特許第5979230号(P5979230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979230
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】含フッ素アミノ酸のプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   C07C 229/50 20060101AFI20160817BHJP
   C07C 237/12 20060101ALI20160817BHJP
   C07C 237/22 20060101ALI20160817BHJP
   C07C 323/60 20060101ALI20160817BHJP
   C07C 271/24 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/265 20060101ALI20160817BHJP
   C07D 317/40 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160817BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20160817BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   C07C229/50CSP
   C07C237/12
   C07C237/22
   C07C323/60
   C07C271/24
   A61K37/02
   A61K31/265
   C07D317/40
   A61P25/00
   A61P31/22
   A61P25/24
   A61P25/08
   A61P25/20
   A61P25/30
   A61P25/28
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61P21/02
   A61P9/00
   A61K31/357
   A61P43/00 123
【請求項の数】18
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2014-518753(P2014-518753)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(86)【国際出願番号】JP2013065202
(87)【国際公開番号】WO2013180271
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-126162(P2012-126162)
(32)【優先日】2012年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-52574(P2013-52574)
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】端早田 隆
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 憲一
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 直樹
(72)【発明者】
【氏名】坂上 一成
【審査官】 井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−089367(JP,A)
【文献】 特開平11−279129(JP,A)
【文献】 特開2015−127324(JP,A)
【文献】 特開2015−127325(JP,A)
【文献】 Concepcion Pedregal,Stereoselective synthesis of 2-amino-3-fluoro bicyclo[3.1.0]hexane-2,6-dicarboxylic acid,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2002年,10,pp. 433-436
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式(I)中、
2は、水素原子を示し、
3が、水素原子であるとき、
1は、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7、下記式(IIa)又は式(IIb)を示し、
【化2】
1が、水素原子であるとき、
3式‐(AA)n‐Hを示し、式中、AAは、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、及びバリンから選ばれる天然型アミノ酸又は非天然型アミノ酸の−COOHから−OHを除去した基であり、ここで、該非天然型アミノ酸とは、上述の天然型アミノ酸の立体がD体の異性体を示す、nは、1又は2の整数を示し、nが2の場合はアミノ酸間がペプチド結合により結合している、
4及びR4’は、同一又は異なって、水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
5は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
6及びR6’は同一又は異なって水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
7はC1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)又はアリール基(該アリール基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
8はC1-6アルキル基又はフェニル基を示す。
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項2】
式(I)中、
3が水素原子である請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項3】
式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5(式中、R4、R4’及びR5は、請求項1で定義した通りである)、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7(式中、R、R’及びRは、請求項1で定義した通りである)、下記式(IIa)又は式(IIb)、
【化3】
(式中、Rは、請求項1で定義した通りである)
である請求項2に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項4】
式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5(式中、R4、R4’及びR5は、請求項1で定義した通りである)、または式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7(式中、R、R’及びRは、請求項1で定義した通りである)である請求項3に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項5】
式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5または式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7であって、R5がアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のメチル基で置換されてもよい)であり、R7が1〜3個のC1-6アルキル基で置換されたC3-8シクロアルキル基又はアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)であり、R4、R4’、 R、及びR’は請求項1で定義した通りである、請求項4に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項6】
式(I)中、
1が、水素原子であり、
3が、式‐(AA)n‐H(AA及びnは請求項1で定義した通りである)である請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項7】
式(I)中、
3が、式‐(AA)n‐Hであり、
AAが、天然型アミノ酸の−COOHから−OHを除去した基(天然型アミノ酸は、請求項1で定義した通りである)であり、
nが、1である請求項6に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
【請求項8】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(1−((3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((オクタノイルオキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(((ベンゾイルオキシ)メトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロオクチルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−((((4,4−ジメチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((1−(((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸6−(3−フタリジル)エステル、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(2−アミノアセトアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2,6−ジアミノヘキサンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((R)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項9】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項10】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項11】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項12】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項13】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項14】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((R)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項15】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を含有する医薬。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を含有する、精神神経疾患、並びに、神経学的疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を含有する、統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、睡眠障害、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害及び頭部障害からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝型グルタミン酸受容体作動薬である(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(以下、親化合物又は化合物(IV)と記すこともある)のプロドラッグに関する。更に詳しくは、例えば統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、睡眠障害等の精神神経疾患、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患など、グループ2代謝型グルタミン酸受容体が関与しているとされる疾患の治療剤及び予防剤として有用性が期待される代謝型グルタミン酸受容体作動薬である(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸のプロドラッグに関する。
【0002】
また、本発明は、代謝型グルタミン酸受容体に作用する化合物である親化合物のプロドラッグ化により、経口吸収性等の粘膜吸収性が高められ、親化合物の生体内暴露量が増大したプロドラッグに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、グルタミン酸受容体遺伝子のクローニングが相次ぎ、グルタミン酸受容体には多くのサブタイプが存在することが明らかとなった。現在、グルタミン酸受容体は「受容体がイオンチャンネル型構造を持つイオンチャンネル型」及び「受容体がG−タンパク質と共役している代謝型」の2つに大きく分類されている。更に、イオンチャンネル型グルタミン酸受容体はNMDA、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾール−4−プロピオネート(AMPA)及びカイネートの3種類に分類され(非特許文献1)、代謝型グルタミン酸受容体はmGluR1〜mGluR8の8種類に分類されている(非特許文献2、3)。グループ2代謝型グルタミン酸受容体は、グルタミン酸神経系のプレシナプスに存在し、自己受容体として機能するため、グルタミン酸の過剰遊離を抑制している(非特許文献4、5)。グルタミン酸神経系は種々の精神神経機能に関与することから、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に作用する化合物は急性及び慢性の精神神経的疾患及び神経学的疾患の治療又は予防に有効なはずである。
【0004】
グループ2代謝型グルタミン酸受容体のアゴニストとして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸が開示されている(特許文献1)。そのアゴニスト活性のED50値は、それぞれ29.4nM(mGluR2)及び45.4nM(mGluR3)であり、統合失調症モデルであるラットのフェンサイクリジン運動過多を抑制する効果も認められ、そのED50値は5.1mg/kgであることが報告されている。更に、統合失調症モデルである、フェンサイクリジン誘発首振り行動および条件回避反応を抑制する効果も認められている(非特許文献6、非特許文献7)。
【0005】
しかしながら、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸は、サルでの経口吸収性が悪い。そのことから、ヒトについても、経口吸収性が悪い可能性がある。
【0006】
化合物の経口吸収性等の粘膜吸収性を改善するためには、大きく分けて2つのアプローチがある。1つは、化合物の化学構造そのものを変える方法、もう1つは化学構造を変えずに、製剤的に工夫する方法である。前者の中に化合物の水酸基やアミノ基などの反応性置換基にアルキル基やアシル基などの小さな修飾基を結合させるプロドラッグ化がある。
【0007】
上記プロドラッグとしては、吸収前はプロドラッグ体として安定に存在し、プロドラッグ化により吸収が改善され、吸収時及び/又は吸収後には小腸、肝臓、及び/又は血漿で、化学的または酵素的に速やかに親化合物に変換される化合物が望まれる。
【0008】
しかしながら、上記の全ての条件を満たす理想的なプロドラッグの開発は難しい。例えば、エステル結合をもつプロドラッグ誘導体は、加水分解反応を受けやすくなることもあるため、吸収前の化学的安定性に大きく影響を及ぼす可能性がある。アミド結合をもつプロドラッグ誘導体は、化合物の物性が大きく変わることにより、経口吸収性等の粘膜吸収性に大きく影響を及ぼす可能性がある。また、アミド結合は加水分解されにくいため、化合物の生体内での親化合物への変換及び血漿中濃度に大きく影響を及ぼす可能性がある。さらに、プロドラッグから親化合物への生体内変換を制御する酵素は、基質特異性があり、特に、プロドラッグ化するために挿入した置換基の立体障害により酵素が反応できない等、プロドラッグの体内動態の予測が難しい。これらの理由のため、プロドラッグ化された化合物の経口吸収性等の粘膜吸収性と親化合物への変換を見積もって、親化合物の血漿中濃度を高めることは決して容易なことではない。
【0009】
実際、特許文献1では、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸のプロドラッグについて一般的な記載はあるものの具体的な開示は全くなく、この文献の出願があった1999年以降今までプロドラッグ化の成功例がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−279129号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Science,258,59,7−603,1992.
【非特許文献2】J.Neurosci.,13,1372−1378,1993.
【非特許文献3】Neuropharmacol.,34,1−26,1995.
【非特許文献4】Neuropharmacol.,40,20−27,2001.
【非特許文献5】Eur.J.Pharmacol.,356,149−157,1998.
【非特許文献6】J.Med.Chem.,43,4893−4909,2000.
【非特許文献7】Life Science,73,1721−1728,2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、例えば統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、睡眠障害等の精神神経疾患の治療及び予防、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患など、グループ2代謝型グルタミン酸受容体が関与しているとされる疾患の治療剤又は予防剤として、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に作用する親化合物の経口吸収性等の粘膜吸収性を高め、生体内暴露量を増大させるプロドラッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に作用する(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸を親化合物としたプロドラッグについて鋭意検討した結果、ある種の誘導体がプロドラッグとして、経口吸収性等の粘膜吸収性を高め、親化合物の生体内暴露量を高めることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の態様(以下、「本発明化合物」という)には以下のものがあげられる。
(1)式(I)
【0015】
【化1】

【0016】
[式(I)中、
1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7、下記式(IIa)又は式(IIb)を示し、
【0017】
【化2】

【0018】
3は、水素原子、式‐(AA)n‐H、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐R10、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐O‐R11、又は下記式(III)を示し、
【0019】
【化3】

【0020】
4及びR4’は、同一又は異なって、水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
5は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
6及びR6’は、同一又は異なって水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
7は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)又はアリール基(該アリール基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
8は、C1-6アルキル基又はフェニル基を示し、
9及びR9’は、同一又は異なって、水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
10は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
11は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)又はアリール基(該アリール基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)を示し、
12は、C1-6アルキル基又はフェニル基を示し、
AAは、アミノアシル基を示し、
nは、1〜3の整数を示す。
ただし、R1、R2及びR3が全て水素原子である化合物を除く。]
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
(2)式(I)中、
3が、水素原子である(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(3)式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5(式中、R4、R4’及びR5は、(1)で定義した通りである)、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7(式中、R、R’及びRは、(1)で定義した通りである)、下記式(IIa)又は式(IIb)、
【0021】
【化4】

【0022】
は、(1)で定義した通りである)
である(2)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(4)式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5(式中、R4、R4’及びR5は、(1)で定義した通りである)、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7(式中、R、R’及びRは、(1)で定義した通りである)、である(3)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(5)式(I)中、
1が、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5または式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7であって、R5がアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のメチル基で置換されてもよい)であり、R7が1〜3個のC1-6アルキル基で置換されたC3-8シクロアルキル基又はアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)であり、R4、R4’、 R、及びR’は(1)で定義した通りである、(4)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(6)式(I)中、
2が、水素原子である(2)〜(5)いずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(7)式(I)中、
1及びR2が、共に水素原子であり、
3が、式‐(AA)n‐Hであり、
AAが、アミノアシル基であり、
nが、1又は2である(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(8)式(I)中、
3が、式‐(AA)n‐Hであり、
AAが、天然型アミノ酸由来のアミノアシル基であり、
nが、1である(7)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を含有する医薬。
(10)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を含有する、統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、睡眠障害等の精神神経疾患、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療用医薬。
【発明の効果】
【0023】
本発明の含フッ素アミノ酸のプロドラッグは、経口吸収性等の粘膜吸収性が向上し、吸収後速やかに親化合物である(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸に変換され、親化合物が代謝型グルタミン酸受容体に対して親和性を示すと共にアゴニストとして作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
本明細書において用いる用語は、以下の意味である。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「C1-6アルキル基」とは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル基等を挙げることができる。
「C1-10アルキル基」とは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10個のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル基等を挙げることができる。
「C3-8シクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基である。
「アリール基」とは、単環から2環式の芳香族炭化水素環であり、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル基等を挙げることができる。
「アミノアシル基」とは、天然型又は非天然型アミノ酸に由来するアミノアシル基を示す。「天然型アミノ酸」とは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンを挙げることができ、グリシン以外はすべてL体の立体を有する。「非天然型アミノ酸」とは、上記「天然型アミノ酸」の立体がD体の異性体が挙げられ、さらに、例えば、β−アラニン、アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、ヒドロキシプロリン、サルコシン、フェニルグリシン等が挙げられる。
【0025】
本明細書中における「医薬上許容される塩」とは、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、又は硝酸等の無機酸との塩、或いは、酢酸、安息香酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、マンデル酸、グルコン酸、ガラクタル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、グルタミン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。遊離体から当該塩への変換は従来の方法で行うことができる。
【0026】
本発明化合物において、好ましい態様を以下にあげる。
3が水素原子のとき、R1は、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7又は式(IIa)である化合物が好ましい、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7又は式(IIa)である化合物がより好ましい。R3が水素原子のとき、R2は、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7又は式(IIa)である化合物が好ましい。
2及びR3が共に水素原子のとき、R1は、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7、式(IIa)又は式(IIb)である化合物が好ましく、式‐(CR44’)‐O‐CO‐R5又は式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7である化合物がより好ましい。
1及びR3が共に水素原子のとき、R2は、式‐(CR66’)‐O‐CO‐O‐R7又は式(IIa)である化合物が好ましい。
4は、水素原子の化合物が好ましい。
4’は、水素原子又はC1-6アルキル基の化合物が好ましく、水素原子又はメチル基の化合物がより好ましい。
5は、C1-10アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されてもよい)である化合物が好ましく、C1-10アルキル基、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基である化合物がより好ましく、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のメチル基で置換されてもよい)である化合物がさらに好ましい。
6は、水素原子の化合物が好ましい。
6’は、水素原子又はC1-6アルキル基の化合物が好ましく、水素原子又はメチル基の化合物がより好ましい。
7は、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)又はアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)である化合物が好ましく、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されたC3-8シクロアルキル基又はアダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)である化合物がより好ましい。
8は、C1-6アルキル基である化合物が好ましい。
1及びR2が共に水素原子のとき、R3は、式‐(AA)n‐Hである化合物が好ましい。
AAは、天然型アミノ酸由来のアミノアシル基である化合物が好ましい。
nは、1又は2である化合物が好ましく、1である化合物がより好ましい。
【0027】
本発明化合物中の好ましい化合物の例としては、下記の化合物若しくはその医薬上許容される塩があげられる:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(1−((3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((オクタノイルオキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(((ベンゾイルオキシ)メトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロオクチルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−((((4,4−ジメチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((1−(((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−(3−フタリジル) エステル、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(2−アミノアセトアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2,6−ジアミノヘキサンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((R)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸、
が挙げられる。
なお、本発明化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の範囲内に含まれる。同様に、本発明化合物の水和物又は溶媒和物の医薬上許容される塩も本発明の範囲内に含まれる。
【0028】
本発明化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
【0029】
本発明化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、受容体のリガンド等として生物学的分析等に有用である。
本発明化合物は1種又は2種以上の医薬的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤と組み合わされて医薬的製剤とされうる。前記担体、賦形剤及び希釈剤としては、例えば、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、でんぷん、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの各種油が挙げられる。
【0030】
本発明化合物は、これらの担体、賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤などの添加剤が混合された上で、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤などの経口又は非経口用医薬、特にグループ2代謝型グルタミン酸受容体作用薬のプロドラッグとして調製される。
【0031】
本発明化合物は成人患者に対して0.01〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能であるが、使用の容易性及び薬効の点からみて経口投与することが好ましい。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することが可能である。
本発明化合物(I)は、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に影響を及ぼさない。しかし、生体内で酵素的に又は化学的に加水分解を受け、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に対して強い作用を有する化合物である化合物(IV)へとそれぞれ変換される。従って、本発明化合物は、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬物としての機能を発揮する。
【0032】
【化5】


【0033】
すなわち、本発明化合物は、統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、睡眠障害等の精神神経疾患、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患など、グループ2代謝型グルタミン酸受容体が関与しているとされる疾患の治療剤又は予防剤として、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に作用する親化合物(IV)の経口吸収性等の粘膜吸収性を高め、生体内暴露量を増大させるプロドラッグとして作用する。
【0034】
本発明の化合物(I)の代表的な製造法を、下記スキーム1〜7に示す。下記の方法は、本発明化合物の製造法の例示であり、これに限定されるものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成しても良い。
【0035】
式(I−1)で表わされる本発明化合物は、スキーム1に示す合成法で製造することができる。
スキーム1
【0036】
【化6】

【0037】
(式中、R1は前記と同義である。)
工程1:化合物(IV)のアミノ基を、一般的なアリルオキシカルボニル基での保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、化合物(1)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、あるいは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩類存在下または非存在下にて、クロロギ酸アリルと反応させることにより、化合物(1)に導くことができる。
工程2:化合物(1)は、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、パラホルムアルデヒドのようなアルデヒド存在下、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの酸触媒を用いて、Dean−Stark水分分離器等の脱水装置の使用下、または不使用下、反応を行い、化合物(2)へと導くことができる。
工程3:化合物(2)は、式L−R1(式中Lは脱離基を示し、例えばハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を示す)と、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t-ブトキシド等の塩基の存在下、よう化ナトリウムなどの適した活性化剤の存在下又は非存在下反応させることにより化合物(3)に導くことができる。好ましくは、化合物(2)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム及びヨウ化ナトリウム存在下、式Cl−R1、又は式Br−R1と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(3)に導くことができる。また、化合物(2)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸セシウム存在下、式Cl−R1、又は式Br−R1と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(3)に導くこともできる。
工程4:化合物(3)のアミノ基を、一般的な脱保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、本発明の化合物[I−1]に導くことができる。例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の0価のパラジウム触媒と1,3−ジメチルバルビツール酸等の金属触媒の再生試薬の存在下、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、αアミノ酸部の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−1)に導くことができる。好ましくは、化合物(3)は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応することにより、本発明の化合物(I−1)に導くことができる。
【0038】
式(I−2)で表わされる本発明化合物は、スキーム2に示す合成法で製造することができる。
スキーム2
【0039】
【化7】

【0040】
(式中、R2は前記と同義である。)
工程5:化合物(1)のカルボキシ基を、一般的なエステル化反応にて、アリルアルコールと時間及び/または反応温度を制御し反応させることによって、化合物(4)に導くことができる{コンプリヘンシブ オーガニック トランスフォーメーションズ セカンド エディション (Comprehensive Organic Transformations Second Edition) 1999年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}。ここでエステル化反応とは、例えば、不活性溶媒中、塩基存在下又は非存在下、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸(HBTU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)等の縮合剤を用いた縮合反応、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル又はトリメチルアセチルクロリド等を用いた混合酸無水物経由の縮合反応、塩化チオニル、塩化オキサリル、1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミン等を用いた酸ハロゲン化物経由の縮合反応等である。縮合剤を用いたエステル化反応の際、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)等の添加剤を使用することができる。好ましくは、化合物(1)を、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)存在下、クロロホルム中、1〜1.5当量のアリルアルコールと室温にて1〜4日間反応することにより化合物(4)に導くことができる。
工程6:化合物(4)は、工程3と同様の手法にて化合物(5)に導くことができる。好ましくは、化合物(4)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム及びヨウ化ナトリウム存在下、式Cl−R2、又は式Br−R2と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(3)に導くことができる。また、化合物(4)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸セシウム存在下、式Cl−R2、又は式Br−R2と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(5)に導くこともできる。
工程7:化合物(5)は、工程4と同様の手法にてアミノ基及び6位のカルボキシ基の保護基の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−2)に導くことができる。好ましくは、化合物(5)は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応することにより、本発明の化合物(I−2)に導くことができる。
【0041】
式(I−3)で表わされる本発明化合物は、スキーム3に示す合成法で製造することができる。
スキーム3
【0042】
【化8】

【0043】
(式中、R1=R2であり、R1及びR2は、前記と同義である。)
工程8:化合物(1)は、工程3と同様の手法にて化合物(6)に導くことができる。好ましくは、化合物(1)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム及びヨウ化ナトリウム存在下、式Cl−R1、又は式Br−R1と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(6)に導くことができる。また、化合物(1)を、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸セシウム存在下、式Cl−R1、又は式Br−R1と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(6)に導くこともできる。
工程9:化合物(6)は、工程4と同様の手法にてアミノ基の保護基の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−3)に導くことができる。好ましくは、化合物(6)は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応することにより、本発明の化合物(I−3)に導くことができる。
【0044】
式(I−4)で表わされる本発明化合物は、スキーム4に示す合成法で製造することができる。
スキーム4
【0045】
【化9】

【0046】
(式中、AA及びnは前記と同義であり、Pはアミノ基の保護基を示す。)
工程10:化合物(IV)のカルボキシ基を、一般的なエステル化反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、化合物(7)へ導くことができる。好ましくは、化合物(IV)は、5〜10%の塩化水素を含むメタノール溶液中、室温〜80℃にて2時間〜3日間反応することにより化合物(7)に導くことができる。
工程11:化合物(7)のアミノ基を、一般的なアミド化反応にて、化合物(8)へ導くことができる。例えば、不活性溶媒中、塩基存在下又は非存在下、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸(HATU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸(HBTU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)等の縮合剤を用いた縮合反応、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル又はトリメチルアセチルクロリド等を用いた混合酸無水物経由の縮合反応、塩化チオニル、塩化オキサリル、1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミン等を用いた酸ハロゲン化物経由の縮合反応等である。ここで、縮合剤を用いたアミド化反応の際、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)等の添加剤を使用することができる。好ましくは、化合物(7)は、クロロホルム中、N−メチルモルホリン、クロロギ酸イソブチル、及び化合物HO-(AA)-P存在下、−40〜60℃にて、20分間〜1日間反応することにより化合物(8)に導くことができる。
工程12:化合物(8)のメチルエステルを一般的な加水分解反応(T. W. Greene, P. G. M. Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”参照)にてカルボン酸へと変換し、化合物(9)導くことができる。好ましくは、化合物(8)は、テトラヒドロフラン及び0.1〜10mol/L水酸化ナトリウム水溶液中、−10〜40℃にて、2時間〜2日間反応することにより化合物(9)に導くことができる。
工程13:化合物(9)のアミノ基の保護基を、一般的な脱保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて除去して、本発明化合物である化合物(I−4)へ導くことができる。
【0047】
式(I−5)で表わされる本発明化合物は、スキーム5に示す合成法で製造することができる。
スキーム5
【0048】
【化10】

【0049】
(式中、R3は、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐R10、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐O‐R11、又は式(III)の構造を示す。R9、R9’、R10、R11及び式(III)は前記と同義である。)
工程14:化合物(IV)は、工程1と同様な手法にて化合物(10)に導くことができる。好ましくは、化合物(IV)を、1,4−ジオキサン中、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液存在下、1〜5当量のジ−tert−ブトキシカルボニル(Boc2O)と室温にて6時間〜5日間反応させることにより、化合物(10)に導くことができる。
工程15:化合物(10)のカルボキシ基を、工程5と同様の手法にて化合物(11)に導くことができる。好ましくは、化合物(10)を、炭酸カリウム、アリルブロミド存在下、N,N−ジメチルホルムアミド中、2〜5当量のアリルブロミドと0〜80℃にて、2時間〜2日間反応することにより化合物(11)に導くことができる。
工程16:化合物(11)は、アミノ基の脱保護反応、続く工程14と同様なアシル基での保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、化合物(12)に導くことができる。好ましくは、化合物(11)は、1〜4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液中、−20〜40℃にて、30分間〜1日間反応させ、tert−ブトキシカルボニル基を除去した後、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸セシウム存在下、炭酸ガス、及び化合物L−R3と、−20〜60℃にて、1時間〜1日間反応させることにより化合物(12)に導くことができる。または、化合物(11)は、1〜4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液中、−20〜40℃にて、30分間〜1日間反応させ、tert−ブトキシカルボニル基を除去した後、クロロホルム中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリホスゲン存在下、化合物HO−(IIa)と、−10〜40℃にて、1時間〜1日間反応させることにより化合物(12)に導くこともできる。
工程17:化合物(12)は、工程4と同様の手法にて2位及び6位のカルボキシ基の保護基の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−5)に導くことができる。好ましくは、化合物(6)は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応することにより、本発明の化合物(I−5)に導くことができる。
式(I−6)で表わされる本発明化合物は、スキーム6に示す合成法で製造することができる。
スキーム6
【0050】
【化11】

【0051】
(式中、R1は、前記と同義であり、R3は、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐R10、式‐CO‐O‐(CR99’)‐O‐CO‐O‐R11、又は式(III)の構造を示す。R9、R9’、R10、R11及び式(III)は前記と同義である。)
工程18:化合物(I−1)は、工程14と同様な手法にて本発明化合物(I−6)に導くことができる。好ましくは、化合物(I−1)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸セシウム存在下、炭酸ガス及び式L‐(CR99’)‐O‐CO‐R10、式L‐(CR99’)‐O‐CO‐O‐R11(各式中、Lは前記した脱離基である)と、−20〜60℃にて、1時間〜1日間反応させることにより本発明化合物(I−6)に導くことができる。または、化合物(I−1)は、クロロホルム中、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリホスゲン存在下、化合物HO−(IIa)と、−10℃〜40℃にて、1時間〜1日間反応させることにより本発明化合物(I−6)に導くこともできる。
スキーム7
【0052】
【化12】

【0053】
(式中、R1は前記と同義である。R12及びR13は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基(該アリール基又はヘテロアリール基は、ハロゲン原子及びC1-6アルキル基から選ばれる1〜3個の基で置換されても良い。)を示すか、又はR12及びR13は、隣接するホウ素原子と一緒になって、5〜8員の飽和複素環(該5〜8員の飽和複素環は、環中の異なる2個の炭素原子間をC1-6アルキレンで架橋されても良い。)である。
工程19:化合物(IV)のα-アミノ酸部を、一般的なホウ素基での保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、化合物(13)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルボラン、テトラフェニルほう酸ナトリウム、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン ダイマー、ボロントリフルオリドなどのホウ素試薬と、−20〜100℃にて、1時間〜2日間反応させることにより化合物(13)に導くことができる。好ましくは、化合物(IV)を、テトラヒドロフラン中、トリエチルボランと、0℃〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(13)に導くことができる。
工程20:化合物(13)は、式L−R1(式中Lは脱離基を示し、例えばハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を示す)と、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t-ブトキシド等の塩基の存在下、よう化ナトリウム、18−クラウン−6などの適した活性化剤の存在下又は非存在下反応させることにより化合物(14)に導くことができる。好ましくは、化合物(13)を、ジメチルスルホキシド中、炭酸カリウム及び18−クラウン−6存在下、式Cl−R1、又は式Br−R1と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応することにより化合物(14)に導くことができる。
工程21:化合物(14)のα-アミノ酸部を、一般的な脱保護反応{プロテクティブ グループズ イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.)参照}にて、本発明の化合物(I−1)に導くことができる。例えば塩化水素、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの酸性試薬の存在下、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、α-アミノ酸部の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−1)に導くことができる。好ましくは、化合物(14)は、ベンゼンスルホン酸、又は塩化水素存在下、酢酸エチル中、室温〜50℃にて2時間〜1日間反応することにより、本発明の化合物(I−1)に導くことができる。
【実施例】
【0054】
以下、参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0055】
参考例及び実施例中で、カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「シリカゲルカートリッジ」にはバイオタージ社製Biotage(登録商標)SNAPCartridge KP−Sil及びHP−Silを使用した。逆相カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の逆相カラムクロマトグラフィー」にはYMC−Actus Triart C18,5.0μm,φ30×50mmを用いた。TLCを使用して精製した際のTLC(シリカゲルプレート)にはSilica gel 60F254(メルク)を使用した。
【0056】
実施例中記載の各機器データは以下の測定機器で測定した。
【0057】
LCMSスペクトル:島津LCMS−IT−TOF、島津LCMS−2010EV、micromass Platform LC、micromass GCT、Agilent 6150、Agilent 1290Infinity及びAgilent1100
NMRスペクトル:[1H-NMR]600MHz:JNM−ECA600(日本電子)、500MHz:JNM−ECA500(日本電子)
X線構造解析:R−AXIS RAPID II(Rigaku)
融点:示差熱天秤(TG-DTA):Thermo plus EVO TG8120(Rigaku)
実施例中の化合物名はACD/Name (ACD/Labs 12.0, Advanced Chemistry Development Inc.)により命名した。
実施例中で使用した核磁気共鳴(NMR)スペクトルに於ける略語を以下に示す。
s:シングレット(singlet)、d:ダブレット(doublet)、t:トリプレット(triplet)、q:カルテット(quartet)、dd:ダブルダブレット(double doublet)、qd:カルテットダブレット(quartet doublet)、ddd:ダブルダブルダブレット(double double doublet)、ddt:ダブルダブルトリプレット(double double triplet)、dddd:ダブルダブルダブルダブレット(double double double doublet)、m:マルチプレット(multiplet)、br:ブロード(broad)、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、DMSO−d6:重水素化ジメチルスルホキシド
全δ値を、ppm値で示した。
参考例1:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(エトキシカルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(参考例1)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−エチル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(参考例1−1)
下記実施例A−1で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、200mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)懸濁液に、炭酸セシウム(261mg)を加え、室温で30分間攪拌した。更にエチル トシラート(201mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチル2回抽出した。合わせた有機層を水で1回、飽和食塩水で1回順次洗浄した後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別、ろ液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−エチル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(参考例1−1、68mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.01−5.92(m, 1H), 5.60(d, J=4.5 Hz, 1H), 5.37−5.30(m, 1H), 5.29−5.21(m, 2H), 4.77−4.62(m, 3H), 4.20−4.12(m, 2H), 2.62−2.46(m, 2H), 2.37−2.25(m, 1H), 2.22−2.17(m, 1H), 1.27(t, J=1.0 Hz, 3H).
MS m/z;350([M+Na]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(エトキシカルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(参考例1)
下記実施例A−1の4と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−エチル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(参考例1−1、68mg)より、表題化合物(参考例1、28mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=4.90−4.72(m, 1H), 4.12−3.95(m, 2H), 2.65−2.51(m, 1H), 2.15−1.82(m, 4H), 1.19(t, J=7.2 Hz, 3H).
MS m/z;232([M+H]+
参考例2:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−エチル 2−アミノ−2−シアノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(参考例2−1)
(1S,3S,5R,6S)−エチル 3−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(国際公開第2000/37410号パンフレット、37.17g)の8mol/Lアンモニア−メタノール(250mL)溶液に、氷冷でオルトチタン酸テトライソプロピル(68.09g)と、トリメチルシリルシアニド(23.03g)を順次滴下した。氷冷で3.5時間攪拌した後、この反応溶液に12.4%クエン酸二ナトリウム水溶液(848g)を滴下した。トルエン(743ml)で2回抽出した後、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別後、トルエン(186mL)で不溶物を洗い、ろ液を濃縮及び精製することなく、(1S,2S,3S,5R,6S)−エチル 2−アミノ−2−シアノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(参考例2−1)を含む溶液を、次の反応へ用いた。
1H NMR (600MHz, CHLOROFORM−d)δ=4.84(dd, J=5.6, 48.0 Hz, 1H), 4.13(qd, J=7.4, 2.5 Hz, 2H), 2.59−2.49(m, 1H), 2.46−2.45(m, 1H), 2.36(dd, J=7.6, 15.9 Hz, 1H), 2.09(br s, 1H), 2.02−2.01(m, 1H), 1.81(br s, 2H), 1.27(t, J=7.4 Hz, 1H).
MS m/z;213([M+H]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV)
得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−エチル 2−アミノ−2−シアノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(参考例2−1)を含む溶液を減圧濃縮した。水(30ml)、酢酸(30ml)、35%塩酸(60ml)を加え、外温105℃で22時間攪拌した。反応溶液に、室温で活性炭(3.0g)を加え、1時間攪拌した。不溶物をろ別後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を陰イオン交換カラムクロマトグラフィ(Dowex 1×8、0.5mol/L酢酸−水)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV、25.48g)を無色固体として得た。
1H NMR (500MHz, D2O)δ=5.06(dd, J=5.8, 53.2 Hz, 1H), 2.65(ddt, J=15.5, 42.0, 4.5 Hz, 1H), 2.36(dd, J=16.0, 29.0 Hz, 1H), 2.21−2.17(m, 1H), 2.10(br s, 1H), 1.91−1.89(m, 1H).
MS m/z;202([M−H]
実施例A−1:(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−1)の合成。
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1)
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV)(4.00g)のジオキサン(24mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(48mL)懸濁液に、クロロギ酸アリル(0.42mL)を15分間かけて滴下し、室温で20時間攪拌した。この反応溶液に1mol/L塩酸を加え、pH1とした後、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1、6.23g)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=8.27(s, 1H), 5.98−5.81(m, 1H), 5.43−5.03(m, 3H), 4.59−4.36(m, 2H), 2.48−2.36(m, 1H), 2.22−1.93(m, 3H), 1.79(br s, 1H), 1.71(t, J=3.1 Hz, 1H).
MS m/z;310([M+Na]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2)
得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1、6.23g)、パラホルムアルデヒド(3.00g)、p−トルエンスルホン酸1水和物(45mg)のトルエン(150mL)懸濁液を、Dean−Stark水分分離器を付け34時間、加熱還流した。放冷後、酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、不溶物をろ過、ろ液を減圧下濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、5.65g)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=5.89−5.78(m, 1H), 5.49(d, J=4.5 Hz, 1H), 5.25−5.10(m, 3H), 4.65−4.48(m, 3H), 2.54−2.35(m, 2H), 2.27−2.11(m, 2H), 1.96(dd, J=3.3, 6.6 Hz, 1H).
MS m/z;300([M+H]+
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−1−3)
得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、1.05g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、炭酸セシウム(1.37g)を加え、60℃で10分間攪拌した。反応液を室温にした後、クロロメチル アダマンタン−1−カルボキシラート(J.Med.Chem.,23,474(1980)参照}(1.70g)を加え、60℃で1時間攪拌した。放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を水で1回、飽和食塩水で2回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜50:50)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−1−3、894mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=5.95(s, 1H), 5.79−5.71(m, 2H), 5.61(d, J=5.0 Hz, 1H), 5.37−5.30(m, 1H), 5.30−5.24(m, 2H), 4.77−4.60(m, 3H), 2.68−2.61(m, 1H), 2.61−2.48(m, 1H), 2.38−2.28(m, 1H), 2.27−2.21(m, 1H), 2.12−2.07(m, 1H), 2.02(br s, 3H), 1.93−1.84(m, 6H), 1.77−1.65(m, 6H).
MS m/z;514([M+Na]+
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A-1)
得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)メチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−1−3、894mg)のクロロホルム(30mL)溶液に、窒素雰囲気下、1,3−ジメチルバルビツール酸(828mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(102mg)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、残渣にアセトニトリルを加え、室温で20分間攪拌した。得られた固体をろ取、水で洗浄し、表題化合物(A−1、588mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.59(m, 2H), 4.82−4.65(m, 1H), 2.58−2.45(m, 1H), 2.07−1.96(m, 1H), 1.95−1.92(m, 1H), 1.90(br s, 3H), 1.86(br s, 2H), 1.76−1.69(m, 6H), 1.65−1.51(m, 6H).
MS m/z;396([M+H]+
[α]D25 37.6 (c 0.25, EtOH)
実施例A−2:
(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−2)の合成
(1)1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1)
1−アダマンタンカルボン酸(1.50g)の水(22mL)懸濁液に、炭酸ナトリウム(3.53g)を加え、100℃で20分間攪拌した。0℃へ冷却した後、反応液に、テトラブチルアンモニウム ハイドロゲン サルフェート(1.00g)、クロロホルム(30mL)、及び1−クロロエチル スルホクロリデート(1.94g)を加え、0℃で1時間、室温で12時間攪拌した。この反応溶液に水を加え、クロロホルムで2回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)にて精製し、1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1、1.10g)を無色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.54(q, J=5.8 Hz, 1H), 2.03(br s, 4H), 1.97−1.63(m, 14H).
(2)1−ブロモエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−2)
得られた1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1、500mg)のベンゼン(5mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド(25.2mg)とトリメチルシリルブロミド(0.80mL)を加え、80℃で18時間攪拌した。この反応溶液を減圧濃縮した後、クロロホルムで希釈した。この有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、減圧下濃縮し、1−ブロモエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−2、498mg)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.72(q, J=5.8 Hz, 1H), 2.08−1.96(m, 6H), 1.96−1.84(m, 6H), 1.81−1.67(m, 6H).
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−1−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−2−3)
実施例A-1(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、800mg)と、1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1、1.62g)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−1−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−2−3、500mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.87−6.76(m, 1H), 6.03−5.92(m, 1H), 5.64−5.57 (m, 1H), 5.39−5.22(m, 3H), 4.79−4.58(m, 3H), 2.62−2.47(m, 2H), 2.39−2.27(m, 1H), 2.26−2.18(m, 1H), 2.11−2.05(m, 1H), 2.04−1.97(m, 3H), 1.92−1.80(m, 6H), 1.77−1.64(m, 6H), 1.49−1.41(m, 3H).
MS m/z;528([M+Na]+
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−2)
実施例A-1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−1−(((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エチル) 3’−アリル 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−2−3、700mg)より、表題化合物(A−2、330mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.70−6.65(m, 1H), 4.89−4.75(m, 1H), 2.66−2.51(m, 1H), 2.14−2.04(m, 1H), 1.97(m, 4H), 1.93(m, 2H), 1.78(br s, 6H), 1.72−1.61(m, 6H), 1.42−1.37(m, 3H).
MS m/z;410([M+H]+
実施例A−3:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−3)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−3−1)
実施例A−1(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、350mg)と、1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(768mg)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−3−1、260mg)を無色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.79−6.69(m, 1H), 6.01−5.91(m, 1H), 5.63−5.57 (m, 1H), 5.38−5.30(m, 1H), 5.30−5.22(m, 2H), 4.78−4.59(m, 3H), 4.58−4.49(m, 1H), 2.64−2.47(m, 2H), 2.37−2.20(m, 2H), 2.13−2.05(m, 2H), 1.97−1.88(m, 1H), 1.73−1.64(m, 2H), 1.54−1.36(m, 5H), 1.05(dd, J=2.1, 11.1 Hz, 2H), 0.96−0.82(m, 7H), 0.82−0.73(m, 3H).
MS m/z;548([M+Na]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−3)
実施例A−1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−3−1、260mg)より、表題化合物(A−3、133mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.65−6.51(m, 1H), 4.91−4.74(m, 1H), 4.53−4.37(m, 1H), 2.69−2.53(m, 1H), 2.15−1.99(m, 2H), 1.98−1.87(m, 3H), 1.86−1.75(m, 1H), 1.68−1.57(m, 2H), 1.52−1.39(m, 4H), 1.39−1.29(m, 1H), 1.11−0.95(m, 2H), 0.93−0.80(m, 7H), 0.78−0.68(m, 3H).
MS m/z;430([M+H]+
実施例A−4:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−4)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、350mg)と、1−クロロメチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(727mg)より、表題化合物(A−4、140mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.74−5.64(m, 2H), 4.91−4.74(m, 1H), 4.53−4.42(m, 1H), 2.67−2.53(m, 1H), 2.15−2.02(m, 2H), 2.00−1.93(m, 3H), 1.86−1.77(m, 1H), 1.68−1.59(m, 2H), 1.53−1.42(m, 1H), 1.41−1.33(m, 1H), 1.04(s, 2H), 0.94−0.80(m, 7H), 0.75(d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;416([M+H]+
実施例A−5:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(1−((3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−5)の合成
(1)1−クロロエチル 3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボキシラート(A−5−1)
実施例A−2(1)と同様にして、3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボン酸(2.00g)と、1−クロロエチル スルホクロリデート(2.58g)より、1−クロロエチル 3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボキシラート(A−5−1、1.48g)を無色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.59−6.48(m, 1H), 2.17−2.08(m, 4H), 1.79(d, J=5.8 Hz, 3H), 1.76−1.69(m, 1H), 1.60−1.43(m, 5H), 1.40−1.29(m, 4H), 1.21−1.11(m, 2H), 0.90−0.82(m, 6H).
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(((3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−5)
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、500mg)と、1−クロロエチル 3,5−ジメチルアダマンタン−1−カルボキシラート(A−5−1、1.13g)より、表題化合物(A-5、70mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=6.69−6.58(m, 1H), 4.91−4.70(m, 1H), 2.65−2.50(m, 1H), 2.16−1.94(m, 2H), 1.94−1.75(m, 1H), 1.57(br s, 2H), 1.47−1.19(m, 7H), 1.16−1.03(m, 2H), 0.84−0.69(m, 6H).
MS m/z;438([M+H]+
実施例A−6:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((オクタノイルオキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−6)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、300mg)と、クロロメチル オクタノエート(483mg)より、表題化合物(A−6、95mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.72−5.63(m, 2H), 4.90−4.75(m, 1H), 2.67−2.51(m, 1H), 2.35(t, J=7.4 Hz, 2H), 2.14−2.00(m, 2H), 1.98−1.91(m, 2H), 1.56−1.47(m, 2H), 1.32−1.18(m, 8H), 0.89−0.82(m, 3H).
MS m/z;360([M+H]+
実施例A−7:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((((ピバロイルオキシ)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−7)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、400mg)と、クロロメチル ピバラート(193mg)より、表題化合物(A−7、60mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.72−5.66(m, 2H), 4.89−4.74(m, 1H), 2.67−2.53(m, 1H), 2.14−2.04(m, 1H), 2.04−1.99(m, 1H), 1.97−1.92(m, 2H), 1.15(s, 9H).
MS m/z;318([M+H]+
実施例A−8:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−8)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(イソブチリルオキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−8−1)
実施例A−1(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、1.43g)と、1−クロロエチル イソブチレート(1.80g)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(イソブチリルオキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−8−1、307mg)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.84(dd, J=5.4, 11.1 Hz, 1H), 6.03−5.87(m, 1H), 5.47−5.43(m, 1H), 5.43−5.29(m, 1H), 5.29−5.22(m, 2H), 4.79−4.58(m, 3H), 2.66−2.42(m, 3H), 2.39−2.27(m, 1H), 2.26−2.18(m, 1H), 2.05(s, 1H), 1.48(d, J=5.4 Hz, 3H), 1.24−1.12(m, 13H).
MS m/z;436([M+Na]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−8)
実施例A−1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(イソブチリルオキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−8−1、403mg)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸を含む淡黄色油状物(278mg)を得た。得られた油状物に、酢酸エチル(3mL)を加え、攪拌した後、氷冷下、4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(3mL)を加えた。室温にて30分間攪拌した後、減圧濃縮、乾燥し、表題化合物(A−8、200mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=8.82−8.64(m, 1H), 6.80−6.63(m, 1H), 5.19−4.99(m, 1H), 3.49−3.30(m, 2H), 2.68−2.43(m, 1H), 2.37−2.18(m, 2H), 2.18−2.01(m, 2H), 1.49−1.38(m, 3 H), 1.16−1.01(m, 6H).
MS m/z;318([M+H]+
実施例A−9:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−(((ベンゾイルオキシ)メトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−9)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、500mg)と、クロロメチル ベンゾエート(712mg)より、表題化合物(A−9、198mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=8.03−7.94(m, 2H), 7.77−7.68(m, 1H), 7.62−7.51(m, 2H), 6.00−5.89(m, 2H), 4.97−4.77(m, 1H), 2.67−2.53(m, 1H), 2.17−2.06(m, 2H), 2.05−1.95(m, 2H).
MS m/z;338([M+H]+
実施例A−10:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−10)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、1.35g)と、1−クロロエチル シクロヘキシル カーボナート(2.06mL)より、表題化合物(A−10、113mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.68−6.52(m, 1H), 4.92−4.75(m, 1H), 4.62−4.49(m, 1H), 2.70−2.52(m, 1H), 2.19−1.89(m, 4H), 1.89−1.78(m, 2H), 1.70−1.58(m, 2H), 1.53−1.12(m, 7H).
MS m/z;374([M+H]+
実施例A−11:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロオクチルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−11)の合成
(1)1−クロロエチル シクロオクチル カーボナート(A−11−1)
シクロオクタノール(1.79g)のクロロホルム(40mL)溶液に、ピリジン(1.13mL)を加えた後、反応溶液を−60℃へ冷却した。この反応溶液に同温度で1−クロロエチル カルボノクロリデート(1.53mL)を10分間かけて加えた。その後、反応溶液を室温まで昇温し、同温度で3時間攪拌した。反応溶液にクロロホルムを加え、この有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、1−クロロエチル シクロオクチル カーボナート(A−11−1、3.70g)を無色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.48−6.37(m, 1H), 4.96−4.81(m, 1H), 1.97−1.66(m, 7H), 1.64−1.42(m, 7H).
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−(((シクロオクチルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−11)
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸[A−1−2]380mgと、1−クロロエチル シクロオクチル カーボナート(A−11−1、745mg)より、表題化合物(A−11、93mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.64−6.53(m, 1H), 4.92−4.76(m, 2H), 4.76−4.66(m, 1H), 2.68−2.53(m, 1H), 2.17−2.00(m, 2H), 2.00−1.89(m, 2H), 1.85−1.57(m, 6H), 1.57−1.36(m, 11H).
MS m/z;402([M+H])+
実施例A−12:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−((((4,4−ジメチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−12)の合成
(1)1−クロロエチル (4,4−ジメチルシクロヘキシル)カルボナート(A−12−1)
実施例A−11(1)と同様にして、1−クロロエチル カルボノクロリデート(1.19mL)と、4,4−ジメチル−1−シクロヘキサノール(2.00g)より、1−クロロエチル (4,4−ジメチルシクロヘキシル)カルボナート(A−12−1、4.37g)を無色油状物として得た。
1H NMR(200 MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.49−6.36(m, 1H), 4.68(dddd, J=4.4, 4.4, 8.8, 8.8 Hz, 1H), 1.94−1.38(m, 9H), 1.35−1.16(m, 2H), 0.94(s, 3H), 0.92(s, 3H).
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−6−((1−((((4,4−ジメチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−12)
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A-1−2、300mg)と、1−クロロエチル (4,4−ジメチルシクロヘキシル)カルボネート(A−12−1、588mg)より、表題化合物(A−12、70mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.64−6.55(m, 1H), 4.89−4.73(m, 1H), 4.60−4.50(m, 1H), 2.67−2.51(m, 1H), 2.15−1.99(m, 2H), 1.99−1.89(m, 2H), 1.78−1.70(m, 2H), 1.61−1.50(m, 2H), 1.47−1.41(m, 3H), 1.40−1.32(m, 2H), 1.28−1.18(m, 2H), 0.94−0.84 (m, 6H).
MS m/z;402([M+H]+
実施例A−13:(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)メトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−13)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、500mg)と、アダマンタン−1−イル (クロロメチル) カルボナート(1.02g)より、表題化合物(A−13、120mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.67−5.60(m, 2H), 4.94−4.77(m, 1H), 2.67−2.54(m, 1H), 2.21−1.94(m, 13H), 1.62(br s, 6H).
MS m/z;412([M+H]+
実施例A−14:(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((1−(((アダマンタン−1−イルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−14)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、500mg)と、アダマンタン−1−イル (1−クロロエチル) カルボネート(1.08g)より、表題化合物(A−14、164mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.60−6.48(m, 1H), 4.92−4.72(m, 1H), 2.69−2.42(m, 1H), 2.20−1.86(m, 13H), 1.61(br s, 6H), 1.41(dd, J=1.7, 5.4 Hz, 3H).
MS m/z;426([M+H])+
実施例A−15:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩(A−15)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−15−1)
実施例A−1(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、400mg)と、1−クロロエチル イソプロピル カーボナート(204mg)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−15−1、95mg)を無色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.79−6.70(m, 1H), 6.02−5.90(m, 1H), 5.63−5.56(m, 1H), 5.38−5.30(m, 1H), 5.27(m, 2H), 4.94−4.84(m, 1H), 4.78−4.57(m, 3H), 2.63 −2.47(m, 2H), 2.38−2.20(m, 2H), 2.13−2.05(m, 1H), 1.52(m, 3H), 1.33−1.29(m, 6H).
MS m/z;452([M+Na])+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 トリフルオロ酢酸塩(A−15)
実施例A−1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(1−(((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エチル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−15−1、95mg)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−((イソプロピルオキシカルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸を含む固体を得た。得られた固体にジメチルスルホキシドを加え、この溶液を逆相カラムクロマトグラフィー(移動相:0.1% TFA MeCN/HO=10/90〜90/10;v/v)にて精製した。フラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和し、クロロホルムにて抽出し、Phase Separatorにてろ過した。ろ液を減圧濃縮し、表題化合物(A−15、65mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.66−6.58(m, 1H), 5.14−5.01(m, 1H), 4.82−4.75(m, 1H), 2.65−2.51(m, 1H), 2.33−2.05(m, 4H), 1.48−1.41(m, 3H), 1.26−1.20(m, 6H).
MS m/z;334([M+H])+
実施例A−16:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−16)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、660mg)と、4−(ブロモメチル)−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン(639mg)より、表題化合物(A−16、188mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=4.96(s, 2H), 4.93−4.78(m, 1H), 2.68−2.52(m, J=14.9 Hz, 1H), 2.19−2.01(m, 5H), 2.01−1.89(m, 2H).
MS m/z;316([M+H]+
実施例A−17:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−(3−フタリジル) エステル 塩酸塩(A−17)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(A−17−1)
実施例A−1(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−(((アリルオキシ)カルボニル)−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−6−カルボン酸(A−1−2、640mg)と、3-ブロモフタリド(456mg)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−17−1、380mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=7.98−7.89(m, J=7.4 Hz, 1H), 7.83−7.55(m, 3H), 7.46−7.40(m, 1H), 5.92−5.82(m, 1H), 5.65−5.58(m, 1H), 5.30−5.25(m, 1H), 5.25−5.19(m, 1H), 5.18−5.10(m, 1H), 4.77−4.54 (m, 3H), 2.74−2.65(m, 1H), 2.64−2.50(m, 1H), 2.39−2.28(m, 2H), 2.21−2.16(m, 1H).
MS m/z;454([M+Na]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−(3−フタリジル) エステル 塩酸塩(A−17)
実施例A−8(2)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−3’−アリル 6−(3−オキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1−イル) 3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサゾリジン]−3’ ,6−ジカルボキシラート(A−17−1、380mg)より、表題化合物(A−17、120mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=7.98−7.73(m, 4H), 7.53−7.47(m, 1H), 5.18−5.03(m, 1H), 2.67−2.51(m, 1H), 2.40−2.24(m, 3H), 2.21−2.15(m, 1H).
MS m/z;336([M+H]+
実施例A−18:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−18)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1)
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV)(70.0g)に、1mol/Lトリエチルボラン・テトラヒドロフラン溶液(362mL)を、氷冷で20分間かけて滴下し、水冷で4時間攪拌した。ヘプタン(4200mL)にこの反応溶液を1時間かけて滴下し、室温で30分間攪拌した。得られた固体をろ取、ヘプタン(140mL)で洗浄し、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1、89.68g)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=6.89−6.80 (m, 1H), 6.15−6.04 (m, 1H), 4.95−4.81 (m, 1H), 3.33 (s, 1H), 2.53−2.37 (m, 1H), 2.25−2.15 (m, 1H), 2.06−2.02 (m, 1H), 2.00−1.93 (m, 1H), 1.82−1.76 (m, 1H), 0.77−0.69 (m, 6H), 0.35−0.22 (m, 4H).
MS m/z;272([M+H]+
(2)(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−1)、及び(R)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−2)
1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(146g)のヘプタン(146mL)溶液を、−25℃で1.5時間攪拌した。得られた固体をろ取し、(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナートを含む無色固体として得た。得られた(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナートを含む無色固体(46.8g)のヘプタン(94mL)溶液を、−40℃で1.5時間攪拌した。得られた固体をろ取し、(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−1、37.87g)を無色固体として得た。また、1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(300mg)を、キラルカラムクロマトグラフィーによる分取(CHIRALCEL OD、ヘキサン)で、(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−1、117mg)を無色固体として、(R)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−2、129mg)を無色油状物として得た。得られた化合物(A−18−2−1)の絶対立体配置は、X線構造解析により決定した。
化合物(A−18−2−1)のスペクトル 1H NMR (600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.43(q, J=5.8 Hz, 1H), 4.58 (dt, J=4.5, 10.9 Hz, 1H), 2.15−2.10 (m, 1H), 2.00−1.90 (m, 1H), 1.83 (d, J=2.8 Hz, 3H), 1.72−1.66 (m, 2H), 1.52−1.41 (m, 2H), 1.12−1.02 (m, 2H), 0.94−0.86 (m, 7H), 0.79 (d, J=7.0 Hz, 3H) .
化合物(A−18−2−2)のスペクトル 1H NMR (600MHz, CHLOROFORM−d)δ= 6.43 (q, J=5.8 Hz, 1H), 4.60 (dt, J=4.1, 10.9 Hz, 1H), 2.10−2.05 (m, 1H), 1.98−1.91 (m, 1H), 1.83 (d, J=5.8 Hz, 3H), 1.72−1.67 (m, 2H), 1.53−1.40 (m, 2H), 1.11−1.03 (m, 2H), 0.94−0.86 (m, 7H), 0.81 (d, J=7.0 Hz, 3H).
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)
(1)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1、25.0g)のジメチルスルホキシド(475mL)溶液に、炭酸カリウム(13.38g)を加え、室温で30分間攪拌した。この反応液に、(2)で得られた(S)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−1、29.08g)と、18−クラウン−6(25.60g)をジメチルスルホキシド(25mL)で洗い込みながら加え、室温で4.5時間攪拌した。この反応混合物を氷冷下酢酸エチル(750mL)で希釈し、氷冷した反応液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(250mL)と水(250mL)の溶液に、20分間かけて加えた。酢酸エチル(250mL)で反応容器を洗い、これも一緒にした。合わせた反応液を分液後、得られた有機層にヘプタン(500mL)を加えた。得られた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別後、ろ液を濃縮及び精製することなく、(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)を含む溶液を、次の反応へ用いた。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=6.94−6.85 (m, 1H), 6.64−6.54 (m, 1H), 6.19−6.09 (m, 1H), 4.99−4.84 (m, 1H), 4.51−4.43 (m, 1H), 2.49−2.39 (m, 1H), 2.24−2.15 (m, 1H), 2.14−2.09 (m, 1H), 2.08−2.02 (m, 1H), 1.98−1.92 (m, 1H), 1.83−1.72 (m, 2H), 1.67−1.58 (m, 2H), 1.50−1.42 (m, 4H), 1.39−1.30 (m, 1H), 1.08−0.98 (m, 2H), 0.91−0.84 (m, 7H), 0.78−0.67 (m, 9H), 0.37−0.21 (m, 4H).
MS m/z;520([M+Na]+
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 ベンゼンスルホン酸塩(A−18−4)
(3)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)の溶液に、ベンゼンスルホン酸・1水和物(19.50g)を加え、室温で18時間攪拌した。得られた固体をろ取、酢酸エチルとヘプタン(50mL、25mL)の混合溶媒で洗浄し、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 ベンゼンスルホン酸塩(A−18−4、33.0g)を無色固体として得た。得られた化合物(A−18−4)の絶対立体配置は、X線構造解析により決定した。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=7.62−7.56 (m, 2H), 7.34−7.27 (m, 3H), 6.61−6.57 (m, 1H), 5.17−5.05 (m, 1H), 4.50−4.44 (m, 1H), 2.65−2.51 (m, 1H), 2.29−2.18 (m, 2H), 2.15−2.10 (m, 1H), 2.10−2.06 (m, 1H), 1.97−1.92 (m, 1H), 1.83−1.74 (m, 1H), 1.67−1.59 (m, 2H), 1.50−1.43 (m, 4H), 1.38−1.31 (m, 1H), 1.09−0.98 (m, 2H), 0.91−0.81 (m, 7H), 0.75 (d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;428([M−H]-
[α]D24 −5.8 (c 1.02, EtOH)
融点 178℃(分解)
(5)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−18)
(4)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 ベンゼンスルホン酸塩(A−18−4、33.0g)のアセトン(125mL)懸濁液に、水(25mL)を加え、溶解させた。水(1225mL)に、得られた溶液を30分間かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。得られた固体をろ取、水(50ml)で洗浄し、表題化合物(A−18、24.08g)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=6.61−6.55 (m, 1H), 4.90−4.77 (m, 1H), 4.50−4.43 (m, 1H), 2.67−2.54 (m, 1H), 2.11−2.00 (m, 2H), 1.97−1.89 (m, 3H), 1.83−1.75 (m, 1H), 1.66−1.59 (m, 2H), 1.51−1.41 (m, 4H), 1.38−1.31 (m, 1H), 1.09−0.97 (m, 2H), 0.91−0.80 (m, 7H), 0.75 (d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;428([M−H]-
融点 175℃(分解)
(6)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 メタンスルホン酸塩(A−18−6)
実施例A−18(4)と同様にして、(3)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)と、メタンスルホン酸より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 メタンスルホン酸塩(A−18−6)を無色固体として得た。
融点 160℃(分解)
(7)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エタンスルホン酸塩(A−18−7)
実施例A−18(4)と同様にして、(3)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)と、エタンスルホン酸より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エタンスルホン酸塩(A−18−7)を無色固体として得た。
融点 195℃(分解)
(8)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 p−トルエンスルホン酸塩(A−18−8)
実施例A−18(4)と同様にして、(3)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)と、p−トルエンスルホン酸・1水和物より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 p−トルエンスルホン酸塩(A−18−8)を無色固体として得た。
融点 175℃(分解)
(9)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 (−)−10−カンファースルホン酸塩(A−18−9)
実施例A−18(4)と同様にして、(3)で得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−6−((((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−3)と、(−)−10−カンファースルホン酸より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((S)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 (−)−10−カンファースルホン酸塩(A−18−9)を無色固体として得た。
融点 174℃(分解)
実施例A−19:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((R)−1−(((((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)オキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−19)の合成
実施例A−18(3)−(5)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1、33mg)と(R)−1−クロロエチル ((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル) カルボナート(A−18−2−2、51mg)より、表題化合物(A−19、7.0mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6) δ= 6.60 (m, 1H), 4.89−4.71 (m, 1H), 4.44 (dt, J=4.1, 10.9 Hz, 1H), 2.56−2.40 (m, 1H), 2.11−2.01 (m,2H), 1.98−1.93 (m, 1H), 1.91 (br s,2H), 1.85−1.77 (m, 1H), 1.90−1.60 (m,2H), 1.49−1.42 (m, 4H), 1.39−1.31 (m, 1H), 1.08−0.98 (m,2H), 0.91−0.83 (m, 7H), 0.74 (d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;428([M-H]-)
実施例A−20:(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−20)の合成
(1)(S)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−20−1−1)、及び(R)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−20−1−2)
1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1、600mg)をキラルカラムクロマトグラフィーによる分取(CHIRALPAK AD−H、ヘキサン/エタノール=95/5)で、先に溶出する(S)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−20−1−1、230mg)を無色固体として、後に溶出する(R)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−20−1−2、200mg)を無色固体として得た。得られた化合物(A−20−1−2)の絶対立体配置は、X線構造解析により決定した。
化合物(A−20−1−1)のスペクトル 1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.54(q, J=5.8 Hz, 1H), 2.03(br s, 4H), 1.97−1.63(m, 14H).
[α]D22 112.7 (c 1.11, EtOH)
化合物(A−20−1−2)のスペクトル 1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.54(q, J=5.8 Hz, 1H), 2.03(br s, 4H), 1.97−1.63(m, 14H).
[α]D23 -111.7 (c 1.09, EtOH)
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−20)
実施例A−18(3)〜(5)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1、1.85g)と(S)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−2−1、1.10g)より、表題化合物(A−20、636mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ=6.70−6.65 (m, 1H), 4.88−4.75 (m, 1H), 2.66−2.51 (m, 1H), 2.14−2.05 (m, 1H), 2.02−1.95 (m, 4H), 1.95−1.90 (m, 2H), 1.79−1.76 (m, 6H), 1.71−1.62 (m, 6H), 1.42−1.38 (m, 3H).
MS m/z;408([M−H]-
[α]D25 42.9 (c 0.57, MeOH)
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 メタンスルホン酸塩(A−20−3)
実施例A−18(6)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 メタンスルホン酸塩(A−20−3)を無色固体として得た。
融点 154℃(分解)
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エタンスルホン酸塩(A−20−4)
実施例A−18(7)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エタンスルホン酸塩(A−20−4)を無色固体として得た。
融点 171℃(分解)
(5)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 ベンゼンスルホン酸塩(A−20−5)
実施例A−18(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 ベンゼンスルホン酸塩(A−20−5)を無色固体として得た。
融点 147℃(分解)
(6)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 p−トルエンスルホン酸塩(A−20−6)
実施例A−18(8)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((S)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 p−トルエンスルホン酸塩(A−20−6)を無色固体として得た。
融点 146℃(分解)
実施例A−21:(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−21)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−21−1)
実施例A−18(3)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−カルボキシル−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−18−1、1.45g)と(R)−1−クロロエチル アダマンタン−1−カルボキシラート(A−20−1−2、2.08g)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−21−1)を含む溶液を得て、次の反応へ用いた。
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−21−2)
得られた(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2,2’−ジエチル−3−フルオロ−5’−オキソスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−オキサザボロリジン]−3’−イウム−8−ウイド(A−21−1)の溶液に、室温で4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(2.7mL)を加え、室温で7時間攪拌した。得られた固体をろ取、酢酸エチルとヘプタン(10mL、10mL)の混合溶媒で洗浄し、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−21−2、1.20g)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ= 6.72−6.68 (m, 1H), 5.14−5.02 (m, 1H), 2.61−2.51 (m, 1H), 2.32−2.20 (m, 2H), 2.13−2.04 (m, 2H), 1.98 (br s, 3H), 1.80−1.76 (m, 6H), 1.71−1.62 (m, 6H), 1.42 (d, J=5.4 Hz, 3H) .
MS m/z;410([M+H]+)
融点 164℃(分解)
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−21)
実施例A−18(5)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−(((R)−1−((アダマンタン−1−カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−21−2、2.20g)より、表題化合物(A−21、1.36g)を無色固体として得た。
1H NMR (600MHz, DMSO−d6)δ= 6.68 (q, J=5.6 Hz, 1H), 4.90−4.74 (m, 1H), 2.66−2.52 (m, 1H), 2.12−2.04 (m, 1H), 2.01 (dd, J=2.9, 6.6 Hz, 1H), 1.97 (br s, 3H), 1.96−1.90 (m, 1H), 1.88 (m, 1H), 1.78 (d, J=2.5 Hz, 6H), 1.71−1.61 (m, 6H), 1.40 (d, J=5.4 Hz, 3H) .
MS m/z;410([M+H]+)
[α]D24 24.0 (c 0.53, MeOH)
実施例B−1:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−2−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(B−1)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((アリルオキシ)カルボニル)2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(B−1−1)
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1、1.41g)、アリルアルコール(336μL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(837μL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(60mg)のクロロホルム(30mL)溶液を0℃へ冷却した。この溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(837mg)を加えた後、室温まで昇温し、2日間攪拌した。この反応溶液にクロロホルムを加え、この有機層を0.25mol/L−塩酸で2回、水で1回、飽和食塩水で1回順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((アリルオキシ)カルボニル)2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(B−1−1、1.30g)を無色アモルファスとして得た。
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−2−((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(B−1)
実施例A−8(2)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((アリルオキシ)カルボニル)2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(B−1−1、701mg)と、1−クロロエチル シクロヘキシル カーボナート(664mg)より、表題化合物(B−1、115mg)を黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=6.79−6.64(m, 1H), 5.26−4.93(m, 1H), 4.64−4.51(m, 1H), 2.38−2.13(m, 2H), 2.13−1.94(m, 2H), 1.91−1.80(m, 2H), 1.73−1.58(m, 2H), 1.53(dd, J=5.4, 8.3 Hz, 7H), 1.38−1.17(m, 3H).
MS m/z;374([M+H]+
実施例B−2:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−2−(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(B−2)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−6−((アリルオキシ)カルボニル)2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(B−1−1、650mg)と、4−(ブロモメチル)−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン(384mg)より、表題化合物(B−2、262mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.05(s, 2H), 4.84−4.68(m, 1H), 2.42−2.27(m, 1H), 2.18(s, 3H), 2.16−2.07(m, 1H), 2.07−1.99 (m, 1H), 1.83−1.76(m, 1H), 1.76−1.70(m, 3H).
MS m/z;316([M+H])+
実施例C−1:(1S,2S,3S,5R,6S)−ビス((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート(C−1)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1、573mg)と、1−クロロエチル シクロヘキシル カーボナート(905mg)より、表題化合物(C−1、124mg)を黄色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.84−6.75(m, 1H), 6.75−6.69(m, 1H), 4.85−4.55(m, 3H), 2.55−2.37(m, 1H), 2.37−2.20(m, 2H), 2.10−1.88(m, 6H), 1.79−1.70(m, 4H), 1.66−1.42(m, 13H), 1.42−1.30(m, 4H), 1.30−1.20(m, 2H).
MS m/z;544([M+H]+
実施例C−2:(1S,2S,3S,5R,6S)−ビス(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル) 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート(C−2)の合成
実施例A−1(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(A−1−1、660mg)と、4−(ブロモメチル)−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン(639mg)より、表題化合物(C−2、207mg)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=4.95(d, J=8.3 Hz, 2H), 4.82(s, 2H), 4.80−4.65(m, 1H), 2.56−2.40(m, 1H), 2.38−2.25(m, 2H), 2.20(s, 3H), 2.17(s, 3H), 2.07−1.98(m, 2H), 1.87−1.77(m, 1H).
MS m/z;428([M+H]+
実施例A-1〜A-21、B-1、B-2、C-1、C-2及び参考例1の構造式を表1-1〜表1-6に示す。
【0058】
【表1-1】

【0059】
【表1-2】

【0060】
【表1-3】

【0061】
【表1-4】
【0062】
【表1-5】
【0063】
【表1-6】

【0064】
実施例D−1:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−1)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1)
メタノール(40mL)に、−20℃で、チオニルクロリド(3.59mL)を滴下し、同温度にて30分間攪拌した。その後、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV、2.00g)を加え、4時間、加熱還流した。放冷後、反応液を減圧下濃縮した。反応混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、不溶物をろ過、ろ液を減圧下濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、2.03g)を黄色油状物として得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=4.86−4.71(m, 1H), 3.81(s, 3H), 3.67(s, 3H), 2.57−2.42(m, 1H), 2.33−2.23(m, 2H), 2.05−1.96(m, 2H).
MS m/z;232([M+H]+
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−2)
(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタン酸(600mg)のクロロホルム(6mL)懸濁液に、N−メチルモルホリン(0.265mL)を加え、−20℃で、クロロギ酸 イソブチル(0.312mL)を滴下し、同温度で15分間攪拌した。反応液に、−20℃にて、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、464mg)のクロロホルム(4mL)溶液を滴下した後、室温で40分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別、ろ液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜0:100)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−2、895mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=5.37−5.20(m, 1H), 4.36−4.28(m, 1H), 3.76(s, 3H), 3.69(s, 3H), 2.64−2.51(m, 2H), 2.38−2.25(m, 2H), 2.12(s, 4H), 2.00(br s, 2H), 1.95−1.88(m, 1H), 1.60−1.51(m, 1H), 1.46(s, 9H), 1.26(s, 2H).
MS m/z;485([M+Na]+
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−1−3)
(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−2、895mg)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、室温で2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.92mL)加え、同温度で6時間攪拌した。反応液をtert−ブチル メチル エーテルにて洗浄した後、0℃にて、1mol/L塩酸を加え、反応液を酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別、ろ液を減圧下濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−1−3、795mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=5.43−5.22(m, 1H), 4.40-4.30(m, 1H), 2.60−2.46(m, 2H), 2.40−2.19(m, 1H), 2.18−2.06(m, 4H), 2.02−1.90(m, 1H), 1.45(br s, 9H), 1.26(t, J=7.0 Hz, 2H).
MS m/z;433([M−H]-
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−1)
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−1−3、795mg)の酢酸エチル(5mL)懸濁液に、0℃で4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(11.0mL)を加え、室温にて4時間攪拌した。その後、生じた固体をろ取、乾燥し、表題化合物(D−1、543mg)を白色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DEUTERIUM OXIDE)δ=5.30−5.14(m, 1H), 4.25−4.13(m, 1H), 2.73−2.50(m, 3H), 2.50−2.42(m, 1H), 2.39−2.26(m, 1H), 2.26−2.16(m, 2H), 2.16−2.09(m, 4H), 1.95−1.84(m, 2H).
MS m/z;335([M+H]+
実施例D−2:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−2)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、1.27g)と、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(1.10g)より、表題化合物(D−2、1.50g)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6) δ=9.12(s, 1H), 5.36−5.12(m,1H), 3.97−3.82(m,1H), 2.63−2.52(m,1H), 2.25−2.11(m,1H), 2.11−2.02(m,1H), 1.89−1.82(m,1H), 1.76−1.69(m,1H), 1.40(d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;275([M+H]+
実施例D−3:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(2−アミノアセトアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−3)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、500mg)と、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(455mg)より、表題化合物(D−3、300mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=9.18(s, 1H), 8.21−8.04(m, 1H), 5.35−5.12(m, 1H), 3.62(s, 2H), 2.58−2.39(m, 1H), 2.24−2.11(m, 1H), 2.11−2.03(m, 1H), 1.87(br s, 1H), 1.77−1.69(m, 1H).
MS m/z;261([M+H]+
実施例D−4:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−4)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、500mg)と、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)3−メチルブタン酸(564mg)より、表題化合物(D−4、133mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=9.09(s, 1H), 5.32−5.13(m, 1H), 3.74(d, J=4.1 Hz, 2H), 2.65−2.35(m, 1H), 2.31−2.12(m, 2H), 2.12−2.03(m, 1H), 1.93−1.82(m, 1H), 1.80−1.70(m, 1H), 1.05−0.90(m, 6H).
MS m/z;303([M+H]+
実施例D−5:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2,6−ジアミノヘキサンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−5)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、200mg)と、(S)−2,6−ビス((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(360mg)より、表題化合物(D−5、281mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=9.21(s, 1H), 8.27(br s, 1H), 8.03(br s, 1H), 5.32−5.13(m, 1H), 3.95−3.85(m, 1H), 2.81−2.70(m, 2H), 2.62−2.40(m, 1H), 2.27−2.10(m, 1H), 2.07(dd, J=2.7, 6.4 Hz, 1H), 1.95−1.69(m, 4H), 1.66−1.51(m, 2H), 1.47−1.36(m, 2H), 1.17(t, J=7.2 Hz, 2H).
MS m/z;332([M+H]+
実施例D−6:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((2S,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−6)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、500mg)と、(2S,3S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルペンタン酸(600mg)より、表題化合物(D−6、662mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, METHANOL−d4)δ=5.40−5.21(m, 1H), 3.84(d, J=4.5 Hz, 1H), 2.75−2.53(m, 1H), 2.37−2.17(m, 2H), 2.08−1.86(m, 3H), 1.76−1.57(m, 1H), 1.32−1.17 (m, 1H), 1.10(d, J=7.0 Hz, 3H), 1.04−0.93(m, 3H).
MS m/z;317([M+H])+
実施例D−7:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−7)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、300mg)と、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−メチルペンタン酸(360mg)より、表題化合物(D−7、240mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, METHANOL−d4)δ=5.42−5.23(m, 1H), 4.01−3.91(m, 1H), 2.74−2.56 (m, 1H), 2.34−2.19(m, 2H), 2.00−1.89(m, 2H), 1.86−1.75(m, 2H), 1.73−1.63(m, 1H), 1.03(d, J=6.2 Hz, 3H), 1.01(d, J=6.2 Hz, 3H).
MS m/z;317([M+H]+
実施例D−8:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−((S)−2−アミノプロパンアミド)プロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−8)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、300mg)と、(S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)プロパンアミド)プロパン酸(405mg)より、表題化合物(D−8、452mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, METHANOL−d4)δ=5.37−5.20(m, 1H), 4.57(d, J=7.0 Hz, 1H), 3.91(d, J=7.0 Hz, 1H), 2.70−2.54(m, 1H), 2.31−2.18(m, 2H), 1.97−1.86(m, 2H), 1.48(d, J=7.0 Hz, 3H), 1.39(d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;346([M+H])+
実施例D−9:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((S)−2−アミノ−3−フェニルプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−9)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、150mg)と、(S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)−3−フェニルプロパン酸(207mg)より、表題化合物(D−9、205mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, METHANOL−d4)δ=7.43−7.28(m, 5H), 5.41−5.25(m, 1H), 4.24−4.15 (m, 1H), 3.46−3.37(m, 1H), 3.05−2.95(m, 1H), 2.73−2.58(m, 1H), 2.38−2.21(m, 2H), 2.04−1.92(m, 2H).
MS m/z;351([M+H]+
実施例D−10:(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−2−((S)−ピロリジン−2−(カルボキシアミド)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−10)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、150mg)と、(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸(168mg)より、表題化合物(D−10、182mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, METHANOL−d4) δ =5.40−5.23(m, 1H), 4.32(dd, J=6.6, 8.7 Hz, 1H), 3.46−3.37(m, 1H), 3.34−3.25(m, 1H), 2.73−2.59(m, 1H), 2.51−2.41(m, 1H), 2.33−2.22(m, 2H), 2.21−2.13(m, 1H), 2.11−2.00(m, 2H), 2.00−1.95(m, 1H), 1.94−1.89(m, 1H).
MS m/z;301([M+H]+
実施例D−11:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((R)−2−アミノ−4−(メチルチオ)ブタンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−11)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、200mg)と、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4−(メチルチオ)ブタン酸(258mg)より、表題化合物(D−11、54.0mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=9.28(s, 1H), 5.35−5.12(m, 1H), 4.01−3.93(m, 1H), 2.66−2.36(m, 3H), 2.29−2.10(m, 2H), 2.08−1.82(m, 6H), 1.73−1.64(m, 1H).
MS m/z;335([M+H]+
実施例D−12:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((R)−2−アミノプロパンアミド)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 塩酸塩(D−12)の合成
実施例D−1(2)、(3)及び(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジメチル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−1−1、200mg)と、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(196mg)より、表題化合物(D−12、128mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=9.15(s, 1H), 5.34−5.11(m, 1H), 3.98−3.85(m, 1H), 2.56−2.40(m, 1H), 2.23−2.05(m, 2H), 1.91−1.83(m, 1H), 1.75−1.65(m, 1H), 1.35(d, J=7.0 Hz, 3H).
MS m/z;275([M+H]+
実施例D−13:(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−13)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−13−1)
実施例A−1(1)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(IV、1.00g)と、ジ−tert−ブトキシカルボニル(4.30g)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−13−1、1.30g)を無色アモルファスとして得た。
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−2)
(1S,2S,3S,5R,6S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−13−1、1.30g)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)溶液に、室温にてアリルアルブロミド(1.09mL)、及び炭酸カリウム(1.18g)を加え、同温度で18時間攪拌した。この反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を5%食塩水で3回、飽和食塩水で1回順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜60:40)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−2、1.49g)を無色油状物として得た。
(3)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−3)
(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−2、1.49g)に、0℃で4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(24mL)を加え、室温にて18時間攪拌した。その後、反応溶液を減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−3、949mg)を得た。
(4)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−(((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−4)
(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−3、880mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に、室温で炭酸セシウム(4.05g)、シクロヘキシル (1−ヨードエチル) カーボネート(2.23g)を加え、二酸化炭素を吹き込みながら、同温度で2時間攪拌した。その後、二酸化炭素の吹き込みを止め、同温度で18時間攪拌した。反応溶液に、水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、5%食塩水で3回、飽和食塩水で1回順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜50:50)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−(((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−4、840mg)を黄色油状物として得た。
(5)(1S,2S,3S,5R,6S)−2−(((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−13)
実施例A−1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−(((1−(((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−4、958mg)より、表題化合物(D−13、537mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, CHLOROFORM−d)δ=6.79−6.62(m, 1H), 5.85(br s, 1H), 5.36−5.14(m, 1H), 4.73−4.55(m, 1H), 2.69−2.46(m, 1H), 2.45−2.26(m, 1H), 2.20−1.84(m, 4H), 1.80−1.68(m, 2H), 1.59−1.42(m, 5H), 1.41−1.18(m, 6H).
MS m/z;440([M+Na]+
実施例D−14:(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−2−(((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−14)の合成
実施例D−13(4)及び(5)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−3、800mg)と、1−ヨードエチル イソブチレート(1.37g)より、(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−2−(((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−14、87mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=8.51(br s, 1H), 6.69−6.49(m, 1H), 5.25−4.98(m, 1H), 2.49−2.36(m, 1H), 2.22−2.06(m, 1H), 2.05−1.90(m, 1H), 1.79(br s, 1H), 1.75−1.62(m, 1H), 1.45−1.34(m, 3H), 1.05(m, 6H).
MS m/z;384([M+Na]+
実施例D−15:(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−15)の合成
(1)(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 3−フルオロ−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−15−1)
トリホスゲン(35mg)のクロロホルム(4mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液及び4−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン45.9mgを室温で加えた。同温度で30分間攪拌後、反応混合物に、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 2−アミノ−3−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−13−3、100mg)のクロロホルム(4mL)溶液を加え、同温度で3時間攪拌した。反応液に、酢酸エチルを加え、有機層を水で1回、飽和食塩水で1回順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜70:30)にて精製し、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 3−フルオロ−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−15−1、60.0mg)を無色アモルファスとして得た。
(2)(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(D−15)
実施例A−1(4)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−ジアリル 3−フルオロ−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシレート(D−15−1、1.25g)より、表題化合物(D−15、94mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.25−5.07(m, 1H), 4.88(s, 2H), 2.55−2.44(m, 1H), 2.21−2.07(m, 4H), 2.02−1.94(m, 1H), 1.83−1.75(m, 1H), 1.72−1.65(m, 1H).
MS m/z;382([M+Na]+
実施例D−16:(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−6−(((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)−2−(((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(D−16)の合成
実施例D−13(4)及び(5)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−((1−(イソブチルオキシ)エトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 塩酸塩(A−8、152mg)と、1−ヨードエチル イソブチレート(208mg)より、表題化合物(D−16、108mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=8.68−8.51(m, 1H), 6.76−6.65(m, 2H), 6.65−6.57(m, 2H), 5.23−5.05(m, 1H), 2.61−2.39(m, 3H), 2.27−2.13(m, 1H), 2.11−1.97(m, 1H), 1.95−1.82(m, 1H), 1.81−1.69(m, 1H), 1.46−1.35(m, 6H), 1.13−0.98(m, 12H).
MS m/z;498([M+Na])+
実施例D−17:(1S,2S,3S,5R,6S)−3−フルオロ−6−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)−2−((((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(D−17)の合成
実施例D−15(1)と同様にして、(1S,2S,3S,5R,6S)−2−アミノ−3−フルオロ−6−(((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メトキシ)カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(A−16、340mg)と、4−(ヒドロキシメチル)−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン(154mg)より、表題化合物(D−17、53.0mg)を無色固体として得た。
1H NMR(600MHz, DMSO−d6)δ=5.25−5.09(m, 1H), 4.99−4.86(m, 4H), 2.56−2.43(m, 1H), 2.23−2.10(m, 7H), 2.08−2.01(m, 1H), 1.95−1.87(m, 1H), 1.81−1.73(m, 1H).
MS m/z;494([M+Na]+
実施例D-1〜D-17を表2-1〜表2-2に示す。
【0065】
【表2-1】

【0066】
【表2-2】

【0067】
試験例1:溶液安定性試験
本発明化合物(I)について、以下の胃及び小腸の消化液を想定した溶液での安定性を試験した。
本発明化合物(I)の塩酸溶液(pH1.2)及び20mMリン酸緩衝液(pH6.5)の各々における残存率を以下の試験方法に従って測定した。
塩酸及び塩化ナトリウムを含む塩酸溶液(pH1.2)又はリン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム及び塩化ナトリウムを含む20mM リン酸緩衝液(pH6.5)に試験化合物を溶解し、約50μg/mL(溶解しない場合は、溶解度付近)の濃度の溶液を調製した。この溶液を37℃にて1時間インキュベーションし、インキュベーション前後の化合物濃度を高速液体クロマトグラフィーにより定量し、残存率を算出した。
代表的な化合物の塩酸溶液(pH1.2)及び20mMリン酸緩衝液(pH6.5)における残存率を下記の表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
以上より、本発明化合物は、胃及び小腸の消化液を想定した溶液での安定性が良く、消化管ではプロドラッグ体で安定して存在することが想定できた。
試験例2:肝ミクロソームおける化合物(IV)の生成試験
本発明化合物(I)についてヒト及びサル肝ミクロソームにおける化合物(IV)の生成率試験は以下の方法に従って行った。比較対照として、化合物(IV)のエチルエステル(参考例1)を用いた。
試験化合物を、NADPH 生成系(0.16mM NADP+、2.4mM MgCl2、1.5mM glucose−6−phosphate)存在下、ヒト肝ミクロソーム(Ms)画分(Xenotech/H630B/lot.0810472)、またはサル肝Ms画分(BD Biosciences/452413/lot.94518)とともに69mMのKClを含有する0.250M リン酸緩衝液(pH7.4)中でインキュベートした(37℃,15分間)。試験化合物、肝Msタンパクの終濃度は、それぞれ3μM及び1mg protein/mLとした。インキュベート後の反応混液は、2倍容のDMSOを添加、攪拌したのち3000rpmで遠心分離した(4℃,10分間)。得られた上清は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)システムによる分析に供した。定量下限は、試験化合物、化合物(IV)ともに0.3μMであった。
代表的な化合物についてヒト及びサル肝ミクロソームにおける化合物(IV)の生成率の結果を下記の表4に示す。
【0070】
【表4】

【0071】
NT:試験せず
ヒト肝ミクロソームによる参考例1化合物から化合物(IV)への変換率は低く、ほぼ100%未変化体(参考例1)のままであった。一方、本発明化合物は、化合物(IV)への変換率が高く、ヒト肝ミクロソーム及びサル肝ミクロソームで変換が進行し、プロドラッグから親化合物への変換が想定できた。
試験例3:血清おける化合物(IV)の生成試験
本発明化合物(I)についてヒト及びサル血清における化合物(IV)の生成率試験は以下の方法に従って行った。比較対照として、化合物(IV)のエチルエステル(参考例1)を用いた。
試験化合物をヒトあるいはサルの血清に3μMとなるように添加し、37℃で所定時間インキュベートした。次いで、これらのインキュベート後のサンプル50μLに、内標準物質を含むアセトニトリル/メタノール混液200μLを加え攪拌したのち、遠心分離した(4℃,10分間)。得られた上清は、LC−MS/MS分析に供した。定量下限は、試験化合物、化合物(IV)ともに0.03μMであった。
代表的な化合物についてヒト及びサル血清における化合物(IV)の生成率の結果を下記の表5に示す。
【0072】
【表5】

【0073】
NT:試験せず
参考例1化合物はヒト血清による化合物(IV)への変換率が低かった。一方、本発明化合物は、化合物(IV)への変換率が高く、ヒト血清及びサル血清で変換が進行し、プロドラッグから親化合物への変換が想定できた。
試験例4:ヒト小腸S9における化合物(IV)の生成率試験
本発明化合物(I)についてヒト小腸S9における化合物(IV)の生成率試験は以下の方法に従って行った。
本発明化合物を、Mg2+(5mM)、Ca2+(5mM)、Zn2+(0.1mM)存在下、ヒト小腸S9画分(XenoTech、LLC/CP710571/Lot.710571)とともに0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中でインキュベートした(37℃,1時間)。本発明化合物、小腸S9タンパクの終濃度は、それぞれ3μM及び1mg protein/mLとした。インキュベート後の反応混液は、3倍容のDMSOを添加、攪拌したのち3000rpmで遠心分離した(4℃、10分間)。得られた上清は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)システムによる分析に供した。定量下限は、本発明化合物(I)、化合物(IV)ともに0.3μMであった。
分離カラムとしてWaters XBridge Amide(3.5μm、 50mmx4.6mm I.D.)、Waters Atlantis T3(3μm、50mmx4.6mm I.D.)またはShimadzu Shim−pack XR−ODS(2.2μm、30mmx3.0mm I.D.)を装着したLC−MS/MSシステムを測定に用いた。移動相には0.1%ギ酸/アセトニトリル溶液、または0.1%ギ酸/メタノール溶液(流速:0.7〜1.3mL/min)を用い、線形グラジエントモードで測定対象物を溶出した。本発明化合物(I)及び化合物(IV)のMS/MS検出は、TurboIonSprayインターフェースを装着したAPI4000またはTriple quad 5500システム(いずれもAB SCIEX社製)を用い、正または負イオン検出モードにて行った。
本発明化合物についてヒト小腸S9における化合物(IV)の生成率を下記の表6に示す。
【0074】
【表6】

【0075】
試験した本発明化合物(I)は、化合物(IV)への変換がヒト小腸S9で進行することが分かった。
試験例5:サルにおける化合物(IV)血漿中濃度の測定
化合物(IV)及び本発明化合物(I)の経口投与における化合物(IV)の血漿中濃度測定試験は以下の方法に従って行った。
化合物(IV)及び発明化合物(I)を雄性カニクイザル(飽食)に、4.92μmol/kgの用量で経口投与した(基剤:0.5%メチルセルロース(MC)液、投与容量5mL/kg)。
経口投与後2時間、及び4時間に橈側皮静脈より血液約0.7mLを採取した(抗凝固剤:EDTA−2K)。遠心分離(3000rpm、4℃、10分間)により得られた血漿は、分析に供するまで−80℃で凍結保存した。分析の際は,氷冷下で融解した血漿サンプル50μLに対し、内標準物質を含有するアセトニトリル/メタノール混液200μLを加え攪拌したのち、遠心分離し(4℃、10分間)、得られた上清をLC−MS/MS分析に供した。本発明化合物(I)及び化合物(IV)の定量下限は、それぞれ1ng/mL及び3ng/mLであった。
代表的な化合物の経口投与した後の、化合物(IV)の血漿中濃度の結果を下記の表7に示す。
【0076】
【表7】

【0077】
以上より、本発明化合物(I)は、化合物(IV)の経口投与時に比べ、化合物(IV)の血漿中濃度が飛躍的に向上した。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明化合物は、グループ2代謝型グルタミン酸受容体に対して強い作用を有する化合物(IV)のプロドラッグとして極めて有用であることが示された。従って、本発明化合物又はその医薬上許容される塩は、グループ2代謝型グルタミン酸受容体アゴニストによって調節される病気、例えば、統合失調症、不安障害及びその関連疾患、うつ病、双極性障害、てんかん等の精神神経疾患、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療又は予防薬として使用することが可能である。