特許第5979576号(P5979576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5979576-給湯システム用の貯湯タンク装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5979576
(24)【登録日】2016年8月5日
(45)【発行日】2016年8月24日
(54)【発明の名称】給湯システム用の貯湯タンク装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20160817BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20160817BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H1/18 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-285671(P2011-285671)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-134028(P2013-134028A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】森本 量
(72)【発明者】
【氏名】福井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 向生
(72)【発明者】
【氏名】藤川 泰
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰介
(72)【発明者】
【氏名】羽藤 佐一郎
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−278650(JP,A)
【文献】 特開2010−041984(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3136206(JP,U)
【文献】 特開2000−185271(JP,A)
【文献】 特開2004−251521(JP,A)
【文献】 特開2007−309621(JP,A)
【文献】 実開昭60−093867(JP,U)
【文献】 特開2007−263335(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0005571(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用の湯水を貯留するための貯湯タンクと、
この貯湯タンクの外面部を覆う断熱材と、
を備えている、給湯システム用の貯湯タンク装置であって、
前記断熱材の少なくとも一部は、複数のキャップ状凸部を有する第1のシートに、前記キャップ状凸部の開口を塞ぐ第2のシートが貼り合わされることにより、複数の密閉状の空気室が形成された可撓性を有する樹脂製の気泡シートとされ、
この気泡シートは、熱収縮性を有する材質であり、前記貯湯タンクの少なくとも一部を囲む筒状とされた状態で熱収縮していることを特徴とする、給湯システム用の貯湯タンク装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯システム用の貯湯タンク装置であって、
前記気泡シートは、前記貯湯タンクの筒状の胴部の周囲に巻き付けられており、かつ前記貯湯タンクの上部および下部は、発泡樹脂成形体の断熱材によって覆われている、給湯システム用の貯湯タンク装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の給湯システム用の貯湯タンク装置であって、
前記気泡シートには、前記貯湯タンクからの輻射熱を反射可能な金属膜層が積層して設けられている、給湯システム用の貯湯タンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプなどを用いて加熱された湯水を貯留するのに用いられる給湯システム用の貯湯タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯システム用の貯湯タンク装置は、貯湯タンクからの放熱ロスを少なくする必要がある。このため、従来においては、貯湯タンクの外面部を断熱材によって覆っている。この断熱材としては、たとえばグラスウール製のシート、あるいは発泡スチロールなどの発泡樹脂成形体を用いるのが一般的である(たとえば、特許文献1,2を参照)。また、真空断熱材も適宜用いられている。
【0003】
しかしながら、従来においては、次のように改善すべき余地があった。
すなわち、グラスウールは比較的廉価で保温性能はよいものの、再資源化の技術が確立されておらず、貯湯タンク装置を廃棄する場合には、グラスウール製の断熱材を産業廃棄物として処理する必要が生じる。これは、環境保護や省資源化の観点からすると余り望ましいものではない。一方、発泡樹脂成形体の断熱材は、グラスウールと同様に保温性能は良好であるものの、成形用の金型が高価である。また、発泡樹脂成形体は、全体のサイズが大きく嵩張るために、リサイクル回収時の物流コストなども高価となる。真空断熱材は、前記した断熱材と比較して相当に高価であり、また貯湯タンクへの組み付け時などの取り扱いに際しては大きな注意を払う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−336827号公報
【特許文献2】特開2004−251521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、断熱材を廉価にし、かつ廃棄またはリサイクルの処理を容易に行なうことができ、しかも貯湯タンクへの断熱材の組み付け作業性が悪化するといった不具合も適切に回避することが可能な給湯システム用の貯湯タンク装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明により提供される給湯システム用の貯湯タンク装置は、給湯用の湯水を貯留するための貯湯タンクと、この貯湯タンクの外面部を覆う断熱材と、を備えている、給湯システム用の貯湯タンク装置であって、前記断熱材の少なくとも一部は、複数のキャップ状凸部を有する第1のシートに、前記キャップ状凸部の開口を塞ぐ第2のシートが貼り合わされることにより、複数の密閉状の空気室が形成された樹脂製の気泡シートとされ、この気泡シートは、熱収縮性を有する材質であり、前記貯湯タンクの少なくとも一部を囲む筒状とされた状態で熱収縮していることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
前記の気泡シートと同様な構成のものは、一般的に梱包用などの緩衝材として利用されているが、複数の密閉状の空気室を有している構造を有するために優れた断熱性を発揮する。したがって、この気泡シートを貯湯タンクの断熱材として使用したとしても、従来と比較して断熱性が劣らないようにし、貯湯タンクからの放熱ロスを少なくすることが可能である。樹脂製の気泡シートは、取り扱いが容易である。また、貯湯タンクの外面部に巻き付けたり、あるいは貼付するなどして貯湯タンクに装着することが可能であり、組み付け性がよい。さらに、市場において安価に入手することが可能であり、経済性に優れる。気泡シートは、リサイクル処理が可能であるが、全体の嵩張りを抑えることができ、しかも軽量であるために、リサイクルに際しての回収作業も容易であり、かかるコストも低減することができるなど、多くの利点が得られる。
また、このような構成によれば、気泡シートを貯湯タンクの外面に密着させることができる。したがって、気泡シートと貯湯タンクとの間に大きな隙間などを生じないようにし得るとともに、貯湯タンクに気泡シートを位置ずれのないように適切に取り付けることが可能となる。
【0009】
本発明において、好ましくは、前記気泡シートは、前記貯湯タンクの筒状の胴部の周囲に巻き付けられており、かつ前記貯湯タンクの上部および下部は、発泡樹脂成形体の断熱材によって覆われている。
【0010】
このような構成によれば、貯湯タンクのうち、広い面積を占める胴部については気泡シートによって覆い、かつ気泡シートによっては容易に覆うことがやや難しい貯湯タンクの上部および下部については、発泡樹脂成形体を補助的に用いている。このため、気泡シートの使用割合を多くしつつ、貯湯タンクの外面部の略全域を断熱材によって覆う作業を容易かつ迅速に行なうことができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記気泡シートには、前記貯湯タンクからの輻射熱を反射可能な金属膜層が積層して設けられている。
【0014】
このような構成によれば、全体が大きく嵩張ることを抑制しつつ、断熱性能をより高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本発明に係る給湯システム用の貯湯タンク装置の一例を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す構成において用いられている気泡シートの一例を示す要部拡大断面図であり、(c)は、気泡シートの他の例を示す要部拡大断面図である。
図2】(a)は、図1(a)のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)を加熱して気泡シートを熱収縮させる状態を示す平面断面図である。
図3】(a)は、本発明の他の例を示す断面図であり、(b)は、(a)の要部拡大断面図である。
図4】(a)は、本発明の他の例を示す断面図であり、(b)は、(a)の分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1および図2は、本発明が適用された給湯システム用の貯湯タンク装置(以下、適宜
「貯湯タンク装置」と簡略する)の一例を示している。本実施形態の貯湯タンク装置T1は、たとえばヒートポンプ式の給湯システムなどにおいて給湯用の湯水を貯留するためのものであり、貯湯タンク1、断熱材としての樹脂製の気泡シート2A、および発泡樹脂成形体3A,3Bを備えている。
【0019】
貯湯タンク1は、従来既知のものと同様であって、全体が金属製であり、略円筒状の胴部10aの上下に、外面が凸曲面状の上部鏡板部10bおよび下部鏡板部10cが連設された構成である。下部鏡板部10cには、貯湯タンク1を起立保持可能な複数の脚部12や給水管11bが接続され、上部鏡板部10bには、出湯管11aが接続されている。貯湯タンク1の外面部には、貯湯タンク1内に貯留された湯水の温度分布を検出するためのサーミスタなどを利用した複数の温度センサ13が設けられている。
【0020】
気泡シート2Aは、物品梱包時の緩衝材として用いられるものと同様な構成であり、図1(b)に示すように、複数のキャップ状凸部21aを形成している樹脂製の第1のシート21に、キャップ状凸部21aの開口を塞ぐ樹脂製の第2のシート22が貼り合わされている。このことにより、各キャップ状凸部21aの内部は、密閉状の空気室21bとなっている。各キャップ状凸部21aは、たとえば直径10mmの円形状であり、かつその高さは4mm程度であるが、これに限定されないことは勿論である。第1および第2のシート21,22は、たとえばポリエチレン製であって、熱収縮性を有し、可撓性(柔軟性)および透明性を有している。気泡シート2Aが透明であれば、温度センサ13を外部から透視することが可能であり、メンテナンスに際して便利である。
【0021】
なお、気泡シートとしては、前記した2層タイプのものとは別に、同図(c)に示す3層タイプの気泡シート2Bもある。この気泡シート2Bは、第1のシート21のキャップ状凸部21aの非開口部側に第3のシート23が積層された構成を有している。本発明においては、気泡シート2A,2Bのいずれを用いてもかまわない。
【0022】
気泡シート2Aは、平面に展開した状態では矩形または帯状であるが、図2(a)に示すように、貯湯タンク1の胴部10aの外周に巻き付けられている。気泡シート2Aの巻き終わりの端部29については、たとえば粘着テープ、接着剤、溶着などの手段を用いて気泡シート2Aの他の部分に接着させておけばよい。気泡シート2Aの巻き数は、図2(a)では3重巻き状態に示されているが、とくに限定されるものではなく、1重巻き、2重巻き、あるいは3重巻き以上のいずれであってもよい。巻き数を多くするほど断熱性が高くなる。したがって、巻き数を調整することによって、所望の断熱性能を適切に得ることが可能である。
【0023】
気泡シート2Aは、図2(a)に示すように、貯湯タンク1の胴部10aに巻き付けられて筒状に形成された後には、同図(b)に示すように、加熱され、この加熱により収縮している。この加熱処理は、たとえば加熱空気をブロアから気泡シート2Aに向けて送風するなどして行なうことができる。気泡シート2Aは、熱収縮を生じていることにより、貯湯タンク1の胴部10aの外周面に密着している。
【0024】
発泡樹脂成形体3A,3Bは、たとえば発泡スチロール製であり、貯湯タンク1のうち、気泡シート2Aによって覆われていない部分、すなわち上部鏡板部10bおよび下部鏡板部10cの外面部を覆っている。上部鏡板部10bおよび下部鏡板部10cに発泡樹脂成形体3A,3Bを装着する場合において、出湯管11aや給水管11bが邪魔となる場合には、これらとの干渉を回避すべく発泡樹脂成形体3A,3Bを複数に分割し、貯湯タンク1に装着した構成とすることもできる。
【0025】
次に、貯湯タンク装置T1の作用について説明する。
【0026】
まず、気泡シート2Aは、緩衝材などとして広く利用されているものと同様な構成であるが、複数の密閉状の空気室21bが2つの樹脂製のシート21,22によって形成された構成であるために、優れた断熱性を発揮し、貯湯タンク1からの放熱を抑制する効果が得られる。気泡シート2Aは、たとえばグラスウールなどと比較しても相当に廉価であり、市場において入手し易い。本実施形態では、貯湯タンク1の外面部のうち、広い面積を占める胴部10aについては、廉価な気泡シート2Aを用いているために、断熱材全体のコストを低減し、経済性に優れたものとすることができる。
【0027】
気泡シート2Aについては、胴部10aを囲む筒状にした上で熱収縮させているために、この気泡シート2Aと貯湯タンク1との間に大きな隙間などを生じさせないようにし、また気泡シート2Aが貯湯タンク1からずれ落ちるといった不具合も適切に防止することが可能である。気泡シート2Aを貯湯タンク1の胴部10aに装着する際には、気泡シート2Aを比較的緩い状態に胴部10aに巻き付けた後に、気泡シート2Aを加熱して収縮させればよい。したがって、気泡シート2Aの装着作業がより容易となる。一方、貯湯タンク1の上部鏡板部10bや下部鏡板部10cには、気泡シート2Aを巻き付け難いが、これらの部分については、発泡樹脂成形体3A,3Bを断熱材として用いており、それらの装着は容易である。このように、本実施形態によれば、貯湯タンク1の外面部の略全体を断熱材によって覆う作業も容易に行なうことができる。その結果、貯湯タンク装置T1の製造・組み立てコストをより廉価にすることが可能である。
【0028】
気泡シート2Aは、リサイクル処理が可能であり、また軽量であって、全体が嵩張らないようにすることができる。したがって、リサイクルに際しての回収作業も容易であり、その所要コストも低減することができる。
【0029】
図3および図4は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0030】
図3に示す貯湯タンク装置T2においては、貯湯タンク1の胴部10aに巻き付けられた気泡シート2Aの外周にアルミなどの金属の金属膜層4が設けられている。金属膜層4は、貯湯タンク1からの輻射熱を反射可能である。このような構成によれば、全体の嵩張りを防止しつつ、断熱性能をより高めることが可能である。
なお、金属膜層4を設けるための手段としては、たとえば気泡シート2Aのすくなとも片面にアルミなどの金属を蒸着させて金属膜層4を直接形成する手段、あるいは気泡シート2Aとは別のシート(このシートは単なる平面状あってもよいし、気泡シート2Aと同様な気泡シートであってもよい)に金属を蒸着させ、かつこの蒸着膜を有するシートを気泡シート2Aの外周に巻き付ける手段を採用することが可能である。これらのうち、いずれの手段を採用してもよいが、前者の場合には、金属膜層4が気泡シート2Aの熱収縮を妨げる虞があるが、後者の場合には、そのような虞を無くすことが可能である。
【0031】
図4に示す貯湯タンク装置T3においては、貯湯タンク1の上部鏡板部10bおよび胴部10aが、気泡シート2Cにより覆われ、かつ下部鏡板部10cが気泡シート2Dによって覆われている(なお、図4においては、便宜上、気泡シート2C,2Dを薄い状態(1枚シート状)に示しているが、これらの気泡シート2C,2Dについては、2枚重ね、あるいは3枚重ね以上とすることができる)。気泡シート2Cは、下部開口かつ上部閉塞状の筒状に形成されており、上部鏡板部10bおよび胴部10aに対してこれらの上側から被せられている。気泡シート2Cには、出湯管11aなどとの干渉を回避するための孔部28または切り込みが適宜設けられている。気泡シート2Cを貯湯タンク1に被せただけでは、気泡シート2Cが安定せず、気泡シート2Cと貯湯タンク1との間に大きな隙間などを生じる。このため、本実施形態では、気泡シート2Cを加熱により収縮させたり、
あるいは気泡シート2Cの周囲に粘着テープやその他の帯状部材(図示略)を巻き付けて貯湯タンク1の胴部10aに縛り付けるといった手段を採用することができる。
【0032】
気泡シート2Dは、たとえば粘着テープや接着剤などを用いて下部鏡板部10cに貼着されている。ただし、下部鏡板部10cは、その外面が曲面状であり、しかも下部給水管11bや脚部12が設けられた構成である。このため、それらの部分との干渉を回避して下部鏡板部10cに気泡シート2Dを適切に貼着させる手段として、気泡シート2Dについては、複数枚に適宜分断し、また下部給水管11bや脚部12を挿通させるための孔部または切り込み(図示略)を適宜設けた構成としている。
【0033】
本実施形態によれば、貯湯タンク1の全体を気泡シート2C,2Dによって覆っているために、断熱材のコストを大幅に低減することができる。また、リサイクル性などにも優れる。気泡シート2Cは、上部鏡板部10bおよび胴部10aを一括して覆うことが可能であるために、これらの部分に対する断熱材の組み付け作業性を良好にすることもできる。もちろん、本実施形態とは異なり、気泡シート2Cはそのままとし、気泡シート2Dを、図1に示した発泡樹脂成形体3Bに変更した構成とすることも可能である。
【0034】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る給湯システム用の貯湯タンク装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0035】
発明は、貯湯タンクを覆う断熱材の少なくとも一部が、気泡シートであればよい。したがって、図1図3に示した実施形態のように、断熱材として発泡樹脂成形体が別途用いられた構成としてもよいことは勿論のこと、発泡樹脂成形体とは異なる種類の断熱材を別途用いてもよい。
【0036】
貯湯タンクは、給湯システムにおいて給湯用の湯水を貯留するためのものであり、具体的な形状、サイズ、材質は問わない。貯湯タンクの胴部は、円筒状に代えて、角筒状とすることもできる。なお、本発明でいう「給湯システム」は、湯水加熱手段として、ヒートポンプを用いたものに限らず、たとえば太陽熱を利用するもの、あるいはコージェネレーションシステムの燃料電池やガスエンジンなどからの排熱を利用して湯水加熱を行なうといったものも広く含む。
【符号の説明】
【0037】
T1〜T3 貯湯タンク装置(給湯システム用の貯湯タンク装置)
1 貯湯タンク
2A〜2D 気泡シート(断熱材)
3A,3B 発泡樹脂成形体(断熱材)
4 金属膜層
10a 胴部(貯湯タンクの)
10b 上部鏡板部(貯湯タンクの上部)
10c 下部鏡板部(貯湯タンクの下部)
21,22 第1および第2のシート(気泡シートを構成するシート)
21a キャップ状凸部(気泡シートの)
21b 空気室(気泡シートの)
図1
図2
図3
図4