特許第5979288号(P5979288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979288
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20160817BHJP
   G02B 7/28 20060101ALI20160817BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20160817BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   H04N5/232 A
   G02B7/28 N
   G03B13/36
   G03B17/00 X
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-137381(P2015-137381)
(22)【出願日】2015年7月9日
(62)【分割の表示】特願2012-277138(P2012-277138)の分割
【原出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-216678(P2015-216678A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松本 康佑
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−206552(JP,A)
【文献】 特開2010−097211(JP,A)
【文献】 特開2010−279054(JP,A)
【文献】 特開2006−308813(JP,A)
【文献】 特開2009−213123(JP,A)
【文献】 特開2011−191617(JP,A)
【文献】 特開2001−333316(JP,A)
【文献】 特開2012−195797(JP,A)
【文献】 特開2010−166519(JP,A)
【文献】 特開2010−128018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G02B 7/28
G03B 13/36
G03B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定して得られた被写体のフォーカス位置のうちの優先度の高い被写体のフォーカス位置を含む、前記撮像手段が有するレンズの被写界深度の広さに応じて、当該被写体のフォーカス位置とは異なる、撮影のためのフォーカス位置を決定する決定手段と、
を備えるとを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記測定手段により測定して得られた被写体のフォーカス位置が同等とみなされる領域数を計数する計数手段を更に備え、
前記決定手段は、前記計数された領域数が多い被写体のフォーカス位置を優先して前記撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記計数された領域数が同じである被写体の複数のフォーカス位置がある場合は、前記被写界深度の広い被写体のフォーカス位置を優先して前記撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記決定手段は、撮影モードに応じた被写体のフォーカス位置を優先して前記撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記撮影モードのうち、人物を撮影するモードでは、顔を検出し、検出した顔のフォーカス位置を優先して、前記撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記測定手段により測定して得られた被写体のフォーカス位置が同等とみなされる領域数を計数する計数手段を更に備え、
前記決定手段は、顔が複数検出された場合は、前記計数された領域数が多い顔のフォーカス位置を優先すること、
を特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記決定手段は、同じ被写体のフォーカス位置の領域の分布状況に応じた重み付けをした被写体のフォーカス位置を優先して前記撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記決定手段は、同じ被写体のフォーカス位置の領域が隣接している場合は、高い重み付けをすること、
を特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮影のためのフォーカス位置の数は、前記被写体のフォーカス位置の数よりも少ないこと、
を特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記決定手段により決定された撮影のためのフォーカス位置に基づいて、全焦点画像の生成に適する撮像画像が取得可能か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果を出力するように出力手段を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記決定手段は、全焦点画像を生成するための複数の撮影のためのフォーカス位置を決定し、
画像を合成する画像合成手段、を備え、
前記画像合成手段は、前記決定手段により決定された複数の撮影のためのフォーカス位置で撮影された画像を合成して全焦点画像を生成すること、
を特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
撮像手段を備える撮像装置で実行される撮像方法において、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定処理と、
前記測定処理により測定して得られた被写体のフォーカス位置のうちの優先度の高い被写体のフォーカス位置を含む、前記撮像手段が有するレンズの被写界深度の広さに応じて、当該被写体のフォーカス位置とは異なる、撮影のためのフォーカス位置を決定する決定処理と、
を含とを特徴とする撮像方法。
【請求項13】
撮像手段を備える撮像装置を制御するコンピュータに、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定機能、
前記測定機能により測定して得られた被写体のフォーカス位置のうちの優先度の高い被写体のフォーカス位置を含む、前記撮像手段が有するレンズの被写界深度の広さに応じて、当該被写体のフォーカス位置とは異なる、撮影のためのフォーカス位置を決定する決定機能と、
を実現させるとを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置は、後方から前方までの各被写体の全てに焦点を合わせた画像(以下、「全焦点画像」という)を撮像する場合、超深度レンズ(通称「虫の目レンズ」)といった特殊なレンズを使用している。
しかしながら、虫の目レンズは、全長が非常に長いため、携帯に不便である。
そのため、通常のレンズを搭載した撮像装置が、一回のシャッタ操作により、同一の構図の被写体を所定の複数のフォーカス位置でほぼ同時に複数撮影し、その結果得られる複数の撮像画像のデータを合成することによって、全焦点画像のデータを生成する技術が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−282152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、全焦点画像のデータの生成に用いる撮像画像は、同一の構図の被写体を所定の複数のフォーカス位置でほぼ同時に複数撮影しているために、撮影する領域の被写体を考慮せずに、撮影を行う。このため、全焦点画像のデータの生成に適さない撮像画像を取得してしまう等の問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、撮影する領域を考慮したフォーカス位置を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の撮像装置は、
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定して得られた被写体のフォーカス位置のうちの優先度の高い被写体のフォーカス位置を含む、前記撮像手段が有するレンズの被写界深度の広さに応じて、当該被写体のフォーカス位置とは異なる、撮影のためのフォーカス位置を決定する決定手段と、
を備えるとを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影する領域を考慮したフォーカス位置を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態におけるフォーカスブラケティング撮影の概要について説明する模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る撮像装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3図2の撮像装置の機能的構成のうち、全焦点画像生成処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4】撮影位置及び撮影枚数の決定の手法の具体例を示す模式図である。
図5】被写界深度の配置及び撮影位置の決定の手法の具体例を示す図である。
図6図1とは異なる撮影領域とした場合の撮影位置及び撮影枚数の決定の他の具体例を示す模式図である。
図7図3の機能的構成を有する図2の撮像装置が実行する全焦点画像生成処理の流れを説明するフローチャートである。
図8】頻度分布における重み付けの具体例について説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態における全焦点画像の生成は、フォーカスブラケティング撮影により複数の全焦点画像を構成する撮像画像を取得して、当該撮像画像を合成することにより行う。
ここで、「フォーカスブラケティング撮影」とは、撮像装置に搭載される入力手段であるシャッタボタンを一回押すだけで、任意の被写体にフォーカスが合った位置(所定のフォーカス位置)と、レンズの駆動手段を駆動調整してその前後にフォーカスをずらした位置(所定のフォーカス位置からずらしたフォーカス位置)との各々で複数枚の撮像画像を連写して撮像画像を取得する撮影手法である。
本実施形態においては、フォーカスブラケティング撮影は、所定の間隔でのフォーカス位置で撮像画像を撮影するのではなく、撮影領域に含まれる被写体の距離、即ち、被写体にフォーカスが合う位置を考慮して決定されたフォーカス位置で撮影する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるフォーカスブラケティング撮影の概要について説明する模式図である。なお、図1の例では、「公園」で「花」や「草」を撮影する場合について説明する。
【0012】
図1(a)に示すような撮影領域を撮影する場合、「公園」の景色をバックに手前に咲く「花」や「草」が含まれたものとなり、近くの「花」や「草」と、「花」や「草」の奥の「タイル」と、遠くの「木々」とが特定可能な被写体となる。
【0013】
図1(a)の例のような撮影領域での全焦点画像は、被写体として特定可能な「花」、「草」、「タイル」、「木々」にフォーカスがあっている画像であることが好ましい。
即ち、図1(b)に示すように、「花」にフォーカスが合った領域R1と、「草」にフォーカスが合った領域R2と、「タイル」にフォーカスが合った領域R3と、「木々」にフォーカスが合った領域R4のそれぞれの領域にフォーカスが合った撮像画像を全焦点画像とすることが望ましい。
【0014】
しかしながら、従来のフォーカスブラケティング撮影の場合は、撮影する状況に関係なく、フォーカスブラケティング撮影を行うように設定されていた。具体的には、従来の手法は、フォーカス位置を所定の間隔ずらして、所定の枚数の撮影を行っていた。そして、当該撮影により取得した撮像画像を合成して、全焦点画像を生成していた。
【0015】
このような従来の手法の場合、撮影対象に関わらず、所定のフォーカス位置で撮影を行うために、フォーカスが合っていない箇所があるような質の悪い全焦点画像を生成してしまったり、最悪の場合には、全焦点画像を生成できなかったりというような問題があった。
【0016】
しかしながら、本実施形態におけるフォーカスブラケティング撮影においては、図1(b)に示すように、撮像対象を考慮して、フォーカス位置及び撮影枚数を決定するために、質の高い全焦点画像を生成することができ、さらには、不要な撮影を行わなくて済むために、全焦点画像を生成の処理を高速化したり、画質が良く処理負担を軽減したりことができるようになる。
【0017】
次に、上述したようなフォーカスブラケティング撮影を行って、好適な全焦点画像の生成を行う機能を有する撮像装置について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、例えばデジタルカメラとして構成される。
【0018】
撮像装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0019】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0020】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0022】
撮像部16は、光学レンズ部41と、イメージセンサ42と、レンズ駆動部43と、を備えている。
【0023】
光学レンズ部41は、被写体を撮影するために、フォーカスレンズやズームレンズ等の各種レンズで構成される。
フォーカスレンズは、後述のレンズ駆動部43によって駆動され、後述のイメージセンサ42の受光面に被写体の像を結像させるレンズである。ズームレンズは、フォーカスの距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
【0024】
イメージセンサ42は、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部41から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。AFEは、各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。このような撮像部16の出力信号が撮像画像のデータとなる。撮像画像のデータは、CPU11等に適宜供給される。また、撮像画像のデータには、メタデータとして、撮像された順番の情報と、撮像された時点におけるフォーカス位置の情報とが付加される。なお、以下、特に断りのない限り、メタデータが付加された撮像画像のデータを、単に「撮像画像のデータ」と呼ぶ。
【0025】
レンズ駆動部43は、CPU11によるAF(Auto Focus)処理の結果に基づいて、光学レンズ部41のフォーカスレンズを駆動させ、フォーカス位置を変化させることで所定の被写体にフォーカスさせる。
このようなフォーカスの機構を有する撮像装置1では、撮影最短距離側方向、即ち、手前側の被写体にフォーカスを合わせての撮影と、無限遠方向、即ち、ピント調節が不要となるほどの遠い距離の対象を被写体とする撮影とが可能である。
また、レンズ駆動部43は、フォーカス位置を、AF処理によって決定された位置から変化させながら、順次フォーカス位置の異なる撮像を行うフォーカスブラケティング撮影が可能となるように駆動する。
【0026】
入力部17は、シャッタボタンを含む各種ボタン等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部20は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0027】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0028】
次に、撮像装置1の機能的構成のうち、全焦点画像生成処理を実行するための機能的構成について説明する。
「全焦点画像生成処理」とは、撮影領域の被写体を考慮して決定された撮影位置及び撮影枚数でフォーカスブラケティング撮影を行い、取得した複数の撮像画像のデータを合成して、撮影領域に含まれる複数の被写体にフォーカスが合った全焦点画像のデータを生成して出力するまでの一連の処理をいう。
図3は、撮像装置1の機能的構成のうち、全焦点画像生成処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
また、本実施形態の撮像装置1は、フォーカスブラケティング撮影と、フォーカスブラケティング撮影における撮影位置及び撮影枚数を決定するためのマルチエリアAF撮影を行う。ここで、「マルチエリアAF撮影」とは、撮像画像を複数のフォーカス領域に分割し、フォーカス領域毎に各フォーカス領域に含まれる被写体にフォーカスが合う距離を被写体フォーカス位置として検出する撮影手法である。被写体フォーカス位置は被写体にフォーカスが合う距離を値として表したもので、マクロ(例えば、「10cm」)から無限遠「∞」として表したものである。
なお、被写体フォーカス位置は、コントラストAF、位相差AFといったAFの方式やレンズの駆動方法等で測定されるものに限定されるものではなく、超音波等により、直接被写体までの距離を測定するものであってもよい。
【0029】
撮像装置1が全焦点画像生成処理を実行する場合には、図3に示すように、CPU11において、撮像制御部51と、撮像画像取得部52と、フォーカス情報取得部53と、頻度分布算出部54と、撮影位置決定部55と、撮影枚数決定部56と、画像合成部57と、が機能する。
【0030】
また、記憶部19の一領域として、撮像情報記憶部71と、撮影条件記憶部72と、合成画像記憶部73と、が設けられる。
【0031】
撮像情報記憶部71には、撮像部16から出力され撮像画像取得部52によって取得された撮像画像のデータが記憶される。詳細には、撮像情報記憶部71には、マルチエリアAF撮影で取得した撮像画像のデータと、フォーカスブラケティング撮影で取得した撮像画像のデータが記憶される。
また、撮像情報記憶部71には、撮像画像のデータの他に、フォーカス情報取得部53によって取得された撮像画像における各領域の被写体フォーカス位置の情報が記憶される。
【0032】
撮影条件記憶部72には、フォーカスブラケティング撮影における撮影条件が記憶される。具体的には、撮影条件記憶部72には、フォーカスブラケティング撮影における撮影条件として、フォーカスレンズの停止位置(以下、「撮影位置」という)と、当該撮影位置から算出される撮影枚数の撮影条件が記憶される。
また、撮影条件記憶部72には、レンズの被写界深度の特性等の撮影条件の設定に用いる情報が記憶されている。レンズの被写界深度の特性は、テーブルデータとして撮影条件記憶部72に記憶されている。
【0033】
合成画像記憶部73は、画像合成部57により撮像画像を画像合成した結果、生成される全焦点画像のデータを記憶する。
【0034】
撮像制御部51は、入力部17からの撮像に係る指示に基づいて、レンズ駆動部43等を含む撮像部16での撮像を制御する。具体的には、撮像制御部51は、入力部17のシャッタボタンに対して、半押し操作があった場合には、マルチエリアAF撮影の指示があったとして、マルチエリアAF撮影を行うようにレンズ駆動部43等を含む撮像部16を制御する。また、撮像制御部51は、入力部17のシャッタボタンに対して、全押し操作があった場合には、フォーカスブラケティング撮影の指示があったとして、フォーカスブラケティング撮影を行うようにレンズ駆動部43等を含む撮像部16を制御する。
【0035】
撮像画像取得部52は、マルチエリアAF撮影による撮影条件決定用の撮像画像のデータや、フォーカスブラケティング撮影による画像合成用(全焦点画像生成用)の撮像画像のデータを取得し、これらの撮像画像のデータを撮像情報記憶部71に記憶させる。
【0036】
フォーカス情報取得部53は、撮像画像取得部52による撮像画像の取得に際して、撮像画像の分割した領域の被写体フォーカス位置の情報を取得する。また、フォーカス情報取得部53は、被写体フォーカス位置のうち、最終的にフォーカスを合わせたフォーカス領域(以下、「AF領域」という)の情報も取得する。撮像画像取得部52は、これらの情報も取得した撮影条件決定用の撮像画像のデータに対応付けて撮像情報記憶部71に記憶させる。
【0037】
頻度分布算出部54は、撮像情報記憶部71に記憶されるフォーカス情報取得部53によって取得された撮像画像の全フォーカス領域の被写体フォーカス位置の情報に基づいて、マクロから無限遠までの間の被写体フォーカス位置の頻度の分布(以下「頻度分布」という)を計算する。頻度分布算出部54は、計算した頻度分布を撮影位置決定部55に出力する。
【0038】
撮影位置決定部55は、頻度分布算出部54により計算された頻度分布と、撮影条件記憶部72に記憶されレンズの被写界深度の特性に基づいて、撮影位置を決定する。撮影位置決定部55は、例えば、被写体フォーカス位置の頻度が多い被写体フォーカス位置を重点的に撮影位置とするように、撮影位置を決定する。このように撮影位置を決定することで、少なくとも主要な被写体に対してフォーカスが合った撮像画像を得ることができるようになる。撮影位置決定部55は、決定した撮影位置を撮影枚数決定部56に出力する。
【0039】
撮影枚数決定部56は、撮影位置決定部55により決定された撮影位置をカウントして、撮影枚数を決定する。即ち、撮影枚数決定部56は、例えば、決定された撮影位置が5箇所ある場合には、撮影枚数が5枚となる。
また、撮影枚数決定部56は、撮影位置決定部55により決定された撮影位置の情報と決定した撮影枚数の情報を撮影条件記憶部72に出力して、記憶させる。
【0040】
画像合成部57は、撮像情報記憶部71に記憶されるフォーカスブラケティング撮影によって取得した複数の撮像画像のデータを合成する。画像合成部57は、複数の撮像画像のフォーカスの領域を合成できればよく加算合成等の種々の手法を用いて合成画像である全焦点画像のデータを生成する。画像合成部57は、生成した全焦点画像のデータを合成画像記憶部73に記憶させる。
【0041】
ここで、撮影位置及び撮影枚数の決定の手法の詳細について説明する。
図4は、撮影位置及び撮影枚数の決定の手法の具体例を示す模式図である。なお、図4の例では、図1の撮影領域を撮影する場合を例として用いる。
【0042】
撮影位置及び撮影枚数の決定においては、図4(a)に示すようなマルチエリアAF撮影により、撮像画像の各フォーカス領域FRにおける被写体フォーカス位置を取得する。
本実施形態においては、フォーカス領域FRは、格子状に縦5×横5の領域に区画されて、撮像画像において合計25箇所のフォーカス領域FRに分割される。当該フォーカス領域FRの各々において、マクロから無限遠の間の被写体フォーカス位置が決定されることとなる。
なお、図4(a)において、実線で示す領域は、フォーカス領域FRのうち最終的にフォーカスを合わせた領域となるAF領域AFRであり、破線で示す領域は、フォーカス領域FRのうちAF領域AFRではないフォーカス領域FRを示している。
【0043】
本例の撮像画像における各フォーカス領域FRの被写体フォーカス位置は、「無限遠∞」,「3m」,「2m」,「1m」,「50cm」,「30cm」,「20cm」,「10cm」となっている。
このような撮像画像においては、図4(b)に示すように、「無限遠∞」が被写体フォーカス位置になっているフォーカス領域FRは、図1(b)の「木々」にフォーカスが合った領域R4に相当し、「3m」,「2m」及び「1m」が被写体フォーカス位置になっているフォーカス領域FRは、図1(b)の「タイル」にフォーカスが合った領域R3に相当し、「50cm」,「30cm」及び「20cm」が被写体フォーカス位置になっているフォーカス領域FRは、図1(b)の「草」にフォーカスが合った領域R2に相当し、「10cm」が被写体フォーカス位置になっているフォーカス領域FRは、図1(b)の「花」にフォーカスが合った領域R1に結果的に相当することとなり、実際の撮影対象と被写体フォーカス位置とが合致していることがわかる。
【0044】
次に、撮影位置及び撮影枚数の決定においては、頻度分布として、図4(b)に示すように、フォーカス領域FR毎に被写体フォーカス位置順に並べて、同一被写体フォーカス位置となるフォーカス領域FRは、重ねて頻度として表される。
【0045】
具体的には、頻度分布は、被写体フォーカス位置「10cm」は5箇所、被写体フォーカス位置「20cm」は1箇所、被写体フォーカス位置「30cm」は3箇所、被写体フォーカス位置「50cm」は1箇所、被写体フォーカス位置「1m」は3箇所、被写体フォーカス位置「2m」は1箇所、被写体フォーカス位置「3m」は2箇所、被写体フォーカス位置「無限遠∞」は9箇所となる。
【0046】
本実施形態においては、所定数(3箇所)以上の頻度がある被写体フォーカス位置は、撮影位置に重点的に設定されるピーク位置PKとなる。図4(b)の場合では、被写体フォーカス位置「10cm」,被写体フォーカス位置「30cm」,被写体フォーカス位置「1m」及び被写体フォーカス位置「無限遠∞」がピーク位置PK1乃至PK4となる(図4(c)参照)。
【0047】
このような頻度分布において、図4(c)に示すように、ピーク位置PK1乃至PK4を含む位置に被写界深度DOF1乃至DOF4が配置され、配置された被写界深度DOF1乃至DOF4の各々において、ピーク位置PK1乃至PK4及び他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に撮影位置SP1乃至SP4が決定されることとなる。なお、被写界深度の配置及び撮影位置の決定の手法については後述する。
【0048】
図4(c)の例においては、被写体フォーカス位置に応じて、4箇所が撮影位置として決定された。その結果、例えば、従来の手法のようにフォーカスブラケティング撮影を5枚の撮像する場合に比べて、撮影枚数を減らすことができる。撮影枚数を減らすことは、単に撮影の処理負担を減らすだけでなく、撮影時間を短縮することになり、撮影中の手振れに晒される時間を短くすることができ、より良質な撮像画像の取得に寄与することになる。また、枚数が少ないことで、画像の合成時間も短縮することができ、撮影時間の短縮と画像の合成時間の短縮の両面から最終的な全焦点画像の生成までに要する時間を短縮することができる。
【0049】
次に、被写界深度の配置及び撮影位置の決定の手法について説明する。
図5は、撮影時の絞り値における被写界深度の配置及び撮影位置の決定の手法の具体例を示す図である。なお、本実施形態におけるレンズの被写界深度の特性は、マクロ(Macro)から無限遠(∞)に行くに従って被写界深度の範囲が広くなるような特性を有する。
【0050】
まず、本実施形態においては、ピーク位置PK1乃至PK4のうち、最も頻度の多いピーク位置PK1の撮影位置を決定する。この場合、ピーク位置PK1を含んで、最も広い範囲をカバーする被写界深度である被写界深度DOF1を選択する。そして、当該被写界深度の範囲内に属するピーク位置PK1を重視し、かつ、被写界深度DOF1の範囲内に属する他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に、撮影位置SP1を決定する。
【0051】
次に、ピーク位置PK2乃至PK4のうち、次に頻度の多いピーク位置PK2の撮影位置を決定する。この場合、ピーク位置PK2を含んで、最も広い範囲をカバーする被写界深度である被写界深度DOF2を選択する。そして、当該被写界深度の範囲内に属するピーク位置PK2を重視し、かつ、被写界深度DOF2の範囲内に属する他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に、撮影位置SP2を決定する。
【0052】
次に、ピーク位置PK3及びPK4のうち、頻度の多いピーク位置の撮影位置を決定する。本例の場合では、ピーク位置PK3とピーク位置PK4の頻度が4箇所と同じである。頻度が同数の場合は、被写界深度が深い方の被写界深度に属するピーク位置の決定を優先的に行う。本例のレンズの被写界深度の特性は、被写体フォーカス位置が遠くなればなるほどフォーカスの範囲が広く被写界深度としては深くなるため、被写体フォーカス位置がピーク位置PK4よりも遠い位置のピーク位置PK3の決定をする。
ここでは、ピーク位置PK3を含んで、最も広い範囲をカバーする被写界深度の深い被写界深度DOF3を選択する。そして、当該被写界深度の範囲内に属するピーク位置PK3をカバーし、かつ、他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に、撮影位置SP3を決定する。
【0053】
最後に、ピーク位置PK3と頻度が同じで、被写界深度が浅い位置に属するピーク位置PK4を含んで、最も広い範囲をカバーする被写界深度の深い被写界深度DOF4を選択する。そして、当該被写界深度の範囲内に属するピーク位置PK4をカバーし、かつ、他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に、撮影位置SP4を決定する。
なお、所定のピーク位置PKを含むように選択した被写界深度DOFが他のピーク位置PKを含む場合には、所定のピーク位置PKのみを含む被写界深度DOFを再度選択する。そして、当該選択した被写界深度DOFの範囲内において、ピーク位置PKを重視し、かつ、属する他の被写体フォーカス位置をカバーできる位置に撮影位置SPを決定する。
【0054】
結果的に、本実施形態においては、ピーク位置PK1乃至PK4の頻度の多い(1)乃至(4)の順に4箇所の撮影位置を決定し、かつ、8箇所の全ての被写体フォーカス位置をカバーする位置に撮影位置が決定されることとなる。
なお、本例では、所定数(3箇所)以上の頻度がある被写体フォーカス位置をピーク位置として、撮影位置を決定する位置としたがこれに限られない。全ての被写体フォーカス位置について被写体フォーカス位置の頻度分布(例えば、頻度が多い順)に応じて撮影位置を決定してもよい。この場合には、上述したように撮影位置の判断をした被写体フォーカス位置を含み、さらに、被写界深度で他の被写体フォーカス位置をカバーできるように撮影位置を決定した場合には、当該カバーされた他の被写体フォーカス位置の撮影位置の判断を行わないように構成する。
【0055】
次に、上述した図1とは異なる撮影領域とした場合の撮影位置及び撮影枚数の決定の他の具体例について説明する。
図6は、図1とは異なる撮影領域とした場合の撮影位置及び撮影枚数の決定の他の具体例を示す模式図である。
【0056】
図6(a)の例では、図1(a)の場合とは異なり崖から海を撮影しようとするものであり、手前に「草」があり、遠くに「海」と「島」がありその先に地平線があり、地平線を挟んで「空」が広がっている。
【0057】
各フォーカス領域FRの被写体フォーカス位置は、図6(b)に示すように、「草」を含むフォーカス領域FRが「3m」となっており、それ以外の「海」,「島」及び「空」を含むフォーカス領域FRが「無限遠∞」となっている。なお、AF領域AFRは、被写体フォーカス位置「3m」の「草」を含むフォーカス領域FRである。
【0058】
各被写体フォーカス位置の頻度分布は、図6(c)に示すように、被写体フォーカス位置「3m」が5箇所で、被写体フォーカス位置「無限遠∞」が20箇所となっている。
【0059】
このような状態において、撮影位置の決定は、図6(d)に示すように、最も範囲の広い被写界深度DOFが選択される。
本例では、最も範囲の広い被写界深度DOFが選択されたことで、全ての被写体フォーカス位置をカバーすることになる。即ち。選択された被写界深度DOFで被写体フォーカス位置「3m」と被写体フォーカス位置「無限遠∞」をカバーする。
このため、撮影位置は、ピーク位置PKとなる被写体フォーカス位置「3m」と被写体フォーカス位置「無限遠∞」とが重視されるような位置に決定される。
結果として、図6(a)のような撮影領域では、過焦点位置のみの1箇所の撮影位置で、全焦点画像を生成することができることになる。
【0060】
このようにして、撮影場所によって、撮影位置と、撮影枚数を決定することができるために、全焦点画像を好適に生成することができる。
【0061】
次に、このような機能的構成を有する撮像装置1が実行する全焦点画像生成処理の流れについて説明する。
図7は、図3の機能的構成を有する図2の撮像装置1が実行する全焦点画像生成処理の流れを説明するフローチャートである。なお、図7のフローチャートでは、図1を撮影領域とした場合の例を説明する。
【0062】
全焦点画像生成処理は、ユーザが入力部17を用いて全焦点画像生成処理を実行する所定の操作をした場合、その操作を契機として開始される。
【0063】
ステップS11において、撮像制御部51は、ユーザからの入力部17のシャッタボタンへの半押しの操作を検出する。シャッタボタンへの半押し操作により、マルチエリアAF撮影が行われることとなる。
【0064】
ステップS12において、撮像制御部51は、マルチエリアAF撮影をするように撮像部16を制御する。これにより、撮像画像取得部52は、撮影条件決定用の撮像画像のデータを取得して、撮像情報記憶部71に記憶させる。そして、フォーカス情報取得部53は、取得した撮像画像におけるフォーカス領域FRの各々の被写体フォーカス位置も合わせて取得する。また、フォーカス情報取得部53は、最終的にフォーカスを合わせた領域(AF領域)の情報も取得する。フォーカス情報取得部53は、フォーカス領域の各々の被写体フォーカス位置やAF領域の情報を撮影条件決定用の撮像画像のデータに対応付けて撮像情報記憶部71に記憶させる。
撮像情報記憶部71には、例えば、図1(a)に示すような撮像画像と、図4(a)に示すような撮像画像のフォーカス領域の各々における被写体フォーカス位置及びAF領域の情報を記憶することになる。
【0065】
ステップS13において、頻度分布算出部54は、被写体フォーカス位置の頻度分布を計算する。即ち、頻度分布算出部54は、撮像情報記憶部71に記憶された各フォーカス領域の被写体フォーカス位置の情報に基づいて、被写体フォーカス位置の頻度分布を算出する。本実施形態においては、例えば、図4(b)に示すように、マクロ(Macro)から無限遠(∞)までの被写体フォーカス位置の頻度をカウントして被写体フォーカス位置毎に分布させる。
【0066】
ステップS14において、撮影位置決定部55及び撮影枚数決定部56は、各フォーカス位置の被写界深度と被写体フォーカス位置の頻度分布に基づいて、撮影位置と撮影枚数を決定する。
詳細には、撮影位置決定部55は、図4(c)に示すように、頻度分布算出部54により計算された所定数以上の被写体フォーカス位置であるピーク位置PK1乃至PK4の分布と、撮影条件記憶部72に記憶されるレンズの被写界深度の特性に基づいて、被写界深度DOFを選択して、当該被写界深度DOFに含まれるピーク位置PKを重視し、かつ、属する他の被写体フォーカス位置をカバーする位置に撮影位置SPを決定する。
そして、撮影枚数決定部56は、撮影位置決定部55により決定された撮影位置SP1乃至SP4の数をカウントして撮影枚数(4枚)を決定する。その後、撮影位置決定部55により決定された撮影位置の情報と決定した撮影枚数の情報は、撮影枚数決定部56から出力されて、撮影条件記憶部72に記憶される。
本例では、通常、5枚撮影する必要があるところを、4枚の撮影枚数で撮影することができるようになる。その結果、5枚撮影する場合に比べて、撮影時間が短くなり手振れ等の影響を受けることなく、かつ、画質が良く、合成の処理負担も減るために合成時間も短くすることができるために、全焦点画像の生成の時間を短くすることができる。
【0067】
ステップS15において、撮像制御部51は、ユーザからの入力部17のシャッタボタンへの全押しの操作を検出する。シャッタボタンへの全押し操作により、フォーカスブラケティング撮影が行われることとなる。
【0068】
ステップS16において、撮像制御部51は、撮像部16を制御してフォーカスブラケティング撮影をする。撮像制御部51は、撮影条件記憶部72に記憶される撮影条件の設定(撮影位置及び撮影枚数)に基づいて、設定される撮影位置での撮影を設定枚数分行うように撮像部16を制御する。その後、撮像画像取得部52は、フォーカスブラケティング撮影により撮像部16から出力される撮像画像のデータを取得して、撮像情報記憶部71に記憶させる。
【0069】
ステップS17において、画像合成部57は、決定された撮影条件(撮影位置及び撮影枚数)で撮影されて、撮像情報記憶部71に記憶されるフォーカスブラケティング撮影によって取得した撮像画像のデータを合成する処理(画像合成処理)をする。画像合成部57は、例えば、撮像画像のフォーカス位置近傍の画像を逐次合成して合成画像を生成する。その結果、1枚の全焦点画像のデータが生成される。その後、画像合成部57は、生成した全焦点画像のデータを合成画像記憶部73に記憶させる。これにより、全焦点画像生成処理は終了する。
【0070】
<変形例>
上述した実施形態においては、撮影領域に含まれる被写体の位置に応じて撮影位置と撮影枚数とを決定していた。
本例では、撮影領域に含まれる被写体がどのような被写体であるかを考慮して撮影位置と撮影枚数とを決定する。即ち、優先的にフォーカス位置を決定するように構成する。
【0071】
具体的には、想定される撮影対象に合わせた撮影モードを設ける。当該撮影モードでは、撮影対象に対応して、被写体フォーカス位置の頻度の重み付けを変更することにより、撮影対象に合わせて優先的にフォーカス位置(撮影位置)を決定することができる。
このような撮影モードに対応するフォーカス位置及び撮影枚数を決定するための重み付けの設定の情報は、撮像情報記憶部71に記憶される。そして、頻度分布算出部54において、当該重み付けを加味した被写体フォーカス位置の頻度分布が算出されることになる。
【0072】
図8は、頻度分布における重み付けの具体例について説明する模式図である。
撮影モードは、図8(a)に示すように、例えば、「風景」の撮影モード,「花」の撮影モード,「人物」の撮影モード,「自分撮り」の撮影モード,「中央重点測光」の撮影モード等のモードが設定される。ユーザは、これらの撮影モードのうち、撮影を行う予定の状況に合わせてモードを変更する。
【0073】
「風景」の撮影モードは、風景を撮影する場合に設定するモードであり、無限遠の被写体フォーカス位置に優先的に撮影位置が決定されるように重み付けが設定される。
【0074】
「花」の撮影モードは、花等を接写して撮影する場合に設定するモードであり、無限遠を除くマクロ端側の領域数が多い被写体フォーカス位置に優先的に撮影位置が決定されるように重み付けが設定される。
【0075】
「人物」の撮影モードは、人物を撮影する場合に設定するモードであり、被写体フォーカス位置の領域数によらず顔検出したフォーカス位置に優先的に撮影位置が決定されるように重み付けが設定される。なお、「人物」の撮影モードでは、複数の顔が検出された場合には、検出された顔の領域数が多い被写体フォーカス位置を優先する。
【0076】
「自分撮り」の撮影モードは、自分を撮影する場合に設定するモードであり、被写体フォーカス位置の領域数によらず顔検出したフォーカス位置に優先的に撮影位置が決定されるように重み付けが設定される。
【0077】
「中央重点測光」の撮影モードは、撮像画像の中央部に重点を置いて露出を決定した撮影をする場合に設定するモードであり、画像の中央のフォーカス位置に優先的に撮影位置が決定されるように重み付けが設定される。
【0078】
また、大抵の場合撮影領域の中央に主要被写体を位置させて撮影させる傾向が強いため、特に中央部を重視した重み付けを設定するように構成してもよい。この場合、図8(b)に示すように、例えば、中央部の被写体フォーカス位置FPの重み付けを高くし、中央から離れるほど重み付けを低くするように設定する。即ち、中央部の被写体フォーカス位置FPは4つ分のカウントがされ、その周囲の被写体フォーカス位置FPは、2つ分のカウントがされ、さらにその周囲は通常のカウントがされる。
【0079】
また、隣接する被写体フォーカス位置FPが同じ値を示す場合には、同一の被写体が含まれる場合が多いために、例えば、隣接した被写体フォーカス位置の数分の重み付けを設定するように構成してもよい。
この場合、図8(c)に示すように、「無限遠∞」は隣接する被写体フォーカス位置FPが10つあるため10つ分のカウントがされ、「10cm」は隣接する被写体フォーカス位置が6つあるため6つ分のカウントがされ、「30cm」は隣接する被写体フォーカス位置FPが3つあるため3つ分のカウントがされ、「1m」は隣接する被写体フォーカス位置FPが2つあるため2つ分のカウントがされる。それ以外の「2m」及び「3m」は隣接する被写体フォーカス位置FPがないために通常のカウントがされる。
【0080】
以上のような撮像装置1によれば、撮像部16と、フォーカス情報取得部53と、頻度分布算出部54と、撮影位置決定部55と、を備える。
フォーカス情報取得部53は、撮像部16により撮像された撮像画像の撮影画面を分割した複数の領域毎に被写体フォーカス位置を取得する。
頻度分布算出部54は、フォーカス情報取得部53により取得された各被写体フォーカス位置に対応する領域数を計数する。
撮影位置決定部55は、頻度分布算出部54により計数された各被写体フォーカス位置に対応する領域数に応じて、撮像部16の被写界深度に基づいた撮影位置(フォーカス停止位置,撮影のためのフォーカス位置)を決定する。
従って、撮像装置1においては、撮影領域に含まれる被写体を考慮したフォーカス位置の決定を行うことができる。なお、撮影領域に含まれる各被写体全体を考慮して、撮影のためのフォーカス位置を決定する場合には、撮影のためのフォーカス位置の数は、被写体フォーカス位置の数よりも少なくなる。
これにより、撮像装置1においては、全焦点画像に用いる撮像画像の取得のためのフォーカスブラケットの際の適切なフォーカス位置を決定することができる。
また、撮像装置1においては、当該決定を用いて、ユーザが撮像を行うか否かの判断の材料とすることができる。
【0081】
また、撮像装置1では、撮影位置決定部55により決定した撮影のためのフォーカス位置に応じてフォーカスブラケットの撮影枚数を決定する撮影枚数決定部56を備える。
これにより、撮像装置1においては、例えば、不要な撮影を減らすことができて全焦点画像の生成にかかる時間も短縮できる。
【0082】
また、撮影位置決定部55は、頻度分布算出部54により計数された被写体フォーカス位置を優先して、その被写体フォーカス位置に対応する撮影のためのフォーカス位置を決定する。
これにより、撮像装置1においては、高品質な全焦点画像の生成を行うことができる撮像画像を取得することが可能になる。
【0083】
撮影位置決定部55は、各被写体距離におけるフォーカス状態が所定状態となるように撮像部16の被写界深度の重なりを考慮して、複数の撮影のためのフォーカス位置を決定する。
これにより、撮像装置1においては、例えば、被写界深度が重複した位置でのフォーカス位置が決定されないために、不要な撮影を減らすことができて全焦点画像の生成にかかる時間も短縮できる。
【0084】
撮影位置決定部55は、撮影モードに応じて優先するフォーカス位置を決定する。
これにより、撮像装置1においては、予め分かる撮影の状況を考慮した撮影位置の決定が行えるために、より高品質な全焦点画像の生成に用いる撮像画像、即ち、適切な位置にフォーカス位置が決定されている撮像画像を取得することができる。
【0085】
撮影位置決定部55は、撮影モードのうち、人物を撮影するモードでは、顔を検出し、検出した顔のフォーカス位置を優先する。
これにより、撮像装置1においては、人物を撮影する場合に適して顔にフォーカスが合った撮像画像を取得することができ、高品質な全焦点画像を生成することができる。
【0086】
撮影位置決定部55は、顔が複数検出された場合は、領域数が多いフォーカス位置を優先する。
これにより、撮像装置1においては、複数の人物を撮影する場合により手前やより大きな顔にフォーカスが合った撮像画像を取得することができ、高品質な全焦点画像を生成することができる。
【0087】
撮影位置決定部55は、同じフォーカス位置の領域の分布状況に応じた重み付けをした被写体フォーカス位置を優先して、撮影のためのフォーカス位置を決定する。
これにより、撮像装置1においては、例えば、同じフォーカス位置の領域である場合には同一の被写体である場合が高いために、当該被写体を考慮した撮像画像を取得することができ、高品質な全焦点画像を生成することができる。
【0088】
撮影位置決定部55は、同じフォーカス位置の領域が隣接している場合は、高い重み付けをすること。
これにより、撮像装置1においては、同じフォーカス位置の領域が隣接しているときに同一の被写体である可能性が高いために、当該被写体を考慮した撮像画像を取得することができ、高品質な全焦点画像を生成することができる。
【0089】
また、撮像装置1は、画像を合成する画像合成部57と、を備える。
画像合成部57は、所定のフォーカスブラケットで撮影(フォーカスブラケティング撮影)された撮像画像を合成して全焦点画像を生成する。
これにより、撮像装置1においては、撮影領域の状態に応じたフォーカスブラケティング撮影を行うことができるため、例えば、不要な撮影を減らすことができて全焦点画像の生成にかかる時間も短縮できたり、適切な位置にフォーカス位置が決定されている撮像画像を取得して高品質な全焦点画像を生成できたりするようになる。
【0090】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0091】
上述の実施形態では、撮影位置決定部55は、全ての被写体フォーカス位置を考慮してフォーカス停止位置を決定したがこれに限られない。撮影位置決定部55は、例えば、閾値を設けて、所定数の被写体フォーカス位置以上の被写体フォーカス位置だけを考慮して撮影位置(フォーカス停止位置)を決定するように構成してもよい。
具体的には、撮影位置決定部55は、領域数の閾値を設け、閾値以上の領域でフォーカス位置を優先して撮影位置(フォーカス停止位置)を決定するように構成する。
これにより、撮像装置1においては、例えば、被写界深度が重複した位置でのフォーカス位置が決定されないために、不要な撮影を減らすことができて全焦点画像の生成にかかる時間も短縮できる。
【0092】
また、上述の実施形態では、被写体フォーカス位置の頻度を優先して、フォーカス停止位置である撮影位置を決定していたがこれに限られない。例えば、最も被写界深度の範囲が広い被写界深度に属するフォーカス位置の撮影位置を決定し、次に、AFされたフォーカス位置やユーザが任意に設定したフォーカス位置の撮影位置を決定し、その後、フォーカス位置の頻度に応じて撮影位置を決定するように構成してもよい。また、被写界深度の広いフォーカス位置を優先して撮影位置(フォーカス停止位置)を決定するように構成してもよい。
このように構成することにより、撮像装置1においては、例えば、被写界深度が重複した位置でのフォーカス位置が決定されないために、不要な撮影を減らすことができて全焦点画像の生成にかかる時間も短縮できる。
【0093】
また、上述の実施形態では、決定された撮影位置及び撮影枚数に基づいて、全焦点画像を生成するように構成したがこれに限られない。例えば、決定された撮影位置及び撮影枚数に基づいて、全焦点画像が生成可能か否かの判断結果を出力部18で表示出力させてユーザに報知するように構成してもよい。この場合、撮像画像から判断して全焦点画像が生成できない旨や、好適な全焦点画像が生成できる旨を報知する。
また、逐次取得されるライブビュー画像を全焦点画像の生成の判断に使用して、ライブビュー画像取得毎に全焦点画像の生成の判断を行うように構成してもよい。この場合、ユーザは、所定の方向に撮像装置を向けることで、全焦点画像の生成の判断(撮影位置及び撮影枚数の決定)が行われて、出力部18から判断結果が出力される。ユーザは、この判断の結果を受けて、全焦点画像生成処理の実行をするか否かの判断を行うことができる。また、判断結果が全焦点画像の生成ができないという結果である場合には、全焦点画像生成処理の実行しないことで不要な処理を実行しないでよくなる。
具体的には、撮影位置決定部55等により決定された撮影位置に基づいて、全焦点画像の生成に適する撮像画像が取得可能か否かを判断する判断手段を設け、さらに、判断手段の判断結果を報知出力するように出力部18を制御する出力制御手段を設けることで構成することができる。
これにより、現在の撮影予定の領域が全焦点画像に適している否かをユーザに放置することができる。
なお、出力部18における出力は、画面表示、音、ランプの点灯等で行うことができる。
【0094】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される撮像装置1は、デジタルカメラを例として説明したが、特にこれに限定されない。また、本発明は、撮像の機能を有さずに、外部で撮像された画像に基づいて全焦点画像生成処理を行う画像処理装置でも適用可能である。
例えば、本発明は、全焦点画像生成処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン(smartphone)、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0095】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0096】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0097】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0098】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0099】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0100】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定して得られた各被写体のフォーカス位置に対応する領域数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された各被写体のフォーカス位置に対応する領域数に応じて、前記撮像手段の被写界深度に基づいた撮影のためのフォーカス位置を決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
[付記2]
前記撮影のためのフォーカス位置の数は、前記被写体のフォーカス位置の数よりも少ないこと、
を特徴とする付記1に記載の撮像装置。
[付記3]
前記決定手段により決定した撮影のためのフォーカス位置に応じてフォーカスブラケットの撮影枚数を算出する算出手段を備えること、
を特徴とする付記1又は2に記載の撮像装置。
[付記4]
前記決定手段は、前記計数手段により計数された領域数が多い被写体のフォーカス位置を優先して、その被写体のフォーカス位置に対応する撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記1乃至3の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記5]
前記決定手段は、各被写体距離におけるフォーカス状態が所定状態となるように前記撮像手段の被写界深度の重なりを考慮して、複数の撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記6]
前記決定手段は、領域数の閾値を設け、閾値以上の領域の被写体のフォーカス位置を優先して撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記7]
前記決定手段は、被写界深度の広い被写体のフォーカス位置を優先して撮影のためのフォーカス位置決定すること、
を特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記8]
前記決定手段は、撮影モードに応じた被写体のフォーカス位置を優先して撮影ためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記1乃至7の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記9]
前記決定手段は、前記撮影モードのうち、人物を撮影するモードでは、顔を検出し、検出した顔のフォーカス位置を優先して、撮影ためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記8に記載の撮像装置。
[付記10]
前記決定手段は、顔が複数検出された場合は、領域数が多い顔のフォーカス位置を優先すること、
を特徴とする付記9に記載の撮像装置。
[付記11]
前記決定手段は、同じ被写体のフォーカス位置の領域の分布状況に応じた重み付けをした被写体のフォーカス位置を優先して撮影のためのフォーカス位置を決定すること、
を特徴とする付記1乃至10の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記12]
前記決定手段は、同じ被写体のフォーカス位置の領域が隣接している場合は、高い重み付けをすること、
を特徴とする付記11に記載の撮像装置。
[付記13]
前記決定手段により決定された撮影のためのフォーカス位置に基づいて、全焦点画像の生成に適する撮像画像が取得可能か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果を出力するように出力手段を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする付記1乃至12の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記14]
画像を合成する画像合成手段と、を備え、
前記画像合成手段は、所定のフォーカスブラケットで撮影された画像を合成して全焦点画像を生成すること、
を特徴とする付記1乃至13の何れか1つに記載の撮像装置。
[付記15]
撮像手段を備える撮像装置で実行される撮像方法において、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにより測定して得られた各被写体のフォーカス位置に対応する領域数を計数する計数ステップと、
前記計数ステップにより計数された各被写体のフォーカス位置に対応する領域数に応じて、前記撮像手段の被写界深度に基づいた撮影のためのフォーカス位置を決定する決定ステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。
[付記16]
撮像手段を備える撮像装置を制御するコンピュータを、
前記撮像手段により撮像された撮像画像を分割した複数の領域毎に被写体のフォーカス位置を測定する測定手段、
前記測定手段により測定して得られた各被写体のフォーカス位置に対応する領域数を計数する計数手段、
前記計数手段により計数された各被写体のフォーカス位置に対応する領域数に応じて、前記撮像手段の被写界深度に基づいた撮影のためのフォーカス位置を決定する決定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0101】
1・・・撮像装置,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・撮像部,17・・・入力部,18・・・出力部,19・・・記憶部,20・・・通信部,21・・・ドライブ,31・・・リムーバブルメディア,41・・・光学レンズ部,42・・・イメージセンサ,43・・・レンズ駆動部,51・・・撮像制御部,52・・・撮像画像取得部,53・・・フォーカス情報取得部,54・・・頻度分布算出部,55・・・撮影位置決定部,56・・・撮影枚数決定部,57・・・画像合成部,71・・・撮像情報記憶部,72・・・撮影条件記憶部,73・・・合成画像記憶部
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8