特許第5979372号(P5979372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979372
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】携帯型水素水製造コップ
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/46 20060101AFI20160817BHJP
   C25B 1/04 20060101ALI20160817BHJP
   C25B 9/00 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   C02F1/46 Z
   C25B1/04
   C25B9/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-232300(P2012-232300)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-83476(P2014-83476A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】515090411
【氏名又は名称】株式会社 オーゾラ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】藤原 昭信
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−111356(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175997(JP,U)
【文献】 特表2007−508918(JP,A)
【文献】 特開2012−217868(JP,A)
【文献】 特開2000−237054(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/139019(WO,A1)
【文献】 中国実用新案第202529893(CN,U)
【文献】 中国実用新案第201842682(CN,U)
【文献】 実開昭58−137383(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46 − 1/48
C25B 1/04
C25B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を入れるコップと、該コップを載置するコースタと、前記コップ内の水から水素水を製造するために前記コップ内の底部に上下方向に所定の隙間を隔てて配設された円板状の陽極及び陰極からなる電極と、前記コップの外底部に設けられ、前記電極に通電するための通電端子と、前記コースタの上面に設けられ、前記通電端子に接して電気を供給する給電端子と、前記コースタの側部に設けられ、前記給電端子を電源に接続するための電源接続端子とを備え
前記コースタが、前記コップの上端部に装着可能な蓋を兼ねていることを特徴とする携帯型水素水製造コップ。
【請求項2】
前記コップが、上端部及び下端部が開放されているガラス製のコップ本体と、該コップ本体の下端部に気密部材を介して着脱可能に取付けられる底蓋部材とを有し、該底蓋部材に前記電極が設けられている請求項1記載の携帯型水素水製造コップ。
【請求項3】
前記コースタには水を入れた前記コップを載せたときに、その荷重によりオン操作されて前記給電端子に給電し、前記コップを取り除いたときにオフ操作されるスイッチを有する基板が設けられている請求項1記載の携帯型水素水製造コップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、どこでも手軽に水素水を製造して飲むことができる携帯型水素水製造コップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
体内の活性酸素を中和して病気の治療、健康の増進あるいは体質の改善等を図るために、体内に水素を取り込むことが有効とされている。この水素を体内に取り込むために、飲料水に水素を溶存させて成る水素水が注目されており、水素水が充填されたペットボトル等も市販されている。また、水素水製造装置(特許文献1参照)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−105289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ペットボトルに充填された水素水は、時間の経過と共に水素が分離してしまうため、製造直後の水素水でないと、十分な効能を期待することができなかった。
【0005】
また、特許文献1に記載された水素水製造装置においては、電気分解槽内に陽極と陰極から成るメッシュ状電極を対向して組み込むと共にこの対向する陽極と陰極間にメッシュ状セパレータを配置して構成されるものであることから、装置の大型化を余儀なくされ、どこでも手軽に水素水を製造して飲むことは困難であった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、どこでも手軽に水素水を製造して飲むことができる携帯型水素水製造コップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち、請求項1に係る発明は、水を入れるコップと、該コップを載置するコースタと、前記コップ内の水から水素水を製造するためにコップ内の底部に上下方向に所定の隙間を隔てて配設された円板状の陽極及び陰極からなる電極と、前記コップの外底部に設けられ、前記電極に通電するための通電端子と、前記コースタの上面に設けられ、前記通電端子に接して電気を供給する給電端子と、前記コースタの側部に設けられ、前記給電端子を電源に接続するための電源接続端子とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記コースタが、前記コップの上端部に装着可能な蓋を兼ねていることが好ましい。
【0009】
前記コップが、上端部及び下端部が開放されているガラス製のコップ本体と、該コップ本体の下端部に気密部材を介して着脱可能に取付けられる底蓋部材とを有し、該底蓋部材に前記電極が設けられていることが好ましい。
【0010】
前記コースタには水を入れたコップを載せたときに、その荷重によりオン操作されて給電端子に給電し、コップを取り除いたときにオフ操作されるスイッチを有する基板が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、どこでも手軽に水素水を製造して飲むことができる携帯型水素水製造コップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る携帯型水素水製造コップの一例を示す斜視図である。
図2】コースタをコップの上端部に蓋として装着した例を示す斜視図である。
図3】本発明に係る携帯型水素水製造コップの一例を示す要部拡大断面図である。
図4】トレイ部からコップを取り外した状態を示す断面図である。
図5】電池内蔵ACアダプタを示す図で、(a)は側面、(b)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図1図5を用いて詳細に説明する。
【0014】
図1ないし図2に示すように、携帯型水素水製造コップ1は、水を入れるコップ2と、このコップ2を載置するコースタ30とを備えている。コップ2内に入れた水から水素水を製造するために、コップ2内の底部には、図3ないし図4に示すように円板状の陽極(陽極板)3及び陰極(陰極板)4からなる電極5が上下方向に所定の隙間を隔てて設けられている。図示例では、上側に陰極4が、下側に陽極3が配置されている。
【0015】
陽極3としては例えば白金メッキを施したものが用いられる。陰極4としては例えばイリジウムメッキを施したものが用いられる。陰極4と陽極3との間には所定の隙間例えば1.5mmの隙間が設けられる。また、陽極3及び陰極4の中心部に取付孔6,7が設けられている。実施例の場合、陰極4が上に、陽極3が下に配置されているため、陽極3の取付孔6の方が陰極4の取付孔7よりも大きい口径とされている。
【0016】
コップ2は、上端部及び下端部が開放されているガラス製のコップ本体2aと、コップ本体2aの下端に気密部材8を介して着脱可能に取付けられる合成樹脂製の底蓋部材9とを有し、この底蓋部材9に電極5が設けられている。コップ本体2aの下端開口部2xは、上端開口部2yよりも小径の筒状に形成されており、この下端開口部2xの外周には雄ネジ部10が形成されている。
【0017】
一方、底蓋部材9は、コップ本体2aの下端開口部を覆う底板部9aと、この底板部9aの上面から立ち上がった円筒部9bとを有し、この円筒部9bの内周には筒状の下端開口部2xの外周の雄ネジ部10に螺合する雌ネジ部11が形成されている。底蓋部材9の内面にはコップ本体2aの下部開口端2xを気密に塞ぐ気密部材(パッキン)8が設けられている。コップ本体2aの容積は、例えば180〜200ccとされている。
【0018】
底蓋部材9は、中央部に上方へ突出したボス部12を一体的に有し、ボス部12の先端部の外周部には陽極3の取付孔6に嵌合して陽極3を所定の高さに位置決めする段部13が設けられている。ボス部12を含む底蓋部材9の中心部には軸孔14が形成され、この軸孔14には、下端にフランジ部15aを有し且つ上端にネジ孔15bを有する一方の通電端子15が下方から嵌合されている。通電端子15の先端部(上端部)はボス部12の先端部(上端部)に達している。
【0019】
この通電端子15の先端部に陰極4の中心部が載置され、取付ネジ16をネジ孔15bに螺着することで陰極4が固定されている。陽極4が上方に移動したりして、陽極3と陰極4が接触してショートを起こすことがないようにするために、陰極4と陽極3との間には絶縁部材として合成樹脂製のスペーサ17が設けられている。
【0020】
また、ボス部12から半径方向に離れた底蓋部材9に形成された軸孔18には下端にフランジ部19aを有し、上端にネジ孔19bを有する他方の通電端子19が下方から嵌合されて上方に突出した状態に固定され、この通電端子19の上端部には陽極3の周辺部の一部が取付ネジ21で固定されている。なお、陰極4には取付ネジ21の頭部が接触するのを回避するための孔部22が設けられ、この孔部22には絶縁部材23が充填されている。
【0021】
通電端子15,19の下端部は底蓋部材9の外底面よりも突出している。底蓋部材9の下面中央領域には、後述する給電端子33,34を収容可能な凹部24が形成されている。コップ本体2aと底蓋部材9の連結部の外周には、例えばステンレス製の板材からなる装飾リング25が装着されている。
【0022】
一方、コースタ30は、有底円筒状のコースタ本体31と、コースタ本体31の上部を覆うように設けられた天板部32とを有している。天板部32には、その中央部に中央の通電端子15に接触する陰極の給電端子33が設けられ、その陰極の給電端子33を囲むようにして陽極の通電端子19に接触する環状の陽極の給電端子34が設けられている。
【0023】
コースタ30の天板部32の上面には、陽極の給電端子34の外周側に環状の凹部35が形成されており、この凹部35にコップ2の底蓋部材9の底板部9aにおける環状の外周部分36が係合し、コップ2が安定した状態に保持される。
【0024】
コースタ30には水を入れたコップ2を載せたときに、その荷重によりオン操作されて給電端子33,34に給電し、コップ2を取り除いたときにオフ操作されるスイッチ37を有する基板38が設けられている。基板38は、コースタ30の内部における天板部32の下部に取付部材39と、陽極の給電端子34用の通電軸40とを介して取付けられている。
【0025】
天板部32の中央部と基板38の中央部には陰極の棒状で上端が凸面状の給電端子33を摺動自在に支持する支持孔41が形成されている。陰極の給電端子33の中間部には天板部32の下面に当接するストッパ42が設けられ、このストッパ42と基板38との間には陰極の給電端子33を上方に付勢するバネ43が取付けられている。
【0026】
基板38を介して給電端子33,34に給電するために、コースタ本体31の側部には給電端子33,34を電源例えば電池内蔵型ACアダプタ44のDCプラグ45に接続するための電源接続端子であるDCソケット46が設けられている。電池内蔵型ACアダプタ44は、図5の(a),(b)に示すように上面及び底面を有する扁平円筒状のハウジング47内に図示しないACアダプタ本体及びDC電池が内蔵されており、ハウジング47の側面部にはACアダプタ本体に接続されたAC100V用の収納式プラグ48と、例えば12V用のDC電池にコード49を介して接続されたDCプラグ45とが設けられている。電池内蔵型ACアダプタ44内には、DC電池として、筒型もしくは角型のリチウムイオン電池(充電池)が複数本例えば3本収容されている(図示省略)。
【0027】
また、コースタ30は、図2に示すようにコースタ本体31がコップ2の上端開口部2y内に嵌合し得る大きさに形成されていると共に、天板部32の周縁部下面がコップ2の上端開口部2yの縁に当接されるようになっている。これにより、コースタ30は、コップ2の蓋としても使用することができるようになっている。
【0028】
以上のように構成された携帯型水素水製造コップ1によれば、水を入れたコップ2をコースタ30の上に置き、電池内蔵型ACアダプタ44のDCプラグ45をコースタ30のDCソケット46に接続するだけで、コップ1内の水が電極5によって電気分解され、電極5の陰極4の表面には水素が発生し、陽極3の表面には酸素が発生する。
【0029】
この場合、陰極4と陽極3が水平状態で上下方向に所定の間隔で平行に配置されているため、陰極4の上面部に水素の微細な気泡が一様に発生しては浮力で一斉に浮上することが連続的に繰り返され、コップ1内には微細な気泡で白濁した水素水が短時間で製造されることになる。
【0030】
従って、本実施の形態の携帯型水素水製造コップ1によれば、どこでも手軽に水素水を製造することができ、しかも、製造直後の純度の高い水素水を飲むことができるため、十分な効能を期待することができる。
【0031】
コースタ30が、コップ2の上端部に装着可能な蓋を兼ねているため、コップ2の上端部にコースタ30を載せるだけで、蓋をすることができ、コップ2内にゴミや埃が入るのを防止することができる。
【0032】
コップ2が、上端部及び下端部が開放されているガラス製のコップ本体2aと、コップ本体2aの下端部に気密部材8を介して着脱可能に取付けられる底蓋部材9とを有し、底蓋部材9に電極5が設けられているため、分解掃除が容易にできるだけでなく、電極5にカスが固着した場合には、底蓋部材9だけを交換すればよく、メンテナンスが容易であり、経済的である。
【0033】
コースタ30には水を入れたコップ2を載せたときに、その荷重によりオン操作されて給電端子33,34に給電され、コップ2をコースタ30上から取り去ったときにオフ操作されて給電端子33,34への給電が解除されるスイッチ37を有する基板38が設けられているため、スイッチ操作をする煩わしさがなく、便利である。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 携帯型水素水製造コップ
2 コップ
2a コップ本体
2x 下端開口部
2y 上端開口部
3 陽極
4 陰極
5 電極
6 取付孔
7 取付孔
8 気密部材
9 底蓋部材
9a 底板部
9b 円筒部
10 雄ネジ部
11 雌ネジ部
12 ボス部
13 段部
14 軸孔
15 通電端子
15a フランジ部
15b ネジ孔
16 取付ネジ
17 スペーサ
18 軸孔
19a フランジ部
19b ネジ孔
19 通電端子
21 取付ネジ
22 孔部
23 絶縁部材
24 凹部
25 装飾リング
30 コースタ
31 コースタ本体
32 天板部
33 給電端子
34 給電端子
35 凹部
36 外周部分
37 スイッチ
38 基板
39 取付部材
40 通電軸
41 支持孔
42 ストッパ
43 バネ
44 電池内蔵型ACアダプタ(電源)
45 DCプラグ
46 DCソケット(電源接続端子)
47 ハウジング
48 プラグ
49 コード
図1
図2
図3
図4
図5