(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カード読み取り機は、前記施設内自動販売機とは別に設けられたものであり、前記カード読み取り機の出力制御部と前記施設内自動販売機の制御部とは、信号線で接続されたものであるか又は無線通信するものであり、
前記カード読み取り機は、前記施設内自動販売機から取り外し可能となっており、前記施設内自動販売機は、前記カード読み取り機を取り外すことで通常の自動販売機として再利用できるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の顧客来場促進装置。
前記識別情報には、カードが真正な無料カードかどうか及び他の施設の施設内自動販売機用の無料カードではないかどうかを判断するための情報であるメイン情報と、メイン情報以外の情報であって無料カードの種別を識別するための情報であるサブ情報とが含まれているとともに、サブ情報は当該無料カードが提供された者を特定する情報ではなく、
前記出力制御部は、実績情報記憶部を有しており、真正な無料カードであって他の施設の施設用の無料カードではないと判断した場合に当該無料カードのサブ情報を実績情報記憶部に記憶するものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の顧客来場促進装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この出願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、この出願の発明の第一の
実施形態の顧客来場促進装置の斜視概略図である。
図1に示す顧客来場促進装置は、施設への顧客の来場を促進する装置であり、施設内に設置された施設内自動販売機(以下、施設内自販機)1と、無料カード2に与えられている識別情報を読み取るカード読み取り機3とを備えている。
施設としては、各種店舗、ゲームセンター、漫画喫茶、カラオケ店などのアミューズメント施設、ホテル、カプセルホテル、スーパー銭湯といった宿泊・浴場施設等の商業施設が想定されているが、後述するように、本願発明はこれらの施設に限定されるものではない。
【0010】
図1に示すように、施設内自販機1は、筐体11と、筐体11の前面に設けられた前面扉12とを備えている。
図2は、
図1に示す施設内自販機1において前面扉12を開けた状態の斜視概略図である。この施設内自販機1は、清涼飲料水の自動販売機となっており、
図2に示すように、筐体11内には、販売する缶入り又はPETボトル入りの清涼飲料を収容した商品収容部111が設けられている。
図1に示すように、前面扉12には、商品の見本を展示した展示部121、購入する商品を選択する各商品選択ボタン122、購入のための硬貨や紙幣を投入する金銭投入部123、購入した商品を取り出す取り出し口124などが設けられている。金銭投入部123は、コインメックやビルバリを含んでおり、投入された硬貨や紙幣が真正なものであるかどうか判断し、真正なものであればその種別、合計額を算出するものである。
【0011】
また、筐体11内には、施設内自販機1の動作を制御する制御部13が設けられている。
図2に示すように、制御部13は、前面扉12の裏面に固定されている。制御部13は、プロセッサや記憶部(メモリ)等を備え、金銭投入部123で投入された金銭が規定の金額に達しているかどうかの判断等を行うものである。
【0012】
一方、商品収容部111は、制御部13からの信号に従って商品を一つずつ払い出す払い出し機構14を備えており、制御部13は、投入された金銭が所定の金額に達していると判断した場合、払い出し機構14に信号を送り、選択された商品を取り出し口124に払い出すようになっている。これらの構成や機構の構造は、通常の自動販売機と同様のものとすることができる。
【0013】
このような施設内自販機1を顧客来場促進の目的で使用するため、実施形態では、施設内自販機1で使用できる無料カード2が発行されることが予定されている。
図3は、無料カード2の一例について示した概略図である。
図3に示すように、無料カード2は、長方形の名刺サイズのものである。材質としては、PVC(ポリ塩化ビニール)やPET(ポリエチレンテレフタレート)のような樹脂製である。無料カード2は、施設への来場者(顧客)に対して施設内自販機1内の商品を無料で提供するためのものであり、施設の名前(ロゴ)の表示がされている。
図3の例は、スポーツ施設とアミューズメント施設と統合した施設の例となっている。また、無料カード2である旨の表示がされており、さらに、無料カード2には識別情報が表示されている。これら表示の方法は、印刷の場合が多いが、シール貼り等の他の方法による場合もある。
【0014】
識別情報は、当該カードが無料カード2として真正なものであることを示すための情報である。それとともに、識別情報は、実施形態
における施設内自販機1が異なる複数の施設に設置されることを前提とするものである。すなわち、識別情報は、ある施設内自販機1が設置されているある施設と、他の施設内自販機1が設置されている他の施設とを区別するための情報ともなっている。
【0015】
具体的に説明すると、無料カード2は透明な名刺サイズの基材21と、基材21の長手方向の両辺(長辺)に沿って設けられた情報担持部22a〜22dとから成っている。情報担持部22a〜22dは、識別情報を担持したものとなっている。この実施形態では、情報担持部22a〜22dは、一つの辺に二箇所、合計四箇所設けられている。各情報担持部22a〜22dで担持される情報は、この実施形態では同じである。
【0016】
図3に示すように、各情報担持部22a〜22dは、小さな方形の領域(以下、単位領域という。)23が連続したものであり、この実施形態では、五つの単位領域23で一つの情報担持部22a〜22dが形成されている。各単位領域23は、黒色の印刷がされるか、印刷がされずに透明なままとされるかとなっている。以下、説明の都合上、黒色の印刷がされて形成された単位領域23を黒色領域と呼び、透明なままとされた単位領域23を透明領域と呼ぶ。透明領域には実際には輪郭がないが、理解のため、各図では透明領域の輪郭が描かれている。
【0017】
四つの情報担持部22a〜22dを、第一の情報担持部22a、第二の情報担持部22b、第三の情報担持部22c、第四の情報担持部22dとする。第一第二の情報担持部22a,22bは、一方の側の辺上にあり、第三第四の情報担持部22c,22dは他方の辺上にある。第一と第三の情報担持部22a,22cは向かい合っており、第二第四の情報担持部22b,22dは向かい合っている。
【0018】
説明の都合上、無料カード2は長辺方向を上下方向にした姿勢であるとし、第一第三の情報担持部22a,22cが設けられた側を上側とし、第二第四の情報担持部22b,22dが設けられた側を下側とする。第一と第三の情報担持部22a,22cは上下方向で同じ位置にあり、第二第四の情報担持部22b,22dは上下方向で同じ位置にある。
図3に示すように、第一第三の情報担持部22a〜22dでは、上から順に、黒色領域、透明領域、黒色領域、黒色領域、透明領域が並んでいる。そして、第二第四の情報担持部22b,22dでは並びが上下方向で逆となっており、上から順に、透明領域、黒色領域、黒色領域、透明領域、黒色領域となっている。
このような各情報担持部22a〜22dは、基材21に対する印刷により形成されている。印刷は、カード印刷を行う専門の業者に頼んで行うこともできるし、場合によっては汎用のプリンタで印刷することもできる。
【0019】
次に、このような無料カード2の識別情報を読み取るカード読み取り機3について詳説する。
図4及び
図5はカード読み取り機3の断面概略図であり、
図4は正面断面概略図、
図5は側面断面概略図である。
図1、
図4及び
図5に示すように、カード読み取り機3は、円筒状のケーシング31と、ケーシング31内に設けられた読み取りセンサ32と、真正な無料カード2のみ通過させるゲート部33と、読み取りセンサ32からの出力により真正な無料カード2かどうかを判断して制御や信号出力を行う出力制御部34等から構成されている。
【0020】
ケーシング31は、上板部311及び底板部312を有する円筒状である。
図4及び
図5に示すように、ケーシング31内は、水平な区画板35により上下に区画されている。ケーシング31のうち、区画板35より下側の部分36は、無料カード2の回収用の空間を形成している(以下、カード回収部という)。
図4に示すように、カード回収部36には、不図示の鍵穴を備えた開閉扉361が設けられている。
【0021】
図1、
図4及び
図5に示すように、ケーシング31の上板部311には、カード挿入口310が形成されている。カード挿入口310はスリット状であり、無料カード2の幅よりも少し長く、無料カード2の厚さよりも少し幅広である。
ケーシング31内には、カード挿入口310から下方に延びるようにして角筒状のガイド37が設けられている。ガイド37の内面における長尺方向の幅は、無料カード2の幅よりも少し大きく、短尺方向の幅は無料カード2の厚さよりも少し大きい。尚、
図4は、ガイド37の短尺方向での断面概略図であり、
図5は、ガイド37の長尺方向での断面概略図である。
図4及び
図5に示すように、区画板35には落とし込み孔350が形成されている。落とし込み孔350は、ガイド37の下端開口と同様の寸法形状のスリットであり、ガイド37の下端開口と連通している。
【0022】
ゲート部33は、高さ方向の途中でガイド37の内部空間を閉鎖するよう設けられた受け具331と、受け具331を駆動する駆動機構332とから構成されている。
図4に示すように、ガイド37は高さ方向途中の位置に進退孔が形成されている。進退孔は、ガイド37を構成する長尺方向の一対の側板の双方に形成されている。
【0023】
駆動機構332は、直動ソレノイドのような直線駆動機構であり、受け具331を所定のストロークで進退運動させる機構である。受け具331は、駆動機構332によって前進位置と後退位置との間で移動する。前進位置は、
図4に示すように受け具331が進退孔に挿入されてガイド37内を遮断する状態となる位置である。後退位置は、受け具331がガイド37内を遮断しない位置である。尚、受け具331は、通常状態(スタンバイ状態)では、前進位置に位置している。
【0024】
そして、進退孔の少し上側の位置に、読み取りセンサ32が設けられている。
図6は、読み取りセンサ32について示した斜視概略図である。
図6に示すように、この実施形態では、読み取りセンサ32は、複数のフォトセンサ321によって構成されている。フォトセンサ321は、発光素子と受光素子とが光軸320上に設けられて一対となったものである。フォトセンサ321の数は、一つの情報担持部22a〜22dに設けられた単位領域23の数に一致しており、且つ光軸320の離間距離は、各単位領域23の中心間の距離に一致している。
【0025】
尚、受け具331は前述したようにスタンバイ状態では前進位置にあるが、この状態で受け具331の上に無料カード2が乗った際、当該無料カード2の向きに応じていずれかの情報担持部22a〜22dが読み取りセンサ32を臨む状態となる。「臨む状態」とは、いずれかの情報担持部22a〜22dの各単位領域23が各フォトセンサ321の光軸320上に位置する状態である。このような状態となるよう、受け具331の前進位置との関係で各フォトセンサ321の配置位置が決定されている。
【0026】
各フォトセンサ321の受光素子は出力制御部34に接続されており、各フォトセンサ321のオンオフ信号が出力制御部34に入力されるようになっている。出力制御部34は、真正な無料カード2の場合の識別情報を保持した保持回路341と、入力された各フォトセンサ321からの信号をデジタル情報として受信する受信回路342と、受信したデジタル情報を保持回路341で保持された識別情報とを対比して真正な無料カード2であるかどうかを判断する判断回路343と、駆動機構332や施設内自販機1の制御部13に信号を出力する出力回路344等から構成されている。これら各回路341,342,343,344は、ROMや論理回路等の比較的簡単な回路で構成できるので、詳細は省略する。
【0027】
尚、出力回路344は、オンオフのいずれかを出力する単純な回路で足りる。オンの場合に、駆動機構332が動作する。また、施設内自販機1の制御部13は、出力回路344をモニタしており、それがオフからオンに切り替わった場合、無料モード信号が出力されたことになる。
また、上記説明から解るように、無料カード2が挿入される際、上下が逆になったり左右が逆になったりしても、いずれかの情報担持部22a〜22dが読み取りセンサ32で読み取られる。各情報担持部22a〜22dには同じ識別情報が担持されているので、いずれの姿勢で無料カード2を挿入してもエラーなく識別情報が読み取られる。
【0028】
尚、ガイド37の上端付近には挿入検出センサ371が配置されており、落とし込み孔350の下側位置には、回収検出センサ372が配置されている。挿入検出センサ371は、カードが挿入されたことを検出するセンサであり、回収検出センサ372は無料カード2が真正であると判断されて回収されるのを検出するセンサである。カード読み取り機は、不図示の電源回路を備えているが、読み取りセンサ32や出力制御部34は、挿入検出センサ37がカードの検出をした際に給電されて動作が開始するようになっている。
【0029】
ケーシング31の上板部は、アクリル樹脂のような乳白色の板となっており、内部にLEDのような光源313が内蔵されている。ケーシング31内には、光源313の点灯回路314が設けられている。回収検出センサ372によって回収が検出されると、その信号が点灯回路314に送られ、光源313が点灯するようになっている。
【0030】
カード読み取り機3の動作について、
図7を使用して説明する。
図7は、カード読み取り機3の動作について示した正面断面概略図である。
まず、
図7(1)に示すように、無料カード2がカード挿入口310から挿入される。スタンバイ状態では受け具331は前進位置にあるので、カードは受け具331に当たってそれ以上は差し込まれない状態となる。この際、挿入検出センサ371がオンとなり、読み取りセンサ32や出力制御回路34の動作が開始される。
【0031】
図7(1)に示す状態では、受け具331の上に無料カード2が乗った状態であるので、
図6に示すようにいずれかの情報担持部22a〜22dが読み取りセンサ32を臨む状態となる。この結果、情報担持部22a〜22dの各単位領域23のパターンに応じて各フォトセンサ321がオンオフされる。各フォトセンサ321の出力は出力制御部34に入力され、保持されている情報と比較される。
図6に示す例を真正な情報カードである場合のパターンとし、「黒色」を0、「透明」を1とすると、上から順に10010の信号が得られた場合、そのカードは真正な無料カードであると判断される。
【0032】
尚、真正な無料カードという意味は、前述したように、無料カードであるということと、当該施設の施設内自販機1で使用できる無料カードであるという二つの意味がある。全く関係がないカードをカード挿入口310に差し込むと、情報担持部22a〜22dがないので、真正な無料カードではないと判断される。また、無料カードではあっても、他の施設で提供された無料カードを差し込むと、識別情報が異なるので真正な無料カードではないとされる。上記の例でいうと、黒色領域及び透明領域のパターンが例えば10101であった場合、無料カードではあるが識別情報が一致しないので真正ではないとされる。
【0033】
真正な無料カードであると判断されると、出力制御部34の出力回路344の値が切り替わり、駆動機構332が動作する。これにより、受け具331が後退位置まで後退し、
図7(2)に示すように、無料カード2が落下してカード回収部36に収容される(
図7(3))。この際、回収検出センサ372がオンになり、点灯回路314が動作して上板部311の光源313が点灯する。これは、無料カード2が真正なものとして判断されたことを利用者に知らせるためである。
尚、真正な無料カードではない場合、受け具331は後退せず、カードは回収されずにそのままの状態となる。例えば、利用者が誤って別のカードを挿入してしまった場合が考えられる。このような場合、そのカードを取り出す必要があるが、カードを取り出し易いよう、
図1及び
図4に示すようにカード挿入口310の縁には切り欠き315が設けられている。
【0034】
一方、施設内自販機1の制御部13は、上記のカード読み取り機3により無料カード2が真正に読み取られた場合、有料モードから無料モードへの切り替えを行い、1個のみの商品を無料で払い出す。以下、この点について説明する。
図8は、
図1及び
図2に示す施設内自販機1の制御系を示した概略図(制御ブロック図)である。
【0035】
図8に示すように、制御系を構成する制御部13は、金銭投入部123で投入された金額の合計が商品の価格以上であるかどうか等を判断する主制御回路部131と、主制御回路131での判断結果に従って各商品選択ボタンのランプを点灯させるランプ点灯回路(不図示)と、どの商品選択ボタン122が押されたかを検出するボタン検出回路132と、ボタン検出回路132での検出結果に従って出力された主制御回路131からの信号により商品払い出し機構を駆動する払い出し機構駆動回路133等から構成されている。
【0036】
そして、施設内自販機1の制御系は、モード切替機構15を含んでおり、モード切替機構15に機構的に連結されている無料モード用鍵穴151が前面扉12に設けられている(
図1では不図示)。無料モード用鍵穴151は、無料モード用キー152を差し込んで操作することが可能になっており、この操作によってモード切替機構15は通常モード(有料モード)から無料モードへの切替信号を発生させるようになっている。モード切替機構15は、制御部13に接続されており、切替信号は制御部13に送られるようになっている。
【0037】
制御部13は、モード切替信号が送られると、無料モードで動作するよう各部の制御を変更する。例えば、主制御回路131は、無料モードでは金銭投入なしに各ランプが点灯するようランプ点灯回路を制御する。そして、特定の商品選択ボタン122が押されると、金銭の投入の有無にかかわらず、選択された商品を払い出すよう主制御回路131は払い出し機構制御回路133を制御する。
【0038】
このような無料モードの機能は、現在市販されている自動販売機に既に設けられているが、元々は、災害などの場合に自動販売機内の飲料を非常用飲料として提供するためのものである。災害などの非常事態が発生した場合、自動販売機を設置している施設の担当者等が無料モード用キー152を使用して無料モードに切り替え、被災者等に無料で飲料を提供するものである。
【0039】
実施形態の顧客来場促進装置は、この自動販売機の無料モード機能を利用し、顧客来場促進を行うものとなっている。すなわち、
図1及び
図8に示すように、この実施形態では、カード読み取り機3の出力回路344が信号線30によりモード切替機構15に接続されており、出力回路344からモード切替信号が送られた場合にもモード切替機構15が動作するようになっている。
【0040】
また、施設内自動販売機1は、販売管理などの目的から、外部に対して情報を出力する機能を備えている。この機能に含まれるものが、商品の販売個数の情報である。具体的には、制御部13は、外部出力端子を幾つか有している。この外部出力端子には、商品が1個払い出されるたびに信号を出力する端子が含まれる。この端子には通常は機械式カウンタが接続され、自動販売機が設置された以後のトータルの販売個数が確認できるようにされている。
【0041】
この実施形態では、この出力端子に機械式カウンタではなく電子式カウンタ16が接続されている。そして、電子式カウンタ16に対してモード復帰信号出力回路17を接続する。モード復帰信号出力回路17は、電子式カウンタ16で“1”がカウントされたら(1個の商品が払い出されたら)、制御部13に対して有料モードに復帰させる信号を出力する回路である。制御部13は、無料モードか有料モードかを判断する入力ポートを有している。例えば有料モード(通常モード)が0(Low)、無料モードが1(High)だとすると、カード読み取り機3の出力制御部34からの出力で入力ポートは1になり、モード復帰信号出力回路17からの出力で0に戻る。これらも単純な論理回路で構成できるので、さらなる詳細説明は割愛する。
【0042】
次に、このような顧客来場促進装置の動作や使用方法について説明する。
顧客来場促進装置を使用する場合、予め相当数の無料カード2を用意しておく。すなわち、透明な基材21に所定の情報担持部22a〜22dを印刷することで相当数の無料カード2を製作しておく。情報担持部22a〜22dで表示される情報は、10010のような情報を「黒色」「透明」のパターンで印刷したものであるが、同一の識別情報を保持回路341に保持しておく(例えばROMに書き込んでおく)。
【0043】
このようにして製作しておいた無料カード2を、施設側は顧客が来場した際に一人に一枚進呈する。この際、引き替え券を予め顧客に提供しており、引き替え券と引き替えに無料カード2を進呈する場合もある。引き替え券は、次回の来場の際に使えるとして提供される場合、新聞の折り込みチラシで配られる場合、街頭で配布される場合などがある。
【0044】
顧客は、施設を利用して商品を購入したり又はサービスの提供を受けたりした後(又はその前)に、無料カード2を使用して施設内自販機1で商品の無料提供を受ける。すなわち、顧客は、無料カード2をカード読み取り機3のカード挿入口310に挿入する。無料カード2は、受け具331の上に乗り、いずれかの情報担持部22a〜22dが読み取りセンサ32により読み取られる。
【0045】
無料カード2が真正であると判断されると、カード回収部36に回収されるとともに、カード読み取り機3の出力制御部34が施設内自販機1の制御部13に信号を送る。これにより、制御部13は無料モードでの動作に切り替わる。すなわち、各商品選択ボタン122のランプが点灯し、金銭投入なしに商品が購入できる状態となる。顧客は、任意の商品選択ボタン122を押し、商品の提供を受ける。
商品払い出し機構が動作して商品が払い出されると、電子式カウンタが“1”をカウントし、これによりモード復帰信号出力回路17が動作して制御部13にモード復帰の信号を送る。これにより、制御部13は通常モード(有料モード)に自動的に復帰する。
【0046】
このようにして各顧客は来場時に無料カード2を受け取り、カード読み取り機3のカード挿入口310に差し込んで商品の無料提供を受ける。カード読み取り機3のカード回収部36には無料カード2が溜まっていくが、施設の担当者は、カード回収部36の開閉扉361の鍵穴(不図示)に鍵を差し込んで開閉扉361を開け、回収された無料カード2を取り出す。そして、回収した無料カード2をさらなる来場者に対して同様に進呈して利用してもらう。
【0047】
このような
実施形態の顧客来場促進装置によれば、来場した顧客に施設内自販機1の商品1個を無料で提供することができるので、大きなプロモーション(来場促進)となり得る。このため、施設における売り上げアップが期待できる。
この際、1枚の無料カード2は1個のみの商品の無料払い出しができるのみであるので、販売促進費として大きなコストとなることはない。また、無料カード2は回収してまた再利用するので、この点でも低コストのプロモーションとなっている。そして、施設内自販機1の管理自体は、自販機業者によって行われる。すなわち、施設内自販機1のような自動販売機は、通常、業者(以下、自販機業者という)が施設側から許可をもらって設置し、商品の補充と代金の回収といった管理を行う。自販機業者は、施設側に販売数に応じたコミッションを支払っている。したがって、施設側は施設内自販機1を管理する必要はなく、溜まった無料カードを回収するのみである。このため、プロモーションに要する手間も非常に小さいものとなっている。
【0048】
また、
実施形態の顧客来場促進装置の別の観点での大きな特徴点は、施設内自販機1が通常の自動販売機としても使えるようになっている点である。通常、このように自動販売機を顧客来場促進として使用する場合、常に無料モードとして来場者が常時無料で商品購入できるようにすることが考えられる。しかしながら、このようにすると商品が大量に無料で払い出されるため、プロモーションのコストとしては膨大なものになり易い。
【0049】
また、自動販売機内の商品を無料提供する構成として、専用のコインを用意し、コインを進呈して使ってもらう構成も考えられる。しかしながら、この場合、その自動販売機のコインメックは、当該コインを識別する専用のものが搭載されるから、通常の硬貨は識別できない。つまり、通常の自動販売機としては商品購入ができないものとなる。例えば施設を訪れた顧客が喉が渇いて現金を支払っても良いから飲料が欲しいと思ったときでも、専用のコインをもらわないと購入できないことになる。これは顧客にとっても不便であるし、自動販売機の販売コミッション分の収入を施設側も損しているともいえる。
実施形態の顧客来場促進装置では、商品の無料提供によるプロモーションが行える上、通常の自動販売機としての利用もできるので、顧客にとっては利便性が増し、施設側にとってはコミッション収入も見込めることになる。このように、
実施形態の顧客来場促進装置によれば、一石二鳥、三鳥的な効果がある。
【0050】
次に、第二の
実施形態の顧客来場促進装置について説明する。
図9は、第二の
実施形態の顧客来場促進装置の斜視概略図、
図10は
図9に示す顧客来場促進装置の主要部の側面断面概略図である。
第一の
実施形態の顧客来場促進装置では、カード読み取り機3が施設内自販機1とは別に設けられていて、カード読み取り機3が施設内自販機1の制御部13に対して信号線30で接続されていたが、第二の実施形態では、カード読み取り機3が施設内自販機1に搭載された構造となっている。
【0051】
より具体的に説明すると、
図9及び
図10に示すように、カード読み取り機3は施設内自販機1の前面扉12に搭載されている。カード読み取り機3は、市販の自動販売機を改造する形で施設内自販機1に搭載されている。
図10に示すように、前面扉12に設けられた開口には不図示の枠体が嵌め込まれて固定されており、この枠体に保持される形でカード読み取り機3が固定されている。
【0052】
カード読み取り機3の構成要素は、第一の実施形態と基本的に同様である。カード読み取り機3は、前面パネル38を備えたケーシング31内に各部が収容されている。ケーシング31内は、区画板35により上下に区画されており、下側がカード回収部36となっている。
前面パネル38の上側位置にはカード挿入口310が形成されており、カード挿入口310から水平に奥側に延びるようにして不図示のガイドが設けられている。そして、ガイドの長さ方向の途中の位置において進退するように受け具331と、受け具331を駆動する駆動機構332とから成るゲート部33が設けられている。
【0053】
カード挿入口310から差し込まれた無料カード2が受け具331に当接した状態において、当該無料カード2のいずれかの情報担持部22a〜22dを読み取る位置に読み取りセンサ32が設けられている。読み取りセンサ32における各フォトセンサ321の位置関係は第一の実施形態と異なり水平となるが、各情報担持部22a〜22dの単位領域23の数のフォトセンサ321を並べて構成したものである点で同じである。
【0054】
また、第二の実施形態では、無料カード2は、水平に差し込まれるので、真正な無料カード2であると判断されて回収する際に無料カード2を水平方向奥側に送ってカード回収部36に落とし込む送り機構39が設けられている。送り機構39は、無料カード2の両端を挟むピンチローラーが水平方向に沿って複数設けた機構であり、各ピンチローラーを駆動する駆動源391を備えている。
尚、前面パネル38の下側の部分には、不図示の鍵孔を有する開閉扉361が設けられている。カード回収部36に溜まった無料カード2を回収する際には、開閉扉361が開けられる。
【0055】
制御系の構成も、信号線30が筐体11内のみに配線されていることを除き、第一の実施形態と同様である。読み取りセンサ32は出力制御部34に接続されており、出力制御部34は、駆動機構332と制御部13とにそれぞれ接続されている。
動作についても、第一の実施形態と基本的に同様である。提供された無料カード2を顧客がカード挿入口310に差し込むと、読み取りセンサ32がいずれかの情報担持部22a〜22dを読み取る。そして、読み取り結果が判断回路343で判断されて真正な無料カード2であるとされると、駆動機構332が動作して受け具331が後退し、送り機構39により無料カード2が送られてカード回収部36に落とし込まれる。そして、制御部13に信号が送られて無料モードへの切り替えが行われ、無料での1個のみの商品の払い出しの後、通常モードに復帰する。
【0056】
第二の実施形態の
顧客来場促進装置では、カード読み取り機3が施設内自販機1に搭載されており、別ユニットではないので、その分、省スペース化されるというメリットがある。他方、第一の実施形態の
顧客来場促進装置では、カード読み取り機3自体が顧客の目を引くので、無料提供のサービスがされていることを認知し易くなる。つまり、広告宣伝的な効果としては、第一の実施形態の方が優れている。
また、市販の自動販売機を改造して顧客来場促進装置とする場合、第二の実施形態では、前面扉12に開口を設ける等、改造の手間は第一の実施形態に比べてかかる。第一の実施形態の場合、カード読み取り機3を製作して信号線を制御部13に接続するだけで顧客来場促進装置になるので、製作が容易である。また、第一の実施形態の場合、カード読み取り機3を取り外すだけで元の通常の自動販売機として再利用できるので、この点でも優位性がある。第二の実施形態の場合、前面扉12からカード読み取り機3を取り外し、枠体4に対してカバー等を設けて目立たないように塞いでおくという作業が必要になる。
【0057】
尚、第二の実施形態の
顧客来場促進装置の構成において、カード挿入口310は前面扉12又は筐体11の外面に設ける必要があるが、開閉扉361は前面扉12に設けられていなくても良い。すなわち、カード回収部36に溜まった無料カード2を筐体11の内部側から取り出す構造であっても良い。この場合は、前面扉12を開けてから無料カード2を取り出すことになる。但し、この構造の場合、施設側の担当者ではなくて、施設内自販機1を設置している自販機業者のサービスマンが無料カード2の回収を行うことになる。前面扉12の鍵は、通常、自販機業者のサービスマンだけが保有しているからである。定期的に行う商品の補充と代金の回収の際、サービスマンが併せて無料カード2を回収し、施設側に返すことになる。この場合、無料カード2をすべて提供してしまって残が無くなってしまうと、施設側としては、次にサービスマンが来るまでは無料カード2の提供ができなくなる不便がある。第一第二の実施形態のように、前面扉12を開けなくても開閉扉361を開けて無料カード2の回収ができる構造であると、開閉扉361の鍵を施設側が保有していれば足りるので、上記のような不便はない。
【0058】
次に、第三の
実施形態の顧客来場促進装置について説明する。
図11は、第三の実施形態
における顧客来場促進装置の主要部の概略図である。第三の
実施形態の顧客来場促進装置は、無料カード2における各情報担持部22a〜22dの構成及びカード読み取り機3における読み取りセンサ32の構成が上記各実施形態と異なっている。
【0059】
この実施形態においても、上下を逆にしたり左右を逆にしたりした場合でも読み取りができるよう、同じ情報を担持した情報担持部22a〜22dがカードの左右の辺に二つずつ対称的に設けられている。この実施形態では、各情報担持部22a〜22dは、10個の単位領域23から形成されており、倍増されている。無料カード2の大きさ自体は同じなので、各単位領域23のサイズ(特に上下方向の幅)が半分になっている。
【0060】
一方、読み取りセンサは、この実施形態では二つ設けられている(以下、第一の読み取りセンサ32A、第二の読み取りセンサ32B)。各読み取りセンサ32A、32Bの構成は、第一の実施形態と同様であり、五つのフォトセンサ321から成っている。無料カード2が受け具331に当接して停止した際、第一の読み取りセンサ32Aは、無料カード2の一方の辺(例えば左側の辺)の情報担持部22a〜22dを臨む位置となるよう配置されており、第二の読み取りセンサ32Bは、他方の辺(例えば右側の辺)の情報担持部22a〜22dを臨む位置となるよう配置されている。
【0061】
そして、
図11に示すように、第一の読み取りセンサ32Aと第二の読み取りセンサ32Bとは、無料カード2の挿入方向において僅かにずれた位置に配置されている。ずれの量wは、情報担持部22a〜22dにおける各単位領域23の幅(第一の実施形態に比べて1/2とされた幅)に相当している。尚、第一第二の読み取りセンサ32A,32Bにおいて、各フォトセンサ321の光軸320の離間距離は第一の実施形態と同様である。したがって、第二の実施形態では、各フォトセンサ32A,32Bにおいて上下の光軸320の離間距離は、単位領域2個分の距離となっている。
【0062】
上記説明及び
図11から解るように、第一第二の読み取りセンサ32A,32Bは、ある情報担持部22a〜22dについて、互いにずれた位置で各単位領域23を飛び飛びで検出するものとなっている。一例として第二の情報担持部22bが第一の読み取りセンサ32Aで読み取られ、第四の情報担持部22dが第二の読み取りセンサ32Bで読み取られるものとし、情報担持部22b,22dの単位領域23を、領域1、領域2、・・・領域10とする。この場合、第一の読み取りセンサ32Aは、第二の情報担持部22bの領域1、領域3、領域5、・・・領域9を読み取り、第二の読み取りセンサ32Bは、第四の情報担持部22dの領域2、領域4、領域6、・・・領域10を読み取るものとなっている。
【0063】
各読み取りセンサ32A,32Bの出力は、同様に出力制御部34に入力されるが、出力制御部34はそれらを統合して判断するよう構成されている。すなわち、第二の情報担持部22bのパターンと第四の情報担持部22dのパターンとは同じものであるので、各読み取りセンサ32A,32Bからの出力を交互につなぎ合わせていくことで一つの情報担持部全体の情報が得られ、これにより真正な無料カード2か否かの判断がされるようになっている。この種のハードウェアも、論理回路を適宜組み合わせることで容易に構成できるので、説明は省略する。
【0064】
第三の実施形態では、各情報担持部22a〜22dが10個の単位領域23から成っていて識別できる情報量が倍増している。すなわち、黒色領域、透明領域のいずれかである各単位領域23を1ビットとすると、第一の実施形態では5ビッドであったが、第三の実施形態では10ビットとなっている。このため、顧客来場促進装置を設置する施設の数が多くなってきた場合に特に好適な構成となっている。
【0065】
次に、第四の実施形態について説明する。
図12は、第四の
実施形態の顧客来場促進装置の主要部の概略図である。
図12に示す第四の実施形態では、無料カード2の四つの情報担持部22a〜22dの構成は第三の実施形態のものと同様となっている。即ち、各四つの情報担持部22a〜22dは、10個の単位領域23から成るものとなっている。
そして、この第四の実施形態では、
図12に示すように、四つの読み取りセンサ32C〜32Fが使用されている。以下、四つの読み取りセンサを第一の読み取りセンサ32C,第二の読み取りセンサ32D、第三の読み取りセンサ32E、第四の読み取りセンサ32Fとする。各読み取りセンサ32C〜32Fは、五つのフォトセンサ321で構成されている点で前記各実施形態と同様である。
【0066】
図12に示すように、第四の実施形態における第二の読み取りセンサ32Dと第四の読み取りセンサ32Fは、第三の実施形態における第一の読み取りセンサ32Aと第二の読み取りセンサ32Bと同様の位置に配置されており、ずれ量wも各単位領域23の幅である点で同様である。
そして、
図12に示すように、第一の読み取りセンサ32Cが第二の読み取りセンサ32Dの上側に配置され、第三の読み取りセンサ32Eが第四の読み取りセンサ32Fの上側に配置されている。これら読み取りセンサ32C,32Eの配置位置は、無料カード2が受け具331に当接して停止した際、無料カード2の第一の情報担持部22aが第一の読み取りセンサ32Cで読み取られ、第三の情報担持部22cが第三の読み取りセンサ32Eで読み取られる位置となっている。且つ、
図12に示すように、第一の読み取りセンサ32Cの配置位置と、第三の読み取りセンサ32Eの配置位置は、互いにwの幅だけずれており(第一の読み取りセンサ32Cの方が上側)、wは単位領域23の幅に一致している。
【0067】
この第四の実施形態では、無料カードにおける四つの情報担持部22a〜22dのうち、第一の情報担持部22aと第三の情報担持部22cとは互いに同じパターンであり(すなわち同じ情報を担持しており)、第二の情報担持部22bと第四の情報担持部22dとは互いに同じパターンであるものの、第一第三の情報担持部22a,22cとは異なるパターンとなっている。つまり、第一の情報担持部22aと第二の情報担持部22bとで全体として20ビットの情報が担持されており、同じ情報ではあるものの第三の情報担持部22cと第四の情報担持部22dとで20ビットの情報が担持されている。
【0068】
そして、ずれ量wで配置されている第一の読み取りセンサ32Cは、第一の情報担持部22aの各単位領域23のうち各々上側に位置するものを飛び飛びで読み取り、第三の読み取りセンサ32Eは、第三の情報担持部22cの各単位領域23のうち各々下側に位置するものを飛び飛びで読み取る。第四の実施形態でも、不図示の出力制御部には受信回路が設けられており、受信回路は、各読み取りセンサ32C〜32Fの出力を統合する。この際、第一の読み取りセンサ32Cと第三の読み取りセンサ32Eの出力を統合することで、20ビットの情報のうち各上側の10ビッド分の情報が得られる。
【0069】
また、ずれ量wで配置されている第二の読み取りセンサ32Dは、第二の情報担持部22aの各単位領域23のうち各々上側に位置するものを飛び飛びで読み取り、第四の読み取りセンサ32Fは、第四の情報担持部22dの各単位領域23のうち各々下側に位置するものを飛び飛びで読み取る。したがって、不図示の受信回路が、第二の読み取りセンサ32Cの出力と第四の読み取りセンサ32Eの出力を統合することで、20ビットの情報のうち各下側の10ビッド分の情報が得られる。
このようにして得られた20ビット分の情報は、同様に保持回路で保持されている無料カードの真正な情報と対比され、真正な無料カードであるかどうかが判断回路で判断される。そして、真正であると判断されれば、無料モードとすべき旨の信号が制御部13に送られ、無料カード2はカード回収部に回収される。
【0070】
上記説明から解るように、第四の実施形態では担持される情報は20ビットとさらに倍増しており、さらに多くの異なる
施設に顧客来場促進装置が配置される場合、好適なものとなっている。尚、
図12から解るように、第四の実施形態では、左右を逆にしても同様の情報を得ることはできるが、上下を逆にしてしまうと異なる情報を読み取ることになってしまい、真正な無料カードであっても真正でないと判断してしまうことになる。従って、上下を逆にして挿入しないような注意書きが無料カード2等に表示されることが望ましい。
【0071】
次に、第五の実施形態について説明する。
図13は、第五の実施形態における無料カードとその読み取りについて示した斜視概略図である。第五の実施形態では、無料カード2で識別される情報の量をさらに多くするため、情報担持部22a〜22dの濃淡を3段階とし、各読み取りセンサ32における検出の閾値の設定も異なる二つの閾値を設定できるようにしている。具体的には、この実施形態では、無料カード2は、PET樹脂のような透明樹脂製の基材21に情報担持部22a〜22dが印刷されたものとなっている。
【0072】
各情報担持部22a〜22dは、第一の実施形態と同様に四箇所設けられている。各情報担持部22a〜22dに担持された情報はみな同じであり、上下左右どの向きに無料カード2が差し込まれても読み取りができるようになっている。
そして、各情報担持部22a〜22dは、透明領域と黒色領域の他、白色に印刷された単位領域23を有している。以下、この領域を白色領域という。
図13では、便宜上、地色と同じ白色を透明領域とし、白色領域を灰色で描いている。各情報担持部22a〜22dは、透明領域、黒色領域及び白色領域の並びのパターンで情報が担持されている。
【0073】
図14は、第五の実施形態における各フォトセンサの検出特性を示した図である。
図14において、縦軸は、受光素子で検出される光電流(以下、検出電流)であり、横軸は発光素子と受光素子との距離である。尚、
図14の検出特性は、発光素子と受光素子の間に何もない場合の特性である。
図14に示すように、フォトセンサは、受光素子と発光素子と距離を遠ざけていくと、ある距離から急減に検出電流が低下し、ある距離を超えるとゼロになる。受光素子と発光素子の距離は、100%の電流になる距離とされる。そして、フォトセンサにおける検出の閾値は、通常、100%の検出電流に対して50%に設定されている。
【0074】
この場合、透明領域が発光素子と受光素子との間に介在した場合、検出電流はほぼ100%であるが、黒色領域や白色領域が間に介在した場合、遮光されるので、50%未満の検出電流となる。この際、
図14に示すように、白色領域の方が黒色領域より若干検出電流が大きくなるものが使用されている。白色でもある程度は光が透過するからである。
この場合、
図14に示すように、受光素子からの出力に対する閾値としては、標準設定と微弱設定の二つが選択的に設定されるようになっている。微弱設定は、白色領域の場合の検出電流と黒色領域の場合の検出電流(ほぼゼロ)の丁度中間の値の設定となっている。この実施形態でも、第一の実施形態と同様に出力制御部34を備えており、上記二つの閾値の設定は、出力制御部34に設けられた受信回路342で行われる。
【0075】
受信回路342での設定の仕方により、情報担持部が同じパターンのものであっても異なる情報として扱うことができる。この点について、
図15を使用して説明する。
図15は、第五の実施形態における読み取りのバリエーションについて示した図である。
図15には、三つの設定例が示されている。設定例Aは、各フォトセンサをすべて標準設定とした例であり、設定例Bは各フォトセンサを全て微弱設定とした例であり、設定例Cは、標準設定と微弱設定を混合させた例である。
【0076】
図13及び
図15に示すように、一例として、情報担持部22a〜22dは、読み取りセンサ32で読み取られる状態では、上から順に、透明領域、黒色領域、白色領域、透明領域、白色領域とする。この場合、
図15に示すように、設定例Aの場合、“1”、“0”、“0”、“1”、“0”という読み取り結果となる。“1”はセンサオン、“0”はセンサオフということである。また、設定例Bの場合、“1”、“0”、“1”、“1”、“1”となり、設定例Cの場合、“1”、“0”、“1”、“1”、“0”となる。このように、各フォトセンサについて異なる二つの閾値が設定できるようにしておくことで、結果的に情報担持部22a〜22dが担持し得る情報の量が多くなる。このため、異なる多くの施設で使用される場合、より好適な顧客来場促進装置となる。
尚、青、赤、黄色等の色で印刷した場合にも、透明領域の場合と同程度の検出電流が得られることが判っており、透明領域の代わりに用いられることもある。
【0077】
次に、第六の実施形態について説明する。
図16は、第六の実施形態における無料カードとその読み取りについて示した斜視概略図である。
第六の実施形態でも、第一の実施形態と同様、無料カード2には、同じ情報を担持した四つの情報担持部22a〜22dが設けられている。
図16に示すように、第六の実施形態では、各情報担持部22a〜22dは、透明領域及び黒色領域から成るパターンが二列に設けられたものとなっている。各情報担持部において、内側(無料カードの中央側)の列を内側列と呼び、反対側を外側列と呼ぶ。
【0078】
第六の実施形態では、
図11に示す第三の実施形態と同様、二つの読み取りセンサが設けられている。二つの読み取りセンサ32A,32Bは、受け具331に当接した状態の無料カード2の左右に位置するよう設けられている。そして、一方の読み取りセンサ(例えば左側の読み取りセンサ)32Aは、下側且つ左側の情報担持部の内側列を読み取る位置に配置されており、他方の読み取りセンサ(例えば右側の読み取りセンサ)32Bは、外側列を読み取る位置に配置されている。
【0079】
出力制御部34の受信回路342は、二つの読み取りセンサ32A,32Bからの出力を統合して一つの識別情報とするよう構成されている。各情報担持部22a〜22dにおいて、内側列と外側列とは、担持する情報に応じて異なるものであるが、情報担持部22a〜22d同士では同じである。従って、一つの情報担持部(例えば情報担持部22c)の内側列の読み取り結果と別の情報担持部(例えば情報担持部22d)の外側列とを統合することで、一つの情報担持部の読み取り結果と等価となる。
【0080】
この実施形態の場合も、第一の実施形態と比べると、一つの情報担持部が担持する情報量の倍増するので、異なる多くの施設で使用される場合、より好適な顧客来場促進装置となる。また、無料カードの向きを上下左右に変えても同じように読み取りができるので、使用が簡単である。尚、第六の実施形態において、第五の実施形態のように三段階に光透過率が異なる領域で各情報担持部22a〜22dを構成し、これに応じて異なる複数の閾値の設定が可能なものを各読み取りセンサ32A,32Bとして採用しても良い。このようにすると、さらに情報量が増加する。
【0081】
次に、第七の実施形態について説明する。
図17は、第七の実施形態における無料カードとその読み取りについて示した斜視概略図である。
第七の実施形態でも、無料カード2は透明な基材21より成るものであり、無料カード2の左右の辺にそれぞれ情報担持部22a,22bが設けられている。各情報担持部22a,22bの各単位領域23は、第一の実施形態と同様に透明領域か黒色領域であるが、その幅は第二の実施形態と同様に狭いものとなっている。そして、各情報担持部22a,22bが設けられた領域は、無料カード2のほぼ全長に亘っている。従って、
図17に示すように、単位領域23の数が第二の実施形態よりも多く、この例では30個となっている。
【0082】
一方、読み取りセンサ32は、受け具331で停止した無料カード2の一方の側の辺を臨む位置に設けられている。読み取りセンサ32は、各情報担持部22a,22bの単位領域23の数の半分の数のフォトセンサ321で構成されている。そして、
図17に示すように、左右の情報担持部22a,22bは、単位領域1個分の幅wだけ高さ方向に互いにずれた位置に設けられている。
【0083】
第七の実施形態における無料カードの読み取りについて、
図18を使用して説明する。
図18は、第七の実施形態における無料カードの読み取りについて示した正面概略図である。
図17に示すように、この実施形態では、左右の情報担持部は、単位領域1個分だけずれて設けられているから、左側の情報担持部22aが読み取られる場合と、左右に裏返して左右を逆にして右側の情報担持部22a,22bが読み取られる場合とでは、同じ読み取りセンサであっても情報担持部22a,22b上の異なる箇所で検出が行われることになる。この様子が、
図18に示されている。説明の都合上、
図17において上側にずれている左側の情報担持部を第一の情報担持部22aとし、これに対して下側にずれている右側の情報担持部を第二の情報担持部22bという。
【0084】
図18中の(a1)は、読み取りセンサ32に読み取られる際の第一の情報担持部22aのパターンを示し、(a2)は読み取りセンサ32に読み取られる第一の情報担持部22aの各単位領域32を抜き出して示している。また、
図18中の(b1)は、読み取りセンサ32に読み取られる際の第二の情報担持部22bのパターンを示し、(b2)は読み取りセンサ32に読み取られる第二の情報担持部22bの各単位領域32を抜き出して示している。
【0085】
図18(a2)と(b2)とを対比すると解るように、第一の情報担持部22aを読み取った場合も、裏返して左右を逆にして第二の情報担持部22bを読み取った場合も、各フォトセンサ321から出力されるオンオフのパターンは同じになる。つまり、左右を逆にしても誤りなく情報が読み取られる。そして、
図17及び
図18に示すように、合計15個の単位領域23で識別情報が担持されており、より多くの情報が担持できるようになっている。このため、異なる多くの施設で使用される場合、より好適な顧客来場促進装置となる。この第七の実施形態において、第五の実施形態のように三段階に光透過率が異なる領域で各情報担持部を構成し、これに応じて異なる複数の閾値の設定が可能なものを各読み取りセンサとして採用しても良い。
【0086】
尚、上記説明及び
図17や
図18から解るように、無料カード2を上下に裏返した場合も、誤りなく情報が読み取られる。上下に裏返した場合、同じ情報担持部22a,22bが読み取られることになるが、単位領域1個分だけずれて読み取られるのみであり、読み取られるパターンは同じである。さらに、裏返さずに上下の向きを逆にして読み取った場合でも、同様に誤りなく読み取りが可能である。
【0087】
次に、第八の実施形態について説明する。
図19は、第八の
実施形態の顧客来場促進装置の主要部の正面断面概略図である。
第八の実施形態は、カード読み取り機の構造が上記各実施形態と異なっている。第八の実施形態は、カード読み取り機の故障やイタズラによる不具合等を考慮した構造となっている。
【0088】
具体的に説明すると、
図19において、第八の実施形態におけるカード読み取り機3の組み立て構造が示されている。
図19に示すように、この実施形態では、カード読み取り機3は、読み取りセンサ32やゲート部33等がユニット化されており、着脱自在となっている。以下、このユニットを、読み取りユニットという。読み取りユニットは、円筒状の枠体300と、枠体300に固定された読み取りセンサ32やゲート部33と、枠体300上で回転可能に取り付けられている上板301等から構成されている。
上板301は、第一の実施形態に相当する上板部311に相当するものであり、カード挿入口310を有している。上板301は、連結ブロック302により枠体300の上面に連結されている。連結ブロック302は、上板301の下面に固定されている。連結ブロック302は、円環状のものであり、横方向(板面方向)に貫通したピン孔が幾つか設けられている。
【0089】
枠体300の上端には、連結ブロック302の内径より僅かに小さい外径の円筒部(以下、上端円筒部という)309が形成されている。上板301は、連結ブロック302を介してこの上端円筒部309に取り付けられる。上端円筒部309の側面には、360度(全周)に延びるようにしてピン溝が形成されている。ピン溝は、上端円筒部309の上面に上板301を載置した際、連結ブロック302の各ピン孔と同じ高さになるよう形成されている。上板301は、
図19に示すように、ロックピン303を連結ブロック302の各ピン孔に挿入し、その先端をピン溝に差し込むことで枠体300の上端円筒部309に固定されている。この固定は、上下方向に移動しないようにする固定であり、ロックピン303はピン溝に沿って移動し得るため、上板301は上端円筒部309の中心軸の周りに回転し得る。
【0090】
また、
図19に示すように、連結ブロック302の下面には、ピン孔が形成されている。枠体300の上端円筒部309より外側の部分は、上端円筒部309とともに段差を形成している(以下、段差部という)。
図19に示すように、段差部内には、プランジャ機構が内蔵されている。プランジャ機構は、突出ピン304と、突出ピン304を上下動させるピン駆動部305とから成る。
図19に示すように、突出ピン304の位置は、連結ブロック302のピン孔を臨む位置となっており、突出ピン304がピン孔に嵌り込むことで、連結ブロック302の回転が規制され、上板301の回転も規制されるようになっている。尚、ピン孔は、円環状の連結ブロック302の左右に設けられている。二つのピン孔は180度隔てられている。
【0091】
また、ガイド37の構造も、第一の実施形態と多少異なっている。第八の実施形態では、ガイド37は、角筒状のガイド枠373と、ガイド枠373の内部を中央で二つに仕切る仕切り板374とから形成されている。仕切り板374で仕切られたガイド枠373内のいずれかの空間で無料カード2がガイドされるようになっている。
【0092】
ガイド枠373内の二つの空間(以下、ガイド空間)に対応して、読み取りセンサ32やゲート部33も二つ設けられている。一方は、左側のガイド空間に挿入された無料カード2を読み取り、通過させるものである。他方は、右側のガイド空間に挿入された無料カード2を読み取り、通過させるものである。
各読み取りセンサ32や各ゲート部33の構成自体は、上述した第一の実施形態と基本的に同様である。尚、ガイド37や二つの読み取りセンサ32、二つのゲート部33等は、枠体300内に設けられているため、枠体300と一体に移動し得る。
【0093】
二つのガイド空間のうちの一方を使用し、無料カード2の読み取りや通過を行う。どちらのガイド空間でも構わないが、一例として、
図19では、左側のガイド空間が使用される状態が描かれている。上板301において、カード挿入口310は、中心から少し外れた位置に形成されており、左側のガイド空間を臨む位置となっている。このため、カード挿入口310から挿入された無料カード2は、左側のガイド空間を通り、左側のゲート部33の受け具331に当接する。そして、左側の読み取りセンサ32により読み取りがされる。
読み取りや無料カード2の取り込みの動作は、第一の実施形態と同様である。情報担持部を読み取りセンサ32が読み取り、正しいと判断された場合、ゲート部33が動作して受け具331が後退し、無料カード2が落下してカード回収部36に溜められる。
【0094】
このような動作において、イタズラ等により故障や不具合が生じ、無料カード2の読み取りができなくなることがある。よくあるのは、関係のないカードを無理矢理押し込んで抜けなくなってしまう事故や、ガム等をカード挿入口310に詰め込んで使えなくしてしまうイタズラである。このような場合、修理が必要になるが、この実施形態では、自販機業者のサービスマンや自動販売機メーカーの修理担当者といった専門家が来なくても応急処置ができ、暫定的に機能復旧できる構造となっている。
【0095】
図20は、
図19に示す第八の実施形態における暫定復旧の仕方について示した正面断面概略図である。イタズラ等により無料カードの挿入ができなくなってしまった場合、
図20に示すように、専用の治具306を使用して暫定復旧を行う。治具306は、円盤状の部材であり、
図20に示すように下面に差し込み突起307を有する。差し込み突起307は、カード挿入口310と同様に中心を少し外れた位置にあり、差し込み突起307の断面形状は、カード挿入口310に適合するよう細長い長方形となっている。
【0096】
一方、プランジャ機構は、突出ピン304の進退を制御する不図示の制御スイッチを備えている。制御スイッチは、ケーシング31の側面に設けられている。暫定復旧を行う場合、制御スイッチを押し、突出ピン304を後退させる。また、
図20(2)に示すように、差し込み突起307をカード挿入口310に嵌め込み、治具306を上板301に連結する。この状態で、治具306のハンドル308を掴んで治具306を180度回す。これにより、上板301も治具306と一緒に180度回転する。上端円筒部309は回転しないので、ガイド37その他の部材はそのままの姿勢、位置を保つ。上板301を180度回転させた後、治具306を抜き取る。これにより、
図20(3)に示すように、カード挿入口310は右側のガイド空間を臨む状態となり、右側のガイド空間を経由して無料カード2の挿入、読み取り、回収が可能となる。尚、上板301を180度回転させた後、不図示の制御スイッチを押す。これにより、突出ピン304は反対側のピン孔に嵌り込み、回転が規制される。
【0097】
このように、第八の実施形態では、治具306を使用して上板301のみ180度回転させることで、他方の側のガイド空間を経由して無料カード2の読み取りが可能となる。治具306を使用した作業は簡単なので、施設内自販機1が設置された施設の担当者(修理の専門家ではない者)でも容易に行える。このため、イタズラ等によって故障や不具合が生じた場合、容易に暫定普及が行える。上記説明では、ガイド空間が異物で詰まってしまう例を挙げたが、一方の側の読み取りセンサ32やゲート部33が故障して使えなくなってしまった場合も、同様に暫定復旧できることは勿論である。
【0098】
このような暫定復旧の構造は、文字通り暫定的であり、右側のガイド空間もイタズラ等によって使用できなくなってしまった場合、通常の修理作業が必要になる。第八の実施形態では、この通常の修理についても作業が容易に行える構造となっている。この点について、
図21を使用して説明する。
図21は、
図19に示す第八の
実施形態の顧客来場促進装置における修理のための交換構造を示した正面断面概略図である。
上記の通り、カード読み取り機3の修理は、ガイド空間に異物が詰まってしまったり、読み取りセンサ32等が故障してしまったりした場合に必要になる。この場合、枠体300及びその内部の部材を全体に引き出して、適宜交換や修理を行う。
【0099】
具体的には、枠体300は、区画板35の上に載った状態で取り付けられている。
図19及び
図21に示すように、ケーシング31には、枠体300を固定するためのピン孔を有しており、枠体300はピン孔に挿通された固定ピン316により枠体300に固定されている。修理の際、固定ピン316を外し、
図21に示すように、上板301と一緒に枠体300をその内部の部材とともにケーシング31から引き抜く。この際、
図21に示すように上板301は枠体300より少し大きくなっていて周辺部がはみ出しているので、そのはみ出した部分を手で持って引き上げると、容易である。その後、必要な修理又は交換をした後、枠体300に対して上板301をロックピン303で固定し、その状態で枠体300をケーシング31に挿入して固定ピン316で固定する。これにより、修理が完了する。
上記のように、第八の実施形態では、上板301のみ回転させるという簡単な作業で暫定復旧ができる上、通常の修理も上板301及び枠体300をケーシング31から引き出せる構造なので、容易に行える。尚、第八の実施形態の構造は、カード読み取り機3が施設内自販機1の前面扉12に設けられた第二の実施形態においても採用することができることは、勿論である。
【0100】
次に、第九の実施形態について説明する。
図22は、第九の
実施形態の顧客来場促進装置の主要部について示した概略図である。
第九の実施形態では、情報担持部22に担持された情報のフォーマット(レイヤ構造)が上記各実施形態と異なっており、
図22(1)には、第九の実施形態におけるレイヤ構造が示されている。
【0101】
上記各実施形態において、情報担持部22に担持された情報は、真正な無料カードであるかどうかの識別及びその顧客来場促進装置が設置された施設の他の施設からの識別を行うものであると説明した。第九の実施形態においてもこの点は同様であるが、さらに、一つの施設内において複数の種別の無料カードが使用されるようになっており、どの種別の無料カードが使用されたかを識別する情報が担持されるようになっている。
【0102】
具体的に説明すると、
図22(1)に示すように、第九の実施形態では、情報担持部22は二つのレイヤ221,222から成るフォーマットとなっている。第一のレイヤ221は、上記各実施形態と同様に、真正な無料カードであるかどうかの識別及びその顧客来場促進装置が設置された施設の他の施設からの識別を行うための情報(メイン情報)を担持したレイヤであり、以下、メインレイヤという。第二のレイヤ222は、一つの施設内で区別するための情報(サブ情報)を担持したレイヤであり、以下、サブレイヤという。
【0103】
第九の実施形態では、一つの情報担持部が20個の単位領域23から成るものとなっている。例えば、
図17に示す第七の実施形態において単位領域23の数を40個に増やすことで実現することができる。
図22(1)に示すように、この例では、メインレイヤは17個の単位領域23から成り、サブレイヤは3個の単位領域23から成っている。各単位領域23は、黒色領域か透明領域かであるので、メインレイヤ221は、17ビット(131072通り)の情報を担持し、サブレイヤ222は3ビット(8通り)の情報を担持している。
【0104】
図22(2)には、第九の実施形態における出力制御部34の概略構成が示されている。この実施形態においても、各フォトセンサ321の受光素子からの出力は出力制御部34に入力される。出力制御部34の保持回路341には、上記レイヤ構造に従ってメイン情報とサブ情報とが保持されている。判断回路343は、受信回路342で受信された情報のうちメインレイヤの情報を保持回路341に保持されているメイン情報と照合して一致するかを判断する。
【0105】
一方、
図22(2)に示すように、この実施形態では、出力制御部34は、実績情報記憶部345を有している。実績情報記憶部345は、RAMのようなメモリである。実績情報記憶部345には、実績情報を記録したファイルである実績情報ファイルが記憶されている。出力制御部34は、上記のようにメインレイヤの情報について照合を行った際、真正な無料カードであると判断された場合、サブレイヤの情報を実績情報ファイルに記録するよう構成されている。実績情報ファイルは、CSVのような簡易なデータベース形式のファイルであり、無料カード2が読み取られた日時、サブ情報の内容等をデータベース形式で記録したファイルである。
【0106】
実績情報記憶部345の実績情報ファイルは、外部からのアクセスにより読み取ることができるようになっている。例えば、出力制御部34をタブレット型PCのような汎用コンピュータで構成し、実績情報記憶部345をハードディスクとし、インターフェースを介して実績情報ファイルの内容を読み取る構成が考えられる。実績情報ファイルの内容を読み取ることで、ある期間内のトータルの無料カードの回収数(即ち、無料での飲料の提供数)が確認でき、またサブ情報の解析によりどのような種別の無料カードがどの程度使用されたかを知ることができる。
【0107】
サブ情報の利用については、種々のものが考えられる。一例として、顧客来場促進のための営業活動に利用する場合について以下に説明する。例えば、車の販売会社の営業所において
この来場促進装置が使用されるとする。この場合、営業所には複数の営業マンが在籍しており、日々、個別訪問のような営業活動を行っている。そして、訪問の際、無料カードを渡し、営業所に来場して試乗等をしてくれるよう要請する。
【0108】
この際、営業所では、サブ情報として各営業マンの識別情報(営業マンID)を設定する。そして、各営業マンには、自身の営業マンIDがサブ情報として担持されている無料カードを所定数渡し、営業活動において顧客に配ってもらう。
このようにすると、実績情報ファイルの内容を読み取った際、無料カードの回収数を営業マンID毎に集計することができるので、どの営業マンの営業活動がどの程度の数の顧客来場に結びついたかを知ることができ、営業マンの営業活動の成果を評価することができる。
【0109】
上記の例は、個々の営業マン毎にIDが設定されていたが、複数の異なる部署毎にIDを設定し、部署毎に実績を集計するようにしても良い。
また、サブ情報は、顧客来場促進の費用の集計にも使用することができる。例えば、上記のように各営業部署についてIDが設定されている場合、営業部署毎に無料カードの回収数を集計し、各部署の営業費用として計上することができる。このようにすると、各部署で費用負担が公平になるので好適である。
上記の例の他、サブ情報としては、例えば、来場者に応じて異なる種別の無料カードを渡すようにし、来場者の種別を集計するための情報とすることができる。
【0110】
以上のように説明した各実施形態において、各情報担持部22a〜22dで担持情報は施設毎に異なるものであったが、同じ事業者が複数の施設を運営しているような場合、複数の施設において同じ識別情報が情報担持部22a〜22dで担持される場合もある。例えば店舗をチェーン展開している事業者において、来場者に無料カード2を進呈する場合、当該店舗でも使えるし、他の店舗でも使えるようにする場合もある。
【0111】
また、各実施形態において、施設内自販機1における「施設内」は、通常よりも広い意味で解釈される必要がある。例えば、ある施設に提携駐車場が隣接していて、その駐車場内に施設内自販機1やカード読み取り機3が設置されている場合もあり得る。したがって、「施設内」とは、当該施設の敷地内及び当該施設に関連した近隣の場所も含む。
【0112】
上述したように、各実施形態の
顧客来場促進装置によれば、来場者(顧客)に対して施設内自販機1の商品の無料提供という形で特典が与えられるので、効果的なプロモーションとなる。その上、施設内自販機1は通常の自動販売機としても使用できるので、来場者に対する利便性は勿論、販売コミッションの収入が施設側に見込める。また、無料カード2は回収して再利用できるので、この点でも低コストのプロモーションとなっているおり、施設内自販機1の管理は自販機業者が行うので、プロモーションに要する手間も非常に小さい。
【0113】
このような顧客来場促進装置は、各種店舗、ゲームセンター、漫画喫茶、カラオケ店などのアミューズメント施設、ホテル、カプセルホテル、スーパー銭湯といった宿泊・浴場施設等の商業施設において効果的に利用することができる。例えばスーパー銭湯の場合、会計が終了した際に無料カード2を進呈し、帰る前に一息ついてもらうといった利用方法が考えられる。
【0114】
また、店舗の場合、カーディーラーの営業所や住宅展示場のような高額商品を取り扱う施設に設置されるとより効果を発揮する。これらの施設の他、イベント会場のような一時的に顧客が集まる施設や、空港の待合室(例えばVIPルーム)のような施設も想定される。尚、顧客は、通常より広い概念であり、博物館や美術館のような施設への来場者も含まれる。さらに、施設には営利目的のものに限らず、例えば町内会のような地域のイベントに来場してもらうために利用される場合もあり得る。
【0115】
尚、上記各実施形態では、無料カード2の情報担持部22a〜22dの読み取りは、透過型のフォトセンサ321により行われたが、反射型のフォトセンサが用いられる場合もあり、磁気式のような他の方式のセンサが使用されることもある。反射型のフォトセンサの場合、無料カード2の情報担持部22a〜22dでは、各単位領域は、黒色の領域と反射面(例えば鏡面)の領域とのいずれかということになる。
また、情報担持部22a〜22dとしては、バーコードやQRコード((株)デンソーウェーブの登録商標)といった一次元又は二次元のシンボルで情報を担持する構成が採用されることもある。これらシンボルの場合、バーコードリーダーやQRコードリーダーが読み取りセンサとして用いられることになる。さらに、無料カード2としてはICカードのようなより高機能なカードが使用される場合もあり、ICチップが情報担持部である場合もある。この場合は、無線により非接触でICカードの情報を読み取るもの等が読み取りセンサとして使用されることになる。
尚、ICカードを使用する場合に比べると、上記各実施形態のものは、透明な基材21に黒色領域及び透明領域のパターンを印刷するだけであり、リーダーとして複数のフォトセンサ321から成るものが採用されるので、コストとしては非常に安価なものになるので好適である。
【0116】
また、カード読み取り機3の出力制御部34と施設内自販機1の制御部13との信号の送受信は、信号線30による場合の他、無線方式が採用されることもあり得る。無線は近距離タイプのもので足り、例えば赤外線通信又はBluetooth(ブルートゥース エスアイジー,インコーポレイテッドの登録商標)等が採用され得る。
尚、第一の実施形態において、無料モードへの切り替えは、回収検出センサ372からの信号により行う場合もあり得る。
【0117】
また、上記各実施形態では、1枚の無料カード2で無料提供される商品は1個のみであったが、無制限とされることはないものの、2個や3個等の場合もあり得る。複数個の商品を1枚の無料カード2で払い出しができるようにする場合、例えば、無料カード2としてICカードが使用される。そして、読み取りセンサ32について、識別情報を読み取って1回の無料提供がされると、その旨を無料カード2のICチップに書き込むようにする構成される。ICチップには、無料提供の残存数が記録され、残存数がゼロになったらカード回収部36に回収される構成とされる。
【0118】
尚、施設内自販機1において無料提供される対象の商品は全ての商品の場合もあるが、特定の商品だけ(例えば緑茶とミネラルウォーターのみ)を無料提供する場合もあり得る。この場合は、無料モードが特定の商品選択ボタン122において有効となるよう制御部13が構成される。
また、施設内自販機1は、清涼飲料の自動販売機である必要はなく、他の商品の自動販売機であっても良い。例えば、ビールのようなアルコール飲料の自動販売機を施設内自販機1とし、ゴルフ場や野球場のような施設で無料カード2が進呈されるような利用形態が考えられる。別の例としては、おもちゃを販売する自動販売機において本願発明の構成を採用し、景品を来場特典として進呈する際に利用する形態も考えられる。