(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979451
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20060101AFI20160817BHJP
【FI】
G06T7/00 530
G06T7/00 510B
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-507312(P2014-507312)
(86)(22)【出願日】2012年10月1日
(86)【国際出願番号】JP2012075373
(87)【国際公開番号】WO2013145383
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-74711(P2012-74711)
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】堀場 裕司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 昌紀
【審査官】
佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−036443(JP,A)
【文献】
特開2004−078434(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/109994(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの画像データにおいて、共通する複数の特徴点を取得する特徴点取得手段と、
前記少なくとも2つの画像データにおいて共通する特徴点に、同一の対応記号を別々に付与する際に、前記特徴点と前記対応記号とを結ぶ表示線が、他の特徴点と他の特徴点についての対応記号とを結ぶ表示線と重ならないように、前記複数の特徴点についての前記対応記号の表示位置を順次決定する表示位置決定手段と、
前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記表示線と、前記特徴点についての対応記号と、を表示する表示手段と、を含む
表示装置。
【請求項2】
前記表示位置決定手段は、
前記画像データ上に起点を決定し、前記起点から前記複数の特徴点のそれぞれに延伸する直線上に、前記対応記号の表示位置を決定する
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示位置決定手段は、
前記画像データの中心を前記起点として決定する手段である、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示位置決定手段は、
前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記各特徴点の分布情報を取得し、前記分布情報から、前記それぞれの画像データについて前記各特徴点の分布の中心点を決定し、
決定した前記中心点を前記起点として決定する手段である、請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示位置決定手段は、
前記複数の特徴点についての前記対応記号の表示位置を順次決定し、
既に対応記号の表示位置が決定された特徴点が存在する場合には、
後に付与される対応記号の表示位置を決定する際に、特徴点と対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点とを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、前記後に付与される対応記号の表示位置を調整する、請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示位置決定手段は、さらに、前記少なくとも2つの画像データにおいて付与される前記同一の対応記号の表示位置を、互いに一致するように調整する、請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記照合対象となる画像データが、指紋および掌紋の少なくとも1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
少なくとも2つの画像データにおいて、共通する複数の特徴点を取得する特徴点取得工程と、
前記少なくとも2つの画像データにおいて共通する特徴点に、同一の対応記号を別々に付与する際に、前記特徴点と前記対応記号とを結ぶ表示線が、他の特徴点と他の特徴点についての対応記号とを結ぶ表示線と重ならないように、前記複数の特徴点についての前記対応記号の表示位置を順次決定する表示位置決定工程と、
前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記表示線と、前記特徴点についての対応記号と、を表示する表示工程と、を含む
表示方法。
【請求項9】
前記表示位置決定工程は、
前記画像データ上に起点を決定し、前記起点から前記複数の特徴点のそれぞれに延伸する直線上に、前記対応記号の表示位置を決定し、
前記画像データの中心を前記起点とする工程である、請求項8記載の表示方法。
【請求項10】
前記表示位置決定工程は、
前記画像データ上に起点を決定し、前記起点から前記複数の特徴点のそれぞれに延伸する直線上に、前記対応記号の表示位置を決定し、
前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記各特徴点の分布情報を取得し、前記分布情報から、前記それぞれの画像データについて前記各特徴点の分布の中心点を決定し、
決定した前記中心点を前記起点とする工程である、請求項8記載の表示方法。
【請求項11】
前記表示位置決定工程において、
前記複数の特徴点についての前記対応記号の表示位置を順次決定し、
既に対応記号の表示位置が決定された特徴点が存在する場合には、
後に付与される対応記号の表示位置を決定する際に、特徴点と対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点とを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、前記後に付与される対応記号の表示位置を調整する、請求項8から10のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項12】
前記表示位置決定工程において、さらに、前記少なくとも2つの画像データにおいて付与される前記同一の対応記号の表示位置を、互いに一致するように調整する、請求項8から11のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項13】
前記照合対象となる画像データが、指紋および掌紋の少なくとも1つである、請求項8から12のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項14】
請求項8から13のいずれか一項に記載の表示方法を、コンピュータで実行可能なことを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
犯罪捜査等において、個人の認証を行う場合、指紋および掌紋等の生体特徴が用いられている。犯罪現場等で採取した遺留掌紋等の結果を確認後、裁判所等で照合結果を目視で確認する際、照合結果を示す書面が証拠として提出される。この書面においては、遺留掌紋と候補押捺掌紋とを比較し、互いの特徴点のどの部分が一致しているのかを提示する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−322041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この書面を作成する際、遺留捜査官等のオペレータは、システムにより自動的に照合された特徴点情報、および、オペレータが追加、補正した特徴点を、裁判所等にて法廷証拠として判別が容易となるように、一点ずつ手動で配置する必要があった。
図6(a)に、自動的に作成された照合結果の一例を示す。特徴点とその特徴点に対応して付与された番号とを結ぶ線同士が、交差している箇所が多数あり、判別しづらいものとなっている。このような照合結果を、視覚的に確認が容易となるように、オペレータが手動で
図6(b)の状態に線の配置を変更させる必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、照合システムの照会結果情報を基に、一致した照合結果の特徴点を表示する際に、特徴点の表示結果の視覚的な確認が容易となるような、照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照合結果表示装置は、
照合を行う少なくとも2つの画像データにおいて、共通する複数の特徴点を取得する特徴点取得手段と、
前記少なくとも2つの画像データにおいて共通する特徴点に、それぞれ同一の対応記号を付与する際に、前記特徴点と前記対応記号とを表示線で結んだときに、他の特徴点と他の特徴点の対応記号とを結ぶ表示線と重ならないように、前記対応記号の表示位置を決定する表示位置決定手段と、
前記表示位置に、前記対応記号を付与し、前記特徴点と前記特徴点の対応記号とを表示線で結び表示する表示手段と
を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の照合結果表示方法は、
照合を行う少なくとも2つの画像データにおいて、共通する複数の特徴点を取得する特徴点取得工程と、
前記少なくとも2つの画像データにおいて共通する特徴点に、それぞれ同一の対応記号を付与する際に、前記特徴点と前記対応記号とを表示線で結んだときに、他の特徴点と他の特徴点の対応記号とを結ぶ表示線と重ならないように、前記対応記号の表示位置を決定する表示位置決定工程と、
前記表示位置に、前記対応記号を付与し、前記特徴点と前記特徴点の対応記号とを表示線で結び表示する表示工程と
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、前記本発明の照合結果表示方法を、コンピュータで実行可能なことを特徴とする。
【0009】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照合システムの照会結果情報を基に、一致した照合結果の特徴点を表示する際に、特徴点の表示結果の視覚的な確認が容易となるような照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の照合結果表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の照合結果表示装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明における表示位置決定工程の一例を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、本発明における照合結果の表示の一例を説明する模式図である。
【
図5】
図5は、本発明における表示位置決定工程の他の例を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、関連技術における照合結果の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の照合結果表示装置において、前記表示位置決定手段は、前記画像データの中心を起点とし、前記複数の特徴点のそれぞれを通る直線を求め、対応記号を表示可能な画像上の領域内における前記直線上となる位置を、対応記号の配置位置として決定する手段であることが好ましい。また、本発明の照合結果表示方法において、前記表示位置決定工程は、前記画像データの中心を起点とし、前記複数の特徴点のそれぞれを通る直線を求め、対応記号を表示可能な画像上の領域内における前記直線上となる位置を、対応記号の配置位置として決定する工程であることが好ましい。
【0013】
本発明の照合結果表示装置において、前記表示位置決定手段は、前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記各特徴点の分布情報を取得し、前記分布情報から、前記それぞれの画像データについて前記各特徴点の分布の中心点を決定し、前記中心点を起点とし、前記複数の特徴点のそれぞれを通る直線を求め、対応記号を表示可能な画像上の領域内における前記直線上となる位置を、対応記号の配置位置として決定する手段であることが好ましい。また、本発明の照合結果表示方法において、前記表示位置決定工程は、前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記各特徴点の分布情報を取得し、前記分布情報から、前記それぞれの画像データについて前記各特徴点の分布の中心点を決定し、前記中心点を起点とし、前記複数の特徴点のそれぞれを通る直線を求め、対応記号を表示可能な画像上の領域内における前記直線上となる位置を、対応記号の配置位置として決定する工程であることが好ましい。
【0014】
本発明の照合結果表示装置において、前記表示位置決定手段は、前記複数の特徴点につき順次表示位置を決定し、既に対応記号の表示位置が決定された特徴点が存在する場合には、後に付与される対応記号の表示位置を決定する際に、特徴点と対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点とを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、前記後に付与される対応記号の表示位置を調整することが好ましい。また、本発明の照合結果表示方法は、前記表示位置決定工程において、前記複数の特徴点につき順次表示位置を決定し、既に対応記号の表示位置が決定された特徴点が存在する場合には、後に付与される対応記号の表示位置を決定する際に、特徴点と対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点とを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、前記後に付与される対応記号の表示位置を調整することが好ましい。
【0015】
本発明の照合結果表示装置において、前記表示位置決定手段は、さらに、前記少なくとも2つの画像データにおいて付与される前記同一の対応記号の表示位置を、互いに一致するように調整することが好ましい。また、本発明の照合結果表示方法は、前記表示位置決定工程において、さらに、前記少なくとも2つの画像データにおいて付与される前記同一の対応記号の表示位置を、互いに一致するように調整することが好ましい。
【0016】
本発明の照合結果表示装置において、前記照合対象となる画像データが、指紋および掌紋の少なくとも1つであることが好ましい。また、本発明の照合結果表示方法において、前記照合対象となる画像データが、指紋および掌紋の少なくとも1つであることが好ましい。
【0017】
つぎに、本発明の照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体の実施形態について説明する。ただし、本発明は、下記の実施形態に限定されない。
【0018】
[実施形態1]
図1は、本発明の照合結果表示装置の構成の一例を示すブロック図である。また、
図2は、本発明の照合結果表示方法のフローチャートである。
図1に示すように、この照合結果表示装置100は、特徴点取得手段10と、表示位置決定手段20と、表示手段30とを有する。本発明は、例えば、犯罪現場で採取された遺留掌紋等を、データベースに照合要求し、照合結果を表示する際の処理において使用される。
【0019】
特徴点取得手段10は、照合を行う少なくとも2つの画像データにおいて、共通する複数の特徴点を取得する(特徴点取得工程:ステップS10)。前記少なくとも2つの画像データは、例えば、一方は、照合元データである遺留掌紋や遺留指紋の画像データであり、他方は、照合先データであるデータベースとして蓄積された候補押捺掌紋や候補押捺指紋の画像データである。照合の対象となる照合元の採取された画像データ、および、データベースとして蓄積された画像データから抽出される、前記照合元の画像データと類似の特徴点を有する照合先画像データについて、共通する複数の特徴点を、特徴点取得手段10で取得する。これら画像データは、2つを対比させて照合することもできるし、3つ以上を組み合わせて対比させて照合してもよい。
【0020】
つぎに、表示位置決定手段20により、前記少なくとも2つの画像データにおいて共通する特徴点に、それぞれ同一の対応記号を付与する際に、前記特徴点と前記対応記号とを表示線で結んだときに、他の特徴点と他の特徴点の対応記号とを結ぶ表示線と重ならないように、前記対応記号の前記少なくとも2つの画像データのそれぞれの画像上での表示位置を決定する(表示位置決定工程:ステップS20)。複数の特徴点とそれぞれの特徴点の対応記号とを結ぶ表示線が、お互いに重ならないようにするには、各特徴点の照合元、照合先の画像データそれぞれにおける分布情報を、複数の判定アルゴリズムを用いて解析し、その結果に基づいて、前記それぞれの画像上での表示位置を決定する。
【0021】
ついで、表示手段30により、表示位置決定手段20において決定された画像上の表示位置に、前記対応記号を付与し、前記特徴点と前記特徴点の対応記号とを表示線で結び表示する(表示工程:ステップS30)。前記対応記号は、照合元データの特徴点と、照合先データの特徴点とで、一致すると考えられる特徴点同士が同じ記号となるようにすることができ、例えば、一致の確信度が高い特徴点から昇順に番号を付加して表示することができる。
【0022】
前記判定アルゴリズムとしては、例えば、画像データの中心を起点とし各特徴点をそれぞれ通る直線を求め、対応記号を表示可能な前記画像上の領域(対応記号表示領域)内における前記直線上となる位置を対応記号の配置位置として決定するものがあげられる。前記直線は、前記画像データの中心から放射状に延びることになる。
図3は、この判定アルゴリズムを用いた際の表示位置の決定工程を説明する図である。
図3に示すように、例えば、特徴点A、B、C、Dのうち、2つの特徴点AおよびBが同一の前記直線上に存在している場合、前記中心から離れている特徴点Aについては、対応記号表示領域内における前記直線上となる位置を対応記号の配置位置として決定し、前記中心に近い特徴点Bについては、特徴点Bと対応記号とを結ぶ表示線が、前記中心を起点として他の特徴点を通る直線に交わらないような位置に、前記対応記号の配置位置をずらして決定する、というアルゴリズムを併せて用いるとよい。このとき、特徴点Bの対応記号の配置位置は、特徴点Aの対応記号の配置位置から、最も近い配置可能な位置に決定されることが好ましい。
【0023】
表示位置決定手段20は、さらに、前記少なくとも2つの画像データにおいて付与される前記同一の対応記号の表示位置を、互いに一致するように調整してもよい。照合の対象となる照合元の採取された画像データと、前記照合元の画像データと類似の特徴点を有する照合先画像データとの比較において、前記2つの画像データを左右に並べて表示したときに、同一の対応記号が、それぞれ画像に対して同一の位置に配置されていると、判別がより容易になるので好ましい。
【0024】
また、法廷証拠として電子的に表示が可能である場合には、ペアマーカを選択することで、ペアの組み合わせが明示されるようにしてもよい。ここで、ペアマーカとは、「特徴点を囲う丸」と「対応記号」、「それぞれを結ぶ線」の組のことを指す。前記明示の方法としては、ペアマーカの片方にマウスカーソルを合わせると、色が変わり、対応するもう一方のペアマーカの色も同じ色に変わるようにすることがあげられる。
図4は、左図は照合元データ、右図は照合先データであり、例えば、図示するような照合結果が得られた場合を示す。ここで、左図の1番の対応記号に、マウスカーソル(図中矢印)を合わせると、左図の1番のマーカの色が変わって表示される。そして、右図において対応する1番の対応記号のマーカも、同色に色が変わって表示される。このように、ペアの組み合わせ箇所をわかりやすく表示することができる。また、ペアマーカを選択することで、ペアの組み合わせ箇所が部分拡大されるようにしてもよい。例えば、片方の画像の対応記号を、ディスプレイ上でクリックすると、左右の画像データにおける前記対応記号に該当する特徴点の箇所の拡大画像を表示させるようにすることができる。
【0025】
本実施形態においては、照合対象となる画像データとして、掌紋である場合を説明したが、本発明はこれに限られず、指紋についても同様に適用することができる。また、例えば、静脈や虹彩等の生体認証情報への適用も可能である。
【0026】
[実施形態2]
実施形態2においては、表示位置決定手段20は、前記少なくとも2つの画像データのそれぞれについて、前記各特徴点の分布情報を取得し、前記分布情報から、前記それぞれの画像データについて前記各特徴点の分布の中心点を決定する。そして、前記中心点を起点とし、前記複数の特徴点のそれぞれを通る直線を求め、対応記号を表示可能な画像上の領域内における前記直線上となる位置を、対応記号の配置位置として決定する手段である。
【0027】
前記分布情報から決定される前記各特徴点の分布の中心点としては、例えば、前記各特徴点の重心の位置とすることができる。実施形態1における画像データの中心に代えて、実施形態2では前記各特徴点の分布の中心点を用いる以外は、同様にして対応記号の表示位置を決定し、照合結果を表示することができる。
【0028】
前記においては、起点を1箇所としているが、本発明はこれに限られない。例えば、前記各特徴点の分布密度の集積度が高い領域が2箇所以上存在する場合、前記各領域における中心点を起点としてもよい。各特徴点について、最も近い位置にある前記中心点を起点として、直線を求めればよい。
【0029】
[実施形態3]
実施形態3においては、表示位置決定手段20は、複数の特徴点につき順次、対応記号の表示位置を決定する。ある特徴点について表示位置を決定する際に、既に対応記号の表示位置が決定された特徴点が存在する場合には、後に付与される対応記号の表示位置を決定する際に、特徴点と対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点とを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、前記後に付与される対応記号の表示位置を調整する。例えば、実施形態1(
図3)のように、画像データの中心を起点とし特徴点を通る直線上に、2つの特徴点AおよびBが存在している結果、一方の特徴点Bと対応記号とを結ぶ表示線を、前記直線からずらして配置したため、その後に対応記号の表示位置を決定しようとする特徴点Eについての表示線の本来の位置が、特徴点Bについての表示線と交差してしまう場合がある(
図5(a))。このような場合、特徴点Eと対応記号とを結ぶ表示線が、既に表示位置が決定された対応記号と特徴点Bとを結ぶ表示線と、交差または重ならないように、
図5(b)に示すように、前記後に付与される特徴点Eについての対応記号の表示位置を調整すればよい。
【0030】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前述の照合結果表示方法を、端末上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明によれば、照合システムの照会結果情報を基に、一致した照合結果の特徴点を表示する際に、特徴点の表示結果の視覚的な確認が容易となるような照合結果表示装置、照合結果表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。本発明は、法廷証拠書面の作成に、有効に適用可能であるのみならず、幅広い用途で適用することが可能である。
【0032】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0033】
この出願は、2012年3月28日に出願された日本出願特願2012−74711を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0034】
100 照合結果表示装置
10 特徴点取得手段
20 表示位置決定手段
30 表示手段
A〜E 特徴点
a〜e 特徴点A〜Eにそれぞれ対応する対応記号