ちなみに、実施形態のインパネ5は、一般的なインパネに比べて、上壁部6と後壁部7との間の交差部位5aの交差角度を小さくするように、後壁部7の前下がりの傾斜角度θ1を小さくしている。さらに、フロントウインドシールド4は、上壁部6に接近するように、後上がりの傾斜角度θ2を小さくしている。そのため、ハウジング構成部材25の後述するエアバッグ10に押されて開くドア部31が、前開きで開く際に、ウインドシールド4との干渉を抑制できるように、エアバッグ装置M1が、インパネ5の上壁部6の後縁6a側に配設されることとなり、その結果、実施形態のエアバッグ装置M1では、上下方向のスペースSAの小さなエリアの搭載部位8に搭載される構造となっている。
【0027】
なお、インパネ5は、ポリプロピレン等の合成樹脂製として、実施形態の場合、上壁部6の一部が、ハウジング構成部材25の後述する天井構成部位30における外表面側のアウタパネル部33、を構成している。
【0028】
エアバッグ10は、
図1,7に示すように、膨張完了時の形状を略四角錘形状とする外周壁11を備えて構成される。外周壁11は、可撓性を有したポリアミド等の織布から形成されて、膨張完了時の乗員側に配置される乗員側パネル部12と、乗員側パネル部12から前方側へ先細りの四角錐状に延びる車体側パネル部13と、から構成されている。
【0029】
エアバッグ10は、
図3,4,7に示すように、車体側パネル部13の前部下部側に膨張用ガスの流入用開口13aを配設させ、かつ、流入用開口13aの周縁をハウジング構成部材25への取付部位14としている。取付部位14には、4つの取付孔14aが形成されている。
【0030】
リテーナ16は、板金製の略四角環状の本体17と4本のボルト18とを備えてなる。本体17は、四角環状の底壁部17aと、底壁部17aの外周縁から上方に延びる縦壁部17bとを備えてなり、エアバッグ10内の取付部位14に配置される。ボルト18は、底壁部17aの四隅付近から下方に延びるように突設される。各ボルト18は、エアバッグ10内に配設される本体17から取付孔14aを経て突出する。これらのボルト18は、エアバッグ10とインフレーター20とをハウジング構成部材25に取り付けるとともに、ハウジング構成部材25と取付ブラケット90とを結合させるものである。
【0031】
なお、取付ブラケット90は、
図3〜6に示すように、エアバッグ装置M1をインパネリインホース1から延びるブラケット2に取り付けるものであり、板金製として、ブラケット2にボルト3止めされる固着片部91と、固着片部91の左右両縁から上方に延びる二つの支持杆部92と、を備えて、前後方向から見て、U字状としている。固着片部91には、ボルト3を締結するナット91aが固着され、各支持杆部92の上端には、前後方向に帯状に延びて、インフレーター20の後述するフランジ部22の左右の下面側に当接されて、エアバッグ装置M1を支持する支持座92aが形成されている。各支持座92aには、リテーナ16のボルト18を挿通させる貫通孔92bが前後に並設されている。
【0032】
インフレーター20は、上部21a側に膨張用ガスを吐出する複数のガス吐出口21bを設けた円柱状の本体部21と、本体部21の外周面から突出するフランジ部22と、を備えてなり、フランジ部22には、リテーナ16の各ボルト18を挿通させる取付孔22aが形成されている。エアバッグ10の流入用開口13aやリテーナ16の底壁部17aの中央の開口、さらには、後述するハウジング構成部材25の底壁構成部位41の開口42は、本体部21を挿入可能な内径寸法としており、本体部21におけるフランジ部22より上方の上部21a側は、底壁構成部位41の開口42、流入用開口13a、リテーナ16の底壁部17aの中央の開口を経て、折り畳まれたエアバッグ10内に挿入されている。
【0033】
ハウジング構成部材25は、
図3〜6に示すように、膨張時のエアバッグ10に押されて開くドア部31を有して、折り畳まれたエアバッグ10の折り完了体70の上方を覆う天井構成部位30と、天井構成部位30の下方側で、エアバッグ10の折り完了体70を覆うハウジング本体部位40と、を備えて構成される。ハウジング本体部位40は、インフレーター20とエアバッグ10の取付部位14とを取り付ける底壁構成部位41と、底壁構成部位41と天井構成部位30との間に配設される側壁構成部位45と、を備えて構成される。
【0034】
天井構成部位30は、左右方向に延びた略長方形板状のドア部31とドア部31の周縁の周縁部位32とを備えて構成される。ドア部31は、前縁側をヒンジ部31aとして、膨張するエアバッグ10に押されて前開きで開くように構成されている。周縁部位32におけるドア部31の前後の部位は、側壁構成部位45の上端を結合させる結合部位32a,32bとしている。
【0035】
そして、実施形態の場合、天井構成部位30は、外表面側を構成するアウタパネル部33と、アウタパネル部33の下面側に配設されるインナパネル部35との二層構造として構成されている。
【0036】
アウタパネル部33は、インパネ5の上壁部6から構成され、アウタパネル部33におけるドア部31の外周縁の下面側には、膨張するエアバッグ10に押されて破断する薄肉の破断予定部(ティアライン)34が形成されている。破断予定部34は、アウタパネル部33の下面側に連続的若しくは断続的に凹部を設けて形成され、上方から見て横長のU字状に形成されている(
図2参照)。また、アウタパネル部33におけるドア部31の前縁側の破断予定部34の形成されていない部位は、ドア部31とその周囲の周縁部位32とを連ならせるようなヒンジ部31a兼用の連結部33aとしている。
【0037】
インナパネル部35は、ドア部31におけるアウタパネル部33を下面側から支持するドア支持部36として構成される。このドア支持部36は、全面をアウタパネル部33の裏面側に結合される長方形板状のドア結合部37と、ドア結合部37と側壁構成部位45との連結部位に配設される曲げ変形可能なヒンジ部38と、を有して構成されている。ドア結合部37は、左右方向に延びた長方形板状として、アウタパネル部33に溶着されている。ヒンジ部38は、断面をV字状に曲げられる形状に形成され、ドア結合部37の前縁側に形成され、連結部33aとともに、ドア部31のヒンジ部31aを構成している。
【0038】
そして、第1実施形態では、
図3〜6に示すように、アウタパネル部33から構成されるドア部31と破断予定部34との左右方向の幅寸法DWLは、折り畳んだエアバッグ10の折り完了体70の左右方向の幅寸法AWLと同等、若しくは、僅かに大きく、ドア部31と破断予定部34との前後方向の幅寸法DLLは、折り畳んだエアバッグ10の折り完了体70の前後方向の幅寸法ALLと同等、若しくは、僅かに大きく設定されている。
【0039】
一方、インナパネル部35から構成されるドア支持部36の左右方向の幅寸法CWLは、折り畳んだエアバッグ10の折り完了体70の左右方向の幅寸法AWLの約半分として、折り完了体70より短くしている。
【0040】
ハウジング本体部位40の底壁構成部位41は、左右方向に延びた長方形板状として、左右方向の中央に、インフレーター20の本体部21を下方から挿入可能な円形の開口42を備えて構成される。開口42の周縁は、エアバッグ10やインフレーター20の取付部位43として、リテーナ16のボルト18を挿通させる取付孔43aを配設させている。
【0041】
ハウジング本体部位40の側壁構成部位45は、底壁構成部位41の前後両縁から上方に延びる前板部46と後板部49とから構成され、左右に、長方形の開口27を設けている。前板部46と後板部49との上端には、前後の外方に延びる結合鍔部47,50が形成され、結合鍔部47,50は、それぞれ、各天井構成部位30の周縁部位32の結合部位32a,32bに対して、溶着されて結合されている。前板部46の上端の後側には、ドア支持部36のヒンジ部38が連結されている。
【0042】
そして、第1実施形態の場合、ハウジング本体部位40は、結合鍔部47,50を除いた前後方向の幅寸法CLLを、エアバッグ10を収納可能に、エアバッグ10の折り完了体70の前後方向の幅寸法ALLより大きくしているものの、左右方向の幅寸法CWLを、ドア支持部36とともに、折り完了体70の左右方向の幅寸法AWLの約半分として、折り完了体70より短くしている。
【0043】
そのため、折り完了体70は、左右の両端部70b,70cがハウジング本体部位40の左右の開口27,27から左右両側に突出している。
【0044】
なお、第1実施形態の場合、ハウジング本体部位40とドア支持部36とは、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から一体成形されたハウジング用成形品55から形成されている。ハウジング用成形品55は、エアバッグ装置M1の組み立て時に、前板部46と底壁構成部位41との前側交差部位40aを、拡開させた後に復元可能に変形できる物性の合成樹脂材料から形成されている。
【0045】
そして、ハウジング本体部位40は、折り完了体70の中央部位70aにおける前後縮小折りの折り畳み部位65を収納可能に、底壁構成部位41の天井構成部位30からの離隔距離SLを、前後縮小折りの折り畳み部位65の厚さ寸法T0に対応させて、設定している。さらに、この離隔距離SLは、インフレーター20の本体部21の上部21a側がハウジング本体部位40内に下方から挿入されても、円滑に、ハウジング本体部位40内に折り畳み部位65を収納させておくことができるように、設定され、その離隔距離SLに対応して、側壁構成部位45の高さ寸法H1が設定されている。
【0046】
また、ハウジング本体部位40は、膨張時のエアバッグ10の圧力に対抗できる強度を有するように、側壁構成部位45を介在させて、底壁構成部位41を天井構成部位30に連結させている。実施形態の場合、側壁構成部位45の前板部46と後板部49とは、下縁側が、底壁構成部位41と一体成形されて底壁構成部位41と連結され、上端の結合鍔部47,50が、天井構成部位30の周縁部位32における前後の結合部位32a,32bに対し、溶着を利用して連結されている。そして、底壁構成部位41や前板部46や後板部49自体は、膨張時のエアバッグ10の圧力に対抗できる剛性(強度)を確保できるように、所定の肉厚寸法tとして構成されている。
【0047】
ちなみに、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、インパネ5からなる構成部位を除いた部位を、すなわち、天井構成部位30における上壁部6からなるアウタパネル部33を除いた部位を、エアバッグ装置本体9とすれば、エアバッグ装置本体9は、
図5,6に示すように、ハウジング用成形品55のドア支持部36及びハウジング本体部位40、エアバッグ10、リテーナ16、及び、インフレーター20、から構成されることとなる。
【0048】
つぎに、エアバッグ装置M1を組み立てて搭載部位8へ搭載する工程を説明する。組立工程では、まず、エアバッグ10を折り畳む。
【0049】
エアバッグ10の折り畳みは、まず、
図8のAに示すように、エアバッグ10の膨張時に乗員側パネル部12が広く展開して後方に移動できるように、乗員側パネル部12を、流入用開口13aを下方に配置させて展開した車体側パネル部13の上に載せて、平らに展開させた折り準備体60を形成する。この折り準備体60は、流入用開口13aを中心とした左右対称形とし、乗員側パネル部12や車体側パネル部13に、適宜、流入用開口13a側に接近させる折目を設けて、平らに展開させている。
【0050】
ついで、エアバッグ10は、ハウジング構成部材25に収納可能に、折り準備体60の外周縁を流入用開口13aに接近させるように、外形寸法を縮小する縮小折りにより折り畳む。第1実施形態では、エアバッグ10は、前後方向の寸法を縮小させる前後縮小折りだけで、折り畳んでいる。
【0051】
実施形態の前後縮小折りは、
図8のB、
図9のAに示すように、折り準備体60における流入用開口13aより後部側の後縁側部位60bを、車体側パネル部13の側で巻くロール折りして、ロール折りした折り部位61を流入用開口13aの上方に載せる。ついで、
図9のB,Cに示すように、流入用開口13aより前部側の前縁側部位60aを、蛇腹折りするようにし、その折り部位62をロール折り部位61の上に、折り重ねて、折り畳みを完了させて、折り完了体70を形成する。
【0052】
実施形態の折り完了体70は、前後縮小折りだけで形成されて、中央部位70aが、最も厚い厚さ寸法T0とした折り畳み部位65から構成され、左右両端部70b,70c側では、流入用開口13aから離れるにしたがって、中央部位70aより厚さ寸法を小さくしている。
【0053】
なお、エアバッグ10の折り畳み時には、取付孔14aからボルト18を突出させるようにして、予め、リテーナ16をエアバッグ10内に挿入させておく。
【0054】
そして、折り完了体70を形成した後は、折りの解消を防止し、かつ、折り完了体70の折目内等に異物が混入しないように、
図10に示すように、可撓性を有した不織布等のシート材から形成されるカバー材80により、折り完了体70を覆う。カバー材80は、折り完了体70の前後方向の外周を覆う長方形状の帯状部81と、帯状部81から左右両側に延びる横カバー部86,86と、を備えて構成される。
【0055】
帯状部81は、折り完了体70の底面側となる流入用開口13a側に配置される底カバー部82と、折り完了体70の天井側に配置される天井カバー部84と、折り完了体70の前後の側面側に配置される側壁カバー部83,85と、を備える。底カバー部82は、左右方向の中央に、流入用開口13aを開口させる開口部82bと、リテーナ16の各ボルト18を突出させる係止孔82aと、を備える。天井カバー部84は、エアバッグ10の膨張時に容易に破断するように、適宜、図示しないスリット等が形成されている。端縁側の側壁カバー部85と各横カバー部86の先端側には、ボルト18に引掛けて、カバー材80における折り完了体70を包むように覆ったラッピング状態を維持する係止孔85a,86aが形成されている。
【0056】
そして、カバー材80は、
図10のA〜Dに示すように、各係止孔82aにボルト18を引掛けて、帯状部81の底カバー部82、側壁カバー部83、天井カバー部84、側壁カバー部85を、折り完了体70の前後方向の外周に巻き付けて、側壁カバー部85の各係止孔85aに、後側のボルト18,18を引掛ける。と同時に、横カバー部86,86を折り完了体70の下面側に折って、各係止孔86aにボルト18を引掛ければ、折り完了体70のラッピング作業を終了することができる。
【0057】
その後、カバー材80で包んだ折り完了体70をハウジング構成部材25に収納する。その際、
図11のAに示すように、予め、ハウジング用成形品55におけるドア支持部36のドア結合部37を、インパネ5のドア部31におけるアウタパネル部33に対し、超音波溶着や振動溶着等により、溶着させ、また、前板部46の結合鍔部47も、インパネ5の周縁部位32における前側の結合部位32aに対し、超音波溶着や振動溶着等により、溶着させておく。
【0058】
そして、
図11のB,Cに示すように、ハウジング本体部位40の底壁構成部位41と前板部46との前側交差部位40aの交差角度θ3を拡開させる状態として、各ボルト18を取付孔43aから下方に突出させつつ、カバー材80で包んだ折り完了体70を底壁構成部位41上に載せ、その後、前側交差部位40aの交差角度θ3を狭めて、後板部49の結合鍔部50を周縁部位32の後側の結合部位32bに当てる。そして、超音波溶着や振動溶着等により、結合鍔部50を結合部位32bに溶着させれば、ハウジング構成部材25が形成されるとともに、折り完了体70がハウジング構成部材25に収納されることとなる。
【0059】
その後、フランジ部22の各取付孔22aに、底壁構成部位41から下方に突出するボルト18を挿通させつつ、インフレーター20の本体部21の上部21aを、底壁構成部位41の開口42を経て、ハウジング構成部材25に収納された折り完了体70内に挿入させる。そしてさらに、各ボルト18を貫通孔92bから突出させて、取付ブラケット90における左右の支持杆部92の支持座92aをインフレーター20のフランジ部22に当接させ、各ボルト18にナット19を締結すれば、インパネ5の搭載部位8に搭載した状態で、取付ブラケット90を組付済みのエアバッグ装置M1を、組み立てることができる。
【0060】
その後、車両のエアバッグ作動回路から延びる図示しない作動用リード線をインフレーター20に結線するとともに、インパネ5の図示しない取付部を車両の所定の取付部位に取付固定し、さらに、取付ブラケット90の固着片部91を、インパネリインホース1から延びるブラケット2に当て、固着片部91のナット91aにボルト3を締結して、固着片部91をブラケット2に固定すれば、助手席用エアバッグ装置M1を、インパネ5とともに、車両に搭載することができる。
【0061】
車両へのエアバッグ装置M1の搭載後、インフレーター20のガス吐出口21bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ10は、膨張し、破断予定部34を破断させて、ドア部31を前方に回転させるように開かせ、ドア部31の開いた開口から、後方側へ展開膨張して、乗員を受け止め可能に膨張を完了させることとなる。
【0062】
そして、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、エアバッグ10の折り完了体70が、左右方向の寸法を縮小する左右縮小折りを抑えて、主に前後方向の寸法を縮小する前後縮小折りで折り畳まれるとともに、少なくとも左右方向の中央部位70a、すなわち、流入用開口13a付近の部位を、前後方向の寸法を縮小する前後縮小折りの折り畳み部位65だけで形成している。
【0063】
そのため、エアバッグ10の折り完了体70は、折り準備体60の外周縁を流入用開口13aに接近するように折り畳まれることにより、流入用開口13aの周縁部位が最も厚くなり易いが、その部位、すなわち、折り完了体70の左右方向の中央部位70aが、前後縮小折りの折り畳み部位65だけで形成されており、極力、厚さ寸法T0を小さくできる。
【0064】
そして、ハウジング本体部位40は、折り完了体70の中央部位70aにおける前後縮小折りの折り畳み部位65を収納可能に、底壁構成部位41の天井構成部位30からの離隔距離SLを、前後縮小折りの折り畳み部位65の厚さ寸法T0に対応させて、設定されており、折り完了体70とともに、厚さ寸法(高さ寸法)H0を小さくできる。
【0065】
勿論、ハウジング本体部位40が、厚さ寸法H0を薄くすることにより、膨張するエアバッグ10の反力を強く受けることとなるが、膨張時のエアバッグ10の圧力に対抗できる強度を有するように、側壁構成部位45を利用して、底壁構成部位41を天井構成部位30に連結させており、膨張時のエアバッグ10を的確に支持でき、その結果、エアバッグ10は、円滑にドア部31を押し開いて展開膨張することができる。
【0066】
したがって、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、ハウジング本体部位40と折り畳んだエアバッグ10との厚さ寸法H0,T0を小さくできて、上下方向の寸法を小さくできることから、インパネ5の上壁部6側の搭載部位8が上下方向のスペースSAを小さくしていても、容易に搭載することができる。
【0067】
さらに、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、エアバッグ10が、折り準備体60から左右方向の寸法を縮小させる左右縮小折りを抑えて折り畳まれている。換言すれば、エアバッグ10の展開膨張時、左右の折り畳み部位の折りの解消が殆どない。そのため、乗員がインパネ5に接近して着座していても、エアバッグ10の展開膨張時に、左右の折り畳み部位の折りの解消に伴なって乗員を叩くような挙動が抑制され、エアバッグ10は、部分的な押圧力を作用させることを抑制可能な左右に展開した状態として、乗員を受け止めることができる。
【0068】
そして、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、ハウジング本体部位40が、底壁構成部位41と天井構成部位30とを連結する側壁構成部位45を、前板部46と後板部49とから構成して、前後両側だけに配設させる構成としている。
【0069】
そのため、第1実施形態では、ハウジング本体部位40が、左右両側に、底壁構成部位41と天井構成部位30とを連結する側壁構成部位を配設せずに構成できることから、軽量化と省資源化とを図ることができる。
【0070】
さらに、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、ハウジング本体部位40が、左右両側に開口27,27を配設させ、エアバッグ10の折り完了体70が、左右の両端部70b,70cをハウジング本体部位40の開口27,27から突出させた状態で、ハウジング構成部材25に収納されている。
【0071】
そのため、第1実施形態では、ハウジング本体部位40が、左右方向の幅寸法CWLを、エアバッグ10の折り完了体70の左右方向の幅寸法AWLより短くできることから、一層、軽量化と省資源化とを図ることができる。
【0072】
また、第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M1では、エアバッグ10の折り完了体70が、前後縮小折りだけで折り畳まれている。
【0073】
そのため、第1実施形態では、エアバッグ10の展開膨張時、左右の折り畳み部位の折りの解消が無く、左右の折り畳み部位の折りの解消に伴なう乗員を叩く挙動が全く無くなることから、一層、乗員がインパネ5に接近していても、展開膨張時のエアバッグ10が、部分的に押圧すること無く、左右に広く展開した状態として、円滑に乗員を受け止めることができる。
【0074】
さらに、エアバッグ10の折り完了体70では、前後縮小折りだけで折り畳まれており、左右方向の幅寸法AWLが長くなるものの、厚さ寸法T0を左右の全域にわたって小さくすることができ、対応するハウジング本体部位40も厚さ寸法H0を小さくできて、一層、上下方向のスペースSAが小さな搭載部位8に、エアバッグ装置M1を搭載することができる。
【0075】
なお、エアバッグ10の折り完了体としては、厚さ寸法T0の増加を招かない範囲、例えば、
図12,13に示すように、左右方向の中央部位70aの厚さ寸法T0より小さい厚さ寸法の範囲内であれば、左右の両端部70b,70c側に、折り準備体60の左右方向の縁60c,60dを流入用開口13a側に接近させる左右縮小折りの折り畳み部位67,67を設けて、折り完了体70Aを形成して、ハウジング構成部材25に収納させてもよい。
【0076】
折り完了体70Aを覆うカバー材80Aは、折り完了体70Aが左右縮小折りの折り畳み部位67,67を備えている分、左右方向の幅寸法AWLが折り完了体70より短いことから、帯状部81Aや横カバー部86A,86Aは、
図10に示すカバー材80の帯状部81や横カバー部86より短く構成されている。
【0077】
また、第1実施形態では、折り完了体70の外表面の全面を覆うカバー材80を使用したが、折り崩れ防止と異物混入防止とを図れる必要最小限、例えば、ハウジング本体部位40から左右に突出する左右の端部70b,70c側付近だけを覆うように、カバー部材を配設させてもよい。
【0078】
さらに、異物混入の虞れが無ければ、左右の端部70b,70c側を部分的に前後方向に巻くベルトタイプとして、カバー材を形成してもよい。
【0079】
但し、上記のカバー材では、第1実施形態のカバー材80のように、ハウジング本体部位40の開口27,27から左右の端部70b,70c側を突出させる際、端部70b,70c側が下方に垂れないように、折り完了体70を覆えるように構成することが望ましい。
【0080】
また、第1実施形態では、折り完了体70の左右の両端部70b,70cをハウジング本体部位40の開口27,27から突出させた場合を示したが、
図14〜17に示す第2実施形態の助手席用エアバッグ装置M2のように構成してもよい。
【0081】
このエアバッグ装置M2は、ハウジング本体部位40Bが、左右に開口27,27を備えるものの、第1実施形態のハウジング本体部位40より、左右方向の幅寸法CWLを長くし、その幅寸法CWLをエアバッグ10の折り完了体70の左右方向の幅寸法AWLと同等としている。すなわち、第2実施形態では、ハウジング本体部位40Bの底壁構成部位41Bや側壁構成部位45Bの前板部46,49Bが、第1実施形態の底壁構成部位41や側壁構成部位45の前板部46,49より、左右方向の寸法を長くしている。
【0082】
さらに、第2実施形態では、インナパネル部35Bも、第1実施形態のインナパネル部35より左右方向の寸法を長くしている。
【0083】
すなわち、第2実施形態では、ドア支持部36Bとハウジング本体部位40Bとを構成するハウジング用成形品55Bが、第1実施形態のハウジング用成形品55より、左右方向の幅寸法CWLを長くしている点が、第1実施形態と相違しているだけで、形成材料、前後方向の幅寸法CLLや厚さ寸法H0、肉厚寸法tは、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態では、他の構成部品であるエアバッグ10、リテーナ16、インフレーター20も、第1実施形態と同様な構成としており、さらにまた、第1実施形態と同様な組み立て工程として、ハウジング構成部材25Bを組み立てるとともに、エアバッグ10をハウジング構成部材25Bに収納して、エアバッグ装置M2を形成している。
【0084】
この第2実施形態では、ドア支持部36Bとハウジング本体部位40Bとが左右方向の幅寸法CWLを、第1実施形態より長くしており、軽量化と省資源化の点で、若干、第1実施形態に及ばないものの、他の作用・効果は、第1実施形態と同様となる。
【0085】
そして、第1,2実施形態では、ハウジング構成部材25,25Bの天井構成部位30,30Bが、インパネ5の上壁部6と一体的なアウタパネル部33を外表面に配設させて、アウタパネル部33の下面側に破断予定部34の凹部を設けただけで、天井構成部位30,30Bのドア部31を違和感無く上壁部6に配設させることができて、換言すれば、インビジブルタイプのドア部31として、見栄えよく、エアバッグ装置M1,M2を搭載できる。
【0086】
さらに、このようなインビジブルタイプのドア部31では、アウタパネル部33の下面側に、インナパネル部35,35Bのドア支持部36,36Bにおけるドア結合部37を溶着させて、結合させており、天井構成部位30,30B自体を薄く形成でき、ハウジング構成部材25,25Bの厚さ寸法(高さ寸法)を小さくすることに寄与できる。
【0087】
また、第1,2実施形態では、ハウジング本体部位40,40Bの側壁構成部位45,45Bの前板部46,46Bや後板部49,49Bの結合鍔部47,50を、周縁部位32の結合部位32a,32bに溶着させており、部品点数を抑えて、ハウジング構成部材25,25Bを構成することができる。
【0088】
なお、これらのアウタパネル部33とインナパネル部35,35Bのドア結合部37,側壁構成部位45,45Bの結合鍔部47,50と天井構成部位30の周縁部位32の結合部位32a,32b、の相互の結合に関し、溶着でなく、接着を利用して結合させても、部品点数を抑制することができて、簡便に、ハウジング構成部材25,25Aを含めて、エアバッグ装置M1,M2を製造することができる。
【0089】
ちなみに、側壁構成部位と天井構成部位の結合では、ボルト・ナット等の結合部品を利用して、機械的に結合させてもよい。
【0090】
例えば、
図18に示す第3実施形態の助手席用エアバッグ装置M3のように、ハウジング構成部材25Cのハウジング本体部位40Cが、側壁構成部位45の前板部46の結合鍔部47を周縁部位32Cの結合部位32aに対して溶着により結合させ、後板部49の結合鍔部50Cを、ボルト51,ナット52を利用して、天井構成部位30Cにおける周縁部位32Cの後側の結合部位32bに、結合させてもよい。
【0091】
周縁部位32Cの後側の結合部位32bには、ボルト51が下方に延びるように左右方向に沿って複数並設され、結合鍔部50Cには、左右方向に並設されるように各ボルト51を挿通させる複数の取付孔50aが貫通されている。
【0092】
この第3実施形態の助手席用エアバッグ装置M3では、
図18に示すように、カバー材80により包まれたエアバッグ10の折り完了体70をハウジング構成部材25C内に収納しつつ、結合鍔部50Cを周縁部位32Cの結合部位32bに結合させて、ハウジング構成部材25Cを組み立てる際、単に、各ボルト51を取付孔50aに挿通させ、ナット52を各ボルト51に締結するだけで、ハウジング構成部材25Cを組み立てることができて、結合鍔部50を結合部位32bに溶着する場合に比べて、簡便に、組立作業を行うことができる。
【0093】
また、
図14〜17に示した第2実施形態のエアバッグ装置M2では、左右に開口27,27を備えたハウジング本体部位40Bを例示したが、
図19,20に示す第4実施形態の助手席用エアバッグ装置M4のハウジング構成部位25Dのように、左右の開口27,27を部分的に覆う側板部53,53を、底壁構成部位41Dや天井構成部位30Dから突設させても良い。
【0094】
第4実施形態の助手席用エアバッグ装置M4では、ハウジング構成部位25Dの左右の側板部53,53により、ハウジング構成部位25D内への異物混入を防止できることとなる。
【0095】
さらに、各実施形態では、天井構成部位30,30B,30C,30Dとして、インパネ5の上壁部6と一体的なアウタパネル部33を使用する場合を示したが、
図21,22に示す第5実施形態の助手席用エアバッグ装置M5のように、ハウジング構成部材25Eの天井構成部位30Eを、インパネ5と別体としても良い。
【0096】
このエアバッグ装置M5では、ハウジング構成部材25Eが、折り畳まれたエアバッグ10とインフレーター20とを収納する箱形状のハウジング本体部位40Eと、膨張するエアバッグ10に押されて開く天井構成部位30Eと、を備えて構成される。ハウジング本体部位40Eは、エアバッグ10とインフレーター20とを結合させる底壁構成部位41Eと、底壁構成部位41Eを天井構成部位30Eに結合させる側壁構成部位45Eと、を備えて構成される。そして、第5実施形態では、ハウジング構成部材25Eが、エアバッグカバー93とケース96との2部品から形成されている。
【0097】
エアバッグカバー93は、ポリオレフィン等の合成樹脂製として、長方形板状の天井板部94と、天井板部94の前後の縁付近から下方に延びる連結片部95,95と、を備えて構成される。天井板部94は、インパネ5の上壁部6の搭載部位8に設けられた開口6bを塞ぐように、開口6bの周縁に係止され、中央に、膨張するエアバッグ10に押されて前開きで開くドア部31Eを配設させている。ドア部31Eは、周囲に、上方から見て略U字状とした薄肉の破断予定部34Eを設けて構成されている。そして、ドア部31Eのヒンジ部31aは、ドア部31Eの前縁側における破断予定部34Eの配設されていない部位としている。
【0098】
連結片部95,95は、天井板部94におけるドア部31Eの周縁の周縁部位32Eの前後の縁付近から下方に延び、ケース96の後述する係止フック99を挿入させる係止孔95aが左右方向に沿って複数並設されている。
【0099】
ケース96は、合成樹脂製若しくは板金製(図例では合成樹脂製)の略直方体形状として、エアバッグ10とインフレーター20とを結合させる底壁構成部位41Eとしての底壁部97と、底壁部97の前後左右から上方に延びる筒状の側壁部98と、を備えて構成される。そして、側壁部98の前後の側板部98aには、連結片部95を係止するように、係止孔95aに挿入される複数の係止フック99が形成されている。
【0100】
そして、この第5実施形態では、底壁構成部位41Eを天井構成部位30Eに連結する側壁構成部位45Eが、エアバッグカバー93の前後の連結片部95,95とケース96の前後の側板部98a,98aとから構成されている。
【0101】
換言すれば、第5実施形態のハウジング構成部材25Eは、エアバッグカバー93の天井板部94から構成される天井構成部位30Eと、ハウジング本体部位40Eとから構成され、ハウジング本体部位40Eが、ケース96の底壁部97から構成される底壁構成部位41Eと、底壁構成部位41Eと天井構成部位30Eとを連結する側壁構成部位45Eと、から構成され、側壁構成部位45Eが、エアバッグカバー93の前後の連結片部95,95とケース96の前後の側板部98a,98aとから構成されている。
【0102】
そして、このエアバッグ装置M5でも、ハウジング本体部位40Eが、折り完了体70の中央部位70aにおける前後縮小折りの折り畳み部位65を収納可能に、底壁構成部位41Eの天井構成部位30Eからの離隔距離SLを、前後縮小折りの折り畳み部位65の厚さ寸法T0に対応させて、設定し、かつ、膨張時のエアバッグ10の圧力に対抗できる強度を有するように、側壁構成部位45Eを介在させて、係止フック99の連結片部95の係止によって、底壁構成部位41Eを天井構成部位30Eに連結させている。
【0103】
そのため、この第5実施形態でも、第1実施形態と同様に、ハウジング本体部位40Eと折り畳んだエアバッグ10との厚さ寸法H0,T0を小さくできて、上下方向の寸法を小さくできることから、インパネ5の上面側の搭載部位8が上下方向のスペースを小さくしていても、容易に搭載することができる。
【0104】
また、第5実施形態では、ハウジング本体部位40Eの側壁構成部位45Eとして、前後には、エアバッグカバー93の連結片部95を設けているものの、左右には連結片部95を設けず、さらに、ケース96の側壁部98の左右の側板部98bを前後の側板部98aより高さを低くし、ハウジング構成部材25E(ハウジング本体部位40E)の左右に開口27を配設させており、エアバッグ装置M5の軽量化と省資源化を図ることができる。
【0105】
なお、第5実施形態においても、第2実施形態のように、エアバッグカバー93の連結片部95とケース96から構成されるハウジング本体部位40Eとして、エアバッグ10の折り完了体70の左右の全長を収納できる構成としたが、第1実施形態のように、左右の両端部70b,70cを突出させるように、左右方向の幅寸法CWLを小さくしても良い。勿論、その場合も、ケース96は、樹脂製としても良いし、板金等の金属製としてもよい。