(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
延々索状被巻回物又は一交点からn方向に伸びるn放射状索状被巻回物おいての巻回収納の選択は、リールのキャパシティに応じ切断距離とウィンチ数が算定され、複数で巻回収納するか、若しくは準備されたウィンチでキャパシティ用量を巻回収納し、残余被巻回物を補助設備又は人力で手繰り寄せ、床上に放置するか、である。その結果、洋上で床上に放置された残余索状被巻回物は獣害、腐食、紫外線に晒され、耐用年数以下の劣化は免れず、交換が余儀なくされていた。そして、V形ローラー、ワーピングドラム等の補助設備で残余索状被巻回物が手繰り寄せられても、床上に堆く重層放置するのは人力であり、高齢化した乗組員には過酷な労働環境である。そこで、上述の課題を解決するYラインウィンチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う請求項1記載のYラインウィンチは、
索状被巻回物を巻回するドラム、該ドラム側端部と同一軸芯に一体化するフランジ枠、
とからなるリールを回動するYラインウィンチにおいて、
前記索状被巻回物を巻回収納する前記リールの巻回収納範囲をドラム長手方向に拡張するリール構成と、
前記索状被巻回物を前記ドラムからリールのアウトサイドにシフトする軌道を有するフランジ構成と、
前記索状被巻回物を前記ドラムからリールのアウトサイドにシフトする軌道を有すると共に、前記リールを保持する保持ブラケット構成と、
前記リールを回動する回動駆動構成と、
を備える第一構成機構であって、
前記リール構成が
前記ドラムに対するフランジ背側部と同一軸芯に一体化する拡張巻胴又は偏角自在な凹継手手段等の拡張設備を有した複胴リールと、
前記フランジ構成が
前記ドラム側端部と同一軸芯に一体化し前記複胴リールのフランジ枠をなし、巻回収納範囲を前記ドラムと前記拡張設備に分節すると共に、
前記索状被巻回物を前記ドラムから前記拡張設備にシフトする際に、通過する欠円シフト軌道空間を外周縁に削設された欠円フランジと、
前記保持ブラケット構成が
前記欠円フランジと整合して該欠円フランジを回動自在に支承する回動支承手段を保持すると共に、前記索状被巻回物を、前記ドラムから前記拡張設備にシフトする際に、通過する切欠シフト軌道空間を各巻回方向に対応した横一側部分に削設された切欠保持ブラケットと、
前記回動駆動構成が
前記欠円フランジに対する前記ドラム側端部に配設され、前記複胴リールを正転回動、逆転回動する回動駆動手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載のYラインウィンチは、請求項1記載のYラインウィンチの前記凹継手手段に凸継合手段を
継合し、増設巻回収納設備を前記複胴リールと同期継合する増設巻回収納設備構成において、
該増設巻回収納設備を任意の軸芯偏角で整数倍連結するYラインウィンチであって、
前記増設巻回収納設備構成が
請求項1記載のフランジ構成、保持ブラケット構成、前記凹継手手段と
継合する前記凸継合手段を前記欠円フランジに対する前記ドラム側端部に、前記回動駆動手段と代替して有する複胴リールのリール構成とを有する第二構成機構、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載のYラインウィンチは、請求項1又は請求項2記載の左設Yラインウィンチと右設Yラインウィンチとに配設された
夫々の前記凹継手手段に凸継合手段を
継合し、増設巻回収納設備を前記複胴リールと同期継合する増設巻回収納設備構成において、
該増設巻回収納設備を挟んで任意の軸芯偏角で対向配置されたYラインウィンチであって、
前記増設巻回収納設備構成が
前記左設Yラインウィンチと前記右設Yラインウィンチとに付設された前記夫々の前記凹継手手段の対向間に
配設自在に配設されると共に、前記凹継手手段と
継合する前記凸継合手段を両端に有する統合用巻回収納設備、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載のYラインウィンチは、請求項1〜請求項3記載のYラインウィンチにおいて、
前記索状被巻回物を回転位相で常態軌道から、切欠保持ブラケット横一側の切欠シフト軌道空間間口にガイド手段でガイドするガイド手段構成と、
前記ガイド手段機構を前記ドラムの巻回範囲に配設するにあたり、
前記ドラムを分節手段で分節する分節手段構成と、
を備えるYラインウィンチであって、
前記分節手段構成が
前記ドラムの巻胴を、前記索状被巻回物の基端結索手段を有する長節巻胴部と前記ガイド手段構成が配設される短節巻胴部とに分節する分節フランジと、
前記ガイド手段構成が
位相関係にある前記欠円フランジの欠円シフト軌道空間と前記切欠保持ブラケットの切欠シフト軌道空間とが合一する機宜に、前記索状被巻回物を前記分節フランジと前記欠円フランジとの間で該合一した該切欠シフト軌道空間間口にガイドするタイミングガイド手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
袋網が統合用巻回収納設備に巻き取られる機械化は揚網作業の省力化と労力軽減を向上し、労働環境や漁網劣化の改善をもたらす。
また、統合用巻回収納設備で真網Yラインウィンチと逆網Yラインウィンチが同期連結されたシステムは、一方のYラインウィンチの回動駆動動力がダウンしても、当該不全Yラインウィンチの回動駆動動力と複胴リールの係合を解放すれば、片方のYラインウィンチの単独運転で、該不全の複胴リールは一体同期回動し巻回収納の機能が復元する。
小型漁船のウィンチは推進力エンジンを動力源とし、ウィンチに異常がなくともエンジンが停止すればウィンチはフリーズしてしまう。そのような現状システムで、本Yラインウィンチの導入は過労や労災リスクを担保し、乗組員の高齢化に対応した労働衛生環境を実現する。
また細部の効果としては、ドラムを長節巻胴と短節巻胴とに分節することで、漁網ラインの重層巻回がもたらす欠円フランジの欠円シフト軌道空間の閉塞が回避され、長節巻胴での巻回収納範囲を極限まで活用可能にする。またタイミングガイド設備を装備したことでシフト作業は軽減する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態は以下に限るものではなく、被巻回物又は各巻回方向に対応した実施形態も可能であり、各種の産業分野に於いて利用するものである。
図2のC図で示す操業模様は、対称仕様な二艘の網船に各漁網ライン11の基端点を有し、200メートルのロープ若しくはワイヤー、10メートルの沈子チェーン18a,18b、290メートルの真,逆脇網ライン13,14、80メートルの円筒形袋網15の順で結索されたユニットである。その真,逆脇網ライン13,14端末部10メートルに亘り、両最上縁辺と両最下縁辺が結索された円筒形に形成され、その端末部に袋網15が結索された構成をなしている。進行方向右側を真脇網ライン13、左側を逆脇網ライン14、と呼称され、両脇網にはその最上縁辺にフロート17が,最下縁辺に沈子19が夫々装着されている。
【0015】
第一形態。
第一形態Yラインウィンチは請求項2で上述した第一構成機構のYラインウィンチであって、以下示すYラインウィンチはアンダー巻回仕様のYラインウィンチである。
図1のA図、
図2のD、
図4のH図又はI図で示す、複胴リール31aの回転軸92aは巻胴軸芯上とフランジ38a整合線上との交点至近のベアリングB90a、巻胴軸芯上と欠円フランジ36a整合線上との交点至近のベアリングC91a、巻胴軸芯上とアーチフレーム41aのフレーム短手中心線との交点至近のベアリングA89aとで軸支され、また側端部にスプロケット88aが配設されている。またベアリングA89aとベアリングB90aの間に配設されたつめ形クラッチボス凸86aは、回転軸92aと同期回動すると共に軸長手方向に摺動し、ブレーキドラム167a内側のつめ形クラッチ凹168aと咬合し、複胴リール31aを同期回動する構成をなしている。更に、上記スプロケット88aはチェーン87aを介して油圧モーターからの回動駆動力を回転軸に伝達するが、つめ形クラッチボス凸86aが回転軸92aを摺動して片方のつめ形クラッチ凹168aと咬合しない限り、回転自在状態の複胴リール31aは同期運転しない。
【0016】
図1のA図、
図2のD、
図4のH図又はI図で示す複胴リール31aは同一軸心に一体化した、ブレーキドラム167a、フランジ38a、長節巻胴34aと分節フランジ37aと短節巻胴35aとの順で配設されたドラム32a、欠円フランジ36a、拡張ドラム33aとの順で構成され、更に該分節フランジ37aと該欠円フランジ36aに挟まれたタイミングガイド設備39aは短節巻胴と偏芯し沿設されている。尚、ブレーキドラムと長節巻胴と短節巻胴と拡張ドラムとは同一の一体円筒である。
【0017】
図1のA図、
図2のD、
図4のH図又はI図で示すように、長節巻胴34aは逆脇網ライン14ロープの基端が結索されるフック153をフランジ38a根方の該長節巻胴34a側端に備えている。
【0018】
図1のA図、
図2のD図、
図3のD図、
図4のH図又はI図で示すように、分節フランジ37aは円盤状のリング様態をなし、ドラム32aを長節巻胴34aと短節巻胴35aとに分節しドラム円周面で接合されている。また、該タイミングガイド設備39aを挟持するボルト軸貫通孔が、位相関係にある切欠保持ブラケット43aの欠円切欠空間30と欠円フランジ36aの切欠空間40の交面とが合一する機宜に、逆脇網ライン14aを切欠保持ブラケット43aの切欠空間40にガイドするタイミングガイド設備39aの位相位置に削設されている。
【0019】
図1のA図、
図2のD、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、タイミングガイド設備39aは円柱形の形態をなし、円筒長手両端の中心点にタップ孔を有する形態をなし、分節フランジ37aと欠円フランジ36aに挟まれ短節巻胴35aと偏心し沿設されボルトで締結されている。また、該偏芯沿設位置は、位相関係にある切欠保持ブラケット43aの欠円切欠空間30と欠円フランジ36aの切欠空間40の交面とが合一する機宜に、逆脇網ライン14aを切欠保持ブラケット43aの切欠空間40にガイドする位相位置であると共に、ローター支持リング47aと至近寸隙をキープする適合位置である。
【0020】
図1のA図、
図2のD、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、短節巻胴35aの幅員は長節巻胴34aの巻回収納範囲が最大になるように、フロート17径を基準に施工されているが、タイミングガイド設備39aによって実行される漁網ライン11の振幅運動が干渉されない、最低限の幅員をキープされている。
【0021】
図1のA図、
図2のD図、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、欠円フランジ36aは円盤状のリング様態をなし、短節巻胴35aと拡張ドラム33aとの間に配設されドラム円周面で接合されている。また、欠円フランジ36aは切欠保持ブラケット43aの中央に削設された切欠円形ホール102aに嵌入整合し、切欠保持ブラケット43aに周設されたローター48で回転自在に支持されている。外円周縁辺の一部円弧面には、逆脇網ライン14aが短節巻胴35aから拡張ドラム33aに通過する欠円の切欠空間40が削設され、更にその円弧長は切欠保持ブラケット43aの切欠空間40の円弧長より僅かに長く、欠楕円形の様態をなしている。また、該タイミングガイド設備39aを挟持するボルト軸貫通孔が、位相関係にある切欠保持ブラケット43aの欠円切欠空間30と欠円フランジ36aの切欠空間40の交面とが合一する機宜に、逆脇網ライン14aを切欠保持ブラケット43aの切欠空間40にガイドする位相位置に削設されている。
【0022】
図1のA図、
図2のD図、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、拡張ドラム33aは請求項1記載の拡張巻胴であって、ブレーキドラム167a、長節巻胴34a、短節巻胴35aと同一円筒であり、ドラム端の側面口径が円盤の閉塞壁とその締結ボルト99で閉塞されている。該円盤は該巻胴側面から幾分長く凸出した鍔様態をし、該周縁面が面取り加工され、ワーピングドラムの鍔として兼用される構造をなしている。また、該側面には弾性カップリング68aを締結するタップ孔が同心円上に等間隔で削設されている。
【0023】
図1のA図、
図2のD図、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、弾性カップリング68aは請求項1記載の偏角自在介装手段であって、円筒ハブ様態をし、上記拡張ドラム33a側面のタップ孔にボルト締結され、該円筒ハブの中心に統合用巻回収納設備71を嵌入し放射方向の締結ボルトで連結完了する。該弾性素材はゴムで成形され、統合用巻回収納設備71の軸芯変化や干渉を減衰、吸収する。
【0024】
図1のA図、
図3のF図で示すように、切欠保持ブラケット43aはプレート様態にして、複胴リール31aの欠円フランジ36aをローター48で介し回動自在に間接支承する支持構造物であって、プレート正面の中心線と切欠アーチフレーム44a正面の中心線とが同一整合され、台座95a、切欠アーチフレーム44a、該切欠アーチフレーム44aに継合するジョイント60a、台座95aから突出した一方のジョイント60aとで囲繞固着され、またプレート側面の中心部には欠円フランジ36aが嵌入する切欠円形ホール102aを削設されている。更に該切欠円形ホール102aの周縁面には欠円形をした複数のローターフェンダー49が削設されていると共に、ローター支持リング締結ボルト貫通孔100が該周設されたローターフェンダー49最寄りに等間隔で削設されている。逆脇網ライン14aが通過する切欠保持ブラケット43aの切欠シフト軌道空間においては、アンダー巻回方向に対応した逆脇網ライン14aの側面投影に見る軌跡を参考に横一側の切欠範囲が決定されると共に、該切欠空間40aの位相を基準に欠円フランジ36aとタイミングガイド設備39aの位相位置が決定される。また、切欠保持ブラケット切片97aで組まれた復元一体化ユニット96aが該切欠空間40に嵌合し十全に復元される。
【0025】
図1のA図、
図2のD図、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、回転駆動動力エリア85a最寄りのアーチフレーム41aと、欠円フランジ36aと整合した切欠アーチフレーム44aと、両アーチフレームに挟まれドラム32aと並行に沿設された頂上水平フレーム45aと、アーチフレーム41aの両脚上部に横架された正面水平フレーム46aと背面水平フレーム45aは切欠保持ブラケット43aの構造補強部材であって、互いに固着されている。また、切欠アーチフレーム44aの切欠シフト軌道空間においては、隣接した切欠保持ブラケット43a欠切空間40aの間口延長が削設されていると共に、該切欠シフト軌道空間にリギンスクリュー57aが嵌合し切欠アーチフレーム44aは十全に復元される。
【0026】
図1のA図、
図2のD図、
図3のF図、
図4のH図又はI図で示すように、シフト抑制装置52aはピローヘッド53aとピローロッド54aとそのストッパー55aで構成され、分節フランジ37aの整合延長線上がピローロッド54a円周面の接線となる位置で正面水平フレーム46aに回動自在に垂下され、該正面水平フレーム46a長手方向の摺動と短手方向跳ね上げ機能とを有している。ストッパー55aはピローロッド54aの内側でロッド長手方向に摺動し、台座95aに凹設されたストッパー孔56aに挿入係止する構成になっている。
【0027】
図1のA図、
図2のD図、又は
図3のF図で示すように、ローター48は切欠保持ブラケット43aに削設された各ローターフェンダー49の中心に配設され、該ローターフェンダー49の弧から該ローター48の弧が隆起し欠円フランジ36aを回動自在に支持している。また、ローター48は切欠保持ブラケットの切欠空間40相当数が除去されているが、復元一体化ユニット69aに該相当数が組まれているので、該復元一体化ユニット69aが切欠空間40に嵌合し円滑環境は復元される。加えて、該ローター48を軸支するローター支持シャフト50はローター支持リング47aに支持されている。
【0028】
図1のA、
図3のFで示すように、ローター支持リング47aは対をなして切欠保持ブラケット43aの内周と切欠空間に沿った欠円リング様態をなし、又ボルト軸貫通孔とローターシャフト貫通孔とが等間隔で周設され、切欠保持ブラケット43aを両側より合掌様態に挟持しボルト締結でされている。
【0029】
図1のA図、
図2のD図又は
図3のF図で示すように、上、下設ジョイント60aは円筒様態をなし、切欠シフト軌道空間40の切欠空間40を挟み各断面が対向するように配設されている。上ジョイントは一方の断面を切欠アーチフレーム44aと同一軸芯に継合固着していると共に、周面を正面水平フレーム46aと直交に固着し、また下設ジョイント60aは台座95aと直接固着している。ジョイント60の構成は、脱落制止の鍔を有した突出ボルト61aが円筒口径から遊往突起するように、上設ジョイント60の突出ボルト61aは重力で付勢され、下設ジョイント60の突出ボルト61aがスプリング62aで付勢されている。また、両ジョイント60が双胴リギンスクリュー57aと螺合し、切欠アーチフレーム44aの骨子を堅強する。
【0030】
図1のA図、
図2のD図又は
図3のF図で示すように、双胴リギンスクリュー57aは、
シャフト両側端部に鍔を有した鍔付連結シャフト58と、内円周側面をタップ加工され、一方口径を開口し、他方口径をリング状蓋壁で塞がれた二個の円筒とからなり、
円筒がリング状蓋壁を対向させ鍔付連結シャフト58を両側から合掌し、鍔付連結シャフト58をリング状蓋壁内円周に嵌合し、脱落を制止する構成である。また、各円筒とシャフトは一体化しているが独立回転自在でもあり、ジョイント60と着脱自在に螺嵌する。
【0031】
図1のA図、
図3のF図で示すように、復元一体化ユニット96aは複数のローター48、複数のローターシャフト50、一対のローター支持リング切片98a、切欠保持ブラケット切片97a及びそれらを重層締結する各ボルトとの構成ユニットであり、切欠保持ブラケット43aの切欠シフト軌道空間40aに着脱自在に嵌合される
【0032】
図1のA、
図2のD図又は
図4のH図若しくはI図で示すように、統合用巻回収納設備71は、スプラインシャフト74を対称基準点として、ユニバーサルジョイント73、係止スティク孔を有する継断設備72の順で対称配置され、上記弾性カップリング68a、68bの凹部と締結する凸部を形成された両継断設備72a、72bが上記両弾性カップリング68a、68bと着脱自在に連結される構成をなしている。また、該継断設備72の係止ステック77が挿抜されることで、該両複胴リール31a、31bの一体同期回動又は単独運転が選択される。尚、スプラインシャフト74とユニバーサルジョイント73は干渉や軸心変化を減衰、吸収又は補正する機能を有している。
【0033】
第二形態。
第二形態Yラインウィンチは請求項2で上述した第二構成機構Yラインウィンチであって、
図1のB図、
図2のE図、
図3のG図はアンダー巻回仕様の甲、乙設車両二連式Yラインウィンチを示したものである。前記第一形態漁船用Yラインウィンチの、アーチフレーム41、切欠アーチフレーム44、シフト抑制装置52、上下設ジョイント60、双胴リギンスクリュー57、復元一体化ユニット96、安全装置ユニット93、を除去された相似Yラインウィンチに、相似ファーストフランジ38を撤去し、相似アーチフレーム41aを保持ブラケットに代替し、該保持ブラケットと切欠保持ブラケット43aとの間に3本の水平フレーム45を橋架し、更に相似弾性カップリング68a、68bの凹部と締結する凸部を形成された相似継断設備72を相似ブレーキドラム167と代替して、前記相似弾性カップリング68a、68bの凹部と締結した相似複胴リール構成を相似切欠保持フランジが保持する二連式Yラインウィンチである。
【実施例1】
【0034】
以下の説明においては、一交点16から真脇網ライン13袋網15、逆脇網ライン14、の三方向に伸びるY形漁網ライン12を第一形態の漁船用真網Yラインウィンチ7と逆網Yラインウィンチ8と統合用巻回収納設備71とで巻回収納するユニットであって、また巻回方向をアンダー巻回方向として説明する。
【0035】
二艘曳漁船は堅く舫い、船首を風下に向け微速直進で揚網作業を行う。先ず、牽引ロープ20、沈子チェーン18の巻回収納工程当初から脇網ライン13,14の八割巻回収納工程辺りまでは、真脇網ライン13と逆脇網ライン14の入射角方向は本船の航跡方向を示し、該両脇網ライン13,14の交点16は鋭角を呈している。該両脇網ライン13,14の九割巻回収納工程辺りから、複胴リール31に対する入射点が舫い方向に序々に偏在し、逆脇網ライン14を整然と巻回するのも困難になり、入射角が{魚網ラインの軌跡(A)21a}で示すように偏向し、逆脇網ライン14がシフト抑制設備52aのピローロッド部54aに凭れ掛かり屈折するようになる。上記巻回工程を強引に継続すると、{魚網ラインの軌跡(B)22a}で示す屈折角が増加し逆脇網ライン14の緊張を目視できる。そして、シフト抑制設備52に対して逆脇網ライン14からの干渉が十分働いていると判断したなら、両複胴リール31から交点16までの距離を等しく揃え巻回動作を中断する。上記中断工程時から統合用巻回収納設備71に至る漁網ライン11のシフトにおいては逆脇網ライン14を先行シフトし、その間真脇網ライン13は巻回動作を中断しスタンバイをキープする。スタンバイをキープした真網Yラインウィンチ7の操作手は逆脇網ライン14の巻回動作をサポートし、先ず逆脇Yラインウィンチ8のシフト抑制設備52aのストッパー55aを解除し、続けてそのピローロッド54aを跳ね上げる。すると、シフト抑制設備52aに干渉され屈折していた逆脇網ライン8が本来在るべき軌跡{魚網ラインの軌跡(C)23a}に復原する。続いて、分節フランジ37a外周縁から延びている逆脇網ライン14の入射角軌跡が分節フランジ37aを十分誇越している事を確認し、双胴リギンスクリュー57aを弛緩して取外し、続けて復元一体化ユニット96aを抜出する。復元一体化ユニット96aの抜出が完了したなら微速で巻回動作を再開し、逆脇網ライン14の入射点を分節フランジ37a外周縁から短節巻胴35a外周面に巻回移行させる。更に逆脇網ライン14をタイミングガイド設備39aに巻回移行させると同時に牽架させ、巻回サイクルに相関した上下振幅運動を発生させる。該上下振幅運動は、位相関係にある切欠保持ブラケット43aの切欠シフト軌道空間40aと欠円フランジ36aの欠円シフト軌道切欠空間30aが合一する機宜に、逆脇網ライン14を切欠アーチフレーム44aの切欠シフト軌道空間40間口にガイドする上下振幅運動であって、タイミングガイド設備39aは合一位相に予め対応配置されているので、合一位相は必ず該逆脇網ライン14を切欠アーチフレーム44aの切欠シフト軌道空間40間口にガイドする。あわせて、{魚網ラインの軌跡(D)24a,24b}で示す逆脇網ライン14が過度に巻き詰められたことで、逆脇網ライン14の巻回合成張力は袋網15方向の巻回抗力より舫い方向の巻回張力に偏重し、巻回動作が舫い方向の巻回張力として相加的に増加され、切欠シフト軌道空間40に対する入射角を相乗的に変化させる。かさねて、該逆脇網ライン14は欠円シフト軌道30aの回転位相が切欠保持ブラケット43aの切欠シフト軌道空間40の位相に合一されるまでの間、{魚網ラインの軌跡(E)25a,25b}欠円フランジ36a外周縁のストレスとして屈折されている。上記次第で、欠円シフト軌道空間30aが回転位相され切欠シフト軌道空間40と合一するなら、逆脇網ライン14は欠円シフト軌道空間30aの欠楕円頂部に一気に傾斜し収束すると共に、欠円シフト軌道空間30aを通過{魚網ラインの軌跡(F)26a,26b}して拡張ドラム33aに横断逸脱する。更に巻回移行し拡張ドラム33a円周面にシフトしてシフト工程を完了する。ところで、巻き詰め張力が弱く欠円シフト軌道空間30aへの収束力が不足し、逆網ライン14が欠円シフト軌道空間30aを通過できない場合は、真網Yラインウィンチ7のシフト抑止設備52aを跳ね上げ、双胴リギンスクリュー57aをそのままに短節巻胴35aで巻き詰め、該張力を加算してやり、逆脇網ライン14の通過をサポートする。次第にもどり、逆脇網ライン14が{魚網ラインの軌跡(G)27a}で示す、拡張ドラム33aに半巻回されたことを確認したなら巻回動作を中断し、スタンバイ状態であった真脇網ライン13を上述同様な行程でシフトし、真網Yラインウィンチ7の拡張ドラム33b円周面に半巻回して運転を中断する。そして、両双胴リギンスクリュー57a,57bと復元一体化ユニット96a,96bを嵌合装着し、続いて統合用巻回収納設備71を両弾性カップリング68a,68bと連結すると共に、統合用巻回収納設備71に配設された両継断設備72に両係止スティク77を挿入し駆動を係合する。{魚網ラインの軌跡(H)28a}、統合用巻回収納設備71を逆網Yラインウィンチ8の単独運転で同期回動するように、真網Yラインウィンチ7とその動力の係合駆動をクラッチで解く。そして、真網複胴リール31bを回動自在状態に保持し、逆網Yラインウィンチ8の単独回転駆動で残余袋網15を統合用巻回収納設備71に巻回収納する。但し、単独回転駆動がパワー不足の場合は二基一体化した同期運転を行う。
【実施例2】
【0036】
図1のA図においては、複胴リールの巻回収納範囲を超えるワイヤーロープが、軸方向に連結された二連複胴リールと統合用巻回収納設備とに連続して巻回収納される行使図であって、巻回方向をアンダー巻回方向とし、第二形態の車両用二連式の甲設Yラインウィンチ9と乙設Yラインウィンチ10と統合用巻回収納設備71とスナッチ滑車154とで構成されたユニットである。
【0037】
甲車両と乙車両においては、甲設Yラインウィンチと乙設Yラインウィンチとは各弾性カップリング68を対向して配設され、該対向間に配設された統合用巻回収納設備と軸芯偏角で連結され、ワイヤーロープの乙設連式複胴リールに対する入射角が統合用巻回収納設備に対する入射角より小さく、ワイヤーロープの統合用巻回収納設備に対する入射角が甲設連式複胴リールに対する入射角より小さい条件を満たした位置に駐車する。
それでまず、両サイドの係止スティク77a、77bが抜出された統合用巻回収納設備71を甲設Yラインウィンチと乙設Yラインウィンチの対向間に装着する。次にワイヤーロープ乙6の一方端末に被牽引物を結索し、他方端末を乙設Yラインウィンチの長節巻胴34の結索フック153に結索し、甲設Yラインウィンチに巻回収納されたワイヤーロープ甲5の端末をスナッチ滑車154に結索し巻回準備を済ませる。
まず、乙設Yラインウィンチを単独運転し、甲設Yラインウィンチはスタンバイで待ち受ける。
乙設Yラインウィンチ10の運転当初、ワイヤーロープ乙6は弛緩し、人の手で容易にガイドされ整然と巻回収納されるが、やがて乙設複胴リール31の巻回収納範囲がワイヤーロープ乙6で充満し、乙設複胴リール31から乙設連式複胴リールへのシフトが余儀なくされる。そこで、時宜を見計らい欠円フランジの欠円欠切空間が切欠保持ブラケット43aの欠切空間に合一する機宜に運転を中断する。乙設Yラインウィンチ10の静止を確認したなら、切欠保持ブラケット43aに最寄り、人の手で長節巻胴に巻回されているワイヤーロープ乙6を短節巻胴には巻回せずに袴越し、あわせて直接該合一欠切空間に挿入通過し、シフトを達成する。そして、ワイヤーロープ乙6が乙設連式複胴リールの長節巻胴範囲に到達している事を確認し、乙設Yラインウィンチの運転を再開する。
整然な巻回収納もやがてワイヤーロープ乙6に緊張が高まり人の手よるガイドが困難になってくる。そこで、該ガイドの限界の機宜に乙設Yラインウィンチ10の運転を一旦停止し、乙係止スティク77aを乙継断孔に挿入し統合用巻回収納設備71を乙設Yラインウィンチ9に同期すると共に、ワイヤーロープ甲5を繰り出し、スナッチ滑車154を該ワイヤーロープ乙6に装着する。それから、甲設Yラインウィンチ9を慎重に運転し、ワイヤーロープ乙6とスナッチ滑車154の接点箇所が短節巻胴面と垂直になる位置まで、スナッチ滑車154を巻き寄せる。所望する位置にスナッチ滑車154を引き寄せたなら、甲設Yラインウィンチ9の運転を中断する。
そこで、乙設Yラインウィンチ10を慎重に運転し、ワイヤーロープ乙6の入射点を長節巻胴範囲から分節フランジ外周縁にシフトし、短節巻胴範囲にシフトする。さらに続けて、短節巻胴範囲に入ったワイヤーロープ乙6の入射点を短節巻胴の外周面からタイミングガイド設備39aに移行し、あわせてワイヤーロープ乙6がタイミングガイド設備39aに牽架される。さらに継続し、牽架されたワイヤーロープ乙6の軌道を、欠円フランジと切欠保持ブラケット43aの合一切欠空間の中心に至極至近するように調整運転をする。ワイヤーロープ乙6が該合一切欠空間の中心に至極至近している事を側方で再確認し、乙設Yラインウィンチ10の運転を中断する。
そこで、甲設Yラインウィンチ9の運転を開始するのだが、ワイヤーロープ乙6において、タイミングガイド設備39aから拡張ドラム33aにシフトする必要条件は、ワイヤーロープ乙6が切欠保持ブラケット43aの干渉を受けずに欠円切欠空間30内を通過する環境であり、その実行環境としてワイヤーロープ乙6が該甲設Yラインウィンチ9方向にスナッチ滑車154で引き込こまれ、乙設連式複胴リールに対する入射角を至極直角にされる必要がある。また、甲設Yラインウィンチ9の運転はワイヤーロープ乙6の切欠保持ブラケット43aに対する干渉回避を実現するが、アバウトな運転でスナッチ滑車154を強引に引き寄せても回避瑕疵は生じない。そこで、ひとまずスナッチ滑車154を巻き詰めたなら、甲設Yラインウィンチ9の運転は中断する。
次に、乙設Yラインウィンチ10を慎重に運転し、ワイヤーロープ乙6の入射点を欠円切欠空間30aの周縁から拡張ドラム33aの外周面にシフトさせる。シフトが達成できたなら、一旦運転を中断する。
そして、ワイヤーロープ乙6の入射点が拡張ドラム33aの外周面に在ることを確認し、甲設Yラインウィンチ9を慎重に逆運転して、スナッチ滑車154とワイヤーロープ乙6の接点箇所を拡張ドラム33aの外周面と垂直な所望位置に巻き戻し、逆運転を中断する。
そこで、乙設Yラインウィンチ9は運転が再開されるが、
甲設Yラインウィンチ10も適宜、正、逆転運転と停止の動作でスナッチ滑車154を左右方向に操作し、拡張ドラム33aと統合用巻回収納設備71の範囲内でワイヤーロープ乙をガイドして、乙設Yラインウィンチ9の連続巻回動作を補佐する。そのようにして、ワイヤーロープ乙6の全長が巻回収納される次第である。
尚、Yラインウィンチの単独運転において、パワー不足の場合は統合用巻回収納設備71の両継断孔に両係止スティク77a、77bが挿入され、二基一体の同期運転で巻回収納される。
【解決手段】索状被巻回物を巻回するドラムと、該ドラム側面に同一軸芯に一体化するフランジ枠と、を有するリールを回動するYラインウィンチにおいて、索状被巻回物を巻回収納する前記リールの巻回収納範囲をドラム長手方向に拡張するリール構成と、前記索状被巻回物を前記ドラムからリールのアウトサイドにシフトする軌道を有するフランジ構成と、前記索状被巻回物を前記ドラムからリールのアウトサイドにシフトする軌道を有すると共に、前記リールを保持する保持ブラケット構成と、