(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベルトは、前記一面側に受光面が露出するように設けられた太陽電池を有し、前記太陽電池により発電された電力を前記電子回路に供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の人体情報収集装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る人体情報収集装置について、実施形態を示して詳しく説明する。
<第1の実施形態>
(人体情報収集装置)
図1は、本発明に係る人体情報収集装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。ここで、
図1(a)は、本実施形態に係る人体情報収集装置を示す上面図であり、
図1(b)は、その正面図であり、
図1(c)は、その下面図であり、
図1(d)は、その左方側面図であり、
図1(e)は、その右方側面図である。また、
図2は、本実施形態に係る人体情報収集装置に適用されるベルト部の要部断面図である。ここで、
図2は、
図1(b)に示すII−II線(本明細書においては図中に示したローマ数字の「2」に対応する記号として便宜的に「II」を用いる)に沿った断面構造を示す図である。また、
図3は、本実施形態に係る人体情報収集装置の人体への装着状態を示す概略図である。ここで、
図3(a)は、本実施形態に係る人体情報収集装置の装着状態を示す正面図であり、
図3(b)は、その背面図であり、
図3(c)は、その側面図である。また、
図4は、本実施形態に係る人体情報収集装置の回路構成を示すブロック図である。
図5は、本実施形態に係る人体情報収集装置における各種データの伝送形態を示す概念図である。
【0012】
本実施形態に係る人体情報収集装置100は、例えば
図1(a)〜(e)に示すように、概略、ベルト部10と、GPS受信部20と、心拍センサ部30と、回路収納部40と、電源スイッチ50と、を有している。
【0013】
ベルト部10は、可撓性を有する帯状部材からなる絶縁物であって、例えば
図1(a)〜(e)に示すように、長手方向(
図1(a)〜(c)の左右方向)の略中央付近の、一面側(例えば
図1(b)の図面手前側、又は、
図1(c)の上面側)に、回路収納部40及びGPS受信部20が突出するように設けられている。また、ベルト部10の長手方向の一端側(左方側端部)近傍には、上記一面側に、ボタン形状を有し、ベルト装着用兼電源操作用の電源スイッチ50が設けられている。また、同他端側(右方側端部)近傍には、ボタン形状を有する電源スイッチ50を掛け留めするためのボタン穴51が設けられている。また、ベルト部10の長手方向の略中央付近に設けられた回路収納部40及びGPS受信部20(便宜的に、図中に基準線FLを示す)を中心にして、ベルト部10の長手方向に略等距離離間した位置には、ベルト部10の幅方向(
図1(b)の上下方向)の側部(例えば
図1(b)の下方側)に突出するように心拍センサ部30を構成する一対の検出電極31が設けられている。
【0014】
ベルト部10は、具体的には、例えば
図2に示すように、回路収納部40及びGPS受信部20が設けられた最上層(回路形成層)11と、人体(すなわち、人体情報収集装置のユーザ)の肌面に直接接する最下層(肌面接触層)12と、当該最上層11と最下層12との間に介在する中間層13と、を備えた多層構造を有している。
【0015】
最上層11は、一面側(
図2の上面側、又は、
図1(b)の図面手前側)に、回路収納部40及びGPS受信部20、電源スイッチ50が設けられ、また、側部(
図1(b)の下方側)に、検出電極31が突出するように設けられている。また、最上層11は、内部に、少なくとも、上記回路収納部40と検出電極31、及び、回路収納部40と電源スイッチ50を電気的に接続する可撓性の配線32、52が設けられている。このような最上層11の構成は、例えばフィルム状のプリント基板に配線や端子を形成し、各種の電子部品を搭載する汎用の実装技術を適用することにより実現することができる。
【0016】
最下層12は、人体の肌面に直接接する他面側(
図2の下面側)において、運動中に人体から発せられる熱が籠もったり、汗等の水分(湿気)による蒸れ等が生じないように、例えば通気性の高いメッシュ状の素材や、吸熱効果や冷却効果が高いジェル状の保冷剤等を内蔵した素材により構成されている。
【0017】
中間層13は、最下層12を透過、又は、最下層12に吸収された人体からの熱や湿気をベルト部10の外部に放出して、最上層11に当該熱や湿気が到達することにより回路収納部40やGPS受信部20、電源スイッチ50、配線32、52等が導通不良や接触不良を生じないように、通気性の高いメッシュ状の素材や、空気層を多く含む素材、放熱効果の高い素材により構成されている。なお、中間層13は、上述したような素材からなる単層の構成に限るものではなく、上記の熱や湿気を遮断するための遮熱素材や防水素材からなる層をさらに積層した多層構造を有するものであってもよい。
【0018】
GPS受信部20は、例えばベルト部10の一面側(例えば
図1(b)の図面手前側、又は、
図1(c)の上面側)に突出して設けられた回路収納部40を台座として、当該回路収納部40の所定の面に取り付けられたGPSアンテナ回路である。
【0019】
GPS受信部20は、具体的には、例えば
図3(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付けた状態で、
図3(b)に示す首部310の背中側の背骨(又は、頸椎)に対応する位置に設けられている。GPS受信部20は、複数のGPS衛星からの電波を受信して、後述する回路収納部40内のGPS受信回路41(
図4参照)に当該受信信号を送信する。これにより、GPS受信回路41において、当該受信信号に基づいて、運動中の人体(ユーザ)の位置情報等が検出される。
【0020】
心拍センサ部30は、人体の心電位信号を検出するための一対の検出電極31を有し、当該一対の検出電極31が、ベルト部10の長手方向に設定された基準線FL(
図1(a)〜(c)では略中央付近)を中心にして、長手方向に略等距離離間した位置に当該ベルト部10から突出するように設けられている。
【0021】
一対の検出電極31は、具体的には、例えば
図3(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付けた状態で、
図3(b)に示す首部310の背中側の背骨を中心として、その左右略等距離の位置(いわゆる、首筋に相当する部分)に密着するように設けられている。一対の検出電極31は、ベルト部10の最上層11の内部に設けられた配線32を介して、後述する回路収納部40内の心拍検出回路42(
図4参照)に検出した心電位信号を送信する。これにより、心拍検出回路42において、当該心電位信号の変化から心拍が検出され、心拍数が計測される。なお、
図1、
図3においては、心拍センサ部30の一対の検出電極31として、ベルト部10の幅方向の側部から突出するように設けた構成を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、
図3に示すように、本実施形態に係る人体情報収集装置100を人体300の首部310に装着した状態で、心電位信号を検出可能な首部310の部位に密着するものであれば、例えば検出電極31の先端部分がベルト部10の他面側(例えば
図1(c)、
図2の図面下面側)に延在するように設けられているものであってもよい。
【0022】
回路収納部40は、ベルト部10の長手方向(
図1(a)〜(c)の左右方向)の略中央付近の、一面側(例えば
図1(b)の図面手前側、又は、
図1(c)の上面側)に突出するように設けられている。回路収納部40は、GPS受信部20の台座として設けられるとともに、その内部に、少なくとも、上記のGPS受信部20や心拍センサ部30の一対の検出電極31、電源スイッチ50から送信される各種信号を受信する電子回路が収納されている。
【0023】
ここで、回路収納部40は、GPS受信部20の台座として適用されるため、例えば
図3(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付けた状態で、GPS受信部20がGPS衛星からの電波を良好に受信することができる角度や露出状態で取り付けられるように、その突出形状が設定されている。なお、ベルト部10は、首部310に巻き付けた状態で、人体300の肌面に適度に密着するように可撓性を有しているが、回路収納部40が設けられたベルト部10の長手方向の略中央付近は、当該回路収納部40がベルト部10から剥離したり、脱落したりしないように、剛性が高く、屈曲しない構成を有していることが望ましい。
【0024】
回路収納部40に収納される電子回路は、具体的には、例えば
図4に示すように、GPS受信回路41と、心拍検出回路42と、加速度センサ43と、角速度センサ(ジャイロセンサ)44と、メモリ部45と、通信回路46と、信号処理部47と、を備えている。
【0025】
GPS受信回路41は、上述したGPS受信部20を構成するアンテナ回路を介して、GPS衛星から受信した電波に基づいて、運動中の人体の地理的な位置(緯度経度)や、その位置の高度(又は標高)等を検出する。また、GPS受信回路41は、GPS衛星からの電波のドップラーシフト効果を利用して、人体の移動速度(動作速度)を検出することもできる。検出された位置及び高度、移動速度等からなるGPSデータは、例えばメモリ部45の所定の記憶領域に保存される。
【0026】
心拍検出回路42は、上述した心拍センサ部30を構成する一対の検出電極31に接続され、当該検出電極31から出力される心電位信号の変化から心拍を検出する。そして、単位時間(例えば1分間)当たりに検出される心拍数からなる心拍データは、例えばメモリ部45の所定の記憶領域に保存される。
【0027】
加速度センサ43は、人体の運動中の動作速度の変化の割合(加速度)を計測する。また、角速度センサ(ジャイロセンサ)44は、人体の運動中の動作方向の変化を計測する。この加速度センサ43により測定された加速度データ、及び、角速度センサ44により測定された角速度データは、上記のGPS受信回路41により検出されたGPSデータや、心拍検出回路42により検出された心拍データと関連付けられて、メモリ部45の所定の記憶領域に保存される。なお、加速度データ及び角速度データは、上述したGPS受信回路41において、GPS衛星からの電波の受信状態が不良又は受信不可の場合に、人体の位置を検出するための補完データとして利用される。
【0028】
メモリ部45は、主に、上述したGPS受信回路41により検出されたGPSデータや、心拍検出回路42により検出された心拍データ、加速度センサ43により測定された加速度データ、角速度センサ44により測定された角速度データを、時間データを基準にして、相互に関連付けて保存する不揮発性メモリを有する。ここで、メモリ部45は、GPS受信回路41や心拍検出回路42、通信回路46における各種機能を実行するための制御プログラムが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)を含むものであってもよい。また、メモリ部45を構成する不揮発性メモリ部分は、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体を有し、回路収納部40に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
【0029】
通信回路46は、例えば、上記の各構成により検出された現時点におけるGPSデータや心拍データ、加速度データ、角速度データ、あるいは、メモリ部45に保存された各種のデータを、任意のデバイスや、インターネット等のネットワーク上に設けられたサーバコンピュータに伝送する際のインターフェースとして機能する。ここで、デバイスは、インターネット等のネットワーク上に設けられたサーバコンピュータに接続するための通信機能を備えているものであってもよい。
【0030】
デバイスは、具体的には、例えば
図5(a)、(b)に示すように、例えば人体300に装着、あるいは、携帯された専用の情報端末(例えば、リストバンド型のリストコーディネータ)210や、運動状態の解析プログラムや健康管理用のプログラムが組み込まれた汎用の携帯電話機220、スマートフォン(高機能携帯電話機)230、パーソナルコンピュータ240等を適用することができる。
【0031】
なお、通信回路46を介してデバイスに所望のデータを伝送する手法としては、例えば
図5(a)に示すように、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))をはじめとする各種の無線通信方式や赤外線通信方式、通信ケーブルを介した有線による通信方式等を適用するものであってもよいし、
図5(b)に示すように、メモリカード200を介したデータ転送方式等を適用するものであってもよい。また、ネットワーク上に設けられたサーバコンピュータは、ユーザ自身が管理するものであってもよいし、上記の各種データに基づいてユーザの健康管理や運動状態の解析等のサービスを提供する事業者が管理するものであってもよい。
【0032】
信号処理部47は、所定の制御プログラムに従って処理を実行する演算装置であって、GPS受信回路41や心拍検出回路42、加速度センサ43、角速度センサ44、メモリ部45、通信回路46における各動作を制御する。なお、各構成における動作を制御するための制御プログラムは、予め信号処理部47に組み込まれているものであってもよいし、上述したメモリ部45のROM部分に記憶されているものを読み出して実行するものであってもよい。
【0033】
電源スイッチ50は、ボタン穴51に掛け留めする一般的なボタン形状(例えば円盤状や半球状等)からなる外形形状を有するとともに、押しボタン式やスライド式等の操作スイッチが設けられた構成を有している。
【0034】
人体情報収集装置100は、具体的には、例えば
図3(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付け、電源スイッチ50を当該ベルト部10の長手方向の他端側近傍に設けられたボタン穴51に掛け留めすることにより装着される。この状態で、電源スイッチ50の操作スイッチを操作することにより、動作電源60から、GPS受信回路41や心拍検出回路42、加速度センサ43、角速度センサ44、メモリ部45、通信回路46の各構成への電源電圧の供給状態(供給又は遮断)が制御されて、人体情報収集装置100の電源オン又は電源オフが設定される。
【0035】
動作電源60は、種々の小型かつ可搬型の電源装置を適用することができ、例えば、コイン型電池やボタン型電池、リチウムイオン電池等の二次電池(充電池)のほか、振動や光、熱、電磁波等のエネルギーにより発電する環境発電(エナジーハーベスト)技術により生成された電力を適用することもできる。動作電源60は、これらのいずれか、又は、任意の電源の組み合わせを良好に適用することができる。なお、動作電源60は回路収納部40に収納されているものであってもよいし、その一部又は全部が回路収納部40の外部、例えばベルト部10等に設けられているものであってもよい。
【0036】
(人体情報収集動作)
次に、上述した構成を有する人体情報収集動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る人体情報収集装置における制御動作を示すフローチャートである。ここでは、上述した人体情報収集装置の構成(
図1〜
図5)を適宜参照しながら説明する。
【0037】
まず、上述した構成を有する人体情報収集装置100は、例えば
図3(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付け、電源スイッチ50をボタン穴51に掛け留めすることにより装着される。このとき、ベルト部10の一面側(例えば
図1(b)の図面手前側、又は、
図1(c)の上面側)に突出するように設けられた回路収納部40及びGPS受信部20(具体的には基準線FL)が、
図3(b)に示すように、人体300の背中側の中心に相当する背骨又は頸椎上、又は、その近傍に配置されるように、ベルト部10の装着状態が調整される。また、このとき、一対の検出電極31が、人体300の首部310の背中側であって、心電位信号を検出することができる適切な位置(部位)の肌面に直接密着するように、ベルト部10の装着位置が調整される。
【0038】
次いで、電源スイッチ50の操作スイッチを操作して、人体情報収集装置100の電源をオンすることにより、人体300の運動中の人体情報が検出される(S110)。すなわち、GPS受信部20及びGPS受信回路41により、運動中の人体300の地理的な位置や高度、移動速度等からなるGPSデータが検出され、一対の検出電極31及び心拍検出回路42により心拍データが検出され、加速度センサ43により加速度データが検出され、角速度センサ44により角速度データが検出される。
【0039】
次いで、信号処理部47により、これらのデータがアナログ−デジタル変換(A/D変換)された後、時間データを基準にして相互に関連付けて同期化され(S120)、メモリ部45の所定の記憶領域に保存、蓄積される(S130)。
【0040】
次いで、通信回路46により、上述したメモリ部45に保存されたGPSデータや心拍データ、加速度データ、角速度データ、あるいは、上記の各構成により検出された現時点における各種のデータが、
図5(a)、(b)に示すように、人体300に装着、あるいは、携帯された任意のデバイス(情報端末210、携帯電話機220、スマートフォン230、パーソナルコンピュータ240等)に、所定の通信方式やデータ転送方式を用いて伝送される。デバイスに伝送された各種のデータは、当該データがそのまま表示装置に表示されたり、所定の演算処理に基づいて運動状態の解析データや健康管理データが算出されて表示装置に表示される。
【0041】
このような人体情報収集装置においては、人体300の首部310の背中側(
図3(b)に示した背面図参照)に、回路収納部40を台座としてGPS受信部20が突出して設けられた構成を有している。これにより、人体情報収集装置を人体に装着した状態で、GPS受信部20が常に上空に開けた受信域を有することになるので、ユーザが運動中であってもGPS衛星からの電波が遮られることがなく良好に受信することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、回路収納部40がGPS受信部20の台座として用いられるとともに、加速度センサ43及び角速度センサ44を収納した構成を有し、さらに、人体300の背骨に対応する位置に装着されている。これにより、GPS受信部20や加速度センサ43、角速度センサ44により、運動中の人体300の人体情報を検出する際に、GPS衛星からの電波を良好に受信することができるとともに、人体300の四肢の動きの影響を受けることがなく、高い精度で検出することができる。
【0043】
また、本実施形態においては、人体情報収集装置100のベルト部10を、人体300の首部310に巻き付けた状態で、心拍センサ部30の一対の検出電極31が、心電位信号を検出可能な首部310の適切な部位(例えば首筋に相当する部分)の肌面に直接密着するように装着される。これにより、ユーザが運動中であっても、その振動等により検出電極31の密着位置がずれる等の不具合を抑制することができ、心電位信号を良好に検出することができる。
【0044】
したがって、本実施形態によれば、ユーザの地理的な位置(GPSデータ)や心拍数(心拍データ)、動作速度(加速度データ)、動作方向(角速度データ)、さらには、これらの各種データから運動時の癖(運動姿勢)やカロリー消費量等をより正確に把握して、健康管理や運動状態の解析に役立てることができる。具体的には、本実施形態においては、運動時の各種のデータ(GPSデータ、心拍データ、加速度データ、角速度データ)が、時間データに基づいて相互に関連付けた状態で取得、蓄積される。そして、これらのデータのうちの、例えば、加速度データとユーザの体重データに基づいて、運動中のカロリー消費量が算出され、また、加速度データ及び角速度データに基づいて、運動中の姿勢(例えば前傾姿勢や反り返り、体の傾き)や上下肢の動き(例えば腕の振りや歩幅)や首振りの頻度等が判定される。これにより、ユーザは
図5(a)、(b)に示したようなデバイスの表示装置を介して、例えばランニング等の運動において、当該運動経路のどの地点でどのような運動姿勢であったか(例えば上り坂や下り坂や曲がり角等における運動姿勢)を把握したり、当該運動姿勢の良否を判断したり、また、そのときのカロリー消費量はどの程度であったかを把握することができ、その後の運動方法等に反映させることができる。特に、近年においては、ランニングやウォーキング、サイクリング等を継続する人々の中には、マラソン大会や競技会等への参加を目標として、より本格的なトレーニングを行う人も増加している。このような大会や競技会等への参加を目標とする人々にとっては、より専門的かつ科学的な視点から上記のような運動状態を把握、分析し、日常のトレーニングに反映させることにより、大会や競技会等での好記録の実現に役立てたいという要望が高まっている。本実施形態は、上述したように、運動時の各種の人体情報(GPSデータ、心拍データ、加速度データ、角速度データ、カロリー消費量、運動姿勢等)を相互に関連付けて取得、蓄積することにより、運動状態を総合的に解析して日常のトレーニングに十分反映させることができる。なお、上述した各種の人体情報に基づく運動状態の良否の判断については、ユーザ自身が行うものであってもよいし、健康管理や運動状態の解析等のサービスを提供する事業者が、専門家による知見に基づいてアドバイス等を提供するものであってもよい。
【0045】
さらに、本実施形態においては、GPS受信部20が回路収納部40を台座として一体的に設けられた構成を有している。これにより、人体情報収集装置100のベルト部10を、人体300の首部310に巻き付けて、ボタン形状の電源スイッチ50をボタン穴51に掛け留めするという簡易かつ汎用的な装着方法により、GPS受信部20及び心拍センサ部30、加速度センサ43、角速度センサ44を人体300に一時に装着することができる。また、人体情報収集装置100を装着するための構成と電源操作を行うスイッチを、ボタン形状の電源スイッチ50により一体化した構成を有している。これにより、人体300の正面側(
図3(a)に示した正面図参照)に位置する電源スイッチ50の操作スイッチを操作するという簡易かつ汎用的な操作方法により、人体情報収集装置100の電源をオン(起動)状態又はオフ(停止)状態に設定することができる。したがって、運動開始前の準備を簡素化することができるとともに、運動時や人前であっても簡易かつ適切に装着状態を調整して、運動中の人体情報を確実に検出することができる。
【0046】
また、このとき、ベルト部10が多層構造を有し、人体300の肌面に直接接触する層が、通気性の高い素材や、冷却効果が高いジェル状の保冷剤等を内蔵した素材により構成されているので、運動中に人体300から発散される熱や湿気が籠もったり、汗等の湿気による蒸れやベタ付き等が生じることがなく、ユーザが感じる不快感を軽減することができる。
【0047】
なお、
図1、
図3においては、人体300の首部310にベルト部10を装着する際のボタン穴51を1カ所のみ設けた構成を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、様々な体型やサイズの人体に対応して良好にベルト部10を装着することができるように、ベルト部10の他端側に長手方向に複数個のボタン穴51を設けて、人体情報収集装置100の装着時におけるベルト部10の巻き付け状態(締め付けや緩み)を適宜調整できるようにしてもよい。
【0048】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る人体情報収集装置の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態においては、人体情報収集装置の動作電源について、各種の電源装置を適用できることを示した。第2の実施形態においては、本発明の人体情報収集装置に良好に適用することができる動作電源として、太陽電池を備えた構成を示す。
【0049】
図7は、本発明に係る人体情報収集装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。ここで、
図7(a)は、本実施形態に係る人体情報収集装置を示す上面図であり、
図7(b)は、その正面図であり、
図7(c)は、その下面図であり、
図7(d)は、その左方側面図であり、
図7(e)は、その右方側面図である。また、
図8は、本実施形態に係る人体情報収集装置に適用されるベルト部の要部断面図である。ここで、
図8は、
図7(b)に示すVIII−VIII線(本明細書においては図中に示したローマ数字の「8」に対応する記号として便宜的に「VIII」を用いる)に沿った断面構造を示す図である。また、
図9は、本実施形態に係る人体情報収集装置の人体への装着状態を示す概略図である。ここで、
図9(a)は、本実施形態に係る人体情報収集装置の装着状態を示す正面図であり、
図9(b)は、その背面図であり、
図9(c)は、その側面図である。また、
図10は、本実施形態に係る人体情報収集装置の回路構成を示すブロック図である。なお、上述した第1の実施形態と同等の構成については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0050】
本実施形態に係る人体情報収集装置100は、例えば
図7(a)〜(e)に示すように、概略、ベルト部10と、GPS受信部20と、心拍センサ部30と、回路収納部40と、電源スイッチ50と、を有している。ここで、GPS受信部20と心拍センサ部30と電源スイッチ50は、上述した第1の実施形態と同等であるので、その説明を省略する。
【0051】
ベルト部10は、例えば
図7(a)〜(e)に示すように、上述した第1の実施形態に示した、回路収納部40及びGPS受信部20、電源スイッチ50、ボタン穴51、一対の検出電極31に加え、ベルト部10の一面側(例えば
図7(b)の図面手前側、又は、
図7(c)の上面側)であって、回路収納部40及びGPS受信部20、電源スイッチ50、ボタン穴51が設けられていない領域に、電源装置として太陽電池61が設けられている。ここで、太陽電池61は、例えば
図7(a)〜(e)に示すように、ベルト部10の長手方向(
図7(a)〜(c)の左右方向)に延在するように2箇所に設けられている。
【0052】
ベルト部10は、具体的には、例えば
図8に示すように、上述した第1の実施形態と同様に、最上層11と、最下層12と、中間層13と、を備えた多層構造を有し、太陽電池61は、回路収納部40及びGPS受信部20と同様に最上層11に設けられている。ここで、太陽電池61は、少なくともその受光面が最上層11の一面側(
図8の上面側、又は、
図7(b)の図面手前側)に露出するように設けられている。また、最上層11には、内部に、回路収納部40と太陽電池61とを電気的に接続する可撓性の配線62が設けられている。
【0053】
回路収納部40は、上述した第1の実施形態と同様に、その内部に、GPS受信回路41と、心拍検出回路42と、加速度センサ43と、角速度センサ44と、メモリ部45と、通信回路46と、信号処理部47と、を備え、動作電源60からこれらの各構成への電源電圧の供給状態(供給又は遮断)が電源スイッチ50により制御される。
【0054】
動作電源60は、具体的には、例えば
図10に示すように、上述した太陽電池61と、光センサ63と、二次電池64と、電源制御回路65と、電源電圧生成部66と、を備えている。
太陽電池61は、可撓性を有する、例えばフィルム状の太陽電池パネルであって、
図7、
図8に示すように、ベルト部10の一面側の所定の領域に、貼り付け固定されるとともに、最上層11の内部に設けられた配線62を介して、回路収納部40に電気的に接続されている。また、他の構成として、太陽電池61は、ベルト部10の最上層11の内部に設けられ、少なくともその受光面が、当該最上層11の一面側に露出した構成を有するとともに、配線62を介して、回路収納部40に電気的に接続されている。
【0055】
すなわち、例えば
図9(a)〜(c)に示すように、人体300の首部310にベルト部10を巻き付けて装着した状態で、太陽電池61が常に上空に開けた受光域、もしくは、外光が照射される露出状態を有するように設けられている。太陽電池61は、太陽光等の所定の光エネルギーを受光して、光起電力効果により発生した電力を、後述する電源制御回路65を介して、回路収納部40や二次電池64に供給する。
【0056】
光センサ63は、外光照度を検出するためのセンサであって、太陽電池61に入射する光エネルギーの強度を検出して、電源制御回路65に検出信号として出力する。電源制御回路65は、この検出信号に基づいて、太陽電池61により発電された電力、もしくは、二次電池64に蓄積された電力のいずれかを選択して回路収納部40の各構成に供給する。
【0057】
二次電池64は、例えばリチウムイオン電池等の充電池であって、主に、太陽電池61により発電された電力のうち、余剰電力を蓄積する。また、太陽電池61による発電量が所定の基準値に満たない場合には、二次電池64に蓄積された電力を放出して回路収納部40に供給する。このような、二次電池64への電力の蓄積(充電)、又は、放出(放電)の各動作は、電源制御回路65により制御される。
【0058】
電源制御回路65は、光センサ63からの外光照度の検出信号に基づいて、太陽電池61に入射する光エネルギーの強度を検出又は推定し、回路収納部40の各構成に電源電圧を供給する電源として、太陽電池61と二次電池64のいずれを用いるかを、選択して切り替える制御を行う。具体的には、光センサ63からの検出信号(すなわち、外光照度)が予め設定した規定値以上の場合には、太陽電池61により発電される電力を選択し、規定値に満たない場合には、二次電池64から放出される電力を選択する。選択された電力は、電源電圧生成部を介して、回路収納部40の各構成に電源電圧として供給される。また、電源制御回路65は、光センサ63からの検出信号に基づいて、もしくは、太陽電池61により発電された実際の発電量が、回路収納部40に供給する総電力量以上である場合には、当該総電力量を超える余剰電力を二次電池64に蓄積する制御を行う。
【0059】
電源電圧生成部66は、電源制御回路65により選択された太陽電池61により発電された電力、又は、二次電池64から放出された電力を、回路収納部40の各構成に適した電圧値や電圧波形に整形し、電源スイッチ50のオン操作に応じて、回路収納部40に電源電圧として供給する。
【0060】
次いで、本実施形態に係る人体情報収集装置における制御動作について説明する。
本実施形態に係る人体情報収集装置においては、上述した第1の実施形態(
図6参照)に示した制御動作において、以下に示すような電源管理方法(電源切り換え制御、及び、二次電池充電制御)が実行される。
【0061】
図11は、本実施形態に係る人体情報収集装置における電源切り換え制御を示すフローチャートである。また、
図12は、本実施形態に係る人体情報収集装置における二次電池充電制御を示すフローチャートである。ここでは、上述した人体情報収集装置の構成(
図7〜
図10)を適宜参照しながら説明する。また、上述した第1の実施形態と同等の制御動作については、その説明を簡略化する。
【0062】
上述した第1の実施形態と同様に、まず、例えば
図9(a)〜(c)に示すように、上述した構成を有する人体情報収集装置100のベルト部10を、人体300の首部310に巻き付け、電源スイッチ50をボタン穴51に掛け留めすることにより人体情報収集装置100が装着される。このとき、ベルト部10の一面側(例えば
図7(b)の図面手前側、又は、
図7(c)の上面側)に設けられた回路収納部40及びGPS受信部20、一対の検出電極31が、それぞれ
図9(b)に示すように、人体300の背中側の所定の位置(部位)に配置されるように、ベルト部10の装着状態が調整される。これにより、ベルト部10の一面側に設けられた太陽電池61が外光に照射されるように露出状態が設定される。
【0063】
次いで、電源スイッチ50の操作スイッチを操作して、人体情報収集装置100の電源をオンすることにより、動作電源60において、次のような電源の切り換え制御が実行される。すなわち、
図11に示すように、まず、動作電源60に設けられた光センサ63により、運動中の人体300の周辺環境における外光照度を検出する。光センサ63により検出された外光照度は、検出信号として電源制御回路65に送信する。ここで、この外光照度の検出動作は、例えば常時、あるいは、一定の時間間隔で実行される(S210)。
【0064】
次いで、電源制御回路65において、光センサ63により検出された外光照度が予め設定した規定値以上であるか否かを判断する(S220)。ここで、上記規定値は、光センサ63により検出された外光照度が規定値以上の場合には、太陽電池61により発電される電力が人体情報収集装置100を正常に動作させるために必要な電力よりも十分大きく、余剰電流が生じる程度の電力量になるような数値に設定されているものとする。
【0065】
そして、電源制御回路65において、上記検出された外光照度が規定値以上である場合には、運動中の人体300の周辺環境が明状態にある(例えば昼間である)と判断して、太陽電池61により発電される電力を選択して、回路収納部40への供給電力に設定する(S230)。一方、上記検出された外光照度が規定値に満たない場合には、人体300の周辺環境が暗状態にある(例えば夜間である)と判断して、二次電池64から放出される電力を選択して、回路収納部40への供給電力に設定する(S240)。
【0066】
次いで、電源電圧生成部66において、電源制御回路65により選択された太陽電池61により発電された電力、又は、二次電池64から放出された電力を、回路収納部40の各構成の電源電圧に対応した電圧値や電圧波形に整形した後、電源スイッチ50のオン操作に応じて、回路収納部40に当該電源電圧を供給する(S250)。
【0067】
また、動作電源60に設けられる二次電池64の充電制御は、次のように実行される。すなわち、上述した一連の電源切り換え制御において、光センサ63により検出された外光照度に基づいて、電源制御回路65により人体300(又は、人体情報収集装置100)の周辺環境が明状態にあると判断されて、供給電力として太陽電池61により発電された電力が選択された場合、当該電力が回路収納部40に供給されるとともに、
図12に示すように、二次電池64において蓄積されている電力量が測定される(S310)。
【0068】
次いで、電源制御回路65において、測定された電力量が予め設定された一定値以上であるか否かを判断する(S320)。そして、電源制御回路65において、上記測定された電力量が一定値に満たない場合には、太陽電池61により発電された電力のうち、余剰電力となる電流を二次電池64に供給して充電を行う(S330)。一方、上記測定された電力量が一定値以上である場合には、二次電池64が満充電状態にあるものと判断して、太陽電池61からの余剰電流の供給を停止する(S340)。
【0069】
このような電源管理方法により動作電源60から供給される電源電圧に基づいて、上述した第1の実施形態に示した人体情報収集装置100の制御動作(
図6参照)を実行することにより、人体300の運動中のGPSデータや心拍データ、加速度データ、角速度データ等からなる人体情報が検出され(S110)、A/D変換や同期化等の所定の信号処理を行った後(S120)、データ保存(S130)やデータ伝送(S140)が行われる。
【0070】
このような人体情報収集装置100においては、上述した第1の実施形態に示した作用効果に加え、次のような特徴を有している。すなわち、本実施形態においては、動作電源60として、少なくともベルト部10の一面側に露出するように設けられた太陽電池61と、充放電可能な二次電池64と、を備え、人体300の周辺環境の照度に応じて、電源(太陽電池61又は二次電池64)を選択して切り替える制御を行う。これにより、運動中においても周辺環境が明状態であれば太陽電池61により人体情報収集装置100を動作させるための電力を確保することができるとともに、その際の余剰電力を二次電池64に蓄積することができ、一方、暗状態においては二次電池64に蓄積された電力により人体情報収集装置100を動作させることができる。したがって、明状態である昼間においては、太陽電池61からの電力を回路収納部40に供給することにより、二次電池64に十分な電力を蓄積又は確保することができ、暗状態である夜間においては、当該二次電池64に蓄積された電力を回路収納部40に供給することができるので、ユーザは特別な操作を行うことなく、人体情報収集装置100を長時間動作させることができる。
【0071】
なお、本実施形態においては、電源制御回路65において光センサ63からの検出信号(外光照度)に基づいて電源の切り換え制御(選択制御)を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、外光照度を検出する構成として太陽電池61を用い、光センサ63を備えていない構成において、太陽電池61により発電される電力量(又は、電流値)に基づいて、当該電力量が所定の基準値(しきい値)以上の場合には、太陽電池61からの電力を回路収納部40に供給し、基準値に満たない場合には、二次電池64に蓄積された電力を回路収納部40に供給するように制御するものであってもよい。
【0072】
また、本実施形態においては、二次電池64への電力の蓄積方法として、太陽電池61の余剰電力を蓄積する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、二次電池64は太陽電池61からの余剰電力のみならず、例えば家庭用の電源(商用電源)から直接充電するものであってもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、周辺環境が明状態では太陽電池61により発電された電力が、所定の電圧整形を行った後、回路収納部40の各構成に直接供給される構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、太陽電池61により発電された電力を一旦、二次電池64に充電した後、当該二次電池64に蓄積された電力のみを回路収納部40の各構成に供給する構成や制御方法を適用するものであってもよい。
【0074】
なお、上述した各実施形態においては、心拍センサ部30の検出電極31を、ベルト部10の幅方向の側部に突出するように設けられた一対の電極として示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、心電位信号を検出するための検出電極は、人体300の首部310の背中側の適切な位置(例えば首筋)に密着するように設けられていれば、検出電極の数は1つでも3つ以上でもよく、その数は任意に設定することができる。
また、上述した各実施形態においては、人体情報収集装置100は、人体300の首部310にベルト部10を巻き付け、ボタン形状の電源スイッチ50を当該ベルト部10の長手方向の他端側近傍に設けられたボタン穴51に掛け留めすることにより装着されるとして示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ボタン穴51に替えて、例えば面ファスナー等の着脱可能な部材を用いて留めることにより装着されてもよい。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0076】
(付記)
請求項1に記載の発明は、
人体に接触されて、心電位信号を検出する電極と、
前記人体の首部に巻き付けて、前記電極を前記人体の前記首部に接触させるベルトと、
前記電極を介して検出される前記心電位信号に基づいて、前記人体の心拍数を含む人体情報を検出する電子回路と、
を備える、
ことを特徴とする人体情報収集装置である。
【0077】
請求項2に記載の発明は、
前記ベルトを前記人体の前記首部に巻き付けて装着した状態で、前記電極が前記人体の前記首部の肌面に直接接触するように配置され、
前記電子回路は、前記ベルトの一面側に設けられ、前記人体の前記首部に配置されて前記人体情報を検出することを特徴とする請求項1に記載の人体情報収集装置である。
【0078】
請求項3に記載の発明は、
前記電子回路は、加速度センサ及び角速度センサを有し、前記人体情報として、前記人体の動作速度の変化及び動作方向の変化を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の人体情報収集装置である。
【0079】
請求項4に記載の発明は、
前記電子回路は、測位センサを有し、前記人体情報として、前記人体の地理的な位置と高度とのうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1乃至3に記載の人体情報収集装置である。
【0080】
請求項5に記載の発明は、
前記電子回路は、前記ベルトの前記一面側に設けられた回路収納部に収納され、前記測位センサは、前記回路収納部を台座として、前記ベルトの前記一面側に突出して設けられることを特徴とする請求項4に記載の人体情報収集装置である。
【0081】
請求項6に記載の発明は、
前記電子回路は、メモリ部を有し、前記人体の前記人体情報を相互に関連付けて保存することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の人体情報収集装置である。
【0082】
請求項7に記載の発明は、
前記電子回路は、通信回路を有し、少なくとも前記メモリ部に保存された前記人体情報を、所定の通信方式により前記電子回路の外部に伝送することを特徴とする請求項6に記載の人体情報収集装置である。
【0083】
請求項8に記載の発明は、
前記ベルトは、前記一面側に受光面が露出するように設けられた太陽電池を有し、前記太陽電池により発電された電力を前記電子回路に供給することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の人体情報収集装置である。
【0084】
請求項9に記載の発明は、
前記ベルトは、少なくとも、前記電子回路が設けられた回路形成層と、前記人体の前記首部に直接接触する肌面接触層と、前記回路形成層と肌面接触層との間に設けられた中間層と、を積層した構造を有し、
前記肌面接触層は、前記人体からの熱を吸熱する機能を有し、前記中間層は、前記熱を前記ベルトの外部へ放熱する機能を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の人体情報収集装置である。
【0085】
請求項10に記載の発明は、
前記ベルトの長手方向の両端部近傍に設けられ、前記人体の前記首部に巻き付けられた前記ベルトを装着固定する掛留め部を有し、
前記掛留め部は、前記電子回路への電力の供給を制御する操作スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の人体情報収集装置。