(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レリースワイヤは、前記スラストロック機構にインナーワイヤの一端が連結された第一のレリースワイヤと、前記排水栓部にインナーワイヤの一端が連結された第二のレリースワイヤとを備え、
前記動作反転機構は、前記第一のレリースワイヤ及び第二のレリースワイヤのそれぞれのアウターチューブからインナーワイヤの他端を露出させ、各インナーワイヤを同軸方向に指向させた状態で連結した構成としたことを特徴とする請求項3又は6に記載の排水栓装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は開栓状態の排水栓装置を示す概略断面図、
図2は閉栓状態の排水栓装置を示す概略断面図、
図3は排水栓装置を取り付けた浴槽を示す斜視図である。
図1、
図2に示すとおり、排水栓装置は、浴槽の排水口を開閉する排水栓部100と、排水栓部100を遠隔操作するための操作部200と、操作部200から排水栓部100に駆動力を伝達するレリースワイヤ300と、を備えている。レリースワイヤ300は、アウターチューブとその内部に移動可能な状態で設けられたインナーワイヤとから構成されるものである。なお、本実施形態においては、レリースワイヤ300は操作部側と排水栓部側とに分割され、一端が操作部200に接続された第一のレリースワイヤ310と、一端が排水栓部100に接続された第二のレリースワイヤ320とでレリースワイヤ300を構成している。また、第一のレリースワイヤ310の他端と第二のレリースワイヤ320の他端とは、後述するように、アウターチューブに対するインナーワイヤの動作方向が逆になるように結合されている。
【0034】
この排水栓装置は、
図3に示すように、浴槽500に取り付けて使用される。操作部200は、浴槽500の上端部に形成されたフランジ510に開設された貫通孔511に取り付けられる。排水栓部100は、浴槽500の排水口520に取り付けられる。また、レリースワイヤ300(310、320)は、浴槽のフランジ510上の貫通孔511と排水口520とを連通するように設けられたガイド筒530に内蔵される。
なお、操作部200は、浴槽500の近傍に設けられたカウンター(図示せず)に取り付けることも可能である。
【0035】
次に、
図4〜
図8を参照しつつ、排水栓装置の詳細な構造について説明する。
図4は操作部を示す概略断面図、
図5はスラストロック機構の外ケースの係止歯と非回転リングの係合歯と回転リングの被係合歯との関係を示す展開図、
図6は操作ボタンの押し下げによるスラストロック機構の動作を
図5の展開図を基に説明する図、
図7は排水栓部を示す概略断面図、
図8は、レリースワイヤに設けられた動作反転部を示す概略断面図である。
操作部200は、
図4に示すように、昇降動作を行う操作ボタン式の操作ボタン210と、上端にフランジ221を備えた円筒形状のケーシング220と、ケーシング220に固定されたスラストロック機構230と、を備えている。操作ボタン210は、ケーシング220の内部に挿入されており、操作ボタン210の側面211がケーシング220の内周面を摺動するようにして昇降動作を行う。
【0036】
スラストロック機構230は、例えば、プッシュ式ボールペンにも採用されている既知の機構である。操作ボタン210を手で押し下げるごとにスラストロック機構230のロックが解除される。その後、操作ボタン210から手を離すと、内蔵されたスプリング236の付勢力によって操作ボタン210を上昇させ、スラストロック機構230を、操作ボタン210を上昇ポジションに保持する第一のロック状態(
図4(a)に示す状態)と、下降ポジションに保持する第二のロック状態(
図4(c)に示す状態)とのいずれかになる。なお、本実施形態においては、スプリング236は、排水栓部100の栓蓋110が上昇するようにレリースワイヤ300を介して付勢力を付与し、その付勢力によって排水栓部100の開栓状態を保持する付勢手段としても機能する。また、スラストロック機構230が、閉栓状態を保持する閉栓状態保持機構として機能する。
【0037】
図4、
図5を参照して、スラストロック機構について説明する。
スラストロック機構230は、外ケース231と、外ケース231の下方に挿入されて固着される内ケース232と、外ケース231内を昇降可能な非回転リング233及び回転リング234と、非回転リング233を上に回転リング234を下にして同軸上に保持する支持軸235と、内ケース232に対して支持軸235を上方向に付勢するスプリング236とを、備えている。なお、非回転リング233の上部は、外ケース231の上端面から上方に突き出て、操作ボタン210に連結されている。
【0038】
外ケース231は、その内周面に所定の間隔を空けて複数の凸部231aが形成され、各凸部231aの間にはガイド溝231bが形成され、凸部231aの下面に鋸歯状の係止歯231cが形成されている。このガイド溝231bが、後述する動作許容部となる。
非回転リング233は、下面に鋸歯状の係合歯233aが形成されている。
回転リング234は、上面に被係合歯234aが形成され、支持軸235から突設された鍔部235a上にて支持軸235の軸心を中心として回転可能に遊嵌されている。
そして、非回転リング233及び回転リング234は、ガイド溝231bに案内されて外ケース231内で昇降可能である。なお、外ケース231の係止歯231c、非回転リングの係合歯233aは、それぞれの歯の位置が回転リング234の回転方向に若干ずらして配置している。
【0039】
スプリング236は、鍔部235aと内ケース232の底部との間に介在され、常時、鍔部235aが形成された支持軸235を上方向に付勢している。
【0040】
また、このスラストロック機構230に対して、第一のレリースワイヤ310は、アウターチューブ311の一端が内ケース252に固定され、インナーワイヤ312が内ケース252の貫通孔を突き抜けてスラストロック機構230の支持軸235に固定されている。これにより、スラストロック機構230を介して操作ボタン210を押す力を第一のレリースワイヤ310に駆動力として伝達させる。また、スプリング236は、第一のレリースワイヤのインナーワイヤ312を上方向に付勢している。
【0041】
次に、
図6を参照して、スラストロック機構230の動作を説明する。
このスラストロック機構230は、操作ボタン210が上昇ポジションに保持された第一のロック状態から操作ボタン210を押し下げると、操作ボタン210に連結された支持軸235が下降することにより非回転リング233及び回転リング234がガイド溝231bに案内されつつ下降してロックが解除される。これにより、回転リング234は、ガイド溝231bの下方に抜けて外ケース231の内面に形成されている鋸歯状の係止歯231c下方まで押し下げられる。回転リング234がガイド溝231bから抜けると、回転リング234は、スプリング236の付勢力を受けて非回転リング233の係合歯233aの鋸歯部分(斜面部分)で被係合歯234aが案内されて正方向(図面右方向)に回動する(
図6(a))。そして操作ボタン210から手を離すと、スプリング236の付勢力を受けて、支持軸235は非回転リング233及び回転リング234とともに上昇を開始するが、上昇途中で回転リング234の被係合歯234aが外ケース231の係止歯231cの鋸歯部分(斜面部分)で案内されて正方向(図面右方向)に回動して係止歯231cに係止され、非回転リング233、回転リング234、支持軸235の上昇が阻止される(
図6(b))。この状態では、回転リング234はガイド溝231bに挿入されていないため、回転リング234は閉栓状態よりも相対的に下方位置に保持されている。すなわち、スラストロック機構は、第二のロック状態になる。
【0042】
この状態から再度操作ボタン210を押し下げると、支持軸235とともに非回転リング233及び回転リング234を下降させて、回転リング234の被係合歯234aを外ケース231の係止歯231cから離間させると共に、非回転リング233の係合歯233aに係合させて回転リング234を更に正方向(図面右方向)に微小角度回動させる(
図6(c))。そして操作ボタン210から手を離すとスプリング236の付勢力を受けて支持軸235は非回転リング233及び回転リング234とともに上昇を始める。上昇の途中で被係合歯234aは、外ケース231の係止歯231aにおける外端の鋸歯部分(斜面部分)に係合して回転リング234は正方向(図面右方向)に回動し、その鋸歯部分の案内機能でガイド溝231bに案内されて回転リング234が支持軸235とともに上昇する(
図6(d))。この状態では、回転リング234はガイド溝231bに挿入されており、回転リング234は開栓状態よりも相対的に上方位置に保持されている。すなわち、スラストロック機構は、第一のロック状態になる。
【0043】
次に、
図7を参照して、排水栓部100について説明する。排水栓部100は、浴槽500の底面に設けられた排水口520に設けられた排水口金具(図示せず)に設けられ、昇降動作によって排水口520の開栓と閉栓を行う栓蓋110と、栓蓋110の下方に設けられたケース620とを備えている。ケース620は、内ケース121と外ケース122とを嵌合させて、上端面及び下端面にそれぞれ貫通孔を形成した形状に構成され、ピン123が昇降可能に内蔵されている。ピン123の上部は、外ケース121の上端面の貫通孔を突き抜けて外部に露出している。このケース620に対して、第二のレリースワイヤ320は、アウターチューブ321が内ケース121に固定され、インナーワイヤ322が内ケース121の貫通孔を突き抜けてピン123に固定されている。これにより、第二のレリースワイヤ322を伝わる駆動力をピン123に伝達させて、ピン123を昇降動作させ、栓蓋110が昇降動作して、排水口520を開栓または閉栓する。
【0044】
図1,2,8に示すように、第一のレリースワイヤ310と第二のレリースワイヤ320との間には、動作反転部400を備えた動作反転機構を設けている。動作反転機構は、第一のレリースワイヤ310におけるアウターチューブ311に対してインナーワイヤ312が動作する方向と、第二のレリースワイヤ320におけるアウターチューブ321に対してインナーワイヤ322が動作する方向とが、動作反転部400を境にして反転して逆方向になるように、第一のレリースワイヤ310と第二のレリースワイヤとの間で駆動力を伝達することができる。すなわち、操作部200の操作ボタン210が押されて第一のレリースワイヤ310のインナーワイヤ312が排水栓部100側に動くと、動作反転部400はその動作方向を反転させて、第二のレリースワイヤ320のインナーワイヤ322を操作部200側に動かす。また、操作部200の操作ボタン210から手が離れて第一のレリースワイヤ310のインナーワイヤ312が操作部200側に動くと、動作反転部400は第二のレリースワイヤ320のインナーワイヤ322を排水栓部100側に動かす。
【0045】
また、排水栓部100の栓蓋110を押し下げて第二のレリースワイヤ320のインナーワイヤ322が操作部200側に動くと、動作反転部400によって第一のレリースワイヤ310のインナーワイヤ312を排水栓部100側に動かす。この場合には、第一のレリースワイヤ310のインナーワイヤ312がスラストロック機構230の支持軸235を引き下げるので、操作部200のスラストロック機構230は、ロックが解除される方向に作用する。
【0046】
なお、本実施形態においては、
図6に示すように、第一のレリースワイヤ310と第二のレリースワイヤ320の他端部において、アウターチューブ311,321を同軸方向に指向させて連結アウターチューブ330を形成するとともに、連結アウターチューブ330の内部で、双方のインナーワイヤ312,322の端部を固定具340で結合することにより、動作反転部400を構成している。
【0047】
次に、排水栓部の開栓、閉栓に応じた操作部の状態について説明する。
図9は、排水栓部の開栓、閉栓に応じた操作部の状態を示す斜視図であり、(a)は開栓状態における操作部、(b)は閉栓状態における操作部、を示している。
この排水栓装置では、排水栓部100の閉栓状態においては、栓蓋110が下降して排水口520を塞ぎ、且つ、
図9(a)に示すように、操作ボタン210も下降してケーシング220に格納され、操作ボタン210の上面とケーシング220のフランジ221の上面とが略面一になる。すなわち、操作ボタン210の側面211は、ケーシング220で隠蔽された状態になる。一方、排水栓部100の開栓状態においては、栓蓋110が上昇して排水口520を開き、且つ、
図9(b)に示すように、操作ボタン210も上昇して、ケーシング220のフランジ221よりも上方に突出した状態になる。すなわち、操作ボタン210の側面211がケーシング220のフランジ221よりも上方に露出する。
このように、排水栓部100の栓蓋110の昇降状態と、操作部200の操作ボタン210の昇降状態とを同期させて、栓蓋110の上昇時には操作ボタン210も上昇し、栓蓋110の下降時には操作ボタン210も下降しているから、いわば、操作部200の状態が排水栓部100の開閉状態を擬似的に表していることとなる。そのため、使用者は、浴槽500の内部を覗き込むようにして排水栓部100を視認することなく、操作部200の状態によって排水栓部100の開栓状態を直感的に理解することができる。
【0048】
さらに、操作ボタン210の側面211には、操作ボタン210の本体とは素材の異なる蛍光色のシール部材を貼ることで、使用者に対し、より明確に排水栓部100の開栓状態を知らしめることができる。なお、シール部材に変えて塗装や鍍金、LED等の照明具を使った表示も可能である。
【0049】
次に、排水栓装置の閉栓操作について説明する。
開栓状態の排水栓部100を、浴槽500に湯をはるために閉栓状態とするために、使用者は、操作ボタン210を下方に押し下げる操作を行うと、スラストロック機構230の第一のロック状態が解除される。その後、使用者が操作ボタン210から手を離すとスプリング236の付勢力により操作ボタン210がわずかに上昇し、スラストロック機構230が第二のロック状態(
図4(c)の状態)になって、操作ボタン210の上面がケーシング220上端に設けたフランジ221と略同一面で停止する。
【0050】
このとき、操作部側に設けた第一のインナーワイヤ312は、操作ボタン210の押し下げにより、動作反転部400の方向に移動し、その後の操作ボタン210のわずかな上昇により、操作部200の方向にわずかに戻される。
他方、排水部側に設けた第二のインナーワイヤ322は、動作反転部400の作用によってこの第一のインナーワイヤ312の動作に連動し、操作ボタン210の押し下げにより動作反転部400の方向に引っ張られることから、ケース620内のピン123が下降し、ピン123によって支持されていた排水栓部100の栓蓋110は支持を失って自重により下降して排水口520を閉栓する。
【0051】
さて、使用者が操作ボタン210から手を離すと、スラストロック機構230によって操作ボタン210のわずかな上昇が発生して、第二のインナーワイヤ322もまたわずかに押し上げられ、結果、ケース620内のピン123がわずかに上昇する。しかし、ピン123が最も下方に下がった位置においては、ピン123と栓蓋110の間には、前記のわずかな上昇分を吸収できるクリアランス(すき間)を設けていることから、わずかな上昇が生じても栓蓋110による閉栓には何ら影響を及ぼさないようになっている。
【0052】
閉栓状態においては、操作ボタン210の上面がケーシング220上端に設けたフランジ221と略同一面で停止しているので、出っ張りが無い。したがって、使用者が誤って操作ボタン210上に洗面器を置いたり、肘を掛けたとしても、操作ボタン210が誤作動を起こすことが無いので、浴槽内のお湯が排水されることを未然に防止することができる。
【0053】
また、同時に操作ボタン210の側面211がケーシング220で隠蔽されるので、排水栓部100が閉栓されていることが操作部200において擬似的に表現されることとなるので、操作ボタン210の態様から閉栓状態を直感的に把握することができる。
【0054】
続いて、排水栓装置の開栓操作について説明する。
閉栓状態から、使用者が操作ボタン210を押し下げると、スラストロック機構230の第二のロック状態が解除され、その後、使用者が操作ボタン210から手を離すとスプリング236の付勢力によって操作ボタン210が上昇し、スラストロック機構230が第一のロック状態(
図4(a)の状態)になって操作ボタン210がケーシング220のフランジ221よりも突出した位置(上昇ポジション)まで上昇して停止する。
【0055】
このとき、操作部側に設けた第一のインナーワイヤ312は、操作ボタン210の押し下げにより、動作反転部400の方向に移動し、操作ボタン210の上昇と共に、操作部200の方向に戻される。
排水部側に設けられた第二のインナーワイヤ322は、動作反転部400の作用によって、操作ボタン210の押し下げによる第一のインナーワイヤ312の動作に連動して動作反転部400の方向に引っ張られた後、操作ボタン210の上昇と共に逆方向である排水部100の方向に移動する。これによって、第二のインナーワイヤ322に接続した、ケース620のピン123が上昇して、それに支持された栓蓋110も上昇し排水口520を開栓する。
このようにして、開栓操作、閉栓操作に応じて排水栓装置が開栓、閉栓を行う。
【0056】
さて、浴槽内部を清掃する場合には、通常、排水栓部100を開栓して残り湯を排出し、使用者が浴槽内に入り込んでスポンジなどで丁寧に清掃する。
その際、誤って、開栓状態にある栓蓋110を踏みつけてしまうことがあるが、本実施形態の排水栓装置においては、開栓状態において、足で踏みつけるなど無理に栓蓋110を押し下げると、ケース620のピン123を伝い、排水部側の第二のインナーワイヤ322が押し下げられる。
この場合、動作反転部400は、この第二のインナーワイヤ322の動作に連動して、操作部側の第一のインナーワイヤ312を引き下げる。ここで、操作部200のスラストロック機構230は、スプリング236の付勢力によって第一のインナーワイヤ312を上昇させて第一のロック状態で保持されているが、第一のインナーワイヤ312はスプリング236の付勢力に抗うようにして第一のロック状態が解除される方向に引き下げ可能である。具体的には、第一のロック状態では、回転リング234が非回転リング233の係合歯233aよりも下方のガイド溝231c内を自由に昇降可能な状態であるため、ガイド溝231cが第一のインナーワイヤ312の引き下げを許容する動作許容部となっている。
そして、スラストロック機構230の第一のロック状態が解除される方向に作動するのにつれて、操作ボタン210は下降する。
【0057】
なお、栓蓋110を踏みつけるなど一定の応力が栓蓋110に生じた場合、前述したように第一のインナーワイヤ312が引き下げられるため、スラストロック機構230は、非回転リング233が引き下げられ、回転リング234が外ケース231のガイド溝231bに案内されて第一のロック状態が解除される方向に下降して、スラストロック機構230の内部が、
図10の(a)の状態から(b)の状態に移行する。ただし、栓蓋110を踏みつけただけでは、回転リング234は一つのガイド溝231bから抜け出ることはない。よって、回転リング234の被係合歯234aは非回転リング233の係合歯233aに係合したままであり、非係合歯234aが外ケース231の係止歯231cに係合することはないから、スラストロック機構230はロックが解除される方向に作動するものの、この応力を取り除いた際、再び開栓状態(
図10(a)の状態)に戻るようになっている。
【0058】
このように、本実施形態の排水栓装置においては、開栓状態にある栓蓋110を踏みつけてしまった場合であっても、ケース620やスラストロック機構230、あるいはレリースワイヤ300といった内部構造を破損する恐れはないものである。
【0059】
また、開栓状態においては操作ボタン210がケーシング220のフランジ221よりも上方に突出して側面211が露出した状態になっているので、従来技術のように操作ボタン210がフランジ221よりも低い位置に保持されることがないので、操作部に清掃時の洗剤などが流れ込み滞留する恐れがない。
【0060】
なお、閉栓状態において、無理に栓蓋110を引き上げた場合であっても、栓蓋110とピン123の接触が離れるだけなので、ケース620や第二のインナーワイヤ322を破損することはなく、栓蓋110のみが外れるだけである。
【0061】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
この第二の実施形態では、操作部と、レリースワイヤの操作部側の端部との間に動作反転機構を設けている。さらに、動作反転機構とロック機構を1つのケーシングの中に納めて一体化している。
【0062】
図11は、この実施形態のケーシングの内部構造を表す分解模式図である。
【0063】
第二の実施形態のケーシング700の内部には、パッキン720と、ワイヤガイド730と、回転体(増幅部、動作反転部)740と、付勢部750と、が収納されている。パッキン720は、例えば操作部600の操作ボタン610とケース620との間の隙間から浸入した水(加熱されたお湯を含む)がワイヤガイド730や回転体740や付勢部750の側へ浸入することを防止する。付勢部750は、例えば「ねじりコイルばね」などと呼ばれるばねである。付勢部750は、ケーシング700と回転体740とに係合されて栓蓋810を上昇させる方向すなわち操作ボタン610を上昇させる方向に付勢している。
【0064】
回転体740は、栓蓋810および操作ボタン610の位置を制御するロック機構を有する。つまり、第二の実施形態にかかる排水栓装置では、動作反転部とロック機構とは、1つのケーシング700に収納され一体化されている。これによれば、部品点数の削減やコスト削減を図ることができる。また、回転体740は、外周に形成された第1の溝741および第2の溝742を有する。ワイヤガイド730および回転体740については、後に詳述する。
【0065】
パッキン720、ワイヤガイド730、回転体740、および付勢部750は、ケーシング700に取り付けられた蓋770により覆われている。ケーシング700の内周面には、雌ねじ701が形成されている。一方、蓋770の外周面には、雄ねじ711が形成されている。ケーシング700と蓋770とは、互いに螺合することで、パッキン720と、ワイヤガイド730と、回転体740と、付勢部750と、を隠蔽することができる。
【0066】
なお、ケーシング700と蓋770との接合方法は、螺合だけに限定されず、溶着や接着であってもよい。ケーシング700と蓋770とが溶着あるいは接着された場合には、パッキン720を設ける必要はない。また、
図4に表したケーシング700のようには、ケーシング700の外形に段差部を設ける必要はない。そのため、部品点数の削減や、構造の簡略化などを図ることができる。また、コスト削減を図ることができる。
【0067】
図12は、ワイヤの連結構造を説明するための断面模式図である。なお、
図12は、操作ボタン610が下降状態にある場合を表している。また、
図12では、蓋770、パッキン720、およびワイヤガイド730を省略している。
【0068】
ワイヤ711は、第1のワイヤ711aと、第2のワイヤ711bと、を有する。第1のワイヤ711aの一端は、一端が操作ボタン610に接続された連結体630に固定されている。第1のワイヤ711aの他端は、第2のワイヤ711bの一端に固定されている。第2のワイヤ711bの他端は、回転体740の第1の溝741(
図11参照)に適宜固定されている。
図7に表したように、ケーシング700の管703は、二重管の構造を有する。ワイヤ711は、ケーシング700の管703の内管703bの内部を移動することができる。一方、連結体630は、ケーシング700の管703の外管703aと内管703bとの間の空間を移動することができる。
【0069】
回転体740は、軸243を有する。一方、ケーシング700は、軸受け部705を有する。回転体740の軸243がケーシング700の軸受け部705と係合することで、回転体740は、軸243を中心として回動することができる。
【0070】
操作ボタン610が押されて下方へ移動すると、連結体630を介して操作ボタン610と連結されたワイヤ711は、下方すなわち回転体740の側へ移動する。そして、操作ボタン610を押す力は、連結体630およびワイヤ711を介して回転体740へ伝達される。そうすると、回転体740は、軸243を中心として
図12上で時計回りの方向へ回動する。このとき、
図11に関して前述したように、付勢部750は、栓蓋810を上昇させる方向すなわち操作ボタン610を上昇させる方向に付勢しているため、回転体740は、付勢部750の付勢力に対抗して回動する。
【0071】
一方、押しボタン110が上方へ移動すると、付勢部750の付勢力によって、ワイヤ211は、上方すなわち回転体240とは反対の側へ移動する。そして、付勢部750の付勢力によって、回転体240は、軸243を中心として
図12上で反時計回りの方向へ回動する。
【0072】
第1のワイヤ711aの剛性は、第2のワイヤ711bの剛性よりも高い。また、第1のワイヤ711aの長さは、第2のワイヤ711bの長さよりも長い。これによれば、操作ボタン610と回転体740との間の距離が比較的長い場合でも、ワイヤ711は、操作ボタン610を押す力をより確実に回転体740へ伝達することができる。また、第2のワイヤ711bは、回転体740の第1の溝741に嵌った状態で固定されている。そのため、第2のワイヤ711bが回転体740の第1の溝741から外れることを抑制することができる。
【0073】
なお、
図11に関して前述したように、例えば操作部600の操作ボタン610とケース620との間の隙間から浸入した水は、ケーシング700の管703の外管703aと内管703bとの間の空間を流れる。そして、ガイド筒530を流れて既存の排水管へ導かれる。
【0074】
図13は、レリースワイヤの連結構造を説明するための平面模式図である。また、
図14は、第二の実施形態の回転体を表す斜視模式図である。なお、
図13では、蓋770およびパッキン720を省略している。
【0075】
第二の実施形態のワイヤガイド730は、ケーシング700の脚受け部707に差し込まれて固定されている。すなわち、ワイヤガイド730は、回転体740とは異なり、ケーシング700に対して回転するわけではない。
【0076】
レリースワイヤ712をワイヤガイド730に固定することができる。そのため、アウターチューブ712aは、ワイヤガイド730を介してケーシング700に固定される。
また、インナーワイヤ712bの一端は、回転体740の第2の溝742(
図11参照)に適宜固定されている。
【0077】
図12に関して前述したように、操作ボタン610が押されて下方へ移動すると、回転体740は、軸243を中心として
図12上で時計回りの方向へ回動する。そうすると、回転体740の第2の溝742に固定されたインナーワイヤ712bは、
図8に表した矢印A3の方向へ移動する。そうすると、インナーワイヤ712bの他端に固定された排水栓部800のピン823は、下降する。これによれば、ピン823により支持されていた栓蓋810は、支持を失い自重により下降して排水口521を閉栓状態とする。
【0078】
一方、操作ボタン610が
図12上で上方へ移動すると、回転体740は、軸243を中心として
図13上で反時計回りの方向へ回動する。そうすると、回転体740の第2の溝742に固定されたインナーワイヤ712bは、
図13に表した矢印A3とは反対の方向へ移動する。そうすると、インナーワイヤ712bの他端に固定された排水栓部800のピン823は、上昇する。これによれば、栓蓋810は、ピン823により支持され上昇して排水口521を開栓状態とする。
【0079】
このようにして、栓蓋810の昇降状態と、操作ボタン610の昇降状態と、を同期させることができる。言い換えれば、操作ボタン610の昇降動作と、栓蓋810の昇降動作と、を連動させることができる。つまり、回転体740は、操作ボタン610の動作による駆動力の方向を反転させて栓蓋810へ伝達する動作反転部としての機能を有する。
【0080】
これによれば、使用者は、浴槽500の内部を覗き込まなくとも操作ボタン610の昇降状態から排水口の開閉状態を直感的に把握することができる。つまり、第二の実施形態にかかる排水栓装置によれば、排水口の開閉状態を使用者に分かりやすく伝えることができる。
【0081】
また、排水口521の開栓状態において、使用者が例えば足で栓蓋810を踏みつけるなどして無理に栓蓋810を押し下げると、栓蓋810の動作による駆動力は、ピン823を介してインナーワイヤ712bに伝達される。そうすると、インナーワイヤ712bは、
図13に表した矢印A3の方向へ移動する。そうすると、回転体740は、付勢部750の付勢力に対抗しつつ
図13に表した矢印A2の方向へ回動する。そうすると、ワイヤ711および操作ボタン610は、下降する。
【0082】
つまり、排水口521の開栓状態においては、操作ボタン610は、自由に下降可能である。そのため、排水口521の開栓状態において、使用者が例えば足で栓蓋810を踏みつけるなどして無理に栓蓋810を押し下げても、排水栓装置が破損することを抑制することができる。
【0083】
図11および
図14に表したように、回転体740の第2の溝742は、回転体740の軸243からみて第1の溝741とは反対の側に設けられている。そのため、
図13に表したように、レリースワイヤ712のインナーワイヤ712bと、回転体740の第2の溝742と、の接続部(第1の接続部)211dは、回転体740の軸243からみて、ワイヤ711と、回転体740の第1の溝741と、の接続部(第2の接続部)212dとは反対の側に位置する。
【0084】
また、第1の接続部711dと、回転体740の軸243と、の間の距離D1は、第2の接続部712dと、回転体740の軸243と、の間の距離D2よりも長い。そのため、てこの原理あるいは力のモーメントにより、レリースワイヤ712のインナーワイヤ712bが伝達する力は、ワイヤ711が伝達する力よりも大きい。言い換えれば、ワイヤ711が伝達する力は、回転体740により増幅されてレリースワイヤ712のインナーワイヤ712bにより伝達される。つまり、回転体740は、操作ボタン610を押す力を増幅して栓蓋810へ伝達する増幅部としての機能を有する。
【0085】
ここで、排水口521の開栓状態すなわち栓蓋810の上昇状態は、付勢部750の付勢力を1つの要素あるいは要因として維持される。つまり、付勢部750が回転体740を
図13上で反時計回りの方向へ付勢する力を1つの要素あるいは要因として、排水口521の開栓状態すなわち栓蓋810の上昇状態が維持される。そのため、付勢部750の付勢力が比較的小さい場合には、排水時の水圧による力や排水時の引き込み力により栓蓋810の上昇状態が維持できない場合がある。
【0086】
これに対して、第二の実施形態にかかる排水栓装置によれば、付勢部750の付勢力をより大きくすることで、排水時において排水口521の開栓状態すなわち栓蓋810の上昇状態を維持することができる。すなわち、回転体740が操作ボタン610を押す力を増幅して栓蓋810へ伝達する増幅部として機能するため、付勢部750の付勢力をより大きくしても、操作ボタン610を押すために必要な力を低減することができる。そのため、操作ボタン610の操作時における使用者への負担を低減することができる。これにより、排水時における水流の勢いで排水口521が閉栓状態となることを抑制し、より確実に排水を実行することができる。
【0087】
また、より簡単な構造を有する回転体740を利用することで、操作ボタン610を押す力が増幅され栓蓋810へ伝達される。そのため、部品点数およびコストの削減を図ることができる。
【0088】
さらに、第1の接続部711dと、回転体740の軸243と、の間の距離D1は、第2の接続部712dと、回転体740の軸243と、の間の距離D2よりも長いため、操作ボタン610の昇降距離(ストローク)は、栓蓋810の昇降距離(ストローク)よりも長い。そのため、栓蓋810が上昇した場合における操作ボタン610の上昇距離は、比較的長い(
図1および
図8参照)。これにより、操作ボタン610の上昇状態を使用者が視認しやすくなり、排水口の開閉状態をより分かりやすく使用者に伝えることができる。
【0089】
次に、第二の実施形態のロック機構について、図面を参照しつつ説明する。
図15は、第二の実施形態のケーシングに形成されたガイド凹部を表す斜視模式図である。 ケーシング700の底部708には、ガイド凹部709が設けられている(
図11)。ガイド凹部709は、径方向に延在している(
図16参照)。また、ガイド凹部709の内部には、ロックピン760が設けられている。ロックピン760は、基台761と、基台761から突出した凸部763と、を有し、
図15に表した矢印A4および矢印A5の方向に移動することができる。つまり、ロックピン760は、回転体740の軸243(
図14参照)あるいはケーシング700の軸受け部705(
図12参照)に対して相対的に移動することができる。
【0090】
図14に表したように、回転体740は、ロックピン760の凸部763が内部を移動可能なカム溝745を有する。回転体740の軸243がケーシング700の軸受け部705と係合したときには、カム溝745の底面745eは、ロックピン760の凸部763の上面763aと対向する。
このように、第二の実施形態のロック機構は、ガイド凹部709と、ロックピン760と、カム溝745と、を有する。
【0091】
カム溝745は、第1のコーナー部745aと、第2のコーナー部745bと、第3のコーナー部745cと、第4のコーナー部745dと、を有する。第1〜第4のコーナー部245a、245b、245c、245dの径は、ロックピン760の凸部763の径と略同じあるいはそれよりも大きい。そして、カム溝745は、第1〜第4のコーナー部245a、245b、245c、245dのそれぞれにおいて、ロックピン760を保持可能である。
図14に表したように、カム溝745の底面745eに対して垂直にみたときに、カム溝745の形状は、略ハート状である。
【0092】
図16〜
図19は、第二の実施形態のロック機構の動作を説明するための模式図である。
また、
図20は、カム溝に対するロックピンの相対的な移動を説明するための平面模式図である。
なお、
図16(a)、
図17(a)、
図18(a)、および
図19(a)は、操作ボタンの昇降状態を表す断面模式図である。
また、
図16(b)、
図17(b)、
図18(b)、および
図19(b)は、回転体およびロックピンの位置を表す平面模式図である。
また、
図16(c)、
図17(c)、
図18(c)、および
図19(c)は、栓蓋の昇降状態を表す断面模式図である。
また、
図16(b)、
図17(b)、
図18(b)、および
図19(b)では、蓋770、パッキン720、およびワイヤガイド730を省略している。
また、
図20は、ロックピン760の側からカム溝745を眺めたときの平面模式図である。
【0093】
図16(a)および
図16(c)に表したように、操作ボタン610が上昇状態にあるとき、栓蓋810は、排水栓部800のピン823により支持され上昇状態にある(排水口521の開栓状態)。このとき、
図16(b)および
図20に表したように、ロックピン760は、カム溝745の第1のコーナー部745aに位置する。すなわち、ロックピン760がカム溝745の第1のコーナー部745aに位置(到達)することにより、操作ボタン610の上昇状態および栓蓋810の上昇状態(排水口521の開栓状態)が保持される(第1のロック状態)。
【0094】
続いて、使用者が操作ボタン610を
図16(a)に表した矢印A11の方向に押すと、操作ボタン610の下降動作による駆動力がワイヤ711により回転体740へ伝達される。そのため、回転体740は、付勢部750の付勢力に対抗しつつ
図16(b)に表した矢印A12の方向へ回動する。そうすると、ロックピン760は、ガイド凹部709の内部を移動しつつ、
図20に表した矢印A21のようにカム溝745の内部を移動する。つまり、第1のロック状態が解除される。また、排水栓部800のピン823は、下降する。
【0095】
そして、
図17(b)および
図20に表したように、ロックピン760がカム溝745の第2のコーナー部745bに到達し保持されると、操作ボタン610および排水栓部800のピン823の下降動作が停止する。つまり、ロックピン760がカム溝745の第2のコーナー部745bに到達したときに、操作ボタン610および排水栓部800のピン823は、最下端の位置に到達する。
【0096】
このとき、
図17(c)に表したように、排水栓部800のピン823は、栓蓋810から離れ、栓蓋810を支持していない。そのため、栓蓋810は、排水栓部800のピン823による支持を失い下降する。これにより、排水口521は、閉栓状態となる。
【0097】
続いて、使用者が操作ボタン610から手を離すと、回転体740は、付勢部750の付勢力により
図17(b)に表した矢印A13の方向へ回動する。そうすると、回転体740の回動による駆動力が、ワイヤ711およびレリースワイヤ712により操作ボタン610および排水栓部800のピン823へそれぞれ伝達される。そのため、操作ボタン610および排水栓部800のピン823は、最下端の位置から上昇する。
【0098】
またこのとき、ロックピン760は、ガイド凹部709の内部を移動しつつ、
図20に表した矢印A22のようにカム溝745の内部を移動する。そして、
図18(b)および
図20に表したように、ロックピン760がカム溝745の第3のコーナー部745cに到達し保持されると、操作ボタン610および排水栓部800のピン823の上昇動作が停止する。
【0099】
このとき、
図18(c)に表したように、排水栓部800のピン823は、最下端の位置から僅かに上昇するが、栓蓋810から離れ、栓蓋810を支持していない。そのため、排水口521は、閉栓状態のままで保持される。つまり、
図18(a)〜
図18(c)に表したように、ロックピン760がカム溝745の第3のコーナー部745cに到達し保持されることにより、操作ボタン610の下降状態および栓蓋810の下降状態(排水口521の閉栓状態)が保持される(第2のロック状態)。
【0100】
続いて、使用者が操作ボタン610を
図18(a)に表した矢印A14の方向に押すと、操作ボタン610の下降動作による駆動力がワイヤ711により回転体740へ伝達される。そのため、回転体740は、付勢部750の付勢力に対抗しつつ
図18(b)に表した矢印A15の方向へ回動する。そうすると、ロックピン760は、ガイド凹部709の内部を移動しつつ、
図20に表した矢印A23のようにカム溝745の内部を移動する。つまり、第2のロック状態が解除される。また、排水栓部800のピン823は、下降する。
【0101】
そして、
図19(b)および
図20に表したように、ロックピン760がカム溝745の第4のコーナー部745dに到達し保持されると、操作ボタン610および排水栓部800のピン823の下降動作が停止する。つまり、ロックピン760がカム溝745の第4のコーナー部745dに到達したときに、操作ボタン610および排水栓部800のピン823は、最下端の位置に到達する。
【0102】
このとき、
図19(c)に表したように、排水栓部800のピン823は、栓蓋810から離れ、栓蓋810を支持していない。そのため、栓蓋810は、そのため、排水口521は、閉栓状態のままである。
【0103】
続いて、使用者が操作ボタン610から手を離すと、回転体740は、付勢部750の付勢力により
図19(b)に表した矢印A16の方向へ回動する。そうすると、回転体740の回動による駆動力が、ワイヤ711およびレリースワイヤ712により操作ボタン610および排水栓部800のピン823へそれぞれ伝達される。そのため、操作ボタン610および排水栓部800のピン823は、最下端の位置から上昇する。
【0104】
またこのとき、ロックピン760は、ガイド凹部709の内部を移動しつつ、
図20に表した矢印A24のようにカム溝745の内部を移動する。そして、
図16(b)および
図20に表したように、ロックピン760がカム溝745の第1のコーナー部245cに到達し保持されると、操作ボタン610および排水栓部800のピン823の上昇動作が停止する。つまり、
図16(a)〜
図16(c)に表したように、ロックピン760がカム溝745の第1のコーナー部745aに到達し保持されることにより、操作ボタン610の下降状態および栓蓋810の下降状態(排水口521の閉栓状態)が保持される(第1のロック状態)。
【0105】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。