【実施例1】
【0010】
まず、構成を説明する。
実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)の構成を、「駆動システム構成」、「電源システム構成」、「制御システム構成」、「キャパシタ充放電制御の詳細構成」に分けて説明する。
【0011】
[駆動システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体を示す。以下、
図1に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の駆動システム構成を説明する。
【0012】
前記駆動システムとして、
図1に示すように、スタータモータ1(略称「M」)と、横置きエンジン2(略称「ICE」)と、第1クラッチ3(略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ4(略称「M/G」)と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギヤトレイン7と差動ギヤ8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10Lに駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
【0013】
前記スタータモータ1は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられたエンジン始動用ギヤに噛み合うギヤを持ち、後述するキャパシタ23を電源とし、エンジン始動時にクランク軸を回転駆動するクランキングモータである。
【0014】
前記横置きエンジン2は、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。
【0015】
前記第1クラッチ3は、横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との間に介装された油圧作動による乾式多板摩擦クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。
【0016】
前記モータ/ジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータ/ジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。
【0017】
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。実施例1の第2クラッチ5は、遊星ギヤによるベルト式無段変速機6の前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
【0018】
前記ベルト式無段変速機6は、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧によりベルトの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。このベルト式無段変速機6には、メインオイルポンプ14(メカ駆動)と、サブオイルポンプ15(モータ駆動)と、ポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧を元圧として第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧を作り出す図外のコントロールバルブユニットと、を有する。
【0019】
前記第1クラッチ3とモータ/ジェネレータ4と第2クラッチ5により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として、「EVモード」と「HEVモード」を有する。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。
【0020】
前記モータ/ジェネレータ4は、基本的にブレーキ操作時において回生動作を行うことに伴い、ブレーキ操作時にトータル制動トルクをコントロールする回生協調ブレーキユニット16を有する。この回生協調ブレーキユニット16は、ブレーキペダルと電動ブースタとマスタシリンダを備え、電動ブースタは、ブレーキ操作時、ペダル操作量にあらわれる要求制動力から回生制動力を差し引いた分を液圧制動力で分担するというように、回生分/液圧分の協調制御を行う。
【0021】
[電源システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示し、
図2はスタータ電源を中心とする電源システム構成を示す。以下、
図1及び
図2に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の電源システム構成を説明する。
【0022】
前記電源システムとしては、
図1に示すように、モータ/ジェネレータ電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷電源としての12Vバッテリ22と、スタータ電源としてのキャパシタ23と、を備えている。
【0023】
前記強電バッテリ21は、モータ/ジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルを積層したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリが用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、エアコン機能を持つバッテリ温度調整ユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
【0024】
前記強電バッテリ21とモータ/ジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックス28が内蔵され、さらに、暖房回路29と電動エアコン30と、力行/回生制御を行うモータコントローラ83と、が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータ/ジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータ/ジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。
【0025】
前記強電バッテリ21には、DCハーネス31を介して急速外部充電ポート32が接続されるとともに、DC分岐ハーネス25’と充電器33とACハーネス34とを介して普通外部充電ポート35が接続される。充電器33は、AC/DC変換や電圧変換を行う。急速外部充電時には、例えば、外出先等に設置されている充電スタンドのコネクタプラグを、急速外部充電ポート32に接続することで外部充電される(急速外部充電)。普通外部充電時には、例えば、家庭用電源からのコネクタプラグを、普通外部充電ポート35に接続することで外部充電される(普通外部充電)。
【0026】
前記12Vバッテリ22は、スタータモータ1を除いた他の補機類である12V系負荷36の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等で一般的に搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25”とDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
【0027】
前記キャパシタ23は、スタータモータ1の専用電源として搭載された蓄電デバイスであり、大きな静電容量を有し、急速充放電性能に優れた特徴を持つ電気二重層キャパシタ(eDLC:electric Double Layer Capacitor)と呼ばれるものが用いられる。補機負荷電源系39とキャパシタ23は、
図2に示すように、ヒューズ40を設けたバッテリ分岐ハーネス38’とキャパシタ充電回路41を介して接続される。また、キャパシタ23とスタータモータ1は、キャパシタハーネス42と抵抗43とリレースイッチ44を介して接続される。なお、キャパシタ23とキャパシタ充電回路41等によりDLCユニット45を構成し、スタータモータ1とリレースイッチ44等によりスタータユニット46を構成する。以下、DLCユニット45とスタータユニット46の詳しい構成を説明する。
【0028】
前記DLCユニット45は、
図2に示すように、キャパシタ23と、キャパシタ充電回路41と、自然放電用スイッチ47と、強制放電用スイッチ48と、セル電圧モニタ49と、キャパシタ温度センサ50と、を備えている。
【0029】
前記キャパシタ23は、複数個のDLCセルを直列/並列に接続して構成したもので、自然放電用スイッチ47と強制放電用スイッチ48とキャパシタ温度センサ50は、複数個のDLCセルの両端部に並列にて設けられる。また、セル電圧モニタ49は、複数個のDLCセルのそれぞれのセル電圧(=キャパシタ容量)を検出するように、各DLCセルに並列に設けられる。
【0030】
前記キャパシタ充電回路41は、スイッチング方式による半導体リレー内蔵のDC/DCコンバータ回路(スイッチング素子とチョークコイルとコンデンサとダイオードの組み合わせ回路)により構成される。このキャパシタ充電回路41は、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御される半導体リレー51とDC/DCコンバータ52を有する。半導体リレー51は、半導体スイッチング素子を使用した無接点リレーであり、例えば、
図2の左下部に概略を示すように、絶縁された入出力の空間を光の信号で伝達するフォトカプラと呼ばれる光半導体を用いた構成としている。この半導体リレー51は、補機負荷電源系38からキャパシタ23を切り離したり接続したりするスイッチ機能を持つ。DC/DCコンバータ52は、入力された直流をスイッチング素子によってパルス電流に細分し、それらを繋ぎ合わせて必要な電圧の直流出力を得ることで、12V直流を13.5V直流に変換する機能とキャパシタ充電電流を切り替える機能を持つ。
【0031】
前記スタータユニット46は、スタータモータ1と、リレースイッチ43と、電磁アクチュエータ53と、ピニオンシフト機構54と、を備えている。
【0032】
前記電磁アクチュエータ53は、2つのコイル55,56への通電による電磁力にて、リレースイッチ44をオンにするとともに、ピニオンシフト機構54のピニオン57をリングギヤ58と噛み合う位置までシフトさせる。通電遮断時は、リレースイッチ44をオフにするとともに、ピニオン57をリングギヤ58との噛み合いが解除された位置までシフトする。なお、リングギヤ58は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられる。補機負荷電源系39と2つのコイル55,56は、スータータカットオフリレー59とHEV/IS/リレー60とスタータリレー61を設けたバッテリ分岐ハーネス38”を介して接続される。スータータカットオフリレー59の通電/遮断は、ボディコントロールモジュール87により行われる。HEV/IS/リレー60の通電/遮断は、ハイブリッドコントロールモジュール81により行われる。スタータリレー61の通電/遮断は、アンダーフードスイッチングモジュール88により行われる。なお、バッテリ分岐ハーネス38”の交わる位置には、リレー診断用の電圧センサ62が設けられている。
【0033】
前記ピニオンシフト機構54は、スタータモータ1のモータ軸に対して軸方向移動可能に設けられたピニオン57と、一端側を電磁アクチュエータ53に接続し、他端側をピニオン57のシフト溝に嵌合させたシフトレバー63と、を有する。
【0034】
[制御システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示し、
図2はスタータ電源を中心とする電源システム構成を示し、
図3は制御システム構成を示す。以下、
図1〜
図3に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の制御システム構成を説明する。
【0035】
前記制御システムとしては、
図1〜
図3に示すように、車両全体の消費エネルギーを適切に管理する機能を担う統合制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。このハイブリッドコントロールモジュール81に接続される制御手段として、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、を有する。そして、データ通信モジュール85(略称:「DCM」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。さらに、ボディコントロールモジュール87(略称:「BCM」)と、アンダーフードスイッチングモジュール88(略称:「USM」)と、を有する。これらの制御手段は、ハイブリッドコントロールモジュール81とDLCユニット45を接続するLIN通信線89(LIN:「Local Interconnect Network」の略称)を除き、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続される。
【0036】
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、各制御手段、イグニッションスイッチ91、アクセル開度センサ92、車速センサ93等からの入力情報に基づき、様々な制御を行う。このうち、外部充電が可能なFFプラグインハイブリッド車両を高い燃費効率で走らせることを目的として行われる制御が、強電バッテリ21のバッテリSOCに基づく走行モード(「CDモード」、「CSモード」)の選択制御である。
【0037】
前記「CDモード(Charge Depleting mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を消費するEV走行を優先するモードであり、例えば、強電バッテリ21のバッテリSOCがフルSOCから設定SOCまで低下する間にて選択される。但し、EV走行では駆動力が不足する高負荷走行等において、例外的にHEV走行が行われる。この「CDモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を基本とし、モータ/ジェネレータ4による始動(M/G始動)を例外とする。
【0038】
前記「CSモード(Charge Sustain mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を維持するHEV走行を優先するモードであり、強電バッテリ21のバッテリSOCが設定SOC以下になると選択される。つまり、強電バッテリ21のバッテリSOCを所定範囲に維持する必要があるとき、横置きエンジン2の駆動によりモータ/ジェネレータ4を発電させるエンジン発電によるHEV走行を行う。この「CSモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、モータ/ジェネレータ4による始動(M/G始動)を基本とし、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を例外とする。なお、モード切り替え閾値である「設定SOC」は、CDモード→CSモードのときの閾値と、CSモード→CDモードのときの閾値との間でヒステリシスを持たせている。
【0039】
前記ハイブリッドコントロールモジュール81では、「CDモード」と「CSモード」の選択制御以外に、スタータモータ1によるエンジン始動制御、キャパシタ23への充電制御、キャパシタ23からの放電制御を行う。さらに、下記のようなスタータ始動関連制御を行う。
(A)エンジン始動後からスタータ始動許可までの時間短縮制御。
(B)イグニッションオンからスタータ始動許可までの時間短縮制御。
(C)キャパシタ23の劣化進行抑制制御(実施例1)。
(D)キャパシタ23の高温/低温時対策制御。
(E)車両用補機の電圧瞬低防止制御。
【0040】
前記エンジンコントロールモジュール82は、横置きエンジン2の燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御等を行う。モータコントローラ83は、インバータ26によるモータジェネレータ4の力行制御や回生制御等を行う。CVTコントロールユニット84は、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6の変速油圧制御等を行う。データ通信モジュール85は、携帯リモコンキーのスイッチを遠隔操作したとき、携帯リモコンキーとの間で通信が成立すると、例えば、充電ポートリッドやコネクタロック機構のロック/アンロックの制御を行う。リチウムバッテリコントローラ86は、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。ボディコントロールモジュール87は、スータータカットオフリレー59の通電/遮断制御を行う。アンダーフードスイッチングモジュール87は、インヒビタースイッチ94からのレンジ位置信号に基づき、内蔵するスタータリレー61の通電/遮断制御を行う。
【0041】
[キャパシタ充放電制御の詳細構成]
図4はハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるキャパシタ充放電制御処理流れを示す(キャパシタ充放電制御手段)。以下、キャパシタ充放電制御処理構成をあらわす
図4の各ステップについて説明する。
【0042】
ステップS1では、モータ/ジェネレータ4を駆動源とするEVモードが選択されるEV走行であるか否かを判断する。Yes(EV走行)の場合はステップS2へ進み、No(HEV走行)の場合は終了へ進む。
【0043】
ステップS2では、ステップS1でのEV走行であるとの判断に続き、
図5に示すエンジン始動領域マップを検索し、車速と要求駆動力(例えば、アクセル開度)による動作点が、エンジン始動領域マップ上でM/G始動領域Aに存在しているか否かを判断する。Yes(M/G始動領域Aに存在)の場合はステップS3へ進み、No(スタータ始動領域Bに存在)の場合はステップS6へ進む。
ここで、エンジン始動領域マップは、
図5に示すように、車速に対する最大モータ出力トルク特性によるEV領域からエンジンクランキング必要分トルクを差し引いた領域をM/G始動領域Aとして設定している。そして、車速に対する最大モータ出力トルク特性によるEV領域は、本来、全域がスタータ始動領域であるが、M/G始動領域を設定したことに伴いEV領域からM/G始動領域Aを差し引いた領域を、スタータ始動領域Bとして設定している(エンジン始動領域マップ設定手段)。
【0044】
ステップS3では、ステップS2でのM/G始動領域Aに存在しているとの判断に続き、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≦電圧b)の場合は終了へ進み、No(キャパシタ電圧>電圧b)の場合はステップS4へ進む。
ここで、「劣化が進行しない電圧b」としては、キャパシタ23の1セルあたり1V以下であれば劣化が進行しないことがわかったので、例えば、6セルを直列した場合、内部抵抗の増加による劣化の進行が抑えられる6.0Vに設定される。
【0045】
ステップS4では、ステップS3又はステップS5でのキャパシタ電圧>電圧bであるとの判断に続き、強制放電用スイッチ48を閉じてキャパシタ23を強制放電し、ステップS5へ進む。
ここで、キャパシタ強制放電は、例えば、通常の放電電流である電流3により行われる。
【0046】
ステップS5では、ステップS4でのキャパシタ強制放電に続き、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≦電圧b)の場合は終了へ進み、No(キャパシタ電圧>電圧b)の場合はステップS4へ戻る。
ここで、「劣化が進行しない電圧b」は、ステップS3と同じ電圧値が用いられる。
【0047】
ステップS6では、ステップS2でのスタータ始動領域Bに存在しているとの判断に続き、キャパシタ電圧が、スタータ始動許可電圧a以上であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≧スタータ始動許可電圧a)の場合は終了へ進み、No(キャパシタ電圧<スタータ始動許可電圧a)の場合はステップS7へ進む。
ここで、「スタータ始動許可電圧a」は、例えば、実施例1の満充電でキャパシタ電圧が13.5Vのキャパシタ23の場合、スタータ始動の所要時間が目標時間内になる12.5V程度に設定される。
【0048】
ステップS7では、ステップS6又はステップS8でのキャパシタ電圧<スタータ始動許可電圧aであるとの判断に続き、充電電流として、キャパシタ劣化を抑える通常の電流1(例えば、15A)を選択し、電流1によるキャパシタ23の再充電を行い、ステップS8へ進む。
【0049】
ステップS8では、ステップS7でのキャパシタ再充電に続き、キャパシタ電圧が、スタータ始動許可電圧a以上であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≧スタータ始動許可電圧a)の場合は終了へ進み、No(キャパシタ電圧<スタータ始動許可電圧a)の場合はステップS7へ戻る。
ここで、「スタータ始動許可電圧a」は、ステップS6と同じ値を用いる。
【0050】
次に、作用を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置における作用を、[キャパシタ電源回路構成による特徴作用]、[キャパシタ電源による充放電作用]、[EV走行時のキャパシタ充放電制御作用]に分けて説明する。
【0051】
[キャパシタ電源回路構成による特徴作用]
例えば、アイドルストップ車において、スタータモータの電源を12Vバッテリとする場合、電源回路構成は、実施例1のキャパシタ電源回路構成からDLCユニット45とヒューズ40を除いた構成とされ、これを比較例とする。
【0052】
この比較例の場合、スタータモータと車両補機類の電源を、1つの12Vバッテリにより共有するものとなる。このため、車両補機類での電力必要量が高い時、スタータモータによるエンジン始動を行うと、供給電力が不足し、エンジン始動開始の瞬間、車両補機類の電圧が急に低下する電圧瞬低が発生する。
【0053】
これに対し、実施例1では、強電バッテリ21と12Vバッテリ22を、DC/DCコンバータ37を介して接続することで補機負荷電源系39が構成される。DC/DCコンバータ37から分岐して接続されるキャパシタ充電回路41と、キャパシタ充電回路41に接続されるキャパシタ23と、を有してDLCユニット45が構成される。そして、補機負荷電源系39とDLCユニット45との間に、キャパシタ充電回路41に内蔵してスイッチとしての半導体リレー51を設けることで、キャパシタ電源回路が構成される。
【0054】
この構成により、強電バッテリ21からの電力にて12Vバッテリ22とキャパシタ23を充電しつつ、12Vバッテリ22から車両補機類である12V系負荷36に必要電力を供給し、キャパシタ23からスタータモータ1に必要電力を供給する。すなわち、スタータモータ1と12V系負荷36の電源を共有しないし、12Vバッテリ22とキャパシタ23による2つの電源は、強電バッテリ21による充電バックアップを受ける。
【0055】
そして、比較例であるアイドルストップ車の電源回路構成を変更することなく、DLCユニット45(キャパシタ充電回路41+キャパシタ23)を追加することでキャパシタ電源回路が構成される。このように、補機類の追加と同じ要領でDLCユニット45を追加できるため、強電バッテリ21とDC/DCコンバータ37の制御は、比較例の制御から変更する必要がない。
【0056】
さらに、補機負荷電源系39の充放電バランスが崩れそうな場合、DLCユニット45(キャパシタ充電回路41+キャパシタ23)は、充電電流を制御可能で、かつ、スイッチである半導体リレー51により補機負荷電源系39と切り離し可能である。このため、スタータ始動時に半導体リレー51を開いておくことで、車両補機類の電圧が急に低下する電圧瞬低を防止できる。加えて、DC/DCコンバータ37のコンバータ容量や12Vバッテリ22のバッテリ容量を、比較例で設定したコンバータ容量やバッテリ容量から変更する必要がない。
【0057】
[キャパシタ電源による充放電作用]
上記キャパシタ電源回路に対しハイブリッドコントロールモジュール81により行われる「スタータモータ1によるエンジン始動制御作用」、「キャパシタ23への充電制御作用」、「キャパシタ23からの放電制御作用」を説明する。
【0058】
スタータモータ1によるエンジン始動は、ハイブリッドコントロールモジュール81からのスタータ始動指令の出力に基づき、HEV/IS/リレー60に通電すると、リレースイッチ44がオンになり、ピニオン57がリングギヤ58と噛み合う位置までシフトする。これにより、キャパシタ23を電源とするスタータモータ1が横置きエンジン2のクランク軸を回転させることでスタータ始動が行われ、通電から所定時間後にHEV/IS/リレー60を遮断する。なお、スータータカットオフリレー59は、エンジン始動を禁止する車両条件が成立する場合を除いて、ボディコントロールモジュール87により通電が維持されている。また、アンダーフードスイッチングモジュール88に内蔵されているスタータリレー61は、Pレンジの選択時に限り通電され、Pレンジ以外のDレンジ等の選択時においては遮断状態である。
したがって、スタータモータ1によるエンジン始動制御は、原則として、スタータ始動許可条件下でのスタータ始動指令によりHEV/IS/リレー60が通電されている間、キャパシタ23の電力を用いてスタータモータ1が駆動し、横置きエンジン2を始動させる(スタータ始動制御手段)。
なお、横置きエンジン2の始動には、強電バッテリ21を電源とするモータ/ジェネレータ4を用い、横置きエンジン2をクランキングしてM/G始動する制御がある。このM/G始動制御では、第2クラッチ5をスリップ締結状態とし、第1クラッチ3を徐々に締結していくことで、モータ/ジェネレータ4をスタータモータとし、横置きエンジン2をクランキングする(M/G始動制御手段)。
【0059】
キャパシタ23への充電は、ハイブリッドコントロールモジュール81からの充電指令の出力に基づき、キャパシタ充電回路41の半導体リレー51を閉とし、キャパシタ充電電流を選択する。これにより、強電バッテリ21からの電力を、DC/DCコンバータ37→ヒューズ40→半導体リレー51→DC/DCコンバータ52を介してキャパシタ23へ導入することで、キャパシタ充電電流に応じた短時間充電が行われる。なお、キャパシタ充電電流としては、電流1(例えば、15A)を基本電流とし、例外として、電流1からの変更により選択可能な電流2(例えば、20A)を有する。
したがって、キャパシタ23への充電制御は、充電指令が出力されている間、強電バッテリ21からの電力を用い、選択されているキャパシタ充電電流によりキャパシタ23を充電する。
【0060】
キャパシタ23からの放電は、ハイブリッドコントロールモジュール81からの自然放電指令の出力に基づき、DLCユニット45の自然放電用スイッチ47を閉とすることで、キャパシタ23からの自然放電を行う。また、ハイブリッドコントロールモジュール81からの強制放電指令の出力に基づき、DLCユニット45の強制放電用スイッチ48を閉とすることで、キャパシタ23からの強制放電を行う。この強制放電の場合、単位時間当たりの放電量が自然放電の場合よりも大きく設定されている。
したがって、キャパシタ23への強制放電制御は、強制放電指令に基づいて強制放電用スイッチ48を閉としている間、キャパシタ23の電力を抵抗熱に変換し、自然放電よりも短時間にて放電を行う。なお、キャパシタ放電電流としては、電流3を基本電流とし、例外として、電流3より大きい電流4を有する。
したがって、キャパシタ23への強制放電制御は、放電指令が出力されている間、強電バッテリ21から、選択されているキャパシタ放電電流により放電する。
【0061】
[EV走行時のキャパシタ充放電制御作用]
上記のように、1モータ・2クラッチの駆動システムの場合、駆動モードとして「EVモード」と「HEVモード」の何れかが選択される。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードである。一方、「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードである。
【0062】
そして、「EVモード」から「HEVモード」へモード遷移するとき、過渡期において、横置きエンジン2を始動される。このエンジン始動の方法として、上記のように、スタータモータ1により横置きエンジン2を始動させる「スタータ始動」と、モータ/ジェネレータ4により横置きエンジン2を始動させる「M/G始動」と、の2つの方法がある。
【0063】
そこで、駆動モードとしてEVモードとHEVモードの何れかが選択されるハイブリッド車両の特徴である駆動モード情報とエンジン始動情報を用い、EVモードの選択時にキャパシタ充電量(=キャパシタ電圧)を管理するのが、実施例1のキャパシタ充放電制御である。
【0064】
すなわち、キャパシタ23を電源とするスタータ始動によって、モータ/ジェネレータ4のM/Gトルクを、全てEV走行に振り向けることができる。しかし、M/G始動が可能な領域では、モータ/ジェネレータ4を用い、横置きエンジン2をクランキングにより始動できるので、スタータ始動を用いる必要が無い。そして、スタータ始動を用いる場合、スタータ始動要求に備えてキャパシタ23の満充電状態を維持し続けると、内部抵抗が増大し、キャパシタ劣化が進行する。
【0065】
そこで、車速と要求駆動力による動作点がM/G始動領域Aから外れてスタータ始動領域Bに入らない限り、キャパシタ電圧を、劣化が進行しない電圧b以下に維持しておくことで、キャパシタ23の劣化進行を抑えることを優先できる。したがって、EVモードの選択時、動作点がM/G始動領域Aに存在するとき、キャパシタ劣化防止を優先し、動作点がM/G始動領域Aから外れたときに限り、スタータ始動を優先する。以下、
図4に基づき、これを反映して行われるEV走行時のキャパシタ充放電制御作用を説明する。
【0066】
まず、EV走行時であって、動作点がM/G始動領域Aに存在し、かつ、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下であるときには、
図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→終了へと進む流れが繰り返される。また、動作点がスタータ始動領域BからM/G始動領域Aに入ってきて、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bより高いときには、
図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む。そして、ステップS5にてキャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bより高いと判断されている間、ステップS4→ステップS5へと進む流れが繰り返され、ステップS4にてキャパシタ強制放電が行われる。すなわち、動作点がM/G始動領域Aに入ってきたらキャパシタ強制放電され、動作点がM/G始動領域Aに存在するときには、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下に維持される。
【0067】
一方、EV走行時であって、動作点がスタータ始動領域Bに存在し、かつ、キャパシタ電圧がスタータ始動許可電圧a以上であるときには、
図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6→終了へと進む流れが繰り返される。また、動作点がM/G始動領域Aからスタータ始動領域Bに入ってきて、キャパシタ電圧がスタータ始動許可電圧a未満であるときには、
図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む。そして、ステップS8にてキャパシタ電圧がスタータ始動許可電圧a未満と判断されている間、ステップS7→ステップS8へと進む流れが繰り返され、ステップS7にてキャパシタ再充電が行われる。すなわち、動作点がスタータ始動領域Bに入ってきたらキャパシタ再充電され、動作点がスタータ始動領域Bに存在するときには、キャパシタ電圧が、スタータ始動許可電圧a以上に維持される。
【0068】
上記のように、実施例1では、EVモードの選択時、車速と要求駆動力による動作点がM/G始動領域Aに存在するとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下に維持し、車速と要求駆動力による動作点がM/G始動領域Aから外れたとき、キャパシタ電圧をスタータ始動許可電圧a以上まで再充電する構成を採用している(
図4のステップS1〜ステップS8)。
すなわち、EVモードの選択時、動作点がM/G始動領域Aに存在するとき、劣化防止を優先し、動作点がM/G始動領域から外れたとき、素早くスタータ始動に備えるスタータ始動を優先するようにしている。
この結果、EVモードの選択時、M/G始動又はスタータ始動によるエンジン始動を確保しながら、キャパシタ23の劣化進行を抑制することができる。
【0069】
実施例1では、車速と要求駆動力による動作点がM/G始動領域Aから外れたスタータ始動領域Bに存在するとき、スタータ始動許可電圧a以上のキャパシタ電圧を維持する構成を採用している(
図4のステップS6〜ステップS8)。
すなわち、スタータ始動領域Bに存在するときには、スタータ始動を優先するキャパシタ電圧(スタータ始動許可電圧a以上)を維持している。
したがって、EV走行中にスタータ始動領域Bに存在するとき、スタータ始動要求に応答良く対応して横置きエンジン2を始動することができる。
【0070】
実施例1では、車速と要求駆動力による動作点がM/G始動領域Aへ入ったとき、キャパシタ電圧を、スタータ始動許可電圧a以上から劣化が進行しない電圧b以下になるまで強制放電する構成を採用している(
図4のステップS3〜S5)。
すなわち、スタータ始動許可電圧a以上から劣化が進行しない電圧b以下までは、キャパシタ電圧の乖離幅が大きくなり、自然放電によりキャパシタ電圧が低下するまで待つと長時間を要する。
これに対し、動作点がM/G始動領域Aへ入ったことで、キャパシタ電圧を、スタータ始動許可電圧a以上から劣化が進行しない電圧b以下まで低下させる際、強制放電を用いた。このため、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下まで早期に低下し、キャパシタ劣化の進行をより抑えることができる。
【0071】
次に、効果を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0072】
(1) 駆動系にスタータモータ1とエンジン(横置きエンジン2)とモータ/ジェネレータ4を有し、
電源システムとして、前記モータ/ジェネレータ4の電源である強電バッテリ21と、前記スタータモータ1の電源であるキャパシタ23と、前記キャパシタ23の充放電を制御するキャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、を備えたハイブリッド車両(FFプラグインハイブリッド車両)の制御装置において、
前記キャパシタ23を電源とするスタータモータ1を用い、前記エンジン(横置きエンジン2)をクランキングしてスタータ始動するスタータ始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、
前記強電バッテリ21を電源とするモータ/ジェネレータ4を用い、前記エンジン(横置きエンジン2)をクランキングしてM/G始動するM/G始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、
前記モータ/ジェネレータ4を駆動源とするEVモードの選択時、車速に対する最大モータ出力トルク特性によるEV領域からエンジンクランキング必要分トルクを差し引いた領域をM/G始動領域Aとするエンジン始動領域マップを設定するエンジン始動領域マップ設定手段(
図5)と、を設け、
前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、EVモードの選択時、車速と要求駆動力による動作点が前記M/G始動領域Aに存在するとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下に維持し、車速と要求駆動力による動作点が前記M/G始動領域Aから外れたとき、キャパシタ電圧をスタータ始動許可電圧a以上まで再充電する(
図4)。
このため、EVモードの選択時、横置きエンジン2のエンジン始動を確保しながら、キャパシタ23の劣化進行を抑制することができる。加えて、必要なときにだけキャパシタ23を充電するため、12V系電源の充放電バランスに余裕ができる。
【0073】
(2) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、車速と要求駆動力による動作点が前記M/G始動領域Aから外れたスタータ始動領域Bに存在するとき、スタータ始動許可電圧a以上のキャパシタ電圧を維持する(
図4)。
このため、(1)の効果に加え、EV走行中にスタータ始動領域Bに存在するとき、スタータ始動要求に応答良く対応して横置きエンジン2を始動することができる。
【0074】
(3) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、車速と要求駆動力による動作点が前記M/G始動領域Aへ入ったとき、キャパシタ電圧を、スタータ始動許可電圧a以上から劣化が進行しない電圧b以下になるまで強制放電する(
図4)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、動作点がM/G始動領域Aへ入ったとき、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧b以下まで早期に低下し、キャパシタ劣化の進行をより抑えることができる。
【0075】
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0076】
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、EVモードの選択時、動作点がM/G始動領域Aに存在するとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下に維持し、動作点がM/G始動領域Aから外れたとき、キャパシタ電圧をスタータ始動許可電圧a以上まで再充電する例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、EVモードの選択時、動作点がM/G始動領域Aに存在するとき、0Vのキャパシタ電圧を維持する例としても良い。また、動作点がM/G始動領域Aから外れたとき、キャパシタ電圧を、満充電まで再充電する例としても良い。
【0077】
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、走行モード情報とキャパシタ電圧情報を用いて再充電や強制放電の制御を行う例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、キャパシタ電圧情報の代わりにキャパシタ容量情報を用いて再充電や強制放電の制御を行う例としても良い。つまり、キャパシタ容量をQ、静電容量をC、キャパシタ電圧をVとすると、Q=C・Vであらわされ、静電容量Cが一定であると、キャパシタ容量Qは、キャパシタ電圧Vに比例することで、キャパシタ電圧情報の代わりにキャパシタ容量情報を用いても等価制御になる。
【0078】
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81を用いる例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、独立に設けた電源系コントローラを用いても良いし、また、ハイブリッドコントロールモジュール以外のコントローラに、電源系のキャパシタ充放電制御部を設けるような例としても良い。
【0079】
実施例1では、本発明の制御装置をFFプラグインハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、FFプラグインハイブリッド車両に限らず、強電バッテリへの外部充電機能を持たないFFハイブリッド車両やFRハイブリッド車両や4WDハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、スタータ電源としてキャパシタを備え、エンジン始動方法として、スタータ始動とM/G始動が可能なハイブリッド車両であれば適用できる。